画像形成装置
【課題】実際に給送された記録媒体の搬送方向長さが、本来給送されるべき記録媒体の搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、その記録媒体が2枚連続して給送されるのを防止することができ、かつ、低コスト化及び小型化を図り得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、シート状の記録媒体P1に画像を形成する画像形成部と、画像形成部に記録媒体P1を搬送する搬送手段20と、搬送手段20に対して記録媒体P1を給送する給送手段16と、搬送手段20及び給送手段16の駆動を制御する制御手段とを備える。制御手段は、給送手段16が記録媒体P1を給送すべく駆動を開始し、給送手段16が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分Lminを給送し終える前に、給送手段16の駆動を停止させるように制御する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、シート状の記録媒体P1に画像を形成する画像形成部と、画像形成部に記録媒体P1を搬送する搬送手段20と、搬送手段20に対して記録媒体P1を給送する給送手段16と、搬送手段20及び給送手段16の駆動を制御する制御手段とを備える。制御手段は、給送手段16が記録媒体P1を給送すべく駆動を開始し、給送手段16が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分Lminを給送し終える前に、給送手段16の駆動を停止させるように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置においては、スキャナ部又は外部のパーソナルコンピュータなどから入力された画像情報に基づき、画像形成部が用紙に画像を形成する。このとき、画像形成部には、給紙部から、通常、前記入力された画像情報に対応するサイズの用紙が給送される。
【0003】
しかしながら、誤って、給紙部に所望のサイズよりも用紙搬送方向長さの短い小サイズの用紙をセットしてしまった場合は、1枚分の給紙動作でその小サイズの用紙が2枚続けて給送されてしまうことがある。また、小サイズの用紙が2枚連続して給送されると、本来、大きいサイズの用紙に形成されるべき画像が、2枚の用紙に跨って形成されることになるため、2枚目の用紙の先端からトナー像が転写される場合がある。
【0004】
一般に、トナー画像を定着ローラなどにより熱定着させる方式の画像形成装置においては、用紙の先端にはトナー画像を転写せずに余白を設け、その部分では定着ローラへのトナーの付着力が生じないようにすることで、定着ローラに対する用紙の分離性を確保している。しかし、この種の画像形成装置において、小サイズの用紙が2枚連続して給送された結果、上記のように2枚目の用紙の先端からトナー像が転写されると、2枚目の用紙が定着ローラから分離されずに巻き付いてしまう不具合が発生する。
【0005】
このような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、ユーザーにより設定された用紙搬送方向長さの半分まで用紙を給送した直後に、給紙ローラの駆動を一旦停止し、その後、再び給紙ローラを回転させて用紙を搬送するようにしている。このように給紙ローラの駆動を制御することで、仮に、セットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙の搬送方向長さの半分であったとしても、1枚目の用紙と2枚目の用紙との間に隙間を生じさせることができ、2枚の用紙が隙間をあけずに給送される連続給送を防止することができる。そして、この隙間をセンサで検知することで、小サイズの用紙が2枚続けて給送されたことを把握するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の方法によれば、誤セットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙の搬送方向長さに対して、半分、あるいは半分よりも短い場合は、1枚目の用紙と2枚目の用紙との間に隙間が形成することができる。しかしながら、誤セットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙の搬送方向長さの半分よりも長い場合は、1枚目の用紙と2枚目の用紙との間に隙間を形成することができないため、誤セット用紙の連続給送を検知できないといった問題がある。例えば、A3サイズの用紙を縦置きでセットすべきところ、誤ってB4サイズの用紙を縦置きでセットした場合は、B4サイズの縦はA3サイズの縦の半分よりも長いため、誤セットを検知できない。
【0007】
ただし、このような場合であっても、セットされた用紙の横幅を検知できるサイドフェンスなどが設けられていれば、A3サイズとB4サイズの横幅の違いから、誤セットを検知することが可能である。しかし、給紙部にサイドフェンスなどの検知手段を設けることは、コストアップや装置の大型化を招くため、特に、低価格化競争の激しいローエンドプリンタなどにおいては有効な手段ではない。
【0008】
また、特許文献1に記載の方法において、1枚目と2枚目の紙間を検知するために、小型プリンタなどで通常使用される接触式のフィラー(揺動レバー)を用いた場合、フィラーで紙間を検知するには、紙間の大きさは15〜20mm必要となる。しかし、紙間を15〜20mm確保すると、給送された用紙の斜行矯正のために用紙の先端側を撓ませるその撓み量を、通常の2〜4mmよりも大きくしなければならなくなる。その結果、用紙の撓んだ部分が周辺の搬送ガイドと干渉し、異音が生じたり、用紙にシワなどのダメージが発生したりするといった問題が生じる。また、厚紙などのコシの強い用紙を用いた場合は、用紙の撓み量を大きくするように給送動作制御しても、実際は、用紙のコシによって給紙ローラがスリップして撓み量は大きくならないといった問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、実際に給送された用紙の搬送方向長さが、本来給送されるべき用紙の搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、その用紙が2枚連続して給送されるのを防止でき、かつ、低コスト化及び小型化を図り得る画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に係る画像形成装置は、シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して記録媒体を給送する給送手段と、前記搬送手段及び前記給送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記給送手段が記録媒体を給送すべく駆動を開始し、給送手段が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終える前に、給送手段の駆動を停止させるように制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、給送手段が記録媒体を給送すべく駆動を開始し、給送手段が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終える前に、給送手段の駆動を停止させることで、実際に給送された記録媒体が、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズとは異なるサイズであったとしても、その記録媒体が2枚連続して給送されるのを防止することができる。
【0012】
しかも、本発明の場合、上記連続給送を防止できる記録媒体のサイズについて特に制限はないので、実際に給送された記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、記録媒体の連続給送を防止することが可能である。
【0013】
これにより、本発明に係る画像形成装置では、サイドフェンスなどの記録媒体の幅を検知する検知手段が不要となるので、装置の小型化及び低コスト化を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】通常の給紙動作における給紙の様子を示す図である。
【図3】通常の給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの駆動のタイミングチャートを示す図である。
【図4】誤セット用紙の連続給送を防止するための給紙動作において、正しいサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図である。
【図5】前記連続給紙防止のための給紙動作において、正しいサイズとは異なるサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図である。
【図6】前記連続給紙防止のための給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの回転駆動のタイミングチャートの一例を示す図である。
【図7】給紙ローラの再駆動タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図8】図6とは異なるタイミングチャートを示す図である。
【図9】給紙ローラの再駆動タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図10】図6及び図8のいずれとも異なるタイミングチャートを示す図である。
【図11】給紙ローラの再駆動タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の一形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0016】
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係るカラーレーザープリンタの全体構成及び動作について説明する。
図1に示すプリンタは、シート状の記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部200と、画像形成部200に用紙を供給する給紙部(記録媒体供給部)300と、画像形成部200によって用紙に形成された画像を当該用紙上に定着する定着部400と、定着部400によって画像が定着された用紙を装置外に排出する排紙部(記録媒体排出部)500等を備えている。
【0017】
画像形成部200には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、露光装置6と、転写装置7等が設けられている。4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、それぞれ、プリンタの装置本体100に対して着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
【0018】
具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に静電潜像を担持する潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備えた帯電装置と、感光体2上の静電潜像に現像剤としてのトナーを供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えたクリーニング装置を有する。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。
【0019】
図1において、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの上方には露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが有する各感光体2の表面へレーザー光を照射するように構成されている。
【0020】
また、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、複数のローラによって張架された転写体としての中間転写ベルト8と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11と、二次転写手段としての二次転写ローラ12等を有する。中間転写ベルト8は、無端状のベルトによって構成されている。ここでは、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10によって中間転写ベルト8が張架されている。この駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
【0021】
4つの一次転写ローラ11は、それぞれ、中間転写ベルト8を介して感光体2に対向した位置に配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。また、各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
【0022】
二次転写ローラ12は、中間転写ベルト8を介して駆動ローラ9に対向した位置に配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。また、二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
【0023】
また、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。このベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
【0024】
装置本体100の下部に配設された給紙部300には、用紙Pが収容される収容部としての給紙カセット15と、給紙カセット15から用紙を給送する給送手段としての給紙ローラ16と、給紙ローラ16によって給送される用紙を1枚ずつ分離する分離手段としてのフリクションパッド17等が設けられている。給紙カセット15には、用紙Pを載置する底板24が設けられており、底板24は、図示しない付勢手段により給紙ローラ16へ付勢されている。これにより、底板24上に積載されている用紙のうち、最上位の用紙は給紙ローラ16に接触した状態で保持される。
【0025】
一方、装置本体100の上部に配設された排紙部500には、用紙を装置外へ排出するための排紙ローラ対18と、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ19とが設けられている。
【0026】
