説明

画像検索プログラム及び画像検索装置

【課題】共有された画像情報から自己の登録した画像情報に基づいて関連する画像情報を検索する画像検索プログラム及び画像検索装置を提供する。
【解決手段】画像検索装置1は、画像情報DB2に登録する画像情報20を受け付ける画像情報受付手段100と、受け付けた画像情報20の画像に含まれる人物の顔を認識して顔情報111を生成する顔情報認識手段101と、受け付けた画像情報20が有する付随情報112を抽出する付随情報抽出手段102と、画像情報DB2に登録済みの画像情報20から選択された画像情報を検索条件として受け付ける検索条件受付手段103と、検索条件受付手段103が受け付けた画像情報の顔情報と、付随情報とに基づいて、画像情報DB2に登録済みの画像情報20から類似度の高い画像情報を検索する画像情報検索手段104と、検索結果を出力する検索結果出力手段105とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検索プログラム及び画像検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、デジタルカメラで撮影した写真等の付随情報を有する画像情報を付随情報に基づいて自動で分類する画像情報分類装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された画像情報分類装置は、入力された画像情報が有する付随情報から撮影時間、場所、方位、撮影者の個人情報等を抽出する抽出部と、抽出部が抽出した情報と代表する画像情報の付随情報から抽出された情報との類似度を算出する計算部と、予め定めた分類規則に従って計算部の算出した類似度に基づいて画像情報を分類する分類部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−280254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、共有された画像情報から自己の登録した画像情報に基づいて関連する画像情報を検索する画像検索プログラム及び画像検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の画像検索プログラム及び画像検索装置を提供する。
【0007】
[1]コンピュータを、
記憶装置に登録済みの複数の画像情報から選択された画像情報を検索条件として受け付ける検索条件受付手段と、
前記検索条件受付手段が受け付けた前記選択された画像情報から認識された顔情報及び前記選択された画像情報から抽出された付随情報と、前記記憶装置に登録済みの前記複数の画像情報から認識された顔情報及び前記複数の画像情報から抽出された付随情報とを取得して類似度を算出し、類似度の高い画像情報を検索する検索手段として機能させるための画像検索プログラム。
【0008】
[2]前記検索手段は、前記付随情報として少なくとも前記画像情報が撮影された日時及び時刻と、撮影された位置情報とに基づいて検索する前記[1]に記載の画像検索プログラム。
【0009】
[3]前記検索手段は、前記選択された画像情報と前記複数の画像情報との前記付随情報の類似度を算出し、類似度の高い画像情報を検索して、当該類似度の高い画像情報から前記選択された画像情報の前記顔情報と類似度の高い画像情報を検索する前記[1]又は[2]に記載の画像検索プログラム。
【0010】
[4]記憶装置に登録済みの複数の画像情報から選択された画像情報を検索条件として受け付ける検索条件受付手段と、
前記検索条件受付手段が受け付けた前記選択された画像情報から認識された顔情報及び前記選択された画像情報から抽出された付随情報と、前記記憶装置に登録済みの前記複数の画像情報から認識された顔情報及び前記複数の画像情報から抽出された付随情報とを取得して類似度を算出し、類似度の高い画像情報を検索する検索手段とを有する画像検索装置。
【発明の効果】
【0011】
請求項1又は4に係る発明によれば、共有された画像情報から自己の登録した画像情報に基づいて関連する画像情報を検索することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、付随情報として少なくとも画像情報が撮影された日時及び時刻と、撮影された位置情報とに基づいて検索することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、付随情報の類似度の高い画像情報を検索して、当該類似度の高い画像情報から選択された画像情報の顔情報と類似度の高い画像情報を検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像検索システムの構成の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る画像検索装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、顔情報の構成の一例を示す概略図である。
