説明

画像表示システム、画像提供装置、画像表示装置、およびコンピュータプログラム

【課題】 細胞が撮像された画像を従来に比して迅速に表示する画像表示システム、画像提供装置、画像表示装置、およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 細胞が撮像されたバーチャルスライドの部分画像と、当該部分画像よりも解像度が低い低解像度画像とを記憶したデータベース30を有する画像提供装置4から、コンピュータ2へと部分画像および低解像度画像を送信し、夫々の画像を表示する。画像提供装置4は、表示に必要な画像を優先的に送信し、コンピュータ2は、画像の表示のバックグラウンドで画像の受信を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞が撮像された画像を表示するための画像表示システム、当該画像表示システムが備える画像提供装置および画像表示装置、ならびにコンピュータを画像表示装置として機能させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液細胞の検査においては、検査対象である血液をプレパラート上に載せて作成した塗抹標本を顕微鏡で覗いて目視により検査する「鏡検」と呼ばれる方法が採られている。この鏡検では、塗抹標本を顕微鏡で覗きながら、各キーに血液細胞の分類項目が割り付けられたキーボードを備える専用の分類カウンタを用いて、たとえば、所定領域に存在する白血球の分類カウントを行うとともに、その分類カウントの作業中に赤血球や血小板の形態異常や分類項目の判断が困難な細胞(白血球)を発見した場合には、その細胞を顕微鏡に備え付けたビデオカメラ等により撮像する。そして、その撮像した血液細胞の画像を、検査対象の属性情報(カルテ番号など)と共に画像ファイリングシステムのデータベースにファイリング(保存)する。そして、検査終了後は、分類カウントの結果を印字するとともに、必要に応じて、ファイリングした血液細胞の画像を印刷して検査結果としていた。
【0003】
しかし、上記の方法では、塗沫標本を顕微鏡で覗いて目視により検査を行っているため、検査者は、顕微鏡の設置されている場所で検査を行う必要がある。このため、検査者は、場所的制約を受けるという不都合がある。
【0004】
また、上記の鏡検においては、低/中倍率のドライ対物レンズと、高倍率の油浸対物レンズとが併用されるのが一般的である。この場合には、検査者は、低/中倍率のドライ対物レンズを使用して塗抹標本中の比較的大きな範囲について分類カウントを行い、低/中倍率のドライ対物レンズによっては形態の確認が困難な細胞については、高倍率の油浸対物レンズを使用して形態を詳細に確認している。
【0005】
しかしながら、油浸対物レンズで注目細胞の形態を確認するためには、塗抹標本に油を付着させる必要があり、その後は塗抹標本上の油を洗い落とすまでドライ対物レンズを使用することはできない。したがって、油浸対物レンズとドライ対物レンズとの切り替えには多くの時間および手間を要し、検査の精度を向上させるためにかかるレンズの切り替えを頻繁に行う要求は高いものの、この要求を満たすことは困難であった。
【0006】
その一方、従来では、病理の細胞診用の試料を顕微鏡で撮影してバーチャル顕微鏡スライド(標本画像)を作成する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、バーチャル顕微鏡スライド(標本画像)を、インターネットを介して配信することが可能であるので、所定のプログラムがインストールされたコンピュータにバーチャル顕微鏡スライド(標本画像)をダウンロードし、当該バーチャル顕微鏡スライドを観察することが可能である。したがって、特許文献1に開示された技術を用いれば、検査者は、顕微鏡の設置されている場所で検査を行う必要がなくなるので、場所的制約を受けることなくバーチャル顕微鏡スライド(標本画像)を用いて検査を行うことが可能になる。
【0007】
また、特許文献1には、試料イメージ全体の低解像度のマクロビュー(低解像度画像)を表示するとともに、特定のイメージタイルの高解像度のミクロビュー(高解像度画像)を表示する技術が開示されている。これによれば、レンズの切り替えの手間を要することなく、検査者は、バーチャル顕微鏡スライドの比較的大きな範囲をマクロビューで確認することができるとともに、当該マクロビューでは形態の確認が困難な細胞については、ミクロビューにより詳細な形態を確認することが可能である。
【0008】
【特許文献1】特表2002−514319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このようなバーチャル顕微鏡スライドは、細胞の形態を確認することができる程度の大きさで個々の細胞が撮像されている必要があり、また検査者が細胞の検査を行うためには、標本のうち検査対象となるべき範囲が少なくとも撮像されている必要がある。このような要望を満たすためには、バーチャル顕微鏡スライドが膨大なデータ量となり、これをインターネット等の通信ネットワークを通じて検査者が使用するクライアントコンピュータにダウンロードするには非常に多くの時間を要する。したがって、特許文献1に開示されている方法にあっては、クライアントコンピュータへのバーチャル顕微鏡スライド全体のダウンロードが完了した後にバーチャル顕微鏡スライドを表示するものであるため、バーチャル顕微鏡スライドのダウンロード完了後でなければ検査を行うことができず、非常に不便であった。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、細胞が撮像された画像を従来に比して迅速に表示することができる画像表示システム、画像提供装置、画像表示装置、およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像表示システムは、細胞が撮像された第1画像を送信する第1送信手段と、前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を送信する第2送信手段とを有する画像提供装置と、画像表示部と、前記画像提供装置から送信された第1画像を受信する第1受信手段と、前記画像提供装置から送信された第2画像を受信する第2受信手段と、前記第1画像を前記画像表示部の第1の領域に表示する第1表示手段と、前記第2画像を前記画像表示部の第2の領域に表示する第2表示手段とを有する画像表示装置とを備え、前記第2送信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、前記第2表示手段による表示に必要な部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあり、前記第2受信手段は、既に受信した部分画像を前記第2表示手段が表示している間に、前記画像提供装置から送信される部分画像を受信すべくなしてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像提供装置は、細胞が撮像された第1画像を送信する第1送信手段と、前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を送信する第2送信手段とを備え、前記第2送信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、外部の装置による表示に必要な部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る画像表示装置は、画像表示部と、細胞が撮像された第1画像を外部から受信する第1受信手段と、前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を外部から受信する第2受信手段と、前記第1画像を前記画像表示部の第1の領域に表示する第1表示手段と、前記第2画像を前記画像表示部の第2の領域に表示する第2表示手段とを備え、前記第2受信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、既に受信した部分画像を前記第2表示手段が表示している間に、他の部分画像を外部から受信すべくなしてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、画像表示部と、外部との通信が可能な通信部とを備えるコンピュータを、細胞が撮像された第1画像を前記通信部によって外部から受信する第1受信手段と、前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を前記通信部によって外部から受信する第2受信手段と、前記第1受信手段によって受信された第1画像を前記画像表示部の第1の領域に表示する第1表示手段と、前記第2受信手段によって受信された第2画像の一部を前記画像表示部の第2の領域に表示する第2表示手段として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記第2受信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、既に受信した部分画像を前記第2表示手段が表示している間に、他の部分画像を前記通信部によって外部から受信するように前記コンピュータを機能させるべくなしてあることを特徴とする。
【0015】
このようにすることにより、第2画像のうち、表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送受信するため、画像表示装置はこれらの部分画像を受信すれば直ちに画像の表示を行うことができ、従来に比して第2画像の表示を迅速に行うことができる。また、既に受信した部分画像を表示している間に、バックグラウンドで他の(未受信の)部分画像を受信するため、より一層効率的に画像の表示および受信を行うことができる。
【0016】
上記発明においては、前記第1送信手段は、第1画像が分割された複数の部分画像のうち、前記第1表示手段による表示に必要な部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあり、前記第1受信手段は、既に受信した部分画像を前記第1表示手段が表示している間に、前記画像提供装置から送信される前記第1画像の部分画像を受信するように構成されていることが好ましい。
【0017】
このようにすることにより、第2画像と同様に、第1画像のうち、表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送受信するため、画像表示装置はこれらの部分画像を受信すれば直ちに画像の表示を行うことができ、従来に比して第1画像の表示を迅速に行うことができる。また、既に受信した部分画像を表示している間に、バックグラウンドで他の部分画像を受信するため、より一層効率的に画像の表示および受信を行うことができる。
【0018】
上記発明においては、前記画像表示装置は、ユーザから第1画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第1指定受付手段と、当該指定受付手段が指定を受け付けた第1画像のうち表示に必要な部分を特定する第1指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信する送信手段とをさらに備え、前記画像提供装置は、前記画像表示装置から送信された指定部分特定情報を受信する受信手段をさらに備え、前記第1送信手段は、前記受信手段によって受信された第1指定部分特定情報によって特定される第1画像の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信するように構成されていることが好ましい。
【0019】
これにより、例えば第1画像の表示部分を変更する場合において、この変更に伴って新たに表示に必要となる部分画像を、その時点では表示の必要がない他の部分画像に対して優先的に送受信することができ、表示の切り替えを迅速に行うことができる。
【0020】
上記発明においては、前記画像表示装置は、前記第1指定受付手段が指定を受け付けた部分の部分画像が、既に受信済みであるか否かを判別する判別手段をさらに備え、前記送信手段は、当該判別手段によって前記部分画像がまだ受信されていないと判別された場合に、前記第1指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信するように構成されていることが好ましい。
【0021】
これにより、表示に必要な部分画像のうち、未受信の画像について送信を要求することとなり、既に受信済みの画像を再度ダウンロードすることがなく、画像の受信をさらに効率化することができる。
【0022】
上記発明においては、前記画像表示装置は、ユーザから第2画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第2指定受付手段と、当該第2指定受付手段が指定を受け付けた第2画像のうち表示に必要な部分を特定する第2指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信する送信手段とをさらに備え、前記画像提供装置は、前記画像表示装置から送信された第2指定部分特定情報を受信する受信手段をさらに備え、前記第2送信手段は、前記受信手段によって受信された第2指定部分特定情報によって特定される第2画像の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信するように構成されていることが好ましい。
【0023】
これにより、例えば第2画像の表示部分を変更する場合において、この変更に伴って新たに表示に必要となる部分画像を、その時点では表示の必要がない他の部分画像に対して優先的に送受信することができ、表示の切り替えを迅速に行うことができる。
