説明

画像形成装置

【課題】 操作に慣れないユーザであっても、操作パネルに表示される操作手順を確認して、容易に各種処理を実行できる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態の画像形成装置は、シートに関する情報を検知する検知部と、前記検知部の前記検知結果から画像ガイダンスを設定する制御部と、前記制御部が設定する前記画像ガイダンスを表示する表示部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、ユーザに各種使用状況や操作手順等を伝えるための表示機能を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、装置の各種状況を操作パネルに表示し、またユーザが操作するためのガイダンスを操作パネルに表示する装置がある。しかしながら、操作パネルに表示したガイダンスが、ユーザにとって判り難い場合に、ユーザが装置を誤操作する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−107940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする課題は、操作に慣れないユーザであっても、操作パネルに表示される操作手順を確認して、容易に各種処理を実行できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために、実施形態の画像形成装置は、シートに関する情報を検知する検知部と、前記検知部の前記検知結果から画像ガイダンスを設定する制御部と、前記制御部が設定する前記画像ガイダンスを表示する表示部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態のMFPを示す概略構成図。
【図2】実施態様のフィニッシャを示す概略構成図。
【図3】実施態様のホームポジションにあるダイス部のユニットマークの位置を示す概略説明図。
【図4】実施形態のパンチ動作中のダイス部のユニットマークの位置を示す概略説明図。
【図5】実施形態のフィニッシャの紙詰まりの除去を主体とした制御系を示す概略ブロック図。
【図6】実施形態のフィニッシャの紙詰まりを除去するための画像ガイダンスの表示処理を示すフローチャート。
【図7】実施形態のJAMガイダンス(1)のステップを示す概略説明図。
【図8】実施形態のディスプレイの画面の例を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。図1は、実施形態の画像形成装置の一例であるMFP(Multi Function Peripheral)20を示す概略構成図である。MFP20は、操作パネル11を搭載する。操作パネル11は、例えばMFP20の本体20aの上方に在る。操作パネル11は、本体20aに対して回動する。操作パネル11は、例えば、ユーザによる入力を受け付けるキーボード12及び、ユーザによる入力を受け付け、あるいはユーザへの表示を行う表示部である、タッチパネル式のディスプレイ13を備える。
【0008】
MFP20は、画像形成部として、シートPに画像を形成するプリンタ部21、プリンタ部21にシートPを給紙する給紙部22、プリンタ部21で形成される画像を備えるシートを収納する排紙部23、スキャナ24を備える。MFP20は、画像形成部として、本体20aの胴内20bに、フィニッシャ30を備える。排紙部23は、フィニッシャ30の一部を構成する。フィニッシャ30は、プリンタ部21から排紙部23に到る間で、シートPに、パンチ処理、ステイプル処理或いは整合処理等の後処理をする。フィニッシャ30は、本体20aの胴内20bに、設置した状態で開閉可能な前面カバー39を備える。MFP20は、画像形成部として、給紙部22からプリンタ部21及びフィニッシャ30を経て排紙部23に到る、シートPの搬送部40を備える。
【0009】
給紙部22は、給紙カセット22a、22bを備える。給紙カセット22a、22bは、例えば未使用のシート或いはリユースのシート(画像を消色処理により消色したシート)等を給紙可能である。
【0010】