【図4】図4は、付随情報の構成の一例を示す概略図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、それぞれ検索条件としての付随情報、検索対象としての付随情報及び検索結果情報の構成の一例を示す概略図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、検索条件としての顔情報及び検索対象としての顔情報の構成の一例を示す概略図である。
【図7】図7は、検索結果情報の構成の一例を示す概略図である。
【図8】図8は、顔情報認識手段の顔情報の認識動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施の形態]
(画像検索システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る画像検索システムの構成の一例を示す概略図である。
【0016】
画像検索システム5は、画像検索装置1、画像情報データベース2(以下、「DB」という。)及び端末装置3A、3B、3C等を有し、これらの装置をネットワーク4で互いに通信可能に接続する。ユーザーA、B、Cは、それぞれ端末装置3A、3B、3Cを利用して画像検索装置1と通信し、図示しないデジタルカメラ等で撮影して生成された画像情報を画像情報DB2に画像情報20として登録するとともに、画像情報DB2に登録された画像情報20からユーザーA、B、Cに関連する画像情報を検索する。
【0017】
画像検索装置1は、情報を処理するための機能を備えたCPU(Central Processing Unit)や記憶部等の電子部品を備える画像検索装置であり、端末装置3A、3B、3Cから画像情報を受信して画像情報DB2に保存する。また、画像検索装置1は、端末装置3A、3B、3Cの要求に応じて画像情報DB2に登録された画像情報20からユーザーA、B、Cに関連する画像情報を検索する。
【0018】
画像情報DB2は、端末装置3A、3B、3Cから受信した画像情報を画像情報20として登録する。なお、画像情報DB2は、例えば、「SQLデータベース」、「XMLデータベース」、「オブジェクト指向データベース」、又はキー(Key)に対して一意に特定される値(Value)を返す「Key−Valueデータベース」等を用いることができる。
【0019】
端末装置3A、3B、3Cは、操作入力用のキーボード、マウス、タッチパッド等の操作部と、液晶ディスプレイ等の表示部と、CPUや記憶部等の電子部品を有する制御部とを備える。端末装置3A、3B、3Cは、画像検索装置1に利用者の操作に応じた要求を送信し、その要求に対する応答を受信して、受信した内容を制御部で処理した結果を表示部に表示する。なお、端末装置3A、3B、3Cは、例えば、パーソナルコンピュータであり、その他にPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機等を用いることもできる。
【0020】
ネットワーク4は、インターネット、LAN(Local Area Network)等の通信網であり、有線、無線は問わない。
【0021】
(画像検索装置1の構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る画像検索装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
この画像検索装置1は、CPU等から構成され各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記録媒体から構成され情報を記憶する記憶装置の一例としての記憶部11と、ネットワーク4を介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0023】
