説明

画像生成方法

【課題】少なくとも1つの記号を描くための光跡画像の生成が可能な方法を提供する。この方法はユーザーの画像生成のサポートしたり、自動的に画像を作成したりすること。
【解決手段】少なくとも1つの記号を受信して、記号を第1画像上に選択して表示することができる。続いて、記号に基づいて、露光時間に、画像センサに投射された入射光の位置を変更する。こうして、記号に対応する光跡を有する画像を取り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成方法に関し、より詳しくは、光跡画像を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは画像を取り込む他に、搭載されている様々な機能で芸術作品を製作することができる。ライト・グラフィティを生成するには露光時間内にカメラを移動して、光点が形成する光跡を暗い背景画像上に重ね合わせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、一般のユーザーはカメラの使用に精通していなかったり、カメラの機能に制約されたりして、誰もがスムーズにライト・グラフィティを生成できるわけではない。従って、ユーザーのライト・グラフィティの生成をサポートしたり、ユーザーのニーズに応じて自動的にライト・グラフィティを生成したりするための斬新な方法が必要となった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、少なくとも1つの記号を描くための光跡画像の生成が可能な方法を提供することを主目的とし、この方法はユーザーの画像生成のサポートしたり、自動的に画像を作成したりすることができる。
【0005】
本発明によれば、少なくとも1つの記号を受信して、記号を第1画像上に表示することができる。続いて、記号に基づいて、露光時間に、画像センサに投射された入射光の位置を変更して、記号に対応する光跡を有する画像を取り込む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像生成方法は、少なくとも1つの記号を受信する工程と、この記号を第1画像上に表示する工程と、記号に基づいて、露光時間に、少なくとも1つの入射光が画像センサに投射された位置を変更して、記号に対応する光跡を有する画像を取り込む工程を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に適用可能な画像取込装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態における画像生成方法のフローチャートである。
【図3A】第1記号と第2記号を例示している。
【図3B】オリジナル記号と処理記号を例示している。
【図4A】記号を表示する順序を例示している。
【図4B】記号を表示する順序を例示している。
【図4C】記号を表示する順序を例示している。
【図4D】記号を表示する順序を例示している。
【図4E】記号を表示する順序を例示している。
【図4F】記号を表示する順序を例示している。
【図5A】図3Bにおける記号の水平/垂直(x/y)座標を示しており、この記号は露光時間中は停止しない。
【図5B】図3Bにおける記号の水平/垂直(x/y)座標を示しており、この記号は露光時間内の一定時間停止して動かない。
【図6】本発明に係る第2実施形態における画像生成方法のフローチャートである。
【図7A】本発明に係る第3実施形態における画像生成方法のフローチャートである。
【図7B】本発明に係る第3実施形態が変化した別のタイプの実施形態での画像生成方法のフローチャートである。
【図8A】レンズと画像センサの概略図である。
【図8B】レンズが画像センサに対向して上方に駆動されたことを示している。
【図8C】画像センサがレンズに対向して下方に駆動されたことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0009】
本発明の実施形態に係る画像取込装置において、図1は本発明に適用可能な画像取込装置1のブロック図を示している。本発明に係る実施形態では、画像取込装置1は光跡のある画像の生成が可能で、少なくとも1つの記号を描く。画像取込装置1はカメラ、携帯電話、撮影機、デジタルミュージックプレーヤ、PDA又はウェブカメラといった電子裝置内に設けられる。
【0010】