プリンタ部21は、例えば、矢印m方向に回転する感光体ドラム50周囲に帯電装置51、画像データ等に基づいたレーザ光52aを、感光体ドラム50に照射して、感光体ドラム50上に静電潜像を形成するレーザ露光装置52を備える。プリンタ部21は、感光体ドラム50周囲に感光体ドラム50上の静電潜像にトナーを供給する現像装置53、感光体ドラム50上に形成されたトナー像をシートPに転写する転写装置56、クリーナ57を備える。
【0011】
現像装置53は、トナーと磁性キャリアを混合した二成分現像剤を用いて感光体ドラム50上の静電潜像にトナーを供給する。トナーは、非消色トナー或いは消色トナーのいずれであっても良い。消色トナーは、例えばバインダー樹脂及び着色剤に、呈色性化合物と顕色剤とを含有する。消色トナーを用いて形成したトナー画像を所定の温度で加熱すると、消色トナー中の呈色性化合物と顕色剤とが解離して、トナー画像を消色する。プリンタ部21は、感光体ドラム50からフィニッシャ30に達する間に、定着装置58を備える
搬送部40は、給紙部22から感光体ドラム50方向にシートPを搬送する給紙機構41、感光体ドラム50上のトナー像に同期して感光体ドラム50及び転写装置56間にシートPを搬送するレジストローラ対42及び、定着後にシートPをフィニッシャ30に搬送する本体排紙ローラ43を備える。搬送部40は、フィニッシャ30内に、本体排紙ローラ43から供給されたシートPを排紙部23に搬送するフィニッシャパス46を備える。
【0012】
画像形成装置はこれに限定されない。画像形成装置のプリンタ部は現像装置を複数備えるカラー画像形成装置であっても良い。画像形成装置のプリンタ部のプリント方式は、電子写真方式に限定されず、インクジェット方式等であっても良い。
【0013】
フィニッシャ30について詳述する。図2に示すように、フィニッシャ30は、例えば、フィニッシャ入口部30a、フィニッシャパンチ部30b、フィニッシャ排紙部30cを備える。紙詰まりを除去する場合に、フィニッシャ30のフィニッシャ入口部30a、フィニッシャパンチ部30b、フィニッシャ排紙部30cをそれぞれ分離して、フィニッシャパス46を開放する。
【0014】
フィニッシャ30の一部を構成する排紙部23は、固定トレイ23aと、上下にスライド移動する可動トレイ23bを備える。フィニッシャ30のフィニッシャパス46は、上パス46aと下パス46bを備える。フィニッシャ入口部30aは、本体排紙ローラ43から搬送されるシートPを、排紙部23方向に搬送する入口搬送ローラ72を備え、本体排紙ローラ43から搬送されるシートPを、上パス46a或いは下パス46bに分岐するゲート47を備える。フィニッシャパンチ部30bは、下パス46bに沿ってパンチユニット31を備える。パンチユニット31は、ダイス部31aとポンチ部31bを備える。
【0015】
フィニッシャ排紙部30cは、下パス46bに沿ってステイプルユニット32及び処理トレイ33を備える。フィニッシャ排紙部30cは、上パス46aに沿って第1上パスローラ73、第2上パスローラ74、上パス排紙ローラ75を備える。フィニッシャ排紙部30cは、下パス46bに沿って下パスローラ76、下パス排紙ローラ77、用紙束排紙ローラ78を備える。
【0016】
本体排紙ローラ43から排紙されるシートPを後処理せずに排紙する場合、ゲート47は、シートPを上パス46aにガイドする。本体排紙ローラ43から排紙されるシートPを、パンチ処理、ステイプル処理或いは整合処理等の後処理をする場合、ゲート47は、シートPを下パス46bにガイドする。
【0017】
フィニッシャ30は、フィニッシャパス46での紙詰まりを検知する、入口センサ34、第1の検知部であるパンチパスセンサ36、下パスセンサ37及び、上パスセンサ38を備える。フィニッシャ30は、第2の検知部でありパンチ検知部であるパンチHPセンサ71を備える。パンチパスセンサ36は、第1の情報であるフィニッシャパンチ部30bでの紙詰まりを検知する。パンチHPセンサ71は、第2の情報であるダイス部31aがホームポジションに在るか否かの位置情報を検知する。
【0018】
ダイス部31aは、図3に示すようにパンチ動作をしない場合は、ホームポジションに在る。ダイス部31aのフロント側は、黄色のユニットマーク31cを備える。フィニッシャパンチ部30bはフロント側のブラケット35に、ダイス部31aのホームポジションの基準となる位置を表示する黄色のランドマーク35aを備える。ダイス部31aがホームポジションに在る場合、ユニットマーク31cと、ランドマーク35aの位置は揃っている。
