説明

画像表示システム、電子ペーパー用画像情報制御装置及び電子ペーパー用画像情報制御プログラム

【課題】 電子ペーパーに表示される画像によって情報漏洩が発生することを抑制する画像表示システムを提供する。
【解決手段】 画像情報に、電子ペーパー31での該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報を付加する制限情報付加端末10と、第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報を送受信する携帯電話20と、第1の制限情報と第2の制限情報とを受信し、第1の制限情報と第2の制限情報との照合結果に基づいて画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、画像情報を送信する送信手段を有するアダプター40と、アダプター40から受信した画像情報に基づいて電子ペーパー31に画像を表示させる電子ペーパー表示制御部30と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システム、電子ペーパー用画像情報制御装置及び電子ペーパー用画像情報制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯情報端末において、表示画面のサイズ制限を補完する種々の技術が知られている。例えば、特許文献1では、携帯電話に表示されるいわゆるコンテンツ等の画像を赤外線通信等によりデジタルテレビへ送信して表示させることが開示されている。また、特許文献2では、いわゆる電子ペーパーを利用することが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−101457号公報
【特許文献2】特開2006−157725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献では、電子ペーパー等によって表示される画像内容を制限する技術は開示されておらず、例えば、表示画像が第三者によって見られ、その内容によっては機密情報等の情報漏洩が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、電子ペーパーに表示される画像によって情報漏洩が発生することを抑制する画像表示システム、電子ペーパー用画像情報制御装置及び電子ペーパー用画像情報制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、画像情報に、電子ペーパーでの該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報を付加する情報端末と、第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報を送受信する携帯情報端末と、第1の制限情報と第2の制限情報とを受信し、第1の制限情報と第2の制限情報との照合結果に基づいて画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、画像情報を送信する送信手段を有する電子ペーパー用画像情報制御部と、電子ペーパー用画像情報制御部から受信した画像情報に基づいて電子ペーパーに画像を表示させる電子ペーパー表示制御部と、を有することを特徴とする画像表示システムである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1の制限情報及び第2の制限情報は、それぞれ階層的な構造を有する位置情報であって、送信手段は、位置情報の項目同士がすべて一致した場合に、画像情報を送信することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、第1の制限情報及び第2の制限情報は、画像表示可能な時間に関する表示可能時間情報を備え、送信手段は、現在時刻に関する現在時刻情報が表示可能時間情報内に含まれた場合に、画像情報を送信することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、画像情報に付加された、電子ペーパーでの該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報と、携帯情報端末から送信される、第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報との照合結果に基づいて画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、電気ペーパーに画像情報に基づく画像を表示させるための電子ペーパー表示制御装置に画像情報を送信する送信手段を有することを特徴とする電子ペーパー用画像情報制御装置である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを、画像情報に付加された、電子ペーパーでの該