図1では、画像取込装置1は主に入力ユニット10、表示ユニット11、記憶装置13、及び計算センター14を備える。本実施形態における入力ユニット10は記号の入力用である。入力ユニット10はタッチパネル、グラフィックス・タブレット、指標入力装置、又はキーボードといった人間味のある入力装置でよい。本実施形態における表示ユニット11は画像と記号の表示が可能である。表示ユニット11は液晶表示装置或いは有機発光ダイオード表示装置でよいが、これらに限定されない。入力ユニット10と表示ユニット11は統合してタッチスクリーンとすることができる。記憶装置13は入力ユニット10が入力した記号を保存したり、事前に記号を保存したりする。記憶装置13はHDDや記憶装置といった画像取込装置1に内蔵され、或いは、メモリカード、SDメモリカードやマルチメディアメモリカードといった着脱式の記憶装置である。計算センター14は記号に電気信号処理を施すが、CPUやデジタル信号処理装置でよい。
【0011】
また、図1では、画像取込装置1はさらに制御装置17、画像センサ15A、センサ駆動装置15B、レンズ16A、レンズ駆動装置16B、及びシャッター18を備える。制御装置17はシャッター18の開閉を制御して、被写体からの光量を調節するが、このシャッター18は機械シャッターや電子シャッターでよい。また、制御装置17はレンズ駆動装置16Bを制御してレンズ16Aを駆動するが、これは像を精確にフォーカスするためのもので、画像センサ15Aに投射された画像をはっきりと生成することができる。さらに、制御装置17はセンサ駆動装置15Bを制御して画像センサ15Aを駆動するが、これは被写体からの入射光を受信するためのもので、この画像センサ15AはCCDやCMOS画像センサでよい。
【0012】
図1、図2、及び図3Aを併せて参照する。図2は本発明に係る第1実施形態における画像生成方法のフローチャートを示し、図3Aは第1記号12Aと第2記号12Bを例示している。図1に示された画像取込装置1は図2の工程に適用可能につき併せて参照する。工程101では、画像取込装置1は入力ユニット10で入力された記号を受信したり、記憶装置13から記号をダウンロードしたりして、記号を表示ユニット11に表示する。具体的には、図3Aでは、入力ユニット10から入力して表示ユニット11に表示する。先に述べたように、入力ユニット10と表示ユニット11は統合してタッチスクリーンとすることができ、記号は記憶装置13に保存することができる。
【0013】
図2、図1、及び図3Bによれば、工程102では、計算センター14で記号に電気信号処理を施すが、入力ユニット10で入力された記号の粗い線分をフィルタリングする。例えば、計算センター14で記号に低域フィルタリングや帯域フィルタリングを実行する。低域フィルタリングや帯域フィルタリングは有限インパルス応答又は無限インパルス応答で実施することができる。図3Bはオリジナル記号12Cと処理記号12Dを例示している。オリジナル記号12Cは粗い円形で、その円心は(0,0)に位置しており、半径は1である。計算センター14でオリジナル記号12に低域フィルタリングや帯域フィルタリングの処理を施すと、円心が(0,0)に位置する処理記号12Dは平滑な辺縁を有する。
【0014】
図2、図1によれば、工程100では、第1画像を取り込んで表示ユニット11に表示するが、この第1画像はプレビュー画像でよい。第1画像は少なくとも1つの光点と非光点領域を有し、この非光点領域と光点は各々少なくとも1つの画素を有し、この光点の画素の輝度値が第1画像の非光点領域の画素の輝度値より大きい。
【0015】
図2、図1によれば、工程103では、表示ユニット11で記号を第1画像上に重ね合わせて表示するが、このように重ね合わせて表示する場合、字幕表示技術で実施することができる。
【0016】
図2、図1によれば、工程104では、露光時間に画像センサ15Aに投射された入射光の位置を変更する。本実施形態では、シャッターボタンが押されて露光モードになると、シャッター18が開いて、ユーザーは表示ユニット11が表示した記号に基づいて画像取込装置1を移動するが、これは画像センサ15Aに投射された光点の位置を変更して記号を描くためのものである。即ち、ユーザーは光点と記号によって画像取込装置1を移動することで、記号を描く光跡を有する第2画像を取り込む。記号を描き終えるとシャッター18を閉じる。このシャッター18は再度シャッターボタンを押すことで閉じられ、或いは事前設定された露光時間が経過すると制御装置17が作動して閉じる。