【0024】
上記発明においては、前記画像表示装置は、前記第2指定受付手段が指定を受け付けた部分の部分画像が、既に受信済みであるか否かを判別する判別手段をさらに備え、前記送信手段は、当該判別手段によって前記部分画像がまだ受信されていないと判別された場合に、前記第2指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信するように構成されていることが好ましい。
【0025】
これにより、表示に必要な部分画像のうち、未受信の画像について送信を要求することとなり、既に受信済みの画像を再度ダウンロードすることがなく、画像の受信をさらに効率化することができる。
【0026】
上記発明においては、前記第2送信手段は、前記第1指定部分特定情報によって特定される第1画像の部分画像の送信と、前記第2指定部分特定情報によって特定される第2画像の部分画像の送信とが競合する場合には、前記第1送信手段が、前記第1指定部分特定情報によって特定される第1画像の部分画像を送信した後に、前記第2指定部分特定情報によって特定される第2画像の部分画像を送信するように構成されていることが好ましい。
【0027】
これにより、低解像度の第1画像のうち表示に必要な部分画像が、高解像度の第2画像のうち表示に必要な部分画像より優先的に送信されることとなり、使用頻度の高い第1画像を優先して表示することができる。
【0028】
上記発明においては、前記画像提供装置は、前記第1画像の部分画像であって、概ね1つの細胞の像のみが含まれる部分画像である細胞確認用部分画像を送信する第3送信手段をさらに備え、前記画像表示装置は、前記画像提供装置から送信された細胞確認用部分画像を受信する第3受信手段と、当該第3受信手段によって受信された細胞確認用部分画像を前記画像表示部の第3の領域に表示する第3表示手段とをさらに備え、前記第1指定受付手段は、ユーザから一つの前記細胞確認用部分画像の指定を受け付けたときに、前記第1画像のうち、当該細胞確認用部分画像に含まれる細胞の像を含む部分を、表示に必要な部分とするように構成されていることが好ましい。
【0029】
これにより、ユーザは第1画像および第2画像中の細胞の像をスクロール等により探さなくても、細胞確認用部分画像によって容易に細胞を確認することができる。また、ユーザは細胞確認用部分画像を確認して詳細に確認すべき細胞を選択し、この細胞の細胞確認表部分画像を指定することによって、その細胞の像を含む第1画像の部分画像の送信を画像提供装置に要求することができる。
【0030】
上記発明においては、前記第1送信手段は、第1画像のうち初期表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあり、前記第2送信手段は、前記第1送信手段が、第1画像のうち初期表示に必要な部分の部分画像を送信した後に、第2画像のうち初期表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信するように構成されていることが好ましい。
【0031】
これにより、使用頻度の高い第1画像の初期表示に必要な部分の部分画像をその他の部分画像に対して優先的に送受信することができ、当該表示に必要な部分画像を迅速に表示することができる。また、その後に第2画像の初期表示に必要な部分を送信することによって、この部分画像を迅速に表示することができる。
【0032】
上記発明においては、前記第2送信手段は、前記第1送信手段が第1画像のうち表示に必要な部分画像を送信している間は、データの送信を中断するように構成されていることが好ましい。
【0033】
これにより、第1画像のうち表示に必要な部分が第2画像よりも優先されて送信され、使用頻度の高い第1画像を迅速に表示することができる。
【0034】
上記発明においては、前記第1送信手段は、前記第1画像のうち表示に必要な部分画像を送信している場合を除き、前記第2送信手段が第2画像のうち表示に必要な部分画像を送信している間は、データの送信を中断するように構成されていることが好ましい。
【0035】
これにより、第2画像のうち表示に必要な部分が第1画像の表示に必要のない部分よりも優先されて送信され、第2画像を迅速に表示することができる。
【0036】
上記発明においては、前記第1および第2画像に撮像された細胞は血液細胞であり、前記画像表示装置は、前記画像表示部の第4の領域に、細胞を分類し、また分類別にカウントするために、細胞の分類およびカウント結果の表示に用いられる分類カウント表示部を表示する第4表示手段をさらに備えることが好ましい。
【0037】
これにより、バーチャルスライドを用いて血液細胞の分類カウントを行うことができ、従来の鏡検に比して分類カウントの作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る画像表示システム、画像提供装置、画像表示装置、およびコンピュータプログラムによれば、細胞が撮像された画像のうち、表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送受信するため、これらの部分画像を受信すれば直ちに画像の表示を行うことができ、従来に比して細胞が撮像された画像の表示を迅速に行うことができる。また、既に受信した部分画像を表示している間に、バックグラウンドで他の(未受信の)部分画像を受信するため、より一層効率的に画像の表示および受信を行うことができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態に係る画像表示システム、画像提供装置、画像表示装置、およびコンピュータプログラムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態1に係る画像表示システム1は、本発明に係る画像表示装置として機能するコンピュータ2と、画像作成装置3と、画像提供装置4とから主として構成されている。画像作成装置3および画像提供装置4は、例えば、病院または病理検査施設等の医療機関の施設内に設けられており、コンピュータ2、画像作成装置3、および画像提供装置4は、互いにデータ通信が可能であるようにLANまたはインターネット等の通信ネットワークNWによって接続されている。
【0041】
図2は、本発明の実施の形態1に係るコンピュータ2の構成を示すブロック図である。コンピュータ2は、本体5と、画像表示部6と、入力部7とから主として構成されている。本体5は、CPU8と、ROM9と、RAM10と、ハードディスク11と、読出装置12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、画像出力インタフェース15とから主として構成されている。
【0042】
CPU8は、ROM9に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM10にロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような本発明に係るコンピュータプログラムを当該CPU8が実行することにより、コンピュータ2が本発明に係る画像表示装置として機能する。
【0043】
ROM9は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU8に実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
【0044】
RAM10は、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM10は、ROM9およびハードディスク11に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU8の作業領域として利用される。
【0045】
ハードディスク11は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラム等、CPU8に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。
【0046】
読出装置12は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体16に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体16には、本発明に係るコンピュータプログラムが格納されており、コンピュータ2が当該可搬型記録媒体16から本発明に係るコンピュータプログラムを読み出し、当該コンピュータプログラムをハードディスク11にインストールすることが可能である。
【0047】
なお、本発明に係るコンピュータプログラムは、可搬型記録媒体16によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ2と通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、本発明に係るコンピュータプログラムがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ2がアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク11にインストールすることも可能である。
【0048】
入出力インタフェース13は、例えばUSB,IEEE1394,RS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,IEEE1284等のパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース13には、キーボードおよびマウスからなる入力部7が接続されており、ユーザ(例えば、検査技師または検査医)が当該入力部7を使用することにより、コンピュータ2にデータを入力することが可能である。
【0049】
通信インタフェース14は、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、コンピュータ2は、当該通信インタフェース14により、所定の通信プロトコルを使用して通信ネットワークNWに接続された画像提供装置4との間でデータの送受信が可能である。
【0050】
画像出力インタフェース15は、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部6に接続されており、CPU8から与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部6に出力するようになっている。画像表示部6は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0051】
次に、画像作成装置3の構成について説明する。画像作成装置3は、血液塗抹標本に含まれる血液細胞を高倍率撮像した画像(以下、バーチャルスライドという)を作成するための装置であり、10倍、20倍、40倍、および60倍のドライ対物レンズ、ならびに100倍の油浸対物レンズを有する光学顕微鏡20と、画像を撮像する3CCDカメラ21と、XYZ方向に自動的に位置調整が可能な顕微鏡用の自動ステージ22と、自動ステージ22の位置制御を行うための制御装置23およびジョイスティック24と、自動ステージ22の位置制御を行うとともにフォーカス合成および画像タイリングを行うためのコンピュータ25とによって主として構成されている。なお、本実施の形態1においては、光学顕微鏡20として例えばオリンパス株式会社製のBX−50シリーズを、自動ステージ22として例えばPRIOR社製のH101BXを、3CCDカメラ21として例えば日本ビクター株式会社製のKY−F70Bを夫々用いることができる。また、コンピュータ25は、画像信号伝送ケーブル26を介して3CCDカメラ21に接続されているとともに、制御信号伝送ケーブル27を介して制御装置23およびジョイスティック24に接続されている。
【0052】
また、コンピュータ25は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等を有しており(図示せず)、ハードディスクには、自動ステージ22の位置制御、フォーカス合成、および画像タイリングを行うためのコンピュータプログラムが格納されている。コンピュータ25は、このようなコンピュータプログラムを実行することにより、後述するような動作が可能となっている。また、コンピュータ25は、内蔵する通信インタフェース(図示せず)が通信ネットワークNWに接続されており、通信ネットワークNWを通じて画像提供装置4等の他の装置とデータ通信することが可能となっている。
【0053】
図3は、本発明の実施の形態1に係る画像提供装置4の構成を示すブロック図である。画像提供装置4は、画像作成装置3によって作成されたバーチャルスライドの管理、外部装置への提供、および画像分割を行うための装置であり、CPU31と、ROM32と、RAM33と、ハードディスク34と、読出装置35と、通信インタフェース36とを備えるコンピュータ4aによって構成されている。
【0054】
CPU31は、ROM32に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM33にロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような本発明に係るコンピュータプログラムを当該CPU31が実行することにより、このコンピュータ4aが画像提供装置4として機能する。
【0055】
ROM32は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU31に実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