制御部10は、後述する画像検索プログラム110を実行することで、画像情報受付手段100、顔情報認識手段101、付随情報抽出手段102、検索条件受付手段103、画像情報検索手段104及び検索結果出力手段105等として機能する。
【0024】
画像情報受付手段100は、画像情報DB2に登録する画像情報を端末装置3A、3B、3Cから受け付ける。
【0025】
顔情報認識手段101は、画像情報受付手段100が受け付けた画像情報から顔認識技術を用いて人物の顔を認識し、後述する顔情報111を生成する。
【0026】
付随情報抽出手段102は、画像情報受付手段100が受け付けた画像情報が有する付随情報を抽出し、記憶部11に格納する。
【0027】
検索条件受付手段103は、画像情報を検索するための検索条件を端末装置3A、3B、3Cから受け付ける。なお、検索条件受付手段103は、検索条件として画像情報を受け付ける。
【0028】
画像情報検索手段104は、検索条件受付手段103が受け付けた検索条件に合致する画像情報を画像情報DB2の画像情報20から検索する。
【0029】
検索結果出力手段105は、画像情報検索手段104の検索結果を検索要求を受け付けた端末装置3A、3B、3Cに対して出力する。
【0030】
記憶部11は、画像検索プログラム110、顔情報111、付随情報112及び検索結果情報113等を格納する。
【0031】
画像検索プログラム110は、制御部10を上記した各手段100〜105として動作させるプログラムである。
【0032】
顔情報111は、顔情報認識手段101が画像情報から認識した情報である。
【0033】
付随情報112は、付随情報抽出手段102が画像情報から抽出した付随情報である。ここで、付随情報とはExif(Exchangeable Image File)等のフォーマットで既述された情報であり、例えば、撮影日時、撮影機器メーカー名、撮影機器モデル名、画像全体の解像度、水平・垂直方向の単位あたり解像度、撮影方向、シャッタースピード、絞り、ISO感度、測光モード、フラッシュの有無、露光補正ステップ値、焦点距離、色空間、GPS情報等が記載される。
【0034】
検索結果情報113は、画像情報検索手段104が検索条件に基づき画像情報DB2から検索した画像情報の検索結果である。
【0035】
図3は、顔情報111の構成の一例を示す概略図である。
【0036】
同図に示す顔情報111Aは、ユーザーAの撮影した「アルバムNo.1」に含まれる画像情報から顔情報認識手段101によって認識された顔の情報であり、画像情報を識別する識別番号(同図では「写真1」〜「写真6」)と、顔情報認識手段101によって認識された顔の人物の情報(同図では「人物O」、「人物P」、「人物Q」、「人物R」、「人物S」)とを有する。
【0037】
図4は、付随情報112の構成の一例を示す概略図である。
【0038】
同図に示す付随情報112Aは、ユーザーAの撮影した画像情報に付随する情報であり、画像情報を識別する識別番号(同図では「写真1」〜「写真6」)と、画像情報を撮影した時刻を示す撮影時刻と、画像情報を撮影した位置を示す位置情報とを有する。
【0039】
(画像検索システムの動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)画像情報の受付動作、(2)顔情報の認識動作、(3)画像情報の検索動作に分けて説明する。
【0040】
(1)画像情報の受付動作
まず、ユーザーA、B、Cは、デジタルカメラ等で撮影し、生成された画像情報を端末装置3A、3B、3Cに転送する。次に、ユーザーA、B、Cは、画像情報をユーザーA、B、Cで共有すべく端末装置3A、3B、3Cを操作して画像情報を画像情報DB2に登録すべく、画像検索装置1と通信する。通信の際、利用者は最初に端末装置3A、3B、3Cに利用者識別情報の利用者IDとパスワードを入力し、端末装置3A、3B、3Cは画像検索装置1に認証を要求する。
【0041】
画像検索装置1は、端末装置3A、3B、3Cから認証要求とともに利用者IDとパスワードを受信し、自己が保持する予め登録された利用者情報(図示せず)を参照して認証する。登録済みの利用者である場合、すなわち利用者IDとパスワードの両方に一致するものが利用者情報に存在していれば認証が成功したと判断し、画像情報の登録が可能になった旨を端末装置3A、3B、3Cに通知する。
【0042】
次に、ユーザーA、B、Cは画像情報を画像DB2に登録すべく端末装置3A、3B、3Cを操作する。端末装置3A、3B、3Cは、登録要求とともに登録対象の画像情報を画像検索装置1に送信する。
【0043】