また、装置本体100内には、用紙を給紙部300から上記二次転写ニップを通って排紙部500へ搬送するための搬送路(記録媒体搬送路)Rが配設されている。この搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向上流側には、用紙を二次転写ニップへ搬送する搬送手段としてのレジストローラ対20が配設されている。さらに、レジストローラ対20と給紙ローラ16の間の搬送路Rには、用紙を検知する検知手段としてのレジストセンサ25が配設されている。レジストセンサ25としては、揺動可能に設けられたフィラー等から成る接触式のものでもよいし、透過型又は反射型の光学式センサを用いた非接触式のものであってもよい。
【0027】
また、搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向下流側には、定着部400に設けてある定着装置21が配設されている。定着装置21は、用紙にトナー画像を定着する定着部材としての定着ローラ22と、定着ローラ22を加圧して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ23とを有している。また、定着ローラ22内には、定着ローラ22を加熱する加熱手段としての図示しないヒータが設けられている。
【0028】
図1に示す上記プリンタは以下のように動作する。
作像動作が開始されると、画像形成部200において、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない画像読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0029】
続いて、中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて一次転写される。かくして、中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
【0030】
一方、給紙部300では、給紙ローラ16が回転を開始し、給紙カセット15内に収容されている用紙Pが、回転する給紙ローラ16とそれに接触するフリクションパッド17との協働で1枚に分離されて搬送路Rへ送り出される。搬送路Rへ送り出された用紙Pは、レジストローラ対20に突き当たって斜行が矯正された後、レジストローラ対20が所定のタイミングで駆動を開始し、用紙Pを二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに搬送する。
【0031】
このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、上記中間転写ベルト8上のトナー画像が、二次転写ニップに搬送されてきた用紙P上に一括して二次転写される。また、転写後の中間転写ベルト8上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー収容器14へ搬送され回収される。
【0032】
上記のようにトナー画像が二次転写された用紙Pは、二次転写ニップを出た後、定着装置21に送られる。そして、用紙Pは、定着ローラ22と加圧ローラ23との間の定着ニップに送り込まれ、そこで用紙Pが加熱及び加圧されることにより、トナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、回転する定着ローラ22と加圧ローラ23によって送り出された後、排紙ローラ対18によって装置外に排出され、排紙トレイ19上にストックされる。
【0033】
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0034】
次に、図2と図3を参照しつつ、通常の給紙動作について説明する。
図2は、通常の給紙動作における給紙の様子を示す図、図3は、通常の給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの駆動のタイミングチャートを示す図である。
【0035】
給紙指示があると、図2(a)に示すように、給紙ローラ16が回転駆動し、最上位の用紙P1が送り出される。そして、図2(b)に示すように、送り出された用紙P1の先端y1が、レジストセンサ25の検知位置を通過して、レジストローラ対20のニップ部に突き当たり、先端y1側で撓みが形成されると、給紙ローラ16の回転を一旦停止する。
【0036】
なお、実際は、用紙の先端がレジストローラ対に突き当たった後も、用紙の斜行を矯正するために、給紙ローラを僅かに駆動させている。しかし、図3においては、簡略化のため、用紙の先端がレジストローラ対に突き当たった時点で給紙ローラの駆動を停止させるように表示している(図3の給紙ローラOFF1回目)。また、後述の図6、図8、図10に示すタイミングチャートにおいても同様に簡略化している。
【0037】
その後、図2(c)に示すように、レジストローラ対20を所定のタイミングで回転させ、同時に給紙ローラ16の回転も再開させて、用紙P1を下流側へ搬送する。そして、図2(d)に示すように、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過した時点で、給紙ローラ16の駆動が停止される。ここで、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過するタイミングは、スキャナ部又は外部のパーソナルコンピュータなどから入力された画像情報に基づき、それに対応する用紙サイズの搬送方向長さ分を、給紙ローラが給送し終えるタイミングとして設定している(以下、同様)。
【0038】
その後、図2(e)に示すように、レジストセンサ25によって、用紙P1の後端y4が所定のタイミングを過ぎる前に検知されると、搬送動作が正常に行われていると判定され、レジストローラ対20による用紙搬送動作が継続される。その場合、用紙P1は、二次転写ニップ、定着装置へ順次搬送され、画像が転写及び定着された後、装置外に排出される。なお、レジストローラ対20の回転は、用紙の後端がレジストローラ対20のニップ部を通過した時点で停止される。
【0039】
一方、所定のタイミングを過ぎる前に、用紙後端が検知されなかった場合は、用紙ジャムなどの搬送異常が発生していると判定される。この場合、搬送異常が発生したことによる装置へのダメージを軽減するため、用紙の搬送が強制的に停止される。
【0040】
上記搬送異常か否かの判定基準となる所定のタイミングは、図2(e)に示すように、用紙P1の搬送方向長さL1に余裕分の長さLjを加えた長さ分が、レジストセンサ25の検知位置を通過するタイミングで設定されている。この余裕分の長さLjは、給送時に用紙がスリップした場合の遅れを考慮したものである。また、この判定基準となるタイミングに達したか否かについては、給紙開始時、あるいはその後の所定のタイミングから、予め設定された時間を計測することで把握される。図3に示すタイミングチャートでは、 レジストローラ対の駆動開始から予め設定された時間Tjを計測することで、判定基準となるタイミングを計っている。
【0041】
また、上記搬送異常の判定及び給紙動作における、給紙ローラ、レジストローラ、レジストセンサなどの制御は、プリンタ本体に設けられている図示しない制御手段によって行われている。
【0042】
以上、通常の給紙動作について説明したが、この給紙動作を開始するにあたって、本来セットされるべき用紙のサイズとは異なる小サイズの用紙がセットされていた場合は、従来と同様に、1枚分の給紙動作で小サイズの用紙が2枚続けて給送されてしまう事態が発生する。
【0043】
その場合でも、小サイズ用紙2枚分の用紙搬送方向長さが、上記搬送異常を判定するための基準となる搬送方向長さ(図2(e)に示す用紙サイズの搬送方向長さL1に余裕分の長さLjを加えた長さ)を超える場合は、搬送異常と判定され、用紙の搬送が停止される。しかし、小サイズ用紙2枚分の用紙搬送方向長さが、前記搬送異常判定の基準となる搬送方向長さ以下であった場合は、搬送異常と判定されず、小サイズの用紙が2枚連続して転写部(二次転写ニップ)へと搬送されてしまう。その結果、2枚目の用紙の先端からトナー画像が転写された場合は、2枚目の用紙が定着ローラに巻き付く虞がある。
【0044】
そこで、本実施形態では、上記のような誤セット用紙の連続給送を防止するため、以下のように給紙動作を行うようにしている。
【0045】
図4は、誤セット用紙の連続給送を防止するための給紙動作において、正しいサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図、図5は、同給紙動作において、正しいサイズとは異なるサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図、図6は、同給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの回転駆動のタイミングチャートの一例を示す図である。
【0046】
まず、図4と図6を参照しつつ、正しいサイズの用紙がセットされている場合の給紙動作について説明する。
給紙指示があると、図4(a)に示すように、給紙ローラ16が回転駆動し、最上位の用紙P1が送り出される。そして、図4(b)に示すように、送り出された用紙P1の先端y1が、レジストセンサ25の検知位置を通過して、レジストローラ対20のニップ部に突き当たり、先端y1側で撓みが形成されると、給紙ローラ16の回転を一旦停止する。その後、図4(c)に示すように、レジストローラ対20を所定のタイミングで回転させ、同時に給紙ローラ16の回転も再開させて、用紙P1を下流側へ搬送する。ここまでの給紙動作は、上記通常の給紙動作と同様である。
【0047】
そして、給紙ローラ16とレジストローラ対20によって用紙P1を搬送し、図4(d)に示すように、設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminが給紙ローラ16を通過するよりも前の時点で、給紙ローラ16の駆動を一旦停止させる。
【0048】
具体的に、図4(d)において、設定可能な最小の用紙サイズの後端に相当する部分をzとすると、その最小サイズの後端zよりも先端側へ余裕分xだけ移動した部分y2が給紙ローラ16に達した時点で、給紙ローラ16の駆動を停止させる。例えば、設定可能な最小の用紙サイズをA6サイズとした場合、その搬送方向長さLminである148mmに対し、上記余裕分xを10mmに設定する。この場合、給紙ローラ16が、用紙P1の先端からA6サイズの搬送方向長さ分(148mm)を搬送し終えるよりも、10mm手前の138mmの長さ分を搬送し終えた時点で、その駆動を停止させるように制御する。
【0049】
また、本実施形態では、上記給紙ローラ16の駆動を停止させるタイミング、すなわち、図6において、給紙ローラOFF2回目のタイミングを、レジストローラ対20の駆動開始をトリガに時間Txを設定することで管理している。この時間Txは、図6において、給紙ローラON1回目から給紙ローラOFF1回目のまでの時間をT2とすると、上記最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminの給送時間から、上記余裕分xの給送時間と時間T2を減算して求められる(Tx=Lminの給送時間−裕分xの給送時間−T2)。なお、ここで、最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminの給送時間には、用紙の先端がレジストローラ対20に突き当たって待機している時間は含めない。
【0050】
上記のように、給紙ローラ16の駆動は、給紙ローラ16が最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminを給送し終える前に一旦停止されるが、レジストローラ対20は回転駆動し続けるので、用紙P1はさらに下流側へと搬送される。このとき、給紙ローラ16は、駆動が停止されても、回転可能な状態となっているので、用紙P1の搬送に伴って従動回転する。
【0051】
その後、図4(e)に示すように、搬送される用紙P1の後端y4が給紙ローラ16に近づいてくると、その後端y4が給紙ローラ16を通過するよりも前の時点で、給紙ローラ16の回転駆動を再開させる。すなわち、用紙P1の後端y4よりも先端側へ所定長さ分vだけ移動した部分y3が給紙ローラ16に達した時点で、給紙ローラ16を再駆動させる。そして、しばらくの間、駆動する給紙ローラ16とレジストローラ対20によって用紙P1は搬送される。その後、図4(f)に示すように、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過した時点、すなわち、給紙ローラ16が入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さ分を給送し終えた時点で、給紙ローラ16の駆動が停止される。
【0052】
その後、図4では図示していないが、この場合も、上記通常の給紙動作と同様に、レジストセンサ25の用紙後端検知タイミングに基づいて搬送異常の判定が行われる(図2(e)参照)。
【0053】
続いて、図5と図6を参照しつつ、正しいサイズとは異なるサイズの用紙がセットされている場合の給紙動作について説明する。
この場合、給紙ローラとレジストローラ対の駆動のON/OFFは、上記正しいサイズの用紙をセットした場合と同様に、図6に示すタイミングチャートで制御される。すなわち、誤セット用紙の連続給送を防止するための給紙動作では、セットされた用紙が正しいサイズであるか否かにかかわらず、給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの駆動制御は同様に行われる。
【0054】
この場合も、給紙指示があると、図5(a)に示すように、給紙ローラ16が回転駆動し、誤セットされた用紙の最上位の用紙P1が送り出される。そして、図5(b)に示すように、送り出された用紙P1の先端y1が、レジストセンサ25の検知位置を通過して、レジストローラ対20のニップ部に突き当たり、先端y1側で撓みが形成されると、給紙ローラ16の回転を一旦停止する。その後、図5(c)に示すように、レジストローラ対20を所定のタイミングで回転させ、同時に給紙ローラ16の回転も再開させて、用紙P1を下流側へ搬送する。
【0055】
そして、給紙ローラ16とレジストローラ対20によって用紙P1を搬送し、図5(d)に示すように、設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminが給紙ローラ16を通過するよりも前の時点で、給紙ローラ16の駆動を停止させる。このとき、給紙ローラ16の駆動を停止させる用紙P1上の位置は、上記正しいサイズの用紙をセットした場合の給紙動作と同様のy2で示す位置となる(図4(d)参照)。
【0056】
その後、用紙P1は、回転駆動するレジストローラ対20によってさらに下流側へ搬送される。このとき、給紙ローラ16は、上記と同様に、用紙P1の搬送動作に伴って従動回転する。
【0057】
しかし、図5(e)に示すように、用紙P1の後端y5が給紙ローラ16を通過すると、その時点で給紙ローラ16の従動回転が停止するので、1枚目の用紙P1の後端y5と2枚目の用紙P2の先端y6との間に紙間(隙間)が生じる。
