画像管理装置及びプログラム
【課題】施工主が所望する撮影シーンを施工業者に指示し、所望する撮影シーンの工事写真を施工主に提供できるようにする。
【解決手段】施工業者端末3と、施工主端末5とにネットワークを介して接続された画像管理装置2では、施工対象物件の工事後の完成図を画像化したCG画像を施工主端末5に送信し、施工主端末5における撮影シーンの指定操作に基づいて前記CG画像からキャプチャされたキャプチャ画像を取得する。取得したキャプチャ画像は施工業者端末3に送信される。そして、カメラ4によりキャプチャ画像に対応する工事写真の撮影画像が撮影され、施工業者端末3を介して当該撮影画像が受信されると、画像管理装置2では当該撮影画像を前記キャプチャ画像に対応付けて記憶される。そして、施工主端末5からの要求に応じてキャプチャ画像に対応する撮影画像が施工主端末5に送信される。
【解決手段】施工業者端末3と、施工主端末5とにネットワークを介して接続された画像管理装置2では、施工対象物件の工事後の完成図を画像化したCG画像を施工主端末5に送信し、施工主端末5における撮影シーンの指定操作に基づいて前記CG画像からキャプチャされたキャプチャ画像を取得する。取得したキャプチャ画像は施工業者端末3に送信される。そして、カメラ4によりキャプチャ画像に対応する工事写真の撮影画像が撮影され、施工業者端末3を介して当該撮影画像が受信されると、画像管理装置2では当該撮影画像を前記キャプチャ画像に対応付けて記憶される。そして、施工主端末5からの要求に応じてキャプチャ画像に対応する撮影画像が施工主端末5に送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事の施工状況等を撮影した工事写真の撮影画像を管理する画像管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工事の施工に際してその施工状況の記録を残すために工事写真を撮影することが行われている。近年では、工事写真をインターネットを介して提供するシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。これは、施工業者が撮影した工事写真の撮影画像をサーバに保存し、施工主(工事の依頼主)にその保存先を示すURLを通知するものであり、施工主がそのURLにアクセスすることにより、インターネット上で容易に工事写真を確認することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−331552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、工事写真自体は施工業者が撮影するため、撮影場所や撮影方向、撮影範囲等、施工主が所望する撮影シーンに沿わない場合がある。また、施工主側から施工業者に所望の撮影シーンをリクエストできることとしても、施工主が実際の現場を確認しながらリクエストできるわけではないため、撮影指示があいまいとなり、やはり施工主の要望に応じた撮影画像が得られない場合が多い。
【0005】
本発明の課題は、施工主が所望する撮影シーンを施工業者に指示し、所望する撮影シーンの工事写真を施工主に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
施工業者端末と、施工主端末とにネットワークを介して接続された画像管理装置であって、
前記施工業者端末又は前記施工主端末と通信を行う通信手段と、
施工対象物件の工事後の完成図を画像化したCG画像を前記通信手段を介して前記施工主端末に送信させるCG画像制御手段と、
前記施工主端末における撮影シーンの指定操作に基づいて前記CG画像からキャプチャされたキャプチャ画像を取得するキャプチャ画像取得手段と、
前記取得されたキャプチャ画像を前記通信手段を介して前記施工業者端末に送信させるキャプチャ画像制御手段と、
前記送信されたキャプチャ画像に対応する工事写真の撮影画像が前記通信手段を介して前記施工業者端末から受信されると、当該撮影画像を前記キャプチャ画像に対応付けて記憶する撮影画像記憶手段と、
前記キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得し、前記通信手段を介して前記施工主端末に配信させる配信制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像管理装置において、
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して閲覧対象の撮影画像をキャプチャ画像により指定するための指定画面を前記施工主端末に送信させ、この指定画面におけるキャプチャ画像の指定情報が前記施工主端末から受信されると、当該キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工主端末に配信させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像管理装置において、
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工事と関連づけて記憶することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像管理装置において、
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工程と関連づけて記憶し、
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して前記施工業者端末から工程の指定情報が受信されると、当該工程に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工業者端末に配信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、施工主が所望する撮影シーンに応じたキャプチャ画像を施工業者端末に送信するので、キャプチャ画像により施工業者に対して具体的かつ視覚的に撮影指示を行うことができる。よって、施工主が所望する撮影シーンの撮影画像を取得することができ、これを施工主に提供することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、キャプチャ画像により施工主は閲覧対象の撮影画像を視覚的に指定することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、撮影画像をその工事に関連づけて記憶するので、施工主の要望に応じて撮影された撮影画像をその工事の記録である工事写真として管理することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、各撮影画像をその撮影が行われた工程に関連付けて記憶するので、施工業者において工事写真を参照したい工程がある場合にはその工程から工事写真の撮影画像を指定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した画像管理装置2を含む工事写真提供システム1を示す図である。
【図2】図1の画像管理装置2の内部構成を示す図である。
【図3】図2の記憶部23に記憶されるファイル類の例を示す図である。
【図4】図1の施工業者端末3の内部構成を示す図である。
【図5】工事情報や工程情報の入力画面例を示す図である。
【図6】図4の記憶部35に記憶されるファイル類の例を示す図である。
【図7】工事写真提供システムにおける全体的な処理の流れを説明する図である。
【図8】図1の施工主端末5により実行される撮影指定処理を示すフローチャートである。
【図9】CG画像の閲覧画面例を示す図である。
【図10】画像管理装置2により実行されるキャプチャ画像保存処理を示すフローチャートである。
【図11】図1のカメラ4により実行される撮影処理を説明するフローチャートである。
【図12】施工業者端末3により実行される工程設定処理を説明するフローチャートである。
【図13】撮影画像とキャプチャ画像との関連付けを説明する図である。
【図14】画像管理装置2により実行される第1の画像提供処理を示すフローチャートである。
【図15】撮影画像の閲覧画面例を示す図である。
【図16】画像管理装置2により実行される第2の画像提供処理を示すフローチャートである。
【図17】撮影画像の閲覧が可能な工程管理画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における画像管理装置2を含む工事写真提供システム1を示す。
図1に示すように、工事写真提供システム1は、工事写真の提供サービスを行うサービス会社等に設置された画像管理装置2、工事を施工する施工業者に設置された施工業者端末3、工事を発注する施工主に設置された施工主端末5を備えて構成され、各構成装置2、3、5はそれぞれネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、インターネット、イントラネット、通信回線等の通信ネットワークである。
【0016】
工事写真提供システム1は、画像管理装置2が施工主端末5から工事写真の撮影指示を受け付けるとともに、施工業者端末3に接続されるカメラ4で撮影された撮影画像を画像管理装置2において管理し、画像管理装置2が管理する撮影画像を施工業者端末3又は施工主端末5にネットワークNを介して提供するものである。
以下、各構成装置について説明する。
【0017】
画像管理装置2は、工事写真として撮影された撮影画像のデータを管理するものであり、工事写真の提供サービスを行うサービス会社等に設置されている。
図2に、画像管理装置2の内部構成を示す。
図2に示すように、画像管理装置2は、制御部21、通信部22、記憶部23を備えて構成されている。
【0018】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部23に格納された各種制御プログラムや処理プログラムを読み出し、これらプログラムとの協働により演算を行う、或いは各部22、23を集中制御する。
【0019】
通信部22は、ネットワークインターフェイスカード等、通信用のインターフェイスを備え、ネットワークNを介して接続される施工業者端末3や施工主端末5の外部装置と通信を行う。
【0020】
記憶部23は、大容量メモリ等から構成されている。
記憶部23には、図3に示すように、ファイル保存領域231、キャプチャ画像保存領域232、撮影画像保存領域233、プログラム領域234、CG画像保存領域235等が形成されている。
【0021】
ファイル保存領域231には、キャプチャ管理ファイル23a、撮影画像管理ファイル23bが記憶されている。キャプチャ管理ファイル23aは、施工工事後の完成予想図を画像化したCG画像において、ある画像部分がキャプチャ(抽出)されたキャプチャ画像を管理するためのファイルである。また、撮影画像管理ファイル23bは工事写真として撮影された撮影画像を管理するためのものである。
【0022】
キャプチャ管理ファイル23aには、図3に示すように、複数の施工工事を個々に識別するために割り振られる工事番号(例えば、「000001」等)、その施工工事名(例えば、「△邸新築工事」等)、キャプチャ画像のキャプチャ位置が指定された順に付与される位置指定番号(例えば、「003」等)、そのキャプチャ位置を示す位置情報(例えば、「居間」等)、キャプチャ画像のファイル名(例えば、「C000001.jpg」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。これらの各項目情報はキャプチャ画像が取得される毎に追加され、更新される。
【0023】
撮影画像管理ファイル23bには、図3に示すように、工事写真の撮影が行われた施工工事の工事番号(例えば、「000001」等)、工事写真の撮影画像のファイル名(例えば、「00000100320050928140555.jpg」等)、施工工事においてその撮影画像が関連する一又は複数の工程を示す工程番号(例えば、「000001」「000003」、「000014」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。すなわち、撮影画像に関連づけて工事番号、工程等の工事に関する工事情報を記憶しているものである。これらの各項目情報は撮影画像が取得される毎に追加され、更新される。
【0024】
キャプチャ画像保存領域232には、図3に示すように、「C000001.jpg」等のファイル名で示されるキャプチャ画像が保存されている。