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報と、携帯情報端末から送信される、第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報と、の照合結果に基づいて画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、電気ペーパーに画像情報に基づく画像を表示させるための電子ペーパー表示制御装置に画像情報を送信する送信手段として機能させることを特徴とする電子ペーパー用画像情報制御プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、電子ペーパーに表示される画像によって情報漏洩が発生することを抑制できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電子ペーパーに表示される画像に対し、位置情報によるさらに細かな制限をかけることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電子ペーパーに表示される画像に対し、表示可能時間を含めたさらに細かな制限をかけることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、電子ペーパーに表示される画像によって情報漏洩が発生することを抑制できる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、電子ペーパーに表示される画像によって情報漏洩が発生することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態に係る電子ペーパー用画像情報制御装置(以下、単にアダプターという。)を適用した画像表示システムの構成図である。
【0017】
画像表示システムは、図1に示すように、制限情報付加端末10、携帯電話20、電子ペーパー表示制御装置30、電子ペーパー31及びアダプター40等から構成される。制限情報付加端末10、携帯電話20、電子ペーパー表示制御装置30は、必要に応じて、ケーブルやコード等の有線でアダプター40に接続される。尚、接続形態は、それぞれBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association:赤外線による光無線データ通信)等の無線通信によって接続されるようにしてもよい。RFID機能を利用してもよい。
【0018】
制限情報付加端末10は、本発明の情報端末の一例であって、いわゆるPC(Personal Computer)等の情報端末で構成される。より詳細には、キーボードやマウス等の入力手段、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段、これらを制御するコンピュータ等の制御手段等で構成される。
制限情報付加端末10は、利用者から入力手段を介して操作されて、電子ペーパー31に表示させる画像の元となる画像情報に本発明の第1制限情報としての制限情報を付加する。この制限情報は、電子ペーパー31に表示させる画像を制限するための情報であって、例えば、画像の利用場所に関する利用場所情報、表示可能開始や表示可能終了の時刻情報等を含む。尚、電子ペーパー31に表示させる画像を制限できれば、位置情報等に限定されるものではない。制限情報付加端末10は、ケーブル等を介してアダプター40に利用場所情報が付加された画像情報を送信する。
【0019】
携帯電話20は、本発明の携帯情報端末の一例であって、GPS(global positioning system)機能を備える携帯電話である。携帯電話20は、利用者から操作されて、GPS機能により携帯電話20の第2の制限情報としての位置情報を取得する。また、必要に応じて、現在時刻に関する現在時刻情報を取得して第2の制限情報に含めるようにしてもよい。第2の制限情報は、上述した第1の制限情報と関連性を有していれば位置情報等に限定されない。携帯電話20は、ケーブル等を介してアダプター40に位置情報等を送信する。尚、携帯電話20に代えてPDA(Personal Digital Assistants)等を利用してもよい。また、位置情報の取得先は、携帯電話20の基地局や無線LANサービスを提供するいわゆるホットスポット等であってもよい。
【0020】
電子ペーパー表示制御装置30は、本発明の電子ペーパー表示制御部の一例であって、使用する電子ペーパー31の駆動方式に応じて、公知の表示制御装置を利用することができる。例えば光書き込み型の電子ペーパーである場合には、表示する画像を1次元あるいは2次元の光画像に変換し、電圧を印加した電子ペーパーの光電変換層に対して照射して記録を行う。また、マトリクス電極を電子ペーパー31に配置してドットマトリクス画像を構成する場合には、マトリクス回路の駆動回路と電子ペーパー31のマトリクス電極とを接続し、画像を表示制御する。
【0021】
