説明

画像表示制御装置およびプログラム

【課題】ユーザが、見逃したスクロールテロップまたは再度見たいスクロールテロップを直ちに見ることができ、興味のないスクロールテロップを直ちに進行方向に移動させることができる画像表示制御装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】文字が描画された横長の画像を表示枠にテロップとして表示し、当該画像の移動操作をユーザから受け付けていないときは、スクロールテロップとして当該画像を表示枠内で一定時間毎に一定量ずつ横方向に移動させるようにする一方、当該画像の移動操作をユーザから受け付けたときは、移動操作に従って当該画像を移動させるようにして、ユーザが、見逃したスクロールテロップまたは再度見たいスクロールテロップを直ちに見ることができ、興味のないスクロールテロップを直ちに進行方向に移動させることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示制御装置およびプログラムに関し、特に、テロップをスクロール表示する装置およびプログラムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
情報化社会である今日、情報の送り手は日々多くの情報を供給し、情報の受け手は日々多くの情報を取得している。情報伝達手段は、多種多様存在するが、文字をスクロールさせて表示する態様のテロップ(以下、「スクロールテロップ」という)もその一つとして数えられる。スクロールテロップは、新幹線の車両内に設置された表示装置のように専用の表示装置のほか、アプリケーションソフトウェアのGUI(Graphical User Interface)などの表示を主たる目的とする汎用の表示装置(例えば、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ)にも表示される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、パーソナルコンピュータを使用しているユーザが、スクロールテロップが表示される表示枠をふと見た瞬間、興味のある内容に関するスクロールテロップの後段部分が流れているという場面に遭遇することも少なくない。このような場面に遭遇したユーザは、一歩手前で見逃してしまった当該内容に関するスクロールテロップの前段部分をどうしても見たいときには、当該内容に関するスクロールテロップが再度流れてくるか否か、すぐに流れてくるか否かが分からないにもかかわらず、再度流れてくるまで待たなければならないという問題がある。
【0004】
また、ユーザは、一度見たある内容に関するスクロールテロップを再度見たい場合にも、当該内容に関するスクロールテロップが再度流れてくるか否か、すぐに流れてくるか否かが分からないにもかかわらず、再度流れてくるまで待たなければならないという問題がある。
【0005】
さらに、ユーザは、興味のある内容に関するスクロールテロップが流れてくるのを待つ間に興味のない内容に関するスクロールテロップが流れている場合は、当該興味のない内容に関するスクロールテロップが表示枠内を流れ過ぎるのを待たなければならないという問題がある。
【特許文献1】特開平10−021029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものである。すなわち、ユーザが見逃したスクロールテロップまたは再度見たいスクロールテロップを直ちに見たいと感じたときであっても、当該スクロールテロップが表示枠内に再度流れてくるまで待たなければならないという問題、および、あるスクロールテロップが流れてくるのを待つ間に、興味のないスクロールテロップが表示枠内を流れているときは、興味のないスクロールテロップが表示枠内を流れ過ぎるのを待たなければならないという問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明では、文字が描画された横長の画像を表示枠に一定速度で移動させながら表示し、当該画像の移動操作をユーザから受け付けたときは、一定速度で移動させながら表示することに代えて、移動操作に従って当該画像を移動させるようにしている。
【発明の効果】
【0008】
これにより、ユーザは、スクロールテロップをスクロールの進行方向と逆の方向に移動させることができる。したがって、ユーザは、見逃したスクロールテロップまたは再度見たいスクロールテロップが表示枠内に再度流れてくるまで待つことなく、スクロールテロップをスクロールの進行方向と逆の方向に移動させることにより、見逃したスクロールテロップまたは再度見たいスクロールテロップを表示枠内に表示させることにより、直ちに見ることができる。
【0009】
