説明

画像撮影装置

【課題】画像撮影装置の操作性と画像表示機能を向上させる。
【解決手段】撮影した画像を表示させる表示部102のLCD111とは別に,撮影装置本体101にもLCD104を備え,このLCD104を表示部102で表示させる画像の選択あるいは調整のために適用して,ユーザが,表示部102に表示される画面を見ながら,画像選択,画像調整を実行できるようにした。さらに,表示部102のLCD111と撮影装置本体101のLCD104にそれぞれ異なる画像を表示させるように構成した。それによって,画像撮影装置の操作性と画像表示機能を向上させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像撮影装置に関し,特に画像を表示する表示部を2個備え,撮影中の画像,あるいは撮影した画像を機能的に表示させることを可能にした画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影素子として,CCD(Charge Coupled Device)等の個体撮影素子を用い,撮影したデータをフラッシュメモリ等の不揮発性メモリカードの記憶させるようにした電子スチルカメラが市場に登場して久しいが,撮影素子の高解像度化,メモリカードの大容量化が進み,最近では,静止画像だけでなく,動画像をもメモリカードに記憶させる機能を持った製品が市場に提供されつつある。
【0003】
さらにまた,動画撮影用の記憶媒体としてDVD(Digital Versatile Disk)を適用した装置も開発されており,このような画像撮影装置は,基本的性能の向上と共に,操作性についてもさらに多様性が追求されてくるものと思われる。
【0004】
一般に,このような画像撮影装置は,液晶表示手段等で構成される数インチ程度の大きさのモニタを備えており,撮影する際に,撮影しようとする画像をモニタに映して確認したり,あるいは撮影した画像データをメモリから読み出して,モニタに表示させ,その場で実際に撮影した画像を確認できる機能を有している。
【0005】
モニタはその画面がさほど大きくないため,その使い方としては前述したような撮影しようとする画像及び撮影した画像の確認の他,動作モード,バッテリの消費量(残量),メモリカードの消費量(残量)の表示に使われる程度であり,多様性があるものとは言い難い。
【0006】
このような画像撮影装置においては,当然ながら,屋外で使用されることも多く,その際の操作性を向上させるということは,製品価値を高めることに繋がるものである。操作性を向上させるために表示機能を充実させることは重要なポイントであると考えられるが,従来その点を改善のターゲットとした提案はあまりなされていないのが実状である。
【0007】
例えば,特許文献1には,モニタ用のLCD(Liquid Crystal Display)を用いて撮影済みのデータの検索を行うようにした提案がなされている。さらに特許文献2には,LCDでカメラステータスの設定条件を表示させるようにした提案がなされ,さらに,特許文献3には,表示手段をタッチパネルとして構成して,撮影装置の操作指令を行うようにした提案がなされている。
【0008】
これら提案はいずれも,相当の表示面積を有した表示手段が1つ設けられて,この表示手段で,条件の設定,操作指令を行うものであり,使い方が限定されてしまって,多機能な操作性を実現することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−203973号公報
【特許文献2】特開2001−177742号公報
【特許文献3】特開2000−184241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように,従来,画像撮影装置において,操作性に多様性を持たせることが要望としてあるが,それを満足させるような提案はなされていない。
【0011】
本発明は,以上の点に鑑みてなされたものであり,表示手段を2個備えて,それを有効に用いて操作性に多様性をもたらすことを可能にした,装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像撮影装置は,第1のユニットと,前記第1のユニットに対して開閉可能な第2のユニットと,前記第1,第2のユニットを閉じたときに内側となる,前記第1のユニットの主面に設けられ,かつタッチパネルとして構成された第1の表示手段と,前記第1のユニットの前記主面に設けられた操作入力部と,前記第1のユニットの側面に設けられ,メモリカードに接続するカードスロットと,前記第1,第2のユニットを閉じたときに内側となる,前記第2のユニットの第1の主面に設けられた第2の表示手段と,前記第1の主面の反対側の,前記第2のユニットの第2の主面に設けられ,かつ光学像を電気信号に変換して出力する撮影手段と,前記撮影手段から出力される電気信号を画像として前記メモリカードに記録し,かつ前記メモリカードから再生する記録再生手段と,前記記録再生手段を制御して,前記第1の表示手段に前記記録媒体に記録された複数の画像のサムネイル画像を表示させ,前記複数のサムネイル画像のいずれかに対応する拡大された画像を前記第2の表示手段に表示させる制御部と,を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば,2つの表示手段を設けたので,一方の表示手段を,操作用の表示手段として適用でき,その結果,他方の表示手段で表示される実際の画像を見ながら,表示画像の選択,ズーム調整,画質調整等を実行することできるため,操作性を著しく向上させることができるものである。
