説明

画像生成装置、画像生成方法及びプログラム

【課題】元画像の輪郭を適正に表現したモザイク画像を生成する。
【解決手段】画像生成装置100であって、モザイク画像の元となる一の元画像を取得する第1取得部61と、この第1取得部により取得された元画像を複数の画像領域に分割する画像分割部62と、複数の素材画像を取得する第2取得部63と、複数の画像領域及び複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域の各々について、複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する画像特定部64と、この画像特定部により特定された類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の一の画像における各位置に組み合わせて合成し、元画像のモザイク画像を生成する画像生成部65と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モザイク画像を生成する画像生成装置、画像生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理対象の元画像の複数のブロックの各々に、ブロック及び素材画像における小領域どうしの所定の色空間での距離を考慮して、各ブロックに対応する素材画像を特定する画像処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3584179号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、ブロックと素材画像の代表色どうしの所定の色空間での距離を考慮しているに過ぎず、元画像の輪郭を構成するブロックと見た目が似ていない素材画像が特定されてしまい、当該元画像の輪郭をモザイク画像にて適正に表現することができない虞がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、元画像の輪郭を適正に表現したモザイク画像を生成することができる画像生成装置、画像生成方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の画像生成装置は、
モザイク画像の元となる一の画像を取得する第1取得手段と、この第1取得手段により取得された一の画像を複数の画像領域に分割する分割手段と、複数の素材画像を取得する第2取得手段と、前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する特定手段と、この特定手段により特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する生成手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
また、本発明の画像生成方法は、
画像生成装置を用いた画像生成方法であって、モザイク画像の元となる一の画像を取得する工程と、取得された一の画像を複数の画像領域に分割する工程と、複数の素材画像を取得する工程と、前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する工程と、特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
画像生成装置のコンピュータを、モザイク画像の元となる一の画像を取得する第1取得手段、この第1取得手段により取得された一の画像を複数の画像領域に分割する分割手段、複数の素材画像を取得する第2取得手段、前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する特定手段、この特定手段により特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する生成手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、元画像の輪郭を適正に表現したモザイク画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した実施形態1の画像生成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像生成装置による画像どうしの類似を説明するための図である。
【図3】図1の画像生成装置に記憶されている画像の一例を模式的に示す図である。
【図4】図1の画像生成装置による画像生成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図4の画像生成処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【図6】図4の画像生成処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【図7】本発明を適用した実施形態2の画像生成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図7の画像生成装置による画像生成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
[実施形態1]
実施形態1の画像生成装置100は、一の元画像L(図3(a)参照)から分割された複数の画像領域A、…(図5参照)及び複数の素材画像T、…(図3(b)参照)の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域A、…の各々について、複数の素材画像T、…の中から各画像領域Aに類似する類似素材画像Ts(図6(a)参照)をそれぞれ特定する。そして、画像生成装置100は、特定された類似素材画像Tsをそれぞれが対応する画像領域Aの元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像M(図6(b)参照)を生成する。
【0013】
図1は、本発明を適用した実施形態1の画像生成装置100の概略構成を示すブロック図である。
画像生成装置100は、例えば、ワークステーションなどのコンピュータにより構成され、図1に示すように、中央制御部1と、操作入力部2と、表示部3と、記憶部4と、通信制御部5と、画像処理部6とを備え、通信制御部5が所定の通信ネットワークNを介して各種情報を送受信可能に接続されている。
【0014】
中央制御部1は、画像生成装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部1は、例えば、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、ROMに記憶された画像生成装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。その際に、CPUは、RAM内の格納領域内に各種処理結果を格納させ、必要に応じてその処理結果を表示部3に表示させる。
RAMは、CPUにより実行される処理プログラム等を展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域などを備える。
ROMは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されたプログラム、具体的には、画像生成装置100で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラムや、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ等を記憶する。
【0015】
操作入力部2は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウス等を備え、ユーザにより押下されたキーの押下信号やマウスの操作信号を中央制御部1のCPUに出力する。
なお、操作入力部2としてタッチパネル(図示略)を表示部3の表示画面に配設して、タッチパネルの接触位置に応じて各種の指示を入力するような構成としても良い。
【0016】
表示部3は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイから構成され、中央制御部1のCPUの制御下にて各種情報を表示画面に表示する。
【0017】