また、ユーザは、スクロールテロップをスクロールの進行方向に移動させることができる。したがって、ユーザは、あるスクロールテロップが流れてくるのを待つ間に、興味のないスクロールテロップが表示枠内を流れているときは、興味のないスクロールテロップが表示枠内に流れ過ぎるのを待つことなく、スクロールテロップを進行方向に移動させることにより、興味のないスクロールテロップを進行方向の表示枠外に直ちに移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の画像表示制御装置を適用したノート型のパーソナルコンピュータ10を示す図である。パーソナルコンピュータ10は、本実施形態の画像表示制御装置を適用した装置の一例であって、図1に示すように、表示画面300を表示する表示部190を備える。パーソナルコンピュータ10は、文字が描画された横長の画像であってスクロールテロップとして機能する画像(本発明の画像に相当する。以下、「スクロールテロップ画像」という。)を表示する表示枠400を表示画面300上に表示する。パーソナルコンピュータ10は、スクロールテロップ画像500を表示枠400内で左方向(両矢印のF方向)に一定速度でスクロールさせながら表示する。
【0011】
スクロールテロップ画像500は、1つの事柄(1つの報知すべき事項)に関する文字が描画された横長の画像(以下、「単画像」という。)の組み合わせから構成されている。例えば、図1に示すスクロールテロップ画像500は、3つの単画像(文字「あいう・・・」が描画された単画像501、文字「アイウ・・・」が描画された単画像502および文字「123・・・」が描画された単画像503)から構成されている。換言すれば、図1に示すスクロールテロップ画像500は、3つの事柄に関する文字が描画された画像であって、単画像501、単画像502および単画像503が横方向に結合した画像である。パーソナルコンピュータ10は、図1に示すように、スクロールテロップ画像500の全体が表示枠400内に収容できないときは、スクロールテロップ画像500の一部「あいう・・・スセソ」を表示枠400内に表示する。なお、スクロールテロップ画像500は、単画像1つから構成されてもよい。
【0012】
図2は、図1に示すパーソナルコンピュータ10の機能構成例を示す図である。図3は、単画像501〜503およびスクロールテロップ画像500の一例を示す図である。図4から図6は、スクロールテロップ画像500の表示位置を説明する図である。パーソナルコンピュータ10は、図2に示すように、単画像取得部100、単画像格納部110、単画像取出部120、結合部130、スクロールテロップ画像格納部140、操作受付部150、位置決定タイマ部160、位置決定部170、表示制御部180および表示部190を備えて構成される。
【0013】
単画像取得部100は、非図示のネットワークを介して、単画像を取得する。単画像の画像形式(image format)は、例えば、BMP(Bit MaP)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、PMG(Portable Network Graphics)などである。単画像は、描画されている文字の大きさ、文字数に応じて横方向の長さが異なる。
【0014】
単画像格納部110は、単画像取得部100によって取得された単画像を格納する。単画像取出部120は、単画像格納部110に格納された単画像を取り出す。単画像取出部120は、例えば、一の単画像が単画像格納部110に格納されたときに、当該一の単画像を取り出す。単画像取出部120は、取り出した単画像を結合部130に供給する。
【0015】
結合部130は、単画像取出部120により取り出された複数の単画像を結合しスクロールテロップ画像500を生成する。結合部130は、生成したスクロールテロップ画像500をスクロールテロップ画像格納部140に格納する。具体的には、結合部130は、単画像取出部120から図3(a)に示す単画像503を取得した場合、前々回取得した単画像501と前回取得した単画像502とを結合した図2(b)に示すスクロールテロップ画像500をスクロールテロップ画像格納部140から読み出し、読み出したスクロールテロップ画像500の末尾に今回取得した単画像503を結合(付加)することによって、図2(c)に示す新たなスクロールテロップ画像500を生成する。結合部130は、図2(b)に示すスクロールテロップ画像500に代えて、生成した図2(c)に示す新たなスクロールテロップ画像500をスクロールテロップ画像格納部140に格納する。なお、結合部130は、単画像取出部120から1つの単画像を取得したときに、スクロールテロップ画像格納部140にスクロールテロップ画像500が格納さていない場合には、当該単画像をスクロールテロップ画像500としてスクロールテロップ画像格納部140に格納する。
【0016】
操作受付部150は、後述する表示制御部180により表示枠400内に表示されたスクロールテロップ画像500に対するユーザからの操作を受け付ける。具体的には、操作受付部150は、スクロールテロップ画像500を掴む操作(以下、「掴み操作」という)、スクロールテロップ画像500を掴んだまま移動させる操作(いわゆるドラッグである。以下、「移動操作」という)、および、掴んでいるスクロールテロップ画像500を離す操作(いわゆるドロップである。以下、「離し操作」という)をユーザから受け付ける。
【0017】