【0019】
ダイス部31aは、図4に示すように、点線で示すホームポジションから、矢印s方向にスライドして、ポンチ部31bを上から下に押してシートPに穴を開ける。パンチ動作をしている場合、ユニットマーク31cと、ランドマーク35aの位置は離れている。パンチ動作終了後は、ポンチ部31bを上げた後、ダイス部31aを矢印t方向にスライドして、ホームポジションに戻す。
【0020】
フィニッシャ30の紙詰まりの除去を主体としたMFP20の制御系60を図5に示す。制御系60はMFP20の本体20aに、制御部であるCPU61を備える。CPU61は、フィニッシャ30を含めMFP20の全体を制御する。CPU61は、操作パネル11及び制御システム62に接続する。フィニッシャ30は、フィニッシャCPU63を備える。フィニッシャCPU63には、入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37、上パスセンサ38及び、パンチHPセンサ71が接続され、フィニッシャCPU63は、CPU61に接続されている。
【0021】
CPU61はフィニッシャCPU63から入力される、入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37、上パスセンサ38及び、パンチHPセンサ71の検知結果から、ユーザ等に伝えるフィニッシャ30の使用状況や、ユーザ等が見ながら操作するための画像ガイダンスである操作手順等を設定する。CPU61は、設定したフィニッシャ30の使用状況や操作手順等に基づいて、制御システム62により操作パネル11のディスプレイ13の表示を制御する。
【0022】
電源ON後にウォームアップを行う間、或いはスリープモード(電源ONの場合で、プリンタ部21の熱源への電力供給を遮断した常態)からの復帰を行う間、MFP20は、搬送部40の紙詰まりを検知する。搬送部40で紙詰まりを発生していると、CPU61は、紙詰まりの発生個所を特定し、紙詰まりを除去する手順を示す画像ガイダンスを設定する。CPU61はディスプレイ13を制御し、ディスプレイ13に、紙詰まりの発生個所を表示し、紙詰まりを除去する手順を示す画像ガイダンスを表示する。
【0023】
例えば、フィニッシャ30内での紙詰まりを検知した場合に、ディスプレイ13に表示する画像ガイダンスの設定を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。MFP20の電源をONし、或いはMFP20のスリープモードからの復帰を開始して(ACT100)、(ACT101)に進む。入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37或いは、上パスセンサ38からのセンサ信号が無い場合(ACT101でNo.)、CPU61は、フィニッシャ30で紙詰まりを発生していないと判断し、MFP20をレディにし、或いは再スタートする(ACT110)。
【0024】
入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37或いは、上パスセンサ38からのセンサ信号によりフィニッシャ30で紙詰まりの発生を判断したら(ACT101でYes.)、CPU61は、(ACT102)に進む。
【0025】
(ACT102)は、センサ信号がパンチパスセンサ36からの信号で有るか否かを判断する。センサ信号がパンチパスセンサ36からの信号であれば(ACT102でYes.)CPU61は、(ACT103)に進む。センサ信号がパンチパスセンサ36以外からの信号であれば(ACT102でNo.)、CPU61は、(ACT108)に進む。
【0026】
(ACT108)でCPU61は、JAMガイダンス(3)を設定し、ディスプレイ13を制御して、ディスプレイ13にJAMガイダンス(3)を表示する。JAMガイダンス(3)は、フィニッシャ30のパンチユニット31以外の個所での紙詰まりを除去する操作の手順を示す画像ガイダンスである。
【0027】