電子ペーパー31は、例えば、OPC(Organic Photoconductors:有機光導電材料)と、マイクロカプセル化されたコレステリック液晶表示材料を組み合わせた光書き込み型電子ペーパー等で構成される。本実施形態では、軽量であって携帯性に優れる電子ペーパー30を利用することにより、例えば、電子の速報性という特徴と、時間・場所を選ばずに即座に見ることができ、かつ、使い易いという紙ドキュメントの特徴と、の両方の効果を発揮することができて好ましい。尚、無電源で表示内容を保持するものが用いられるのが好ましいが、例えば太陽電池等の電源を備えて当該電源の電力により表示内容を保持するものが用いられてもよい。
【0022】
なお、電子ペーパー31と電子ペーパー表示制御装置30は一体でも、表示媒体部分(電子ペーパー31部分)を可換に構成してもよい。後者の方は、電子ペーパー31が別の電子ペーパー31に置き換わっても、電子ペーパー表示制御装置30が共用となるため安価にシステムを実現できるとともに、表示媒体も軽量化されるため、電子ペーパー31としての利便性が高まる。また、電子ペーパー表示制御装置30と接続していない、表示媒体単体のときには画像が書き換わらないため、第1および第2の制限情報に基づいて表示が許可された画像以外の画像に書換え表示されるリスクが低減できる。
【0023】
アダプター40は、本発明の電子ペーパー用画像情報制御装置、電子ペーパー用画像情報制御部の一例であって、いわゆるコンピュータで構成される。アダプター40は、充電機能を備え、制限情報付加端末10からの利用場所情報付画像情報、携帯電話20からの位置情報等を受信し、これらの情報に応じて画像情報の電子ペーパー表示制御装置30への送信可否を切替える。例えば、利用場所情報と位置情報とが一致した場合には、画像情報を電子ペーパー表示制御装置30送信する。アダプター40の大きさは、携帯性の観点から、例えばパスポートや名刺、社員証程度の大きさが望ましく、また、プラスチック等の樹脂材で構成されることが軽量化の観点から好ましい。このように、アダプター40を電子ペーパー表示制御装置30や電子ペーパー31から分離して別体とすることで、電子ペーパー表示制御装置30等による意図しない画像表示を回避でき、情報漏洩の可能性が低下する。さらに、充電容量を示すランプ等を形成することで、残りのおおよその稼動可能時間を利用者に視認させるようにしてもよい。
【0024】
ここで、上述したアダプター40について図2及び図3を参照してさらに詳しく説明する。
図2はアダプター40のハードウェア構成を示す機能ブロック図、図3はアダプター40の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0025】
アダプター40は、上述したようにコンピュータ、すなわち、図2に示すように、CPU40a等の処理装置、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NVRAM(Non Volatile RAM)等のRAM40b、フラッシュメモリ等のROM(Read Only Memory)40c及び制限情報付加端末10や携帯電話20等の外部機器との入出力を行うI/F(インターフェース)40dがバス40eにより接続されたハードウェア構成により実現される。
【0026】
したがって、CPU40aがROM40c等に格納された所要のプログラムを読み込み、当該プログラムに従った演算を行うことにより、アダプター40内の各機能が実現される。また、制限情報付加端末10や携帯電話20の制御手段、電子ペーパー表示制御装置30についても同様の構成を有する。尚、このようなプログラムとしては後述するフローチャートに応じたプログラムとすることができる。
【0027】
アダプター40は、図3に示すように、第1受信部41、第2受信部42、制限情報判別部43、画像送信部44等から構成される。尚、制限情報判別部43、画像送信部44等から本発明の送信手段が構成される。
【0028】
第1受信部41は、アダプター40と制限情報付加端末10とがケーブル等により接続されたことを検知すると、制限情報付加端末10から送信される利用場所情報付画像情報を受信する。第1受信部41としてUSB(Universal Serial Bus)接続等を利用してもよい。第1受信部41は、受信処理を完了すると、利用場所情報付画像情報を制限情報判別部43に送信する。
【0029】
第2受信部42は、アダプター40と携帯電話20とがケーブル等により接続されたことを検知すると、携帯電話20から送信される位置情報等を受信する。第2受信部42としてUSB接続等を利用してもよい。第2受信部42は、受信処理を完了すると、位置情報等を制限情報判別部43に送信する。
【0030】