操作受付部150は、スクロールテロップ画像500に対する掴み操作および離し操作を受け付けた場合には、各操作を受け付けた旨を後述する位置決定タイマ部160に通知する。また、操作受付部150は、スクロールテロップ画像500に対する移動操作を受け付けた場合には、移動操作により特定される情報(以下、「移動情報」という。例えば、スクロールテロップ画像500が横方向の左右何れの方向に移動したかを示す情報および横方向の移動量からなる)を後述する位置決定部170に供給する。
【0018】
例えば、スクロールテロップ画像500が表示枠400内において図4(a)に示す表示位置に表示されている場合に、操作受付部150は、スクロールテロップ画像500の文字「イ」の部分がマウスポインタ600により掴まれ、図4(a)に示す表示位置からX画素分左方向(両矢印のF方向)である図4(b)に示す表示位置にまで掴まれたまま移動させる移動操作を受け付けたときは、スクロールテロップ画像500の移動情報として移動方向「左」および移動量「X画素」を後述する位置決定部170に供給する。
【0019】
なお、操作受付部150は、掴み操作、離し操作および移動操作に加えて、他の操作(例えば、パーソナルコンピュータ10の動作を終了させる操作)を受け付ける。
【0020】
位置決定タイマ部160は、掴み操作および離し操作を受け付けた旨を操作受付部150から受け付けることにより、表示枠400に表示されているスクロールテロップ画像500が掴まれているか否かを判断する(掴み操作を受け付けてから離し操作を受け付けるまでは、スクロールテロップ画像500が掴まれていると判断する)。
【0021】
そして、位置決定タイマ部160は、スクロールテロップ画像500が掴まれていないと判断したときは、時間を計測し、所定の時間(スクロールテロップ画像500を表示枠400内で1画素分左方向に移動させる時間であって、例えば、スクロールテロップ画像500を1秒間に128画素分左方向に移動させる場合には、所定の時間は1/128秒である)が経過する毎に、所定の時間が経過した旨を後述する位置決定部170に通知する。一方、位置決定タイマ部160は、スクロールテロップ画像500が掴まれていると判断したときは、時間の計測を一旦中断する。
【0022】
位置決定部170は、スクロールテロップ画像500の横方向の一の位置であって表示枠400内に表示するスクロールテロップ画像500の横方向の先頭位置を規定する位置(以下、「画像基準位置」という)を決定する。
【0023】
具体的には、位置決定部170は、スクロールテロップ画像500が掴まれていないときは、スクロールテロップ画像500の画像基準位置を一定時間毎に一定量ずつ右方向に移動させて決定する。より詳しくは、上述の通り、位置決定タイマ部160は、スクロールテロップ画像500が掴まれていないと判断したときは、所定の時間が経過する毎に、所定の時間が経過した旨を位置決定部170に通知する。そして、位置決定部170は、所定の時間が経過した旨を位置決定タイマ部160から取得する度に、スクロールテロップ画像500の画像基準位置を右方向に一定量ずつ移動させて決定する。
【0024】
例えば、スクロールテロップ画像500の画像基準位置が、図5(c)に示す画像基準位置「G1」である場合に、位置決定部170は、所定の時間が経過した旨を位置決定タイマ部160から取得したときは、画像基準位置を図5(c)に示す画像基準位置「G1」から1画素分右方向(両矢印のf方向)移動させた図5(d)に示す画像基準位置「G3」に決定する。
【0025】
一方、位置決定部170は、スクロールテロップ画像500が掴まれているときは、スクロールテロップ画像500の画像基準位置を一定時間毎に一定量ずつ移動させて決定しない。より詳しくは、位置決定タイマ部160は、スクロールテロップ画像500が掴まれていると判断したときは、所定の時間が経過した旨を位置決定部170に通知しない。これにより、位置決定部170は、スクロールテロップ画像500が掴まれているときは、スクロールテロップ画像500の画像基準位置を一定時間毎に一定量ずつ移動させて決定しない。
【0026】
位置決定部170は、スクロールテロップ画像500が掴まれているときは、一定時間毎に一定量ずつ移動させてスクロールテロップ画像500の画像基準位置を決定することに代えて、操作受付部150から取得するスクロールテロップ画像500の移動情報に従って上記画像の画像基準位置を決定する。より詳しくは、位置決定部170は、スクロールテロップ画像500の移動情報を操作受付部150から取得する度に、移動情報により示される移動方向と逆方向に、移動情報により示される移動量だけ移動させて画像基準位置を決定する。
【0027】
例えば、スクロールテロップ画像500の画像基準位置が、図4(c)に示す画像基準位置「G1」である場合に、位置決定部170は、スクロールテロップ画像500の移動情報として移動方向「左」および移動量「X画素」を操作受付部150から取得したときは、画像基準位置を図4(c)に示す画像基準位置「G1」からX画素分右方向(両矢印のf方向)移動させた図4(d)に示す画像基準位置「G2」に決定する。
【0028】