撮影画像保存領域233には、図3に示すように、「00000100320050928140555.jpg」等のファイル名で示される撮影画像が保存されている。
【0025】
プログラム領域234には、ネットワークを介して施工主端末5に撮影画像を配信するためのWebプログラムや、施工業者端末3に撮影画像を配信するための画像提供処理用プログラム、設計図等からCG画像を作成するためのCG処理プログラム等の各種制御プログラムや処理プログラムが記憶されている。また、プログラムの実行にあたって必要なパラメータやデータ等も記憶されている。
【0026】
CG画像保存領域235には、設計図を元に施工工事後の完成予想図がCG化されたCG画像(例えば、「CG画像1」等)のデータが記憶されている。CG画像は施工工事毎に作成され、記憶されている。
【0027】
施工業者端末3は、施工業者によって用いられるユーザ端末であり、各施工工事の工程管理や、画像管理装置2への工事写真の撮影画像のアップロード、又はこれらの閲覧を行うために利用されるものである。
【0028】
図4に、施工業者端末3の内部構成を示す。
図4に示すように、施工業者端末3は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35、I/F36を備えて構成されている。
【0029】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部35に格納されている各種制御プログラム、処理プログラムを読み出し、これらプログラムに従って演算を行う、或いは各部32〜36の動作を集中制御する。
【0030】
操作部32は、マウスやキーボード等を備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部31に出力する。
【0031】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部31の制御に従って、操作画面やWeb閲覧画面、撮影画像等の各種表示情報を表示する。
【0032】
通信部34は、ネットワークインターフェイスカード等の通信用インターフェイスを備え、ネットワークNを介して接続される画像管理装置2、施工主端末5等の外部装置と通信を行う。
【0033】
記憶部35は、大容量メモリ等から構成されている。
記憶部35には、図6に示すように、ファイル保存領域351、プログラム領域352、マスタファイル領域353等が形成されている。
ファイル保存領域351には、施工工事に関する情報を管理するための工事ファイル35a、各施工工事における工程を管理するための工程管理ファイル35b、各工程の内容の詳細に関する工程明細ファイル35cが記憶されている。
【0034】
施工業者端末3では、施工工事における工程管理を行うための工程管理プログラムがインストールされており、この工程管理プログラムの実行により、図5に示す入力画面d1から各施工工事についての施工主、工事名等の情報や、施工工事において経るべき複数の工程についての工期開始及び終了の予定日付、実績日付等を設定登録することが可能である。ファイル保存領域353は、上記入力画面d1における入力情報が記憶されるものである。
【0035】
なお、工程とは基礎工事、鉄筋工事等の施工工事において経るべき工事の種類をいい、上記入力画面d1において一の施工工事について必要な工程が設定される毎に制御部31により工程を識別するための工程番号が付与される。また、一の施工工事について設定される複数の工程を一括管理するために工程管理番号が付与される。すなわち、一の施工工事について一の工程管理番号が付与されるので、同一工事において設定された各工程には同一の工程管理番号が対応することになる。
【0036】
工事ファイル35aには、図6に示すように、施工工事を示す工事番号(例えば、「000001」等)、その施工主を示す施工主コード(例えば、「000001」等)、施工工事の工事名(例えば、「△邸新築工事」等)、施工工事が行われる工事場所(例えば、「○市△△」等)、施工工事の担当者を示す担当者コード(例えば、「001」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。これら各項目情報は、新たな工事についての工程管理が行われる毎に追加され、更新される。
【0037】
工程管理ファイル35bには、図6に示すように、施工工事について工程管理を行うために付与される工程管理番号(例えば、「000001」等)、その施工工事を示す工事番号(例えば、「000001」等)、その施工工事について工程情報の設定登録等が行われた処理日付(例えば、「20051110」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。
【0038】
工程明細ファイル35cには、図6に示すように、工程管理番号(例えば、「000001」等)、その工程管理番号により管理される工程を示す工程番号(例えば、「000001」等)、その工程の工期開始予定日付(例えば、「20051202」等)、工期終了予定日付(例えば、「20051205」等)、工期開始実績日付(例えば、「20051202」等)、工期終了実績日付(例えば、「20051207」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。これら各項目情報は、工程が設定される毎に追加され、更新される。
【0039】
プログラム領域352には、図6に示すように、工程管理プログラム等の各種制御プログラムや処理プログラムの他、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等が記憶されている。
【0040】
マスタファイル領域353には、図6に示すように、施工主マスタファイル、担当者マスタファイル、工程マスタファイル等の各種マスタファイルが記憶されている。施工主マスタファイルは施工主を示す施工主コードに対応付けて施工主に関する情報(氏名、住所等)が記憶されたものであり、担当者マスタファイルは施工業者側の工事担当者を示す担当者コードに担当者に関する情報(氏名、部署等)が対応付けて記憶されたものである。また、工程マスタファイルは工程番号とその工程番号が示す工程に関する情報(工程名称等)が対応付けて記憶されたものである。
【0041】
I/F36は、カメラ4を接続するためのインターフェイスである。I/F36は、施工業者端末3と施工業者端末3に接続されたカメラ4との間で撮影画像等の各種データのやりとりを仲介する。
【0042】
カメラ4は、撮像素子等を備えて被写体像を取り込み、これを撮影画像として生成するデジタルカメラである。カメラ4は表示ディスプレイを備え、この表示ディスプレイ上に操作画面や撮影画像を表示することができる。また、この表示ディスプレイは撮影時に撮像素子により取り込まれた画像を表示し、ファインダーとしての機能を発揮する。
【0043】
施工主端末5は、施工工事を依頼した施工主(依頼主)により用いられるユーザ端末である。施工主端末5は、制御部、操作部、表示部、通信部、記憶部等から構成されるコンピュータであり、その構成は施工業者端末3等と略同様であるのでここではその図示及び詳細な説明は省略する。
施工主端末5には、Webプログラムがインストールされており、Web画面の閲覧が可能である。
【0044】
次に、動作について説明する。
図7は、工事写真提供システム1における一連の処理の流れを示す図である。
図7を参照して全体的な処理の流れを説明した後、各装置2、3、5において行われる処理を個別に説明する。
【0045】
まず、施工業者において施工主から施工工事の依頼を受けると、施工業者により施工工事計画が立てられ、施工工事に必要な工程が決定される。そして、施工業者端末3において、施工業者により施工工事に関する工事情報、工程情報の入力が行われ、設計図の作成操作が行われると、図7に示すように、施工業者端末3では工事情報、工程情報等が登録されて工程管理が行われるとともに、設計図のデータが生成される(ステップR1)。設計図のデータは画像管理装置2に送信(アップロード)される。
【0046】
画像管理装置2では、設計図のデータを元に施工工事後の完成予想図を示すCG画像が作成され、保存される(ステップR2)。このCG画像には、Webサイト上でその施工主のみ閲覧可能とするため、パスワードが設定され、このパスワード及び施工主コードの組み合わせで認証されたときのみ閲覧が可能な形でCG画像が公開される。パスワードはその施工主コードの情報とともに施工業者から施工主に通知されるので、施工主は施工主端末5においてCG画像を公開しているWebサイトへのアクセス操作を行い、パスワード及び施工主コードを入力する。
【0047】
画像管理装置2では、施工主端末5からのアクセス操作を受けると、施工主をパスワード及び施工主コードにより認証したうえでCG画像の閲覧画面が施工主端末5に送信される。施工主端末5では、CG画像の閲覧画面が表示される。この閲覧画面では施工主が施工状況や施工結果等を確認したい撮影シーンを指定することが可能である。施工主端末5ではその指定入力がなされると(ステップR4)、CG画像から指定された撮影シーンに対応する画像がキャプチャされ、そのキャプチャ画像が画像管理装置2に送信される。
【0048】
画像管理装置2では、施工主端末5から取得されたキャプチャ画像の保存が行われる(ステップR5)。キャプチャ画像はさらに施工業者端末3に送信され、施工業者端末3を介してカメラ4に取り込まれる(ステップR6)。カメラ4では、このキャプチャ画像が表示されるので、施工業者はこのキャプチャ画像を元に施工主が所望する撮影シーンに応じた撮影を行うことが可能となる。
【0049】
そして、カメラ4において撮影が行われ、その撮影画像が生成されると(ステップR7)、施工業者端末3に撮影画像が転送され、施工業者端末3によりさらに画像管理装置2に転送される(ステップR8)。画像管理装置2では転送された撮影画像がキャプチャ画像と対応付けて保存される。また、施工業者端末3から撮影画像に係る工程情報が取得され、この工程情報と撮影画像とが対応付けて保存される(ステップR9)。保存された撮影画像は、上述したCG画像の場合と同様、パスワード、施工主コード、施工業者コード等によりその施工工事に関連する施工主及び施工業者のみ閲覧可能にWeb上で公開される。
【0050】
画像管理装置2では、施工主端末5からのアクセス操作を受けると、パスワードや施工主コード等により施工主を認証したうえで、キャプチャ画像により撮影画像を検索可能な閲覧画面が作成されて施工主端末5に送信される。そして、施工主端末5から上記閲覧画面において選択操作されたキャプチャ画像の選択情報が受信されると、当該キャプチャ画像に対応する撮影画像が施工主端末5に送信される。施工主端末5では、画像管理装置2から受信された撮影画像の表示が行われ、閲覧に供される(ステップR10)。
【0051】
一方、施工業者端末3では、工程管理プログラムの起動により施工工事に係る工程管理画面が表示され、この工程管理画面から撮影画像の閲覧が可能である。工程管理画面は施工工事における各工程が選択可能に構成されており、この画面で選択操作された工程の選択情報が画像管理装置2に送信される。画像管理装置2では、工程の選択情報が受信されると、当該工程に対応する撮影画像が施工業者端末3に送信されるので、施工業者端末3ではその撮影画像が表示され、閲覧に供される(ステップR11)。
【0052】
次に、各装置2、3、5において行われる処理を個別に説明する。
まず、図8を参照して、施工主端末5において実行される撮影指定処理について説明する。撮影指定処理は、図7のステップR3、R4の処理に相当するものである。
【0053】
説明の前提として、施工主端末5では予め画像管理装置2からCG画像とともにCG画像の閲覧制御用のプログラムを取得し、このプログラムの起動により図9に示すような施工物件のCG画像の閲覧画面d2を表示部上に表示しているものとする。CG画像には、施工工事の工事名、工事番号、施工物件の位置名称等のCG画像に関する情報が付帯されている。
【0054】
図9に示すように、閲覧画面d2では、CG画像を様々な位置や方向からキャプチャしたキャプチャ画像d21を表示することが可能であり、キャプチャする位置、方向を変更操作するための操作ボタン群d22が含まれている。また、施工工事の工事名d26、現在表示しているキャプチャ画像d21が施工物件のどの位置に当たるのかを示す位置情報d25、送信ボタンd24が表示されている。なお、工事名d26、位置情報d25はCG画像の付帯情報から取得されるものである。また、送信ボタンd24はキャプチャ画像d21を工事写真の撮影シーンとして指定するためのボタンである。
【0055】