【0056】
RAM33は、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM33は、ROM32およびハードディスク34に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU31の作業領域として利用される。
【0057】
ハードディスク34は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラム等、CPU31に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。
【0058】
また、ハードディスク34には、データベース30が設けられており、このデータベース30には、バーチャルスライドデータ、分類カウント結果データ、および検体番号等の識別情報を相互に関連付けて格納することができるようになっている。分類カウント結果データとしては、分類カウントされた細胞の細胞画像、位置情報、分類名、分類日時、分類者名などがある。
【0059】
読出装置35は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体37に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体37には、コンピュータを本発明に係る画像提供装置として機能させるためのコンピュータプログラムが格納されており、当該コンピュータ4aが可搬型記録媒体37からコンピュータプログラムを読み出し、当該コンピュータプログラムをハードディスク34にインストールすることが可能である。
【0060】
なお、前記コンピュータプログラムは、可搬型記録媒体37によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ4aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、本発明に係るコンピュータプログラムがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ4aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク34にインストールすることも可能である。
【0061】
通信インタフェース36は、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、コンピュータ4aは、当該通信インタフェース36により、所定の通信プロトコルを使用して通信ネットワークNWに接続されたコンピュータ2および画像作成装置3との間でデータの送受信が可能である。
【0062】
次に、本発明の実施の形態1に係る画像表示システム1の動作について説明する。コンピュータ2およびコンピュータ4aは、夫々ハードディスク11および34に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより、以下のように動作する。なお、以下の説明においては、コンピュータを本発明に係る画像提供装置および画像表示装置として夫々機能させるためのコンピュータプログラムは、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のオペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0063】
画像表示システム1の動作は、バーチャルスライドを作成し、データベース30に登録するバーチャルスライド登録動作と、データベース30に登録したバーチャルスライドをユーザが使用して、血液細胞の分類カウントを行う分類カウント動作とに分けられる。まず、バーチャルスライド登録動作について説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る画像表示システム1のバーチャルスライド登録動作の手順を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、画像作成装置3は、識別情報の入力を受け付ける(ステップS1)。ここで、バーチャルスライドを作成するオペレータは、バーチャルスライド作成対象の血液塗抹標本に付された識別情報を確認し、画像作成装置3のコンピュータ25に設けられたキーボード等の入力装置を操作することによって、当該識別情報を画像作成装置3に入力する。なお、本発明の実施の形態1に係るコンピュータプログラムにおける当該ステップS1のようなデータの入力を受け付ける処理、後述するデータの送受信を行う処理、および画像を表示する処理にあっては、オペレーティングシステムのうち入力装置(入力部)、通信インタフェース、および画像出力インタフェースの制御を夫々司るデバイスドライバの機能は含まれず、当該デバイスドライバに対してデータの入出力を行うことにより、入力の受付、データの送受信、および画像の表示を行う処理を意味するものとする。
【0064】
次に、画像作成装置3は、血液塗抹標本からバーチャルスライドを作成するバーチャルスライド作成処理を実行する(ステップS2)。図5は、本発明の実施の形態1に係るバーチャルスライド(血液細胞画像)の作成方法を説明する概念図であり、図6は、バーチャルスライド作成処理S2の手順を詳細に説明するフローチャートである。図6に示すように、バーチャルスライド作成処理は、設定フェーズと処理フェーズとから構成されている。設定フェーズにおいては、まず、オペレータが自動ステージ22が取り付けられた光学顕微鏡20に、標本をセットする。この標本としては、図5に示すように、標本スライドガラス41の表面上の所定領域に塗抹検体42が塗り広げられたものが使用される。次に、コンピュータ25は、バーチャルスライド化する範囲の入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS11)。ここで、オペレータは、コンピュータ25の入力装置を用いて、バーチャルスライド化する範囲(標本検体エリア:X方向およびY方向の距離)を画像作成装置3に入力する。コンピュータ25は、このようにバーチャルスライド化する範囲の入力を受け付けた場合には(図6のステップS11でYes)、バーチャルスライド化する範囲を入力値に設定する(ステップS12)。また、コンピュータ25は、ステップS11においてバーチャルスライド化する範囲の入力を受け付けない場合には(図6のステップS11でNo)、入力を受け付けるまでこのステップS11の処理を繰り返す。次に、コンピュータ25は、画像タイリングのための連続視野間の重なり率の入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS13)。ここで、オペレータは、コンピュータ25の入力装置を使用して、当該重なり率をコンピュータ25に入力する。この重なり率は、約10%以上約40%以下に設定するのが好ましい。コンピュータ25は、このように連続視野間の重なり率の入力を受け付けた場合には(図6のステップS13でYes)、連続視野間の重なり率を入力値に設定する(ステップS14)。また、コンピュータ25は、ステップS13において連続視野間の重なり率の入力を受け付けない場合には(図6のステップS13でNo)、入力を受け付けるまでこのステップS13の処理を繰り返す。さらに、コンピュータ25は、フォーカス合成のための焦点幅(Z方向の距離)と刻み幅との入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS15)。ここで、オペレータは、コンピュータ25の入力装置を使用して、焦点幅および刻み幅をコンピュータ25に入力する。この焦点幅と刻み幅との設定により、同一視野で取り込む画像の枚数が決定される。本実施の形態1においては、焦点幅を約1mm以下に設定するとともに、刻み幅を0.1μm程度に設定した場合について説明する。コンピュータ25は、このように焦点幅および刻み幅の入力を受け付けた場合には(図6のステップS15でYes)、焦点幅および刻み幅を入力値に設定する(ステップS16)。また、コンピュータ25は、ステップS15において焦点幅および刻み幅の入力を受け付けない場合には(図6のステップS15でNo)、入力を受け付けるまでこのステップS15の処理を繰り返す。上記のステップS11〜ステップS16の処理によって、バーチャルスライド(血液細胞画像)の作成処理の設定フェーズが完了する。
【0065】
次に、処理フェーズについて説明する。処理フェーズにおいては、まず、同一視野に対し、ステップS16において決定した枚数分の画像を、3CCDカメラ12によって撮像してコンピュータ25に取り込むとともに、コンピュータ25によってフォーカス合成画像が作成される(ステップS17)。ここで、フォーカス合成とは、同一視野における焦点位置の異なる複数の画像について、各画像からピントの合っている画素を抽出し、これらを合成することにより、全体としてピントの合った1つの画像を作成する処理をいう。本実施の形態1においては、このようなフォーカス合成を、同一視野において取り込まれた全画像に対して行うことにより、図5に示すように、1360dot×1024dotの解像度のフォーカス合成画像を作成する。このフォーカス合成画像の画像フォーマットには、例えばTIFF形式を用いる。
【0066】
次に、コンピュータ25は、ステップS12で設定した範囲の全体についてフォーカス合成画像を作成したか否かを判別し(ステップS18)、フォーカス合成画像を作成していない部分が残っている場合には(図6のステップS18でNo)、自動ステージ22を移動させて、3CCDカメラ12による撮像視野を移動して(ステップS19)、処理をステップS17へと戻し、新たな視野におけるフォーカス合成画像を作成する。
【0067】
ステップS18において、設定範囲の全体についてフォーカス合成画像を作成したと判別された場合には(図6のステップS18でYes)、コンピュータ25は、図5に示すように、ステップS14で設定された重なり率に従って、フォーカス合成画像同士の画像タイリングを行う(ステップS20)。このとき、コンピュータ25は、隣り合うフォーカス合成画像の重なり部分を公知のパターンマッチング処理によって認識し、夫々の画像の重なり部分を互いに合致させることにより、つなぎ目が目立たないように両画像を合成する。次に、コンピュータ25は、全てのフォーカス合成画像の画像タイリングを行ったか否かを判別し(ステップS21)、画像タイリングを行っていないフォーカス合成画像が残っている場合には(図6のステップS21でNo)、残りのフォーカス合成画像の1つを処理対象として選択し(ステップS22)、ステップS20に処理を戻して、処理対象のフォーカス合成画像に対して画像タイリングを行う。ステップS21において、全てのフォーカス合成画像の画像タイリングが完了したと判別された場合には(図6のステップS21でYes)、バーチャルスライド50が完成する。このバーチャルスライド50の画像フォーマットとしては、例えばBMP形式を用いる。なお、以上の処理で作成された本実施の形態1におけるバーチャルスライド50のサイズは、220,000dot×134,000dot程度である。
【0068】
次に、図4に示すように、画像作成装置3は、ステップS1にて入力された識別情報および上記のバーチャルスライド作成処理にて作成されたバーチャルスライドデータ50を、画像提供装置4へ送信する(ステップS3)。画像提供装置4は、これらのデータを受信したか否かを判別し(ステップS4)、データを受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図4のステップS4でNo)。画像提供装置4は、ステップS4において識別情報およびバーチャルスライドデータを受信した場合には(図4のステップS4でYes)、バーチャルスライド分割処理を実行する(ステップS5)。
【0069】
バーチャルスライド分割処理について詳しく説明する。図7は、バーチャルスライドの分割および管理方法を説明する概念図であり、図8は、バーチャルスライド分割処理S5の手順を詳細に説明するフローチャートである。画像提供装置4は、バーチャルスライドの分割サイズの入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS31)。ここで、オペレータは、画像提供装置4に設けられた入力装置(図示せず)を使用して、バーチャルスライドの分割サイズを画像提供装置4に入力する。以下の説明においては、500dot×500dotの複数の部分画像に分割する場合について説明する。なお、分割サイズは、例えば、コンピュータ2の画面解像度がSXGA(1280dot×1024dot)の場合には、500dot×500dot〜1300dot×1300dotが好ましい。この分割サイズは、コンピュータ2の画面解像度、物理メモリ量等のスペック、および通信ネットワークNWの通信回線速度によって総合的に決定される。そして、画像提供装置4は、このようにバーチャルスライドの分割サイズの入力を受け付けた場合には(図8のステップS31でYes)、入力を受け付けた分割サイズにしたがって、ステップS4で受信したバーチャルスライドを分割する(ステップS32)。すなわち、図7に示すように、ステップS22の処理によって、バーチャルスライド50から複数の部分画像51が作成されることとなる。なお、部分画像51の画像フォーマットには、例えばJPEG形式が用いられる。また、画像提供装置4は、ステップS31においてバーチャルスライドの分割サイズの入力を受け付けない場合には(図8のステップS31でNo)、入力を受け付けるまでこのステップS31の処理を繰り返す。
【0070】