同様に、クロールテロップ画像500の画像基準位置が仮に、図6(c)に示す画像基準位置「G4」である場合に、位置決定部170は、スクロールテロップ画像500の移動情報として移動方向「右」および移動量「Y画素」を操作受付部150から取得したときは、画像基準位置を図6(c)に示す画像基準位置「G4」からY画素分左方向(両矢印のb方向)移動させた図6(d)に示す画像基準位置「G5」に決定する。なお、位置決定部170は決定した画像基準位置を表示制御部180に供給する。
【0029】
表示制御部180は、表示枠400を表示画面300上に表示する。また、表示制御部180は、スクロールテロップ画像500を表示枠400内に表示させる。具体的には、表示制御部180は、表示枠400の横方向の所定の位置であって表示枠400内におけるスクロールテロップ画像500の横方向の表示位置を規定する位置(例えば、表示枠400の左端である。以下、「表示枠基準位置」という)と位置決定部170により決定されたスクロールテロップ画像500の画像基準位置とが合うように表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて表示させる。
【0030】
例えば、表示枠400の表示枠基準位置が左端であって、位置決定部170により決定されたスクロールテロップ画像500の画像基準位置が図4(c)および図5(c)に示す画像基準位置「G1」である場合、表示制御部180は、図4(a)および図5(a)に示すように、表示枠400の左端である表示枠基準位置とスクロールテロップ画像500の画像基準位置「G1」とが合うように、表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて表示させる。
【0031】
同様に、表示枠400の表示枠基準位置が左端であって、位置決定部170により決定されたスクロールテロップ画像500の画像基準位置が図4(d)に示す画像基準位置「G2」である場合、表示制御部180は、図4(b)に示すように、表示枠基準位置と画像基準位置「G2」が合うように、表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて表示させる。従って、スクロールテロップ画像500を図4(a)に示す表示位置からX画素分左方向(両矢印のF方向)である図4(b)に示す表示位置にまで掴んだまま移動させる移動操作を操作受付部150にて受け付けたときは、表示制御部180は、図4(a)に示す表示位置からX画素分左方向(両矢印のF方向)である図4(b)に示す表示位置にスクロールテロップ画像500を移動して表示させることになる。
【0032】
同様に、表示枠400の表示枠基準位置が左端であって、位置決定部170により決定されたスクロールテロップ画像500の画像基準位置が図5(d)に示す画像基準位置「G3」である場合、表示制御部180は、図5(b)に示すように、表示枠基準位置と画像基準位置「G3」が合うように、表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて表示させる。従って、スクロールテロップ画像500が掴まれていない場合に、所定の時間が経過したと位置決定タイマ部160にて判断したときは、表示制御部180は、図5(a)に示す表示位置から1画素分左方向(両矢印のF方向)である図5(b)に示す表示位置にスクロールテロップ画像500を移動して表示させることになる。
【0033】
同様に、表示枠400の表示枠基準位置が左端であって、位置決定部170により決定されたスクロールテロップ画像500の画像基準位置が図6(c)および(d)に示す画像基準位置「G4」および画像基準位置「G5」である場合、表示制御部180は、それぞれ図6(a)および図6(b)に示すように表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて表示させる。従って、スクロールテロップ画像500を図6(a)に示す表示位置からY画素分右方向(両矢印のB方向)である図6(b)に示す表示位置にまで掴んだまま移動させる移動操作を操作受付部150にて受け付けたときは、表示制御部180は、図6(a)に示す表示位置からY画素分右方向(両矢印のF方向)である図6(b)に示す表示位置にスクロールテロップ画像500を移動して表示させることになる。
【0034】
なお、表示制御部180は、図4(a)等に示すように、表示枠400の長さよりも長いスクロールテロップ画像500を表示する場合、スクロールテロップ画像500の全体から画像基準位置を始点とし表示枠400の横方向の長さ分の画像を切り出して、表示枠400に割り付けて表示させる。
【0035】
以下、上記のように構成したパーソナルコンピュータ10の動作について説明する。図7は、図1に示すパーソナルコンピュータ10の動作の一例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、パーソナルコンピュータ10が起動したときに開始する。なお、本フローチャートの開始時において、位置決定タイマ部160は、時間を計測しているものとする。
【0036】