記憶部4は、例えば、半導体の不揮発メモリやHDD(Hard Disc Drive)等により構成され、所定の画像形式(例えば、JPEG形式等)の各種の画像の画像データを記憶する。
具体的には、記憶部4は、モザイク画像Mの生成元の元画像L(図3(a)参照)となる画像の画像データを所定数記憶する。元画像Lとなる画像の画像データは、例えば、図示しない撮像装置により撮像された所定の画像サイズ(例えば、1千万画素程度)の画像データである。
また、記憶部4は、モザイク画像Mを構成する複数の素材画像T、…(例えば、n個の素材画像T1〜Tn:nは1より大きい自然数;図3(b)参照)の画像データを記憶する。素材画像Tの画像データは、例えば、インターネット上にWebページを開設するサーバ等の外部機器(図示略)から所定の通信ネットワークNを介して通信制御部5により受信された所定の画像サイズの画像データである。
ここで、素材画像Tの画像サイズは、例えば、モザイク画像Mを生成する関係上、生成元の元画像Lの画像サイズよりも小さいものが好ましく、当該元画像Lから分割された画像領域Aの画像サイズと略等しいものがより好ましい。なお、素材画像Tの画像サイズが、生成元の元画像Lや画像領域Aの画像サイズよりも大きい場合であっても、トリミングや画像の縮小等により当該素材画像Tの画像サイズをより小さくするようにしても良い。
【0018】
なお、元画像Lや素材画像Tの画像データは、図示しない記録媒体を介して記憶部4により取得された画像データであっても良い。
【0019】
通信制御部5は、例えば、モデム(MODEM:Modulater/DEModulater)、ターミナルアダプタ(Terminal Adapter)等によって構成され、所定の通信ネットワークNを介してサーバ等の外部機器との間で情報(例えば、素材画像Tの画像データ等)の通信制御を行うためのものである。
【0020】
なお、通信ネットワークNは、例えば、専用線や既存の一般公衆回線を利用して構築された通信ネットワークであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用することが可能である。また、通信ネットワークNには、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
【0021】
画像処理部6は、第1取得部61と、画像分割部62と、第2取得部63と、画像特定部64と、画像生成部65とを具備している。
【0022】
第1取得部61は、一の元画像Lを取得する。
即ち、第1取得部61は、モザイク画像M(図6(b)参照)の生成元となる元画像Lの画像データを記憶部4から取得する(図3(a)参照)。具体的には、第1取得部61は、例えば、記憶部4に記憶されている所定数の画像の中で、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて指定されたユーザ所望の画像を、モザイク画像Mの生成元の元画像Lとして取得する。
なお、第1取得部61は、記憶部4に記憶されている所定数の元画像Lの中で、例えば、デフォルトとして予め定められている一の画像を、生成元の元画像Lとして自動的に取得する構成としても良い。
【0023】
画像分割部62は、一の元画像Lを複数の画像領域A、…に分割する。
即ち、画像分割部62は、第1取得部61により取得された元画像Lを複数の画像領域A、…に分割する。具体的には、画像分割部62は、例えば、一の元画像Lの全体を水平方向及び垂直方向がそれぞれ所定画素(例えば、640×480画素等)からなる12個の画像領域A1〜A12(図5参照)に分割する。
なお、上記した画像領域Aの画像サイズ及び画像領域Aの形状は一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0024】
第2取得部63は、複数の素材画像T、…を取得する。
即ち、第2取得部63は、モザイク画像Mを構成する複数の素材画像T、…の画像データを記憶部4から取得する。具体的には、第2取得部63は、例えば、記憶部4に記憶されている複数の素材画像T、…のうち、全ての素材画像T、…を取得するか、或いは、所定数の素材画像T、…を取得する。このとき、第2取得部63は、第1取得部61により取得された元画像Lの画像サイズ(水平方向及び垂直方向の各画素数)よりも小さい画像サイズの素材画像Tを取得するのが好ましい。
【0025】
画像特定部64は、複数の画像領域A、…の各々について、類似する類似素材画像Tsをそれぞれ特定する。
即ち、画像特定部64は、画像分割部62により分割された複数の画像領域A、…の各々について、第2取得部63により取得された複数の素材画像T、…の中から各画像領域Aに類似する類似素材画像Tsを特定する。
具体的には、画像特定部64は、第1特定部64aと、第1判定部64bと、第2特定部64cと、第2判定部64dと、更新部64eと、第3特定部64fとを具備している。
【0026】
第1特定部64aは、複数の素材画像T、…の各々について、類似度が最も高い画像領域Aを特定する。
即ち、第1特定部64aは、第2取得部63により取得された複数の素材画像T、…の各々について、画像分割部62により分割された複数の画像領域A、…の各々との類似度を算出し、複数の画像領域A、…の中で各素材画像Tとの類似度が最も高い画像領域Aを特定する。具体的には、第1特定部64aは、例えば、複数の素材画像T、…の中で、処理対象となる一の素材画像Tk(kはnより小さい自然数)を特定する(図5参照)。ここで、一の素材画像Tkの画像サイズが、一の画像領域Aの画像サイズと異なる場合には、この画像領域Aの画像サイズに合わせて当該一の素材画像Tkの画像サイズを変更しても良いし、トリミングを行っても良い。
次に、第1特定部64aは、複数の画像領域A、…の各々と一の素材画像Tkとの類似度を算出する。具体的には、第1特定部64aは、複数の画像領域A、…のうち、一の画像領域A(例えば、画像領域A1等)を処理対象として、当該処理対象の一の画像領域A及び一の素材画像Tkにおける各画素の色情報及び画素値の変化の度合(例えば、輝度値の勾配)に基づいて、類似度を算出する。
例えば、第1特定部64aは、下記式(1)に基づいて、一の画像領域A及び一の素材画像Tの全ての画素について、対応する画素どうしのRGB色空間の各成分の距離と、当該画素どうしの輝度値のx軸方向(水平方向)及びy軸方向(垂直方向)の勾配(変化の度合)とを加算した値の総和が最小となる類似度判定値を算出し、当該類似度判定値を所定の演算式に従って換算して類似度を算出する。
【数1】

なお、上記式(1)において、「R」、「G」、「B」は、それぞれRGB色空間におけるR(Red)、G(Green)、B(Blue)の各成分の色情報(画素値)、「Gx」、「Gy」は、それぞれ各画素におけるx軸方向の輝度値の勾配(変化の度合)、y軸方向の輝度値の勾配(変化の度合)を表している。また、上記式(1)において、「p」、「q」は、それぞれ一の画像領域A及び一の素材画像Tの画像データを表し、「i」、「j」は、一の画像領域A及び一の素材画像Tの各画素のx軸方向及びy軸方向の座標を表している。また、「argmin」は、関数値を最小にする数値を導出する記号を表している。
【0027】
なお、第1特定部64aは、上記式(1)において、処理対象の一の画像領域A及び一の素材画像Tの画素どうしの輝度値の所定方向の勾配(変化の度合)を、例えば、前方差分、中心差分、後方差分等を用いた微分フィルタを適用することで算出しても良い。ここで、第1特定部64aは、必ずしも微分フィルタを適用する必要はなく、画像領域A及び素材画像Tの各画素の画素値の所定方向の変化の度合を算出可能な手法であれば如何なる手法を用いても良く、例えば、微分フィルタの代わりに、ソーベルフィルタ、ラプラシアンフィルタ等を用いても良い。
また、上記式(1)において、各画素の色情報として、RGB色空間で規定される画素値を用いたが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、HSV色空間、L*a*b*色空間等の他の色空間、即ち、類似度を算出可能な如何なる色空間で規定される画素値を適用しても良い。
【0028】
続いて、第1特定部64aは、一の素材画像Tkについて算出された複数の画像領域A、…の各々との類似度どうしを比較して、類似度が最も高い画像領域Aを特定する。
ここで、類似度は、その値が高い程より類似している(類似する度合が大きい)ものとする。
【0029】