キャプチャ画像d21の左側には、このキャプチャ画像d21がどの位置でどの方向からキャプチャされたのかを判別するためのガイド表示d23がなされている。ガイド表示d23は、施工物件の間取り図(平面図)上に矢印が表示されたものであり、この矢印によりキャプチャする位置及び方向、つまり工事写真の撮影位置と撮影方向を示すものである。
【0056】
施工主は、この閲覧画面d2において表示されるキャプチャ画像d21を参照し、キャプチャする位置、方向を変更したい場合には、ガイド表示d23を参照しながら操作ボタン群d22を操作する。施工業者端末3では、変更操作に応じて変更した位置、方向でCG画像から再キャプチャされ、その新たなキャプチャ画像が閲覧画面d2において更新表示される。施工主は、所望の撮影シーンに応じたキャプチャ画像d21が表示されるまでこのような変更操作を繰り返し、送信ボタンd24を操作する。送信ボタンd24が操作されると、施工主端末5では図8に示す撮影指定処理が開始される。
【0057】
図8に示す撮影指定処理では、閲覧画面d2において送信ボタンd24の押下操作がなされると(ステップS11;Y)、表示中のキャプチャ画像d21にファイル名が付与されるとともに(ステップS12)、そのキャプチャ画像に位置指定番号が付与される(ステップS13)。ファイル名は、キャプチャされた順に連番で発行された番号が付与される。また、位置指定番号とは撮影シーンを指定した順に連番で発行されるものであり、この番号によりある工事において撮影シーンとして指定された複数のキャプチャ画像d21を個別に識別することができる。
【0058】
次いで、ファイル名が付与されたキャプチャ画像d21に対応する施工工事の工事名、工事番号、位置情報d25がCG画像の付帯情報から取得される。これらの情報は、そのキャプチャ画像d21に付与された位置指定番号の情報とともにキャプチャ画像d21に付帯されて、画像管理装置2に送信される(ステップS14)。
このステップS11〜S14の処理は、撮影シーンが指定される毎に繰り返されることとなる。
【0059】
次に、施工主端末5からキャプチャ画像が送信された画像管理装置2において実行されるキャプチャ画像保存処理について、図10を参照して説明する。このキャプチャ画像保存処理は、図7のステップR5に相当する処理である。
図10に示すキャプチャ画像保存処理では、施工主端末5からキャプチャ画像の受信を要求する要求情報が受信されると(ステップS21;Y)、施工主端末5からキャプチャ画像とともに、施工工事の工事名、工事番号、位置指定番号、位置情報が通信部22を介して受信される。
【0060】
受信されたキャプチャ画像は制御部21によりキャプチャ画像保存領域232に保存される(ステップS22)。このとき、制御部21により当該キャプチャ画像に透過処理を施した透過画像が作成され、キャプチャ画像とともに保存される。この透過画像は、工事写真の撮影を行う際のガイドとして表示するために作成されるものである。
【0061】
一方、キャプチャ画像とともに受信された施工工事の工事名、工事番号、位置指定番号、位置情報の各情報は、制御部21によりそれぞれ対応付けてキャプチャ管理ファイル23aに格納される。そして、キャプチャ管理ファイル23aの更新が行われると(ステップS23)、本処理を終了する。
【0062】
このようにして保存されたキャプチャ画像及びその透過画像は、キャプチャ管理ファイル23aに保存された工事番号、工事名、位置指定番号、位置情報の各項目情報(以下、これらをキャプチャ管理情報という)とともに画像管理装置2から施工業者端末3へ転送される。施工業者端末3では、I/F36を介して接続されているカメラ4に、画像管理装置2から受信されたキャプチャ画像、その透過画像及びキャプチャ管理情報を転送する処理が行われる。
【0063】
次に、カメラ4において実行される撮影処理について、図11を参照して説明する。なお、この撮影処理は、図7のステップR6、R7、R8に相当する処理である。
図11に示す撮影処理では、まず施工業者端末3からキャプチャ画像の取込要求の要求情報が入力されたか否かが判別され(ステップS31)、要求情報が入力されている場合は(ステップS31;Y)、施工業者端末3からキャプチャ画像及びキャプチャ管理情報の取込が行われる(ステップS32)。取り込まれたキャプチャ画像及びキャプチャ管理情報は、カメラ4内の記憶部に保存される。
【0064】
キャプチャ画像の取込が終了すると、キャプチャ管理情報に基づいて工事番号がカメラ4の表示ディスプレイ上に選択的に一覧表示される(ステップS33)。また、ステップS31においてキャプチャ画像の取込要求がなされていない場合(ステップS31;N)、既に取り込まれて保存されているキャプチャ画像のキャプチャ管理情報に基づいて工事番号(或いは、工事名称であってもよい)の一覧表示が行われる(ステップS33)。
【0065】
そして、撮影者により一覧表示された中から一の工事番号が選択操作されると(ステップS34;Y)、キャプチャ管理情報に基づいて選択された工事番号に対応する位置指定番号(或いは、位置情報であってもよい)が選択的に一覧表示される(ステップS35)。この中からさらに一の位置指定番号が選択されると(ステップS36;Y)、選択された位置指定番号に対応するキャプチャ画像が表示ディスプレイ上に表示される(ステップS37)。
【0066】
この表示されたキャプチャ画像により、撮影者は撮影すべき撮影シーン、つまり撮影位置や方向等を確認することができる。なお、キャプチャ画像はその透過画像に切り替え表示可能である。撮影時にファインダーとして取込画像を表示させた表示ディスプレイ上に重ねて透過画像を表示させることにより、撮影者はその透過画像と取込画像とを一致させるように撮影を行うことができる。すなわち、透過画像を撮影用のガイドとして用いることが可能である。
【0067】
そして、撮影者により撮影の指示操作がなされると(ステップS38;Y)、カメラ4では撮影動作がなされて撮影画像が生成される。そして、この撮影画像に、選択された工事番号、位置指定番号、撮影日時からなるファイル名が付与されてカメラ4の記憶部に保存される(ステップS39)。
【0068】
その後、撮影者はカメラ4を施工業者端末3のI/F36に接続し、撮影画像の転送操作を行うと、施工業者端末3では、カメラ4から受信された撮影画像とその撮影画像が関連する施工工事の工程とを関連付けが行われる。
【0069】
図12を参照して、施工業者端末3において実行される工程設定処理について説明する。この処理は、撮影画像と施工工事の過程においてその撮影画像が関連する工程とを関連付けて画像管理装置2へ転送する処理であり、図7に示すステップR8に相当する処理である。
【0070】
図12に示す工程設定処理では、I/F36を介してカメラ4から撮影画像が入力されると、工程設定画面が表示部33上に表示される。そしてこの工程設定画面において操作部32を介して工事番号の指定操作が行われると(ステップS41)、入力された各撮影画像のファイル名が制御部31により参照され、指定された工事番号が含まれるファイル名が取得されて(ステップS42)、表示部33上に一覧表示される(ステップS43)。
【0071】
操作者は、一覧表示された撮影画像のファイル名により、各撮影画像が関連する工程を判別する。各工程についてはその工期の開始及び終了時期が設定されており、また撮影画像のファイル名は、工事番号、位置指定番号、撮影日時から構成されているので、撮影日時等から撮影画像が何れの工程に関連しているのかは判別することが可能である。なお、撮影画像そのものを表示して判別させることとしてもよい。関連する工程が判別できた撮影画像については、操作者はその工程を示す工程番号の入力を行う。
【0072】
施工業者端末3では、操作部32を介して各撮影画像のファイル名について関連する工程番号が入力されると、制御部31によりステップS41で指定された工事番号及び入力された工程番号の情報が各撮影画像に付帯され、撮影画像に対して対応する工程が設定される(ステップS44)。一の撮影画像に複数の工程が関連している場合等には(ステップS45;N)、ステップS44の処理を繰り返す。
【0073】
各撮影画像について対応する工程の設定が終了すると(ステップS45;Y)、工事番号及び工程番号の情報が付帯された撮影画像が通信部34を介して画像管理装置2へ送信される(ステップS46)。
【0074】
画像管理装置2では、撮影画像及びその付帯情報が受信されると、当該撮影画像が記憶部23の撮影画像保存領域233に保存される。このとき、画像管理装置2では、撮影画像とその撮影のために用いられたキャプチャ画像とが対応付けて保存されることとなる。すなわち、図13に示すように、キャプチャ管理ファイル23aにはキャプチャ画像のファイル名に対応付けて工事番号、位置指定番号が記憶されており、キャプチャ画像はこの工事番号と位置指定番号により特定することが可能である。これに対し、撮影画像のファイル名は、先頭の1〜5桁が撮影に用いたキャプチャ画像の工事番号、6〜8桁が位置指定番号から構成されているため、この工事番号及び位置指定番号により対応するキャプチャ画像を特定することができるものである。
【0075】
また、撮影画像の付帯情報に基づいて、撮影画像と施工工事における工程とが関連づけて保存される。すなわち、撮影画像管理ファイル23bにおいて撮影画像のファイル名と撮影画像に付帯された工事番号及び工程番号の情報とが対応付けて格納され、関連付けられる。
【0076】
次に、図14を参照し、画像管理装置2において実行される第1の画像提供処理について説明する。この処理は、施工主端末5に対して撮影画像を提供する処理であり、図7のステップR10に該当する。なお、この処理は施工主端末5から撮影画像の閲覧要求がなされ、施工主の認証が行われた後に開始されるものである。
【0077】
図14に示す第1の画像提供処理では、制御部21によりキャプチャ管理ファイル23から認証された施工主に対応する施工工事の工事名、位置情報が抽出される(ステップS51)。そして、抽出された工事名、位置情報に日付を加えてこれらを撮影画像の抽出条件とする閲覧画面が作成され、施工主端末5に送信される(ステップS52)。なお、一の施工主に複数の依頼工事がある場合や撮影画像が複数ある場合には、それら複数の工事や撮影画像の位置情報、日付が選択できるように、抽出条件である工事名、位置、日付が閲覧画面において選択的に表示される。
【0078】
施工主端末5では、画像管理装置2から受信された閲覧画面が表示されるので、施工主は閲覧したい撮影画像の工事名を選択操作する。さらに、撮影画像の撮影位置や撮影日付で絞り込みたい場合には、位置、日付の選択操作を行う。施工主端末5では、それら抽出条件の入力情報が画像管理装置2へ送信される。
【0079】
画像管理装置2では、閲覧画面を介して施工主端末5から抽出条件が入力されると(ステップS53;Y)、制御部21において全ての位置が選択されたか否かが判別され(ステップS54)、全ての位置が選択された場合、つまり位置の抽出条件は特に指定されなかった場合には(ステップS54;Y)、ステップS58の処理に移行し、位置の抽出条件が指定された場合には(ステップS54;N)、ステップS55の処理に移行する。
【0080】
まず、位置の抽出条件が指定された場合について説明する。
この場合、キャプチャ管理ファイル23aに基づき、選択された工事名及び位置に対応するキャプチャ画像のファイル名が制御部21により特定される。図3に示すキャプチャ管理ファイル23aの例で説明すると、例えば工事名「△邸新築工事」、位置「居間」が指定された場合、この指定条件に一致するキャプチャ画像のファイル名は「C000001.jpg」と特定することができる。そして、当該特定されたファイル名のキャプチャ画像がキャプチャ画像保存領域232から検索されて、通信部22により施工主端末5へ送信される(ステップS55)。
【0081】
次いで、制御部21ではキャプチャ管理ファイル23aにおいて特定されたキャプチャ画像のファイル名に対応する位置指定番号が取得され(ステップS56)、選択された工事番号、取得された位置指定番号、日付(選択されている場合のみ)の抽出条件に一致する撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出されて(ステップS57)、施工主端末5へ送信される。撮影画像のファイル名は図13に示したように、先頭1〜5桁が工事番号、続いて3桁が位置指定番号、続いて8桁が撮影日時となっているので、ファイル名を参照して工事番号、位置指定番号及び日付の条件に一致する撮影画像を検索することにより、抽出条件に一致する撮影画像を抽出することができる。なお、日付の抽出条件が選択されていない場合には、撮影画像の抽出条件から除外する。
