画像形成装置
【課題】感光体ドラム等の像担持体への潤滑剤塗布量の適正維持を図った電子写真方式の画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム110に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置140と、スコロトロンチャージャーを用いた帯電装置120を搭載する画像形成装置である。除電部材として、感光体ドラム110に接触または微小ギャップをもって対向する導電性ローラ126を搭載する。この導電性ローラ126に交流電圧を印加可能とし、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量を、ブラシローラ142のヘタりの有無、潤滑剤141の新旧で変化させる。
【解決手段】感光体ドラム110に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置140と、スコロトロンチャージャーを用いた帯電装置120を搭載する画像形成装置である。除電部材として、感光体ドラム110に接触または微小ギャップをもって対向する導電性ローラ126を搭載する。この導電性ローラ126に交流電圧を印加可能とし、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量を、ブラシローラ142のヘタりの有無、潤滑剤141の新旧で変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラム等の像担持体への潤滑剤塗布量の適正維持を図った電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の複写機、プリンターのカラー化、高速化、高画質化の進展とともに、電子写真式の画像形成装置では、4連タンデム方式の画像形成装置が主流となってきている(図1参照)。また、環境意識への高まりから、リサイクル、高信頼性、高寿命化もますます重要になってきている。
【0003】
そのために、電子写真式の画像形成装置では、感光体等の像担持体(以下、必要が無ければ感光体と記載する)の表面に潤滑剤を塗布して、該表面の摩擦係数を下げ、転写性を向上させ、さらにクリーニングブレードエッジの挙動を安定させて、クリーニング性能を向上させるものが多くなっている。潤滑剤塗布機構としては、一般に、棒状の潤滑剤を、スプリング等でブラシローラに押し付けて、ブラシローラにより削り取り、感光体表面へと塗布し、可撓性ブレードで薄膜化する機構となっている。また、潤滑剤塗布の安定化のために、感光体クリーニング下流側に潤滑剤塗布装置を設けることも多くなっている。こうした感光体クリーニング下流側潤滑剤塗布装置では、感光体クリーニングとは別に可撓性ブレードを潤滑剤塗布用に搭載する。
【0004】
しかし、こうした潤滑剤塗布機構では、潤滑剤の感光体への塗布量は、ブラシのヘタリ、潤滑剤の新/旧等で変化する。そのため、例えば、ブラシローラが新品でヘタリが無い場合等には、潤滑剤の感光体への塗布量が、(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれ潤滑剤塗布量が安定した)塗布安定時よりも多くなり、塗布過剰となり、過剰潤滑剤が現像部で現像剤に混入して、現像剤の帯電性能低下により、地汚れ画像、トナー落ちといった問題が発生する。逆に、潤滑剤が新しくブラシローラと潤滑剤の接触面積が小さい場合や、ブラシローラを長期間使用して、ブラシローラがへたった場合等には、(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれ潤滑剤塗布量が安定した)塗布安定時よりも、潤滑剤塗布量が少なくなり、塗布不足となり、感光体表面摩擦係数が大きくなって、虫食い画像などの転写不良やクリーニング不良といった問題が発生する。
【0005】
図1は上述のような4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図である。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを用いてカラー画像形成を行う。画像形成装置1は、その下部に記録媒体としての用紙を収納する給紙カセット11、12を配した給紙部10を設け、その上方に作像部20及び転写部30を配置した構成を備える。
【0006】
作像部20は、像担持体である感光体ドラム110Y、110M、110C、110K(以下、特に色を特定する必要が無ければ感光体ドラム110と言う、他の部材も同じ)を備えた4個の作像ユニット100Y、100M、100C、100Kを備える。転写部30は、複数のローラ31、32、33に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトで構成した中間転写体としての中間転写ベルト34と、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kに潜像を形成する潜像形成装置である光書込ユニット40と、用紙にトナー像を定着させる定着装置50等が配置されている。また、給紙カセット11、12から定着装置50までの間には、用紙を搬送する搬送経路60が形成されている。
【0007】
また、中間転写ベルト34には、ローラ32と対向する部位に2次転写装置となる2次転写ローラ35を搬送経路に臨ませて設置し、ローラ31と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置37を設置している。
【0008】
作像部20は、中間転写ベルト34のうちローラ31とローラ32との間に配置される中間転写ベルト34の下部側ベルト走行辺に対向するように配置されている。各作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、中間転写ベルト34に接するように各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kを配置している。なお、図中符号70Y、70M、70C、70Kは補給用トナーを収納するトナーボトルを示している。
【0009】
この画像形成装置1では、作像ユニット100Y、100M、100C、100Kの感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが光書込ユニット40で所定パターンによって露光され、感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが現像ユニットで現像され、中間転写ベルト上に順次転写されて、給紙カセット11、12から用紙搬送経路60上を搬送される転写用紙に、2次転写ローラ35にて転写され、定着装置50で定着され排出される。
【0010】
図2は図1に示した作像ユニットを示す断面図である。作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、使用するトナーの色が異なる他、同一の構造を備えている。このため、一つの作像ユニット100についてその構造を符号に添え字を付さずに説明する。作像ユニット100において、感光体ドラム110の周囲には、帯電手段120、現像器130、潤滑剤塗布装置140、クリーニング装置150がそれぞれ配置してある。
【0011】
帯電手段120は、高寿命を狙い、帯電部材としてコロナ放電方式のスコロトロンチャージャーを採用している。図示は省略するが、メンテナンスフリーでの高寿命化を狙い自動クリーニング装置を搭載している。スコロトロンチャージャーの感光体ドラム110の回転方向上流側には、除電ランプ125も搭載してあり、感光体ドラム110を除電している。
【0012】
現像器130は、現像ローラ131と、攪拌ローラ132、133とを備えている。
【0013】