ここで、画像領域Aと素材画像Tとの類似について、図2(a)〜図2(d)を参照して詳細に説明する。
図2(a)〜図2(d)は、画像領域Aと素材画像Tとの類似を説明するための図であり、それぞれ画像領域A及び素材画像Tに対応する画像Pa〜Pdを表している。
【0030】
画像Paを処理対象の素材画像Tkとして、画像領域Aに相当する画像Pb〜Pdの中で、類似度が最も高い画像領域Aを特定する場合、第1特定部64aは、各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて類似度を算出すると、画像Pbが最も高い類似度を示し、画像Pbを類似度が最も高い画像領域Aとして特定する。即ち、図2(a)及び図2(b)に示すように、第1特定部64aは、全体の色の濃さは異なるものの、y軸方向(図2における上下方向)に沿って次第に色が変化する画像Pa、Pbどうしが最も類似していると判断する。
なお、画像Pb〜Pdとの画素の色情報に基づいて類似度を算出しただけでは、画像Paと画像Pbとの類似度と、画像Paとy軸方向に沿って二つの領域に分かれた画像Pcとの類似度とが略同等の値となる虞がある。つまり、画像Paを処理対象の素材画像Tkとした場合であっても、y軸方向に沿って二つの領域に分かれた画像Pdを処理対象の素材画像Tkとした場合であっても、ともに画像Pbや画像Pcが類似した画像として特定されてしまい、見た目上似ていない画像が類似画像として特定されてしまう虞がある。
そこで本発明では、各画素の色情報だけで類似度を算出するのではなく、画素値の変化の度合も考慮することによって、見た目が似ている画像を類似画像として特定する。
【0031】
なお、類似度の算出に、上記式(1)を利用するようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、複数の画像領域A、…及び複数の素材画像T、…の各々について、各画素の色情報及び画素値の変化の度合を考慮して類似度を算出可能な方法であれば如何なる方法を適用しても良い。また、x軸方向及びy軸方向の画素値の変化の度合をそれぞれ別々に考慮して類似度を算出しても良いし、任意の方向に重みを持たせて類似度を算出しても良い。
このように、第1特定部64aは、第2取得部により取得された複数の素材画像T、…の各々について、各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて複数の画像領域A、…の各々との類似度を算出し、複数の画像領域A、…の中で各素材画像Tとの類似度が最も高い画像領域Aを特定する。
【0032】
第1判定部64bは、第1特定部64aにより特定された画像領域Aに係る類似度が所定の判定値以上であるか否かを判定する。
即ち、第1判定部64bは、複数の素材画像T、…の各々(例えば、素材画像Tk)について、第1特定部64aにより最も類似度が高い画像領域Aとして特定された画像領域A(例えば、画像領域A9等)との類似度が、所定の判定値(例えば、70)以上であるか否かを判定する。
【0033】
なお、第1判定部64bにより所定の判定値以上であると判定された場合、画像処理部6は、当該判定に係る素材画像Tの色情報を画像領域Aの色情報に近づけるように変更する処理を行っても良い。これにより、素材画像Tをその見た目が画像領域Aにより類似した態様とすることができる。
【0034】
第2特定部64cは、画像領域Aとの類似度が最も高い素材画像Tを類似素材画像Tsとして特定する。
即ち、第2特定部64cは、第1特定部64aにより特定された画像領域Aとの類似度が最も高い素材画像Tを、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定する(図6(a)参照)。具体的には、第2特定部64cは、画像領域A(例えば、画像領域A9等)との類似度が最も高い素材画像T(例えば、素材画像Tk等)について、第1判定部64bにより類似度が所定の判定値以上であると判定された場合、最も高い類似度の素材画像Tを当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定する。その一方で、第2特定部64cは、第1判定部64bにより類似度が所定の判定値以上でないと判定された場合には、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsの特定を行わない。
なお、第2特定部64cにより類似素材画像Tsとして特定された素材画像Tと画像領域Aとの対応関係を指示する情報は、図示しない格納部に一時的に格納されるようになっている。
【0035】
第2判定部64dは、同一の画像領域Aについて一の素材画像Tと異なる他の素材画像Tとの類似度が、一の素材画像Tとの類似度よりも高いか否かを判定する。
即ち、第2判定部は、第2特定部64cにより類似度が最も高い素材画像Tが類似素材画像Tsとして既に特定されている一の画像領域Aについて、第1特定部64aにより一の素材画像Tと異なる他の素材画像Tとの類似度が新たに算出された場合に、当該他の素材画像Tとの類似度が一の素材画像Tとの類似度よりも高いか否かを判定する。具体的には、第2判定部64dは、例えば、第2特定部64cにより特定済みの一の画像領域A(例えば、画像領域A6等)と一の素材画像T(例えば、素材画像T1等)との類似度と、当該一の画像領域Aと同一の画像領域A(例えば、画像領域A6等)と第1特定部64aにより新たに算出された他の素材画像T(例えば、素材画像Tk等)との類似度とを比較判定する。そして、第2判定部64dは、新たに算出された他の素材画像Tとの類似度の方が高いか否かを判定する。
【0036】
更新部64eは、一の画像領域Aに対応する類似素材画像Tsを他の素材画像Tにより更新する。
即ち、更新部64eは、第1特定部64aにより新たに算出された他の素材画像Tとの類似度が第2特定部64cにより既に類似素材画像Tsとして特定済みの素材画像Tとの類似度よりも高いと第2判定部64dにより判定された画像領域Aについては、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsを第1特定部64aにより特定された他の素材画像Tにより更新する。具体的には、更新部64eは、第2判定部64dにより他の素材画像T(例えば、素材画像Tk等)との類似度の方が高いと判定された画像領域A(例えば、画像領域A6等)について、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsを、類似度が高い方の他の素材画像Tにより更新する。
なお、更新部64eにより類似素材画像Tsとして更新された素材画像Tと画像領域Aとの対応関係を指示する情報は、図示しない格納部に一時的に格納されるようになっている。
【0037】
第3特定部64fは、他の素材画像Tについて、複数の画像領域A、…の中で類似度が次に高い画像領域Aを特定する。
即ち、第3特定部64fは、更新部64eにより類似素材画像Tsが更新されなかった場合に、第2特定部64cにより類似素材画像Tsとして新たに特定された他の素材画像Tについて、複数の画像領域A、…の中で類似度が次に高い画像領域Aを特定する。具体的には、第3特定部64fは、複数の画像領域A、…のうち、一の素材画像Tが既に類似素材画像Tsとして特定されている画像領域A(例えば、画像領域A1等)以外の画像領域Aの各々(例えば、画像領域A2〜A12等)と他の素材画像Tとの類似度どうしを比較判定することで、当該他の素材画像Tについて、類似素材画像Tsとして特定されていた画像領域A(例えば、画像領域A1等)の次に類似度が高い画像領域A(例えば、画像領域A2等)を特定する。
このように、第3特定部64fは、更新部64eにより類似素材画像Tsが更新されなかった場合に、第2特定部64cにより類似素材画像Tsとして新たに特定された他の素材画像Tについて、複数の画像領域A、…の中で類似度が次に高い画像領域Aを特定する。
【0038】
その後、第2特定部64cは、他の素材画像Tを第3特定部64fにより特定された画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定する。
即ち、第2特定部64cにより既に類似素材画像Tsとして特定されている一の素材画像Tの類似度が、新たに類似素材画像Tsとして特定された他の素材画像Tとの類似度よりも高いと第2判定部64dにより判定され、第3特定部64fにより当該他の素材画像Tとの類似度が次に高い画像領域A(例えば、画像領域A2等)が特定された場合に、第2特定部64cは、当該他の素材画像Tを第3特定部64fにより特定された類似度が次に高い画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定する。
