説明

画像検索装置および画像検索方法

【課題】画像表示中に容易な操作を行うことで画像検索を容易にできるようにする。
【解決手段】入力された画像を表示する表示手段と、前記表示手段をユーザがタッチすることにより、前記画像中の領域を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された領域に含まれる人物または物に基づいて画像の検索を行う検索手段とを設け、前記検索手段は、前記選択手段により領域が選択された後のユーザのタッチ操作に応じて、画像の検索の条件を決定するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像検索装置および画像検索方法に関し、特に、画像表示装置に表示中の画像とは異なる画像を表示させるために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等で撮影した画像を保存するメモリカードの大容量化に伴い、ユーザは撮影した画像をメモリカードから削除せずに、そのままにしておくことがよくある。これらの結果、メモリカード内には、大量の画像ファイルが存在することとなり、プリンタ等で任意の画像を印刷したい場合などには、所望の画像を見つけるのに時間がかかってしまうという問題があった。
【0003】
前述のような理由により、従来例として、プリンタに画像検索機能を搭載し、手書き入力された情報に基づいて、画像を検索する画像入力装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1にて提案されている画像入力装置の場合は、例えば、太陽、山、川などのシンボルからなる画像情報を、検索画像としてペンで入力する。そして、各シンボルのうち、検索上最も重要なシンボル(例えば、山)を太い線にする。この場合、太い線で指定したシンボル図形を基準にして画像の検索が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−039316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の画像入力装置の場合は、ユーザは画像の検索を行うために、検索条件をあらかじめ登録したり、検索釦等などを押したりする面倒な操作を行う必要があり、ユーザを煩わせていた。
本発明は前述の問題点に鑑み、画像表示中に容易な操作を行うことで画像検索を容易にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像検索装置は、入力された画像を表示する表示手段と、前記表示手段をユーザがタッチすることにより、前記画像中の領域を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された領域に含まれる人物または物に基づいて画像の検索を行う検索手段と、を有し、前記検索手段は、前記選択手段により領域が選択された後のユーザのタッチ操作に応じて、画像の検索の条件を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像検索を行う条件を、表示中の画像内で指定した任意領域より抽出し、画像送りを行った場合に該当する情報が含まれる画像のみを表示するようにしたので、対象となる画像のみを検索して表示させることができる。
また、本発明の他の特徴によれば、表示中の画像内の検索条件画像指定手順にて画像検索条件の抽出と決定とを行い、画像検索条件に該当する情報が含まれる画像のみを検索し表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の画像検索装置の構成例を説明するブロック図である。
【図2】印刷する画像を選択する際の画像選択処理を示したフローチャートである。
【図3】画像送り等の画像選択に関する操作の一例を説明する図である。
【図4】画像情報解析処理および画像検索処理を説明するフローチャートである。
【図5】画像検索結果表示について説明するフローチャートである。
【図6】画像表示装置に表示する例を示す図である。
【図7】第2の実施形態を示し、画像選択処理を示したフローチャートである。
【図8】第2の実施形態を示し、操作の一例を説明する図である。
【図9】第2の実施形態を示し、操作の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下に、図1を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する画像検索装置をプリンタに適用した例は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本実施形態では取り扱う画像データの一例としてJPEG形式としているが画像データフォーマットについても実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