潤滑剤塗布装置140は、感光体ドラム110の摩擦係数を低下させることによる転写性の向上及びクリーニング性の向上を狙っている。潤滑剤塗布装置140は、潤滑剤塗布の安定化のために、感光体ドラム110の回転方向で感光体ドラム110のクリーニング装置150よりも下流側に設ける。潤滑剤141としては、棒状の潤滑剤を用い、これを圧縮スプリング143によってブラシローラ142に所定の圧力で押し付ける。そして、ブラシローラ142の回転によって潤滑剤141を削り取り、感光体ドラム110の表面に塗布し、後述のように、ブラシ下流側のポリウレタン等の材質の可撓性の潤滑剤塗布ブレードにて薄膜化する。ブラシローラ142は感光体ドラム110の回転方向に対して、逆方向とする。逆方向へ回転させることによって、ブラシローラ142と感光体ドラム110表面との摺擦作用が大きくなり、ブラシローラ142の感光体ドラム110への潤滑剤塗布が効率的に行える。
【0014】
クリーニング装置150は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110の残留トナーを除去し、潤滑剤塗布ブレード160は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110に対して潤滑剤塗布装置140で塗布された潤滑剤を薄膜化する。なお図中符号153は、除去された廃トナーを搬送する廃トナー搬送部材を示している。
【0015】
また図示の画像形成装置は、画像面積率の変動により、潤滑剤を塗布する部材と感光体ドラム等の像担持体表面との接触面積が変動して、潤滑剤の供給の過不足が発生することを防止するために、感光体ドラム110の回転方向でクリーニング装置150の下流側に、潤滑剤塗布装置140を配置してある。潤滑剤塗布装置140は、感光体ドラム110に接触して潤滑剤塗布装置140が塗布した潤滑剤141を薄膜化して感光体ドラム110に塗布する潤滑剤塗布ブレード161を備えている。またこの潤滑剤塗布ブレード161は、支持部材162で支持してある。潤滑剤塗布ブレード161は、トレーリング方向から感光体ドラム110に当接している。トレーリング方向から潤滑剤塗布ブレード161を当接させると、潤滑剤141を感光体ドラム110からかき落とす量が少なくて済み、したがって潤滑剤141の塗布効率が良い。
【0016】
こうした潤滑剤の塗布機構では、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、ブラシローラ142のヘタリ、潤滑剤141の新しさ、古さ等で変化する。
例えば、図3のように、ブラシローラ142が新品で、ブラシのヘタリが無い場合等には、潤滑剤141のブラシローラ142によるかきとり能力が大きい。すると、感光体ドラム110への潤滑剤141の塗布量が、塗布安定状態(ブラシローラ142のブラシと潤滑剤141がある程度使い込まれ、潤滑剤141の塗布量が安定した状態:図4参照)よりも多くなり、塗布が過剰となる。そのため、過剰塗布された潤滑剤141が現像器130で現像剤に混入して現像剤の帯電性能が低下する。それにより、地汚れ画像、トナー落ちといった問題が発生する。
【0017】
逆に、例えば潤滑剤が交換された後で潤滑剤のみが新しく、ブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さい場合は、ブラシローラ140による潤滑剤141のかきとり能力が小さく、感光体への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも小さくなる(図5参照)。すると、潤滑剤141の塗布量が必要量よりも不足する。そうして、感光体ドラム110上の潤滑剤塗布量が不足すると、感光体ドラム110の摩擦係数が増加し、虫食い画像等の転写不良や、クリーニング不良等が発生する。また、ブラシローラ142を長期間使用して、ブラシがへたった場合等にも、ブラシローラ142による潤滑剤141のかきとり能力が小さくなる。そして感光体ドラム110への潤滑剤141の塗布量が、塗布安定時よりも小さくなる。そうした場合にも、潤滑剤不足により、感光体ドラム110の摩擦係数が増加して、虫食い画像等の転写不良や、クリーニング不良等が発生する。
【0018】
例えば特許文献1では、環境性能が高く、画像品質の劣化が低く抑えられ、感光体の耐摩耗性の向上を図られ、長期的に安定した画像形成が行える画像形成方法及び画像形成装置を提供するために、帯電装置が感光体の下側に位置し、背面部に吸着、触媒作用を有する部材を付設したコロナ放電方式の帯電装置であり、感光体の最表層に無機微粒子及び電荷輸送物質が分散された被覆層が形成され、該感光体の表面に潤滑剤が付与されることを特徴とする画像形成装置、及び、これらの装置おいて、感光体の表面に潤滑剤を付与しながら画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法が開示されている。
【0019】
また特許文献2では、帯電下、特にAC帯電下においても、像担持体摩耗の抑制、クリーニング性の維持、帯電部材汚れの抑制といった、像担持体周り部材全体の長寿命化を実現でき、長期に亘って良好な画像を出力可能な、簡便な構成の画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法の提供するため、像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、像担持体の移動方向において潤滑剤塗布手段より下流側かつ帯電手段より上流側に位置し像担持体上の粉状の潤滑剤を除去するための潤滑剤除去手段とを有することが開示されている。
【0020】
さらに特許文献3では、像担持体の表面に傷がつきにくく、像担持体上に適量の潤滑剤をムラ無く安定的に供給できて、レイアウト上の自由度が高い、潤滑剤供給装置、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供するため、像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、像担持体に対して非接触で対向するとともに潤滑剤を担持する潤滑剤担持手段と、潤滑剤担持手段に担持された潤滑剤を像担持体上に移行させる移行手段とを備えることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
そこで本発明においては、画像形成装置における潤滑剤の塗布量の変動に対して、除電部通過後の像担持体上の潤滑剤量を適正に維持して、潤滑剤塗布過剰の場合に発生する現像剤への潤滑剤混入による現像剤帯電能力低下地汚れ、トナー落ち、潤滑剤塗布不足場合に発生する、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の画像装置は、像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、コロナ帯電方式の帯電部材を搭載する画像形成装置において、除電部材として、前記像担持体に接触または微小ギャップをもって対向する導電性ローラを搭載し、該導電性ローラに交流電圧を印加可能としてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、画像形成装置における潤滑剤の塗布量の変動に伴う問題の発生を防止可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図
【図2】図1に示した作像ユニットを示す断面図
【図3】ブラシローラが新品の状態を示す図
【図4】ブラシローラのブラシと潤滑剤がある程度使い込まれて潤滑剤の塗布量が安定した状態を示す図
【図5】実施形態1の使用態様で、潤滑剤のみ交換して新しい場合の図
【図6】実施形態1の使用態様で、ブラシローラの長期間使用によりブラシローラがヘタった状態を示す図
【図7】図3、図4、図6に個別に示した状態を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係として示すグラフ図