【0082】
施工主端末5では、画像管理装置2から送信されたキャプチャ画像及び撮影画像の縮小画像が生成され、図15に示すような閲覧画面d3において一覧表示される。この閲覧画面d3は、3つの表示領域d32〜d34に分割され、表示領域d32には工事名、位置、日付の抽出条件が選択可能に表示されている。また、表示領域d33には選択した抽出条件に対応するキャプチャ画像の縮小画像、表示領域d34にはそのキャプチャ画像に対応する撮影画像の縮小画像が表示されている。撮影画像の縮小画像にはそのファイル名から取得された撮影日付の情報がともに表示されている。閲覧画面d3ではこれら縮小画像をクリック操作することにより、縮小されていない元のキャプチャ画像及び撮影画像を確認することが可能である。
【0083】
次に、位置の抽出条件が特に指定されなかった場合について説明する。
この場合、キャプチャ管理ファイル23aに基づき、選択された工事名に対応するキャプチャ画像のファイル名が制御部21により特定され、当該ファイル名のキャプチャ画像がキャプチャ画像保存領域232から検索されて、施工主端末5へ送信される(ステップS58)。
【0084】
施工主端末5では、受信されたキャプチャ画像の縮小画像が作成されて閲覧画面において一覧表示される。具体的には、図15に示す閲覧画面d3の表示領域d34における撮影画像の縮小画像群を非表示とした状態と同一である。施工主は、この閲覧画面において閲覧したい撮影画像に対応するキャプチャ画像をクリック操作により選択する。施工主端末5では、この選択情報が画像管理装置2へ送信される。
【0085】
画像管理装置2では、閲覧画面においてキャプチャ画像が選択されると(ステップS59;Y)、キャプチャ管理ファイル23aにおいて特定されたキャプチャ画像のファイル名に対応する位置指定番号が取得され(ステップS60)、選択された工事番号、取得された位置指定番号、日付(選択されている場合のみ)の抽出条件に一致する撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出され、施工主端末5へ送信されると(ステップS61)、本処理を終了する。
【0086】
施工主端末5では、撮影画像の縮小画像が生成され、図15に示すように、閲覧画面d3の表示領域d34に一覧表示される。
【0087】
次に、図16を参照して、画像管理装置2において実行される第2の画像提供処理を説明する。この第2の画像提供処理は、施工業者端末3に対して撮影画像を提供する際に実行される処理であり、図7のステップR11に該当する。
【0088】
施工業者端末3では、撮影画像を閲覧する際には、図17に示すような工程管理画面d4から撮影画像を取得することが可能な構成となっている。
図17に示す工程管理画面d4は、工事計画工程表と撮影画像の表示領域d41、d42に分けられており、工事計画工程表の表示領域d41では日付と施工工事における各工程とを現した表が表示されている。日付と工程とが交差する欄にはその工程の設定時に入力された工期の予定と実績を示す線が表示されている。
【0089】
この工程管理画面d4では、閲覧したい撮影画像をその撮影した日付、関連する工程、或いはその組み合わせの抽出条件で抽出することが可能である。撮影画像を日付で指定する場合には、日付欄の該当する日付部分をクリック操作し、撮影画像を工程で指定する場合には工程欄の該当する工程部分をクリック操作すればよい。また、撮影画像を日付と工程の両方で指定する場合には、その日付と工程が交わる欄をクリック操作すればよい。
施工業者端末3では、このような日付のみ、工程のみ、或いは日付及び工程の組み合わせで抽出条件が指定されると、その指定情報が画像管理装置2へ送信される。
【0090】
画像管理装置2では、図16に示すように、施工業者端末3において日付のみの抽出条件が指定されると(ステップS71;Y)、撮影画像管理ファイル23bにおける撮影画像のファイル名が参照され、指定された日付に一致するファイル名が検索される。撮影画像のファイル名には先頭から9〜16桁部分に撮影日が含まれるので、この9〜16桁部分を参照し、指定された日付と一致するものを検索すればよい。そして、一致するファイル名があると、当該ファイル名の撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出される(ステップS72)。
【0091】
一方、施工業者端末3において工程のみの抽出条件が指定された場合(ステップS73;Y)、撮影画像管理ファイル23bに基づき、指定された工程の工程番号に対応するファイル名が検索され、当該ファイル名の撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出される(ステップS74)。
【0092】
また、施工業者端末3において日付及び工程の組み合わせで抽出条件が指定された場合(ステップS75;Y)、撮影画像管理ファイル23bに基づき、指定された工程の工程番号に対応するファイル名が検索され、この検索されたファイル名において指定された日付が一致するファイル名がさらに検索される。そして、一致するファイル名があると、当該ファイル名の撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出され(ステップS76)、ステップS77の処理へ移行する。
【0093】
ステップS77では、抽出された撮影画像が施工業者端末3へ送信され(ステップS77)、本処理を終了する。
施工業者端末3では、受信された撮影画像の縮小画像が作成され、図17に示すように閲覧画面d4の撮影画像の表示領域d42に一覧表示される。この撮影画像の縮小画像は、例えば撮影日時順、位置指定番号順等に並べ替えて表示することが可能である。この一覧表示された中から一の撮影画像を選択し、その縮小画像をクリック操作することにより、施工業者端末3では縮小されていない元の撮影画像が表示される。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、画像管理装置2において、CG画像により施工主が所望する撮影シーンに対応するキャプチャ画像を施工主端末5から取得し、これを施工業者端末3に送信するので、施工業者はこのキャプチャ画像に基づいてカメラ4により施工主が所望する撮影シーンに応じた撮影を行うことができる。すなわち、キャプチャ画像により施工主の要望に応じた具体的な撮影指示を行うことが可能となる。この撮影シーンの指定操作は施工主端末5からWebサイトにアクセスして行うことができるので、施工主は自己の所有する端末から容易に撮影指示を行うことが可能である。
【0095】
また、キャプチャ画像の透過画像を作成するので、この透過画像をカメラ4において撮影ガイドとして用いることができる。これにより、より施工主が要望する撮影シーンに応じた撮影を行うことができる。
【0096】
また、施工主の要望により得られた撮影画像は、画像管理装置2において工事写真の一部として工程と関連付けられて管理されるので、施工業者は効率良く工事記録をとることができるとともに施工主端末5において画像管理を行う手間が省ける。
【0097】
また、撮影された撮影画像は、施工業者端末3を介して画像管理装置2に送信され、画像管理装置2から施工業者端末3又は施工主端末5の要求に応じて配信されるので、施工主又は施工業者は工事写真として得られた撮影画像を随時閲覧することができ、撮影画像からその施工状況や施工結果等を確認することができる。
【0098】
また、画像管理装置2において、撮影画像はその撮影に用いられたキャプチャ画像と対応付けて保存されるので、施工主が撮影画像を閲覧する場合にはキャプチャ画像から撮影画像を検索することができる。
【0099】
さらに、画像管理装置2において、撮影画像は関連する工程の工程情報と対応付けて保存されるので、施工業者が撮影画像を閲覧する場合には、施工状況等を確認したい工程から撮影画像を検索することができる。撮影画像の表示は、工程管理表が表示された工程管理画面から行うので、視覚的に工程の進捗状況を確認しながら、実際の施工状況を示す撮影画像を確認することができ、工程管理作業が効率的となる。
【0100】
なお、上述した実施形態は本発明を適用した好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、画像管理装置2においてキャプチャ画像の透過画像を作成し、これをカメラ4において表示し、撮影ガイド用として用いることとしたが、施工業者端末3においてキャプチャ画像を印刷出力する等し、これを見ながら撮影を行うような形態であってもよい。
【0101】
また、撮影画像とキャプチャ画像の関連付けは、キャプチャ管理ファイル23aにおいてキャプチャ画像のファイル名と工事番号、位置指定番号とを対応付けて保存し、かつ撮影画像のファイル名に工事番号、位置指定番号を含ませることにより行うこととしたが、撮影画像のファイル名とキャプチャ画像のファイル名とを対応付けて記憶するための関連付けファイル等を新たに設けることとしてもよい。
【0102】
また、図9に示したCG画像の閲覧画面d2では、工事写真の撮影位置及び撮影方向を指定するため、キャプチャ位置及びキャプチャ方向を操作ボタン群d22により変更操作可能な構成としたが、さらにキャプチャ画像d21の倍率を変更操作可能な構成としてもよい。これにより、撮影シーンとして撮影倍率を指定することが可能となり、より具体的な撮影指示を行うことが可能となる。
【0103】
また、施工主端末5においてキャプチャ画像を作成し、これを画像管理装置2が取得する構成としたが、これに限らず、施工主端末5ではCG画像の何れの場面の画像をキャプチャするのかを指示するだけの指示情報を生成して画像管理装置2に送信し、画像管理装置2においてこの指示情報に基づいてキャプチャ画像を作成する構成としてもよい。
【0104】
また、上述した説明では、工事写真の提供サービスを行う者と施工業者とが異なること場合を説明したが、施工業者が提供サービスを行う場合には画像管理装置2と施工業者端末3の機能を一体化することとしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 工事写真提供システム
2 画像管理装置
21 制御部
23 記憶部
23a キャプチャ管理ファイル
23b 撮影画像管理ファイル
3 施工業者端末
31 制御部
35 記憶部
35a 工事ファイル
35b 工程管理ファイル
35c 工程明細ファイル
4 カメラ
5 施工主端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事の施工状況等を撮影した工事写真の撮影画像を管理する画像管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工事の施工に際してその施工状況の記録を残すために工事写真を撮影することが行われている。近年では、工事写真をインターネットを介して提供するシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。これは、施工業者が撮影した工事写真の撮影画像をサーバに保存し、施工主(工事の依頼主)にその保存先を示すURLを通知するものであり、施工主がそのURLにアクセスすることにより、インターネット上で容易に工事写真を確認することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−331552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、工事写真自体は施工業者が撮影するため、撮影場所や撮影方向、撮影範囲等、施工主が所望する撮影シーンに沿わない場合がある。また、施工主側から施工業者に所望の撮影シーンをリクエストできることとしても、施工主が実際の現場を確認しながらリクエストできるわけではないため、撮影指示があいまいとなり、やはり施工主の要望に応じた撮影画像が得られない場合が多い。
【0005】
本発明の課題は、施工主が所望する撮影シーンを施工業者に指示し、所望する撮影シーンの工事写真を施工主に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
施工業者端末と、施工主端末とにネットワークを介して接続された画像管理装置であって、
前記施工業者端末又は前記施工主端末と通信を行う通信手段と、
施工対象物件の工事後の完成図を画像化したCG画像を前記通信手段を介して前記施工主端末に送信させるCG画像制御手段と、
前記施工主端末における撮影シーンの指定操作に基づいて前記CG画像からキャプチャされたキャプチャ画像を取得するキャプチャ画像取得手段と、