【0014】
また,さらに2つの表示手段をそれぞれ単独で用いて,異なる種類の画像を同時に表示させるように構成することも可能であり,その表示機能に多様性をもたらすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像撮影装置の一実施の形態の外観を示す斜視図。
【図2】図1の画像撮影装置の回路構成の一例を示すブロック図。
【図3】本発明の画像撮影装置の一実施の形態の動作を説明するための図。
【図4】本発明の画像撮影装置の他の実施の形態の動作を説明するための図。
【図5】本発明の画像撮影装置の他の実施の形態の動作を説明するための図。
【図6】本発明の画像撮影装置の他の実施の形態の動作を説明するための図。
【図7】本発明の画像撮影装置の他の実施の形態の動作を説明するための図。
【図8】本発明の画像撮影装置の他の実施の形態の動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,図面を参照しながら本発明の画像撮影装置の一実施の形態を詳細に説明する。
図1は,本発明の画像撮影装置100の外観を示す斜視図であり,画像撮影装置100は,撮影装置本体101と表示部102を有している。
撮影装置本体101は,外形が略直方体に形成され,広面積面103に表示器を構成するLCDパネル104が設けられ,さらにその面103の端部に複数の操作スイッチで構成される操作入力部105が形成されている。操作入力部105は,シャッターボタン105aと,十字ボタン105bと,モード切換えボタン105cと,再生ボタン105dとズーム調整ボタン105eを含み,さらにメニューボタン105f,2画面ボタン105g,トリックプレイボタン105hを含む。
【0017】
さらに撮影装置本体101は,面103の一辺に表示部102が取り付けられる段部106を有している。段部106は,面103と垂直方向にその先端が断面半円状に突出されるように辺に沿って形成され,さらにその長手方向の中間部に表示部102を支持するための支持部107が形成されている。支持部107は,段部106に対して,面103と垂直方向に配設された支持軸108によって面103と平行なA,B方向に回動可能に取り付けられている。
【0018】
さらに,撮影装置本体101の側面には,メモリーカードを装着するためのカードスロット109が設けられている。
【0019】
表示部102は,面103と略同形状の外形寸法を有した略直方体に形成され,その広面積面110に表示器を構成するLCDパネル111が設けられ,さらに辺の一部に撮影装置本体101の支持部107が収容される凹部112が設けられており,表示部102は支持部107の両端部に軸113によってA,B方向と直行するC,D方向に回動可能に取り付けられている。
【0020】
これによって,表示部102は,図1に示す状態から,それぞれのLCDパネル104,111が対向する位置に折り曲げられ,さらに図1の位置で,支持軸108を中心にして略180度回転可能である。したがって,表示部102は,そのLCDパネル111を表側にした状態で撮影装置本体101の面103上に倒すことが可能である。
【0021】
さらに,表示部102は,その面112の端部に撮影用のレンズ114が設けられ,このレンズ114によって図示しない撮影素子に光学像を結象する。
【0022】
図2は,図1に示す画像撮影装置100の回路構成を示す回路ブロック図であり,図1と同一構成要素に同一符号を付す。
【0023】
図2において,画像撮影装置100の回路構成としては,機能として,まず画像を撮影して画像信号を得る撮影系,撮影系で生成される画像信号に対してホワイトバランス調整,ガンマ補正,補間,圧縮等の処理を施し,さらにメモリカードから読み出された画像信号の伸張処理等を行う画像信号処理系,画像信号処理系で処理された画像信号をメモリカードに書き込み,書き込まれた画像信号を読み出すメモリカード制御系,撮影系で生成された画像信号あるいはメモリカードから読み出された画像信号を表示する表示系及び装置全体の動作制御を行なうシステム制御系で構成される。
【0024】