図7において、操作受付部150は、掴み操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS10)。掴み操作を受け付けたと操作受付部150にて判断した場合には(ステップS10:Yes)、操作受付部150は、掴み操作を受け付けた旨を位置決定タイマ部160に通知する。通知を受けた位置決定タイマ部160は、時間の計測を中断する(ステップS12)。
【0037】
ステップS12に続いて、操作受付部150は、移動操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS14)。移動操作を受け付けたと操作受付部150にて判断した場合(ステップS14:Yes)、操作受付部150は、移動情報(移動方向および移動量)を位置決定部170に供給する。移動情報を取得した位置決定部170は、移動情報に従って画像基準位置を決定する(ステップS16)。位置決定部170は、決定した画像基準位置を表示制御部180に供給する。そして、表示制御部180は、表示枠基準位置と画像基準位置とが合うように、表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて、表示部190に表示させる(ステップS18)。
【0038】
一方、移動操作を受け付けていないと操作受付部150にて判断した場合(ステップS14:No)、ステップS16、S18を飛ばしてステップS20を実行する。ステップS18またはステップS14(No)に続いて、操作受付部150は、離し操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS20)。
【0039】
離し操作を受け付けたと操作受付部150にて判断した場合には(ステップS20:Yes)、操作受付部150は、離し操作を受け付けた旨を位置決定タイマ部160に通知する。通知を受けた位置決定タイマ部160は、時間の計測を再開する(ステップS22)。
【0040】
一方、離し操作を受け付けていないと操作受付部150にて判断した場合には(ステップS20:No)、ステップS14に戻る。すなわち、離し操作を受け付けたと操作受付部150にて判断するまでステップS14からステップS18を繰り返す。なお、掴み操作を受け付けていないと操作受付部150にて判断した場合には(ステップS10:No)、ステップS12からステップS22を飛ばしてステップS24を実行する。
【0041】
ステップS10(No)またはステップS22に続いて、位置決定タイマ部160は、計測した時間が所定の時間を経過したか否かを判断する(ステップS24)。
【0042】
計測した時間が所定の時間を経過したと位置決定タイマ部160にて判断した場合には(ステップS24:Yes)、位置決定タイマ部160は、所定の時間が経過した旨を位置決定部170に通知する。通知を受けた位置決定部170は、スクロールテロップ画像500を1画素分左方向に移動させて表示するべく、画像基準位置を一画素分右方向に移動させた位置に決定する(ステップS26)。位置決定部170は、決定した画像基準位置を表示制御部180に供給する。そして、表示制御部180は、表示枠基準位置と画像基準位置とが合うように、表示枠400にスクロールテロップ画像500を割り付けて、表示部190に表示させる(ステップS28)。
【0043】
一方、計測した時間が所定の時間を経過していないと位置決定タイマ部160にて判断した場合には(ステップS24:No)、ステップS10に戻る。すなわち、計測した時間が所定の時間を経過したと位置決定タイマ部160にて判断するまで、ステップS10からステップS22を繰り返す。
【0044】
ステップS28で表示制御部180がスクロールテロップ画像500を表示枠400に割り付けて表示部190に表示させた後、操作受付部150は、パーソナルコンピュータ10の動作を終了する操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS30)。パーソナルコンピュータ10の動作を終了する操作を受け付けたと操作受付部150にて判断した場合には(ステップS30:Yes)、本フローチャートは終了する。
【0045】
一方、パーソナルコンピュータ10の動作を終了する操作を受け付けていないと操作受付部150にて判断した場合には(ステップS30:No)、ステップS10に戻る。すなわち、パーソナルコンピュータ10の動作を終了する操作を受け付けたと操作受付部150にて判断するまで、ステップS10からステップS28を繰り返す。
【0046】
以上、図7に示すフローチャートによれば、表示制御部180は、スクロールテロップ画像500が掴まれていない間は(ステップS10:No)、所定の時間の経過毎に(ステップS24:Yes)、スクロールテロップ画像500を表示枠400内で一画素ずつスクロールさせて表示させる(ステップS26、ステップS28)。
【0047】