【図8】図5の場合の関係を示すグラフ図
【図9】本発明に係る画像形成装置の実施形態1を示す図
【図10】実施形態1の使用態様で、ブラシローラが新品でブラシにヘタリが無い場合を示す図
【図11】実施形態1の使用態様で、潤滑剤の塗布量が安定した状態を示す図
【図12】実施形態1の使用態様で、ブラシローラを長期使用した例を示す図
【図13】実施形態1の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量、及び帯電交流ピーク間電圧の関係として示すグラフ図
【図14】実施形態1の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量、及び帯電交流ピーク間電圧の関係として示すグラフ図
【図15】本発明の実施形態2を示す図
【図16】実施形態2で潤滑剤のみ交換して新しい場合の図
【図17】実施形態2の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係としてグラフ図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態においては、
(1)画像形成装置の潤滑材塗布装置における潤滑剤塗布量の変動に対して、除電部通過後の感光体上の潤滑剤量を適正に維持し、潤滑剤塗布過剰の場合に発生する現像剤への潤滑剤混入による現像剤帯電能力の低下、地汚れ、トナー落ち、潤滑剤塗布不足の場合に発生する、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止
(2)像担持体である感光体への潤滑剤塗布量が大きい場合の、潤滑剤塗布過多で発生する現像剤への潤滑剤混入、それによる現像剤帯電能力低下、現像剤帯電能力低下による地汚れ、トナー落ちといった問題の発生の防止
(3)感光体への潤滑剤塗布量が小さい場合の、潤滑剤塗布不足による、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止
(4)ブラシローラの使用初期において、感光体への潤滑剤塗布量が大きい場合の、潤滑剤塗布過多によって発生する現像剤への潤滑剤混入、それによる現像剤の帯電能力低下、それによる地汚れ、トナー落ちといった問題の発生の防止(図3参照)
(5)潤滑剤の使用初期において、感光体への潤滑剤塗布量が小さい場合の、潤滑剤塗布不足による、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止
(6)ブラシローラの長期間使用によりブラシローラがヘタり、潤滑剤塗布量が小さくなった場合の、潤滑剤塗布不足による、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止(図6参照)
(7)感光体への潤滑剤塗布を安定化させることでの、潤滑剤過剰塗布、潤滑剤塗布不足の発生の防止
(8)感光体表面の保護作用と、感光体の潤滑作用(クリーニング性)の両方の適正な維持
(9)作像手段の一体化によるセット性、メンテナンス性の向上、対感光体位置精度の向上
を図る。
【0026】
なお、図3、図4、図6に個別に示した状態を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係として図7にグラフ図として示す。また、図5の場合の関係を図8に別途にグラフ図として示す。
【0027】
<実施形態1>
図9に本発明に係る画像形成装置の実施形態1を示す。この画像形成装置では、潤滑剤塗布安定化のために、潤滑剤塗布装置140が感光体ドラム110の回転方向下流側に設けてある。また、潤滑剤塗布装置140とスコロトロンチャージャーを用いた帯電装置120の間に、除電部材として、微小ギャップをもって感光体ドラム110に対向する導電性ローラが除電ローラ126として搭載してある。この除電ローラ126に交流電圧を印加して、感光体ドラム110を除電する。本実施形態の画像形成装置でも、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、ブラシローラ142の新旧(あるいはヘタりの有無)、潤滑剤141の新/旧で変化する。
【0028】
そこで、本実施形態の画像形成装置では、潤滑剤塗布部材であるブラシローラ142により、あらかじめ感光体ドラム110上に潤滑剤141を必要適正量よりも多く塗布し、導電性ローラからなる除電ローラ126へ交流電圧を印加して交流電流を流し、交流電流により、感光体ドラム110上の潤滑剤141を破壊消費し、感光体ドラム110上に残存する潤滑剤量を適量にする。
【0029】
潤滑剤141は、除電ローラ126に流れる除電電流により、破壊消費される。そのため、除電ローラ126に印加される交流ピーク間電圧を大きくすると、より多くの除電電流が流れ、除電電流の攻撃作用が大きくなり、除電電流により、破壊、消費される潤滑剤量が大きくなる。そのため、交流電圧の制御により、交流電流値を制御し、感光体ドラム110上の潤滑剤141が交流電流により破壊消費される量を制御し、感光体ドラム110上に残存する潤滑剤量を調整可能とする。
【0030】
図10に示すように、ブラシローラ142が新品でブラシにヘタりが無い場合等には、既述のように、潤滑剤141のブラシローラ142によるかきとり能力が大きく、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも多くなる。
【0031】
こうした場合、本実施形態では、除電ローラ126へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくし、除電電流を大きくする。このことにより、除電電流により破壊消費される潤滑剤量を大きくし、潤滑剤過剰塗布分を余分に破壊消費する。そのため、感光体ドラム110上の過剰な潤滑剤が現像器130で現像剤に混入するのを防止できる。そのため、現像剤の帯電性能が低下により、地汚れ画像、トナー落ちといった問題が発生することを防止できる。また除電ローラ126を通過した後に感光体ドラム110上に残存する潤滑剤141の量を適正に維持できる。例えば、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時(ブラシローラ142のブラシと潤滑剤141がある程度使い込まれ、潤滑剤141の塗布量が安定した状態:図11参照)の1.5倍程度で、除電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp-pに対して、ブラシローラ142の使用初期は、2.1kVp-pというように除電交流ピーク間電圧を大きくする。
【0032】
また、図12に示すように、ブラシローラ142を長期使用すると、ブラシがヘタり、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時よりも減少する。こうした場合、本実施形態では、除電ローラ126へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、除電電流を小さくして、除電電流の感光体ドラム110への攻撃作用を小さくする。すなわち除電電流により、破壊消費される潤滑剤量を少なくして、潤滑剤量が不足しないようにする。そして、除電電流の攻撃作用による感光体ドラム110の表面破壊、それによる感光体フィルミング、感光体潤滑不足による虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の発生を防止する。例えば、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時の0.7倍程度で、除電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp-pに対して、ブラシローラ142の使用寿命間近では、1.7kVp-pというように除電交流ピーク間電圧を小さくする。