【0058】
その後、図5(f)に示すように、給紙ローラ16を、上記と同様に、所定のタイミングで再駆動させる。すなわち、正しいサイズ(入力された画像情報に対応する用紙サイズ)の用紙の後端y4よりも先端側へ所定長さ分vだけ移動した部分y3が給紙ローラ16に達すると想定されるタイミングで、給紙ローラ16の駆動を再開させる。このときの給紙ローラ16の駆動再開によって、2枚目の用紙P2の給送が開始される。
【0059】
その後、図5(g)に示すように、正しいサイズの用紙の後端y4が給紙ローラ16を通過したと想定されるタイミングで(給紙ローラ16が入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さ分を給送し終えた時点で)、給紙ローラ16の駆動は停止される。この給紙ローラ16の駆動停止によって、2枚目の用紙P2の給送も停止される。
【0060】
上記説明したように、この場合は、1枚目の用紙P1の後端y5と2枚目の用紙P2の先端y6との間に紙間(隙間)を生じさせることができるので(図5(e)参照)、誤セットされた用紙の2枚連続給送を防止することができる。これにより、2枚目の用紙が定着装置へと搬送されて定着ローラに巻き付くなどの不具合が発生するのを回避できる。
【0061】
また、1枚目の用紙P1の後端y5と2枚目の用紙P2の先端y6との間に紙間(隙間)を生じさせることで、レジストセンサ25によって、1枚目の用紙P1の後端を検知することが可能となる。これにより、その後端の検知タイミングに基づき、図示しない制御手段が、給送された用紙の搬送方向長さを算出することができる。その結果、給送された用紙のサイズが、本来セットされるべきサイズよりも短いと判定された場合は、用紙搬送を停止し、プリンタ本体に設けられている表示部にエラー表示を行うことで、用紙サイズが間違ったまま給紙されるのを防ぐことができる。
【0062】
なお、図5では、誤セットされた用紙のサイズが最小サイズである場合を例として示しているが、誤セットされた用紙のサイズが、本来セットされるべき用紙サイズより短く、かつ、最小サイズよりも長い場合であっても、同様に、連続給送を防止することができる。ただし、その場合は、図5(d)に示す給紙ローラ16の駆動を一旦停止した時点で、給紙ローラ16よりも用紙給送方向上流側に残っている部分の用紙長さが長くなるため、図5(e)に示す1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2との紙間が短くなる。
【0063】
また、図4(e)又は図5(f)において、給紙ローラ16を再駆動させているのは、ショックジターと称される線状の濃度ムラが画像に発生するのを防止するためである。
【0064】
ショックジターは、用紙に画像が印刷される際、その用紙の搬送速度が瞬間的に低下したときに発生する。仮に、図4(e)に示す状態で、給紙ローラの再駆動をさせない場合は、給紙ローラは搬送される用紙に連れられて従動回転することになる。このとき、用紙の後端が給紙カセットに積載されている用紙束の先端位置を通過すると、その用紙束の先端が底板に押されて給紙ローラに接触することにより、給紙ローラに回転負荷がかかり、用紙の搬送速度が瞬間的に低下する虞がある。
【0065】
特に、最後の1枚の用紙後端が給紙ローラと底板との間を通過した場合は、底板が給紙ローラに直接接触することにより、給紙ローラに大きな負荷が生じる。また、一般的に、底板の上面には、最下位の用紙の重送を防止するために摩擦係数の高いパッド部材が設けられているため、このパッド部材が給紙ローラに直接接触すると、給紙ローラに大きな負荷が生じるため、ショックジターが発生する可能性が高い。
【0066】
上記のようなショックジターの発生を防止するためには、用紙の後端が給紙ローラと底板との間(ニップ部)を通過して給紙ローラに負荷がかかる前に、給紙ローラを再駆動させてやればよい。そこで、上記本発明の実施形態に係る給紙動作においては、図4(e)に示すように、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過する前に、給紙ローラ16の駆動を再開させるようにしている。これにより、給紙ローラの回転速度が瞬間的に低下するのを抑制することができるので、ショックジターの発生を防止することが可能となる。
【0067】
また、別の問題として、図4(d)において、給紙ローラ16が用紙P1に連れられて従動回転していると、用紙に生じる搬送負荷が増えるため、その搬送負荷によって、用紙に形成される画像が用紙搬送方向に縮むなどの画像不良が発生することが挙げられる。
【0068】
このような画像不良の発生を抑制するには、給紙ローラを従動回転させる時間をなるべく短くする方がよい。具体的には、図4(e)に示す給紙ローラ16の再駆動させるタイミングを早めることで、従動回転時間を短くすることができる。
【0069】
しかし、図4(e)に示す給紙ローラ16の再駆動させるタイミングを早めると、図5(f)において、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2との紙間が短くなる。その結果、紙間が無くなる、あるいは、紙間がレジストセンサ25で検知できる間隔よりも短くなってしまった場合は、エラーが表示されない。さらに、1枚目の用紙の先端から2枚目の用紙の後端までの搬送方向長さが、上記搬送異常判定の基準となる搬送方向長さ(図2(e)に示す用紙サイズの搬送方向長さL1に余裕分の長さLjを加えた長さ)以下であった場合は、搬送異常と判定されないため、用紙の搬送を停止することができない。この場合、2枚目の用紙が定着装置へと搬送されて定着ローラに巻き付く虞がある。
【0070】
そのため、図4(e)又は図5(f)に示す給紙ローラを再駆動させるタイミングは、1枚目の用紙と2枚目の用紙との紙間がレジストセンサ25によって検知されなくても、2枚目の用紙が定着装置の定着ニップ(画像定着位置)に到達する前に、搬送異常と判定されて、搬送が停止されるようなタイミングに設定しておく必要がある。
【0071】
具体的には、図7において、搬送異常として搬送が停止されるまでの2枚目の用紙P2の搬送距離をHとし、給送開始前の用紙先端位置Qから定着装置21の定着ニップN1までの用紙搬送距離をR1とすると、H<R1となるように、給紙ローラ16の再駆動のタイミングを設定する。このように設定することで、2枚目の用紙P2の先端が定着ニップN1に到達する前に、搬送異常と判定されて搬送が停止されるので、2枚目の用紙P2が定着ローラ22に巻き付くのを防止できるようになる。
【0072】
また、上記図7に示す搬送距離Hは、給紙ローラの再駆動開始時点から搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでの用紙搬送距離であるので、これは、図6に示す給紙ローラON3回目のタイミングから搬送異常として搬送が停止されるまでの時間Thにおける搬送距離に相当する。ここで、給紙ローラON3回目から2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達するまでの時間をT4とすると、Th<T4となるように、給紙ローラON3回目のタイミングを設定することで、2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達する前に、搬送を停止させることができる。
【0073】
また、図6において、給紙ローラON3回目から給紙ローラOFF3回目までの時間をTy、搬送異常を判定するための予め設定された時間をTj、給紙ローラON1回目から給紙ローラOFF1回目のまでの時間をT2とすると、これらの値と、入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さL1を用いて、上記Thは下記式(1)のように表すことができる。
【0074】
Th=Tj−(L1−T2)+Ty・・・式(1)
【0075】
さらに、この式(1)が上記Th<T4の関係を満たすようにすると、Tyは下記式(2)のように表される。
【0076】
Ty<T4−{Tj−(L1−T2)}・・・式(2)
【0077】
すなわち、上記式(2)に示す関係を満たすようにTyを設定すれば、2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達する前に、搬送異常と判定して、搬送を停止させることができる。
【0078】
図8は、図6とは異なるタイミングチャートを示す図である。
上記図6に示すタイミングチャートでは、給紙ローラON3回目のタイミングを、2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達する前に搬送を停止できるように設定しているが、図8では、2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達する前に搬送を停止できるように、給紙ローラON3枚目のタイミングを設定している。
【0079】
具体的には、図9に示すように、搬送異常で搬送が停止されるまでの2枚目の用紙P2の搬送距離をHとし、給送開始前の用紙先端位置Qから二次転写ニップN2までの用紙搬送距離をR2とすると、H<R2となるように、給紙ローラの再駆動のタイミングを設定する。
【0080】
このように給紙ローラの再駆動のタイミングを設定することで、2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達する前に、搬送を停止させることができるので、2枚目の用紙が二次転写ニップに挟まれた状態で搬送が停止するのを回避することができる。この場合、ユーザー等が二次転写ニップに挟まれた用紙の除去作業を行わなくてもよくなるので、操作性が向上する。また、その作業中に、紙に転写された未定着トナーが手や服に着いて汚れる心配もない。
【0081】
ただし、この場合は、図6に示すタイミングチャートに比べて、給紙ローラを再駆動させるタイミング(給紙ローラON3回目のタイミング)が遅くなるため、給紙ローラの従動回転時間が増え、用紙に形成される画像が用紙搬送方向に縮む量がやや増える。
【0082】
また、この場合、図8に示す時間Tyを、下記式(3)を満たすように設定することで、2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達する前に、搬送異常と判定することができる。
【0083】
Ty<T3−{Tj−(L1−T2)}・・・式(3)
【0084】
上記式(3)において、T3は、給紙ローラON3回目から2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達するまでの時間である。また、式(3)中のそれ以外の文字は、上記式(2)中の文字と同じ内容を表すものであるので説明を省略する。
【0085】
図10は、図6及び図8のいずれとも異なるタイミングチャートを示す図である。
この場合は、給紙ローラを再駆動させるタイミング(給紙ローラON3回目のタイミング)を、2枚目の用紙がレジストセンサの用紙検知位置に到達する前に、搬送異常と判定されて、搬送が停止されるようなタイミングに設定している。
【0086】
具体的には、図11に示すように、搬送異常として搬送が停止されるまでの2枚目の用紙P2の搬送距離をHとし、給送開始前の用紙先端位置Qからレジストセンサ25の用紙検知位置Uまでの用紙搬送距離をR3とすると、H<R3となるように、給紙ローラの再駆動のタイミングを設定する。
【0087】
このように給紙ローラの再駆動のタイミングを設定することで、2枚目の用紙の先端がレジストセンサの用紙検知位置に到達する前に、搬送異常と判定されて、搬送を停止させることができる。これにより、搬送が停止した際に、2枚目の用紙がレジストセンサによって検知されないので、誤セットされた用紙サイズでも構わない場合は、それ以降の用紙の搬送を継続することができる。この場合、図5(g)に示すように、2枚目の用紙P2の先端が給紙ローラ16よりも下流側へ移動した状態で給送が開始されるが、その開始時点では、用紙P2の先端はレジストセンサ25によって検知されていない。このため、その後の給紙によって用紙P2の先端をレジストセンサ25によって検知でき、問題なく搬送することができる。
【0088】
ただし、この場合は、図8に示すタイミングチャートの場合よりも、さらに給紙ローラを再駆動させるタイミング(給紙ローラON3回目のタイミング)が遅くなるため、給紙ローラの従動回転時間が増え、用紙に形成される画像が用紙搬送方向に縮む量がやや増える。
【0089】
また、下記式(4)を満たすように、TyとT1の関係を設定することで、2枚目の用紙の先端がレジストセンサによって検知される前に、搬送異常と判定することが可能となる。
【0090】
Ty<T1・・・式(4)
【0091】
ここで、上記式(4)中のTyは、上記と同様の給紙ローラON3回目から給紙ローラOFF3回目までの時間であり、T1は、給紙ローラON1回目から用紙の先端がレジストセンサに到達するまでの時間である。
【0092】
図12は、本発明の実施の一形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
通常、1つの給紙カセットにセットされる用紙は全て同じサイズであることから、給送された用紙のサイズが本来セットされるべきものであるか否かについては、1枚目の用紙のサイズを確認することでわかる。従って、1枚目の用紙のサイズが本来セットされるべきものと一致していると判定された場合、2枚目以降の用紙については、上記図6、図8又は図10に示すような誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行う必要はない。また、図6、図8又は図10に示す給紙動作では、上記図3に示す通常の給紙動作とは異なり、給紙ローラが搬送される用紙に連れられて従動回転するため、必要のない時までこれらの給紙動作を行うのは、不要な搬送負荷が生じることから好ましくはない。そこで、図12に示すフローチャートでは、2枚目以降の用紙については、搬送負荷の生じにくい通常の給紙動作を行うようにしている。
【0093】
以下、図12に示す給紙動作について詳しく説明する。
給紙動作の開始があると、まず、給紙される用紙が1枚目か否かを判断する(S1)。1枚目である場合は、上記図6、図8又は図10に示す誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行う(S2)。一方、給紙される用紙が2枚目以降である場合は、上記の通り、図3に示す通常の給紙動作を行う(S3)。
【0094】
用紙が1枚目である場合は、その用紙の搬送方向長さが入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さよりも短いか否かが判定される(S4)。用紙の搬送方向長さは、レジストセンサが検知した用紙後端の検知タイミングに基づき、図示しない制御手段によって算出される。