画像検索装置1の画像情報受付手段100は、登録要求とともに画像情報を受信すると、画像情報20として画像情報DB2に格納するとともに、顔情報の認識と付随情報の抽出の動作を行う。
【0044】
顔情報の認識動作は、顔情報認識手段101が行う。顔情報認識手段101は、画像情報受付手段100が受け付けた画像情報から「(2)顔情報の認識動作」で説明する顔認識技術を用いて人物の顔を認識し、顔情報111を生成して記憶部11に格納する。なお、本実施の形態において、顔情報111は、利用者の顔画像を登録することなく同一の顔画像に任意の名称をつけて行う。
【0045】
付随情報の抽出動作は、付随情報抽出手段102が行う。付随情報抽出手段102は、画像情報受付手段100が受け付けた画像情報が有する付随情報112を抽出し、記憶部11に格納する。
【0046】
(2)顔情報の認識動作
顔情報認識手段101の顔情報の認識動作は、一例として、「映像情報メディア学会誌」(横山太郎等、1999年、Vol.53、No.11、pp.1605−1614)に基づくものであり、以下の手順で行う。
【0047】
図8は、顔情報認識手段101の顔情報の認識動作の一例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、画像情報受付手段100が受け付けた画像情報がPict1、…、Pictl(lは受け付けた画像の数)である場合、顔情報認識手段101は、まず画像Pict1を処理対象の画像とする(S1)。
【0049】
次に、顔情報認識手段101は、画像Pict1から肌色の領域Area1、…、Area m(mは画像中に存在する肌色の領域の数)を抽出する(S2)。この場合、人種の差異を考慮して、黒に近い色から白に近い薄い肌色まで予め定めた範囲の色を抽出対象とする。
【0050】
次に、顔情報認識手段101は、抽出した領域からまずArea1を処理対象の領域とし(S3)、領域Area1内の要素Elem1、…、Elemn(nは領域内に存在する要素の数)をさらに抽出する(S4)。なお、領域内の要素の抽出は、例えば、色の異なる輪郭を有する要素を特定することで行う。
【0051】
次に、顔情報認識手段101は、抽出された要素Elem1、…、Elemnが領域内において顔を構成する要素、つまり眉、目、鼻、口等であるかどうかを判別する。抽出された要素が顔を構成する要素であるかどうかの判別は、それぞれの要素の位置と傾き、及び要素間の相対的な配置を表す数値を含む顔特徴情報として特定した上で(S5)、その顔特徴情報に含まれる数値が予め設定されている人間の顔を構成する数値の範囲内に存在するかどうかを判断することで行う(S6)。
【0052】
なお、顔情報認識手段101は、抽出された要素が人間の顔を構成する要素であることが判別できない場合(S6;No)は、次の領域を処理対象とし(S11)、抽出された要素が人間の顔であることが判別できる場合(S6;Yes)は人物を特定する処理に進む。
【0053】
顔情報認識手段101は、人物を特定する処理として、顔特徴DB114を用いる。ここで、顔特徴DB114は、顔特徴情報と人物を特定する識別子とが関連付けて登録されているものとする。
【0054】
次に、顔情報認識手段101は、ステップS5で抽出した顔特徴情報が顔特徴DB114に登録されている顔特徴情報のいずれかと一致又は近似するかを判別する(S7)。
【0055】
次に、顔情報認識手段101は、顔特徴情報が顔特徴DB114に登録されている顔特徴情報と一致又は近似している場合(S7;Yes)、一致又は近似した顔特徴DB114に登録されている顔特徴情報と関連付けられている人物を特定する識別子(例として、「人物O」とする。)を抽出して、「人物O」が処理対象の画像Pict1に写っている人物として記憶される(S8)。
【0056】
ここで、抽出した顔特徴情報と顔特徴DB114に登録されている顔特徴情報とが一致しないが近似する場合、つまり抽出した顔特徴情報と顔特徴DB114に登録されている顔特徴情報とに差異がある場合、顔特徴DB114に登録された顔特徴情報を抽出した顔特徴情報に基づいて修正して更新してもよい。
【0057】
また、顔特徴情報が顔特徴DB114に記憶されている顔特徴情報と一致も近似もしない場合(S7;No)、これまで使用されていない人物を特定する識別子を新規に生成して(例として、「人物P」とする。)、新たに生成された識別子と顔特徴情報とを関連付けて顔特徴DB114に登録し(S9)、「人物P」が処理対象の画像Pict1に写っている人物として記憶される。