(ACT103)は、パンチHPセンサ71からの信号が有るか否かを判断する。パンチHPセンサ71が、ダイス部31aがホームポジションに無いことを検知すると(ACT103でYes.)、CPU61は、(ACT106)に進む。パンチHPセンサ71からの信号が無く、ダイス部31aがホームポジションに在ることを検知すると(ACT103でNo.)、CPU61は、(ACT107)に進む。
【0028】
(ACT106)でCPU61は、JAMガイダンス(1)を設定し、ディスプレイ13を制御して、ディスプレイ13にJAMガイダンス(1)を表示する。JAMガイダンス(1)は、紙詰まりを除去する操作の前に、パンチユニット31のポンチ部31bを上げて、シートPから抜くための操作の手順を含む、画像ガイダンスである。
【0029】
(ACT107)でCPU61は、JAMガイダンス(2)を設定し、ディスプレイ13を制御して、ディスプレイ13にJAMガイダンス(2)を表示する。JAMガイダンス(2)は、JAMガイダンス(1)の手順から、パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜くための操作の手順を除いた、画像ガイダンスである。
【0030】
(ACT106)、(ACT107)或いは、(ACT108)の表示に従い、ユーザが紙詰まり除去操作を完了すると、CPU61は、フィニッシャ30で、紙詰まりを発生していないと判断し、MFP20をレディにし、或いは再スタートする(ACT110)。
【0031】
レディ或いは再スタートにより、MFP20はプリントを開始する。MFP20は、給紙部22からプリンタ部21にシートPを供給して、プリンタ部21でシートP上にトナー画像を形成する。MFP20は、トナー画像を有するシートPを、本体排紙ローラ43からフィニッシャ30を経て排紙部23に排紙する。
【0032】
シートPを後処理せずに排紙する場合、フィニッシャ30のゲート47は、シートPを上パス46aにガイドし、シートPを固定トレイ23aに収納する。シートPに、パンチ処理、ステイプル処理或いは整合処理等の後処理をする場合、ゲート47は、シートPを下パス46bにガイドする。
【0033】
パンチ処理する場合、フィニッシャ30は、フィニッシャパンチ部30bのパンチ位置でシートPを一端停止する。フィニッシャ30は、ホームポジションにあるダイス部31aを矢印s方向にスライドし、ポンチ部31bによりシートPに穴を開ける。シートPに穴を開けた後、フィニッシャ30は、ダイス部31aを矢印t方向にスライドして、ホームポジションに戻す。フィニッシャ30は、パンチ処理したシートPの搬送を再開して、可動トレイ23bに収納する。
【0034】
プリントする間に、フィニッシャ30で紙詰まりを発生すると、CPU61は、図6のフローチャートに従いディスプレイ13に、紙詰まりの発生個所を表示し、紙詰まりを除去する手順を示すJAMガイダンス(1)〜(3)のいずれかを表示する。CPU61は、プリントする間に、入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37或いは、上パスセンサ38からのセンサ信号により、フィニッシャ30での紙詰まりの発生を判断し、JAMガイダンスを設定するために図6の(ACT102)以降を実施する。入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37或いは、上パスセンサ38は、所定時間を経過してもシートPがフィニッシャに到達しない場合、或いは所定時間を経過してもシートPが留まっている場合にセンサ信号でCPU61に紙詰まりを通知する。
【0035】
JAMガイダンス(1)〜(3)は、ユーザに紙詰まりを除去する操作の手順を示す表示画面であるステップをそれぞれ備える。
【0036】
(JAMガイダンス(1))
例えばJAMガイダンス(1)は、図7に示すように、紙詰まりを除去する操作の手順として、ステップ1(201)〜ステップ7(207)を備える。JAMガイダンス(1)は、紙詰まりを除去する前に、第1のステップであり、ダイス部31aをホームポジションに戻すためのステップ3(203)を含む。ステップ3(203)は、ダイス部31aをホームポジションに戻すことにより、パンチユニット31のポンチ部31bを上げて、シートPから抜くために、ユーザが行う操作の手順を示す。
【0037】