なお、第3特定部64fにより他の素材画像Tについて新たに特定された画像領域Aが、類似素材画像Tsとして一の素材画像Tが既に特定されている画像領域Aである場合には、第2特定部64cは、当該画像領域Aに対する他の素材画像Tに係る類似度と既に特定済みの一の素材画像Tに係る類似度とを比較することで、画像領域Aとの類似度がより高い方の素材画像Tを特定するようにしても良い。
また、第2特定部64cにより類似素材画像Tsとして特定された素材画像Tと画像領域Aとの対応関係を指示する情報は、図示しない格納部に一時的に格納されるようになっている。
【0039】
このように、画像特定部64は、複数の画像領域A、…及び複数の素材画像T、…の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域A、…の各々について、複数の素材画像T、…の中から各画像領域Aに類似する類似素材画像Tsを特定する。
【0040】
画像生成部65は、モザイク画像Mを生成する(図6参照)。
即ち、画像生成部65は、画像特定部64により特定された類似素材画像Tsの各々をそれぞれが対応する画像領域Aの生成元となる元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成する。具体的には、画像生成部65は、例えば、格納部から第2特定部64cにより画像領域Aの各々について類似素材画像Tsとして特定された素材画像Tを指示する情報を取得して、類似素材画像Tsの各々の所定位置(例えば、中心や四隅等)をそれぞれが対応する画像領域Aの元画像Lにおける各位置の座標(例えば、中心座標や四隅の座標等)に一致させるように組み合わせて合成し、モザイク画像Mを生成する。
このとき、画像生成部65は、画像特定部64により複数の画像領域A、…に対応する類似素材画像Ts、即ち、最も類似度が高い素材画像Tが全て特定された場合に、モザイク画像Mを生成しても良い。
【0041】
次に、画像生成装置100における画像生成処理について、図4〜図6を参照して説明する。
図4は、画像生成装置100による画像生成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。図5は、モザイク画像Mの生成元となる元画像Lを分割した状態を模式的に示す図である。図6(a)は、モザイク画像Mの生成途中の状態を模式的に示す図であり、図6(b)は、生成されたモザイク画像Mを模式的に示す図である。
以下に説明する画像生成処理は、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、画像生成処理が指示された場合に実行される。
【0042】
図4に示すように、先ず、画像処理部6の第1取得部61は、処理対象の画像の画像データを取得する(ステップS1)。
具体的には、第1取得部61は、記憶部4に記憶されている所定数の画像の中から、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて選択された一の画像をモザイク画像Mの生成元の元画像Lとして読み出して取得する。
【0043】
次に、画像分割部62は、第1取得部61により取得された一の元画像Lを複数の画像領域A、…に分割する(ステップS2;図5参照)。具体的には、画像分割部62は、一の元画像Lの全体を水平方向及び垂直方向がそれぞれ所定画素からなる12個の画像領域A1〜A12(図5参照)に分割する。
続けて、第2取得部63は、記憶部4から複数の素材画像T、…(例えば、n個の素材画像T1〜Tn等)の画像データを取得する(ステップS3)。
【0044】
次に、第1特定部64aは、第2取得部63により取得された複数の素材画像T、…の中で、何れか一の素材画像Tkを指定した後(ステップS4)、素材画像Tkと各画像領域A(例えば、画像領域A1〜A12)との類似度を各々算出する(ステップS5)。
具体的には、第1特定部64aは、下記式(1)に基づいて、処理対象の一の画像領域A及び一の素材画像Tの全ての画素について、対応する画素どうしのRGB色空間の各成分の距離と、当該画素どうしの輝度値のx軸方向及びy軸方向の勾配(変化の度合)とを加算した値の総和が最小となる類似度判定値を算出し、当該類似度判定値を所定の演算式に従って換算して類似度を算出する。
【数2】

なお、算出された素材画像Tkと各画像領域Aとの類似度は、図示しない格納部に一時的に格納される。
【0045】
続けて、第1特定部64aは、一の素材画像Tkについて算出された複数の画像領域A、…(例えば、画像領域A1〜A12)の各々の類似度どうしを比較して、最も類似度が高い画像領域Aを特定する(ステップS6)。
【0046】
次に、第1判定部64bは、第1特定部64aにより特定された最も類似度が高い画像領域Aに係る類似度が、所定の判定値(例えば、70)以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
ここで、最も類似度が高い画像領域Aに係る類似度が、所定の判定値以上でないと判定されると(ステップS7;NO)、第1特定部64aは、指定済みの一の素材画像Tとは異なる次の素材画像Tを指定する(ステップS8)。その後、画像特定部64は、処理をステップS5に移行させ、それ以降の処理をステップS7にて類似度が所定の判定値以上であると判定されるまで(ステップS7;YES)、順次繰り返し実行する。
【0047】
ステップS7にて、第1特定部64aにより特定された最も類似度が高い画像領域Aに係る類似度が、所定の判定値以上であると判定されると(ステップS7;YES)、第2特定部64cは、当該画像領域Aとの類似度が最も高い素材画像Tを、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定する(ステップS9)。
【0048】
次に、第2判定部64dは、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして一の素材画像Tが既に特定されているか(特定済みか)否かを判定する(ステップS10)。
ここで、画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして一の素材画像Tが特定されていない(特定済みでない)と判定されると(ステップS10;NO)、画像特定部64は、全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されているか(特定済みか)否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11にて、全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されていない(特定済みでない)と判定されると(ステップS11;NO)、画像特定部64は、処理をステップS8に移行させ、それ以降の処理をステップS7にて類似度が所定の判定値以上であると判定されるまで(ステップS7;YES)、逐次繰り返し実行する。
【0049】
一方、ステップS10にて、画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして一の素材画像Tが特定されている(特定済みである)と判定されると(ステップS10;YES)、第2判定部64dは、当該画像領域Aに対して、新たに類似素材画像Tsとして特定された他の素材画像Tとの類似度の方が、既に類似素材画像Tsとして特定されている一の素材画像Tとの類似度よりも高いか否かを判定する(ステップS12)。
ここで、新たに類似素材画像Tsとして特定された他の素材画像Tとの類似度の方が高いと判定されると(ステップS12;YES)、更新部64eは、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsを他の素材画像Tにより更新する(ステップS13)。その後、画像特定部64は、処理をステップS11に移行させ、それ以降の処理を実行する。
【0050】