次に、画像提供装置4は、低解像度画像52を作成する(ステップS33)。具体的には、図7に示すように、複数の連続して並ぶ部分画像51を(図7においては4つ)つなぎ合わせて広視野画像を作成し、この広視野画像の解像度を落とすことによって、ファイルサイズの小さい低解像度画像52を作成する。例えば、光学顕微鏡20の100倍の対物レンズを用いて作成したバーチャルスライド50の部分画像51から40倍の倍率の対物レンズを用いて撮像した場合に相当する低解像度画像52を作成する。なお、低解像度画像52の画像フォーマットには、例えばJPEG形式が用いられる。
【0071】
次に、画像提供装置4は、ステップS4で受信した識別情報、バーチャルスライド50、ステップS32で作成した部分画像51、およびステップS33で作成した低解像度画像52を、データベース30に登録し(ステップS34)、処理を終了(リターン)する。ここで、バーチャルスライド50そのものをデータベース30に登録せずに、例えばバーチャルスライド50を650dot×250dot程度まで解像度を落とした画像を作成し、これをデータベース30に登録するようにしてもよい。こうして、バーチャルスライド登録動作が終了する。
【0072】
次に、分類カウント動作について説明する。図9〜図13は、本発明の実施の形態1に係る画像表示システム1の分類カウント動作の手順を示すフローチャートである。また、図14および図15は、本発明の実施の形態1に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータ2の画面表示例を示す図である。まず、コンピュータ2は、図14に示すログイン画面を表示し、データベース30のアクセスに必要なユーザIDおよびパスワードの入力を受け付けたか否かを判別し(ステップS41)、入力を受け付けるまでこの処理を繰り返して(図9のステップS41でNo)、入力待機する。このユーザIDおよびパスワードは、データベース30を管理するシステム管理者によって、あらかじめ当該データベース30のユーザに発行されたものであり、ユーザの個人認証に用いられる。コンピュータ2は、図14に示すように、ユーザIDおよびパスワードの入力ボックスを有するログイン画面を表示する。そして、ユーザは、コンピュータ2の入力部7を操作することによって、ユーザ名およびパスワードをコンピュータ2に入力し、画像表示部6に表示された「OK」ボタンをクリックする。こうして、ステップS31におけるユーザIDおよびパスワードの入力受付が行われる(図9のステップS41でYes)。次に、コンピュータ2は、入力されたユーザIDおよびパスワードのデータを画像提供装置4へ送信する(ステップS42)。画像提供装置4は、ユーザIDおよびパスワードのデータを受信したか否かを判別し(ステップ43)、データを受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図9のステップS43でNo)。画像提供装置4は、ステップS43においてユーザIDおよびパスワードのデータを受信した場合には(図9のステップS43でYes)、公知の認証技術によって個人認証を行う(ステップS44)。ここで、認証に失敗した場合には、処理を終了する。また、ステップS44において、認証に成功した場合は(図9のステップS44でYes)、画像提供装置4は、認証成功を示すデータをコンピュータ2へ送信する(ステップS45)。コンピュータ2は、これらのデータを受信したか否かを判別し(ステップS46)、データを受信するまでこの処理を繰り返す(図9のステップS46でNo)。また、コンピュータ2がステップS46において認証成功データを受信した場合には(図9のステップS46でYes)、ユーザのデータベース30へのログインが達成される。
【0073】
次に、コンピュータ2は、画像表示部6に識別情報の入力画面(図示せず)を表示して、識別情報の入力を受け付ける(ステップS47)。ユーザは、入力部7を使用して、コンピュータ2に検査対象に対応する識別情報を入力し、送信の指示を行う。コンピュータ2は、このように識別情報の入力を受け付けた場合には(図9のステップS47でYes)、識別情報を画像提供装置4へ送信する(ステップS48)。画像提供装置4は、識別情報を受信したか否かを判別し(ステップS49)、識別情報を受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図9のステップS49でNo)。画像提供装置4は、ステップS49において識別情報を受信した場合には(図9のステップS49でYes)、データベース30に当該識別情報の照会を行う(ステップS50)。ここで、データベース30に当該識別情報が存在しない場合には、処理を終了する。また、画像提供装置4は、データベース30への識別情報の検索がヒットした場合には、データベース30から当該識別情報に対応するレコードのうち、低解像度画像52を読み出す。そして、低解像度画像52の送信を開始する。図16は、低解像度画像52の送信の順番を説明する模式図である。画像提供装置4は、まず、コンピュータ2の画像表示部6の画面に表示する必要のある低解像度画像52を送信する(ステップS51)。図16において、初期表示される低解像度画像52をハッチングで示している。また、初期表示される領域を取り囲む周辺部分(図16においてグレー表示で示した部分)の低解像度画像52は、初期表示はされないが、初期表示に必要な部分に含まれるものとされる。すなわち、本実施の形態1においては、初期表示に必要な部分が、初期表示される領域とその周辺部分とからなるものとされている。したがって、初期表示される低解像度画像52およびその周辺部分の低解像度画像52、すなわち、初期表示に必要な部分の低解像度画像52が、ステップS51において送信される。なお、図16に示した初期表示に必要な部分の低解像度画像52は一例であり、例えば、3×3の9枚の初期表示される領域およびその周辺部分の計25枚の低解像度画像52を初期表示に必要な部分としてもよい。
【0074】
コンピュータ2は、このように画像提供装置4から送信される低解像度画像52を受信したか否かを判別し(ステップS52)、低解像度画像52の受信が開始されるまでこの処理を繰り返して受信待機する(図9のステップS52でNo)。また、ステップS52において、コンピュータ2が低解像度画像52の受信を開始した場合には(図9のステップS52でYes)、受信された低解像度画像52は、コンピュータ2のローカルのハードディスク11に格納される。そして、コンピュータ2は、受信した低解像度画像52を画像表示部6の第1ウィンドウ53に表示する(ステップS53)。図15においては、画面上部の領域に第1ウィンドウ53を配置している。また、上記のように初期表示される領域だけでなく、その周辺部分の低解像度画像52を受信しておくことで、初期表示の状態から少しだけスクロール操作がされた場合に、表示に必要となる低解像度画像52を画像提供装置4からダウンロードすることなく、既に受信した低解像度画像52をローカルのハードディスク11から読み出して表示すればよいので、円滑にスクロール表示を行うことができる。
【0075】
また、ステップS53の処理において、コンピュータ2は、複数の低解像度画像52を動的にタイリングするようになっている。この動的タイリングとは、低解像度画像52を、バーチャルスライド(バーチャルスライド50よりも低解像度のバーチャルスライド)を構成するように継ぎ目なく並べながら、第1ウィンドウ53に受信順に表示することを意味する。この動的タイリングを行う場合には、バーチャルスライド50を作成するときに既にタイリングし、その後分割して得た低解像度画像52を並べるだけであるので、隣り合う画像間にずれは生じない。したがって、動的タイリングのときには、バーチャルスライド作成における画像タイリングと異なり、画像の重なり部分を認識する必要がなく、処理時間を短くすることが可能である。また、表示に必要な低解像度画像52を、その時点では表示の必要がない他の低解像度画像52に対して優先的にコンピュータ2にダウンロードするため、表示に要する時間が長くなることを抑制することができる。
【0076】
画像提供装置4は、初期表示に必要な低解像度画像52を全て送信したか否かを判別する(ステップS54)。ここで、まだ送信していない画像が残っていれば(図9のステップS54でNo)、これらの低解像度画像52の送信を継続する。また、ステップS54において、初期表示に必要な低解像度画像52の送信が完了している場合には(図9のステップS54でYes)、画像提供装置4は、コンピュータ2の画像表示部6の画面に表示する必要のある部分画像51を送信する(ステップS55)。この初期表示に必要な部分画像51は、上述した低解像度画像52の場合と同様に、初期表示される部分画像51およびその周辺部分の部分画像51とされる。コンピュータ2は、このように画像提供装置4から送信される部分画像51を受信したか否かを判別し(ステップS56)、部分画像51の受信が開始されるまでこの処理を繰り返して受信待機する(図10のステップS56でNo)。また、ステップS56において、コンピュータ2が部分画像51の受信を開始した場合には(図10のステップS56でYes)、受信された部分画像51は、コンピュータ2のローカルのハードディスク11に格納される。そして、コンピュータ2は、受信した部分画像51を画像表示部6の第2ウィンドウ54に表示する(ステップS57)。図15においては、画面下部の領域に第2ウィンドウ54を配置している。これにより、コンピュータ2の画像表示部6には、塗抹標本を100倍の倍率の対物レンズによって拡大して撮像した顕微鏡写真に相当する部分画像51が表示される。ユーザは、この部分画像51に撮像された細胞(白血球)の像を視認し、低解像度画像52より詳細に当該細胞の形態の確認を行い、白血球の分類をより詳細に行うことができる。また、ステップS57の部分画像51の表示においても、上述した動的タイリングが行われる。このように、表示に必要な部分画像51を、その時点では表示の必要がない他の部分画像51に対して優先的にコンピュータ2にダウンロードすることにより、表示に要する時間が長くなることを抑制することができる。
【0077】
画像提供装置4は、初期表示に必要な部分画像51を全て送信したか否かを判別する(ステップS58)。ここで、まだ送信していない画像が残っていれば(図10のステップS58でNo)、画像提供装置4はこれらの部分画像51の送信を継続する。また、ステップS58において、初期表示に必要な部分画像51の送信が完了している場合には(図10のステップS58でYes)、画像提供装置4は、未送信の低解像度画像52、すなわち、初期表示に必要な部分以外の低解像度画像52を送信する(ステップS59)。ステップS59における低解像度画像52の送信の順番は、例えば、マトリックス状に並ぶ低解像度画像52のうち、最上行の左(図16において1番の低解像度画像)から右へ向けて順に送信し、同列の右端の低解像度画像52(図16において20番の低解像度画像)を送信した後は、1つ下の行の左(図16において21番の低解像度画像)から右へ向けて順に送信し、これを最下行まで繰り返すようにする。ここで、既に送信済みの低解像度画像52は除かれる。すなわち、図16において、13番から20番、33番から40番、53番から60番という順番で低解像度画像52が送信されることとなる。
【0078】
コンピュータ2は、既に受信した低解像度画像52を第1ウィンドウ53に表示している間に、バックグラウンドで他の低解像度画像52の受信を継続する(ステップS60)。そして、受信した低解像度画像52は、ローカルのハードディスク11に格納される。これにより、全ての低解像度画像52を受信しなくても、低解像度画像52の表示が可能であり、低解像度画像52の表示を迅速に行うことができ、ユーザに与えるストレスを抑えることができる。また、分類カウント作業を迅速に開始することができ、作業効率を向上させることもできる。
【0079】
ユーザは、例えば、低解像度画像52が表示されているウィンドウのスクロールバーをドラッグすることにより、表示されていない低解像度画像52を含む画面へと表示を移行させるように、すなわち、視野の移動をさせるようにコンピュータ2に指示を与えることができる。入力部7の操作によってかかる指示を示す割り込みが生じた場合には、コンピュータ2は、この低解像度画像52が既に受信されているときには、これを表示し、まだ受信されていないときには、当該低解像度画像52が表示に必要な部分であるとして、ユーザから受信指示を受けたと判断する。また、この他にも、例えば表示されている低解像度画像52上をユーザがマウスでクリックした場合に、このクリックした位置がウィンドウの中心になるように表示を切り替えるようにすることも可能である。このとき、コンピュータ2は、表示の切り替えによって他の低解像度画像52を表示することが必要となった場合に(図10のステップS61でYes)、この低解像度画像52が既に受信されているか否かを判別し(ステップS62)、既に受信されているときには(図10のステップS62でYes)、これをローカルのハードディスク11から読み出し(ステップS63)、画像表示部6の第1ウィンドウ53に表示する(ステップS69)。一方、まだ受信されていないときには(図10のステップS62でNo)、コンピュータ2は、表示に必要な低解像度画像52を特定する情報(第1指定部分特定情報:例えば、この低解像度画像52の行番号および列番号)を画像提供装置4へ送信する(ステップS64)。なお、ステップS61,S62,S63等の処理は、マルチタスク処理によって実行されており、これらの処理のバックグラウンドで画像提供装置4からの低解像度画像52の受信が行われる。
【0080】