一方、表示制御部180は、スクロールテロップ画像500が掴まれたまま移動された場合は(ステップS14:Yes)、スクロールテロップ画像500を表示枠400内で一画素ずつスクロールさせて表示させることに代えて、移動情報(移動方向および移動量)に従ってスクロールテロップ画像500を表示枠400内に表示させる(ステップS16、ステップS18)。なお、表示制御部180は、スクロールテロップ画像500が掴まれたままで移動されていない間は(ステップS10:Yes、ステップS14:No、ステップS20:No)、スクロールテロップ画像500を表示枠400内に停止させて表示させる。
【0048】
以上、本実施形態によれば、ユーザは、スクロールテロップ画像500をスクロールの進行方向と逆の方向に移動させることができるので、見逃したスクロールテロップ画像500のある部分(スクロールテロップ画像500として結合されたある単画像または単画像の一部)または再度見たいスクロールテロップ画像500のある部分が表示枠400内に再度流れてくるまで待つことなく、スクロールテロップ画像500をスクロールの進行方向と逆の方向に移動させることにより、当該部分を表示枠内に表示させることにより、直ちに見ることができる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、ユーザは、スクロールテロップ画像500をスクロールの進行方向に移動させることができるので、スクロールテロップ画像500の興味のない部分をスクロールの進行方向の表示枠400外に直ちに移動させることができる。また、本実施形態によれば、ユーザは、スクロールテロップ画像500を停止させることができるので、スクロールテロップ画像500の興味のある部分を表示枠400内に停止させて表示させることにより、じっくりと見ることができる。
【0050】
なお、単画像に、画像領域の全部または一部が押下された場合に他のリソース(画像、Webページ)へのジャンプする命令が埋め込まれていてもよい。本実施形態によれば、単画像に上記命令が埋め込まれている場合、ユーザは、スクロールテロップ画像500をスクロールの進行方向または進行方向と逆の方向に移動させて表示することができるので、上記命令が埋め込まれた部分を直ちに表示させて上記命令を直ちに実行させることができる。
【0051】
また、単画像に、メタデータとして生成日時の設定がなされていてもよい。単画像に生成日時の設定がなされている場合、結合部130は、単画像取出部120により取り出された複数の単画像を生成日時の昇順(または降順)に結合したスクロールテロップ画像500を生成してもよい。これにより、ユーザは、スクロールテロップ画像500の所望の部分がスクロールの進行方向にあるか進行方向と逆の方向にあるかをある程度推測してスクロールテロップ画像500を移動させることができる。
【0052】
また、単画像に、生成日時に代えてまたは加えて有効期限の設定がなされていてもよい。単画像に有効期限の設定がなされている場合、結合部130は、有効期限内の単画像のみを結合したスクロールテロップ画像500を生成してもよい。これにより、スクロールテロップ画像500が無用に長くなるのを防止できるので、ユーザは、スクロールテロップ画像500をある程度移動させれば、所望の部分を直ちに見ることができる。
【0053】
また、結合部130は、単画像取出部120により取り出された複数の単画像を結合したスクロールテロップ画像500に加えて、単画像取出部120により取り出された単画像に、文字が描画されていない横長の画像(以下、ダミー画像)を結合したスクロールテロップ画像500を生成してもよい。例えば、結合部130は、生成したスクロールテロップ画像500の長さが表示枠400の長さよりも短い場合に、当該スクロールテロップ画像500にダミー画像をさらに結合した新たなスクロールテロップ画像500を生成してもよい。これにより、ユーザは、表示枠400の長さよりも短いスクロールテロップ画像500を表示することがなくなるので、表示枠400内のどの位置であってもスクロールテロップ画像500を掴むことができる。なお、ダミー画像は、結合部130が保持していてもよいし、単画像格納部110に格納され、単画像取出部120によって取り出されて結合部130に供給されてもよい。
【0054】
また、位置決定部170は、あるスクロールテロップ画像500の画像基準位置を決定するときに、当該画像基準位置が当該スクロールテロップ画像500の一端に達したときは、当該スクロールテロップ画像500の一端と当該スクロールテロップ画像500の他端とが仮想的に連結しているものとして、当該スクロールテロップ画像500の画像基準位置を決定することが好ましい。具体的には、操作受付部150は、あるスクロールテロップ画像500を当該スクロールテロップ画像500の移動前の一端の位置を超えて移動させる移動操作を受け付けたときは、当該スクロールテロップ画像500の一端と当該スクロールテロップ画像500の他端とが仮想的に連結しているものとして、当該スクロールテロップ画像500の画像基準位置を決定する。これにより、表示制御部180は、仮想的に無限に連結したスクロールテロップ画像500を表示枠400に表示させることができる。
【0055】