撮影系は,図1に示す表示部102内に組み込まれ,レンズ114と図示しない光学ズーム機構を含む光学系201と,この光学系201を通過した光学像がその光電変換面に結像され,その光学像を画像信号に変換して出力するCCD撮影素子202と,CCD撮影素子202から得られる画像信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog Digital)変換部203と,CCD撮影素子202を駆動して画像信号を出力させるCCD駆動部204を含む。
【0025】
光学系201とCCD駆動部204はそれぞれ後述するシステム制御系を構成するCPU(Central Processing Unit)によって制御される。光学系201においては例えば,光学ズーム調整,フォーカス調整等を実行する。CCD駆動部204は,CCD撮影素子202の電子シャッタ駆動制御あるいはシャッタ速度の調整を実行する他,CCD撮影素子202を静止画像撮影素子として動作させたり,あるいは動画像撮影素子として動作させるべく動作モードの切換えを実行する。
【0026】
信号処理系は,例えば図1に示す画像撮影装置本体101に組み込まれており,A/D変換部203からのデジタル画像信号に対してホワイトバランス調整,ガンマ補正,補間処理,色変換処理等を行う信号処理部205と,信号処理部205で処理された画像信号をJPEG(Joint Photographic Experts Group)あるいはMPEG(Moving Picture Experts Group)規格に則って圧縮(エンコード)し,あるいは後述するメモリカードから読み出された圧縮画像信号をそれぞれの規格に基づいて伸張(デコード)するJPEG/MPEG処理部206と,それら信号処理部205及びJPEG/MPEG処理部206における信号処理を実行させるためのメモリコントローラ207とワークメモリ208を含む。メモリコントローラ207は,DSP(Digital Signal Processor)としての機能も備えている。
【0027】
メモリ制御系は,例えば図1に示す画像撮影装置本体101に組み込まれており,メモリコントローラ207とワークメモリ208の他,CPU209とカードI/F(Interface)210及びメモリカード211を含む。メモリカード211は,例えばDCF(Design rule for Camera File system)に準じたファイルシステムで管理されるデジタルカメラ用画像ファイルフォーマット規格であるExif(Exchangeable Image File Format)に基づくフォーマットで,画像信号をファイルとして記録し,かつ再生するものであり,その制御はCPU209によって行われる。
【0028】
メモリ制御系でのCPU209の役目は,JPEG/MPEG処理部206で圧縮された画像信号をメモリコントローラ207を介して取り込み,当該画像信号をカードI/F210を駆使してファイルとしてメモリカード211に書き込む。また,メモリカード211に書き込まれた画像信号のファイルをカードI/F210を駆使して読み出し,メモリコントローラ207を介してJPEG/MPEG処理部206に送り出す。CPU209はメモリ212に蓄積されたアプリケーションプログラムによってそれら処理を実行する。メモリ212はそれらプログラム及びデータが蓄積されたROM(Read Only Memory),ワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)及び装置100の設定データ等を蓄積する不揮発性メモリを含む。
【0029】
表示系は,図1に示す表示部102に設けられているLCDパネルとしての第1のLCD111と,撮影装置本体101に設けられているLCDパネルとしての第2のLCD104と,それら第1及び第2のLCD111,104を駆動するためのLCDドライバ213,214を有し,さらに信号処理部205で処理された画像信号あるいは,JPEG/MPEG処理部206で伸張された画像信号をメモリコントローラ207を介して受け,LCD表示用の信号に変換するためのビデオデコーダ215と,信号処理部205で処理された画像信号あるいは,JPEG/MPEG処理部206で伸張された画像信号に対して多画面表示のための処理あるいは後述するユーザの操作に対応した画像処理を行なうグラフィックコントローラ216を含む。
【0030】
グラフィックコントローラ216は,ビデオデコーダ215からの画像信号も供給されており,信号処理部205で処理された画像信号あるいは,JPEG/MPEG処理部206で伸張された画像信号をそのままLCDドライバ214に供給して第2のLCD104で表示させることも可能である。
【0031】