図1において、101は電源装置であって、本実施形態のプリンタ(印刷装置117)全体に電源の供給を行う。102は各種メモリカードをセットするカードリーダであって、メモリカードに記録された画像データを読み出すことができる。103は通信部であって、デジタルカメラと接続を行うことによってデジタルカメラから送信される画像データの受信を行うことができる。なお、本実施形態では取り扱う画像データはJPEG形式であるものとする。
【0012】
104はIO制御部であって、通信部103とカードリーダ102のどちらを有効にするか判断する。また、同時に有効にならないように排他制御を行う。105は不揮発性メモリ(ROM)であって、プリンタを制御するプログラムや、プリンタを操作するためのメニュー画像データなどが収められている。
【0013】
106はプリンタ全体を制御するシステム制御部であって、ROM105に収められているプログラムに沿ってプリンタ全体の制御を行う。また、後述するタッチパネル操作部112に描かれた図形とプリンタの操作処理の対応付けも行う。107は揮発性メモリ(RAM)であって、IO制御部104を通して通信部103またはカードリーダ102から読み出した画像データの保持を行ったりする。
【0014】
108は画像処理部であって、RAM107やROM105から読み出されたJPEG画像の伸張処理やリサイズ、レイアウトの配置などを行う。尚、本実施形態では、伸張処理はJPEG形式からYUV形式への変換とする。109は画像表示装置110に表示する画像を保持しておくVRAM領域であって、画像処理部108によってRAM107やROM105に保持された画像の伸張とリサイズを行う。VRAM領域109に保持することにより、入力された任意の画像を画像表示装置110に表示することが可能となる。
【0015】
画像表示装置110は、VRAM領域109に保持された画像データの読み出しを行って印刷画像の表示や、メニュー画像の表示を行う。また、表示面には後述のタッチパネル操作部112が覆われている。111は、UI操作部であって、電源釦や印刷釦が備わっており、釦を操作することにより電源のON、OFFや、印刷処理が行える。
【0016】
112は、タッチパネル操作部であって、タッチパネルにタッチペン等で図形を描くことにより、画像送り等の画像選択に関する操作が行える。例えば、図3の302のように、描かれた図形がX軸方向へ進んだ場合は画像送り操作として扱われる。113は、画像検索装置であり、UI操作部の操作に従って、カードリーダに保存されている画像の各種検索が行われる。
【0017】
114は被写体認証装置であり、システム制御部106の命令に従って、画像検索や画像処理を行う際に使用される。115は画像補正部であって、ユーザが決めた印刷条件によって画像処理部108で作成されたYUV画像の明るさ、コントラスト、特定近似色パターンなどの各種補正処理を行う。
【0018】
116は印刷画像生成部である。本実施形態での印刷装置117は昇華型の熱転写記録方式で、インクシートと用紙が一体になったインクカートリッジを採用する。インクシートは、用紙の印画領域を覆ってそのサイズとほぼ等しいサイズでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インク層とオーバーコート(OP)層が並べて設けられたものである。各層ずつ熱転写しては、用紙を記録開始位置に戻し、用紙上に、順次重ねて転写される。
【0019】
印刷画像生成部116では、画像補正部115によって補正されたYUV形式からYMC形式への変換を行う。また、ここでは、YMC変換された画像へ、スタンプや吹き出し、文字列などの合成処理が行われる。印刷装置117は、印刷画像生成部116において生成されたY・M・C各色のデータを用いてY・M・C各インク層を用紙に順次熱転写しては用紙を記録開始位置に戻して全色の印刷を行う。
【0020】
続いて、第1の実施形態の動作について、図2〜図4を用いて、本実施形態のプリンタの全体動作について説明を行う。この処理は、メモリカードから画像を読み込み、画像表示装置110に印刷する画像が表示された場合の動作を示している。
【0021】
図2は、カードリーダ102に挿入されているメモリカードから印刷する画像中の領域を選択する際の画像選択処理を示したフローチャートである。その時の画像表示装置110を示したのが図3の301であり、選択中の画像が表示される。また、画像表示装置110にはタッチパネル操作部112が覆われており、ユーザがタッチパネルを操作するタッチ操作を行うことにより、プリンタの操作を行うことが可能となっている。
【0022】
まず、カードリーダ102に挿入されたメモリカードから任意の画像を読み出し、RAM107へ画像の読み込みを行う(S201)。メモリカードから読み出された画像は画像処理部108で画像表示に適したサイズにリサイズされVRAM領域109に送られる。
【0023】
次に、画像表示装置110の再読み込みを行い、画像表示装置110に読み込まれた画像を表示する(S202)。
次に、UI操作部111にある電源ボタンが押されたか否かの判断を、システム制御部106で行う(S203)。押されていればプリンタの電源を切る。また、押されていなければ、タッチパネル操作部112にて、画像表示装置110に描かれた図形の識別をシステム制御部106で行う(S204)。
【0024】