一方、ステップS12にて、新たに類似素材画像Tsとして特定された他の素材画像Tとの類似度の方が高くない(低い)と判定されると(ステップS12;NO)、第3特定部64fは、複数の画像領域A、…のうち、一の素材画像Tが類似素材画像Tsとして特定されていない画像領域Aの各々(例えば、画像領域A2〜A12等)と新たに特定された他の素材画像Tとの類似度を格納部(図示略)から取得して、これら類似度どうしを比較判定し、新たに特定された他の素材画像Tについて類似度が次に高い画像領域Aを特定する(ステップS14)。
そして、第2特定部64cは、新たに特定された他の素材画像Tとの類似度が次に高い画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして当該他の素材画像Tを特定する(ステップS15)。その後、画像特定部64は、処理をステップS11に移行させ、それ以降の処理を実行する。
【0051】
ステップS11にて、全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されている(特定済みである)と判定されると(ステップS11;YES)、画像生成部65は、画像特定部64により特定された類似素材画像Tsの各々をそれぞれが対応する画像領域Aの生成元となる元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成して(ステップS16)、画像生成処理を終了する。
なお、モザイク画像Mの画像データは、中央制御部1のCPUの制御下にて、記憶部4に転送されて記憶されても良いし、表示部3に転送されて表示画面に表示されても良い。
【0052】
以上のように、実施形態1の画像生成装置100によれば、複数の画像領域A、…及び複数の素材画像T、…の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域A、…の各々について、類似する類似素材画像Tsをそれぞれ特定し、特定された類似素材画像Tsの各々をそれぞれが対応する画像領域Aの一の元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成するので、画像領域A及び素材画像Tについて、色だけでなく画素値の変化の度合を考慮して類似素材画像Tsを特定することができる。具体的には、複数の素材画像T、…の各々について、各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域A、…の各々との類似度を算出し、各素材画像Tとの類似度が最も高い画像領域Aを特定して、画像領域Aとの類似度が最も高い素材画像Tを、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定することができる。
従って、生成元の元画像Lを画像領域Aに分割する分割数が少なくても、当該画像領域Aに類似する素材画像Tとして、色だけでなく画素値の変化の度合を考慮して類似素材画像Tsを特定することで、モザイク画像Mにて元画像Lの輪郭の表現を適正に行うことができる。これにより、元画像Lから分割される一の画像領域Aのサイズを相対的に大きくすることができ、各素材画像T自体もどのような内容の画像であるかをユーザに対して適正に認識させることができる。
【0053】
さらに、各画像領域Aについて各素材画像Tとの類似度が所定の判定値以上である場合、各画像領域Aに対応する類似素材画像Tsの特定を行い、その一方で、各画像領域Aについて各素材画像Tとの類似度が所定の判定値以下である場合、各画像領域Aに対応する類似素材画像Tsの特定を行わないので、各画像領域Aと各素材画像Tとの色及び画素値の変化の度合を考慮した類似度が所定の判定値以上である類似素材画像Tsのみを用いてモザイク画像Mを生成することができ、当該モザイク画像Mにて生成元の元画像Lの輪郭の表現を適正に行うことができる。
【0054】
また、類似度が最も高い素材画像Tが類似素材画像Tsとして既に特定されている画像領域Aについて、新たに算出された他の素材画像Tとの類似度が既に類似素材画像Tsとして特定されている素材画像Tとの類似度よりも高いと判定された画像領域Aについては、画像領域Aに対応する類似素材画像Tsを他の素材画像Tにより更新するので、元画像Lの何れかの画像領域Aに対して、一の素材画像Tが類似素材画像Tsとして既に特定されている場合であっても、各画像領域Aに対して、類似度のより高い素材画像Tを類似素材画像Tsとして特定することができ、各画像領域Aとの類似度のより高い素材画像T(類似素材画像Ts)を組み合わせてモザイク画像Mを生成することができる。
【0055】
さらに、類似素材画像Tsが更新されなかった場合に、新たに算出された他の素材画像Tについて、複数の画像領域A、…の中で類似度が次に高い画像領域Aを特定し、新たに算出された他の素材画像Tを当該類似度が次に高い画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定するので、取得された素材画像Tの中から類似度のより高い組み合わせでモザイク画像Mをより高速に生成することができる。つまり、一の素材画像Tが類似素材画像Tsとして既に特定されている画像領域Aについて、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsが他の素材画像Tにより更新されなかったとしても、新たに類似度を算出した他の素材画像Tについての複数の画像領域A、…との類似度の算出結果を有効に利用して、他の素材画像Tとの類似度が次に高い画像領域Aを迅速に特定することができる。そして、他の素材画像Tを当該類似度が次に高い画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定することで、当該他の素材画像Tを類似度がより高い画像領域Aに組み合わせてモザイク画像Mを生成することができる。
【0056】
また、複数の画像領域A、…に対応する類似素材画像Tsが全て特定された場合に、モザイク画像Mを生成するので、少なくとも複数の画像領域A、…の各々に対応する類似素材画像Tsが特定された時点で、モザイク画像Mの生成を迅速に行うことができる。つまり、類似素材画像Tsが特定されていない画像領域Aを残すことなく、モザイク画像Mを迅速に生成することができる。
【0057】
なお、上記実施形態1にあっては、第1判定部64bが、第1特定部64aにより特定された画像領域Aに係る類似度が所定の判定値以上であるか否かを判定するようにしたが、第1判定部64bを具備するか否かは適宜任意に変更可能である。即ち、第1特定部64aにより特定された画像領域Aに係る類似度が所定の判定値以上であるか否かに拘わらず、第2特定部64cは、画像領域Aとの類似度が最も高い素材画像Tを、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定しても良い。
【0058】
また、第2判定部64eが、同一の画像領域Aについて、第1特定部64aにより新たに算出された他の素材画像Tとの類似度が一の素材画像Tとの類似度よりも高いか否かを判定するようにしたが、第2判定部64eを具備するか否かは適宜任意に変更可能である。即ち、第1特定部64aは、第2特定部64cにより類似素材画像Tsが既に特定されている画像領域Aについては、他の素材画像Tとの類似度を算出しないようにしても良いし、類似素材画像Tsが未だ特定されていない画像領域Aについてのみ他の素材画像Tとの類似度を算出するようにしても良い。
【0059】
さらに、第3特定部64fが、更新部64eにより類似素材画像Tsが更新されなかった場合に、第1特定部64aにより新たに算出された他の素材画像Tについて、複数の画像領域A、…の中で類似度が次に高い画像領域Aを特定するようにしたが、第3特定部64fを具備するか否かは適宜任意に変更可能である。即ち、画像特定部64は、第2特定部64cにより類似素材画像Tsとして新たに算出された他の素材画像Tについて、複数の画像領域A、…の中で類似度が次に高い画像領域Aを必ずしも特定する必要はない。
【0060】
また、第2特定部64dにより複数の画像領域A、…に対応する類似素材画像Tsが全て特定された場合に、モザイク画像Mを生成する構成としたが、モザイク画像Mの生成の開始タイミングは一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
