説明

画像表示装置、およびその制御方法

【課題】画像表示装置使用時に、設定情報が他の使用者によって変更されるのを防止する。
【解決手段】画像表示装置において、起動時に本体操作部23またはリモコン25のどちらの操作で起動したかの電源オン操作信号の種別をモード情報としてモード1またはモード2に設定する(ステップS102)。電源オフ時に制御部は、モード情報がモード1に設定されているか調べ(ステップS112)、モード情報がモード1に設定されていた場合(ステップS112:Y)、画像信号処理部に設定されている設定内容を設定情報21bに保存する(ステップS113)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力される画像情報に応じた画像を表示する画像表示装置と、画像表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する画像表示装置(例えば、プロジェクター)は、一般に、映像および音声等の設定情報を不揮発性記憶装置に保存し、次回起動したときに最後に使用していた設定の状態で使えるような構成を有している。画像表示装置によっては設定項目を多く持つため、他の使用者に設定を変更されてしまった場合、元の設定に戻すのに手間がかかることがあった。
【0003】
このような画像表示装置において、使用権限のないユーザーによる不正使用を防止するため、所定の認証操作が行われた場合にのみ使用可能となるプロジェクター(投写装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなプロジェクターを使用するためには、装置本体に備わる操作部(操作パネル)や、装置本体を遠隔操作するためのリモートコントローラー(リモコン)に対して所定のシーケンスの操作(例えば、暗証番号の入力操作)を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−338604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように所定の認証操作が行われた場合にのみ、画像表示装置を使用可能とすることで、設定項目が変更されるのを防ぐことができる。しかし、設定項目を変更せずに画像表示装置を使いたいというユーザーが使用する場合にも所定の認証操作が必要になるので、画像表示装置の使用手順が非常に煩わしくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は、入力する画像情報に応じた画像を表示部に表示する画像表示装置であって、操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、操作入力に対応する遠隔操作信号を当該画像表示装置の外部から受け付けて、これに対応する操作信号を出力する遠隔操作信号受信部と、前記操作信号に対応した当該画像表示装置の制御動作を実行する制御部と、前記操作信号に対応した当該画像表示装置の各種設定を行う設定部と、前記設定部による設定情報を記憶する不揮発性の記憶部と、を備え、前記記憶部は、電源オフ時に前記設定部の設定情報を前記記憶部に更新格納する第1のモードと、電源オフ時に前記設定部の設定情報を保存しない第2のモードのいずれかを設定するモード情報を有し、前記設定部は、当該画像表示装置の起動時に前記記憶部に格納された設定情報に基づき、各種設定を行い、前記制御部は、当該画像表示装置が起動時に前記操作部の電源オン操作信号または前記操作信号受信部の電源オン操作信号のうちどちらを受信したかにより、前記モード情報に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定させることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、画像表示装置使用開始時に、操作部または操作信号受信部のどちらの電源オン操作信号を受信したかによって、設定部情報を更新保存するかを設定することができる。これにより、例えば、リモコンによってオンしたときにのみ電源オフ時に設定情報を保存する設定にしておくことにより、本体操作部によってオンし、使用しても設定情報が保存されないので、通常はリモコンによって起動し、他者によって設定情報が変更保存されるのを望まない場合は本体操作部の操作キーにより操作してもらうことにより、設定情報を保護することが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例1に記載の画像表示装置において、前記制御部は、当該画像表示装置が起動時に、前記モード情報に前記第2のモードが設定された場合に、前記表示部に、前記設定部による設定情報が更新記憶されない旨の確認メッセージを表示させることを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、画像表示装置を起動したときに、設定情報が保存されないモードになっており、設定が保護されることを予めユーザーに認知させることができる。これにより、ユーザーが使用終了後に設定内容を使用前の状態に戻す操作をする必要がないことを知ることが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例1に記載の画像表示装置において、前記モード情報に前記第2のモードが設定されている場合において、前記制御部は、前記操作部または前記操作信号受信部のいずれかによる電源オフ操作信号を受信したときに、前記表示部に前記設定部による設定情報が更新記憶されない旨の確認メッセージを表示させることを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、画像表示装置をオフする際に、設定情報が保存されないモードになっており、設定が保護されることをユーザーに認知させることができる。