JAMガイダンス(1)のステップ1(201)は、「操作パネルを上げ、フィニッシャの前面カバーを開けます。」というメッセージ(201a)と、「操作パネル11を上げる方向を矢印(1)で示し、フィニッシャ30の前面カバー39を開ける方向を矢印(2)で示す」イメージデータ(201b)を備える。ステップ2(202)は、「緑色のレバーを押しながら、フィニッシャを左に止まるまで動かします。」というメッセージ(202a)と、「緑色のレバー210を押す位置又は方向を矢印(1)で示し、フィニッシャパンチ部30bとフィニッシャ排紙部30cを、一体に動かす方向を矢印(2)で示す」イメージデータ(202b)を備える。
【0038】
ステップ3(203)は、「緑色のダイヤルを引きながら回し、黄色のマークの前後の位置を揃えます。」というメッセージ(203a)と、「緑色のダイヤル211の回転を矢印で示し、2個の黄色のマーク212a、212bが離れた吹き出し(1)と、2個の黄色のマーク212a、212bの前後の位置の揃った吹き出し(2)を示す」イメージデータ(203b)を備える。イメージデータ(203b)は、一度に吹き出し(1)と吹き出し(2)を表示する。
【0039】
ステップ4(204)は、「上側の緑色のダイヤルを反時計回りに回して、つまっている用紙を取り除きます。」というメッセージ(204a)と、「上側の緑色のダイヤル213の回す方向を矢印(1)で示し、シートPの除去方向を矢印(2)で示す」イメージデータ(204b)を備える。ステップ5(205)は、「上側の緑色のダイヤルを時計方向に回し、つまっている用紙を取り除きます。」というメッセージ(205a)と、「上側の緑色のダイヤル213を時計方向に回す吹き出し(1)と、シートPの除去方向を矢印(2)で示す」イメージデータ(205b)を備える。
【0040】
ステップ6(206)は、「フィニッシャを静かに元に戻します。」というメッセージ(206a)と、「フィニッシャパンチ部30bとフィニッシャ排紙部30cを戻す矢印を示す」イメージデータ(206b)を備える。ステップ7(207)は、「フィニッシャの前面カバーを閉めて、操作パネルを元に戻します。」というメッセージ(207a)と、「前面カバー39を閉める矢印と、操作パネル11を戻す矢印を示す」イメージデータ(207b)を備える。
【0041】
ディスプレイ13はJAMガイダンス(1)を、ステップ1から順次表示する。JAMガイダンス(1)のステップ3(203)を表示するディスプレイ13の画面の例を、図8に示す。入口センサ34、パンチパスセンサ36、下パスセンサ37或いは、上パスセンサ38のいずれかからのセンサ信号がある場合、CPU61の制御によりディスプレイ13は、「紙詰まり発生」280、とエラーコード「EA31」を表示する。ディスプレイ13は、MFP画像300のフィニッシャ部位に、JAMマーク301を点灯し、「フィニッシャが紙詰まりです」という通知メッセージ302を表示する。
【0042】
ディスプレイ13は、MFP画像300の横に、ステップ3(203)のメッセージ203aと、イメージデータ203bを表示する。ディスプレイ13は、全7ステップ中の3番目のステップである旨を表示するページ「3/7」303と、「トータルカウンタ:120」304を表示する。ディスプレイ13は、次のステップにスクロールするための前方指示ボタン306と、前のステップにスクロールするための戻り指示ボタン307を表示する。
【0043】
(JAMガイダンス(1)に従うユーザの操作)
パンチユニット31のポンチ部31bがシートPに穴を開けている途中の状態で紙詰まりを生じた場合、ディスプレイ13は、フィニッシャ部位のJAMマーク301を点灯したMFP画像300の横に、ステップ1(201)のメッセージ201aと、紙詰まり除去のための最初の手順であるイメージデータ201bを表示する。ユーザは、ディスプレイ13上のイメージデータ201bを見て、MFP20の操作パネル11を上げて、前面カバー39を開ける。
【0044】
ディスプレイ13が表示する紙詰まり除去のためのステップに従い、操作を完了する度に、ユーザは前方指示ボタン306をタッチして、順次ディスプレイ13に、次のステップを表示する。ステップ2(202)でユーザは、フィニッシャパンチ部30bとフィニッシャ排紙部30cを一体に、左に止まるまで動かしたら、前方指示ボタン306をタッチする。
【0045】
