説明

画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示システム

【課題】画像の撮影者であり鑑賞者でもあり得る各カメラのユーザの興味や意図を反映させたスライドショー表示を行うことを可能にする。
【解決手段】画像表示装置と通信可能となった複数のデジタルスチルカメラとの間でアドホック通信を確立する(ステップA4)。各端末(デジタルスチルカメラ)に対する受信感度を各々検出する(ステップA6)。次に、この検出した受信感度に基づき、画像表示優先度の決定処理を実行する(ステップA7)。ここで、画像表示優先度は、各デジタルスチルカメラ10A、10B、10Cから取得した画像をスライドショー表示する際の画像の表示頻度、表示時間のいずれであってもよい。しかる後に、各デジタルスチルカメラの保存メモリから格納されている画像を取得し、ステップA7で決定した画像表示優先度に従って、スライドショー表示する(ステップA8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの普及により、写真は、デジタル画像データとして保存することが一般的となっている。従来のフィルムカメラによる撮影の場合、プリントを伴うことが多かったが、画像データの場合、撮影したデジタルカメラで閲覧したり、画像データを取り込んだパーソナルコンピュータなどで閲覧したりすることができるため、写真の楽しみ方にも変化が生じている。
【0003】
このような状況において、画像データでも従来のプリント写真と同様の楽しみ方がきでるようにするため、いわゆるデジタルフォトフレームが実現され普及している。デジタルフォトフレームでは、撮影した写真を再生して好きなときに鑑賞したり、スライドショー表示したり、画像データを保存するアルバム端末として使用することができる。
【0004】
また、複数のデジタルカメラにより撮影された画像を、サーバにリアルタイムで集約して、端末装置に送信する。そして、端末装置でこれを受信してスライドショーの実行を行うスライドショー自動作成システムも提案されるに至っている(例えば、特許文献1)。したがって、このスライドショー自動作成システムにおける端末装置として、デジタルフォトフレームを用いることにより、デジタルフォトフレームにてのスライドショー観賞が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−303001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記スライドショー自動作成システムにおいては、複数のデジタルカメラにより撮影された画像を、サーバにリアルタイムで集約して、端末装置に送信する。端末装置(デジタルフォトフレーム)は、これら集約された複数の画像を単にスライドショー表示することから、順次スライドショー表示される複数の画像に優劣はない。よって、自己が撮影した画像のスライド表示に強い興味を持っているユーザの画像、自己が撮影した画像のスライド表示に興味を持っていないユーザの画像、現在遠方におり当該端末装置で画像を観賞することさえも不可能なユーザの画像のいずれであっても、優劣なく順次スライドショー表示する。
【0007】
したがって、画像の撮影者であり鑑賞者でもあり得る各カメラのユーザの興味や意図を反映させた画像のスライドショー表示を行うことができない、という課題があった。
【0008】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、画像の撮影者であり鑑賞者でもあり得る各カメラのユーザの興味や意図を反映させたスライドショー表示を行うことのできる画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像表示装置は、複数の端末と通信する通信手段と、前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像表示プログラムは、複数の端末と通信する通信手段を備える画像表示装置が有するコンピュータを、前記各手段として機能させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像表示システムは、複数の端末と、通信手段を介して前記複数の端末と接続される画像表示装置とで構成される画像表示システムであって、前記複数の端末は、各々画像を保存する保存手段を備え、前記画像表示装置は、前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受信感度を有効に利用して、画像の撮影者であり鑑賞者でもあり得る各カメラのユーザの興味や意図を反映させたスライドショー表示を行うことができる。これにより、ユーザが画像観賞を早期に飽きてしまうことを防止して、スライドショー機能による画像観賞の興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるデジタルスチルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図4】(A)は画像表示装置の処理手順を示すフローチャート、(B)はデジタルスチルカメラの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る画像表示システムを示すシステム構成図である。この画像表示システムは、画像表示装置1と複数の端末としてのデジタルスチルカメラ10(10A、10B、10C)とで構成されている。これら画像表示装置1とデジタルスチルカメラ10A、10B、10Cとは相互に無線接続され、アドホックネットワークを構成している。
【0015】