前記取得されたキャプチャ画像を前記通信手段を介して前記施工業者端末に送信させるキャプチャ画像制御手段と、
前記送信されたキャプチャ画像に対応する工事写真の撮影画像が前記通信手段を介して前記施工業者端末から受信されると、当該撮影画像を前記キャプチャ画像に対応付けて記憶する撮影画像記憶手段と、
前記キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得し、前記通信手段を介して前記施工主端末に配信させる配信制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像管理装置において、
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して閲覧対象の撮影画像をキャプチャ画像により指定するための指定画面を前記施工主端末に送信させ、この指定画面におけるキャプチャ画像の指定情報が前記施工主端末から受信されると、当該キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工主端末に配信させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像管理装置において、
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工事と関連づけて記憶することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像管理装置において、
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工程と関連づけて記憶し、
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して前記施工業者端末から工程の指定情報が受信されると、当該工程に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工業者端末に配信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、施工主が所望する撮影シーンに応じたキャプチャ画像を施工業者端末に送信するので、キャプチャ画像により施工業者に対して具体的かつ視覚的に撮影指示を行うことができる。よって、施工主が所望する撮影シーンの撮影画像を取得することができ、これを施工主に提供することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、キャプチャ画像により施工主は閲覧対象の撮影画像を視覚的に指定することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、撮影画像をその工事に関連づけて記憶するので、施工主の要望に応じて撮影された撮影画像をその工事の記録である工事写真として管理することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、各撮影画像をその撮影が行われた工程に関連付けて記憶するので、施工業者において工事写真を参照したい工程がある場合にはその工程から工事写真の撮影画像を指定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した画像管理装置2を含む工事写真提供システム1を示す図である。
【図2】図1の画像管理装置2の内部構成を示す図である。
【図3】図2の記憶部23に記憶されるファイル類の例を示す図である。
【図4】図1の施工業者端末3の内部構成を示す図である。
【図5】工事情報や工程情報の入力画面例を示す図である。
【図6】図4の記憶部35に記憶されるファイル類の例を示す図である。
【図7】工事写真提供システムにおける全体的な処理の流れを説明する図である。
【図8】図1の施工主端末5により実行される撮影指定処理を示すフローチャートである。
【図9】CG画像の閲覧画面例を示す図である。
【図10】画像管理装置2により実行されるキャプチャ画像保存処理を示すフローチャートである。
【図11】図1のカメラ4により実行される撮影処理を説明するフローチャートである。
【図12】施工業者端末3により実行される工程設定処理を説明するフローチャートである。
【図13】撮影画像とキャプチャ画像との関連付けを説明する図である。
【図14】画像管理装置2により実行される第1の画像提供処理を示すフローチャートである。
【図15】撮影画像の閲覧画面例を示す図である。
【図16】画像管理装置2により実行される第2の画像提供処理を示すフローチャートである。
【図17】撮影画像の閲覧が可能な工程管理画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における画像管理装置2を含む工事写真提供システム1を示す。
図1に示すように、工事写真提供システム1は、工事写真の提供サービスを行うサービス会社等に設置された画像管理装置2、工事を施工する施工業者に設置された施工業者端末3、工事を発注する施工主に設置された施工主端末5を備えて構成され、各構成装置2、3、5はそれぞれネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、インターネット、イントラネット、通信回線等の通信ネットワークである。
【0016】
工事写真提供システム1は、画像管理装置2が施工主端末5から工事写真の撮影指示を受け付けるとともに、施工業者端末3に接続されるカメラ4で撮影された撮影画像を画像管理装置2において管理し、画像管理装置2が管理する撮影画像を施工業者端末3又は施工主端末5にネットワークNを介して提供するものである。
以下、各構成装置について説明する。
【0017】
画像管理装置2は、工事写真として撮影された撮影画像のデータを管理するものであり、工事写真の提供サービスを行うサービス会社等に設置されている。
図2に、画像管理装置2の内部構成を示す。
図2に示すように、画像管理装置2は、制御部21、通信部22、記憶部23を備えて構成されている。
【0018】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部23に格納された各種制御プログラムや処理プログラムを読み出し、これらプログラムとの協働により演算を行う、或いは各部22、23を集中制御する。
【0019】
通信部22は、ネットワークインターフェイスカード等、通信用のインターフェイスを備え、ネットワークNを介して接続される施工業者端末3や施工主端末5の外部装置と通信を行う。
【0020】
記憶部23は、大容量メモリ等から構成されている。
記憶部23には、図3に示すように、ファイル保存領域231、キャプチャ画像保存領域232、撮影画像保存領域233、プログラム領域234、CG画像保存領域235等が形成されている。
【0021】
ファイル保存領域231には、キャプチャ管理ファイル23a、撮影画像管理ファイル23bが記憶されている。キャプチャ管理ファイル23aは、施工工事後の完成予想図を画像化したCG画像において、ある画像部分がキャプチャ(抽出)されたキャプチャ画像を管理するためのファイルである。また、撮影画像管理ファイル23bは工事写真として撮影された撮影画像を管理するためのものである。
【0022】
キャプチャ管理ファイル23aには、図3に示すように、複数の施工工事を個々に識別するために割り振られる工事番号(例えば、「000001」等)、その施工工事名(例えば、「△邸新築工事」等)、キャプチャ画像のキャプチャ位置が指定された順に付与される位置指定番号(例えば、「003」等)、そのキャプチャ位置を示す位置情報(例えば、「居間」等)、キャプチャ画像のファイル名(例えば、「C000001.jpg」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。これらの各項目情報はキャプチャ画像が取得される毎に追加され、更新される。
【0023】
撮影画像管理ファイル23bには、図3に示すように、工事写真の撮影が行われた施工工事の工事番号(例えば、「000001」等)、工事写真の撮影画像のファイル名(例えば、「00000100320050928140555.jpg」等)、施工工事においてその撮影画像が関連する一又は複数の工程を示す工程番号(例えば、「000001」「000003」、「000014」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。すなわち、撮影画像に関連づけて工事番号、工程等の工事に関する工事情報を記憶しているものである。これらの各項目情報は撮影画像が取得される毎に追加され、更新される。
【0024】
キャプチャ画像保存領域232には、図3に示すように、「C000001.jpg」等のファイル名で示されるキャプチャ画像が保存されている。
撮影画像保存領域233には、図3に示すように、「00000100320050928140555.jpg」等のファイル名で示される撮影画像が保存されている。
【0025】
プログラム領域234には、ネットワークを介して施工主端末5に撮影画像を配信するためのWebプログラムや、施工業者端末3に撮影画像を配信するための画像提供処理用プログラム、設計図等からCG画像を作成するためのCG処理プログラム等の各種制御プログラムや処理プログラムが記憶されている。また、プログラムの実行にあたって必要なパラメータやデータ等も記憶されている。
【0026】
CG画像保存領域235には、設計図を元に施工工事後の完成予想図がCG化されたCG画像(例えば、「CG画像1」等)のデータが記憶されている。CG画像は施工工事毎に作成され、記憶されている。
【0027】
施工業者端末3は、施工業者によって用いられるユーザ端末であり、各施工工事の工程管理や、画像管理装置2への工事写真の撮影画像のアップロード、又はこれらの閲覧を行うために利用されるものである。
【0028】
図4に、施工業者端末3の内部構成を示す。
図4に示すように、施工業者端末3は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35、I/F36を備えて構成されている。
【0029】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部35に格納されている各種制御プログラム、処理プログラムを読み出し、これらプログラムに従って演算を行う、或いは各部32〜36の動作を集中制御する。
【0030】
操作部32は、マウスやキーボード等を備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部31に出力する。
【0031】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部31の制御に従って、操作画面やWeb閲覧画面、撮影画像等の各種表示情報を表示する。
【0032】
通信部34は、ネットワークインターフェイスカード等の通信用インターフェイスを備え、ネットワークNを介して接続される画像管理装置2、施工主端末5等の外部装置と通信を行う。
【0033】
記憶部35は、大容量メモリ等から構成されている。
記憶部35には、図6に示すように、ファイル保存領域351、プログラム領域352、マスタファイル領域353等が形成されている。
ファイル保存領域351には、施工工事に関する情報を管理するための工事ファイル35a、各施工工事における工程を管理するための工程管理ファイル35b、各工程の内容の詳細に関する工程明細ファイル35cが記憶されている。
【0034】
施工業者端末3では、施工工事における工程管理を行うための工程管理プログラムがインストールされており、この工程管理プログラムの実行により、図5に示す入力画面d1から各施工工事についての施工主、工事名等の情報や、施工工事において経るべき複数の工程についての工期開始及び終了の予定日付、実績日付等を設定登録することが可能である。ファイル保存領域353は、上記入力画面d1における入力情報が記憶されるものである。
【0035】
なお、工程とは基礎工事、鉄筋工事等の施工工事において経るべき工事の種類をいい、上記入力画面d1において一の施工工事について必要な工程が設定される毎に制御部31により工程を識別するための工程番号が付与される。また、一の施工工事について設定される複数の工程を一括管理するために工程管理番号が付与される。すなわち、一の施工工事について一の工程管理番号が付与されるので、同一工事において設定された各工程には同一の工程管理番号が対応することになる。
【0036】