ステップ3(203)では、ディスプレイ13が一度に吹き出し(1)と吹き出し(2)を表示するイメージデータ(203b)を表示することから、ユーザは、先ず吹き出し(1)を見て、ダイス部31aのユニットマーク31cとランドマーク35aの位置が離れているのを確認する。ユーザは、緑色のダイヤルを引きながら回して、ダイス部31aを矢印t方向にスライドする。ユーザは、吹き出し(2)に表示するように、ユニットマーク31cとランドマーク35aが揃うまで、緑色のダイヤルを引きながら回す。ユニットマーク31cとランドマーク35aが揃ったら、ユーザは前方指示ボタン306をタッチする。
【0046】
ユーザは、紙詰まり除去を行う前にパンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜くための操作を、イメージデータ(203b)を見ながら、緑色のダイヤルを回すのみで出来る。操作に慣れないユーザであっても、吹き出し(2)を見て、緑色のダイヤルを回す調整量が、マークが揃うまでであると、容易に理解できる。イメージデータ(203b)が、マークが離れた状態の吹き出し(1)とマークが揃った状態の吹き出し(2)を一度に表示することから、パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜くための操作中に、例えば戻り指示ボタン307を操作しなくても、ユーザは、操作前の状態を確認できる。パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜くための操作中に、ユーザによる、ディスプレイ13の表示画面をスクロールする操作が不要となる。
【0047】
ステップ4(204)でユーザは、フィニッシャパンチ部30bにあるシートPを本体排紙ローラ43方向に除去し、前方指示ボタン306をタッチする。ステップ5(205)でユーザは、フィニッシャパンチ部30bにあるシートPを排紙部23方向に除去して、前方指示ボタン306をタッチする。
【0048】
フィニッシャパンチ部30bの紙詰まりを除去したら、ステップ6(206)でユーザは、フィニッシャパンチ部30bとフィニッシャ排紙部30cを元に戻す。ステップ7(207)でユーザは、フィニッシャ30の前面カバー39を閉めて、操作パネル11を元に戻す。
【0049】
ユーザは、ディスプレイ13の画面を順次進めて、JAMガイダンス(1)のステップ1(201)〜ステップ7(207)に表示する除去手順の操作を完了して、紙詰まりの除去操作を完了する。ステップ7(207)に表示される除去手順に従い、ユーザがフィニッシャ30の前面カバー39を閉めて、操作パネル11を元に戻すと、CPU61は、図6に示すフローチャートの(ACT110)に進み、MFP20をレディにし、或いは再スタートする。
【0050】
パンチユニット31のポンチ部31bがシートPに穴を開けている途中の状態での紙詰まりとは、パンチ動作中に生じたフィニッシャパンチ部30bでの紙詰まりに限らない。フィニッシャ30がパンチ動作中でなくても、フィニッシャパンチ部30bで紙詰まりを発生した場合に、ダイス部31aがホームポジションに無いことを検知した場合には、CPU61は、ディスプレイ13に表示する画像ガイダンスとして、JAMガイダンス(1)を設定する。
【0051】
(JAMガイダンス(2))
JAMガイダンス(2)は、フィニッシャパンチ部30bで紙詰まりを発生した場合であって、パンチHPセンサ71が、ダイス部31aがホームポジションに在ることを検知している場合に、ディスプレイ13に表示する。JAMガイダンス(2)は、パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜く操作をユーザに示す必要が無い。ダイス部31aがホームポジションに在る場合に、もしパンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜く操作をユーザに示すと、操作に慣れていないユーザは、操作に迷うおそれもある。
【0052】
JAMガイダンス(2)は、ジャムガイダンス(1)から不要な手順を示すステップを除いて、必要な手順のみを示す。JAMガイダンス(2)は、ジャムガイダンス(1)から、パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜く操作を示すステップ3(203)の表示を除く。