また,ビデオデコーダ215とグラフィックコントローラ216には,OSD(On Screen Display)217で生成されたOSD信号も供給される。OSD217は,例えばメモリコントローラ207を介したCPU209の制御の下,メモリ212に蓄積された文字,記号等のデータに基づいてGUI(Graphical User Interface)形式の画像を構築するOSD信号を生成して出力する。OSD信号としては,例えば装置100の設定を行うためのメニュー画像信号であったり,あるいは装置100の動作状態を表示するめたの画像信号であったり,ユーザが例えば選択項目を選択するためのカーソルであったりする。
【0032】
最後にシステム制御系は,CPU209,メモリ212の他,図1に示すシャッタボタン106,十文ボタン107,記録モードを静止画モードあるいは動画モードに切換えるモード切換えボタン108,記録された静止画あるいは動画を再生する再生ボタン109,ズーム調整ボタン110等を含む操作入力部105と,タッチパネルI/F218及び入力部219を含む。タッチパネルI/F218は,CPU209の制御の下,撮影装置本体101の第2のLCD104をタッチパネルとしての機能を持ったものに変えるものであり,入力部219は,第2のLCD104の表面そのものになる。
【0033】
以上のように構成された画像撮影装置100の動作について説明する。通常の静止画撮影動作は,まず操作入力部105の動作切換えボタン105cによって静止画記録モードに設定する。
【0034】
次に,図1に示す表示部102をA,B方向に180度回転させて,レンズ114を被写体に向ける。それによって,光学系201を介してCCD撮影素子202に結像された画像は,画像信号として読み出されて,A/D変換部203でデジタル信号に変換される。さらに信号処理部205でワークメモリ208とメモリコントローラ207を用いた処理が施され,その後メモリコントローラ207からビデオデコーダ215に取り込まれる。
【0035】
ビデオデコーダ215で,LCDで表示するための信号に変換され,LCDドライバ213を介して第1のLCD111に供給されて表示される。
【0036】
ユーザは,この第1のLCD111に表示された画像によって,撮影の構図を決め,操作入力部105のシャッタボタン105aを操作する。それによって,CPU209は,CCD駆動部204を駆使して,CCDの電荷を一旦クリアした後,新たに蓄積された一画面に対応する電荷を順次読み出してA/D変換部203でデジタル信号に変換した後,信号処理部205,メモリコントローラ207を介してワークメモリ208に記憶させる。
【0037】
信号処理部205は,ワークメモリ208に記憶された画像信号に対しメモリコントローラ207を介して,ホワイトバランス補正,ガンマ補正,補間処理等を施して,再びワークメモリ208に記憶させる。
【0038】
ワークメモリ208に記憶された画像信号は,メモリコントローラ207で読み出されて,JPEG/MPEG処理部206に取り込まれ,ここでJPEG規格に基づく圧縮処理が施される。
【0039】
同時に,CPU209はJPEG/MPEG処理部206で圧縮された画像信号をファイルとして,カードI/F210を駆使してメモリカード211に記憶させる。それによって,静止画像の撮影処理が完了する。この際,静止画像はDCFに準じたファイル名が付されて記録されると共に,Exifに則った属性データ(日時及び一連番号等)も一緒に記録される。
【0040】
静止画像の撮影処理が完了したら,再びCCD撮影素子202から出力される画像信号をA/D変換部203でデジタル信号に変換して,ワークメモリ208に順次記憶させ,所定の処理を施して,ビデオデコーダ215,LCDドライバ213を介して第1のLCD111で表示させ,次の撮影に備える。
【0041】
撮影した画像信号を表示させて確認する場合には,操作入力部105の再生ボタン105dを操作すれば,CPU209は,OSD217を駆使して,メモリカード211に記憶されている画像信号のファイルリストを,一緒に記録されている属性データと共に表示用の信号として生成し,これをグラフィックコントローラ216に送って,LCDドライバ214を介して第2のLCD104に表示させる。
【0042】
ユーザは,操作入力部105の十字ボタン105bを使って,表示されているリストから再生したい画像を選択する。それによって,CPU209がその画像信号をメモリカード211から読み出して,JPEG/MPEG処理部206で伸張処理を施して,非圧縮の画像信号としてワークメモリ208に記憶させる。
【0043】
さらにメモリコントローラ207を介してワークメモリ208に記憶された画像信号を読み出して,ビデオデコーダ215に送り,LCDドライバ213を経て第1のLCD111で表示させる。
【0044】
また,動画を記録する場合には,操作入力部105の動作モード切換えボタン105cによって,動画記録モードを設定し,必要に応じて表示部102を動かして光学系のレンズ116を被写体に向け,シャッターボタン105aを押す。
【0045】