制限情報判別部43は、第1受信部41から送信された利用場所情報付画像情報の利用場所情報と、第2受信部42から送信された位置情報とを照合し、その照合結果に基づいて画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たすか否かを判別する。そして、その結果を利用場所情報付画像情報に付加する。例えば、利用場所情報と位置情報とが一致した場合には、上記条件を満たすと判別し、その利用場所情報を備えた画像情報に電子ペーパー表示制御装置30への送信対象となる旨の送信許可情報を付加する。制限情報判別部43は、利用場所情報付画像情報に対する判別処理を終了すると、送信許可の対象となる利用場所情報付画像情報を画像送信部44に送信する。尚、上記条件を満たすか否かについては、利用場所情報と位置情報との一致だけに限られず、例えば、表示時間を制限する条件や表示日時を制限する条件等であってもよい。
【0031】
画像送信部44は、制限情報判別部43から利用場所情報付画像情報を受信すると、利用場所情報の部分を外して画像情報の部分を電子ペーパー表示制御装置30に送信する。尚、第1受信部41、第2受信部42及び画像送信部44をまとめて1つのUSB接続等を利用してもよい。
【0032】
次に、アダプター40の動作について図4及び図5を参照して説明する。
図4はアダプター40の動作の一例を示すフローチャート、図5は利用場所情報付画像情報の一例である。
【0033】
アダプター40は、図4に示すように、まず、制限情報付加端末10がケーブル等を介して接続されるまで待機状態を続け(ステップS1)、制限情報付加端末10が接続された場合には、制限情報付加端末10から利用場所情報付画像情報を受信する(ステップS2)。
【0034】
利用場所情報付画像情報は、図5に示すように、識別情報、画像情報及び利用場所情報等で構成される。例えば、識別情報「0001」であれば、利用場所「北海道」で画像情報「画像A(自然風景)」を利用できることを示している。尚、本実施形態では、利用場所情報を都道府県としているが、国や市区町村等としてもよい。また、識別情報は数字だけに限らずアルファベット等としてもよい。さらに、画像情報の種類は、例えばBMP画像、TIFF画像、JPEG画像等、種々の種類を利用できる。
【0035】
アダプター40は、次いで、携帯電話20が接続されるまで待機状態を続け(ステップS3)、携帯電話20が接続された場合には、携帯電話20からGPS機能を通じて位置情報を受信する(ステップS4)。尚、位置情報は、例えば、都道府県等で構成される。
【0036】
アダプター40は、ここで、上述した利用場所情報付画像情報の利用場所情報と位置情報とが一致するか否かを判定する(ステップS5)。この判定処理は、識別情報ごとに昇順又は降順に行われる。そして、利用場所情報付画像情報の利用場所情報と位置情報とが一致したと判定した場合には、送信対象としての送信許可情報をその利用場所情報付画像情報に付加する(ステップS6)。
【0037】
例えば、携帯電話20から受信した位置情報が「東京」である場合に、まず、識別情報「0001」の利用場所情報「北海道」との判定処理を行う。この場合、位置情報と利用場所情報とが一致しないため、次の識別情報「0002」に移行する。この際、電子ペーパー表示制御装置30への送信を停止する旨の停止情報(例えばフラグ)等をその利用場所情報付画像情報に付加してもよい。次いで、識別情報「0002」の利用場所情報「東京」との判定処理を行う。この場合、位置情報と利用場所情報とが一致するため、送信対象としての送信許可情報(例えば停止情報のフラグと異なるフラグ)をその利用場所情報付画像情報に付加する。後続の識別情報に対する処理についても同様である。
【0038】
アダプター40は、次いで電子ペーパー表示制御装置30が接続されるまで、送信許可情報が付加された利用場所情報付画像情報を保持しつつ、送信待機状態を続け(ステップS7)、電子ペーパー表示制御装置30が接続された場合には、送信許可情報が付加された利用場所情報付画像情報の画像情報部分を送信する(ステップS8)。
【0039】
このように、電子ペーパー31に表示すべき画像が、携帯電話20の位置とアダプター40が保持する画像情報に付加された利用場所とにより制限されて表示される。これにより、電子ペーパー31による画像によって情報漏洩の発生が抑制される。
【0040】
なお、アダプター40と電子ペーパー表示制御装置30とを一体の装置とすることもできるが、これらの制御装置が大型化することで電子ペーパー31としての利便性を損ねる場合があるので、これらは別体の装置とすることが望ましい。
【0041】
電子ペーパー表示制御装置30を共通の出力装置として利用し、複数のアダプター40についてはそれぞれ使用者を制限しておくことで、アダプター40の保有者毎にセキュリティを管理できるとともに、システム全体としては軽量化をはかれ、利便性が向上する。
【0042】
なお、別体の装置とする場合には、近隣に存在する不特定の電子ペーパー表示制御装置30から画像出力がされないように、アダプター40と電子ペーパー表示制御装置30との間で認証を行うことが好ましい。認証方式については、公知の無線方式による照合手法を用いればよい。
【0043】