また、操作受付部150は、スクロールテロップ画像500の画像基準位置の指定として、掴み操作および移動操作を受け付けたが、画像基準位置の指定はこれに限定されない。操作受付部150は、例えば、画像基準位置の指定として、スクロールテロップ画像500の移動方向および移動量に対応付けたボタンの押下する操作を受け付けてもよい。
【0056】
また、本実施形態において、スクロールテロップ画像500は、掴まれていないときに、表示枠400内で左方向に移動してスクロール表示されるが、右方向に移動してスクロールしながら表示されてもよい。また、本実施形態において、表示枠基準位置は表示枠400の左端であったが、表示枠400の右端であってもよいし、端部でなくてもよい。
【0057】
また、本実施形態の画像表示制御装置の適用例であるパーソナルコンピュータ10は、図1に示すように、表示部190を備えたノート型のパーソナルコンピュータであるが、本実施形態の画像表示制御装置の他の適用例は、表示部を備えたスマートフォン(smart phone)、別体である表示部と接続するディスクトップ形のパーソナルコンピュータなどである。
【0058】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施形態の画像表示制御装置を適用したノート型のパーソナルコンピュータを示す図である。
【図2】図1に示すパーソナルコンピュータの機能構成例を示す図である。
【図3】単画像およびスクロールテロップ画像の一例を示す図である。
【図4】スクロールテロップ画像の表示位置を説明する図である。
【図5】スクロールテロップ画像の表示位置を説明する図である。
【図6】スクロールテロップ画像の表示位置を説明する図である。
【図7】図1に示すパーソナルコンピュータの動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 パーソナルコンピュータ
150 操作受付部
170 位置決定部
180 表示制御部
400 表示枠
500 スクロールテロップ画像
501 単画像
502 単画像
503 単画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字が描画された横長の画像を割り付けて表示する横長の表示枠を表示画面に表示し、上記表示枠に割り付けられた上記画像を上記表示枠内にて一定速度で横方向に移動させながら上記画像をユーザに表示する画像表示制御装置であって、
上記表示枠内に表示された上記画像に対するユーザからの操作であって上記画像を掴んだまま移動させる移動操作を受け付ける操作受付部と、
上記画像の横方向の一の位置であって上記表示枠内に表示する上記画像の横方向の先頭の位置を規定する画像基準位置を一定時間毎に一定量ずつ移動させて決定する位置決定部と、
上記表示枠の横方向の所定の位置であって上記表示枠内における上記画像の横方向の表示開始位置を規定する表示枠基準位置と上記位置決定部により決定された上記画像の上記画像基準位置とが合うように上記表示枠に上記画像を割り付けて表示させる表示制御部とを備え、
上記位置決定部は、上記操作受付部が上記表示制御部により上記表示枠内に表示させられた上記画像に対する上記移動操作を受け付けたときは、一定時間毎に一定量ずつ移動させて上記画像の上記画像基準位置を決定することに代えて、上記移動操作に従って上記画像の上記画像基準位置を決定することを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項2】
文字が描画された横長の画像を割り付けて表示する横長の表示枠を表示画面に表示し、上記表示枠に割り付けられた上記画像を上記表示枠内にて一定速度で横方向に移動させながら上記画像をユーザに表示する画像表示制御装置を制御するプログラムであって、上記画像表示制御装置に、
上記画像の横方向の一の位置であって上記表示枠内に表示する上記画像の横方向の先頭の位置を規定する画像基準位置を一定量移動させて決定する第1の位置決定手順、
上記表示枠内に表示された上記画像に対するユーザからの操作であって上記画像を掴んだまま移動させる移動操作を受け付けたか否かを判定する操作受付手順、
上記操作受付手順で上記移動操作を受け付けたと判定したときに、上記第1の位置決定手順に代わり、上記移動操作に従って上記画像の上記画像基準位置を決定する第2の位置決定手順、および、
上記表示枠の横方向の所定の位置であって上記表示枠内における上記画像の横方向の表示開始位置を規定する表示枠基準位置と上記第1の位置決定手順または上記第2の位置決定手順の何れかにより決定された上記画像の上記画像基準位置とが合うように上記表示枠に上記画像を割り付けて表示させる表示制御手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−32059(P2009−32059A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195976(P2007−195976)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(399104844)住商情報システム株式会社 (7)
【Fターム(参考)】