それによって,CCD撮影素子202からの画像信号は,A/D変換部203を介して信号処理部205からメモリコントローラ207を介してワークメモリ208に記憶されるが,信号処理部205は,このワークメモリ208に記憶された画像信号に対して,ホワイトバランス調整等の静止画像撮影と同等の処理の他,解像度を低下させて動画として充分な解像度に変換する。
【0046】
JPEG/MPEG処理部206では,メモリコントローラ207を介して,ワークメモリ208を用いて,信号処理部205で処理された画像信号をMPEG規格に基づいて圧縮する。CPU209はカードI/F210を介して,圧縮された画像信号をファイルとしてメモリカード211に書き込む。この動画像の記録においては,属性データとして例えば撮影した年月日時刻データが一緒に書き込まれる。この目的のため,CPU209は時計機能を内部に備えている。
【0047】
動画像の記録処理は,操作入力部105のシャッタボタン105aが再び操作されるまで,連続的に継続して行われ,それによって圧縮された動画像信号のファイルがメモリカード211に書き込まれるものである。
【0048】
メモリカード211に書き込まれた動画像を再生する場合には,操作入力部105の再生ボタン105dを操作すると,CPU209はメモリカード211から記録されている動画ファイルの一覧を読み出して,これをカードI/F210を介して取り込み,OSD217を駆使して表示リストを生成する。さらに,CPU209は,生成されたリストを例えばグラフィックコントローラ216に送って,LCDドライバ214を介して第2のLCD104に表示させる。
【0049】
ユーザは,操作入力部105の十字ボタン105bを使って,表示されているリストから再生したい画像を選択する。それによって,CPU209がその画像信号をメモリカード211から読み出し,ワークメモリ208及びメモリコントローラ207を駆使してJPEG/MPEG処理部206で伸張処理を施して,非圧縮の動画像信号としてビデオデコーダ215に導出し,LCDドライバ213を介して第1のLCD113で表示させる。
【0050】
以上のようにして,静止画像の記録及び再生と,動画像の記録再生が実行可能であるが,本発明はさらに,第2のLCD104を効果的に用いて,多様な機能を実現するものであり,以下その実施態様について詳細に説明する。
【0051】
図3は,本発明の撮影装置100の一実施の形態を説明する構成図であり,この実施の形態においては,画像撮影装置本体101の第2のLCD104には,メモリカード211に記録された静止画像のサムネイル画像が表示されており,表示部102のLCD111には,そのサムネイル画像から選択された画像が表示されている。なお,図3において,図1と同一構成部分に同じ符号を付す。
【0052】
すなわち,ユーザが静止画像を再生しようとする場合,撮影装置本体101の操作入力部105の動作モード切換えボタン105cを操作して静止画モードに切換え,次いで再生ボタン105dを操作する。
【0053】
それによって,CPU209は,メモリカード211からサムネイル画像信号を読み出して,これをメモリコントローラ207を介してグラフィックコントローラ216に送る。グラフィックコントローラ216では,表示用のサムネイル画像を構築して,LCDドライバ214を介して第2のLCD104で表示させる。
【0054】
このとき,CPU209は,同時にOSD217を駆使して,カーソル信号を生成して,グラフィックコントローラ216に供給し,サムネイル画像に重畳させる。それによってユーザが,表示されたサムネイル画像の内から,このカーソルで所望の画像を選択できるようになる。
【0055】
図3において,斜線で示す部分がカーソル301であり,十字ボタン105bによって縦方向及び横方向に移動させることができる。カーソル301で囲まれたサムネイル画像302に対応する静止画像303が第1のLCD111で表示されている。
【0056】
すなわち,CPU209は,カーソル301が位置するサムネイル画像に対応するファイルをメモリカード211から読み出し,メモリコントローラ207及びワークメモリ208を用いてJPEG/MPEG処理部206によって伸張させ,非圧縮の画像信号としてビデオデコーダ215に導出する。ビデオデコーダ215で表示のための処理を施して,LCDドライバ213を介して第1のLCD111で表示させるものである。
【0057】
このように,図3に示す実施の形態においては,サムネイル画像とそのサムネイル画像から選択された画像をそれぞれ別のLCDで表示するようにしたので,ユーザは,メモリカード211に書き込まれた静止画像の全体を常に把握しつつ,その内から選択した静止画像を大きなサイズで表示させることができるため,操作性を向上させることができるものである。
【0058】
図4の実施の形態は,メモリカード211に書き込まれた静止画像が,撮影装置本体101のLCD104で表示され,さらに表示部102のLCD111では,LCD104で表示された静止画像の拡大画像が表示されている。