【0095】
その結果、検知した用紙の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さよりも短いと判定された場合は、本来セットされるべき用紙サイズよりも短いサイズの用紙がセットされているとして、用紙の搬送が強制的に停止される(S5)。一方、検知した用紙の搬送方向長さが短いと判定されなかった場合は、さらに、上記搬送異常判定の基準となるタイミングまでに用紙後端がレジストセンサによって検知されるか否かが確認される(S6)。
【0096】
その結果、搬送異常判定の基準となるタイミングまでに用紙後端が検知されなかった場合は、用紙ジャムなどの搬送異常が発生していると判定され(S7)、用紙の搬送が強制的に停止される(S8)。また、この用紙後端を検知することによる搬送異常判定は、2枚目以降の給紙の場合も同様に行われる。一方、搬送異常判定の基準となるタイミングまでに用紙後端が検知された場合は、搬送異常は生じていないと判定して給紙を続行する(S9)。
【0097】
そして、給紙を続行した場合は、次の給紙があるか否かを確認し(S10)、次の給紙がある場合は、それ以降の給紙において上述の給紙フローを繰り返し行い、次の給紙がない場合は、給紙動作を終了する。
【0098】
上記のように、図12に示す給紙動作では、1枚目の給紙においてのみ、誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行うようにしているので、2枚目以降の給紙において、給紙ローラの従動回転による搬送負荷の増大を防止できる。これにより、2枚目以降の用紙において、転写される画像が用紙搬送方向に縮むなどの画像不良の発生を防止することができる。
【0099】
また、上記用紙が1枚目であるか否かの判断は、印刷指示ごとに毎回行ってもよい。しかし、印刷指示のたびに、用紙が交換又は補充されているわけではない(誤セットの虞があるわけではない)ので、例えば、給紙トレイに用紙をセットした後、プリンタの電源が投入された後、あるいは、ジャム処理が行われた後などにおいて行われる最初の印刷指示においてのみ、1枚目であるか否かの判断を行うようにしてもよい。これにより、誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行う回数をさらに少なくすることができるため、上記のような画像不良が生じる回数をより少なくすることができる。
【0100】
また、図13と図14に、図12とは異なる給紙動作のフローチャートを示す。
上記図12に示す給紙フローでは、検知した用紙の長さが、入力された画像情報に対応する用紙サイズよりも短いと判定された場合、用紙の搬送が停止されるが(S5)、図13に示す給紙フローでは、その場合でも搬送を停止させずに1枚目の用紙の排紙を行う。
【0101】
具体的には、図13において、検知した用紙の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さよりも短いと判定された場合、図14に示す給紙フローに移行する。そして、レジストセンサの検知情報から算出された1枚目の用紙の搬送方向長さに基づいて搬送制御を変更し、1枚目の用紙の搬送を続行する(S11)。ここでいう「搬送制御の変更」とは、例えば、搬送異常判定の基準となるタイミングを、入力された画像情報に対応する用紙サイズのタイミングから、検知された短い用紙サイズのタイミングに変更することなどである。一方、二枚目以降の給紙については待機状態にする(S12)。
【0102】
上記、搬送が続行された1枚目の用紙は、二次転写ニップへと搬送されてトナー画像が転写される。その後、転写されたトナー画像が定着装置で定着された後、1枚目の用紙は装置外に排出される。
【0103】
また、この場合、「用紙サイズが不一致である」ことをプリンタ本体に設けられている表示部に表示し(S13)、所望の用紙サイズ(入力された画像情報に対応する用紙サイズ)とは異なるサイズの用紙に画像が形成されたことを、ユーザー等に気づかせるようにする。
【0104】
また、上記のように短いサイズの用紙にトナー画像を転写すると、用紙に転写しきれなかったトナーが二次転写ローラ12(図1参照)に付着することが考えられる。このような状態で、次以降の用紙を印刷すると、二次転写ローラに付着しているトナーが装置内や次以降の用紙などに付着して、装置内が汚れたり、次以降の用紙に異常画像が発生したりする懸念がある。そのため、ここでは、1枚目の用紙にトナー画像を転写した後、二次転写ローラを図示しない転写クリーニング手段によってクリーニングする(S14)。これにより、装置内の汚れや、次以降の用紙の異常画像の発生を防止することができる。
【0105】
その後、上記待機状態となっている2枚目以降の給紙を続行するか否かについて、ユーザー等がプリンタ本体に設けられているコントロールパネルなどで選択して決定する(S15)。ユーザー等が2枚目以降の給紙を続行しないと決定した場合は、給紙動作を終了する(S16)。一方、ユーザー等が2枚目以降の給紙を続行すると決定した場合は、1枚目と同様に、搬送制御を短い用紙サイズに基づいた制御に変更し、通常の給紙動作で、2枚目の給紙を開始する(S17)。
【0106】
そして、2枚目の給紙において、上記と同様の後端検知による搬送異常判定が行われ(S18)、搬送異常と判定された場合は(S19)、用紙の搬送が強制的に停止される(S20)。一方、搬送異常と判定されなかった場合は、給紙を続行し(S21)、2枚目の用紙にトナー画像の転写及び定着が行われた後、装置外に用紙を排出する。
【0107】
また、この場合も、2枚目の用紙に転写しきれなかったトナーが二次転写ローラに付着することがあるため、2枚目の用紙にトナー画像を転写した後、二次転写ローラを転写クリーニング手段によってクリーニングする(S22)。
【0108】
そして、次の給紙があるか否かを確認し(S23)、次の給紙がある場合は、3枚目以降の用紙において上記2枚目の用紙と同様の給紙フローを行い、次の給紙がない場合は、給紙動作を終了する。
【0109】
なお、図13と図14において、上記説明したフロー以外は、図12に示す給紙フローと同様であるので説明を省略する。
【0110】
上記説明したように、図13と図14に示す給紙動作では、図12に示す給送動作とは異なり、1枚目の用紙が本来の用紙サイズよりも短いサイズであると判定された場合でも、用紙の搬送を強制的に停止させず、1枚目の用紙の搬送を続行して排紙するようにしている。これにより、用紙の搬送を強制的に停止させた場合のユーザー等による用紙の除去作業が不要となるので、操作性が向上する。
【0111】
また、この場合も、上記図12に示す給紙動作と同様に、1枚目の給紙においてのみ、誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行うようにしているので、2枚目以降の用紙において画像が用紙搬送方向に縮むなどの画像不良が発生するのを防止することができる。
【0112】
以上のように、本発明によれば、給紙ローラ16が用紙を給送すべく駆動を開始し、給紙ローラ16が設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminを給送し終える前に、給紙ローラ16の駆動を停止させることで、実際にセットされた用紙が、本来セットされるべき用紙サイズとは異なるサイズであったとしても、その誤セットされた用紙の連続給送を防止することができる。
【0113】
しかも、本発明の場合、連続給送を防止できる誤セット用紙のサイズについて特に制限はない。従って、誤セットされた用紙サイズの搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙サイズの搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、誤セット用紙の連続給送を防止することが可能である。
【0114】
例えば、画像形成装置に、用紙の横幅を検知可能なサイドフェンスなどの検知手段が設けられていない場合は、実際にセットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙サイズの半分よりも長くなる誤セットが生じやすい。特にこのような画像形成装置に本発明を適用することにより、誤セット用紙の連続給送防止効果の発揮を期待でき、信頼性を向上させることができる。言い換えれば、本発明を適用することで、サイドフェンスなどの用紙幅を検知する検知手段が不要となるので、装置の小型化及び低コスト化を図れるようになる。
【0115】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、本発明の構成を適用する画像形成装置として、図1に示すカラーレーザープリンタを例に説明したが、これに限らず、モノクロプリンタや、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも本発明の構成を適用可能である。また、本発明の構成を適用可能な画像形成装置は、上記のような電子写真方式のものに限らず、記録ヘッドのノズルからインクの液滴を吐出して用紙に画像を形成する画像形成部を備えたインクジェット式の画像形成装置であってもよい。
【符号の説明】
【0116】
16 給紙ローラ(給送手段)
20 レジストローラ対(搬送手段)
21 定着装置
25 レジストセンサ(検知手段)
200 画像形成部
H 搬送異常として搬送が停止されるまでの2枚目の用紙の搬送距離
L1 入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さ
Lmin 設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ
N1 定着ニップ(画像定着位置)
N2 二次転写ニップ(画像形成位置)
P 用紙(記録媒体)
Q 給送開始前の用紙先端位置
R1 給送開始前の用紙先端位置から定着ニップまでの用紙搬送距離
R2 給送開始前の用紙先端位置から二次転写ニップまでの用紙搬送距離
R3 給送開始前の用紙先端位置からレジストセンサの用紙検知位置までの用紙搬送距離
U 用紙検知位置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2007−121885号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置においては、スキャナ部又は外部のパーソナルコンピュータなどから入力された画像情報に基づき、画像形成部が用紙に画像を形成する。このとき、画像形成部には、給紙部から、通常、前記入力された画像情報に対応するサイズの用紙が給送される。
【0003】
しかしながら、誤って、給紙部に所望のサイズよりも用紙搬送方向長さの短い小サイズの用紙をセットしてしまった場合は、1枚分の給紙動作でその小サイズの用紙が2枚続けて給送されてしまうことがある。また、小サイズの用紙が2枚連続して給送されると、本来、大きいサイズの用紙に形成されるべき画像が、2枚の用紙に跨って形成されることになるため、2枚目の用紙の先端からトナー像が転写される場合がある。
【0004】
一般に、トナー画像を定着ローラなどにより熱定着させる方式の画像形成装置においては、用紙の先端にはトナー画像を転写せずに余白を設け、その部分では定着ローラへのトナーの付着力が生じないようにすることで、定着ローラに対する用紙の分離性を確保している。しかし、この種の画像形成装置において、小サイズの用紙が2枚連続して給送された結果、上記のように2枚目の用紙の先端からトナー像が転写されると、2枚目の用紙が定着ローラから分離されずに巻き付いてしまう不具合が発生する。
【0005】
このような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、ユーザーにより設定された用紙搬送方向長さの半分まで用紙を給送した直後に、給紙ローラの駆動を一旦停止し、その後、再び給紙ローラを回転させて用紙を搬送するようにしている。このように給紙ローラの駆動を制御することで、仮に、セットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙の搬送方向長さの半分であったとしても、1枚目の用紙と2枚目の用紙との間に隙間を生じさせることができ、2枚の用紙が隙間をあけずに給送される連続給送を防止することができる。そして、この隙間をセンサで検知することで、小サイズの用紙が2枚続けて給送されたことを把握するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の方法によれば、誤セットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙の搬送方向長さに対して、半分、あるいは半分よりも短い場合は、1枚目の用紙と2枚目の用紙との間に隙間が形成することができる。しかしながら、誤セットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙の搬送方向長さの半分よりも長い場合は、1枚目の用紙と2枚目の用紙との間に隙間を形成することができないため、誤セット用紙の連続給送を検知できないといった問題がある。例えば、A3サイズの用紙を縦置きでセットすべきところ、誤ってB4サイズの用紙を縦置きでセットした場合は、B4サイズの縦はA3サイズの縦の半分よりも長いため、誤セットを検知できない。
【0007】
ただし、このような場合であっても、セットされた用紙の横幅を検知できるサイドフェンスなどが設けられていれば、A3サイズとB4サイズの横幅の違いから、誤セットを検知することが可能である。しかし、給紙部にサイドフェンスなどの検知手段を設けることは、コストアップや装置の大型化を招くため、特に、低価格化競争の激しいローエンドプリンタなどにおいては有効な手段ではない。
【0008】