画像提供装置4は、この第1指定部分特定情報を受信したか否かを判別し(ステップS65)、第1指定部分特定情報を受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図10のステップS65でNo)。また、画像提供装置4は、ステップS65において第1指定部分特定情報を受信した場合には(図10のステップS65でYes)、データベース30から当該第1指定部分特定情報によって特定される低解像度画像52を読み出し、その時点で送信中である低解像度画像52の送信を中断して(ステップS66)、要求のあった低解像度画像52を送信する(ステップS67)。そして、コンピュータ2は、この低解像度画像52を受信したか否かを判別し(ステップS68)、低解像度画像52の受信が開始されるまでこの処理を繰り返して受信待機する(図10のステップS68でNo)。また、ステップS68において、コンピュータ2が低解像度画像52の受信を開始した場合には(図10のステップS68でYes)、コンピュータ2は、受信した低解像度画像52を画像表示部6の第1ウィンドウ53に表示する(ステップS69)。このように、画像提供装置6が、表示に必要な低解像度画像52を、他の低解像度画像52に対して優先的に送信することにより、迅速に当該低解像度画像52を表示させることができ、作業効率のアップに寄与する。
【0081】
画像提供装置4は、第1指定部分特定情報によって特定される低解像度画像52を全て送信したか否かを判別する(ステップS70)。ここで、まだ送信していない画像が残っていれば(図11のステップS70でNo)、これらの低解像度画像52の送信を継続する。また、ステップS70において、第1指定部分特定情報によって特定される低解像度画像52の送信が完了している場合には(図11のステップS70でYes)、ステップS66で中断されていた表示されていない領域の低解像度画像52の送信を再開する(ステップS71)。
【0082】
ユーザは、低解像度画像52をコンピュータ2に表示させることにより、細胞の分類カウント作業を行うことができる。本実施の形態1に係る画像表示システム1を利用した細胞(白血球)の分類カウントは、次のように行うことができる。コンピュータ2の画像表示部6には、塗抹標本を40倍の倍率の対物レンズによって拡大して撮像した顕微鏡写真に相当する低解像度画像52が表示される。ユーザは、この低解像度画像52に撮像された細胞(白血球)を視認し、その形態から複数の種類に分類し、各種類の白血球をカウントする。これは、例えば、コンピュータ2に接続された分類カウント専用のキーボード(図示せず)を使用して行われる。具体的には、当該キーボードに設けられた複数のキーの夫々には白血球の種類が割り当てられており、ユーザが低解像度画像52を視認し、撮像されている白血球に該当する種類のキーを押下していき、コンピュータ2が各キーの押下回数を計数することによって行われる。そして、ユーザは、低解像度画像52では白血球の種類を判別することができない場合には、例えば、その白血球の像をクリックすることにより、当該白血球が撮像された高解像度の画像(部分画像51)を要求することができる。このとき、コンピュータ2においては、当該部分画像51の表示を要求する割り込みが発生する。コンピュータ2は、ユーザのこのような操作によって、部分画像51の表示を要求する割り込みが発生した場合には(図11のステップS72でYes)、この部分画像51が既に受信済みのものであるか否かを判別し(ステップS73)、既に受信されているときには(図11のステップS73でYes)、これをローカルのハードディスク11から読み出し(ステップS74)、画像表示部6の第2ウィンドウ54に表示する(ステップS80)。一方、まだ受信されていないときには(図11のステップS73でNo)、コンピュータ2は、表示に必要な低解像度画像52を特定する情報(第2指定部分特定情報:例えば、この部分画像51の行番号および列番号)を画像提供装置4へ送信する(ステップS75)。
【0083】
画像提供装置4は、この第2指定部分特定情報を受信したか否かを判別し(ステップS76)、第2指定部分特定情報を受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図11のステップS76でNo)。また、画像提供装置4は、ステップS76において第2指定部分特定情報を受信した場合には(図11のステップS76でYes)、データベース30から当該第2指定部分特定情報によって特定される部分画像51を読み出し、その時点で送信中である低解像度画像52の送信を中断して(ステップS77)、要求のあった部分画像51を送信する(ステップS78)。そして、コンピュータ2は、この部分画像51を受信したか否かを判別し(ステップS79)、部分画像51の受信が開始されるまでこの処理を繰り返して受信待機する(図11のステップS79でNo)。また、ステップS79において、コンピュータ2が部分画像51の受信を開始した場合には(図11のステップS79でYes)、コンピュータ2は、受信した部分画像51を画像表示部6の第2ウィンドウ54に表示する(ステップS80)。このように、画像提供装置4が、表示に必要な部分画像51を、他の部分画像51に対して優先的に送信することにより、迅速に当該部分画像51を表示させることができ、ユーザが低解像度画像52では形態の把握が困難であった白血球の形態確認を高解像度の部分画像51によって行うことができる。
【0084】
画像提供装置4は、第2指定部分特定情報によって特定される部分画像51を全て送信したか否かを判別する(ステップS81)。ここで、まだ送信していない画像が残っていれば(図11のステップS81でNo)、これらの部分画像51の送信を継続する。また、ステップS81において、第2指定部分特定情報によって特定される部分画像51の送信が完了している場合には(図11のステップS81でYes)、ステップS77で中断されていた表示されていない領域の低解像度画像52の送信を再開する(ステップS82)。
【0085】
次に、画像提供装置4は、前記識別情報に対応する低解像度画像52を全て送信したか否かを判別する(ステップS83)。まだ送信していない低解像度画像52が存在する場合には(図12のステップS83でNo)、画像提供装置4は、ステップS59へと処理を戻し、引き続き低解像度画像52の送信を継続する。また、ステップS83において、全ての低解像度画像52の送信が完了している場合には(図12のステップS83でYes)、画像提供装置4は、未送信の部分画像51、すなわち、初期表示に必要な部分以外の部分画像51を送信する(ステップS84)。ここで、部分画像51の送信の順番は、上述した低解像度画像52の送信順番と同様にして定められる。
【0086】
コンピュータ2は、このように既に受信した部分画像51を第2ウィンドウ54に表示している間に、バックグラウンドで他の部分画像51の受信を継続する(ステップS85)。これにより、全ての部分画像51を受信しなくても、部分画像51の表示が可能であり、部分画像51の表示を迅速に行うことができ、ユーザに与えるストレスを抑えることができる。また、分類カウント作業を迅速に行うことができ、作業効率を向上させることもできる。
【0087】
上述したように、例えば、ユーザが低解像度画像52が表示されているウィンドウのスクロールバーをドラッグすることにより、視野の移動を指示した場合には、その時点で表示されていない低解像度画像52の表示要求の割り込みが発生する。かかる割り込みが発生した場合には(図12のステップS86でYes)、コンピュータ2は、全ての低解像度画像52を既に受信しているので、ハードディスク11から該当する低解像度画像52を読み出し(ステップS87)、画像表示部6の第1ウィンドウ53に表示する(ステップS88)。
【0088】
一方、例えばユーザが低解像度画像52の白血球の像をクリックした場合には、コンピュータ2において、当該白血球の像を含む部分画像51の表示を要求する割り込みが発生する。かかる割り込みが発生した場合には(図12のステップS89でYes)、コンピュータ2は、この部分画像51が既に受信されているか否かを判別し(ステップS90)、既に受信されているときには(図12のステップS90でYes)、これをローカルのハードディスク11から読み出し(ステップS91)、画像表示部6の第2ウィンドウ54に表示する(ステップS97)。一方、まだ受信されていないときには(図12のステップS90でNo)、コンピュータ2は、表示に必要な部分画像51を特定する第2指定部分特定情報を画像提供装置4へ送信する(ステップS92)。画像提供装置4は、この第2指定部分特定情報を受信したか否かを判別し(ステップS93)、第2指定部分特定情報を受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図12のステップS93でNo)。また、画像提供装置4は、ステップS93において第2指定部分特定情報を受信した場合には(図12のステップS93でYes)、データベース30から当該第2指定部分特定情報によって特定される部分画像51を読み出し、その時点で送信中である部分画像51の送信を中断して(ステップS94)、要求のあった部分画像51を送信する(ステップS95)。そして、コンピュータ2は、この部分画像51を受信したか否かを判別し(ステップS96)、部分画像51の受信が開始されるまでこの処理を繰り返して受信待機する(図12のステップS96でNo)。また、ステップS96において、コンピュータ2が部分画像51の受信を開始した場合には(図12のステップS96でYes)、コンピュータ2は、受信した部分画像51を画像表示部6の第2ウィンドウ54に表示する(ステップS97)。このように、画像提供装置6が、表示に必要な部分画像51を他の部分画像51に対して優先的に送信することにより、迅速に当該部分画像51を表示させることができ、作業効率のアップに寄与する。
【0089】
画像提供装置4は、第2指定部分特定情報によって特定される部分画像51を全て送信したか否かを判別する(ステップS98)。ここで、まだ送信していない画像が残っていれば(図13のステップS98でNo)、これらの部分画像51の送信を継続する。また、ステップS98において、第2指定部分特定情報によって特定される部分画像51の送信が完了している場合には(図13のステップS98でYes)、ステップS94で中断されていた表示されていない領域の部分画像51の送信を再開する(ステップS99)。
【0090】
次に、画像提供装置4は、前記識別情報に対応する部分画像51を全て送信したか否かを判別する(ステップS100)。まだ送信していない部分画像51が存在する場合には(図13のステップS100でNo)、ステップS84へと処理を戻し、引き続き部分画像51の送信を継続する。ユーザは、コンピュータ2を使用して白血球の分類カウント作業を行う。白血球の分類カウント作業が終了した場合には、コンピュータ2は、分類カウント結果のデータを画像提供装置4へ送信する(ステップS101)。画像提供装置4は、分類カウント結果データを受信したか否かを判別し(ステップS102)、分類カウント結果データを受信するまでこの処理を繰り返して受信待機する(図13のステップS102でNo)。また、画像提供装置4は、ステップS102において分類カウント結果データを受信した場合には(図13のステップS102でYes)、当該分類カウント結果データをデータベース30に登録する(ステップS103)。そして、コンピュータ2は、ユーザからさらに他の検体について分類カウント作業を行うかどうかを選択を受け付ける(ステップS104)。これは、ログアウトの指示入力をユーザから受け付けたか否かで判別することが可能である。これにより、ユーザは他の検体について分類カウント作業を行うかどうかを選択することができる。ここで、さらに分類カウント作業を行う場合、すなわちコンピュータ2がログアウトの指示入力を受け付けない場合には(図13のステップS104でYes)、コンピュータ2は処理をステップS47へと戻し、識別情報の入力を受け付ける。また、ステップS104において、分類カウント作業を終了する場合、すなわちコンピュータ2がログアウトの指示入力を受け付けた場合には(図13のステップS104でNo)、コンピュータ2は、ログアウト要求情報を画像提供装置4へ送信する(ステップS105)。そして、画像提供装置4が当該ログアウト要求情報を受信し(図13のステップS106でYes)、データベース30のログアウト処理(ステップS107)を行った後、処理を終了する。こうして、分類カウント動作が終了する。
【0091】
以上説明したごとき構成により、画像提供装置4とコンピュータ2との間で、表示に必要な低解像度画像52を、その時点では表示の必要がない他の低解像度画像52に対して優先的に送受信し、同様に、表示に必要な部分画像51を、その時点では表示の必要がない部分画像51に対して優先的に送受信するため、コンピュータ2はこれらの部分画像を受信すれば直ちに低解像度画像52および部分画像51の表示を行うことができ、従来に比して画像の表示を迅速に行うことができる。また、コンピュータ2は、既に受信した低解像度画像52および部分画像51を表示している間に、バックグラウンドで他の(未受信の)低解像度画像52および部分画像51を受信するため、より一層効率的に画像の表示および受信を行うことができる。
【0092】
なお、本実施の形態1においては、画像提供装置4が、初期表示に必要な低解像度画像52を送信し、次いで、初期表示に必要な部分画像51を送信し、コンピュータ2が、初期表示に必要な低解像度画像52および部分画像51を受信して画像表示部6に表示し、その後に、画像提供装置4が未送信の低解像度画像52および部分画像51を送信し、コンピュータ2がバックグラウンドでこれらの低解像度画像52および部分画像51を受信する構成について述べたが、例えば、画像提供装置4が、初期表示に必要な低解像度画像52を送信した後、それ以外の低解像度画像52を送信し、コンピュータ2が、先に受信した低解像度画像を画像表示部6に表示し、バックグラウンドで残りの全ての低解像度画像を受信し、その後に画像提供装置4が初期表示に必要な部分画像51を送信し、次いで未送信の部分画像51を送信し、コンピュータ2が、先に受信した部分画像51を画像表示部6に表示し、バックグラウンドで残りの全ての部分画像51を受信する構成とするなど、低解像度画像52と部分画像51との送信の順番は本実施の形態1の構成に限定されるものではない。