また、第1の制限情報と第2の制限情報とを同じ情報として、それらの一致をアダプター40における画像情報出力の条件としてもよいが、よりセキュリティを高めるためには、例えば、第1の制限情報と第2の制限情報とをそれぞれキーとして所定の復号方法あるいは演算方法から求められた情報に基づいて画像表示の可否を判定することもできる。
【0044】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。
図6は利用場所情報付画像情報の一例である。
【0045】
本実施形態にかかる利用場所情報付画像情報は、第1実施形態で説明した利用場所情報付画像情報に対し、利用場所情報の部分が階層的な構造となっている点で相違している。すなわち、同図によれば、利用場所情報は、都道府県のみならず、その都道府県に含まれる市区町村まで含まれている。さらに、その市区町村に含まれる町丁を含めるようしてもよい。
【0046】
したがって、本実施形態では、携帯電話20がGPS機能を利用して受信する位置情報は、利用場所情報が有する都道府県及び市区町村等に併せて、都道府県及び及び市区町村等とすればよい。そして、アダプター40は、利用場所情報と位置情報のすべての項目(都道府県や市区町村等)が一致した場合に、電子ペーパー表示制御装置30にその一致した利用場所情報の画像情報部分を送信すればよい。
【0047】
このように、利用場所情報等を階層的な構造とすることで、第1実施形態に比較して、電子ペーパー表示制御装置30に表示すべき画像に対し、さらに細かな制限をかけることが可能となる。
【0048】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。
図7は利用場所情報付画像情報の一例である。
【0049】
本実施形態にかかる利用場所情報付画像情報は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した利用場所情報付画像情報に対し、表示開始時刻情報及び表示終了時刻情報等の時刻情報を備える点で相違する。すなわち、これらの時刻情報は、電子ペーパー31における画像の表示可能開始時刻及び表示可能終了時刻を示している。
【0050】
したがって、本実施形態では、携帯電話20がGPS機能を利用して受信する情報は、位置情報に加え、現在時刻情報も受信する。そして、アダプター40は、利用場所情報と位置情報のすべての項目が一致した場合であって、現在時刻情報が表示開始時刻情報と表示終了時刻情報とで形成される表示可能時間情報内に含まれているときに、電子ペーパー表示制御装置30にその条件を満たした利用場所情報付画像情報の画像情報部分を送信すればよい。
【0051】
このように、利用場所情報等に時刻情報を付加することで、第1実施形態及び第2実施形態に比較して、電子ペーパー31に表示すべき画像に対し、さらに細かな制限をかけることが可能となる。
【0052】
例えば、利用者が携帯電話20、電子ペーパー表示制御装置30、電子ペーパー31及びアダプター40を目的地まで携行し、電子ペーパー表示制御装置30によりアダプター40が保持する画像をその目的地で表示させる場合、携帯電話20によりその目的値の位置情報及び現在時刻情報を受信し、位置情報がアダプター40内の利用場所情報と一致するか否か、及び、現在時刻情報がアダプター40内の表示可能時間情報内に含まれるか否かによって、その目的値での電子ペーパー31による画像表示の可否が決定される。
【0053】
すなわち、電子ペーパー31に表示させる画像に予め利用場所等の制限をかけ、その画像をアダプター40に保持しておくことで、利用者の位置等によって電子ペーパー30による画像の表示に制限がかけられることとなる。これにより、画像の表示可能時間外における表示が回避され、画像内容による情報漏洩が抑制される。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本発明のプログラムを通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0055】
例えば、アダプター40に記憶装置を構成し、一致しなかった利用場所情報付画像情報を保持しておくようにしてもよい。アダプター40を携行したまま、他の目的値で画像を表示させる場合、画像の保持し直しを行う必要がなくなるため利便性が高い。
【0056】
また、制限情報付加端末10において、画像情報を種々のアルゴリズムにより暗号化し、さらに、利用場所情報等を元にしたハッシュ関数によるハッシュ値を算出して画像情報に付加し、アダプター40に保持するようにしてもよい。この場合、アダプター40に暗号化された画像情報を復号する復号機能を形成すればよく、また、携帯電話20から送信される位置情報等を元にしたハッシュ関数によるハッシュ値を算出して、利用場所情報に基づくハッシュ値と比較し、一致する場合に画像情報を送信するようにしてもよい。暗号化のアルゴリズムは、例えば、DES、AES、RSA、MD5、SHA−1、HMAC−MD5、UMAC2/8、楕円曲線暗号方式等を利用できる。
【0057】