【0033】
図13、図14は、上述した本実施形態の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量、及び除電交流ピーク間電圧の関係として示すグラフ図である。
【0034】
また、本実施形態装置は、作像ユニットとして、感光体ドラム110、帯電装置120、感光体クリーニング装置150、潤滑剤塗布装置140が一体となったプロセスカートリッジとすることができ、プロセスカートリッジ一体で作像ユニットを交換する構成することができる。例えば、プロセスカートリッジの新品を検知する検知手段をもち、感光体ドラム110の累積回転数を記録して、プロセスカートリッジの使用時間を記録しておくことにより、潤滑剤塗布用のブラシローラ142の使用時間を検知して、上述のような除電交流ピーク間電圧の制御を実施できる。
【0035】
<実施形態2>
図15に本発明の実施形態2を示す。この実施形態2は、上述した実施形態1とほぼ同じ構成となっている。ただし本実施形態では、潤滑剤の寿命が短く、潤滑剤を交換して使用するプロセスカートリッジとなっている。そしてプロセスカートリッジであることによって、作像のための各手段を一体化し、画像形成装置本体へのセット性、メンテナンス性が良くなる。さらに、一体化することにより、現像部材、帯電部材、クリーニング部材等の対感光体位置精度が良くなる。
【0036】
本構成にて、ブラシローラ142が使い込まれた状態で、潤滑剤141のみを交換して新しくした場合、潤滑剤141を塗布するためのブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さくなる。すると、ブラシローラ142による潤滑剤141のかきとり能力が小さくなり、潤滑剤塗布量が減少する。こうした場合に、本実施形態装置では、除電ローラ126へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、除電電流を小さくして、除電電流の感光体攻撃作用を小さくする。除電電流により、破壊消費される潤滑剤量を少なくして、潤滑剤141が不足しないようにするのである。そして、除電電流の攻撃作用による感光体ドラム110の表面破壊、それによる感光体フィルミング、感光体潤滑不足による虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の発生を防止する(図16参照)。したがってこの実施形態2では、潤滑剤141の状態(少なくとも新品状態であるか否か)を検知できる検知機構を搭載することが好ましい。
【0037】
図17に、上述した本実施形態の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係としてグラフ図で示す。
【0038】
なお上述してきた本実施形態の画像形成装置で使用する潤滑剤は、例えば、脂肪酸金属塩(A)と、無機潤滑剤(B)を含有しているものが好ましい。脂肪酸金属塩が、除電電流により破壊されて、感光体ドラム110の表面が破壊されるのを防止すると同時に、除電電流では破壊されない無機潤滑剤により、潤滑作用が、潤滑剤が脂肪酸金属塩のみの場合よりも良い状態で維持できるからである。そして、そのため、感光体ドラム110のクリーニングをより良好に行うことが可能となる。
【0039】
脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、本発明で使用する脂肪酸金属塩(A)はこれに限られない。また、これらを混合して使用しても良い。なお、ステアリン酸亜鉛が特に感光体ドラム等の像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
【0040】
また無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、あるいは内部滑りを起こす無機化合物のことを言う。具体的な物質例としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、スメクタイト、ハイドロタルサイト化合物、フッ化カルシウム、グラファイト、板状アルミナ、セリサイト、合成マイカなどがあるが、本発明で無機潤滑剤(B)として使用するものは、これらに限定されない。なお、窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから好ましい。
【0041】
なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
【0042】
また本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:画像形成装置
10:給紙部
11、12:給紙カセット
20:作像部
30:転写部
34:中間転写ベルト
35:2次転写ローラ
37:ベルトクリーニング装置
40:光書込ユニット
50:定着装置
60:搬送経路
70:トナーボトル
100:作像ユニット
110:感光体ドラム
120:帯電手段
121:帯電ローラ
122:クリーニングローラ
123:電源装置
124:交流ピーク間電圧変更手段
125:除電ランプ
126:除電ローラ
130:現像器
140:潤滑剤塗布装置
141:潤滑剤
142:ブラシローラ
143:圧縮スプリング
150、160:クリーニング装置
151:クリーニングブレード
161:潤滑剤塗布ブレード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2003−91143号公報
【特許文献2】特開2008−122869号公報
【特許文献3】特開2007−310336号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラム等の像担持体への潤滑剤塗布量の適正維持を図った電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の複写機、プリンターのカラー化、高速化、高画質化の進展とともに、電子写真式の画像形成装置では、4連タンデム方式の画像形成装置が主流となってきている(図1参照)。また、環境意識への高まりから、リサイクル、高信頼性、高寿命化もますます重要になってきている。
【0003】
そのために、電子写真式の画像形成装置では、感光体等の像担持体(以下、必要が無ければ感光体と記載する)の表面に潤滑剤を塗布して、該表面の摩擦係数を下げ、転写性を向上させ、さらにクリーニングブレードエッジの挙動を安定させて、クリーニング性能を向上させるものが多くなっている。潤滑剤塗布機構としては、一般に、棒状の潤滑剤を、スプリング等でブラシローラに押し付けて、ブラシローラにより削り取り、感光体表面へと塗布し、可撓性ブレードで薄膜化する機構となっている。また、潤滑剤塗布の安定化のために、感光体クリーニング下流側に潤滑剤塗布装置を設けることも多くなっている。こうした感光体クリーニング下流側潤滑剤塗布装置では、感光体クリーニングとは別に可撓性ブレードを潤滑剤塗布用に搭載する。
【0004】
しかし、こうした潤滑剤塗布機構では、潤滑剤の感光体への塗布量は、ブラシのヘタリ、潤滑剤の新/旧等で変化する。そのため、例えば、ブラシローラが新品でヘタリが無い場合等には、潤滑剤の感光体への塗布量が、(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれ潤滑剤塗布量が安定した)塗布安定時よりも多くなり、塗布過剰となり、過剰潤滑剤が現像部で現像剤に混入して、現像剤の帯電性能低下により、地汚れ画像、トナー落ちといった問題が発生する。逆に、潤滑剤が新しくブラシローラと潤滑剤の接触面積が小さい場合や、ブラシローラを長期間使用して、ブラシローラがへたった場合等には、(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれ潤滑剤塗布量が安定した)塗布安定時よりも、潤滑剤塗布量が少なくなり、塗布不足となり、感光体表面摩擦係数が大きくなって、虫食い画像などの転写不良やクリーニング不良といった問題が発生する。