工事ファイル35aには、図6に示すように、施工工事を示す工事番号(例えば、「000001」等)、その施工主を示す施工主コード(例えば、「000001」等)、施工工事の工事名(例えば、「△邸新築工事」等)、施工工事が行われる工事場所(例えば、「○市△△」等)、施工工事の担当者を示す担当者コード(例えば、「001」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。これら各項目情報は、新たな工事についての工程管理が行われる毎に追加され、更新される。
【0037】
工程管理ファイル35bには、図6に示すように、施工工事について工程管理を行うために付与される工程管理番号(例えば、「000001」等)、その施工工事を示す工事番号(例えば、「000001」等)、その施工工事について工程情報の設定登録等が行われた処理日付(例えば、「20051110」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。
【0038】
工程明細ファイル35cには、図6に示すように、工程管理番号(例えば、「000001」等)、その工程管理番号により管理される工程を示す工程番号(例えば、「000001」等)、その工程の工期開始予定日付(例えば、「20051202」等)、工期終了予定日付(例えば、「20051205」等)、工期開始実績日付(例えば、「20051202」等)、工期終了実績日付(例えば、「20051207」等)の各項目情報が対応付けて記憶されている。これら各項目情報は、工程が設定される毎に追加され、更新される。
【0039】
プログラム領域352には、図6に示すように、工程管理プログラム等の各種制御プログラムや処理プログラムの他、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等が記憶されている。
【0040】
マスタファイル領域353には、図6に示すように、施工主マスタファイル、担当者マスタファイル、工程マスタファイル等の各種マスタファイルが記憶されている。施工主マスタファイルは施工主を示す施工主コードに対応付けて施工主に関する情報(氏名、住所等)が記憶されたものであり、担当者マスタファイルは施工業者側の工事担当者を示す担当者コードに担当者に関する情報(氏名、部署等)が対応付けて記憶されたものである。また、工程マスタファイルは工程番号とその工程番号が示す工程に関する情報(工程名称等)が対応付けて記憶されたものである。
【0041】
I/F36は、カメラ4を接続するためのインターフェイスである。I/F36は、施工業者端末3と施工業者端末3に接続されたカメラ4との間で撮影画像等の各種データのやりとりを仲介する。
【0042】
カメラ4は、撮像素子等を備えて被写体像を取り込み、これを撮影画像として生成するデジタルカメラである。カメラ4は表示ディスプレイを備え、この表示ディスプレイ上に操作画面や撮影画像を表示することができる。また、この表示ディスプレイは撮影時に撮像素子により取り込まれた画像を表示し、ファインダーとしての機能を発揮する。
【0043】
施工主端末5は、施工工事を依頼した施工主(依頼主)により用いられるユーザ端末である。施工主端末5は、制御部、操作部、表示部、通信部、記憶部等から構成されるコンピュータであり、その構成は施工業者端末3等と略同様であるのでここではその図示及び詳細な説明は省略する。
施工主端末5には、Webプログラムがインストールされており、Web画面の閲覧が可能である。
【0044】
次に、動作について説明する。
図7は、工事写真提供システム1における一連の処理の流れを示す図である。
図7を参照して全体的な処理の流れを説明した後、各装置2、3、5において行われる処理を個別に説明する。
【0045】
まず、施工業者において施工主から施工工事の依頼を受けると、施工業者により施工工事計画が立てられ、施工工事に必要な工程が決定される。そして、施工業者端末3において、施工業者により施工工事に関する工事情報、工程情報の入力が行われ、設計図の作成操作が行われると、図7に示すように、施工業者端末3では工事情報、工程情報等が登録されて工程管理が行われるとともに、設計図のデータが生成される(ステップR1)。設計図のデータは画像管理装置2に送信(アップロード)される。
【0046】
画像管理装置2では、設計図のデータを元に施工工事後の完成予想図を示すCG画像が作成され、保存される(ステップR2)。このCG画像には、Webサイト上でその施工主のみ閲覧可能とするため、パスワードが設定され、このパスワード及び施工主コードの組み合わせで認証されたときのみ閲覧が可能な形でCG画像が公開される。パスワードはその施工主コードの情報とともに施工業者から施工主に通知されるので、施工主は施工主端末5においてCG画像を公開しているWebサイトへのアクセス操作を行い、パスワード及び施工主コードを入力する。
【0047】
画像管理装置2では、施工主端末5からのアクセス操作を受けると、施工主をパスワード及び施工主コードにより認証したうえでCG画像の閲覧画面が施工主端末5に送信される。施工主端末5では、CG画像の閲覧画面が表示される。この閲覧画面では施工主が施工状況や施工結果等を確認したい撮影シーンを指定することが可能である。施工主端末5ではその指定入力がなされると(ステップR4)、CG画像から指定された撮影シーンに対応する画像がキャプチャされ、そのキャプチャ画像が画像管理装置2に送信される。
【0048】
画像管理装置2では、施工主端末5から取得されたキャプチャ画像の保存が行われる(ステップR5)。キャプチャ画像はさらに施工業者端末3に送信され、施工業者端末3を介してカメラ4に取り込まれる(ステップR6)。カメラ4では、このキャプチャ画像が表示されるので、施工業者はこのキャプチャ画像を元に施工主が所望する撮影シーンに応じた撮影を行うことが可能となる。
【0049】
そして、カメラ4において撮影が行われ、その撮影画像が生成されると(ステップR7)、施工業者端末3に撮影画像が転送され、施工業者端末3によりさらに画像管理装置2に転送される(ステップR8)。画像管理装置2では転送された撮影画像がキャプチャ画像と対応付けて保存される。また、施工業者端末3から撮影画像に係る工程情報が取得され、この工程情報と撮影画像とが対応付けて保存される(ステップR9)。保存された撮影画像は、上述したCG画像の場合と同様、パスワード、施工主コード、施工業者コード等によりその施工工事に関連する施工主及び施工業者のみ閲覧可能にWeb上で公開される。
【0050】
画像管理装置2では、施工主端末5からのアクセス操作を受けると、パスワードや施工主コード等により施工主を認証したうえで、キャプチャ画像により撮影画像を検索可能な閲覧画面が作成されて施工主端末5に送信される。そして、施工主端末5から上記閲覧画面において選択操作されたキャプチャ画像の選択情報が受信されると、当該キャプチャ画像に対応する撮影画像が施工主端末5に送信される。施工主端末5では、画像管理装置2から受信された撮影画像の表示が行われ、閲覧に供される(ステップR10)。
【0051】
一方、施工業者端末3では、工程管理プログラムの起動により施工工事に係る工程管理画面が表示され、この工程管理画面から撮影画像の閲覧が可能である。工程管理画面は施工工事における各工程が選択可能に構成されており、この画面で選択操作された工程の選択情報が画像管理装置2に送信される。画像管理装置2では、工程の選択情報が受信されると、当該工程に対応する撮影画像が施工業者端末3に送信されるので、施工業者端末3ではその撮影画像が表示され、閲覧に供される(ステップR11)。
【0052】
次に、各装置2、3、5において行われる処理を個別に説明する。
まず、図8を参照して、施工主端末5において実行される撮影指定処理について説明する。撮影指定処理は、図7のステップR3、R4の処理に相当するものである。
【0053】
説明の前提として、施工主端末5では予め画像管理装置2からCG画像とともにCG画像の閲覧制御用のプログラムを取得し、このプログラムの起動により図9に示すような施工物件のCG画像の閲覧画面d2を表示部上に表示しているものとする。CG画像には、施工工事の工事名、工事番号、施工物件の位置名称等のCG画像に関する情報が付帯されている。
【0054】
図9に示すように、閲覧画面d2では、CG画像を様々な位置や方向からキャプチャしたキャプチャ画像d21を表示することが可能であり、キャプチャする位置、方向を変更操作するための操作ボタン群d22が含まれている。また、施工工事の工事名d26、現在表示しているキャプチャ画像d21が施工物件のどの位置に当たるのかを示す位置情報d25、送信ボタンd24が表示されている。なお、工事名d26、位置情報d25はCG画像の付帯情報から取得されるものである。また、送信ボタンd24はキャプチャ画像d21を工事写真の撮影シーンとして指定するためのボタンである。
【0055】
キャプチャ画像d21の左側には、このキャプチャ画像d21がどの位置でどの方向からキャプチャされたのかを判別するためのガイド表示d23がなされている。ガイド表示d23は、施工物件の間取り図(平面図)上に矢印が表示されたものであり、この矢印によりキャプチャする位置及び方向、つまり工事写真の撮影位置と撮影方向を示すものである。
【0056】
施工主は、この閲覧画面d2において表示されるキャプチャ画像d21を参照し、キャプチャする位置、方向を変更したい場合には、ガイド表示d23を参照しながら操作ボタン群d22を操作する。施工業者端末3では、変更操作に応じて変更した位置、方向でCG画像から再キャプチャされ、その新たなキャプチャ画像が閲覧画面d2において更新表示される。施工主は、所望の撮影シーンに応じたキャプチャ画像d21が表示されるまでこのような変更操作を繰り返し、送信ボタンd24を操作する。送信ボタンd24が操作されると、施工主端末5では図8に示す撮影指定処理が開始される。
【0057】
図8に示す撮影指定処理では、閲覧画面d2において送信ボタンd24の押下操作がなされると(ステップS11;Y)、表示中のキャプチャ画像d21にファイル名が付与されるとともに(ステップS12)、そのキャプチャ画像に位置指定番号が付与される(ステップS13)。ファイル名は、キャプチャされた順に連番で発行された番号が付与される。また、位置指定番号とは撮影シーンを指定した順に連番で発行されるものであり、この番号によりある工事において撮影シーンとして指定された複数のキャプチャ画像d21を個別に識別することができる。
【0058】
次いで、ファイル名が付与されたキャプチャ画像d21に対応する施工工事の工事名、工事番号、位置情報d25がCG画像の付帯情報から取得される。これらの情報は、そのキャプチャ画像d21に付与された位置指定番号の情報とともにキャプチャ画像d21に付帯されて、画像管理装置2に送信される(ステップS14)。
このステップS11〜S14の処理は、撮影シーンが指定される毎に繰り返されることとなる。
【0059】
次に、施工主端末5からキャプチャ画像が送信された画像管理装置2において実行されるキャプチャ画像保存処理について、図10を参照して説明する。このキャプチャ画像保存処理は、図7のステップR5に相当する処理である。
図10に示すキャプチャ画像保存処理では、施工主端末5からキャプチャ画像の受信を要求する要求情報が受信されると(ステップS21;Y)、施工主端末5からキャプチャ画像とともに、施工工事の工事名、工事番号、位置指定番号、位置情報が通信部22を介して受信される。
【0060】
受信されたキャプチャ画像は制御部21によりキャプチャ画像保存領域232に保存される(ステップS22)。このとき、制御部21により当該キャプチャ画像に透過処理を施した透過画像が作成され、キャプチャ画像とともに保存される。この透過画像は、工事写真の撮影を行う際のガイドとして表示するために作成されるものである。
【0061】
一方、キャプチャ画像とともに受信された施工工事の工事名、工事番号、位置指定番号、位置情報の各情報は、制御部21によりそれぞれ対応付けてキャプチャ管理ファイル23aに格納される。そして、キャプチャ管理ファイル23aの更新が行われると(ステップS23)、本処理を終了する。
【0062】
このようにして保存されたキャプチャ画像及びその透過画像は、キャプチャ管理ファイル23aに保存された工事番号、工事名、位置指定番号、位置情報の各項目情報(以下、これらをキャプチャ管理情報という)とともに画像管理装置2から施工業者端末3へ転送される。施工業者端末3では、I/F36を介して接続されているカメラ4に、画像管理装置2から受信されたキャプチャ画像、その透過画像及びキャプチャ管理情報を転送する処理が行われる。
【0063】