図2は、本実施の形態に係る画像表示装置1の電気的構成を示したブロック図である。画像表示装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、CPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access memory)13、内部メモリ14を備え、ROM12には、CPU11に後述するフローチャートに示す動作を行わせるためのプログラム等が記憶されている。
【0016】
内部メモリ14は、ハードディスク又はフラッシュメモリによる大容量不揮発性メモリであり、後述する処理によりフォルダ14A、14B、14C等・・・が確保されて、フォルダ14A、14B、14C等・・・毎に画像が保存可能となる。表示制御部16は、CPU11から供給される表示用の画像データに基づいて液晶表示パネル3を駆動することにより、画像や各種メニューを液晶表示パネル3に表示させる。
【0017】
キー入力制御部17はCPU11の制御に基づいてタッチパネル5の操作信号と、キー入力部21の操作信号を入力するものである。本実施の形態において、キー入力部21には、電源SW(スイッチ)、スライドショーSW、及びその他のスイッチが設けられている。
【0018】
メモリカードインターフェース18は、メモリカードスロットに着脱自在に装着された各種のメモリカード60と、CPU11との間におけるデータの入出力を制御する入出力インターフェースである。無線通信部30はアンテナ31を有し、CPU11により制御されて各デジタルスチルカメラ10と無線通信を行う。また、電源制御部80は、電源プラグ81を介してAC電源を取り入れ、直流に変換して各部に電力を供給する。
【0019】
図3は、デジタルスチルカメラ10の回路構成を示す図である。このデジタルスチルカメラ10は、基本モードである撮影モードにおいて、ズームレンズ112−1を移動させて光学ズーム動作を行わせるズーム駆動部111−1、フォーカスレンズ112−2を移動させて合焦動作を行わせるAF駆動部111−2、ズームレンズ112−1及びフォーカスレンズ112−2を含む撮像レンズを構成するレンズ光学系112を備えている。
【0020】
また、デジタルスチルカメラ10は、このレンズ光学系112の光軸上に配置された絞り132、この絞り132を駆動する絞り駆動部133、撮像素子であるCCD113、タイミング発生器(TG)114、垂直ドライバ115、サンプルホールド回路(S/H)116、A/D変換器117、カラープロセス回路118、DMA(Direct Memory Access)コントローラ119、DRAMインターフェイス(I/F)120、DRAM121を備えていている。
【0021】
さらにデジタルスチルカメラ10は、制御部122、VRAMコントローラ123、VRAM124、デジタルビデオエンコーダ125、表示部126、JPEG(Joint Photograph cording Experts Group)回路127、保存メモリ128を備えているとともに、キー入力部130、及び無線通信部134を備えている。
【0022】
撮影モードでのモニタリング状態においては、ズーム駆動部111−1は、光学ズーム指示があると制御部122からの制御信号に基づいて、図示しないズームレンズ駆動モータを駆動してズームレンズ112−1を光軸に沿って前後に移動させることによりCCD113に結像させる画像の倍率そのものを変化させる。また、AF駆動部111−2は図示しないフォーカスレンズ駆動モータを駆動してフォーカスレンズ112−2を移動させる。そして、撮像レンズを構成するレンズ光学系112の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD113が、タイミング発生器(TG)114、垂直ドライバ115によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0023】
CCD113は被写体の二次元画像を撮像する固体撮像デバイスであり、典型的には毎秒数十フレームの画像を撮像する。なお、撮像素子はCCDに限定されずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像デバイスでもよい。
【0024】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)116でサンプルホールドされ、A/D変換器117でデジタルデータ(画素)に変換され、カラープロセス回路118で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb、Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ119に出力される。
【0025】
DMAコントローラ119は、カラープロセス回路118の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを、同じくカラープロセス回路118からの複合(composite)同期信号、メモリ書き込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いてDRAMインターフェイス(I/F)120を介してバッファメモリとして使用されるDRAM121にDMA転送する。
【0026】
制御部122は、このデジタルスチルカメラ10全体の制御動作を司るものであり、CPU若しくはMPU(以下、CPU)と、必要な処理を実行するためのプログラム等を記憶したフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリ、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。そして、前記輝度及び色差信号のDRAM121へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号を、DRAMインターフェイス120を介してDRAM121から読み出し、VRAMコントローラ123を介してVRAM124に書込む。