次に、S204で描かれた図形が図3の302のような画像送りの操作に対応するものであるか否かを判断する(S205)。画像送り操作であるとS206へと進み、メモリカードから現在表示されている画像とは別の画像をメモリカードから読み込みを行い、リサイズし、それをVRAM領域109に送って保持する。その後、S202へ戻り新しい画像の表示が行われる。
【0025】
S205の判断で、画像送りの操作が行われていないと判断された場合は、システム制御部106にて、S204で描かれた図形が、画像表示装置110に表示された任意の画像領域を指定する画像領域指定であるか否かを判断する(S207)。ここで、「任意の画像領域指定」とは、例えば、図3の303のように円を描いた場合である。
【0026】
任意の画像領域が指定されていないと判断された場合は、S203へと戻る。S204で描かれた図形を元に被写体認証領域を決定する(S208)。領域の決定方法は、図3の304のように、描かれた円を外接する四角形を被写体認証領域とする。次に、S208で決定された被写体認証領域に対応する枠が、図3の305のように点線にて画像表示装置110に描写される(S209)。
【0027】
次に、現在時刻の取得がシステム制御部106にて行われる(S210)。
次に、再度、現在時刻の取得が行われ、S209で取得された時刻との差分を取ることによりS204にて任意の領域が指定されてからの経過時間取得を行うための経過時間:Tが計測される(S211)。
【0028】
次に、経過時間:Tが予め決められている閾値Th_Tよりも所定時間以上経過しているか判断する(S212)。経過していると判断された場合は、S209で画像表示装置110に描写された被写体認証領域を消去し(S213)、その後に、S203へと戻る。一方、Th_Tよりも時間が経過していないと判断された場合は、再度、タッチパネル操作部112にて、画像表示装置110に描かれた図形の識別を行う(S214)。
【0029】
次に、S214で識別された図形が画像送りの操作に対応するものであるか判別をシステム制御部106にて行う(S215)。画像送りの図形であると判断された場合は、後述する画像情報解析処理および画像検索(人物検索)処理が行われる(S216)。その後、後述する画像検索結果の表示制御が行われ、処理を終える(S217)。
【0030】
一方、S215の判断で、画像送りの図形ではないと判断された場合、再度任意の領域が選択されたか否かをシステム制御部106にて判断を行う(S218)。選択されたら、画像表示装置110に描かれている被写体認証領域305を、S214で選択された被写体認証領域に変更し(S219)、その後、S220へと進む。
【0031】
一方、S218の判断で選択されていなければ、S214で識別された図形が、被写体認識領域指定キャンセル処理であるか否かを判断する(S221)。キャンセル処理であった場合はS213へ戻り、そうでなかった場合はS220へと進む。ここで、キャンセル処理とは、例えば図3の306のように、描写されている被写体認証領域の上に×印の図形が描かれた場合をキャンセル処理とする。電源ボタンが押されたかの判断を行い(S220)、押されたと判断された場合は、処理を終え、そうでない場合はS210へと戻る。
【0032】
次に、図4のフローチャートを用いて、図2のS216で行なわれる画像情報解析処理および画像検索処理について詳細に説明する。
まず、検索した画像の枚数を示す変数nと、後述する検索条件に一致する画像の枚数を示す変数Kに0を代入して初期化する(S401)。
次に、S208またはS219で設定された図3の305の被写体認識領域について被写体認識(物体認識)処理を行う(S402)。
【0033】
次に、S402にて行われた被写体認識処理において、被写体が認識されたか否かを判断する(S403)。被写体が認識されなかった場合は、S412へ進み処理を終了する。認識された場合は、S404へと進む。ここで、S402にて人物Aが認識(人物認証)されたとする。
次に、カードリーダ102に接続されているメモリカードに含まれる枚数:Nの取得を行う(S404)。
【0034】
次に、検索した画像の枚数を示す変数nに1が加えられる(S405)。
次に、n枚目の画像がメモリカードからRAM107へと読み込まれる(S406)。次に、RAM107に読み込まれた画像に対して、被写体認証装置114が被写体認証を行う(S407)。
【0035】
次に、S402で認証された人物AがS406で認識された複数の人物に含まれているか判断する(S408)。含まれている場合はn枚目の画像のメモリー内での位置を示すアドレスがRAM107などに保存される(S409)。次に、Kに1が加えられ(S410)、n=Nであるか判断する(S411)。n=Nであると判断された場合は、S406へ戻り、そうでない場合はS412へ進んで処理を終える。
【0036】
次に、図5のフローチャートを用いて、図2のS217の画像検索結果表示について説明する。
まず、図4のフローチャートでの変数nの値が0であるか判断する(S501)。ここでn=0とは、図4のフローチャートより、S403にて被写体が認識されなかったことを意味する。
【0037】