次に、カメラ4において実行される撮影処理について、図11を参照して説明する。なお、この撮影処理は、図7のステップR6、R7、R8に相当する処理である。
図11に示す撮影処理では、まず施工業者端末3からキャプチャ画像の取込要求の要求情報が入力されたか否かが判別され(ステップS31)、要求情報が入力されている場合は(ステップS31;Y)、施工業者端末3からキャプチャ画像及びキャプチャ管理情報の取込が行われる(ステップS32)。取り込まれたキャプチャ画像及びキャプチャ管理情報は、カメラ4内の記憶部に保存される。
【0064】
キャプチャ画像の取込が終了すると、キャプチャ管理情報に基づいて工事番号がカメラ4の表示ディスプレイ上に選択的に一覧表示される(ステップS33)。また、ステップS31においてキャプチャ画像の取込要求がなされていない場合(ステップS31;N)、既に取り込まれて保存されているキャプチャ画像のキャプチャ管理情報に基づいて工事番号(或いは、工事名称であってもよい)の一覧表示が行われる(ステップS33)。
【0065】
そして、撮影者により一覧表示された中から一の工事番号が選択操作されると(ステップS34;Y)、キャプチャ管理情報に基づいて選択された工事番号に対応する位置指定番号(或いは、位置情報であってもよい)が選択的に一覧表示される(ステップS35)。この中からさらに一の位置指定番号が選択されると(ステップS36;Y)、選択された位置指定番号に対応するキャプチャ画像が表示ディスプレイ上に表示される(ステップS37)。
【0066】
この表示されたキャプチャ画像により、撮影者は撮影すべき撮影シーン、つまり撮影位置や方向等を確認することができる。なお、キャプチャ画像はその透過画像に切り替え表示可能である。撮影時にファインダーとして取込画像を表示させた表示ディスプレイ上に重ねて透過画像を表示させることにより、撮影者はその透過画像と取込画像とを一致させるように撮影を行うことができる。すなわち、透過画像を撮影用のガイドとして用いることが可能である。
【0067】
そして、撮影者により撮影の指示操作がなされると(ステップS38;Y)、カメラ4では撮影動作がなされて撮影画像が生成される。そして、この撮影画像に、選択された工事番号、位置指定番号、撮影日時からなるファイル名が付与されてカメラ4の記憶部に保存される(ステップS39)。
【0068】
その後、撮影者はカメラ4を施工業者端末3のI/F36に接続し、撮影画像の転送操作を行うと、施工業者端末3では、カメラ4から受信された撮影画像とその撮影画像が関連する施工工事の工程とを関連付けが行われる。
【0069】
図12を参照して、施工業者端末3において実行される工程設定処理について説明する。この処理は、撮影画像と施工工事の過程においてその撮影画像が関連する工程とを関連付けて画像管理装置2へ転送する処理であり、図7に示すステップR8に相当する処理である。
【0070】
図12に示す工程設定処理では、I/F36を介してカメラ4から撮影画像が入力されると、工程設定画面が表示部33上に表示される。そしてこの工程設定画面において操作部32を介して工事番号の指定操作が行われると(ステップS41)、入力された各撮影画像のファイル名が制御部31により参照され、指定された工事番号が含まれるファイル名が取得されて(ステップS42)、表示部33上に一覧表示される(ステップS43)。
【0071】
操作者は、一覧表示された撮影画像のファイル名により、各撮影画像が関連する工程を判別する。各工程についてはその工期の開始及び終了時期が設定されており、また撮影画像のファイル名は、工事番号、位置指定番号、撮影日時から構成されているので、撮影日時等から撮影画像が何れの工程に関連しているのかは判別することが可能である。なお、撮影画像そのものを表示して判別させることとしてもよい。関連する工程が判別できた撮影画像については、操作者はその工程を示す工程番号の入力を行う。
【0072】
施工業者端末3では、操作部32を介して各撮影画像のファイル名について関連する工程番号が入力されると、制御部31によりステップS41で指定された工事番号及び入力された工程番号の情報が各撮影画像に付帯され、撮影画像に対して対応する工程が設定される(ステップS44)。一の撮影画像に複数の工程が関連している場合等には(ステップS45;N)、ステップS44の処理を繰り返す。
【0073】
各撮影画像について対応する工程の設定が終了すると(ステップS45;Y)、工事番号及び工程番号の情報が付帯された撮影画像が通信部34を介して画像管理装置2へ送信される(ステップS46)。
【0074】
画像管理装置2では、撮影画像及びその付帯情報が受信されると、当該撮影画像が記憶部23の撮影画像保存領域233に保存される。このとき、画像管理装置2では、撮影画像とその撮影のために用いられたキャプチャ画像とが対応付けて保存されることとなる。すなわち、図13に示すように、キャプチャ管理ファイル23aにはキャプチャ画像のファイル名に対応付けて工事番号、位置指定番号が記憶されており、キャプチャ画像はこの工事番号と位置指定番号により特定することが可能である。これに対し、撮影画像のファイル名は、先頭の1〜5桁が撮影に用いたキャプチャ画像の工事番号、6〜8桁が位置指定番号から構成されているため、この工事番号及び位置指定番号により対応するキャプチャ画像を特定することができるものである。
【0075】
また、撮影画像の付帯情報に基づいて、撮影画像と施工工事における工程とが関連づけて保存される。すなわち、撮影画像管理ファイル23bにおいて撮影画像のファイル名と撮影画像に付帯された工事番号及び工程番号の情報とが対応付けて格納され、関連付けられる。
【0076】
次に、図14を参照し、画像管理装置2において実行される第1の画像提供処理について説明する。この処理は、施工主端末5に対して撮影画像を提供する処理であり、図7のステップR10に該当する。なお、この処理は施工主端末5から撮影画像の閲覧要求がなされ、施工主の認証が行われた後に開始されるものである。
【0077】
図14に示す第1の画像提供処理では、制御部21によりキャプチャ管理ファイル23から認証された施工主に対応する施工工事の工事名、位置情報が抽出される(ステップS51)。そして、抽出された工事名、位置情報に日付を加えてこれらを撮影画像の抽出条件とする閲覧画面が作成され、施工主端末5に送信される(ステップS52)。なお、一の施工主に複数の依頼工事がある場合や撮影画像が複数ある場合には、それら複数の工事や撮影画像の位置情報、日付が選択できるように、抽出条件である工事名、位置、日付が閲覧画面において選択的に表示される。
【0078】
施工主端末5では、画像管理装置2から受信された閲覧画面が表示されるので、施工主は閲覧したい撮影画像の工事名を選択操作する。さらに、撮影画像の撮影位置や撮影日付で絞り込みたい場合には、位置、日付の選択操作を行う。施工主端末5では、それら抽出条件の入力情報が画像管理装置2へ送信される。
【0079】
画像管理装置2では、閲覧画面を介して施工主端末5から抽出条件が入力されると(ステップS53;Y)、制御部21において全ての位置が選択されたか否かが判別され(ステップS54)、全ての位置が選択された場合、つまり位置の抽出条件は特に指定されなかった場合には(ステップS54;Y)、ステップS58の処理に移行し、位置の抽出条件が指定された場合には(ステップS54;N)、ステップS55の処理に移行する。
【0080】
まず、位置の抽出条件が指定された場合について説明する。
この場合、キャプチャ管理ファイル23aに基づき、選択された工事名及び位置に対応するキャプチャ画像のファイル名が制御部21により特定される。図3に示すキャプチャ管理ファイル23aの例で説明すると、例えば工事名「△邸新築工事」、位置「居間」が指定された場合、この指定条件に一致するキャプチャ画像のファイル名は「C000001.jpg」と特定することができる。そして、当該特定されたファイル名のキャプチャ画像がキャプチャ画像保存領域232から検索されて、通信部22により施工主端末5へ送信される(ステップS55)。
【0081】
次いで、制御部21ではキャプチャ管理ファイル23aにおいて特定されたキャプチャ画像のファイル名に対応する位置指定番号が取得され(ステップS56)、選択された工事番号、取得された位置指定番号、日付(選択されている場合のみ)の抽出条件に一致する撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出されて(ステップS57)、施工主端末5へ送信される。撮影画像のファイル名は図13に示したように、先頭1〜5桁が工事番号、続いて3桁が位置指定番号、続いて8桁が撮影日時となっているので、ファイル名を参照して工事番号、位置指定番号及び日付の条件に一致する撮影画像を検索することにより、抽出条件に一致する撮影画像を抽出することができる。なお、日付の抽出条件が選択されていない場合には、撮影画像の抽出条件から除外する。
【0082】
施工主端末5では、画像管理装置2から送信されたキャプチャ画像及び撮影画像の縮小画像が生成され、図15に示すような閲覧画面d3において一覧表示される。この閲覧画面d3は、3つの表示領域d32〜d34に分割され、表示領域d32には工事名、位置、日付の抽出条件が選択可能に表示されている。また、表示領域d33には選択した抽出条件に対応するキャプチャ画像の縮小画像、表示領域d34にはそのキャプチャ画像に対応する撮影画像の縮小画像が表示されている。撮影画像の縮小画像にはそのファイル名から取得された撮影日付の情報がともに表示されている。閲覧画面d3ではこれら縮小画像をクリック操作することにより、縮小されていない元のキャプチャ画像及び撮影画像を確認することが可能である。
【0083】
次に、位置の抽出条件が特に指定されなかった場合について説明する。
この場合、キャプチャ管理ファイル23aに基づき、選択された工事名に対応するキャプチャ画像のファイル名が制御部21により特定され、当該ファイル名のキャプチャ画像がキャプチャ画像保存領域232から検索されて、施工主端末5へ送信される(ステップS58)。
【0084】
施工主端末5では、受信されたキャプチャ画像の縮小画像が作成されて閲覧画面において一覧表示される。具体的には、図15に示す閲覧画面d3の表示領域d34における撮影画像の縮小画像群を非表示とした状態と同一である。施工主は、この閲覧画面において閲覧したい撮影画像に対応するキャプチャ画像をクリック操作により選択する。施工主端末5では、この選択情報が画像管理装置2へ送信される。
【0085】
画像管理装置2では、閲覧画面においてキャプチャ画像が選択されると(ステップS59;Y)、キャプチャ管理ファイル23aにおいて特定されたキャプチャ画像のファイル名に対応する位置指定番号が取得され(ステップS60)、選択された工事番号、取得された位置指定番号、日付(選択されている場合のみ)の抽出条件に一致する撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出され、施工主端末5へ送信されると(ステップS61)、本処理を終了する。
【0086】
施工主端末5では、撮影画像の縮小画像が生成され、図15に示すように、閲覧画面d3の表示領域d34に一覧表示される。
【0087】
次に、図16を参照して、画像管理装置2において実行される第2の画像提供処理を説明する。この第2の画像提供処理は、施工業者端末3に対して撮影画像を提供する際に実行される処理であり、図7のステップR11に該当する。
【0088】
施工業者端末3では、撮影画像を閲覧する際には、図17に示すような工程管理画面d4から撮影画像を取得することが可能な構成となっている。
図17に示す工程管理画面d4は、工事計画工程表と撮影画像の表示領域d41、d42に分けられており、工事計画工程表の表示領域d41では日付と施工工事における各工程とを現した表が表示されている。日付と工程とが交差する欄にはその工程の設定時に入力された工期の予定と実績を示す線が表示されている。
【0089】
この工程管理画面d4では、閲覧したい撮影画像をその撮影した日付、関連する工程、或いはその組み合わせの抽出条件で抽出することが可能である。撮影画像を日付で指定する場合には、日付欄の該当する日付部分をクリック操作し、撮影画像を工程で指定する場合には工程欄の該当する工程部分をクリック操作すればよい。また、撮影画像を日付と工程の両方で指定する場合には、その日付と工程が交わる欄をクリック操作すればよい。
施工業者端末3では、このような日付のみ、工程のみ、或いは日付及び工程の組み合わせで抽出条件が指定されると、その指定情報が画像管理装置2へ送信される。
【0090】