【0005】
図1は上述のような4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図である。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを用いてカラー画像形成を行う。画像形成装置1は、その下部に記録媒体としての用紙を収納する給紙カセット11、12を配した給紙部10を設け、その上方に作像部20及び転写部30を配置した構成を備える。
【0006】
作像部20は、像担持体である感光体ドラム110Y、110M、110C、110K(以下、特に色を特定する必要が無ければ感光体ドラム110と言う、他の部材も同じ)を備えた4個の作像ユニット100Y、100M、100C、100Kを備える。転写部30は、複数のローラ31、32、33に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトで構成した中間転写体としての中間転写ベルト34と、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kに潜像を形成する潜像形成装置である光書込ユニット40と、用紙にトナー像を定着させる定着装置50等が配置されている。また、給紙カセット11、12から定着装置50までの間には、用紙を搬送する搬送経路60が形成されている。
【0007】
また、中間転写ベルト34には、ローラ32と対向する部位に2次転写装置となる2次転写ローラ35を搬送経路に臨ませて設置し、ローラ31と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置37を設置している。
【0008】
作像部20は、中間転写ベルト34のうちローラ31とローラ32との間に配置される中間転写ベルト34の下部側ベルト走行辺に対向するように配置されている。各作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、中間転写ベルト34に接するように各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kを配置している。なお、図中符号70Y、70M、70C、70Kは補給用トナーを収納するトナーボトルを示している。
【0009】
この画像形成装置1では、作像ユニット100Y、100M、100C、100Kの感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが光書込ユニット40で所定パターンによって露光され、感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが現像ユニットで現像され、中間転写ベルト上に順次転写されて、給紙カセット11、12から用紙搬送経路60上を搬送される転写用紙に、2次転写ローラ35にて転写され、定着装置50で定着され排出される。
【0010】
図2は図1に示した作像ユニットを示す断面図である。作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、使用するトナーの色が異なる他、同一の構造を備えている。このため、一つの作像ユニット100についてその構造を符号に添え字を付さずに説明する。作像ユニット100において、感光体ドラム110の周囲には、帯電手段120、現像器130、潤滑剤塗布装置140、クリーニング装置150がそれぞれ配置してある。
【0011】
帯電手段120は、高寿命を狙い、帯電部材としてコロナ放電方式のスコロトロンチャージャーを採用している。図示は省略するが、メンテナンスフリーでの高寿命化を狙い自動クリーニング装置を搭載している。スコロトロンチャージャーの感光体ドラム110の回転方向上流側には、除電ランプ125も搭載してあり、感光体ドラム110を除電している。
【0012】
現像器130は、現像ローラ131と、攪拌ローラ132、133とを備えている。
【0013】
潤滑剤塗布装置140は、感光体ドラム110の摩擦係数を低下させることによる転写性の向上及びクリーニング性の向上を狙っている。潤滑剤塗布装置140は、潤滑剤塗布の安定化のために、感光体ドラム110の回転方向で感光体ドラム110のクリーニング装置150よりも下流側に設ける。潤滑剤141としては、棒状の潤滑剤を用い、これを圧縮スプリング143によってブラシローラ142に所定の圧力で押し付ける。そして、ブラシローラ142の回転によって潤滑剤141を削り取り、感光体ドラム110の表面に塗布し、後述のように、ブラシ下流側のポリウレタン等の材質の可撓性の潤滑剤塗布ブレードにて薄膜化する。ブラシローラ142は感光体ドラム110の回転方向に対して、逆方向とする。逆方向へ回転させることによって、ブラシローラ142と感光体ドラム110表面との摺擦作用が大きくなり、ブラシローラ142の感光体ドラム110への潤滑剤塗布が効率的に行える。
【0014】
クリーニング装置150は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110の残留トナーを除去し、潤滑剤塗布ブレード160は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110に対して潤滑剤塗布装置140で塗布された潤滑剤を薄膜化する。なお図中符号153は、除去された廃トナーを搬送する廃トナー搬送部材を示している。
【0015】
また図示の画像形成装置は、画像面積率の変動により、潤滑剤を塗布する部材と感光体ドラム等の像担持体表面との接触面積が変動して、潤滑剤の供給の過不足が発生することを防止するために、感光体ドラム110の回転方向でクリーニング装置150の下流側に、潤滑剤塗布装置140を配置してある。潤滑剤塗布装置140は、感光体ドラム110に接触して潤滑剤塗布装置140が塗布した潤滑剤141を薄膜化して感光体ドラム110に塗布する潤滑剤塗布ブレード161を備えている。またこの潤滑剤塗布ブレード161は、支持部材162で支持してある。潤滑剤塗布ブレード161は、トレーリング方向から感光体ドラム110に当接している。トレーリング方向から潤滑剤塗布ブレード161を当接させると、潤滑剤141を感光体ドラム110からかき落とす量が少なくて済み、したがって潤滑剤141の塗布効率が良い。
【0016】
こうした潤滑剤の塗布機構では、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、ブラシローラ142のヘタリ、潤滑剤141の新しさ、古さ等で変化する。
例えば、図3のように、ブラシローラ142が新品で、ブラシのヘタリが無い場合等には、潤滑剤141のブラシローラ142によるかきとり能力が大きい。すると、感光体ドラム110への潤滑剤141の塗布量が、塗布安定状態(ブラシローラ142のブラシと潤滑剤141がある程度使い込まれ、潤滑剤141の塗布量が安定した状態:図4参照)よりも多くなり、塗布が過剰となる。そのため、過剰塗布された潤滑剤141が現像器130で現像剤に混入して現像剤の帯電性能が低下する。それにより、地汚れ画像、トナー落ちといった問題が発生する。
【0017】
逆に、例えば潤滑剤が交換された後で潤滑剤のみが新しく、ブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さい場合は、ブラシローラ140による潤滑剤141のかきとり能力が小さく、感光体への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも小さくなる(図5参照)。すると、潤滑剤141の塗布量が必要量よりも不足する。そうして、感光体ドラム110上の潤滑剤塗布量が不足すると、感光体ドラム110の摩擦係数が増加し、虫食い画像等の転写不良や、クリーニング不良等が発生する。また、ブラシローラ142を長期間使用して、ブラシがへたった場合等にも、ブラシローラ142による潤滑剤141のかきとり能力が小さくなる。そして感光体ドラム110への潤滑剤141の塗布量が、塗布安定時よりも小さくなる。そうした場合にも、潤滑剤不足により、感光体ドラム110の摩擦係数が増加して、虫食い画像等の転写不良や、クリーニング不良等が発生する。