【0059】
図4において,第2のLCD104には,メモリカード211から読み出された静止画像401が表示されている。このとき,撮影装置本体101においては,メモリカード211から読み出されて,JPEG/MPEG処理部206で伸張されて復元された非圧縮の画像信号が,ワークメモリ208に蓄積された状態にあり,表示されている画像401はそこから継続的に読み出され,グラフィックコントローラ216で処理されたものである。
【0060】
そのような状態において,操作入力部105のズームボタン105eを操作すると,CPU209は,メモリコントローラ207を介してOSD217を駆使し,第2のLCD104の画面内に表示される枠を構築し,これをグラフィックコントローラ216に送り,ワークメモリ208から読み出されている静止画像401に重畳させる。それによって,第2のLCD104で表示されている画像401内にズーム表示枠402が表示される。
【0061】
それと同時に,CPU209は,メモリコントローラ207を駆使して,ワークメモリ208に蓄積されている画像信号のズーム表示枠402で選択された部分(枠の内側)を,第1のLCD111の画面全体に表示されるように拡大して,ビデオデコーダ215に送り,LCDドライバ213を介して第1のLCD111で画像403として表示させる。
【0062】
操作入力部105のズームボタン105eは,いわゆるシーソ型操作ボタンであり,一方向に押しつづけると,ズーム表示枠402が大きくなり,第1のLCD111で表示される静止画像の拡大率が小さくなり,反対側に押しつづけると,ズーム表示枠402が小さくなって,拡大率が大きくなる。
【0063】
以上のように,図4に示す実施の形態においては,画像撮影装置本体101のLCD104で表示されている画像に対して,ズーム表示枠402を表示させることで,その枠で選択された範囲の拡大画像を表示部102のLCD111で表示させるように構成したので,さらに操作性を向上させることができるものである。
【0064】
さらに,他の実施の形態を図5に示す。図5においては,撮影装置本体101のLCD104に,メモリカード211から再生された静止画像501を表示し,表示部102のLCD111には,CCD撮像素子202で撮影されている画像502を表示するように構成したものである。あるいは,撮影装置本体101のLCD104に静止画像501を表示し,表示部102のLCD111にメモリカード211から読み出した動画像502を表示するように構成したものである。
【0065】
例えば,図3に示す静止画像表示状態から,操作入力部105の2画面ボタン105gを操作すると,それまで表示部102のLCD111で表示されていた画像が,図5に示すように撮影装置本体101のLCD104に画像501として表示され,表示部102のLCD111には,CCD撮像素子202で撮影した画像502が表示される。
【0066】
すなわち,2画面ボタン105gが操作されると,CPU209は,それまで,ワークメモリ208から読み出されて第1のLCD111に表示されている静止画像信号を,グラフィックコントローラ216からLCDドライバ214を介して第2のLCD104で表示させるように切換える。さらに,CCD撮像素子202で撮影された画像信号を,A/D変換部203,信号処理部205,メモリコントローラ207を介してビデオデコーダ215に送り,LCDドライバ213を経て第1のLCD111で表示させる。
【0067】
図5に示す状態から,例えばさらに2画面ボタン105gを操作すると,図6に示すように,表示部102のLCD111には,メモリカード211から読み出された動画像601が表示されるようになる。このときに表示される動画像は,メモリカード211に書き込まれている動画像の内,例えば最も新しく書き込まれたものである。また,撮影装置本体101のLCD104には,図5と同様の静止画像602が表示される。
【0068】
図5の状態から,2画面ボタン105gが操作されると,CPU209は,メモリカード211から最新の動画像を読み出して,ワークメモリ208及びメモリコントローラ207を用いて,JPEG/MPEG処理部206で伸張処理を施し,ビデオデコーダ216に送り,LCDドライバ213を介して第1のLCD111で表示させる。
【0069】
なお,以上説明した2画面ボタン105gによる表示の形態は,図5及び図6で示すものに限定されるものではなく,各画像はいずれのLCDで表示させるようにしてもよいものである。
【0070】
図5及び図6に示す実施の形態によれば,2つのLCD104,111をそれぞれ独立させて使用するようにしたので,多様な表示形態を行わせることができるものである。例えば,一方のLCD111で動画を表示させ,他方のLCD104にはその動画に関連する静止画像を表示させるように構成することもできる。さらにその静止画像も,動画のシーンに合せて順次切換えるようにしてもよい。この場合,メモリカード211に書き込む際に,互いのファイルをその属性で関連付けて記録し,読み出す際に,属性に基づいて特定すればよい。