【0058】
ここで、1つの領域の処理が終了し、次の領域があれば次の領域を処理し(S10;No)、次の領域が無ければ(S10;Yes)、全ての領域の処理が終了したとして1つの画像の抽出処理が完了する。
【0059】
また、次の画像があれば次の画像を処理し(S12;No、S13)、次の画像が無ければ(S12;Yes)、全ての画像の処理が完了したとして一つのアルバムの抽出処理が完了する。なお、顔特徴DB114は複数のアルバムに共通して利用され、人物を表す識別子は複数のアルバムにおいて共通である。
【0060】
(3)画像情報の検索動作
次に、検索条件受付手段103は、画像情報を検索するための検索条件を、例えば、ユーザーAの操作する端末装置3Aから受け付ける。なお、本実施の形態において、検索条件受付手段103は、検索条件として指定された画像情報を受け付ける。以下、指定された画像情報の付随情報112、顔情報111の順でこれらに基づいて検索対象を絞り込む動作を説明する。
【0061】
図5(a)〜(c)は、それぞれ検索条件としての付随情報、検索対象としての付随情報及び検索結果情報の構成の一例を示す概略図である。
【0062】
まず、ユーザーAが検索条件の一つとして図5(a)に示す「アルバムNo.1」を指定すると、検索条件受付手段103は「アルバムNo.1」を検索条件の一つとして受け付け、「アルバムNo.1」の画像情報に対応する付随情報112Aを取得する。
【0063】
次に、画像情報検索手段104は、他の利用者、例えば、図5(b)に示すユーザーBが登録した画像情報についての付随情報112B(比較先1)について、ユーザーAの指定した検索条件(比較元)と一致するもの又は近いものを検索する。具体的には、撮影時刻及び位置情報について予め定めた方法で類似度を算出し、類似度の上位1つ又は複数個を選択することにより、又は類似度が予め定めた閾値より大きいものを選択することにより検索する。この例では、「アルバムNo.3」が撮影時刻及び位置情報が近いものであるため、両利用者は同様の行事等に参加した蓋然性が高いと考えられる。
【0064】
画像情報検索手段104は、以上の検索を全利用者に対して行い、図5(c)に示す検索結果情報113を得る。
【0065】
図6(a)〜(c)は、検索条件としての顔情報及び検索対象としての顔情報の構成の一例を示す概略図である。
【0066】
次に、ユーザーAが検索条件の一つとしてさらに図6(a)に示す「アルバムNo.1」の顔情報111Aを指定すると、検索条件受付手段103は顔情報111Aを検索条件の一つとして受け付ける。
【0067】
次に、画像情報検索手段104は、付随情報が一致した検索結果情報113のうち、例えば、図6(b)に示すユーザーBが登録した画像情報についての顔情報111B(比較先1)について、ユーザーAの指定した検索条件(比較元)と一致するもの又は近いものを検索する。この例では、「アルバムNo.3」中の「写真1」、「写真2」、「写真4」、「写真5」に写っている人物が一致するものがあるため、「人物O」、「人物P」、「人物Q」、「人物R」、「人物S」の中にユーザーAの知り合い又はユーザーA自身を含む蓋然性が高いと考えられる。
【0068】
また、画像情報検索手段104は、付随情報が一致した検索結果情報113のうち、例えば、図6(c)に示すユーザーCが登録した画像情報についての顔情報111C(比較先2)について、ユーザーAの指定した検索条件(比較元)と一致するもの又は近いものを検索する。この例では、「アルバムNo.2」中に参加した利用者が一致する写真がないため、ユーザーCは同一の行事に参加していると考えられるが、本アルバム中の写真にはユーザーAの知り合い又はユーザーA自身を含む蓋然性が低いと考えられる。
【0069】
画像情報検索手段104は、以上の検索を全利用者に対して行い検索結果情報113を得る。
【0070】
図7は、検索結果情報113の構成の一例を示す概略図である。
【0071】
検索結果出力手段105は、画像情報検索手段104の検索結果情報113を検索要求を受け付けた端末装置3Aに対して出力する。端末装置3Aは、検索結果情報113を、例えば図7に示すように、顔認識した人物の登場回数等の順で表示部に表示する。
【0072】
ユーザーAは、端末装置3Aの表示部に表示された検索結果情報113を確認し、所望する人物を選択し、選択した人物の画像情報を取得するよう端末装置3Aを操作する。端末装置3Aは、画像検索装置1に選択された人物の画像情報を要求し、画像検索装置1は画像情報DB2から該当する画像情報を取得して端末装置3Aに送信する。端末装置3Aは、画像情報を受信し、利用者Aの操作に応じて印刷、保存、画像変換等の動作を実行する。