【0053】
JAMガイダンス(2)では、ディスプレイ13は、ステップ1、2、4〜7を順次表示する。ユーザは、JAMガイダンス(2)に従い、ステップ1、2を実施する。ユーザはステップ1(201)で、操作パネル11を上げて、前面カバー39を開ける。ユーザはステップ2(202)で、フィニッシャパンチ部30bとフィニッシャ排紙部30cを左に止まるまで動かしたら、続いてディスプレイ13に表示されるステップ4を実施する。ユーザはステップ2(202)の後、直ぐに、ステップ4(204)及びステップ5(205)で、フィニッシャパンチ部30bにあるシートPを除去する。
【0054】
紙詰まりを除去したらユーザはステップ6(206)で、フィニッシャパンチ部30bとフィニッシャ排紙部30cを元に戻す。ユーザはステップ7(207)で、フィニッシャ30の前面カバー39を閉めて、操作パネル11を元に戻して紙詰まり除去操作を完了する。紙詰まりの除去操作を完了するとCPU61は、図6に示すフローチャートの(ACT110)に進み、MFP20をレディにし、或いは再スタートする。
【0055】
ガイダンス(2)は不要な手順であるステップ3(203)を除くので、操作に慣れないユーザであっても、迷わずに紙詰まり除去に必要な手順のみを操作できる。
【0056】
元々パンチユニット31を使用していない場合であって、フィニッシャパンチ部30bで紙詰まりを発生した場合は、ディスプレイ13にはJAMガイダンス(2)が表示される。但しフィニッシャパンチ部30bでの紙詰まりを除去する間に、シートの除去操作に慣れていないユーザ等が誤って、ダイス部31aを移動する緑色のダイヤル211を回す場合がある。ユーザが誤って緑色のダイヤル211を回すと、パンチユニット31のポンチ部31bがシートPに刺さる恐れがある。この場合に、JAMガイダンス(2)をディスプレイ13に表示したままでは、ユーザは、パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜く操作が解からない。
【0057】
JAMガイダンス(2)を表示したにもかかわらず、パンチHPセンサ71が、ダイス部31aがホームポジションに無いことを検知すると、CPU61は、ディスプレイ13のJAMガイダンス(2)の表示を切り換えて、JAMガイダンス(1)を再表示する。例えば、ユーザがJAMガイダンス(2)に従い紙詰まりを除去した後でも、パンチパスセンサ36が紙詰まりを検知し、パンチHPセンサ71が、ダイス部31aがホームポジションに無いことを検知すると、CPU61は、ディスプレイ13の表示をJAMガイダンス(1)に切り換える。
【0058】
JAMガイダンスの再表示は、フィニッシャパンチ部30bでの紙詰まりの除去に限らない。例えば、後述するJAMガイダンス(3)に従いフィニッシャ排紙部30cの紙詰まりを除去する間に、誤ってダイス部31aを動かしてしまった場合に、CPU61はJAMガイダンス(1)を再表示しても良い。例えば、ユーザがJAMガイダンス(3)に従いフィニッシャ排紙部30cの紙詰まりを除去した後でも、パンチHPセンサ71が、ダイス部31aがホームポジションに無いことを検知すると、CPU61は、ディスプレイ13の表示をJAMガイダンス(1)に切り換える。
【0059】
JAMガイダンスの再表示は、フィニッシャパンチ部30bでの紙詰まりの除去に限らない。JAMガイダンスの再表示は、MFP20本体20aの搬送部40での紙詰まりの除去の場合であっても良い。
【0060】
(JAMガイダンス(3))
JAMガイダンス(3)は、JAMガイダンス(1)或いはJAMガイダンス(2)と同様にして、フィニッシャ30のパンチユニット31以外のフィニッシャ入口部30a或いはフィニッシャ排紙部30cでの紙詰まりを除去する操作の手順を、ディスプレイ13に表示する。
【0061】
フィニッシャ入口部30a或いはフィニッシャ排紙部30cで紙詰まりを生じた場合は、ユーザはJAMガイダンス3に従って除去操作を行い、紙詰まりを除去する。
【0062】