【0071】
さらに,他の実施の形態を図7に示す。図7においては,表示部102のLCD111に動画701を表示させると共に,撮影装置本体101のLCD104をタッチパネル形式のジョグダイアル702として機能させ,このジョグダイアル702をユーザが指でなぞることで,動画の特殊再生を行わせることが可能なように構成したものである。
【0072】
すなわち,LCD104,111のいずれかに動画が表示されている状態において,LCD撮影装置本体101のトリックプレイボタン105hを操作すると,CPU209は,動画像を表示部102のLCD111で表示させ,撮影装置本体101のLCD104をタッチパネルとして動作するように切換え,さらにジョグダイアルが表示されるように切換える。
【0073】
ユーザが図7に示すジョグダイアル702を操作すると,その情報は,図2の入力部219からタッチパネルI/Fを介してCPU209に取り込まれる。タッチパネルI/Fは,ユーザの指の回転方向及び回転角度を判別して,CPU209に判別信号を送る。
【0074】
例えば,CPU209は,ユーザの指が右方向に所定角度回転したとする判別信号を受けると,早送り再生を実行する。すなわち,例えば,CPU209は,JPEG/MPEG処理部206を駆使して,メモリカード211から読み出されるMPEG画像信号から,I(Intra)ピクチャを抽出してデコードし,これをビデオデコーダ215に供給して画像表示用の信号に変換して,LCDドライバ213を介してLCD111で表示させる。
【0075】
ジョグダイアル702の回転角度を大きくすると,早送り再生速度が早くなり,CPU209はIピクチャが適度に間引かれて表示されるように制御する。
【0076】
ジョグダイアル702を逆方向に回転させると,逆送り高速再生になる。すなわち,Iピクチャが逆の順序で表示されるようになる。あるいは,ジョグダイアル702を逆方向に回転させた場合に,正方向スロー再生,スチル(静止画)再生を経て,逆方向スロー再生から逆送り高速再生となるように設定することも可能である。スロー再生の場合には,ワークメモリ208を用いて,同じ画像を繰り返し読み出して表示することになり,ワークメモリ208に蓄積される画像の更新頻度でスロー再生速度が決まる。
【0077】
図7の実施の形態によれば,動画の特殊再生を撮影装置本体101のLCD104を用いたジョグダイアルで実行させることができるため操作性が向上するものである。
【0078】
さらに,図8の実施の形態においては,表示部102のLCD111に静止画,動画,あるいはCCD撮像素子202で撮影した画像801を表示しつつ,撮影装置本体101のLCD104に撮影装置100の各種設定を行うためのメニュー802を表示するように構成したものである。
【0079】
すなわち,ユーザが操作入力部105のメニューボタン105fを操作すると,CPU209は,OSD217を駆使して,撮影装置100の初期設定等を行うためのメニューを表示するための画像を構築し,これをグラフィックコントローラ216からLCDドライバ214を介して,LCD104で表示させる。
【0080】
ユーザは,操作入力部105の十字ボタン105bを操作して,LCD104で表示されたメニュー項目を示すアイコンにカーソル合せ,十字ボタン105bの中央の決定ボタンを操作することで,その項目を設定するための画像を表示させることができる。
【0081】
この実施の形態によれば,画像に係る,例えば,ホワイトバランス,先鋭度等の調整をする場合,実際に表示部102のLCD111に表示される画像を見ながら調整することができるので,簡単かつ確実に調整をすることができるものである。
【0082】
なお,図1においては,レンズ114が表示部102のLCD111と同じ面に設けられているが,レンズ114を設ける位置は,図1に示す位置に限定されるものではなく,表示部102のLCD111とは反対の面に設けるようにしてもよく,あるいは撮影装置本体101の広面積面103に設けたり,LCD014とは反対側の面に設けるようにしてもよいものである。
【0083】
以上説明したように,本発明の画像撮影装置によれば,表示部102のLCD111の他に,撮影装置本体101にもLCD104を設けたので,撮影装置本体101のLCD104を,操作用の表示手段として適用でき,その結果,表示部102のLCD111で表示される実際の画像を見ながら,表示画像の選択,ズーム調整,画質調整等を実行することできるため,操作性を著しく向上させることができるものである。
【0084】