【0093】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る画像表示システムについて説明する。本発明の実施の形態2に係る画像表示システム101(図1参照)の構成は、実施の形態1に係る画像表示システム1の構成と同様であるので、同一構成要素については同符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態2に係るコンピュータ102およびコンピュータ104aは、ハードウェア構成は実施の形態1に係るコンピュータ2およびコンピュータ4aと同様であるので説明を省略するが、本実施の形態2に係るコンピュータプログラムを夫々実行することによって、本発明の実施の形態2に係る画像表示装置および画像提供装置104として機能し、以下のように動作するようになっている。
【0094】
本発明の実施の形態2に係る画像表示システム101のバーチャルスライド登録動作においては、低解像度画像52の部分画像であって、概ね1つの細胞の像のみが含まれる部分画像である細胞確認用部分画像(以下、サムネイル画像という)61も登録されるようになっている。このサムネイル画像61は、例えば、低解像度画像52から注目する細胞の像と、その周囲の部分とを含む矩形領域を切り出して作成してもよいし、バーチャルスライド50または部分画像51から注目する細胞の像と、その周囲の部分を含む矩形領域を切り出し、この部分画像の解像度を落とすことによって作成してもよい。このように、サムネイル画像61の細胞の像と同一の細胞の像が低解像度画像52にも含まれており、サムネイル画像61の細胞の像と同一の細胞の像の低解像度画像52上における位置を示す位置情報が、このサムネイル画像61に対応付けられてデータベース30に登録されるようになっている。つまり、サムネイル画像61に対応付けられた位置情報によって、当該サムネイル画像61と同一の細胞の像が低解像度画像52のどこに存在するのかを特定することができるようになっている。
【0095】
図17は、本発明の実施の形態2に係る画像表示システム101の分類カウント動作の手順の一部を示すフローチャートである。本実施の形態2に係る画像表示システム101は、分類カウント動作において、以下で特に説明する処理を除いて、実施の形態1に係る画像表示システム1の分類カウント動作と同様の処理を行うようになっているので、同様の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。図17に示すように、画像提供装置104は、ステップS58において、初期表示に必要な部分画像51の送信が完了している場合には(図17のステップS58でYes)、データベース30から当該識別情報に対応するサムネイル画像61および位置情報を読み出し、これらをコンピュータ102へ送信する(ステップS201)。
【0096】
コンピュータ102は、このように画像提供装置104から送信されるサムネイル画像61および位置情報を受信したか否かを判別し(ステップS202)、サムネイル画像61および位置情報の受信が開始されるまでこの処理を繰り返して受信待機する(図17のステップS202でNo)。また、コンピュータ2は、ステップS202において、サムネイル画像61および位置情報の受信を開始した場合には(図17のステップS202でYes)、受信したサムネイル画像61を画像表示部6の第3ウィンドウ113に表示する(ステップS203)。図18は、本発明の実施の形態2に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータ102の画面表示例を示す図である。図18においては、画面左上部の領域に第1ウィンドウ111を配置し、画面左下部の領域に第2ウィンドウ112を配置し、画面右部の領域に第3ウィンドウ113を配置している。
【0097】
画像提供装置104は、サムネイル画像61および位置情報を全て送信したか否かを判別する(ステップS204)。ここで、まだ送信していないサムネイル画像61および位置情報が残っていれば(図17のステップS204でNo)、これらのサムネイル画像61および位置情報の送信を継続する。また、ステップS204において、サムネイル画像61および位置情報の送信が完了している場合には(図17のステップS204でYes)、ステップS59へと処理を進める。
【0098】
図18に示すように、サムネイル画像61は、第3ウィンドウ113内において、マトリックス状に整列されて配置される。これらのサムネイル画像61のクリック動作に対しては、クリックされたサムネイル画像61に対応する位置情報の読み出しが対応付けられている。コンピュータ102は、1つのサムネイル画像61がクリックされたときに、対応する位置情報を読み出し、この位置情報によって特定される低解像度画像52内の位置(細胞の像が存在する位置)が第1ウィンドウ111の中央に位置するように表示の切り替えを行うとともに、当該細胞の像を含む部分画像51を第2ウィンドウ112に表示する。すなわち、ユーザがサムネイル画像61をクリックした場合には、第1ウィンドウ111の表示切替のイベントおよび第2ウィンドウ112の表示切替のイベントが発生するようになっている。
【0099】
このように第1ウィンドウ111の表示切替の指示の割り込みが生じた場合には(ステップS205(図10参照)またはステップS207(図12参照)でYes)、コンピュータ102は、実施の形態1において説明したステップS62またはステップS87以降の処理を実行する。また、第2ウィンドウ112の表示切替の指示の割り込みが生じた場合には(ステップS206(図11参照)またはステップS208(図12参照)でYes)、コンピュータ102は、実施の形態1において説明したステップS73またはステップS90以降の処理を実行する。つまり、ユーザによるサムネイル画像61のクリック動作により、第1ウィンドウ111の表示切替のイベントおよび第2ウィンドウ112の表示切替のイベントが発生し(ステップS205,S206,S207,S208)、ここで表示に必要となる低解像度画像52および部分画像51が既にコンピュータ102に受信されたものである場合には(ステップS62,S73,S90でNo)、コンピュータ102は、ローカルのハードディスク11から夫々の画像データを読み出し(ステップS63,S74,S87,S91)、また表示に必要となる低解像度画像52および部分画像51がまだ受信されていないものである場合には(ステップS62,S73,S90でYes)、これらの低解像度画像52および部分画像51を他の低解像度画像52および部分画像51に対して優先的に送信するように画像提供装置104に送信要求(第1指定部分特定情報および第2指定部分特定情報)を送信する(ステップS64,S75,S92)。このように、表示に必要な画像を優先的にダウンロードすることによって、全部の画像データをダウンロードしなくても必要な画像だけを迅速に表示させることができる。なお、本実施の形態2においては、細胞の分類カウント動作として説明したが、これを細胞の分類カウントに使用するだけでなく、例えば医師が細胞の形態を目視で確認して病気の診断を行う場合にも使用することができる。
【0100】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る画像表示システムについて説明する。本発明の実施の形態3に係る画像表示システム201(図1参照)の構成は、実施の形態1に係る画像表示システム1の構成と同様であるので、同一構成要素については同符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態3に係るコンピュータ202およびコンピュータ204aは、ハードウェア構成は実施の形態1に係るコンピュータ2およびコンピュータ4aと同様であるので説明を省略するが、本実施の形態3に係るコンピュータプログラムを夫々実行することによって、本発明の実施の形態3に係る画像表示装置および画像提供装置204として機能し、以下のように動作するようになっている。また、本発明の実施の形態3に係る画像表示システム201のバーチャルスライド登録動作は、実施の形態1に係る画像表示システム1のバーチャルスライド登録動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0101】
図19および図20は、本発明の実施の形態3に係る画像表示システム201の分類カウント動作の手順の一部を示すフローチャートであり、図21は、本発明の実施の形態3に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータ202の画面表示例を示す図である。なお、以下で特に説明する処理を除いて、本実施の形態3に係る画像表示システム201の分類カウント動作は、実施の形態1に係る画像表示システム1の分類カウント動作と同様の処理を行うようになっており、同様の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。図19および図21に示すように、本実施の形態3に係る画像表示システム201においては、ステップS46において画像提供装置204からコンピュータ202が認証成功データを受信した後、すなわちユーザのデータベース30へのログインが達成された後に、コンピュータ202は、低解像度画像52を表示するための第1ウィンドウ(本発明に係る第1の領域)211および部分画像51を表示するための第2ウィンドウ(本発明に係る第2の領域)212に加えて、細胞の分類カウント作業の結果表示に用いられる分類カウント表示部213を表示するための第4ウィンドウ214を画像表示部6に表示する(ステップS301)。
【0102】
この分類カウント表示部213には、白血球の20種類の小分類のカウント数および割合(%)と、白血球の4種類の大分類(Class1〜Class4)のカウント数および割合(%)とが表示される。図22は、本発明の実施の形態3における白血球の分類カウント項目を説明するための図である。ここで、図21に示した白血球の20種類の小分類は、図22に示すように、Blast(芽球)、Promyelo(前骨髄球)、Myelo(骨髄球)、Meta(後骨髄球)、 Band(杆状核球)、Seg(分葉核球)、Eosino(好酸球)、Baso(好塩基球)、Lymph(リンパ球)、A.Lymph(異型リンパ球)、Mono(単球)、EBL−Pro(前赤芽球)、EBL−Baso(好塩基性赤芽球)、EBL−Poly(多染性赤芽球)、EBL−Orth(正染性赤芽球)、Plasma(形質細胞)、 Reticulum(細網細胞)、Mast(肥満細胞)、Mitosis(有糸細胞)およびOther(その他)である。また、図10に示した白血球の4種類の大分類は、上記した20種類の小分類のうち、Blast(芽球)、Promyelo(前骨髄球)、Myelo(骨髄球)、Meta(後骨髄球)、 Band(杆状核球)およびSeg(分葉核球)が属するClass1(骨髄系)と、Eosino(好酸球)、Baso(好塩基球)、Lymph(リンパ球)、A.Lymph(異型リンパ球)およびMono(単球)が属するClass2(骨髄系以外の白血球)と、EBL−Pro(前赤芽球)、EBL−Baso(好塩基性赤芽球)、EBL−Poly(多染性赤芽球)およびEBL−Orth(正染性赤芽球)が属するClass3(赤芽球系)と、Plasma(形質細胞)、 Reticulum(細網細胞)、Mast(肥満細胞)、Mitosis(有糸細胞)およびOther(その他)が属するClass4(その他の白血球)とからなる。
【0103】
なお、検査技師または検査医等のユーザは、血液細胞(白血球)をカウントする際、その細胞がどの大分類に属するかを判断した後、詳細な小分類を考えるので、図22に示した大分類および小分類の階層化は、カウントする際の思考に沿っている。
【0104】
また、分類カウント表示部213には、医療機関に設置されたデータベースサーバ等から取得した検査日、依頼番号、検体番号、患者名、生年月日、性別、年齢、血液型、検体コメント等の属性情報が表示される。また、この分類カウント表示部213で属性情報を入力することも可能である。属性情報を入力する場合、「検体属性入力」ボタンをクリックすることにより、入力画面(図示せず)が別のウィンドウとして表示される。この入力画面において、属性情報を入力することにより、入力した属性情報が分類カウント表示部213に表示される。また、分類カウント表示部213のMegakaryo(巨核球)欄には、Megakaryo(巨核球)が多い(+)か少ない(−)かを入力および表示可能である。また、分類カウント表示部213では、M系細胞とE系細胞との比率を示すM/E比(M/E ratio)および合計カウント(Total)も表示される。また、分類カウント表示部213の「設定」ボタンをクリックすると、小分類の項目名やその小分類がどの大分類に属するのかについての設定を行うことが可能である。
【0105】
また、分類カウント表示部213の「保存」ボタンおよび「OK」ボタンは、分類結果をコンピュータ202に保存するときに用いる。また、「キャンセル」ボタンは、分類結果をコンピュータ202に保存しない場合に用いる。また、「カウントDOWN」のチェックボックスは、分類結果を修正(編集)する場合に用いる。
【0106】