【0018】
例えば特許文献1では、環境性能が高く、画像品質の劣化が低く抑えられ、感光体の耐摩耗性の向上を図られ、長期的に安定した画像形成が行える画像形成方法及び画像形成装置を提供するために、帯電装置が感光体の下側に位置し、背面部に吸着、触媒作用を有する部材を付設したコロナ放電方式の帯電装置であり、感光体の最表層に無機微粒子及び電荷輸送物質が分散された被覆層が形成され、該感光体の表面に潤滑剤が付与されることを特徴とする画像形成装置、及び、これらの装置おいて、感光体の表面に潤滑剤を付与しながら画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法が開示されている。
【0019】
また特許文献2では、帯電下、特にAC帯電下においても、像担持体摩耗の抑制、クリーニング性の維持、帯電部材汚れの抑制といった、像担持体周り部材全体の長寿命化を実現でき、長期に亘って良好な画像を出力可能な、簡便な構成の画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法の提供するため、像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、像担持体の移動方向において潤滑剤塗布手段より下流側かつ帯電手段より上流側に位置し像担持体上の粉状の潤滑剤を除去するための潤滑剤除去手段とを有することが開示されている。
【0020】
さらに特許文献3では、像担持体の表面に傷がつきにくく、像担持体上に適量の潤滑剤をムラ無く安定的に供給できて、レイアウト上の自由度が高い、潤滑剤供給装置、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供するため、像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、像担持体に対して非接触で対向するとともに潤滑剤を担持する潤滑剤担持手段と、潤滑剤担持手段に担持された潤滑剤を像担持体上に移行させる移行手段とを備えることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
そこで本発明においては、画像形成装置における潤滑剤の塗布量の変動に対して、除電部通過後の像担持体上の潤滑剤量を適正に維持して、潤滑剤塗布過剰の場合に発生する現像剤への潤滑剤混入による現像剤帯電能力低下地汚れ、トナー落ち、潤滑剤塗布不足場合に発生する、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の画像装置は、像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、コロナ帯電方式の帯電部材を搭載する画像形成装置において、除電部材として、前記像担持体に接触または微小ギャップをもって対向する導電性ローラを搭載し、該導電性ローラに交流電圧を印加可能としてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、画像形成装置における潤滑剤の塗布量の変動に伴う問題の発生を防止可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図
【図2】図1に示した作像ユニットを示す断面図
【図3】ブラシローラが新品の状態を示す図
【図4】ブラシローラのブラシと潤滑剤がある程度使い込まれて潤滑剤の塗布量が安定した状態を示す図
【図5】実施形態1の使用態様で、潤滑剤のみ交換して新しい場合の図
【図6】実施形態1の使用態様で、ブラシローラの長期間使用によりブラシローラがヘタった状態を示す図
【図7】図3、図4、図6に個別に示した状態を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係として示すグラフ図
【図8】図5の場合の関係を示すグラフ図
【図9】本発明に係る画像形成装置の実施形態1を示す図
【図10】実施形態1の使用態様で、ブラシローラが新品でブラシにヘタリが無い場合を示す図
【図11】実施形態1の使用態様で、潤滑剤の塗布量が安定した状態を示す図
【図12】実施形態1の使用態様で、ブラシローラを長期使用した例を示す図
【図13】実施形態1の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量、及び帯電交流ピーク間電圧の関係として示すグラフ図
【図14】実施形態1の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量、及び帯電交流ピーク間電圧の関係として示すグラフ図
【図15】本発明の実施形態2を示す図
【図16】実施形態2で潤滑剤のみ交換して新しい場合の図
【図17】実施形態2の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係としてグラフ図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態においては、
(1)画像形成装置の潤滑材塗布装置における潤滑剤塗布量の変動に対して、除電部通過後の感光体上の潤滑剤量を適正に維持し、潤滑剤塗布過剰の場合に発生する現像剤への潤滑剤混入による現像剤帯電能力の低下、地汚れ、トナー落ち、潤滑剤塗布不足の場合に発生する、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止
(2)像担持体である感光体への潤滑剤塗布量が大きい場合の、潤滑剤塗布過多で発生する現像剤への潤滑剤混入、それによる現像剤帯電能力低下、現像剤帯電能力低下による地汚れ、トナー落ちといった問題の発生の防止
(3)感光体への潤滑剤塗布量が小さい場合の、潤滑剤塗布不足による、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止
(4)ブラシローラの使用初期において、感光体への潤滑剤塗布量が大きい場合の、潤滑剤塗布過多によって発生する現像剤への潤滑剤混入、それによる現像剤の帯電能力低下、それによる地汚れ、トナー落ちといった問題の発生の防止(図3参照)
(5)潤滑剤の使用初期において、感光体への潤滑剤塗布量が小さい場合の、潤滑剤塗布不足による、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止
(6)ブラシローラの長期間使用によりブラシローラがヘタり、潤滑剤塗布量が小さくなった場合の、潤滑剤塗布不足による、虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の問題発生の防止(図6参照)
(7)感光体への潤滑剤塗布を安定化させることでの、潤滑剤過剰塗布、潤滑剤塗布不足の発生の防止
(8)感光体表面の保護作用と、感光体の潤滑作用(クリーニング性)の両方の適正な維持
(9)作像手段の一体化によるセット性、メンテナンス性の向上、対感光体位置精度の向上
を図る。
【0026】
なお、図3、図4、図6に個別に示した状態を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係として図7にグラフ図として示す。また、図5の場合の関係を図8に別途にグラフ図として示す。
【0027】
<実施形態1>