また、特許文献1に記載の方法において、1枚目と2枚目の紙間を検知するために、小型プリンタなどで通常使用される接触式のフィラー(揺動レバー)を用いた場合、フィラーで紙間を検知するには、紙間の大きさは15〜20mm必要となる。しかし、紙間を15〜20mm確保すると、給送された用紙の斜行矯正のために用紙の先端側を撓ませるその撓み量を、通常の2〜4mmよりも大きくしなければならなくなる。その結果、用紙の撓んだ部分が周辺の搬送ガイドと干渉し、異音が生じたり、用紙にシワなどのダメージが発生したりするといった問題が生じる。また、厚紙などのコシの強い用紙を用いた場合は、用紙の撓み量を大きくするように給送動作制御しても、実際は、用紙のコシによって給紙ローラがスリップして撓み量は大きくならないといった問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、実際に給送された用紙の搬送方向長さが、本来給送されるべき用紙の搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、その用紙が2枚連続して給送されるのを防止でき、かつ、低コスト化及び小型化を図り得る画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に係る画像形成装置は、シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に対して記録媒体を給送する給送手段と、前記搬送手段及び前記給送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記給送手段が記録媒体を給送すべく駆動を開始し、給送手段が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終える前に、給送手段の駆動を停止させるように制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、給送手段が記録媒体を給送すべく駆動を開始し、給送手段が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終える前に、給送手段の駆動を停止させることで、実際に給送された記録媒体が、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズとは異なるサイズであったとしても、その記録媒体が2枚連続して給送されるのを防止することができる。
【0012】
しかも、本発明の場合、上記連続給送を防止できる記録媒体のサイズについて特に制限はないので、実際に給送された記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、記録媒体の連続給送を防止することが可能である。
【0013】
これにより、本発明に係る画像形成装置では、サイドフェンスなどの記録媒体の幅を検知する検知手段が不要となるので、装置の小型化及び低コスト化を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】通常の給紙動作における給紙の様子を示す図である。
【図3】通常の給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの駆動のタイミングチャートを示す図である。
【図4】誤セット用紙の連続給送を防止するための給紙動作において、正しいサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図である。
【図5】前記連続給紙防止のための給紙動作において、正しいサイズとは異なるサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図である。
【図6】前記連続給紙防止のための給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの回転駆動のタイミングチャートの一例を示す図である。
【図7】給紙ローラの再駆動タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図8】図6とは異なるタイミングチャートを示す図である。
【図9】給紙ローラの再駆動タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図10】図6及び図8のいずれとも異なるタイミングチャートを示す図である。
【図11】給紙ローラの再駆動タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の一形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0016】
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係るカラーレーザープリンタの全体構成及び動作について説明する。
図1に示すプリンタは、シート状の記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部200と、画像形成部200に用紙を供給する給紙部(記録媒体供給部)300と、画像形成部200によって用紙に形成された画像を当該用紙上に定着する定着部400と、定着部400によって画像が定着された用紙を装置外に排出する排紙部(記録媒体排出部)500等を備えている。
【0017】
画像形成部200には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、露光装置6と、転写装置7等が設けられている。4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、それぞれ、プリンタの装置本体100に対して着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
【0018】
具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に静電潜像を担持する潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備えた帯電装置と、感光体2上の静電潜像に現像剤としてのトナーを供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えたクリーニング装置を有する。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。
【0019】
図1において、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの上方には露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが有する各感光体2の表面へレーザー光を照射するように構成されている。
【0020】
また、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、複数のローラによって張架された転写体としての中間転写ベルト8と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11と、二次転写手段としての二次転写ローラ12等を有する。中間転写ベルト8は、無端状のベルトによって構成されている。ここでは、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10によって中間転写ベルト8が張架されている。この駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
【0021】
4つの一次転写ローラ11は、それぞれ、中間転写ベルト8を介して感光体2に対向した位置に配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。また、各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
【0022】
二次転写ローラ12は、中間転写ベルト8を介して駆動ローラ9に対向した位置に配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。また、二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
【0023】
また、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。このベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
【0024】
装置本体100の下部に配設された給紙部300には、用紙Pが収容される収容部としての給紙カセット15と、給紙カセット15から用紙を給送する給送手段としての給紙ローラ16と、給紙ローラ16によって給送される用紙を1枚ずつ分離する分離手段としてのフリクションパッド17等が設けられている。給紙カセット15には、用紙Pを載置する底板24が設けられており、底板24は、図示しない付勢手段により給紙ローラ16へ付勢されている。これにより、底板24上に積載されている用紙のうち、最上位の用紙は給紙ローラ16に接触した状態で保持される。
【0025】
一方、装置本体100の上部に配設された排紙部500には、用紙を装置外へ排出するための排紙ローラ対18と、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ19とが設けられている。
【0026】
また、装置本体100内には、用紙を給紙部300から上記二次転写ニップを通って排紙部500へ搬送するための搬送路(記録媒体搬送路)Rが配設されている。この搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向上流側には、用紙を二次転写ニップへ搬送する搬送手段としてのレジストローラ対20が配設されている。さらに、レジストローラ対20と給紙ローラ16の間の搬送路Rには、用紙を検知する検知手段としてのレジストセンサ25が配設されている。レジストセンサ25としては、揺動可能に設けられたフィラー等から成る接触式のものでもよいし、透過型又は反射型の光学式センサを用いた非接触式のものであってもよい。
【0027】
また、搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向下流側には、定着部400に設けてある定着装置21が配設されている。定着装置21は、用紙にトナー画像を定着する定着部材としての定着ローラ22と、定着ローラ22を加圧して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ23とを有している。また、定着ローラ22内には、定着ローラ22を加熱する加熱手段としての図示しないヒータが設けられている。
【0028】
図1に示す上記プリンタは以下のように動作する。
作像動作が開始されると、画像形成部200において、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない画像読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0029】
続いて、中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて一次転写される。かくして、中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
【0030】
一方、給紙部300では、給紙ローラ16が回転を開始し、給紙カセット15内に収容されている用紙Pが、回転する給紙ローラ16とそれに接触するフリクションパッド17との協働で1枚に分離されて搬送路Rへ送り出される。搬送路Rへ送り出された用紙Pは、レジストローラ対20に突き当たって斜行が矯正された後、レジストローラ対20が所定のタイミングで駆動を開始し、用紙Pを二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに搬送する。
【0031】
このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、上記中間転写ベルト8上のトナー画像が、二次転写ニップに搬送されてきた用紙P上に一括して二次転写される。また、転写後の中間転写ベルト8上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー収容器14へ搬送され回収される。
【0032】
上記のようにトナー画像が二次転写された用紙Pは、二次転写ニップを出た後、定着装置21に送られる。そして、用紙Pは、定着ローラ22と加圧ローラ23との間の定着ニップに送り込まれ、そこで用紙Pが加熱及び加圧されることにより、トナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、回転する定着ローラ22と加圧ローラ23によって送り出された後、排紙ローラ対18によって装置外に排出され、排紙トレイ19上にストックされる。
【0033】
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0034】
次に、図2と図3を参照しつつ、通常の給紙動作について説明する。
図2は、通常の給紙動作における給紙の様子を示す図、図3は、通常の給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの駆動のタイミングチャートを示す図である。
【0035】
給紙指示があると、図2(a)に示すように、給紙ローラ16が回転駆動し、最上位の用紙P1が送り出される。そして、図2(b)に示すように、送り出された用紙P1の先端y1が、レジストセンサ25の検知位置を通過して、レジストローラ対20のニップ部に突き当たり、先端y1側で撓みが形成されると、給紙ローラ16の回転を一旦停止する。
【0036】
なお、実際は、用紙の先端がレジストローラ対に突き当たった後も、用紙の斜行を矯正するために、給紙ローラを僅かに駆動させている。しかし、図3においては、簡略化のため、用紙の先端がレジストローラ対に突き当たった時点で給紙ローラの駆動を停止させるように表示している(図3の給紙ローラOFF1回目)。また、後述の図6、図8、図10に示すタイミングチャートにおいても同様に簡略化している。
【0037】
その後、図2(c)に示すように、レジストローラ対20を所定のタイミングで回転させ、同時に給紙ローラ16の回転も再開させて、用紙P1を下流側へ搬送する。そして、図2(d)に示すように、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過した時点で、給紙ローラ16の駆動が停止される。ここで、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過するタイミングは、スキャナ部又は外部のパーソナルコンピュータなどから入力された画像情報に基づき、それに対応する用紙サイズの搬送方向長さ分を、給紙ローラが給送し終えるタイミングとして設定している(以下、同様)。
【0038】
その後、図2(e)に示すように、レジストセンサ25によって、用紙P1の後端y4が所定のタイミングを過ぎる前に検知されると、搬送動作が正常に行われていると判定され、レジストローラ対20による用紙搬送動作が継続される。その場合、用紙P1は、二次転写ニップ、定着装置へ順次搬送され、画像が転写及び定着された後、装置外に排出される。なお、レジストローラ対20の回転は、用紙の後端がレジストローラ対20のニップ部を通過した時点で停止される。
【0039】
一方、所定のタイミングを過ぎる前に、用紙後端が検知されなかった場合は、用紙ジャムなどの搬送異常が発生していると判定される。この場合、搬送異常が発生したことによる装置へのダメージを軽減するため、用紙の搬送が強制的に停止される。
【0040】