ユーザは、上記した分類カウント表示部213が表示された後、第1ウィンドウ211および第2ウィンドウ212に表示されたバーチャルスライドに対して、分類カウントを行う。コンピュータ202は、かかる分類カウント処理を実行する(ステップS302)。なお、説明を簡単にするために、ステップS100の処理の後、すなわち、全部の低解像度画像52および全部の部分画像51をコンピュータ2にダウンロードした後に、分類カウントを行うように説明しているが、実際には、コンピュータ202がバックグラウンドで低解像度画像52および部分画像51の受信を行いながら、以下のようなユーザによる分類カウント作業を行うことが可能である。ここで、ステップS302におけるバーチャルスライドを用いた分類カウントの方法について詳細に説明する。本実施の形態3では、図21に示した第1ウィンドウ211に表示された40倍(弱拡大)のバーチャルスライド(低解像度画像52)および第2ウィンドウ212に表示された100倍(強拡大)のバーチャルスライド50(部分画像51)を用いて分類カウントを行う。この第1ウィンドウ211および第2ウィンドウ212には、細胞画像の位置の基準となる位置基準線215および216が表示されている。また、第1ウィンドウ211および第2ウィンドウ212の上端部および左側端部には、位置基準線215および216によって区画される領域を示す文字としてのアルファベット(「A」、「B」)および数字(「1」および「2」)が表示されている。なお、位置基準線215および216は、表示/非表示の切替が可能である。
【0107】
図23は、図21に示した第1ウィンドウ211の拡大図である。分類カウントを行う場合には、まず、第1ウィンドウ211に表示されたバーチャルスライド中の分類しようとする細胞の位置(細胞特定位置)217に、マウスカーソルを合わせる。そして、この細胞特定位置217でマウスの左ボタンを押すとともに、その左ボタンを押した状態で少しだけマウスカーソルを移動させる(いわゆるドラッグ操作を行う)と、図21および図23に示すように、細胞特定位置217を中心にしてほぼ円形に取り囲むように、白血球の20種類の分類細胞名(小分類)を示す文字が例えば黒色でポップアップ表示される。この文字は、文字が表示された領域の細胞画像が視認可能なように、背景を透かした態様で表示される。
【0108】
また、細胞特定位置217を通るように、略円形に表示された小分類が属する4つの大分類(Class1(骨髄系)(221)、Class2(骨髄系以外の白血球)(222)、Class3(赤芽球系)(223)およびClass4(その他の白血球)(224))を区画する互いに直交する大分類区画線218および219が表示される。また、バーチャルスライド中には、細胞特定位置217を中心にした小分類選択領域と大分類選択領域との境界を規定する正方形状の境界規定線220が表示される。この境界規定線220は、目視が容易なように、例えば、赤色で表示される。
【0109】
このように大分類および小分類が表示された状態で、ユーザがマウスの左ボタンを押した状態を維持しながら、境界規定線220の内側の小分類選択領域内で、選択する小分類の分類細胞名を示す文字に対応する位置にマウスカーソルを移動させることにより、選択された小分類の分類細胞名(例えば、EBL−Orth(正染性赤芽球))が黒色から赤色に反転する。これにより、小分類が選択される。また、その細胞がどの小分類に属するかの判断が困難な場合には、大分類221〜224および小分類が表示された状態で、マウスの左ボタンを押した状態を維持しながら、境界規定線220の外側の大分類選択領域で選択する大分類の区画領域にマウスカーソルを移動させることにより、選択された大分類に属するすべての小分類の分類細胞名が黒色から赤色に反転する。これにより、大分類が選択される。このようにして、小分類または大分類の選択が行われる。この後、マウスの左ボタンを離すことにより、選択された小分類または大分類がカウントされるとともに、図21の分類カウント表示部213の選択された小分類または大分類に対応する項目に合計のカウント値が表示される。このカウントと同時に、カウント値、カウントされた細胞のサムネイル画像、位置情報、分類名、分類日時、分類者名などの分類カウント結果がコンピュータ202に保存される。本実施の形態2においては、例えば、サムネイル画像は、150dot×150dot、PNG形式、フルカラーで保存され、位置情報としては、バーチャルスライド上の(X、Y)位置が保存される。
【0110】
このように、本実施の形態3では、分類のカウントと同時に、カウントされた細胞の細胞画像および位置情報などがコンピュータ202に保存されるので、記憶した位置情報に基づいてその細胞画像を容易に検索する(探す)ことが可能になる。また、上記のように、バーチャルスライドがスクロール可能に表示された第1ウィンドウ211において、マウスのボタン操作により、白血球の20種類の小分類を含むポップアップメニューを表示させて小分類を選択し、かつ、選択された小分類に対応するカウント値を分類カウント表示部213に表示することによって、バーチャルスライドのスクロール操作のみならず、小分類の選択などの分類カウント作業もマウスを用いて行うことが可能になるので、操作性が向上する。これにより、バーチャルスライドを用いる分類カウント作業を効率的に行うことが可能になる。また、マウスによる1回のクリック動作(ボタンを押して離す動作)で分類カウント作業を行うことが可能になるので、操作性がより向上される。
【0111】
なお、選択された大分類を保存する際に、4つの大分類で互いに保存時の音を異ならせるようにしてもよい。これにより、視覚的のみならず、聴覚的にもどの大分類が保存されたかを認識することが可能になるので、大分類を誤って選択した場合に、その誤選択を視覚的に気付かなかった場合にも、その誤選択を聴覚的に気付くことが可能になる。これにより、分類カウント時の誤選択を減少させることが可能になる。
【0112】
なお、分類カウントが保存された細胞画像には、分類カウント済みの細胞であることを示す円形のマーク226が赤色で表示される。このようにして、1つの細胞についてのステップS302の分類カウントが終了する。
【0113】
コンピュータ202においては、表示されているバーチャルスライドについて、予め設定されたカウント数の分類カウントが終了したか否かが判断され(ステップS303)、終了していないと判断された場合には(図20のステップS303でNo)、上記したステップS302の分類カウント処理が繰り返される。なお、分類カウントは、末梢血の場合には、100カウント程度に設定され、骨髄血の場合には、500〜1000カウント程度に設定される。このカウント数は、図21に示した分類カウント表示部213のプルダウンメニューのタブ225をクリックすることにより表示される複数のカウント数の中から選択することにより設定する。また、表示されているバーチャルスライドについて、予め設定されたカウント数の分類カウントが終了したと判断された場合には(図20のステップS303でYes)、コンピュータ2は、ステップS101へと処理を移して、分類カウントの結果データを画像提供装置4へアップロードする。
【0114】
なお、以上説明した実施の形態1〜3においては、100倍の対物レンズを用いてバーチャルスライド50を作成し、このバーチャルスライド50の部分画像51の解像度を落として40倍の対物レンズを用いて作成した画像に相当する低解像度画像52を作成したが、これに限定されるものではなく、例えば、100倍の対物レンズを用いてバーチャルスライド50および部分画像51を作成し、40倍の対物レンズを用いて低解像度画像52を作成してもよいし、解像度の異なるCCDカメラを2つと1つの対物レンズを用いて、高解像度のCCDカメラによりバーチャルスライド50および部分画像51を作成し、低解像度のCCDカメラにより低解像度画像52を作成してもよい。
【0115】
また、実施の形態1〜3においては、40倍の対物レンズを用いて作成した画像に相当する低解像度画像52と、100倍の対物レンズを用いて作成したバーチャルスライド50および部分画像51とを用いて、分類カウント作業および血液診断作業を行う場合について説明したが、この他の倍率の画像を作成してこれらの作業に利用することも可能である。例えば、末梢血の血液塗抹標本の場合には、20倍以下の倍率の対物レンズを用いて作成した画像に相当する低解像度画像と、40倍〜60倍の対物レンズを用いて作成した画像に相当する部分画像とを作成し、低解像度画像を用いてその標本の状態(傷の有無等)やその標本に出現している細胞の種類の大まかな把握を行い、部分画像を用いて詳細な分類カウント作業および血液診断作業を行うこととしてもよいし、骨髄の標本の場合には、40倍の対物レンズを用いて作成した画像に相当する低解像度画像と、100倍の対物レンズを用いて作成した画像に相当する部分画像とを作成し、低解像度画像を用いてその標本の状態(傷の有無等)やその標本に出現している細胞の種類の大まかな把握を行い、部分画像を用いて詳細な分類カウント作業および血液診断作業を行うこととしてもよい。
【0116】
また、低解像度画像52を第1ウィンドウ53,111,211に、部分画像51を第2ウィンドウ54,112,212に、サムネイル画像61を第3ウィンドウ113に、および分類カウント表示部213を第4ウィンドウ214に夫々表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、低解像度画像52、部分画像51、サムネイル画像61、および分類カウント表示部213を同一ウィンドウ内の別フレームに夫々表示する構成としてもよい。
【0117】
また、実施の形態1〜3においては、実質的に低解像度のバーチャルスライドが分割された複数の低解像度画像52を画像提供装置4,104,204からコンピュータ2,102,202へとダウンロードする構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば低解像度のバーチャルスライドのサイズが第1ウィンドウ53,111,211にその全体を表示することが可能である程度に小さく、当該バーチャルスライド全体のダウンロードに要する時間が、実質的に分類カウント作業の開始を遅らせることがないような場合には、当該バーチャルスライド全体を一度に画像提供装置4,104,204からコンピュータ2,102,202へとダウンロードする構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明に係る画像表示システム、画像提供装置、画像表示装置、およびコンピュータプログラムは、細胞が撮像された画像のうち、表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送受信するため、これらの部分画像を受信すれば直ちに画像の表示を行うことができ、従来に比して細胞が撮像された画像の表示を迅速に行うことができるという効果を奏し、細胞が撮像された画像を表示するための画像表示システム、当該画像表示システムが備える画像提供装置および画像表示装置、ならびにコンピュータを画像表示装置として機能させるためのコンピュータプログラム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像提供装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムのバーチャルスライド登録動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係るバーチャルスライド(血液細胞画像)の作成方法を説明する概念図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るバーチャルスライド作成処理の手順を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係るバーチャルスライドの分割および管理方法を説明する概念図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係るバーチャルスライド分割処理の手順を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータ2の画面表示例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータ2の画面表示例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態1に係る低解像度画像の送信の順番を説明する模式図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順の一部を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態2に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータの画面表示例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順の一部を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態3に係る画像表示システムの分類カウント動作の手順の一部を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態3に係る画像表示システムにおける白血球の分類カウント動作の際のコンピュータの画面表示例を示す図である。
【図22】本発明の実施の形態3における白血球の分類カウント項目を説明するための図である。
【図23】図21に示した第1ウィンドウの拡大図である。
【符号の説明】
【0120】
1,101,201 画像表示システム
2,102,202 コンピュータ(画像表示装置)
3 画像作成装置
4,104,204 画像提供装置
4a,104a,204a コンピュータ
5 本体
6 画像表示部
7 入力部
8 CPU
11 ハードディスク
13 入出力インタフェース