【0073】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、複数の利用者によって共有された画像情報から顔情報を認識するとともに、付随情報を抽出して登録し、検索条件として登録済みの画像情報の顔情報及び付随情報を利用して類似度の高い画像情報を検索したため、共有された画像情報から自己の登録した画像情報に基づいて関連する画像情報を検索することができる。
【0074】
つまり、付随情報が類似するものを検索することで、同様の行事等に参加した蓋然性が高い人物が撮影した画像情報を検索することができ、また、その中から顔情報が類似するものを検索することで、検索条件を指定した利用者の知り合い又は利用者自身を含む蓋然性の高い画像情報を検索することができる。一例として、自分で撮影した写真には撮影者である自分が写っていないことが多いが、自分が撮影した人物と共通の人物が撮影されている他人の写真には自分が写っていることが多いため、この性質を利用して共有された写真から自分が写っている写真を検索することができる。
【0075】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。例えば、画像情報検索手段104は、顔情報111に基づいて画像情報を検索する際、画像情報中の顔の大きさや、顔のピントの具合等によって類似度の重み付けを行ってもよい。また、事前にユーザーの顔情報を登録し、利用者の識別子である「ユーザーA」との対応付けを行ってもよい。
【0076】
上記実施の形態では制御部10内の各手段100〜105の機能をプログラムで実現したが、各手段100〜105の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD−ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 画像検索装置
2 画像情報DB
3A〜3C 端末装置
4 ネットワーク
5 画像検索システム
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
20 画像情報
100 画像情報受付手段
101 顔情報認識手段
102 付随情報抽出手段
103 検索条件受付手段
104 画像情報検索手段
105 検索結果出力手段
110 画像検索プログラム
111 顔情報
112 付随情報
113 検索結果情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
記憶装置に登録済みの複数の画像情報から選択された画像情報を検索条件として受け付ける検索条件受付手段と、
前記検索条件受付手段が受け付けた前記選択された画像情報から認識された顔情報及び前記選択された画像情報から抽出された付随情報と、前記記憶装置に登録済みの前記複数の画像情報から認識された顔情報及び前記複数の画像情報から抽出された付随情報とを取得して類似度を算出し、類似度の高い画像情報を検索する検索手段として機能させるための画像検索プログラム。
【請求項2】
前記検索手段は、前記付随情報として少なくとも前記画像情報が撮影された日時及び時刻と、撮影された位置情報とに基づいて検索する請求項1に記載の画像検索プログラム。
【請求項3】
前記検索手段は、前記選択された画像情報と前記複数の画像情報との前記付随情報の類似度を算出し、類似度の高い画像情報を検索して、当該類似度の高い画像情報から前記選択された画像情報の前記顔情報と類似度の高い画像情報を検索する請求項1又は2に記載の画像検索プログラム。
【請求項4】
記憶装置に登録済みの複数の画像情報から選択された画像情報を検索条件として受け付ける検索条件受付手段と、
前記検索条件受付手段が受け付けた前記選択された画像情報から認識された顔情報及び前記選択された画像情報から抽出された付随情報と、前記記憶装置に登録済みの前記複数の画像情報から認識された顔情報及び前記複数の画像情報から抽出された付随情報とを取得して類似度を算出し、類似度の高い画像情報を検索する検索手段とを有する画像検索装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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