これにより、ユーザーが使用終了後に設定内容を使用前の状態に戻す操作をする必要がないことを知ることが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例1に記載の画像表示装置において、前記制御部は前記操作部または前記操作信号受信部のいずれかによる電源オフ操作信号を受信したときに、前記設定部による設定情報を更新記憶するかどうかの選択メッセージを前記表示部に表示させ、更新記憶を選択する操作信号を受信した場合に、前記設定部により前記設定情報を前記記憶部に記憶した後、電源オフ処理を行うことを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、画像表示装置をオフする際に、設定情報を更新記憶するかどうかを使用者に選択させることができる。これによって、当該画像表示装置の設定情報を使用する前の状態に戻したい場合は設定情報を保存しないようにし、現在の設定のまま次回も使いたい場合は設定情報を保存するように使用者の用途によって選択することが可能となる。
【0015】
[適用例5]上記適用例1から3のいずれかに記載の画像表示装置において、外部の情報処理装置からの外部制御信号に基づいて当該画像表示装置の制御を行うための通信部をさらに備え、前記制御部は、当該画像表示装置が前記操作部の電源オン操作信号、前記操作信号受信部の電源オン操作信号、および前記外部情報処理装置からの電源オン操作信号のうちいずれかを受信したかにより、前記モード情報に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定させることを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、画像表示装置使用時に、操作部、操作信号受信部、外部制御信号のいずれかの電源オン操作信号を受信したかによって、設定部情報を更新保存するかを選択することができる。これにより、例えば、リモコンによってオンしたときにのみ電源オフ時に設定情報を保存する設定にしておくことにより、本体操作部または外部制御信号によってオンし、使用した後に設定情報が保存されないので、通常はリモコンによって起動し、他者によって設定情報が変更保存されるのを望まない場合は本体操作部または外部制御信号でよって操作してもらうことにより、設定情報を保護することが可能となる。
【0017】
[適用例6]本適用例に係る画像表示装置の制御方法は、入力する画像情報に応じた画像を表示する表示部と、操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、操作入力に対応する遠隔操作信号を当該画像表示装置の外部から受け付けて、これに対応する操作信号を出力する操作信号受信部と、前記操作信号に対応した当該画像表示装置の制御動作を実行する制御部と、前記操作信号に対応した当該画像表示装置の各種設定を行う設定部と、前記設定部による設定情報を記憶する不揮発性の記憶部と、を備え、前記記憶部は、電源オフ時に前記設定部の設定情報を前記記憶部に更新格納する第1のモードと、電源オフ時に前記設定部の設定情報を保存しない第2のモードのいずれかを設定するモード情報を有する画像表示装置の制御方法であって、前記設定部が当該画像表示装置の起動時に前記記憶部に格納された設定情報に基づき、各種設定を行うステップと、前記制御部が、当該画像表示装置が起動時に前記操作部の電源オン操作信号または前記操作信号受信部の電源オン操作信号のうちどちらを受信したかにより、前記モード情報に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定させるステップを有することを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、画像表示装置使用時に、操作部または操作信号受信部のどちらの電源オン操作信号を受信したかによって、設定部情報を更新保存するかを選択することができる。これにより、例えば、リモコンによってオンしたときにのみ電源オフ時に設定情報を保存する設定にしておくことにより、本体操作部によってオンし、使用しても設定情報が保存されないので、通常はリモコンによって起動し、他者によって設定情報が変更保存されるのを望まない場合は本体操作部の操作キーで使用してもらうことにより、設定情報を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像表示装置の回路構成を示すブロック図。
【図2】(a)(b)は、実施形態1のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図3】変形例1のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図4】変形例1の通知メッセージ。
【図5】変形例2のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図6】変形例2の通知メッセージ。
【図7】変形例3のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図8】変形例3の確認メッセージ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、本体操作部23、遠隔操作信号受信部24、通信部26、画像信号入力部2、画像信号処理部3、OSD処理部4等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0022】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。画像投写部10は本発明における画像表示部に相当する。