JAMガイダンスによるガイド箇所、或いはガイドの内容は限定されない。JAMガイダンスは、例えばMFP20の本体20a内の搬送部40での紙詰まり除去のためのJAMガイダンスであっても良い。MFP20の本体20a内の搬送部40であっても、JAMガイダンス中には、ユーザの操作に必要なステップのみをディスプレイ13に表示する。ユーザの操作に不要なステップはJAMガイダンスから除いてディスプレイ13に表示する。
【0063】
実施形態によれば、ダイス部31aがホームポジションに無い場合は、ダイス部31aをホームポジションに戻すための操作であるステップ3(203)を備えるJAMガイダンス(1)を順次ディスプレイ13に表示する。ダイス部31aがホームポジションに在る場合は、JAMガイダンス(1)からステップ3(203)を除いたJAMガイダンス(2)を順次ディスプレイ13に表示する。
【0064】
操作パネル11は、フィニッシャパンチ部30bで紙詰まりを生じた場合に、パンチユニット31の状況に応じて、紙詰まり除去に必要なステップのみをディスプレイ13に表示する。ディスプレイ13に順次表示される必要なステップのみを確認して紙詰まりの除去操作を行える。操作に不要なステップをディスプレイ13に表示しないので、操作に慣れないユーザであっても、除去操作の手順が解り易く、迷わずに紙詰まり除去に必要な手順のみを操作できる。
【0065】
実施形態によれば、ステップ3(203)で、吹き出し(1)と吹き出し(2)を一度に表示することから、ユーザは、パンチユニット31のポンチ部31bをシートPから抜くための操作中、ディスプレイ13の表示画面のスクロール操作が不要となる。操作前の状態を確認するために、前の画面に戻る必要がなく、操作に慣れないユーザであっても容易に必要な操作の手順を実施できる。
【0066】
この発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
11…コントロールパネル
12…キーボード
13…ディスプレイ
20…MFP
30…フィニッシャ
31…パンチユニット
31a…ダイス部
31b…ポンチ部
31c…ユニットマーク
35a…ランドマーク
36…パンチパスセンサ
71…パンチHPセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに関する情報を検知する検知部と、
前記検知部の前記検知結果から画像ガイダンスを設定する制御部と、
前記制御部が設定する前記画像ガイダンスを表示する表示部とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検知部は、第1の情報を検知する第1の検知部と第2の情報を検知する第2の検知部を備え、
前記制御部は、前記第1の情報による条件と前記第2の情報による条件が一致した場合は第1の画像ガイダンスを設定し、前記第1の情報による条件と前記第2の情報による条件が一致しない場合は第2の画像ガイダンスを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記画像ガイダンスの1つの表示画面に複数の操作手順を一度に表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知部は、フィニッシャでの前記情報を検知することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知部は、搬送路でのシート搬送情報を検知する搬送検知部と、パンチユニットの位置情報を検知するパンチ検知部とを備え、
前記制御部は、前記搬送検知部が紙詰まりを検知した場合であって、前記パンチ検知部が、前記パンチユニットがホームポジションに無いことを検知した場合は、前記パンチユニットをホームポジションに戻すための第1のステップを備える画像ガイダンスを設定し、前記搬送検知部が紙詰まりを検知した場合であって、前記パンチ検知部が、前記パンチユニットがホームポジションに在ることを検知した場合は、前記第1のステップを除いた画像ガイダンスを設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71457(P2013−71457A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206935(P2012−206935)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】