図9に本発明に係る画像形成装置の実施形態1を示す。この画像形成装置では、潤滑剤塗布安定化のために、潤滑剤塗布装置140が感光体ドラム110の回転方向下流側に設けてある。また、潤滑剤塗布装置140とスコロトロンチャージャーを用いた帯電装置120の間に、除電部材として、微小ギャップをもって感光体ドラム110に対向する導電性ローラが除電ローラ126として搭載してある。この除電ローラ126に交流電圧を印加して、感光体ドラム110を除電する。本実施形態の画像形成装置でも、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、ブラシローラ142の新旧(あるいはヘタりの有無)、潤滑剤141の新/旧で変化する。
【0028】
そこで、本実施形態の画像形成装置では、潤滑剤塗布部材であるブラシローラ142により、あらかじめ感光体ドラム110上に潤滑剤141を必要適正量よりも多く塗布し、導電性ローラからなる除電ローラ126へ交流電圧を印加して交流電流を流し、交流電流により、感光体ドラム110上の潤滑剤141を破壊消費し、感光体ドラム110上に残存する潤滑剤量を適量にする。
【0029】
潤滑剤141は、除電ローラ126に流れる除電電流により、破壊消費される。そのため、除電ローラ126に印加される交流ピーク間電圧を大きくすると、より多くの除電電流が流れ、除電電流の攻撃作用が大きくなり、除電電流により、破壊、消費される潤滑剤量が大きくなる。そのため、交流電圧の制御により、交流電流値を制御し、感光体ドラム110上の潤滑剤141が交流電流により破壊消費される量を制御し、感光体ドラム110上に残存する潤滑剤量を調整可能とする。
【0030】
図10に示すように、ブラシローラ142が新品でブラシにヘタりが無い場合等には、既述のように、潤滑剤141のブラシローラ142によるかきとり能力が大きく、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも多くなる。
【0031】
こうした場合、本実施形態では、除電ローラ126へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくし、除電電流を大きくする。このことにより、除電電流により破壊消費される潤滑剤量を大きくし、潤滑剤過剰塗布分を余分に破壊消費する。そのため、感光体ドラム110上の過剰な潤滑剤が現像器130で現像剤に混入するのを防止できる。そのため、現像剤の帯電性能が低下により、地汚れ画像、トナー落ちといった問題が発生することを防止できる。また除電ローラ126を通過した後に感光体ドラム110上に残存する潤滑剤141の量を適正に維持できる。例えば、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時(ブラシローラ142のブラシと潤滑剤141がある程度使い込まれ、潤滑剤141の塗布量が安定した状態:図11参照)の1.5倍程度で、除電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp-pに対して、ブラシローラ142の使用初期は、2.1kVp-pというように除電交流ピーク間電圧を大きくする。
【0032】
また、図12に示すように、ブラシローラ142を長期使用すると、ブラシがヘタり、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時よりも減少する。こうした場合、本実施形態では、除電ローラ126へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、除電電流を小さくして、除電電流の感光体ドラム110への攻撃作用を小さくする。すなわち除電電流により、破壊消費される潤滑剤量を少なくして、潤滑剤量が不足しないようにする。そして、除電電流の攻撃作用による感光体ドラム110の表面破壊、それによる感光体フィルミング、感光体潤滑不足による虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の発生を防止する。例えば、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時の0.7倍程度で、除電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp-pに対して、ブラシローラ142の使用寿命間近では、1.7kVp-pというように除電交流ピーク間電圧を小さくする。
【0033】
図13、図14は、上述した本実施形態の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量、及び除電交流ピーク間電圧の関係として示すグラフ図である。
【0034】
また、本実施形態装置は、作像ユニットとして、感光体ドラム110、帯電装置120、感光体クリーニング装置150、潤滑剤塗布装置140が一体となったプロセスカートリッジとすることができ、プロセスカートリッジ一体で作像ユニットを交換する構成することができる。例えば、プロセスカートリッジの新品を検知する検知手段をもち、感光体ドラム110の累積回転数を記録して、プロセスカートリッジの使用時間を記録しておくことにより、潤滑剤塗布用のブラシローラ142の使用時間を検知して、上述のような除電交流ピーク間電圧の制御を実施できる。
【0035】
<実施形態2>
図15に本発明の実施形態2を示す。この実施形態2は、上述した実施形態1とほぼ同じ構成となっている。ただし本実施形態では、潤滑剤の寿命が短く、潤滑剤を交換して使用するプロセスカートリッジとなっている。そしてプロセスカートリッジであることによって、作像のための各手段を一体化し、画像形成装置本体へのセット性、メンテナンス性が良くなる。さらに、一体化することにより、現像部材、帯電部材、クリーニング部材等の対感光体位置精度が良くなる。
【0036】
本構成にて、ブラシローラ142が使い込まれた状態で、潤滑剤141のみを交換して新しくした場合、潤滑剤141を塗布するためのブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さくなる。すると、ブラシローラ142による潤滑剤141のかきとり能力が小さくなり、潤滑剤塗布量が減少する。こうした場合に、本実施形態装置では、除電ローラ126へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、除電電流を小さくして、除電電流の感光体攻撃作用を小さくする。除電電流により、破壊消費される潤滑剤量を少なくして、潤滑剤141が不足しないようにするのである。そして、除電電流の攻撃作用による感光体ドラム110の表面破壊、それによる感光体フィルミング、感光体潤滑不足による虫食い画像等の転写不良、クリーニング不良等の発生を防止する(図16参照)。したがってこの実施形態2では、潤滑剤141の状態(少なくとも新品状態であるか否か)を検知できる検知機構を搭載することが好ましい。
【0037】
図17に、上述した本実施形態の使用態様を、潤滑材塗布装置の使用時間と潤滑材塗布量の関係としてグラフ図で示す。
【0038】
なお上述してきた本実施形態の画像形成装置で使用する潤滑剤は、例えば、脂肪酸金属塩(A)と、無機潤滑剤(B)を含有しているものが好ましい。脂肪酸金属塩が、除電電流により破壊されて、感光体ドラム110の表面が破壊されるのを防止すると同時に、除電電流では破壊されない無機潤滑剤により、潤滑作用が、潤滑剤が脂肪酸金属塩のみの場合よりも良い状態で維持できるからである。そして、そのため、感光体ドラム110のクリーニングをより良好に行うことが可能となる。
【0039】
脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、本発明で使用する脂肪酸金属塩(A)はこれに限られない。また、これらを混合して使用しても良い。なお、ステアリン酸亜鉛が特に感光体ドラム等の像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
【0040】