【0023】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0024】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
上記実施形態では、光源としてランプを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0025】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。
【0026】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では設定データとして、モード情報21a、および設定情報21bが記憶部21に保存される。モード情報21aは、プロジェクター1の各種表示設定などを設定情報21bに保存するかどうかのモードを示す情報であり、設定情報を前記記憶部に更新格納するモード1と、電源オフ時に前記設定部の設定情報を保存しないモード2のいずれかが設定される。設定情報21bに保存された各種表示設定などの設定内容はプロジェクター1の起動時に読み出され、制御部20によって画像信号処理部3等に設定される。なお、制御部20が本発明における設定部に相当する
【0027】
本体操作部23は、プロジェクター1の本体筐体外面に設けられ、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。本体操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、複数の画像信号入力部2に入力される画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。
ユーザーが本体操作部23の各種操作キーを操作すると、本体操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。本体操作部23は、本発明における操作部に相当する。
【0028】
遠隔操作信号受信部24は、リモートコントローラー(以下、リモコンとも称する)25による遠隔操作信号を受信し、これに対応した操作信号を制御部20に出力する。リモートコントローラー25は、例えばユーザーによって携行可能な大きさの無線通信端末であり、リモートコントローラー25本体表面には、本体操作部23の操作キーと同様の機能を有する操作キーが配されることが好ましい。遠隔操作信号受信部24は、本発明における遠隔操作信号受信部に相当する。
【0029】
通信部26はパーソナルコンピューター等、外部の制御装置から、図示しないケーブルを介して双方向通信を行い、外部制御信号を受信し、制御部20に出力する。ユーザーは外部制御信号に基づき、本体操作部23と同等の操作をプロジェクター1に対して行うことが可能である。
【0030】
画像信号入力部2は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0031】
画像信号処理部3は、画像信号入力部2から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0032】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0033】
液晶駆動部14は本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0034】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0035】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
図2(a)に示すように、まずプロジェクター1が、本体操作部23または遠隔操作信号受信部24のいずれかからの電源オン操作信号により起動すると(ステップS101)、制御部20は電源オン操作信号の種別(本体操作部23、遠隔操作信号受信部24)に基づき、モード情報21aをモード1またはモード2に設定する(ステップS102)。
【0036】
次に制御部20は設定情報21bに保存された各種設定内容を画像信号処理部3等に設定し(ステップS103)、画像信号の投写を開始する(ステップS104)。
【0037】
また、図2(b)に示すように、プロジェクター1が投写中に、制御部20が電源オフ操作信号を受信すると(ステップS111)、制御部20はモード情報21aがモード1に設定されているか調べる(ステップS112)。モード情報21aがモード1に設定されていた場合(ステップS112:Y)、制御部20は画像信号処理部3等に設定されている設定内容を設定情報21bに保存する(ステップS113)。
モード情報21aがモード1に設定されていない場合(ステップS112:N)、ステップS114へ移行する。
【0038】
次に制御部20は電源オフ処理を行い(ステップS114)、本動作フローは終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、プロジェクター1の電源オン種別により、動作終了時に記憶部21に各種設定内容を保存するかどうかを設定できる。これによって、例えば、リモコン25によって電源オンしたときにのみ電源オフ時に設定情報を保存する設定にしておくことにより、本体操作部23の操作キーによって電源オンし、使用しても設定情報が保存されないので、通常はリモコン25によって起動し、他者によって設定情報が変更保存されるのを望まない場合は本体操作部23の操作キーで使用してもらうことにより、設定情報を保護することが可能となる。
【0040】
(変形例1)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0041】
上記実施形態では電源オフ時に設定情報が保存されるモードに設定されているかどうかをユーザーが知ることができないが、電源オン時に、設定情報が保存されないモードに設定された場合、メッセージを表示してユーザーに通知するようにしてもよい。