上記搬送異常か否かの判定基準となる所定のタイミングは、図2(e)に示すように、用紙P1の搬送方向長さL1に余裕分の長さLjを加えた長さ分が、レジストセンサ25の検知位置を通過するタイミングで設定されている。この余裕分の長さLjは、給送時に用紙がスリップした場合の遅れを考慮したものである。また、この判定基準となるタイミングに達したか否かについては、給紙開始時、あるいはその後の所定のタイミングから、予め設定された時間を計測することで把握される。図3に示すタイミングチャートでは、 レジストローラ対の駆動開始から予め設定された時間Tjを計測することで、判定基準となるタイミングを計っている。
【0041】
また、上記搬送異常の判定及び給紙動作における、給紙ローラ、レジストローラ、レジストセンサなどの制御は、プリンタ本体に設けられている図示しない制御手段によって行われている。
【0042】
以上、通常の給紙動作について説明したが、この給紙動作を開始するにあたって、本来セットされるべき用紙のサイズとは異なる小サイズの用紙がセットされていた場合は、従来と同様に、1枚分の給紙動作で小サイズの用紙が2枚続けて給送されてしまう事態が発生する。
【0043】
その場合でも、小サイズ用紙2枚分の用紙搬送方向長さが、上記搬送異常を判定するための基準となる搬送方向長さ(図2(e)に示す用紙サイズの搬送方向長さL1に余裕分の長さLjを加えた長さ)を超える場合は、搬送異常と判定され、用紙の搬送が停止される。しかし、小サイズ用紙2枚分の用紙搬送方向長さが、前記搬送異常判定の基準となる搬送方向長さ以下であった場合は、搬送異常と判定されず、小サイズの用紙が2枚連続して転写部(二次転写ニップ)へと搬送されてしまう。その結果、2枚目の用紙の先端からトナー画像が転写された場合は、2枚目の用紙が定着ローラに巻き付く虞がある。
【0044】
そこで、本実施形態では、上記のような誤セット用紙の連続給送を防止するため、以下のように給紙動作を行うようにしている。
【0045】
図4は、誤セット用紙の連続給送を防止するための給紙動作において、正しいサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図、図5は、同給紙動作において、正しいサイズとは異なるサイズの用紙がセットされている場合の給紙の様子を示す図、図6は、同給紙動作における給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの回転駆動のタイミングチャートの一例を示す図である。
【0046】
まず、図4と図6を参照しつつ、正しいサイズの用紙がセットされている場合の給紙動作について説明する。
給紙指示があると、図4(a)に示すように、給紙ローラ16が回転駆動し、最上位の用紙P1が送り出される。そして、図4(b)に示すように、送り出された用紙P1の先端y1が、レジストセンサ25の検知位置を通過して、レジストローラ対20のニップ部に突き当たり、先端y1側で撓みが形成されると、給紙ローラ16の回転を一旦停止する。その後、図4(c)に示すように、レジストローラ対20を所定のタイミングで回転させ、同時に給紙ローラ16の回転も再開させて、用紙P1を下流側へ搬送する。ここまでの給紙動作は、上記通常の給紙動作と同様である。
【0047】
そして、給紙ローラ16とレジストローラ対20によって用紙P1を搬送し、図4(d)に示すように、設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminが給紙ローラ16を通過するよりも前の時点で、給紙ローラ16の駆動を一旦停止させる。
【0048】
具体的に、図4(d)において、設定可能な最小の用紙サイズの後端に相当する部分をzとすると、その最小サイズの後端zよりも先端側へ余裕分xだけ移動した部分y2が給紙ローラ16に達した時点で、給紙ローラ16の駆動を停止させる。例えば、設定可能な最小の用紙サイズをA6サイズとした場合、その搬送方向長さLminである148mmに対し、上記余裕分xを10mmに設定する。この場合、給紙ローラ16が、用紙P1の先端からA6サイズの搬送方向長さ分(148mm)を搬送し終えるよりも、10mm手前の138mmの長さ分を搬送し終えた時点で、その駆動を停止させるように制御する。
【0049】
また、本実施形態では、上記給紙ローラ16の駆動を停止させるタイミング、すなわち、図6において、給紙ローラOFF2回目のタイミングを、レジストローラ対20の駆動開始をトリガに時間Txを設定することで管理している。この時間Txは、図6において、給紙ローラON1回目から給紙ローラOFF1回目のまでの時間をT2とすると、上記最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminの給送時間から、上記余裕分xの給送時間と時間T2を減算して求められる(Tx=Lminの給送時間−裕分xの給送時間−T2)。なお、ここで、最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminの給送時間には、用紙の先端がレジストローラ対20に突き当たって待機している時間は含めない。
【0050】
上記のように、給紙ローラ16の駆動は、給紙ローラ16が最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminを給送し終える前に一旦停止されるが、レジストローラ対20は回転駆動し続けるので、用紙P1はさらに下流側へと搬送される。このとき、給紙ローラ16は、駆動が停止されても、回転可能な状態となっているので、用紙P1の搬送に伴って従動回転する。
【0051】
その後、図4(e)に示すように、搬送される用紙P1の後端y4が給紙ローラ16に近づいてくると、その後端y4が給紙ローラ16を通過するよりも前の時点で、給紙ローラ16の回転駆動を再開させる。すなわち、用紙P1の後端y4よりも先端側へ所定長さ分vだけ移動した部分y3が給紙ローラ16に達した時点で、給紙ローラ16を再駆動させる。そして、しばらくの間、駆動する給紙ローラ16とレジストローラ対20によって用紙P1は搬送される。その後、図4(f)に示すように、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過した時点、すなわち、給紙ローラ16が入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さ分を給送し終えた時点で、給紙ローラ16の駆動が停止される。
【0052】
その後、図4では図示していないが、この場合も、上記通常の給紙動作と同様に、レジストセンサ25の用紙後端検知タイミングに基づいて搬送異常の判定が行われる(図2(e)参照)。
【0053】
続いて、図5と図6を参照しつつ、正しいサイズとは異なるサイズの用紙がセットされている場合の給紙動作について説明する。
この場合、給紙ローラとレジストローラ対の駆動のON/OFFは、上記正しいサイズの用紙をセットした場合と同様に、図6に示すタイミングチャートで制御される。すなわち、誤セット用紙の連続給送を防止するための給紙動作では、セットされた用紙が正しいサイズであるか否かにかかわらず、給紙ローラとレジストローラ対のそれぞれの駆動制御は同様に行われる。
【0054】
この場合も、給紙指示があると、図5(a)に示すように、給紙ローラ16が回転駆動し、誤セットされた用紙の最上位の用紙P1が送り出される。そして、図5(b)に示すように、送り出された用紙P1の先端y1が、レジストセンサ25の検知位置を通過して、レジストローラ対20のニップ部に突き当たり、先端y1側で撓みが形成されると、給紙ローラ16の回転を一旦停止する。その後、図5(c)に示すように、レジストローラ対20を所定のタイミングで回転させ、同時に給紙ローラ16の回転も再開させて、用紙P1を下流側へ搬送する。
【0055】
そして、給紙ローラ16とレジストローラ対20によって用紙P1を搬送し、図5(d)に示すように、設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminが給紙ローラ16を通過するよりも前の時点で、給紙ローラ16の駆動を停止させる。このとき、給紙ローラ16の駆動を停止させる用紙P1上の位置は、上記正しいサイズの用紙をセットした場合の給紙動作と同様のy2で示す位置となる(図4(d)参照)。
【0056】
その後、用紙P1は、回転駆動するレジストローラ対20によってさらに下流側へ搬送される。このとき、給紙ローラ16は、上記と同様に、用紙P1の搬送動作に伴って従動回転する。
【0057】
しかし、図5(e)に示すように、用紙P1の後端y5が給紙ローラ16を通過すると、その時点で給紙ローラ16の従動回転が停止するので、1枚目の用紙P1の後端y5と2枚目の用紙P2の先端y6との間に紙間(隙間)が生じる。
【0058】
その後、図5(f)に示すように、給紙ローラ16を、上記と同様に、所定のタイミングで再駆動させる。すなわち、正しいサイズ(入力された画像情報に対応する用紙サイズ)の用紙の後端y4よりも先端側へ所定長さ分vだけ移動した部分y3が給紙ローラ16に達すると想定されるタイミングで、給紙ローラ16の駆動を再開させる。このときの給紙ローラ16の駆動再開によって、2枚目の用紙P2の給送が開始される。
【0059】
その後、図5(g)に示すように、正しいサイズの用紙の後端y4が給紙ローラ16を通過したと想定されるタイミングで(給紙ローラ16が入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さ分を給送し終えた時点で)、給紙ローラ16の駆動は停止される。この給紙ローラ16の駆動停止によって、2枚目の用紙P2の給送も停止される。
【0060】
上記説明したように、この場合は、1枚目の用紙P1の後端y5と2枚目の用紙P2の先端y6との間に紙間(隙間)を生じさせることができるので(図5(e)参照)、誤セットされた用紙の2枚連続給送を防止することができる。これにより、2枚目の用紙が定着装置へと搬送されて定着ローラに巻き付くなどの不具合が発生するのを回避できる。
【0061】
また、1枚目の用紙P1の後端y5と2枚目の用紙P2の先端y6との間に紙間(隙間)を生じさせることで、レジストセンサ25によって、1枚目の用紙P1の後端を検知することが可能となる。これにより、その後端の検知タイミングに基づき、図示しない制御手段が、給送された用紙の搬送方向長さを算出することができる。その結果、給送された用紙のサイズが、本来セットされるべきサイズよりも短いと判定された場合は、用紙搬送を停止し、プリンタ本体に設けられている表示部にエラー表示を行うことで、用紙サイズが間違ったまま給紙されるのを防ぐことができる。
【0062】
なお、図5では、誤セットされた用紙のサイズが最小サイズである場合を例として示しているが、誤セットされた用紙のサイズが、本来セットされるべき用紙サイズより短く、かつ、最小サイズよりも長い場合であっても、同様に、連続給送を防止することができる。ただし、その場合は、図5(d)に示す給紙ローラ16の駆動を一旦停止した時点で、給紙ローラ16よりも用紙給送方向上流側に残っている部分の用紙長さが長くなるため、図5(e)に示す1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2との紙間が短くなる。
【0063】
また、図4(e)又は図5(f)において、給紙ローラ16を再駆動させているのは、ショックジターと称される線状の濃度ムラが画像に発生するのを防止するためである。
【0064】
ショックジターは、用紙に画像が印刷される際、その用紙の搬送速度が瞬間的に低下したときに発生する。仮に、図4(e)に示す状態で、給紙ローラの再駆動をさせない場合は、給紙ローラは搬送される用紙に連れられて従動回転することになる。このとき、用紙の後端が給紙カセットに積載されている用紙束の先端位置を通過すると、その用紙束の先端が底板に押されて給紙ローラに接触することにより、給紙ローラに回転負荷がかかり、用紙の搬送速度が瞬間的に低下する虞がある。
【0065】
特に、最後の1枚の用紙後端が給紙ローラと底板との間を通過した場合は、底板が給紙ローラに直接接触することにより、給紙ローラに大きな負荷が生じる。また、一般的に、底板の上面には、最下位の用紙の重送を防止するために摩擦係数の高いパッド部材が設けられているため、このパッド部材が給紙ローラに直接接触すると、給紙ローラに大きな負荷が生じるため、ショックジターが発生する可能性が高い。
【0066】
上記のようなショックジターの発生を防止するためには、用紙の後端が給紙ローラと底板との間(ニップ部)を通過して給紙ローラに負荷がかかる前に、給紙ローラを再駆動させてやればよい。そこで、上記本発明の実施形態に係る給紙動作においては、図4(e)に示すように、用紙P1の後端y4が給紙ローラ16を通過する前に、給紙ローラ16の駆動を再開させるようにしている。これにより、給紙ローラの回転速度が瞬間的に低下するのを抑制することができるので、ショックジターの発生を防止することが可能となる。
【0067】
また、別の問題として、図4(d)において、給紙ローラ16が用紙P1に連れられて従動回転していると、用紙に生じる搬送負荷が増えるため、その搬送負荷によって、用紙に形成される画像が用紙搬送方向に縮むなどの画像不良が発生することが挙げられる。
【0068】
このような画像不良の発生を抑制するには、給紙ローラを従動回転させる時間をなるべく短くする方がよい。具体的には、図4(e)に示す給紙ローラ16の再駆動させるタイミングを早めることで、従動回転時間を短くすることができる。
【0069】
しかし、図4(e)に示す給紙ローラ16の再駆動させるタイミングを早めると、図5(f)において、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2との紙間が短くなる。その結果、紙間が無くなる、あるいは、紙間がレジストセンサ25で検知できる間隔よりも短くなってしまった場合は、エラーが表示されない。さらに、1枚目の用紙の先端から2枚目の用紙の後端までの搬送方向長さが、上記搬送異常判定の基準となる搬送方向長さ(図2(e)に示す用紙サイズの搬送方向長さL1に余裕分の長さLjを加えた長さ)以下であった場合は、搬送異常と判定されないため、用紙の搬送を停止することができない。この場合、2枚目の用紙が定着装置へと搬送されて定着ローラに巻き付く虞がある。
【0070】
そのため、図4(e)又は図5(f)に示す給紙ローラを再駆動させるタイミングは、1枚目の用紙と2枚目の用紙との紙間がレジストセンサ25によって検知されなくても、2枚目の用紙が定着装置の定着ニップ(画像定着位置)に到達する前に、搬送異常と判定されて、搬送が停止されるようなタイミングに設定しておく必要がある。
【0071】
具体的には、図7において、搬送異常として搬送が停止されるまでの2枚目の用紙P2の搬送距離をHとし、給送開始前の用紙先端位置Qから定着装置21の定着ニップN1までの用紙搬送距離をR1とすると、H<R1となるように、給紙ローラ16の再駆動のタイミングを設定する。このように設定することで、2枚目の用紙P2の先端が定着ニップN1に到達する前に、搬送異常と判定されて搬送が停止されるので、2枚目の用紙P2が定着ローラ22に巻き付くのを防止できるようになる。