さらに、アダプター40に履歴保持機能を形成し、電子ペーパー表示制御装置30に画像情報が送信される度に、送信時刻や送信場所等の履歴に関する履歴情報を保持させるようにしてもよく、これらの履歴情報を制限情報付加端末10に送信して履歴管理をするようにしてもよい。これにより、画像がいつどこで表示されたかについて視認できる。
【0058】
さらに、本実施形態では、制限情報の一致/不一致を文字列で判別したが、予め、文字列に相当する識別番号等を割り当てておき、識別番号同士で判別するようにすることで、判別処理の高速化が図れる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、電子ペーパーにおける画像表示において、画像内容による情報漏洩が抑制されるため、セキュリティ技術としての産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】画像表示システムの構成図である。
【図2】アダプターのハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【図3】アダプターの要部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】アダプターの動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】利用場所情報付画像情報の一例である。
【図6】利用場所情報付画像情報の一例である。
【図7】利用場所情報付画像情報の一例である。
【符号の説明】
【0061】
10 制限情報付加端末
20 携帯電話
30 電子ペーパー表示制御装置
31 電子ペーパー
40 アダプター
40a CPU
40b RAM
40c ROM
40d I/F
40e バス
41 第1受信部
42 第2受信部
43 制限情報判別部
44 画像送信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に、電子ペーパーでの該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報を付加する情報端末と、
前記第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報を送受信する携帯情報端末と、
前記第1の制限情報と第2の制限情報とを受信し、前記第1の制限情報と前記第2の制限情報との照合結果に基づいて前記画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、前記画像情報を送信する送信手段を有する電子ペーパー用画像情報制御部と、
前記電子ペーパー用画像情報制御部から受信した前記画像情報に基づいて前記電子ペーパーに前記画像を表示させる電子ペーパー表示制御部と、
を有することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記第1の制限情報及び第2の制限情報は、それぞれ階層的な構造を有する位置情報であって、
前記送信手段は、前記位置情報の項目同士に関するすべての条件が一致した場合に、前記画像情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記第1の制限情報及び第2の制限情報は、画像表示可能な時間に関する表示可能時間情報を備え、
前記送信手段は、現在時刻に関する現在時刻情報が前記表示可能時間情報内に含まれた場合に、前記画像情報を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
画像情報に付加された、電子ペーパーでの該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報と、携帯情報端末から送信される、前記第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報との照合結果に基づいて前記画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、前記電気ペーパーに前記画像情報に基づく画像を表示させるための電子ペーパー表示制御装置に画像情報を送信する送信手段
を有することを特徴とする電子ペーパー用画像情報制御装置。
【請求項5】
コンピュータを、
画像情報に付加された、電子ペーパーでの該画像情報に基づく画像の表示を制限するための第1の制限情報と、携帯情報端末から送信される、前記第1の制限情報に関連性を有する第2の制限情報との照合結果に基づいて前記画像情報に基づく画像の表示が許可される条件を満たした場合に、前記電気ペーパーに前記画像情報に基づく画像を表示させるための電子ペーパー表示制御装置に画像情報を送信する送信手段として機能させることを特徴とする電子ペーパー用画像情報制御プログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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