即ち、画像生成部65は、第2特定部64dにより複数の画像領域A、…に対応する類似素材画像Tsが全て特定された後、これら全ての類似素材画像Tsに係る類似度を合計した値が所定の判定値以上となった場合に、モザイク画像Mを生成しても良い。具体的には、画像生成部65は、第2特定部64dにより特定された全ての類似素材画像Tsに係る類似度を加算することで合計値を算出し、当該合計値と所定の判定値とを比較して、合計値が所定の判定値以上となっているか否かを判定する。そして、合計値が所定の判定値以上となっていると判定された場合に、画像生成部65は、モザイク画像Mを生成する。これにより、所定の判定値の値をユーザ所望の値に適宜変化させることで、各画像領域Aに対応する類似素材画像Tsの各々の類似度が相対的に高いモザイク画像Mを生成したり、モザイク画像Mをより短時間で生成することができる。
つまり、所定の判定値の値を相対的に高く設定することで、各画像領域Aに対して類似度が相対的に高い、即ち、より類似した素材画像Tを類似素材画像Tsとして特定することができ、当該類似素材画像Tsどうしを組み合わせて、合成することで、生成元の元画像Lの各画像領域Aの色や輪郭が適正に表現された(全体として当該元画像Lに類似した)モザイク画像Mを生成することができる。一方、所定の判定値の値を相対的に低く設定することで、各画像領域Aに対して類似素材画像Tsとして特定される素材画像Tとの類似度が相対的に低くなるものの、モザイク画像Mの生成の開始タイミングをより早くすることができ、画像生成処理にてモザイク画像Mをより短時間で生成することができる。
【0061】
[実施形態2]
図7は、本発明を適用した実施形態2の画像生成装置200の概略構成を示すブロック図である。
なお、実施形態2の画像生成装置200は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1の画像生成装置100と略同様に構成をなし、詳細な説明は省略する。
【0062】
実施形態2の画像生成装置200は、元画像Lから分割された一の画像領域Aを指定し、当該画像領域Aについて最も類似度の高い素材画像Tを類似素材画像Tsとして特定して、各々の画像領域Aに係る類似素材画像Tsを対応する画像領域Aの元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成することによりモザイク画像Mを生成する。
【0063】
画像特定部64は、複数の画像領域A、…の各々について、類似する素材画像Tを類似素材画像Tsとしてそれぞれ特定する。
即ち、画像特定部64は、画像分割部62により分割された複数の画像領域A、…の各々について、第2取得部63により取得された複数の素材画像T、…の中から各画像領域Aに類似する類似素材画像Tsを特定する。具体的には、画像特定部64は、画像分割部62により分割された複数の画像領域A、…のうち、一の画像領域Aについて、第2取得部63により取得された複数の素材画像T、…の各々との類似度を算出する。なお、類似度の算出方法は、上記実施形態と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
続いて、画像特定部64は、一の画像領域Aと各素材画像Tとの類似度どうしを比較し、最も類似度が高い素材画像Tを一の画像領域Aに類似する類似素材画像Tsとして特定する。
【0064】
次に、画像生成装置200による画像生成処理について、図5、図6、図8等を参照して説明する。
図8は、画像生成装置200による画像生成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態2の画像生成処理は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1の画像生成処理と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0065】
図8に示すように、上記実施形態1の画像生成処理と同様に、第1取得部61は、処理対象の画像の画像データを取得した後(ステップS1)、画像分割部62は、第1取得部61により取得された一の元画像Lを複数の画像領域A、…に分割する(ステップS2;図5参照)。
その後、上記実施形態1の画像生成処理と同様に、第2取得部63は、記憶部4から複数の素材画像T、…(例えば、n個の素材画像T1〜Tn等)を取得する(ステップS3)。
【0066】
次に、画像特定部64は、画像分割部62により分割された元画像Lの複数の画像領域A、…の中で、何れか一の画像領域A(例えば、画像領域A1等)を指定した後(ステップS41)、一の画像領域Aと複数の素材画像T、…(例えば、素材画像T1〜Tn)の各々との類似度をそれぞれ算出する(ステップS42)。
具体的には、画像特定部64は、下記式(1)に基づいて、処理対象の一の画像領域A及び一の素材画像Tの全ての画素について、対応する画素どうしのRGB色空間の各成分の距離と、当該画素どうしの輝度値のx軸方向及びy軸方向の勾配(変化の度合)とを加算した値の総和が最小となる類似度判定値を算出し、当該類似度判定値を所定の演算式に従って換算して類似度を算出する。
【数3】

【0067】
続けて、画像特定部64は、一の画像領域Aについて算出された複数の素材画像T、…(例えば、画像領域T1〜Tn)の各々との類似度どうしを比較して、最も類似度が高い素材画像Tを特定する(ステップS43)。
その後、画像特定部64は、当該一の画像領域Aとの類似度が最も高い素材画像Tを、当該画像領域Aに対応する類似素材画像Tsとして特定する(ステップS9)。
【0068】
次に、上記実施形態1の画像生成処理と同様に、画像特定部64は、全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されているか(特定済みか)否かを判定する(ステップS11)。
ここで、全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されていない(特定済みでない)と判定されると(ステップS11;NO)、画像特定部64は、複数の画像領域A、…の中で一の画像領域Aと異なる他の画像領域Aを指定した後(ステップS44)、処理をステップS42に移行させ、それ以降の処理をステップS11にて全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されている(特定済みである)と判定されるまで(ステップS11;YES)、逐次繰り返し実行する。
【0069】
ステップS11にて、全ての画像領域Aについて類似素材画像Tsが特定されている(特定済みである)と判定されると(ステップS11;YES)、画像生成部65は、画像特定部64により特定された類似素材画像Tsの各々をそれぞれが対応する画像領域Aの生成元となる元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成して(ステップS16)、画像生成処理を終了する。
【0070】
以上のように、実施形態2の画像生成装置200によれば、複数の画像領域A、…及び複数の素材画像T、…の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域A、…の各々について、類似する類似素材画像Tsをそれぞれ特定し、特定された類似素材画像Tsの各々をそれぞれが対応する画像領域Aの一の元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成するので、上記実施形態1と同様に、画像領域A及び素材画像Tについて、色だけでなく画素値の変化の度合を考慮して類似素材画像Tsを特定することができる。
従って、生成元の元画像Lを画像領域Aに分割する分割数が少なくても、モザイク画像Mにて元画像Lの輪郭の表現を適正に行うことができる。これにより、元画像Lから分割される一の画像領域Aのサイズを相対的に大きくすることができ、各素材画像T自体もどのような内容の画像であるかをユーザに対して適正に認識させることができる。
【0071】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0072】
例えば、上記実施形態1、2にあっては、画像処理部6は、複数の画像領域A、…及び複数の素材画像T、…について、水平方向及び垂直方向ともに所定の比率で縮小した縮小画像をそれぞれ生成しても良い。具体的には、素材画像Tのx軸方向やy軸方向の大きさと、画像分割部62により分割された画像領域Aとが異なる場合に、画像処理部6は、素材画像Tや画像領域Aを所定の比率で縮小して、縮小画像領域や縮小素材画像を生成する。このとき、画像処理部6は、素材画像Tと画像領域Aの大きさを合わせるように各画像の縮小を行うのが好ましい。