【0072】
また、上記図7に示す搬送距離Hは、給紙ローラの再駆動開始時点から搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでの用紙搬送距離であるので、これは、図6に示す給紙ローラON3回目のタイミングから搬送異常として搬送が停止されるまでの時間Thにおける搬送距離に相当する。ここで、給紙ローラON3回目から2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達するまでの時間をT4とすると、Th<T4となるように、給紙ローラON3回目のタイミングを設定することで、2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達する前に、搬送を停止させることができる。
【0073】
また、図6において、給紙ローラON3回目から給紙ローラOFF3回目までの時間をTy、搬送異常を判定するための予め設定された時間をTj、給紙ローラON1回目から給紙ローラOFF1回目のまでの時間をT2とすると、これらの値と、入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さL1を用いて、上記Thは下記式(1)のように表すことができる。
【0074】
Th=Tj−(L1−T2)+Ty・・・式(1)
【0075】
さらに、この式(1)が上記Th<T4の関係を満たすようにすると、Tyは下記式(2)のように表される。
【0076】
Ty<T4−{Tj−(L1−T2)}・・・式(2)
【0077】
すなわち、上記式(2)に示す関係を満たすようにTyを設定すれば、2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達する前に、搬送異常と判定して、搬送を停止させることができる。
【0078】
図8は、図6とは異なるタイミングチャートを示す図である。
上記図6に示すタイミングチャートでは、給紙ローラON3回目のタイミングを、2枚目の用紙の先端が定着ニップに到達する前に搬送を停止できるように設定しているが、図8では、2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達する前に搬送を停止できるように、給紙ローラON3枚目のタイミングを設定している。
【0079】
具体的には、図9に示すように、搬送異常で搬送が停止されるまでの2枚目の用紙P2の搬送距離をHとし、給送開始前の用紙先端位置Qから二次転写ニップN2までの用紙搬送距離をR2とすると、H<R2となるように、給紙ローラの再駆動のタイミングを設定する。
【0080】
このように給紙ローラの再駆動のタイミングを設定することで、2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達する前に、搬送を停止させることができるので、2枚目の用紙が二次転写ニップに挟まれた状態で搬送が停止するのを回避することができる。この場合、ユーザー等が二次転写ニップに挟まれた用紙の除去作業を行わなくてもよくなるので、操作性が向上する。また、その作業中に、紙に転写された未定着トナーが手や服に着いて汚れる心配もない。
【0081】
ただし、この場合は、図6に示すタイミングチャートに比べて、給紙ローラを再駆動させるタイミング(給紙ローラON3回目のタイミング)が遅くなるため、給紙ローラの従動回転時間が増え、用紙に形成される画像が用紙搬送方向に縮む量がやや増える。
【0082】
また、この場合、図8に示す時間Tyを、下記式(3)を満たすように設定することで、2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達する前に、搬送異常と判定することができる。
【0083】
Ty<T3−{Tj−(L1−T2)}・・・式(3)
【0084】
上記式(3)において、T3は、給紙ローラON3回目から2枚目の用紙の先端が二次転写ニップに到達するまでの時間である。また、式(3)中のそれ以外の文字は、上記式(2)中の文字と同じ内容を表すものであるので説明を省略する。
【0085】
図10は、図6及び図8のいずれとも異なるタイミングチャートを示す図である。
この場合は、給紙ローラを再駆動させるタイミング(給紙ローラON3回目のタイミング)を、2枚目の用紙がレジストセンサの用紙検知位置に到達する前に、搬送異常と判定されて、搬送が停止されるようなタイミングに設定している。
【0086】
具体的には、図11に示すように、搬送異常として搬送が停止されるまでの2枚目の用紙P2の搬送距離をHとし、給送開始前の用紙先端位置Qからレジストセンサ25の用紙検知位置Uまでの用紙搬送距離をR3とすると、H<R3となるように、給紙ローラの再駆動のタイミングを設定する。
【0087】
このように給紙ローラの再駆動のタイミングを設定することで、2枚目の用紙の先端がレジストセンサの用紙検知位置に到達する前に、搬送異常と判定されて、搬送を停止させることができる。これにより、搬送が停止した際に、2枚目の用紙がレジストセンサによって検知されないので、誤セットされた用紙サイズでも構わない場合は、それ以降の用紙の搬送を継続することができる。この場合、図5(g)に示すように、2枚目の用紙P2の先端が給紙ローラ16よりも下流側へ移動した状態で給送が開始されるが、その開始時点では、用紙P2の先端はレジストセンサ25によって検知されていない。このため、その後の給紙によって用紙P2の先端をレジストセンサ25によって検知でき、問題なく搬送することができる。
【0088】
ただし、この場合は、図8に示すタイミングチャートの場合よりも、さらに給紙ローラを再駆動させるタイミング(給紙ローラON3回目のタイミング)が遅くなるため、給紙ローラの従動回転時間が増え、用紙に形成される画像が用紙搬送方向に縮む量がやや増える。
【0089】
また、下記式(4)を満たすように、TyとT1の関係を設定することで、2枚目の用紙の先端がレジストセンサによって検知される前に、搬送異常と判定することが可能となる。
【0090】
Ty<T1・・・式(4)
【0091】
ここで、上記式(4)中のTyは、上記と同様の給紙ローラON3回目から給紙ローラOFF3回目までの時間であり、T1は、給紙ローラON1回目から用紙の先端がレジストセンサに到達するまでの時間である。
【0092】
図12は、本発明の実施の一形態に係る給紙動作のフローチャートを示す図である。
通常、1つの給紙カセットにセットされる用紙は全て同じサイズであることから、給送された用紙のサイズが本来セットされるべきものであるか否かについては、1枚目の用紙のサイズを確認することでわかる。従って、1枚目の用紙のサイズが本来セットされるべきものと一致していると判定された場合、2枚目以降の用紙については、上記図6、図8又は図10に示すような誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行う必要はない。また、図6、図8又は図10に示す給紙動作では、上記図3に示す通常の給紙動作とは異なり、給紙ローラが搬送される用紙に連れられて従動回転するため、必要のない時までこれらの給紙動作を行うのは、不要な搬送負荷が生じることから好ましくはない。そこで、図12に示すフローチャートでは、2枚目以降の用紙については、搬送負荷の生じにくい通常の給紙動作を行うようにしている。
【0093】
以下、図12に示す給紙動作について詳しく説明する。
給紙動作の開始があると、まず、給紙される用紙が1枚目か否かを判断する(S1)。1枚目である場合は、上記図6、図8又は図10に示す誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行う(S2)。一方、給紙される用紙が2枚目以降である場合は、上記の通り、図3に示す通常の給紙動作を行う(S3)。
【0094】
用紙が1枚目である場合は、その用紙の搬送方向長さが入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さよりも短いか否かが判定される(S4)。用紙の搬送方向長さは、レジストセンサが検知した用紙後端の検知タイミングに基づき、図示しない制御手段によって算出される。
【0095】
その結果、検知した用紙の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さよりも短いと判定された場合は、本来セットされるべき用紙サイズよりも短いサイズの用紙がセットされているとして、用紙の搬送が強制的に停止される(S5)。一方、検知した用紙の搬送方向長さが短いと判定されなかった場合は、さらに、上記搬送異常判定の基準となるタイミングまでに用紙後端がレジストセンサによって検知されるか否かが確認される(S6)。
【0096】
その結果、搬送異常判定の基準となるタイミングまでに用紙後端が検知されなかった場合は、用紙ジャムなどの搬送異常が発生していると判定され(S7)、用紙の搬送が強制的に停止される(S8)。また、この用紙後端を検知することによる搬送異常判定は、2枚目以降の給紙の場合も同様に行われる。一方、搬送異常判定の基準となるタイミングまでに用紙後端が検知された場合は、搬送異常は生じていないと判定して給紙を続行する(S9)。
【0097】
そして、給紙を続行した場合は、次の給紙があるか否かを確認し(S10)、次の給紙がある場合は、それ以降の給紙において上述の給紙フローを繰り返し行い、次の給紙がない場合は、給紙動作を終了する。
【0098】
上記のように、図12に示す給紙動作では、1枚目の給紙においてのみ、誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行うようにしているので、2枚目以降の給紙において、給紙ローラの従動回転による搬送負荷の増大を防止できる。これにより、2枚目以降の用紙において、転写される画像が用紙搬送方向に縮むなどの画像不良の発生を防止することができる。
【0099】
また、上記用紙が1枚目であるか否かの判断は、印刷指示ごとに毎回行ってもよい。しかし、印刷指示のたびに、用紙が交換又は補充されているわけではない(誤セットの虞があるわけではない)ので、例えば、給紙トレイに用紙をセットした後、プリンタの電源が投入された後、あるいは、ジャム処理が行われた後などにおいて行われる最初の印刷指示においてのみ、1枚目であるか否かの判断を行うようにしてもよい。これにより、誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行う回数をさらに少なくすることができるため、上記のような画像不良が生じる回数をより少なくすることができる。
【0100】
また、図13と図14に、図12とは異なる給紙動作のフローチャートを示す。
上記図12に示す給紙フローでは、検知した用紙の長さが、入力された画像情報に対応する用紙サイズよりも短いと判定された場合、用紙の搬送が停止されるが(S5)、図13に示す給紙フローでは、その場合でも搬送を停止させずに1枚目の用紙の排紙を行う。
【0101】
具体的には、図13において、検知した用紙の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さよりも短いと判定された場合、図14に示す給紙フローに移行する。そして、レジストセンサの検知情報から算出された1枚目の用紙の搬送方向長さに基づいて搬送制御を変更し、1枚目の用紙の搬送を続行する(S11)。ここでいう「搬送制御の変更」とは、例えば、搬送異常判定の基準となるタイミングを、入力された画像情報に対応する用紙サイズのタイミングから、検知された短い用紙サイズのタイミングに変更することなどである。一方、二枚目以降の給紙については待機状態にする(S12)。
【0102】
上記、搬送が続行された1枚目の用紙は、二次転写ニップへと搬送されてトナー画像が転写される。その後、転写されたトナー画像が定着装置で定着された後、1枚目の用紙は装置外に排出される。
【0103】
また、この場合、「用紙サイズが不一致である」ことをプリンタ本体に設けられている表示部に表示し(S13)、所望の用紙サイズ(入力された画像情報に対応する用紙サイズ)とは異なるサイズの用紙に画像が形成されたことを、ユーザー等に気づかせるようにする。
【0104】
また、上記のように短いサイズの用紙にトナー画像を転写すると、用紙に転写しきれなかったトナーが二次転写ローラ12(図1参照)に付着することが考えられる。このような状態で、次以降の用紙を印刷すると、二次転写ローラに付着しているトナーが装置内や次以降の用紙などに付着して、装置内が汚れたり、次以降の用紙に異常画像が発生したりする懸念がある。そのため、ここでは、1枚目の用紙にトナー画像を転写した後、二次転写ローラを図示しない転写クリーニング手段によってクリーニングする(S14)。これにより、装置内の汚れや、次以降の用紙の異常画像の発生を防止することができる。
【0105】
その後、上記待機状態となっている2枚目以降の給紙を続行するか否かについて、ユーザー等がプリンタ本体に設けられているコントロールパネルなどで選択して決定する(S15)。ユーザー等が2枚目以降の給紙を続行しないと決定した場合は、給紙動作を終了する(S16)。一方、ユーザー等が2枚目以降の給紙を続行すると決定した場合は、1枚目と同様に、搬送制御を短い用紙サイズに基づいた制御に変更し、通常の給紙動作で、2枚目の給紙を開始する(S17)。
【0106】
そして、2枚目の給紙において、上記と同様の後端検知による搬送異常判定が行われ(S18)、搬送異常と判定された場合は(S19)、用紙の搬送が強制的に停止される(S20)。一方、搬送異常と判定されなかった場合は、給紙を続行し(S21)、2枚目の用紙にトナー画像の転写及び定着が行われた後、装置外に用紙を排出する。
【0107】
また、この場合も、2枚目の用紙に転写しきれなかったトナーが二次転写ローラに付着することがあるため、2枚目の用紙にトナー画像を転写した後、二次転写ローラを転写クリーニング手段によってクリーニングする(S22)。
【0108】
そして、次の給紙があるか否かを確認し(S23)、次の給紙がある場合は、3枚目以降の用紙において上記2枚目の用紙と同様の給紙フローを行い、次の給紙がない場合は、給紙動作を終了する。
【0109】
なお、図13と図14において、上記説明したフロー以外は、図12に示す給紙フローと同様であるので説明を省略する。
【0110】
上記説明したように、図13と図14に示す給紙動作では、図12に示す給送動作とは異なり、1枚目の用紙が本来の用紙サイズよりも短いサイズであると判定された場合でも、用紙の搬送を強制的に停止させず、1枚目の用紙の搬送を続行して排紙するようにしている。これにより、用紙の搬送を強制的に停止させた場合のユーザー等による用紙の除去作業が不要となるので、操作性が向上する。
【0111】
また、この場合も、上記図12に示す給紙動作と同様に、1枚目の給紙においてのみ、誤セット連続給紙防止用の給紙動作を行うようにしているので、2枚目以降の用紙において画像が用紙搬送方向に縮むなどの画像不良が発生するのを防止することができる。