n=0であった場合は、S502へ進み、そうでない場合はS503へと進む。図6の601のように被写体が認識されなかった旨を画像表示装置110に表示し、図2のS213へ戻る(S502)。変数K=0であるか判断する(S503)。ここで、変数K=0とは、S402にて認識された被写体が、他の画像に映っていなかったことを意味する。
【0038】
K=0であった場合は、図6の602のように、一致する被写体が見つからなかった旨を画像表示装置110に表示し(S504)、図2のS213へ戻る。K=0でなかった場合は、図6の603のように、画像表示装置110に人物Aが映っている画像を表示し処理を終える(S505)。
【0039】
以上により、画像表示装置110に画像表示中に特定の領域を指定してから画像送りを行った場合についてのみ、画像検索を行うようにする。これにより、特定の領域が指定されなかった場合は通常の画像送りになるため、ユーザはメニューを切り替えることなく簡単な操作で画像の検索が可能となる。
【0040】
また、本実施形態では、図1の画像検索装置113にて画像検索処理が行われている例を説明したが、これに限らず、画像検索処理プログラムを図1のROM105に予め記憶させておき、システム制御部106がプログラムに沿って検索処理を行ってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、図1の被写体認証装置114にて被写体認証処理が行われている例を説明した。これに限らず、被写体認証処理プログラムを図1のROM105に予め記憶させておき、システム制御部106がプログラムに沿って被写体認証処理を行ってもよい。
【0042】
また、本実施形態の検索結果表示が図6の603のように複数の画像を表示するマルチ表示であったが、これに限らず、図2のS204またはS214で実施されるタッチパネルでの操作の形状によって、検索後の結果表示方法を変更してもよい。
【0043】
例えば、図3の302のようなX軸方向へ進むような操作であった場合は、図6の603のようなマルチ表示を行い、図3の307のようなY軸方向へ進むような操作であった場合は、図6の604のような1枚表示にしてもよい。
以上、説明したように、本実施形態によれば、タッチパネルなどで、ユーザが画像領域を指定して画像送り操作を行うと、その画像領域に含まれる1人の人物を検索して表示することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態の動作について、図7〜図9を用いて説明する。本実施形態の処理はメモリカードから画像を読み込み、印刷する画像が画像表示装置110に表示された場合の動作を示している。なお、本実施形態の装置構成は、前述した図1と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0045】
図7は、カードリーダ102に挿入されているメモリカードから印刷する画像を選択する際の画像選択処理の手順を示したフローチャートである。その時の画像表示装置110を示したのが図8の801であり、選択中の画像が表示される。また、画像表示装置110にはタッチパネル操作部112が覆われており、タッチパネルによるプリンタの操作が可能となっている。
【0046】
まず、カードリーダ102に挿入されたメモリカードから任意の画像をRAM107へ読み出す。読み出された画像は、画像処理部108で画像表示に適したサイズにリサイズされVRAM領域109に送られる(S701)。次に、画像表示装置110の再読み込みを行い、画像表示装置110に読み込まれた画像が表示される(S702)。
【0047】
次に、UI操作部111にある電源ボタンが押されたか否かの判断をシステム制御部106で行い(S703)、押されていればプリンタの電源を切る。押されていなければ、タッチパネル操作部112にて、画像表示装置110に描かれた図形の識別をシステム制御部106で行う(S704)。
【0048】
次に、S704で描かれた図形が図8の802のような画像送りの操作に対応するものであるか否かの判別を行う(S705)。画像送り操作であると、メモリカードから現在表示されている画像とは別の画像をメモリカードから読み込みを行い、リサイズののちにVRAM領域109に送られ、S702へ戻り新しい画像の表示が行われる(S706)。
【0049】
S705で、画像送りの操作が行われていないと判断された場合は、システム制御部106にて、S704で描かれた図形が、画像表示装置110に表示された画像の任意の領域を指定するものであるか否かを判断する(S707)。ここで、「任意の領域を指定するもの」とは、例えば、図8の803や図9の815のように円形の範囲を描いた場合である。
【0050】
任意の領域が指定されていると判断された場合は、S708へと進み、指定されていなければ、S703へと戻る。S708では、S704で描かれた図形を元に被写体認証領域を決定する。領域の決定方法は、図8の804や図9の812のように、円形に描かれた範囲に内接する領域を被写体認証領域とする。
【0051】