【0042】
本変形例のプロジェクター1の動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
図3に示すように、まずプロジェクター1が、本体操作部23または遠隔操作信号受信部24のいずれかからの電源オン操作信号により起動すると(ステップS201)、制御部20は電源オン操作信号の種別(本体操作部23、遠隔操作信号受信部24)に基づき、モード情報21aをモード1またはモード2に設定する(ステップS202)。
【0043】
次に制御部20はモード情報21aの設定内容を調べる(ステップS203)。
モード情報21aがモード1に設定された場合(ステップS203:N)、ステップS205へ移行する。
モード情報21aがモード2に設定された場合(ステップS203:Y)、制御部20はOSD処理部4に指示し、画像投写部10に設定情報が保存されない旨のメッセージを表示させる(ステップS204)。このときのメッセージを図4に示す。
【0044】
次に制御部20は設定情報21bに保存された各種設定内容を画像信号処理部3等に設定し(ステップS205)、画像信号の投写を開始する(ステップS206)。
【0045】
なお、電源オフ操作を検出した場合の動作は図2で説明した、実施例の動作(ステップS111からS114)と同じであるので省略する。
【0046】
以上、説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、起動時に、設定情報が保存されないモードになっており、設定情報が保護されることを予めユーザーに認知させることができる。これにより、ユーザーが使用終了後に設定内容を使用前の状態に戻すような操作をする必要がないことを知ることができる。
【0047】
(変形例2)
上記実施形態では電源オフ時に設定情報が保存されるモードに設定されているかどうかをユーザーが知ることができないが、設定情報が保存されないモードに設定されている場合において、電源オフ操作時にメッセージを表示してユーザーに通知するようにしてもよい。
【0048】
本変形例のプロジェクター1の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
プロジェクター1が電源オン操作信号を受信したときの動作は図2の実施例の動作(ステップS101からS104)と同じであるので省略する。
図5に示すように、プロジェクター1が投写中に、制御部20が電源オフ操作信号を受信すると(ステップS311)、制御部20はモード情報21aがモード1に設定されているか調べる(ステップS312)。
【0049】
モード情報21aがモード1に設定されていた場合(ステップS312:Y)、制御部20は画像信号処理部3等に設定されている設定内容を設定情報21bに保存する(ステップS313)。
モード情報21aがモード1に設定されていなかった場合、即ちモード2に設定されていた場合(ステップS312:N)、制御部はOSD処理部4に指示し、画像投写部10に設定情報が保存されない旨のメッセージを所定時間表示させる(ステップS314)。このときのメッセージを図6に示す。
【0050】
次に制御部20は電源オフ処理を行い(ステップS315)、本動作フローは終了する。
【0051】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、電源オフ操作時に、設定情報が保存されないモードになっており、設定情報が保護されることをユーザーに認知させることができる。これにより、ユーザーが使用終了後に設定内容を使用前の状態に戻すような操作をする必要がないことを知ることができる。
【0052】
(変形例3)
上記実施形態では電源オン種別により、電源オフ時に設定情報が保存されるかどうかが決められているが、電源オフ操作時に設定情報を保存するかどうかの確認メッセージを表示し、ユーザーが設定情報を保存するかどうかを選択できるようにしてもよい。
【0053】
本変形例のプロジェクター1の動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
図7に示すように、プロジェクター1が投写中に制御部20が電源オフ操作信号を受信すると(ステップS411)、制御部20はOSD処理部4に指示し、画像投写部10に設定情報を保存するかどうかの確認メッセージを表示させる(ステップS412)。このときの確認メッセージを図8に示す。
【0054】
次に制御部20は、設定情報を保存するかどうかの確認メッセージに対する応答を調べる(ステップS413)。
設定情報を保存する入力操作がなされた場合(ステップS413:Y)は、制御部20は画像信号処理部3等に設定されている設定内容を設定情報21bに保存する(ステップS414)。
設定情報を保存する入力操作がなされなかった場合(ステップS413:N)は、ステップS415に移行する。
【0055】
次に制御部20は電源オフ処理を行い(ステップS415)、本動作フローは終了する。
【0056】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、電源をオフする際に、設定情報を更新記憶するかどうかをユーザーに選択させることができる。これにより、設定情報を使用する前の状態に戻したい場合は設定情報を保存しないようにし、現在の設定のまま次回も使いたい場合は設定情報を保存するようにユーザーの用途によって選択することが可能となる。
【0057】
(変形例4)
上記実施形態では電源オフ時に設定情報が保存されるモードに設定するための電源オン要因が本体操作部23の操作キーまたはリモコン25の操作キーのいずれかであるが、外部制御機器からの制御信号によって電源オンする場合も上記電源オン要因に加えてもよい。