【0112】
以上のように、本発明によれば、給紙ローラ16が用紙を給送すべく駆動を開始し、給紙ローラ16が設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ分Lminを給送し終える前に、給紙ローラ16の駆動を停止させることで、実際にセットされた用紙が、本来セットされるべき用紙サイズとは異なるサイズであったとしても、その誤セットされた用紙の連続給送を防止することができる。
【0113】
しかも、本発明の場合、連続給送を防止できる誤セット用紙のサイズについて特に制限はない。従って、誤セットされた用紙サイズの搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙サイズの搬送方向長さの半分よりも長い場合であっても、誤セット用紙の連続給送を防止することが可能である。
【0114】
例えば、画像形成装置に、用紙の横幅を検知可能なサイドフェンスなどの検知手段が設けられていない場合は、実際にセットされた用紙の搬送方向長さが、本来セットされるべき用紙サイズの半分よりも長くなる誤セットが生じやすい。特にこのような画像形成装置に本発明を適用することにより、誤セット用紙の連続給送防止効果の発揮を期待でき、信頼性を向上させることができる。言い換えれば、本発明を適用することで、サイドフェンスなどの用紙幅を検知する検知手段が不要となるので、装置の小型化及び低コスト化を図れるようになる。
【0115】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、本発明の構成を適用する画像形成装置として、図1に示すカラーレーザープリンタを例に説明したが、これに限らず、モノクロプリンタや、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも本発明の構成を適用可能である。また、本発明の構成を適用可能な画像形成装置は、上記のような電子写真方式のものに限らず、記録ヘッドのノズルからインクの液滴を吐出して用紙に画像を形成する画像形成部を備えたインクジェット式の画像形成装置であってもよい。
【符号の説明】
【0116】
16 給紙ローラ(給送手段)
20 レジストローラ対(搬送手段)
21 定着装置
25 レジストセンサ(検知手段)
200 画像形成部
H 搬送異常として搬送が停止されるまでの2枚目の用紙の搬送距離
L1 入力された画像情報に対応する用紙サイズの搬送方向長さ
Lmin 設定可能な最小の用紙サイズの搬送方向長さ
N1 定着ニップ(画像定着位置)
N2 二次転写ニップ(画像形成位置)
P 用紙(記録媒体)
Q 給送開始前の用紙先端位置
R1 給送開始前の用紙先端位置から定着ニップまでの用紙搬送距離
R2 給送開始前の用紙先端位置から二次転写ニップまでの用紙搬送距離
R3 給送開始前の用紙先端位置からレジストセンサの用紙検知位置までの用紙搬送距離
U 用紙検知位置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2007−121885号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に対して記録媒体を給送する給送手段と、
前記搬送手段及び前記給送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記給送手段が記録媒体を給送すべく駆動を開始し、給送手段が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終える前に、給送手段の駆動を停止させるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記駆動が停止された給送手段を、その後、給送手段が入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終えて、その駆動が停止されるよりも前に、再駆動させるように制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記給送手段と前記搬送手段との間の記録媒体搬送路で記録媒体を検知する検知手段を備え、
前記制御手段は、前記給送手段の給送開始時、あるいはその後の所定のタイミングから、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さに基づいて予め設定された時間を過ぎる前に、前記検知手段によって記録媒体の後端が検知されなかった場合に、搬送異常と判定して、記録媒体の搬送を停止させるように制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部によって記録媒体に形成された画像を当該記録媒体上に定着する定着装置を備え、
前記給送手段の再駆動開始時点から前記搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでにおける記録媒体搬送距離が、給送開始前の記録媒体先端位置から前記定着装置の画像定着位置までの記録媒体搬送距離よりも短くなるように、前記給送手段の再駆動開始のタイミングを設定した請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記給送手段の再駆動開始時点から前記搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでにおける記録媒体搬送距離が、給送開始前の記録媒体先端位置から前記画像形成部の記録媒体への画像形成位置までの記録媒体搬送距離よりも短くなるように、前記給送手段の再駆動開始のタイミングを設定した請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記給送手段の再駆動開始時点から前記搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでにおける記録媒体搬送距離が、給送開始前の記録媒体先端位置から前記検知手段の記録媒体検知位置までの記録媒体搬送距離よりも短くなるように、前記給送手段の再駆動開始のタイミングを設定した請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記検知手段による記録媒体の検知情報に基づいて、検知した記録媒体の搬送方向長さと、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さとが、一致するか否かの判定を行い、検知した記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さよりも短いと判定した場合は、記録媒体の搬送を停止させるように制御する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記検知手段による記録媒体の検知情報に基づいて、検知した記録媒体の搬送方向長さと、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さとが、一致するか否かの判定を行い、検知した記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さよりも短いと判定した場合は、検出した記録媒体の搬送方向長さに基づいて記録媒体の搬送制御を行い、記録媒体を搬送して装置外に排出させるように制御する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、形成した画像を記録媒体に転写する転写手段と、当該転写手段をクリーニングする転写クリーニング手段を有し、
前記制御手段が、前記検出した記録媒体の搬送方向長さに基づいて記録媒体の搬送制御を行った場合に、制御手段は、前記転写手段によって記録媒体に画像を転写した後、当該転写手段を前記転写クリーニング手段によってクリーニングするように制御する請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記検知手段による記録媒体の検知情報に基づいて、検知した記録媒体の搬送方向長さと、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さとが、一致するか否かの判定を行い、検知した記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さと一致すると判定した場合は、それ以降の記録媒体の給送において、前記給送手段と前記搬送手段が記録媒体を給送及び搬送すべく駆動を開始してから、給送手段が入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終えるまで、給送手段の駆動を継続させるように制御する請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に対して記録媒体を給送する給送手段と、
前記搬送手段及び前記給送手段の駆動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記給送手段が記録媒体を給送すべく駆動を開始し、給送手段が設定可能な最小の記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終える前に、給送手段の駆動を停止させるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記駆動が停止された給送手段を、その後、給送手段が入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終えて、その駆動が停止されるよりも前に、再駆動させるように制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記給送手段と前記搬送手段との間の記録媒体搬送路で記録媒体を検知する検知手段を備え、
前記制御手段は、前記給送手段の給送開始時、あるいはその後の所定のタイミングから、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さに基づいて予め設定された時間を過ぎる前に、前記検知手段によって記録媒体の後端が検知されなかった場合に、搬送異常と判定して、記録媒体の搬送を停止させるように制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部によって記録媒体に形成された画像を当該記録媒体上に定着する定着装置を備え、
前記給送手段の再駆動開始時点から前記搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでにおける記録媒体搬送距離が、給送開始前の記録媒体先端位置から前記定着装置の画像定着位置までの記録媒体搬送距離よりも短くなるように、前記給送手段の再駆動開始のタイミングを設定した請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記給送手段の再駆動開始時点から前記搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでにおける記録媒体搬送距離が、給送開始前の記録媒体先端位置から前記画像形成部の記録媒体への画像形成位置までの記録媒体搬送距離よりも短くなるように、前記給送手段の再駆動開始のタイミングを設定した請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記給送手段の再駆動開始時点から前記搬送異常と判定されて搬送が停止されるまでにおける記録媒体搬送距離が、給送開始前の記録媒体先端位置から前記検知手段の記録媒体検知位置までの記録媒体搬送距離よりも短くなるように、前記給送手段の再駆動開始のタイミングを設定した請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記検知手段による記録媒体の検知情報に基づいて、検知した記録媒体の搬送方向長さと、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さとが、一致するか否かの判定を行い、検知した記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さよりも短いと判定した場合は、記録媒体の搬送を停止させるように制御する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記検知手段による記録媒体の検知情報に基づいて、検知した記録媒体の搬送方向長さと、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さとが、一致するか否かの判定を行い、検知した記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さよりも短いと判定した場合は、検出した記録媒体の搬送方向長さに基づいて記録媒体の搬送制御を行い、記録媒体を搬送して装置外に排出させるように制御する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、形成した画像を記録媒体に転写する転写手段と、当該転写手段をクリーニングする転写クリーニング手段を有し、
前記制御手段が、前記検出した記録媒体の搬送方向長さに基づいて記録媒体の搬送制御を行った場合に、制御手段は、前記転写手段によって記録媒体に画像を転写した後、当該転写手段を前記転写クリーニング手段によってクリーニングするように制御する請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記検知手段による記録媒体の検知情報に基づいて、検知した記録媒体の搬送方向長さと、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さとが、一致するか否かの判定を行い、検知した記録媒体の搬送方向長さが、入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さと一致すると判定した場合は、それ以降の記録媒体の給送において、前記給送手段と前記搬送手段が記録媒体を給送及び搬送すべく駆動を開始してから、給送手段が入力された画像情報に対応する記録媒体サイズの搬送方向長さ分を給送し終えるまで、給送手段の駆動を継続させるように制御する請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−40021(P2013−40021A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178439(P2011−178439)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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