また,さらに2つのLCD104,111をそれぞれ単独で用いて,異なる種類の画像を同時に表示させるように構成することも可能であり,その操作及び装置100の動作に多様性をもたらすことができ,商品としての価値を高めることができるものである。
【符号の説明】
【0085】
100…画像撮影装置
101…画像撮影装置本体
102…表示部
103,110…広面積面
104…第2のLCD
105…操作入力部
106…段部
107…支持部
108…支持軸
109…メモリカードスロット
111…第1のLCD
112…凹部
113…軸
114…レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1LCD(Liquid Crystal Display)パネルが設けられた表示部と,
第2LCDパネルが設けられた本体と,
前記本体と前記表示部とを回動可能に支持する支持部と,
前記第2LCDパネルをタッチパネルとして機能させるタッチパネルインターフェースと,
前記本体に設けられたボタンと,
前記表示部に組み込まれたレンズと,
前記本体内に設けられ,メモリカードを挿入可能なカードスロットと,
前記カメラに対する設定を行うためのメニューを表示させ,かつこのメニューに基づく,前記ボタン入力手段からの設定情報の入力に基づいて前記設定を行う制御部と,
を備えた装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において,
前記レンズで撮像された画像から画像信号を得る撮像系と,
前記画像信号を前記メモリカードに記録し,該画像信号を記録媒体から再生する記録再生手段と,を更に備えた装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において,
前記記録再生手段を制御して,前記第2LCDパネルに前記メモリカードに記録された画像を表示させ,表示状態変更のための情報の入力に基づいて前記画像の表示状態を変更させる第2の制御部と,
を更に備えた装置。
【請求項4】
光学像を電気信号に変換して出力する撮影手段と,
前記撮影手段から出力される電気信号を静止画像信号または動画像信号として記録媒体に記録し,かつ記録媒体から再生する記録再生手段と,
前記撮影手段が組み込まれるとともに第1液晶表示手段が設けられた第1ユニットと,
前記第1ユニットと回動可能に繋がるとともに第2液晶表示手段が設けられた第2ユニットと,
前記撮影手段から出力される電気信号に基づく画像または前記記録媒体から再生された静止画像信号または動画像信号に基づく画像を選択的に前記第1及び第2の液晶表示手段で表示させる制御手段と,
を具備したことを特徴とする画像撮影装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像撮影装置において,
記録媒体に記録された画像を前記第2液晶表示手段に表示させ,表示状態変更のための情報入力に基づき前記画像の表示状態を変更させる第2の制御部と,
を更に備えた画像撮影装置。
【請求項6】
撮影手段と,
第1表示手段が設けられた第1ユニットと,
前記第1ユニットと回動可能に繋がり,前記撮影手段と隣り合う第2表示手段が設けられた第2ユニットと,
前記第1表示手段にサムネイル画像を表示させると共に,前記サムネイル画像から選択された画像を前記第2の表示手段で表示させる制御手段と,
を具備したことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において,
前記制御手段は,カーソルによって前記サムネイル画像の一つを選択するものであることを特徴とする装置。
【請求項8】
タッチパネルが設けられた第1ユニットと,
ディスプレイが設けられ,前記第1ユニットと回動可能に接続された第2ユニットと,
前記第2ユニットに組み込まれた撮像手段と,
を備えた装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において,
前記撮像手段は,前記ディスプレイが露出された側の前記第2ユニットの面から撮像可能に設けられる装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置において,
前記撮像手段は,前記ディスプレイが露出された側とは反対側の前記第2ユニットの面から撮像可能に設けられる装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−65369(P2012−65369A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287476(P2011−287476)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2009−142287(P2009−142287)の分割
【原出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】