これにより、例えば、リモコン25によってオンしたときにのみ電源オフ時に設定情報を保存する設定にしておくことにより、本体操作部23または外部制御信号によってオンし、使用した後に設定情報が保存されないので、通常はリモコン25によって起動し、他者によって設定情報が変更保存されるのを望まない場合は本体操作部23の操作キーまたは外部制御信号によって操作してもらうことにより、設定情報を保護することが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1…プロジェクター、2…画像信号入力部、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…記憶部、22…光源制御部、23…本体操作部、24…遠隔操作信号受信部、25…リモートコントローラー(リモコン)、26…通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力する画像情報に応じた画像を表示部に表示する画像表示装置であって、
操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、
操作入力に対応する遠隔操作信号を当該画像表示装置の外部から受け付けて、これに対応する操作信号を出力する遠隔操作信号受信部と、
前記操作信号に対応した当該画像表示装置の制御動作を実行する制御部と、
前記操作信号に対応した当該画像表示装置の各種設定を行う設定部と、
前記設定部による設定情報を記憶する不揮発性の記憶部と、
を備え、
前記記憶部は、電源オフ時に前記設定部の設定情報を前記記憶部に更新格納する第1のモードと電源オフ時に前記設定部の設定情報を保存しない第2のモードのいずれかを設定するモード情報を有し、
前記設定部は、当該画像表示装置の起動時に前記記憶部に格納された設定情報に基づき、各種設定を行い、
前記制御部は、当該画像表示装置が起動時に前記操作部の電源オン操作信号または前記操作信号受信部の電源オン操作信号のうちどちらを受信したかにより、前記モード情報に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定させることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、当該画像表示装置が起動時に、前記モード情報に前記第2のモードが設定された場合に、前記表示部に前記設定部による設定情報が更新記憶されない旨の確認メッセージを表示させることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記モード情報に前記第2のモードが設定されている場合において、前記制御部は、前記操作部または前記操作信号受信部のいずれかによる電源オフ操作信号を受信したときに、前記表示部に前記設定部による設定情報が更新記憶されない旨の確認メッセージを表示させることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は前記操作部または前記操作信号受信部のいずれかによる電源オフ操作信号を受信したときに、前記設定部による設定情報を更新記憶するかどうかの選択メッセージを前記表示部に表示させ、更新記憶を選択する操作信号を受信した場合に、前記設定部により前記設定情報を前記記憶部に記憶した後、電源オフ処理を行うことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像表示装置であって、
外部の情報処理装置からの外部制御信号に基づいて当該画像表示装置の制御を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、当該画像表示装置が前記操作部の電源オン操作信号、前記操作信号受信部の電源オン操作信号、および前記外部情報処理装置からの電源オン操作信号のうちいずれかを受信したかにより、前記モード情報に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定させることを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
入力する画像情報に応じた画像を表示する表示部と、
操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、
操作入力に対応する遠隔操作信号を当該画像表示装置の外部から受け付けて、これに対応する操作信号を出力する操作信号受信部と、
前記操作信号に対応した当該画像表示装置の制御動作を実行する制御部と、
前記操作信号に対応した当該画像表示装置の各種設定を行う設定部と、
前記設定部による設定情報を記憶する不揮発性の記憶部と、を備え、
前記記憶部は、電源オフ時に前記設定部の設定情報を前記記憶部に更新格納する第1のモードと、電源オフ時に前記設定部の設定情報を保存しない第2のモード、のいずれかを設定するモード情報を有する画像表示装置の制御方法であって、
前記設定部が当該画像表示装置の起動時に前記記憶部に格納された設定情報に基づき、各種設定を行うステップと、
前記制御部が、当該画像表示装置の起動時に前記操作部の電源オン操作信号または前記操作信号受信部の電源オン操作信号のうち、どちらを受信したかにより、前記モード情報に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定させるステップを有することを特徴とする画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−118367(P2012−118367A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269070(P2010−269070)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】