なお、素材画像Tと画像領域Aのうち、少なくとも一方の縮小を行えば良く、必ずしも両方の縮小を行う必要はない。
さらに、画像特定部64は、画像処理部6により生成された縮小画像領域及び縮小素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、縮小画像領域の各々について類似する縮小素材画像を特定しても良い。即ち、第1特定部64aは、画像処理部6により生成された縮小画像領域及び縮小素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて類似度を算出し、縮小画像領域の各々について最も類似する縮小素材画像を類似素材画像Tsとして特定しても良い。
その後、画像生成部65は、各類似素材画像Ts(縮小素材画像)に対応する素材画像Tの各々をそれぞれが対応する画像領域A(縮小画像領域)の元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成する。
【0073】
従って、画像領域Aと素材画像Tとで画像サイズが異なる場合に、当該画像領域Aや素材画像Tの縮小を行うことで、当該画像領域Aと素材画像Tにおける輪郭のずれを相対的に小さくすることができ、画像領域Aと素材画像Tとの類似の判定精度は低下するものの、各画像領域Aに最も類似する素材画像Tの特定をより高速に行うことができる。
【0074】
また、画像生成装置100、200の構成は、上記実施形態1、2に例示したものは一例であり、これらに限られるものではない。
【0075】
加えて、上記実施形態1、2にあっては、第1取得手段、分割手段、第2取得手段、特定手段、生成手段としての機能を、中央制御部1の制御下にて、画像処理部6の第1取得部61、画像分割部62、第2取得部63、画像特定部64、画像生成部65が駆動することにより実現される構成としたが、これに限られることものではなく、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、第1取得処理ルーチン、分割処理ルーチン、第2取得処理ルーチン、特定処理ルーチン、生成処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、第1取得処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、一の元画像Lを取得する第1取得手段として機能させるようにしても良い。また、分割処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、第1取得手段により取得された一の元画像Lを複数の画像領域A、…に分割する分割手段として機能させるようにしても良い。また、第2取得処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、複数の素材画像T、…を取得する第2取得手段として機能させるようにしても良い。また、特定処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、複数の画像領域A、…及び複数の素材画像T、…の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、複数の画像領域A、…の各々について、複数の素材画像T、…の中から各画像領域Aに類似する類似素材画像Tsをそれぞれ特定する特定手段として機能させるようにしても良い。また、生成処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、特定手段により特定された類似素材画像Tsの各々をそれぞれが対応する画像領域Aの一の元画像Lにおける各位置に組み合わせて合成し、元画像Lのモザイク画像Mを生成する生成手段として機能させるようにしても良い。
【0076】
同様に、第1特定手段、第2特定手段、第1判定手段、第2判定手段、更新手段、第3特定手段、画像縮小手段についても、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0077】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
モザイク画像の元となる一の画像を取得する第1取得手段と、
この第1取得手段により取得された一の画像を複数の画像領域に分割する分割手段と、
複数の素材画像を取得する第2取得手段と、
前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する特定手段と、
この特定手段により特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する生成手段と、
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
<請求項2>
前記特定手段は、
前記第2取得手段により取得された複数の素材画像の各々について、前記各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて前記複数の画像領域の各々との類似度を算出し、当該複数の画像領域の中で各素材画像との前記類似度が最も高い画像領域を特定する第1特定手段と、
この第1特定手段により特定された画像領域との前記類似度が最も高い素材画像を、当該画像領域に対応する前記類似素材画像として特定する第2特定手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。
<請求項3>
前記特定手段は、更に、
前記第1特定手段により特定された画像領域に係る前記類似度が所定の判定値以上であるか否かを判定する第1判定手段を有し、
前記第2特定手段は、前記第1判定手段により前記類似度が所定の判定値以上であると判定された画像領域については、当該画像領域に対応する前記類似素材画像の特定を行う一方で、前記類似度が所定の判定値以上でないと判定された画像領域については、当該画像領域に対応する前記類似素材画像の特定を行わないことを特徴とする請求項2に記載の画像生成装置。
<請求項4>
前記特定手段は、
前記第2特定手段により前記類似度が最も高い一の素材画像が前記類似素材画像として既に特定されている画像領域について、前記第1特定手段により新たに算出された前記一の素材画像と異なる他の素材画像との前記類似度が前記一の素材画像との前記類似度よりも高いか否かを判定する第2判定手段と、
この第2判定手段により前記他の素材画像との前記類似度が前記一の素材画像との前記類似度よりも高いと判定された画像領域については、当該画像領域に対応する前記類似素材画像を前記他の素材画像により更新する更新手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像生成装置。
<請求項5>
前記特定手段は、
前記更新手段により前記類似素材画像が更新されなかった場合に、前記第1特定手段により新たに算出された前記他の素材画像について、前記複数の画像領域の中で前記類似度が次に高い画像領域を特定する第3特定手段を更に有し、
前記第2特定手段は、前記他の素材画像を前記第3特定手段により特定された画像領域に対応する前記類似素材画像として特定することを特徴とする請求項4に記載の画像生成装置。
前記特定手段は、
前記更新手段により前記類似素材画像が更新された場合に、前記第2特定手段により前記類似素材画像として既に特定されていた前記一の素材画像について、前記複数の画像領域の中で前記類似度が次に高い画像領域を特定する第3特定手段を更に有し、
前記第2特定手段は、前記一の素材画像を前記第3特定手段により特定された画像領域に対応する前記類似素材画像として特定することを特徴とする請求項4に記載の画像生成装置。
<請求項6>
前記生成手段は、
前記特定手段により前記複数の画像領域に対応する前記類似素材画像が全て特定された場合に、前記モザイク画像を生成することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像生成装置。
<請求項7>
前記生成手段は、
前記第2特定手段により前記複数の画像領域に対応する前記類似素材画像が全て特定された後、これら全ての前記類似素材画像に係る前記類似度を合計した値が所定の判定値以上となった場合に、前記モザイク画像を生成することを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の画像生成装置。