【0017】
ユーザーが記号を描くのをサポートするために、本実施形態では記号の入力を時系列的に次第に強調する。図4Aから図4Fは記号の表示順序例を示している。図3A、図4Aから図4Fでは、第1記号12Aが次第に強調され、図4Aから図4Dに示されるように、この時の第2記号12Bは一時的に隠れる。図4Dでは、連続しない第1記号12Aと第2記号12Bの間で、画像センサ15Bの露光を遮断することにより、第1記号12Aと第2記号12Bの間には余計な光跡が生じない。この時間が経過すると、第2記号12Bが発現し、図4Eから図4Fのように、第2記号12Bも光跡により次第に強調される。画像センサ15Bを遮断して一時的に露光させない方法は電子シャッターを制御する方法により画像センサ15Bの作動を中断することができる。
【0018】
第1実施形態が変化した別の実施形態では、露光時間内の一定時間、画像取込装置1を動かさないままにして、はっきりと露光された背景画像を求めることができる。具体的には、露光時間を第1時間帯と第2時間帯の2つの時間帯に分け、第1時間帯を露光時間の前半部とし、第2時間帯を露光時間の後半部とする。第1時間帯では、入射光は固定されて画像センサ上に投射され、第2時間帯では、入射光が画像センサ上に投射される位置を変更する。図3B、図5A、及び図5Bのように、図5Aは図3Bの記号の水平/垂直(x/y)座標を示すが、この記号は露光時間内は全く停止しない。図5Bは図3Bの記号の水平/垂直(x/y)座標を示すが、この記号は第1時間帯では停止して動かない。図5Bにより操作された画像取込装置1で得られた露光背景は図5Aによるものより明晰である。
【0019】
図2、図1によれば、工程105では、第2画像の輝度値の調整が可能である。本実施形態では、輝度値の調整比率は画像取込装置1の計算センター14に内蔵されている。ユーザーは自分の感覚により第2画像の輝度値の微調整を行なうことも可能である。第2画像の輝度値は露光時間の長さに応じて調整比例を設定することができ、第2画像の露光時間が長過ぎて露光が過度にならないようにする。一般的に、露光時間が長いほど、輝度値の減少量も大きくなり、例えば露光時間の長短により、第2画像における各画素の輝度値について平均演算を行ったり、第1時間帯と第2時間帯について重み付けをして平均値を求めたりする。
【0020】
図6は本発明に係る第2実施形態における画像生成方法のフローチャートを示している。図1に示された画像取込装置1は図6の工程に適用が可能である。図6の工程は図2の工程に類似しているが、異なる点は、記号を受信する工程101の前に工程100’で第1画像を取り込むことにある。反対に、図2に示された第1実施形態では、記号を受信する工程101の後に工程100で第1画像を取り込む。本実施形態における工程101−105は第1実施形態と同様であるので、これ以上詳述しない。
【0021】
図7Aは本発明に係る第3実施形態における画像生成方法のフローチャートを示している。図1に示された画像取込装置1は図7Aの工程に適用可能である。図7Aの工程は図2の工程に類似しているが、異なる点は本実施形態では工程103が不要なことにある。本実施形態における工程101−102と105は第1実施形態と同様であることから、これ以上詳述しない。図7Bは本発明に係る第3実施形態が変化した別のタイプの実施形態のフローチャートを示している。図7Bの工程は図6の工程に類似しているが、異なる点は本実施形態では工程103が不要なことにある。
【0022】
図1、図7A、及び図7Bによれば、工程104では、制御装置17でセンサ駆動装置15Bを制御して画像センサ15Aを駆動したり、レンズ駆動装置16Bを制御して、レンズ16Aを駆動したりすることにより、画像センサ15Aとレンズ16Aが対向して動いて、画像センサ15Aに投射された入射光位置を変更する。図8Aはレンズ16Aと画像センサ15Aの概略図を示している。図8Bはレンズ16Aが画像センサ15Aに対向して上方に駆動されて、画像センサ15Aに投射された入射光位置も上方に駆動される。本実施形態では、記号を描く光跡は画像センサ15Aに取り込まれた第2画像上に生成される。
【0023】
図1、図7A、及び図7Bによれば、第3実施形態が変化した別のタイプの実施形態における工程104では、制御装置17でセンサ駆動装置15Bを制御して画像センサ15Aを駆動することで、画像センサ15Aとレンズ16Aが対向して動いて、画像センサ15Aに投射された入射光位置を変更する。例えば、図8Cは画像センサ15Aがレンズ16Aに対向して下方に駆動され、画像センサ15Aに投射された入射光の位置が上方に駆動されたことを示している。