14 通信インタフェース
15 画像出力インタフェース
16 可搬型記録媒体
20 光学顕微鏡
21 3CCDカメラ
22 自動ステージ
23 制御装置
25 コンピュータ
30 データベース
31 CPU
34 ハードディスク
36 通信インタフェース
37 可搬型記録媒体
41 標本スライドガラス
42 塗抹検体
50 バーチャルスライド
51 部分画像
52 低解像度画像
53,111,211 第1ウィンドウ
54,112,212 第2ウィンドウ
61 サムネイル画像
113 第3ウィンドウ
213 分類カウント表示部
214 第4ウィンドウ
NW 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞が撮像された第1画像を送信する第1送信手段と、
前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を送信する第2送信手段と
を有する画像提供装置と、
画像表示部と、
前記画像提供装置から送信された第1画像を受信する第1受信手段と、
前記画像提供装置から送信された第2画像を受信する第2受信手段と、
前記第1画像を前記画像表示部の第1の領域に表示する第1表示手段と、
前記第2画像を前記画像表示部の第2の領域に表示する第2表示手段と
を有する画像表示装置とを備え、
前記第2送信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、前記第2表示手段による表示に必要な部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあり、
前記第2受信手段は、既に受信した部分画像を前記第2表示手段が表示している間に、前記画像提供装置から送信される部分画像を受信すべくなしてある画像表示システム。
【請求項2】
前記第1送信手段は、第1画像が分割された複数の部分画像のうち、前記第1表示手段による表示に必要な部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあり、
前記第1受信手段は、既に受信した部分画像を前記第1表示手段が表示している間に、前記画像提供装置から送信される前記第1画像の部分画像を受信すべくなしてある請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像表示装置は、ユーザから第1画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第1指定受付手段と、当該第1指定受付手段が指定を受け付けた第1画像のうち表示に必要な部分を特定する第1指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信する送信手段とをさらに備え、
前記画像提供装置は、前記画像表示装置から送信された指定部分特定情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記第1送信手段は、前記受信手段によって受信された第1指定部分特定情報によって特定される第1画像の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてある請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記画像表示装置は、前記第1指定受付手段が指定を受け付けた部分の部分画像が、既に受信済みであるか否かを判別する判別手段をさらに備え、
前記送信手段は、当該判別手段によって前記部分画像がまだ受信されていないと判別された場合に、前記第1指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信すべくなしてある請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記画像表示装置は、ユーザから第2画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第2指定受付手段と、当該第2指定受付手段が指定を受け付けた第2画像のうち表示に必要な部分を特定する第2指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信する送信手段とをさらに備え、
前記画像提供装置は、前記画像表示装置から送信された第2指定部分特定情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記第2送信手段は、前記受信手段によって受信された第2指定部分特定情報によって特定される第2画像の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてある請求項3または4に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記画像表示装置は、前記第2指定受付手段が指定を受け付けた部分の部分画像が、既に受信済みであるか否かを判別する判別手段をさらに備え、
前記送信手段は、当該判別手段によって前記部分画像がまだ受信されていないと判別された場合に、前記第2指定部分特定情報を前記画像提供装置へと送信すべくなしてある請求項5に記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記第2送信手段は、前記第1指定部分特定情報によって特定される第1画像の部分画像の送信と、前記第2指定部分特定情報によって特定される第2画像の部分画像の送信とが競合する場合には、前記第1送信手段が、前記第1指定部分特定情報によって特定される第1画像の部分画像を送信した後に、前記第2指定部分特定情報によって特定される第2画像の部分画像を送信すべくなしてある請求項5または6に記載の画像表示システム。
【請求項8】
前記画像提供装置は、前記第1画像の部分画像であって、概ね1つの細胞の像のみが含まれる部分画像である細胞確認用部分画像を送信する第3送信手段をさらに備え、
前記画像表示装置は、前記画像提供装置から送信された細胞確認用部分画像を受信する第3受信手段と、当該第3受信手段によって受信された細胞確認用部分画像を前記画像表示部の第3の領域に表示する第3表示手段とをさらに備え、
前記第1指定受付手段は、ユーザから一つの前記細胞確認用部分画像の指定を受け付けたときに、前記第1画像のうち、当該細胞確認用部分画像に含まれる細胞の像を含む部分を、表示に必要な部分とすべくなしてある請求項3乃至7のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項9】
前記第1送信手段は、第1画像のうち初期表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてあり、
前記第2送信手段は、前記第1送信手段が、第1画像のうち初期表示に必要な部分の部分画像を送信した後に、第2画像のうち初期表示に必要な部分の部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてある請求項2乃至8のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項10】
前記第2送信手段は、前記第1送信手段が第1画像のうち表示に必要な部分画像を送信している間は、データの送信を中断すべくなしてある請求項2乃至9のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項11】
前記第1送信手段は、前記第1画像のうち表示に必要な部分画像を送信している場合を除き、前記第2送信手段が第2画像のうち表示に必要な部分画像を送信している間は、データの送信を中断すべくなしてある請求項10に記載の画像表示システム。
【請求項12】
前記第1および第2画像に撮像された細胞は血液細胞であり、
前記画像表示装置は、前記画像表示部の第4の領域に、細胞を分類し、また分類別にカウントするために、細胞の分類およびカウント結果の表示に用いられる分類カウント表示部を表示する第4表示手段をさらに備える請求項1乃至11の何れかに記載の画像表示システム。
【請求項13】
細胞が撮像された第1画像を送信する第1送信手段と、
前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を送信する第2送信手段とを備え、
前記第2送信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、外部の装置による表示に必要な部分画像を他の部分画像に対して優先的に送信すべくなしてある画像提供装置。
【請求項14】
画像表示部と、
細胞が撮像された第1画像を外部から受信する第1受信手段と、
前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を外部から受信する第2受信手段と、
前記第1画像を前記画像表示部の第1の領域に表示する第1表示手段と、
前記第2画像を前記画像表示部の第2の領域に表示する第2表示手段とを備え、
前記第2受信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、既に受信した部分画像を前記第2表示手段が表示している間に、他の部分画像を外部から受信すべくなしてある画像表示装置。
【請求項15】
前記第1受信手段は、第1画像が分割された複数の部分画像のうち、既に受信した部分画像を前記第1表示手段が表示している間に、他の部分画像を外部から受信すべくなしてある請求項14に記載の画像表示装置。
【請求項16】
ユーザから第1画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第1指定受付手段と、当該第1指定受付手段が指定を受け付けた第1画像のうち表示に必要な部分を特定する第1指定部分特定情報を外部へ送信する送信手段とをさらに備える請求項15に記載の画像表示装置。
【請求項17】
前記第1指定受付手段が指定を受け付けた部分の部分画像が、既に受信済みであるか否かを判別する判別手段をさらに備え、
前記送信手段は、当該判別手段によって前記部分画像がまだ受信されていないと判別された場合に、前記第1指定部分特定情報を外部へ送信すべくなしてある請求項16に記載の画像表示装置。
【請求項18】
ユーザから第2画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第2指定受付手段と、当該第2指定受付手段が指定を受け付けた第2画像のうち表示に必要な部分を特定する第2指定部分特定情報を外部へ送信する送信手段とをさらに備える請求項16または17に記載の画像表示装置。
【請求項19】
前記第2指定受付手段が指定を受け付けた部分の部分画像が、既に受信済みであるか否かを判別する判別手段をさらに備え、
前記送信手段は、当該判別手段によって前記部分画像がまだ受信されていないと判別された場合に、前記第2指定部分特定情報を外部へ送信すべくなしてある請求項18に記載の画像表示装置。
【請求項20】
画像表示部と、外部との通信が可能な通信部とを備えるコンピュータを、
細胞が撮像された第1画像を前記通信部によって外部から受信する第1受信手段と、
前記第1画像に撮像された細胞が撮像されており、前記第1画像よりも解像度が高い第2画像を前記通信部によって外部から受信する第2受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された第1画像を前記画像表示部の第1の領域に表示する第1表示手段と、
前記第2受信手段によって受信された第2画像の一部を前記画像表示部の第2の領域に表示する第2表示手段として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第2受信手段は、第2画像が分割された複数の部分画像のうち、既に受信した部分画像を前記第2表示手段が表示している間に、他の部分画像を前記通信部によって外部から受信するように前記コンピュータを機能させるべくなしてあるコンピュータプログラム。
【請求項21】
前記第1受信手段は、第1画像が分割された複数の部分画像のうち、既に受信した部分画像を前記第1表示手段が表示している間に、他の部分画像を前記通信部によって外部から受信するように前記コンピュータを機能させるべくなしてある請求項20に記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
前記コンピュータを、
前記コンピュータに設けられた入力部によってユーザから第1画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第1指定受付手段と、
当該第1指定受付手段が指定を受け付けた第1画像のうち表示に必要な部分を特定する第1指定部分特定情報を前記通信部によって外部へ送信する送信手段としてさらに機能させるための請求項21に記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
前記コンピュータを、
前記コンピュータに設けられた入力部によってユーザから第2画像のうち表示に必要な部分の指定を受け付ける第2指定受付手段と、
当該第2指定受付手段が指定を受け付けた第2画像のうち表示に必要な部分を特定する第2指定部分特定情報を前記通信部によって外部へ送信する送信手段としてさらに機能させるための請求項22に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−49964(P2006−49964A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223937(P2004−223937)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】