<請求項8>
前記複数の画像領域と前記複数の素材画像の各々を所定の比率で縮小して複数の縮小画像領域と複数の縮小素材画像をそれぞれ生成する画像縮小手段を更に備え、
前記特定手段は、
前記画像縮小手段により生成された前記複数の縮小画像領域及び前記複数の縮小素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の縮小画像領域の各々について類似する縮小素材画像を特定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像生成装置。
<請求項9>
画像生成装置を用いた画像生成方法であって、
モザイク画像の元となる一の画像を取得する工程と、
取得された一の画像を複数の画像領域に分割する工程と、
複数の素材画像を取得する工程と、
前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する工程と、
特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する工程と、
を含むことを特徴とする画像生成方法。
<請求項10>
画像生成装置のコンピュータを、
モザイク画像の元となる一の画像を取得する第1取得手段、
この第1取得手段により取得された一の画像を複数の画像領域に分割する分割手段、
複数の素材画像を取得する第2取得手段、
前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する特定手段、
この特定手段により特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する生成手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0079】
100、200 画像生成装置
1 中央制御部
6 画像処理部
61 第1取得部
62 画像分割部
63 第2取得部
64 画像特定部
64a 第1特定部
64b 第1判定部
64c 第2特定部
64d 第2判定部
64e 更新部
64f 第3特定部
65 画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モザイク画像の元となる一の画像を取得する第1取得手段と、
この第1取得手段により取得された一の画像を複数の画像領域に分割する分割手段と、
複数の素材画像を取得する第2取得手段と、
前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する特定手段と、
この特定手段により特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する生成手段と、
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
前記特定手段は、
前記第2取得手段により取得された複数の素材画像の各々について、前記各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて前記複数の画像領域の各々との類似度を算出し、当該複数の画像領域の中で各素材画像との前記類似度が最も高い画像領域を特定する第1特定手段と、
この第1特定手段により特定された画像領域との前記類似度が最も高い素材画像を、当該画像領域に対応する前記類似素材画像として特定する第2特定手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記特定手段は、更に、
前記第1特定手段により特定された画像領域に係る前記類似度が所定の判定値以上であるか否かを判定する第1判定手段を有し、
前記第2特定手段は、前記第1判定手段により前記類似度が所定の判定値以上であると判定された画像領域については、当該画像領域に対応する前記類似素材画像の特定を行う一方で、前記類似度が所定の判定値以上でないと判定された画像領域については、当該画像領域に対応する前記類似素材画像の特定を行わないことを特徴とする請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記特定手段は、
前記第2特定手段により前記類似度が最も高い一の素材画像が前記類似素材画像として既に特定されている画像領域について、前記第1特定手段により新たに算出された前記一の素材画像と異なる他の素材画像との前記類似度が前記一の素材画像との前記類似度よりも高いか否かを判定する第2判定手段と、
この第2判定手段により前記他の素材画像との前記類似度が前記一の素材画像との前記類似度よりも高いと判定された画像領域については、当該画像領域に対応する前記類似素材画像を前記他の素材画像により更新する更新手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記特定手段は、
前記更新手段により前記類似素材画像が更新されなかった場合に、前記第1特定手段により新たに算出された前記他の素材画像について、前記複数の画像領域の中で前記類似度が次に高い画像領域を特定する第3特定手段を更に有し、
前記第2特定手段は、前記他の素材画像を前記第3特定手段により特定された画像領域に対応する前記類似素材画像として特定することを特徴とする請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記生成手段は、
前記特定手段により前記複数の画像領域に対応する前記類似素材画像が全て特定された場合に、前記モザイク画像を生成することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記生成手段は、
前記第2特定手段により前記複数の画像領域に対応する前記類似素材画像が全て特定された後、これら全ての前記類似素材画像に係る前記類似度を合計した値が所定の判定値以上となった場合に、前記モザイク画像を生成することを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記複数の画像領域と前記複数の素材画像の各々を所定の比率で縮小して複数の縮小画像領域と複数の縮小素材画像をそれぞれ生成する画像縮小手段を更に備え、
前記特定手段は、
前記画像縮小手段により生成された前記複数の縮小画像領域及び前記複数の縮小素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の縮小画像領域の各々について類似する縮小素材画像を特定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像生成装置。
【請求項9】
画像生成装置を用いた画像生成方法であって、
モザイク画像の元となる一の画像を取得する工程と、
取得された一の画像を複数の画像領域に分割する工程と、
複数の素材画像を取得する工程と、
前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する工程と、
特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する工程と、
を含むことを特徴とする画像生成方法。
【請求項10】
画像生成装置のコンピュータを、
モザイク画像の元となる一の画像を取得する第1取得手段、
この第1取得手段により取得された一の画像を複数の画像領域に分割する分割手段、
複数の素材画像を取得する第2取得手段、
前記複数の画像領域及び前記複数の素材画像の各画素の色情報及び画素値の変化の度合に基づいて、前記複数の画像領域の各々について、前記複数の素材画像の中から各画像領域に類似する類似素材画像をそれぞれ特定する特定手段、
この特定手段により特定された前記類似素材画像の各々をそれぞれが対応する画像領域の前記一の画像における各位置に組み合わせて合成し、前記一の画像のモザイク画像を生成する生成手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−20285(P2013−20285A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150570(P2011−150570)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】