【0024】
図1、図7A、及び図7Bによれば、第3実施形態が変化した別のタイプの実施形態における工程104では、図3Aに例示された第1記号12Aと第2記号12Bの間のように、露光時間において、隣接する記号間の移行時間にシャッター18を閉じる。このように、第1記号12Aと第2記号12Bの間には余分な光跡が生じない。
【0025】
上述の実施例は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0026】
1 画像取込装置
10 入力ユニット
11 表示ユニット
12A 第1記号
12B 第2記号
12C オリジナル記号
12D 処理記号
13 記憶装置
14 計算センター
15A 画像センサ
15B センサ駆動装置
16A レンズ
16B レンズ駆動装置
17 制御装置
18 シャッター
100−105 工程
100’工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの記号を受信する工程と、
前記記号を第1画像上に表示する工程と、
前記記号に基づいて、露光時間に、少なくとも1つの入射光が画像センサに投射された位置を変更して、前記記号に対応する光跡を有する画像を取り込む工程と、
を含むことを特徴とする画像生成方法。
【請求項2】
前記記号を受信した後、前記記号に電気信号処理、低域フィルタリング又は帯域フィルタリングを施す工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像生成方法。
【請求項3】
前記記号を受信する前後に、少なくとも1つの光点のある前記第1画像を取り込む工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像生成方法。
【請求項4】
前記第1画像は更に非光点領域を有し、前記非光点領域と前記光点はそれぞれ少なくとも1つの画素を有し、前記光点における前記画素の輝度値は前記非光点領域における前記画素の輝度値より大きいことを特徴とする請求項3に記載の画像生成方法。
【請求項5】
前記入射光が前記画像センサ上に投射される位置を変更する工程は、前記露光時間に、前記記号に基づいてレンズと前記画像センサの対向位置を移動して、前記光跡を生成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像生成方法。
【請求項6】
前記入射光が前記画像センサ上に投射される位置を変更する工程は更に、
前記露光時間の第1時間帯に、前記入射光が固定されて前記画像センサ上に投射される工程と、
前記露光時間の第2時間帯に、前記入射光が画像センサ上に投射される位置を変更する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1又は5に記載の画像生成方法。
【請求項7】
前記第1時間帯と前記第2時間帯に基づいて、前記画像における複数画素の各輝度値について加重平均演算を行なうことを特徴とする請求項6に記載の画像生成方法。
【請求項8】
前記第1時間帯は前記露光時間の前半部分で、前記第2時間帯は前記露光時間の後半部分であることを特徴とする請求項6に記載の画像生成方法。
【請求項9】
前記入射光が前記画像センサ上に投射される位置を変更する工程はさらに、連続しない前記複数の記号の間で、前記画像センサは露光を停止することを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像生成方法。
【請求項10】
前記画像センサは電子シャッター又は機械シャッターを閉じることにより露光を停止することを特徴とする請求項9に記載の画像生成方法。
【請求項11】
前記露光時間の長さに応じて、前記画像における各画素の輝度値を調整する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像生成方法。
【請求項12】
前記時間の長さに応じて、前記画像における複数の画素の各輝度値について平均演算を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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