画像管理装置2では、図16に示すように、施工業者端末3において日付のみの抽出条件が指定されると(ステップS71;Y)、撮影画像管理ファイル23bにおける撮影画像のファイル名が参照され、指定された日付に一致するファイル名が検索される。撮影画像のファイル名には先頭から9〜16桁部分に撮影日が含まれるので、この9〜16桁部分を参照し、指定された日付と一致するものを検索すればよい。そして、一致するファイル名があると、当該ファイル名の撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出される(ステップS72)。
【0091】
一方、施工業者端末3において工程のみの抽出条件が指定された場合(ステップS73;Y)、撮影画像管理ファイル23bに基づき、指定された工程の工程番号に対応するファイル名が検索され、当該ファイル名の撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出される(ステップS74)。
【0092】
また、施工業者端末3において日付及び工程の組み合わせで抽出条件が指定された場合(ステップS75;Y)、撮影画像管理ファイル23bに基づき、指定された工程の工程番号に対応するファイル名が検索され、この検索されたファイル名において指定された日付が一致するファイル名がさらに検索される。そして、一致するファイル名があると、当該ファイル名の撮影画像が撮影画像保存領域233から抽出され(ステップS76)、ステップS77の処理へ移行する。
【0093】
ステップS77では、抽出された撮影画像が施工業者端末3へ送信され(ステップS77)、本処理を終了する。
施工業者端末3では、受信された撮影画像の縮小画像が作成され、図17に示すように閲覧画面d4の撮影画像の表示領域d42に一覧表示される。この撮影画像の縮小画像は、例えば撮影日時順、位置指定番号順等に並べ替えて表示することが可能である。この一覧表示された中から一の撮影画像を選択し、その縮小画像をクリック操作することにより、施工業者端末3では縮小されていない元の撮影画像が表示される。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、画像管理装置2において、CG画像により施工主が所望する撮影シーンに対応するキャプチャ画像を施工主端末5から取得し、これを施工業者端末3に送信するので、施工業者はこのキャプチャ画像に基づいてカメラ4により施工主が所望する撮影シーンに応じた撮影を行うことができる。すなわち、キャプチャ画像により施工主の要望に応じた具体的な撮影指示を行うことが可能となる。この撮影シーンの指定操作は施工主端末5からWebサイトにアクセスして行うことができるので、施工主は自己の所有する端末から容易に撮影指示を行うことが可能である。
【0095】
また、キャプチャ画像の透過画像を作成するので、この透過画像をカメラ4において撮影ガイドとして用いることができる。これにより、より施工主が要望する撮影シーンに応じた撮影を行うことができる。
【0096】
また、施工主の要望により得られた撮影画像は、画像管理装置2において工事写真の一部として工程と関連付けられて管理されるので、施工業者は効率良く工事記録をとることができるとともに施工主端末5において画像管理を行う手間が省ける。
【0097】
また、撮影された撮影画像は、施工業者端末3を介して画像管理装置2に送信され、画像管理装置2から施工業者端末3又は施工主端末5の要求に応じて配信されるので、施工主又は施工業者は工事写真として得られた撮影画像を随時閲覧することができ、撮影画像からその施工状況や施工結果等を確認することができる。
【0098】
また、画像管理装置2において、撮影画像はその撮影に用いられたキャプチャ画像と対応付けて保存されるので、施工主が撮影画像を閲覧する場合にはキャプチャ画像から撮影画像を検索することができる。
【0099】
さらに、画像管理装置2において、撮影画像は関連する工程の工程情報と対応付けて保存されるので、施工業者が撮影画像を閲覧する場合には、施工状況等を確認したい工程から撮影画像を検索することができる。撮影画像の表示は、工程管理表が表示された工程管理画面から行うので、視覚的に工程の進捗状況を確認しながら、実際の施工状況を示す撮影画像を確認することができ、工程管理作業が効率的となる。
【0100】
なお、上述した実施形態は本発明を適用した好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、画像管理装置2においてキャプチャ画像の透過画像を作成し、これをカメラ4において表示し、撮影ガイド用として用いることとしたが、施工業者端末3においてキャプチャ画像を印刷出力する等し、これを見ながら撮影を行うような形態であってもよい。
【0101】
また、撮影画像とキャプチャ画像の関連付けは、キャプチャ管理ファイル23aにおいてキャプチャ画像のファイル名と工事番号、位置指定番号とを対応付けて保存し、かつ撮影画像のファイル名に工事番号、位置指定番号を含ませることにより行うこととしたが、撮影画像のファイル名とキャプチャ画像のファイル名とを対応付けて記憶するための関連付けファイル等を新たに設けることとしてもよい。
【0102】
また、図9に示したCG画像の閲覧画面d2では、工事写真の撮影位置及び撮影方向を指定するため、キャプチャ位置及びキャプチャ方向を操作ボタン群d22により変更操作可能な構成としたが、さらにキャプチャ画像d21の倍率を変更操作可能な構成としてもよい。これにより、撮影シーンとして撮影倍率を指定することが可能となり、より具体的な撮影指示を行うことが可能となる。
【0103】
また、施工主端末5においてキャプチャ画像を作成し、これを画像管理装置2が取得する構成としたが、これに限らず、施工主端末5ではCG画像の何れの場面の画像をキャプチャするのかを指示するだけの指示情報を生成して画像管理装置2に送信し、画像管理装置2においてこの指示情報に基づいてキャプチャ画像を作成する構成としてもよい。
【0104】
また、上述した説明では、工事写真の提供サービスを行う者と施工業者とが異なること場合を説明したが、施工業者が提供サービスを行う場合には画像管理装置2と施工業者端末3の機能を一体化することとしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 工事写真提供システム
2 画像管理装置
21 制御部
23 記憶部
23a キャプチャ管理ファイル
23b 撮影画像管理ファイル
3 施工業者端末
31 制御部
35 記憶部
35a 工事ファイル
35b 工程管理ファイル
35c 工程明細ファイル
4 カメラ
5 施工主端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工業者端末と、施工主端末とにネットワークを介して接続された画像管理装置であって、
前記施工業者端末又は前記施工主端末と通信を行う通信手段と、
施工対象物件の工事後の完成図を画像化したCG画像を前記通信手段を介して前記施工主端末に送信させるCG画像制御手段と、
前記施工主端末における撮影シーンの指定操作に基づいて前記CG画像からキャプチャされたキャプチャ画像を取得するキャプチャ画像取得手段と、
前記取得されたキャプチャ画像を前記通信手段を介して前記施工業者端末に送信させるキャプチャ画像制御手段と、
前記送信されたキャプチャ画像に対応する工事写真の撮影画像が前記通信手段を介して前記施工業者端末から受信されると、当該撮影画像を前記キャプチャ画像に対応付けて記憶する撮影画像記憶手段と、
前記キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得し、前記通信手段を介して前記施工主端末に配信させる配信制御手段と、
を備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項2】
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して閲覧対象の撮影画像をキャプチャ画像により指定するための指定画面を前記施工主端末に送信させ、この指定画面におけるキャプチャ画像の指定情報が前記施工主端末から受信されると、当該キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工主端末に配信させることを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項3】
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工事と関連づけて記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像管理装置。
【請求項4】
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工程と関連づけて記憶し、
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して前記施工業者端末から工程の指定情報が受信されると、当該工程に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工業者端末に配信させることを特徴とする請求項3に記載の画像管理装置。
【請求項1】
施工業者端末と、施工主端末とにネットワークを介して接続された画像管理装置であって、
前記施工業者端末又は前記施工主端末と通信を行う通信手段と、
施工対象物件の工事後の完成図を画像化したCG画像を前記通信手段を介して前記施工主端末に送信させるCG画像制御手段と、
前記施工主端末における撮影シーンの指定操作に基づいて前記CG画像からキャプチャされたキャプチャ画像を取得するキャプチャ画像取得手段と、
前記取得されたキャプチャ画像を前記通信手段を介して前記施工業者端末に送信させるキャプチャ画像制御手段と、
前記送信されたキャプチャ画像に対応する工事写真の撮影画像が前記通信手段を介して前記施工業者端末から受信されると、当該撮影画像を前記キャプチャ画像に対応付けて記憶する撮影画像記憶手段と、
前記キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得し、前記通信手段を介して前記施工主端末に配信させる配信制御手段と、
を備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項2】
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して閲覧対象の撮影画像をキャプチャ画像により指定するための指定画面を前記施工主端末に送信させ、この指定画面におけるキャプチャ画像の指定情報が前記施工主端末から受信されると、当該キャプチャ画像に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工主端末に配信させることを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項3】
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工事と関連づけて記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像管理装置。
【請求項4】
前記撮影画像記憶手段は、前記施工業者端末から受信された撮影画像をその撮影が行われた工程と関連づけて記憶し、
前記配信制御手段は、前記通信手段を介して前記施工業者端末から工程の指定情報が受信されると、当該工程に対応する撮影画像を前記撮影画像記憶手段から取得して前記施工業者端末に配信させることを特徴とする請求項3に記載の画像管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−37710(P2013−37710A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206766(P2012−206766)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【分割の表示】特願2006−9785(P2006−9785)の分割
【原出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【分割の表示】特願2006−9785(P2006−9785)の分割
【原出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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