また無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、あるいは内部滑りを起こす無機化合物のことを言う。具体的な物質例としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、スメクタイト、ハイドロタルサイト化合物、フッ化カルシウム、グラファイト、板状アルミナ、セリサイト、合成マイカなどがあるが、本発明で無機潤滑剤(B)として使用するものは、これらに限定されない。なお、窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから好ましい。
【0041】
なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
【0042】
また本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:画像形成装置
10:給紙部
11、12:給紙カセット
20:作像部
30:転写部
34:中間転写ベルト
35:2次転写ローラ
37:ベルトクリーニング装置
40:光書込ユニット
50:定着装置
60:搬送経路
70:トナーボトル
100:作像ユニット
110:感光体ドラム
120:帯電手段
121:帯電ローラ
122:クリーニングローラ
123:電源装置
124:交流ピーク間電圧変更手段
125:除電ランプ
126:除電ローラ
130:現像器
140:潤滑剤塗布装置
141:潤滑剤
142:ブラシローラ
143:圧縮スプリング
150、160:クリーニング装置
151:クリーニングブレード
161:潤滑剤塗布ブレード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2003−91143号公報
【特許文献2】特開2008−122869号公報
【特許文献3】特開2007−310336号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、コロナ帯電方式の帯電部材を搭載する画像形成装置において、
除電部材として、前記像担持体に接触または微小ギャップをもって対向する導電性ローラを搭載し、
該導電性ローラに交流電圧を印加可能としてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画層形成装置において、
前記潤滑剤の塗布量変動にあわせて、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
潤滑剤塗布量安定時よりも潤滑剤塗布量が多いときには、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
潤滑剤塗布量安定時よりも、潤滑剤塗布量が少ないときには、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3の画像形成装置において、 棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構を搭載し、
前記潤滑剤の使用開始初期に、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4の画像形成装置において、
棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構を搭載し、
前記潤滑剤の使用開始初期に、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4の画像形成装置において、
棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構を搭載し、前記ブラシローラの使用時間にあわせて、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくしていくことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの画像形成装置において、
前記潤滑剤塗布装置を前記像担持体の回転方向に対して該像担持体をクリーニングするクリーニング装置の下流側に搭載することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの画像形成装置において、
作像ユニットとして、前記像担持体に加え、帯電装置、現像装置、像担持体クリーニング装置のうち少なくとも一つを含み、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとしたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、コロナ帯電方式の帯電部材を搭載する画像形成装置において、
除電部材として、前記像担持体に接触または微小ギャップをもって対向する導電性ローラを搭載し、
該導電性ローラに交流電圧を印加可能としてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画層形成装置において、
前記潤滑剤の塗布量変動にあわせて、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
潤滑剤塗布量安定時よりも潤滑剤塗布量が多いときには、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
潤滑剤塗布量安定時よりも、潤滑剤塗布量が少ないときには、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3の画像形成装置において、 棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構を搭載し、
前記潤滑剤の使用開始初期に、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4の画像形成装置において、
棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構を搭載し、
前記潤滑剤の使用開始初期に、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4の画像形成装置において、
棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構を搭載し、前記ブラシローラの使用時間にあわせて、前記除電ローラに印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくしていくことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの画像形成装置において、
前記潤滑剤塗布装置を前記像担持体の回転方向に対して該像担持体をクリーニングするクリーニング装置の下流側に搭載することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの画像形成装置において、
作像ユニットとして、前記像担持体に加え、帯電装置、現像装置、像担持体クリーニング装置のうち少なくとも一つを含み、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとしたものであることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−41050(P2013−41050A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177033(P2011−177033)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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