次に、S708で決定された被写体認証領域内画像情報より、図8の805や図9の816のように検索条件の抽出を行う(S709)。また、図9の816のように、単一の被写体認証領域内に検索条件が複数含まれる場合は、双方の検索条件に合致した画像情報検索となる。一方、図8の804及び図8の807のように、単一の被写体認証領域内ではなく、複数の異なる被写体認証領域内(この場合は2つ)に複数の検索条件が含まれる場合、図8の805及び図8の808のように2つを選択可能となる。このような場合には、どちらかの検索条件に合致した画像情報が含まれる画像情報検索を行うことで、検索条件の詳細設定を決定する。
【0052】
次に、S709において確定した選択範囲及び検索条件画像情報を元画像に重畳し、画像表示装置110に表示する(S710)。
次に、タッチパネル操作部112にて、画像表示装置110に描かれた図形情報の取得を再度行う(S711)。そして、取得した図形情報が画像送りの操作に対応するものであるか否かを判別を行う(S712)。識別された図形が図9の809に示すように、選択範囲の領域外で画像送りの操作に対応するものと判断された場合は、画像情報解析処理および画像検索処理を行う(S717)。本実施形態においては、画像情報解析処理を行う指定画像領域の対象範囲は、単一または複数の指定により行う。その後、検索該当ファイル群より条件に適合した情報が含まれる画像のみを表示する(S718)。
【0053】
次に選択条件追加が行われた場合の処理について説明を行う。
S713の判断において、取得された画像表示部に描かれた図形情報が図8の806に示すように、既に選択条件として設定されている箇所と異なる「任意の領域を指定するもの」の場合がある。このような場合は、S711で決定された被写体認証領域内画像情報より、検索条件判定範囲表示として、図8の807を被写体認証領域内とし、図8の808の抽出を行う(S714)。
【0054】
次に、すでに確定している情報に加え新たに確定した選択範囲及び検索条件画像情報を元画像に重畳する(S715)。次に、画像表示装置110に表示し(S716)、その後、S711に戻る。
【0055】
次に、選択条件変更が行われた場合の処理について説明を行う。
一方、S713の判断において、取得された画像表示部に描かれた図形情報が図9の810に示すように既に選択条件として設定されている範囲内と判断された場合、図9の811に示すように指定された検索条件の登録削除を行う(S719)。
【0056】
次に、削除された検索条件を特定した検索範囲内に他の検索条件が存在するか否かを判定する(S720)。該当検索範囲に他の検索条件がない場合は、検索範囲情報の削除を行う(S721)。また、図9の812に示す検索範囲内に複数の検索条件が存在する状態で、図9の813で示すように、そのうちのどれかに対して削除要求が行われたと判定した場合は、図9の814で示すように、検索範囲情報の削除は行わない。なお、複数の検索条件画像が設定された場合、必要としない検索該当条件の設定解除を行うようにする。
次に、新たに確定した選択範囲及び検索条件画像情報を元画像に重畳し画像表示装置110に表示し(S716)、その後、S711に戻る。
【0057】
以上により、画像表示中に領域指定と指定範囲内で生成された特定画像を検索条件とし、条件に合致した画像のみを画像送りして表示することができる。これにより、ユーザはメニューを切り替えることなく簡単な操作で画像の検索が可能となる。
【0058】
また、本実施形態では画像検索処理が図1の画像検索装置113にて行われているが、これに限らず、画像検索処理プログラムを図1のROM105に予め記憶させておき、
システム制御部106がプログラムに沿って検索処理を行ってもよい。また、本実施形態では被写体認証処理が図1の被写体認証装置114にて行われているが、これに限らず、被写体認証処理プログラムを図1のROM105に予め記憶させておき、システム制御部106がプログラムに沿って被写体認証を行ってもよい。
【0059】
また、画像情報解析を行う場合には、特定の近似色のパターンに基いて検索条件画像を生成するようにしてもよいし、指定された任意領域内画像から検索条件画像を生成してもよい。
また、前述した実施形態はプリンタでの画像検索について述べたが、プリンタの替わりにデジタルカメラなどでもよい。
【0060】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワークまたは各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0061】
102 カードリーダ、103 通信部、104 IO制御部、105 ROM、106 システム制御部、107 RAM、108 画像処理部、109 VRAM、110 画像表示装置、111 UI操作部、112 タッチパネル操作部、113 画像検索装置、114 被写体認証装置、115 画像補正部、116 印刷画像生成部、117 印刷装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像を表示する表示手段と、
前記表示手段をユーザがタッチすることにより、前記画像中の領域を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された領域に含まれる人物または物に基づいて画像の検索を行う検索手段と、を有し、
前記検索手段は、前記選択手段により領域が選択された後のユーザのタッチ操作に応じて、画像の検索の条件を決定することを特徴とする画像検索装置。
【請求項2】
さらに、前記選択手段により選択された領域の画像を解析し、当該領域に含まれる人物または物の情報を取得する解析手段を有し、
前記検索手段は、前記解析手段により取得した情報に基づいて、画像の検索を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記表示手段に前記検索手段により検索された画像を表示させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記選択手段によって領域が選択されてからの経過時間を計測する手段を有し、
前記選択手段によって領域が選択されてから所定時間以上経過した場合は、前記選択された領域に含まれる人物または物に基づく画像の検索は行わないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記検索手段は、前記選択手段によって領域が選択された後に、画像送りのためのタッチ操作が行われたことに応じて、検索を開始することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項6】
前記検索手段は、前記選択手段によって領域が選択された後に、ユーザにより行われたタッチ操作が、前記選択手段により選択された領域内においてタッチされたか、前記選択された領域外でタッチされたかに応じて、検索条件を変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項7】
前記検索手段は、前記選択手段によって領域が選択された後に行われたタッチ操作の形状に応じて、検索条件を変更することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項8】
前記選択手段は複数の領域を選択可能であり、前記検索手段は、前記選択手段により選択された複数の領域のうち、それぞれの領域に含まれる人物または物をすべて含む画像を検索することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項9】
前記選択手段により選択された領域の中に複数の人物または物が含まれている場合、前記検索手段は、前記複数の人物または物のうちの少なくともいずれか1人の人物または物を含む画像を検索することを特徴とする請求項8に記載の画像検索装置。
【請求項10】
入力された画像を表示する表示手段と、
前記表示手段をユーザがタッチすることにより、前記画像中の領域を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された領域に含まれる人物または物に基づいて画像の検索を行う検索手段と、を有し、
前記選択手段は複数の領域を選択可能であり、
前記選択手段により複数の領域が選択された場合、前記検索手段は、前記選択手段により選択された複数の領域のうち、それぞれの領域に含まれる人物または物をすべて含む画像を検索し、
前記選択手段により選択された領域の中に複数の人物または物が含まれている場合、前記検索手段は、前記複数の人物または物のうちの少なくともいずれか1人の人物または物を含む画像を検索することを特徴とする画像検索装置。
【請求項11】
入力された画像を表示装置に表示する表示工程と、
前記表示装置をユーザがタッチすることにより、前記画像中の領域を選択する選択工程と、
前記選択工程により選択された領域に含まれる人物または物に基づいて画像の検索を行う検索工程と、を有し、
前記検索工程は、前記選択工程により領域が選択された後のユーザのタッチ操作に応じて、画像の検索の条件を決定することを特徴とする画像検索方法。
【請求項12】
入力された画像を表示装置に表示する表示工程と、
前記表示装置をユーザがタッチすることにより、前記画像中の領域を選択する選択工程と、
前記選択工程により選択された領域に含まれる人物または物に基づいて画像の検索を行う検索工程と、を有し、
前記選択工程は複数の領域を選択可能であり、
前記選択工程により複数の領域が選択された場合、前記検索工程は、前記選択工程により選択された複数の領域のうち、それぞれの領域に含まれる人物または物をすべて含む画像を検索し、
前記選択工程により選択された領域の中に複数の人物または物が含まれている場合、前記検索工程は、前記複数の人物または物のうちの少なくともいずれか1人の人物または物を含む画像を検索することを特徴とする画像検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−190272(P2012−190272A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53395(P2011−53395)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】