【0027】
また、制御部122は、キー入力部130からの状態信号に対応してフラッシュメモリ等のプログラム格納用メモリに格納されている各モードに対応の処理プログラムやメニューデータを取り出して、デジタルスチルカメラ10の各機能の実行制御、具体的には撮影動作や、光学ズーム時のズームレンズの動作制御や、ライブビュー画像表示、自動合焦、撮影、記録、及び記録した画像の再生・表示等の一般的な制御を行う。また、制御部122は、スライドショーモード時における画像表示装置1の取得要求に応じた画像の読み出し、送信処理も行う。
【0028】
デジタルビデオエンコーダ125は、前記輝度及び色差信号を、VRAMコントローラ123を介してVRAM124から定期的に読み出し、これらのデータを基にビデオ信号を生成して前記表示部126に出力する。表示部126は、撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ125からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ123から取り込んでいる画像情報に基づくライブビュー画像をリアルタイムに表示する。
【0029】
また、制御部122は撮影指示に応じて、撮影記録処理を実行する。この撮影記録処理においては、制御部122は、シャッターキーの全押しをトリガとして、CCD113、垂直ドライバ115、サンプルホールド回路116、カラープロセス回路118、DMAコントローラ119に対してスルー画撮影モードから静止画撮影モードへの切り替えを指示し、この静止画撮影モードによる撮影記録処理により得られた画像データをDRAM121に一時的に保存記録する。
【0030】
この保存記録の状態では、制御部122がDRAM121に書き込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号を、DRAMインターフェイス120を介してY、Cb、Crのコンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出してJPEG回路127に書き込み、このJPEG回路127でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピー符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。そして得た符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路127から読み出し、保存メモリ128に記録保存する。また、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及び保存メモリ128への全圧縮データの書き込み終了に伴って、制御部122は前記静止画撮影モードからスルー画撮影モードへの切り替えを指示する。
【0031】
また、基本モードである再生モード時には、制御部122が保存メモリ128に記録されている画像データを選択的に読み出し、JPEG回路127で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸張し、伸張した画像データを、VRAMコントローラ123を介してVRAM124に展開して記憶させた上で、このVRAM124から定期的に読み出し、これらの画像データを元にビデオ信号を生成して表示部126で再生出力させる。
【0032】
保存メモリ128は、内蔵メモリ(フラッシュメモリ)やハードディスク、あるいは着脱可能なメモリカード等の記録媒体からなり画像データや撮影情報等を保存記録する。キー入力部130は、モードダイアル、カーソルキー、SETキー、ズームボタン(Wボタン、Tボタン)、シャッターキー、クリアキー及び電源ボタン等と、それらのキーが操作されると操作されたキーの操作信号を生成して制御部122に送出するキー処理部(図示せず)等から構成されている。無線通信部134は、アンテナ321を有し、制御部122により制御されて画像表示装置1及び他のデジタルスチルカメラ10と無線通信を行う。
【0033】
次に、以上の構成に係る本実施の形態の動作について説明する。画像表示装置1のキー入力部21に設けられている電源SWがオン操作され、このとき画像表示装置1にネットワークスライドショーモード(以下、NSモードという)が設定されていると、CPU11はROM12に記憶されているプログラムに従って、図4(A)に示すフローチャートに従って処理を開始する。すなわち、CPU11は、ユーザによる電源SWのオン操作に応答して、画像表示装置1の電源をONにするとともに(ステップA1)、無線通信部30をONにして起動する(ステップA2)。
【0034】
同様に、デジタルスチルカメラ10のキー入力部130に設けられている電源SWがオン操作され、このときデジタルスチルカメラ10にNSモードが設定されていると、制御部122はROMに記憶されているプログラムに従って、図4(B)に示すフローチャートに従って処理を開始する。すなわち、制御部122は、保存メモリ128に画像データが保存されているかを確認した上で、保存されている場合には、ユーザによる電源SWのオン操作に応答して、端末としての当該デジタルスチルカメラ10の電源をONにする(ステップB1)。また、保存メモリ128に画像データが保存されていることを確認できたデジタルスチルカメラ10の無線通信部134をONにして起動する(ステップB2)。
【0035】
すると、画像表示装置1のCPU11は、無線通信部30を介してデジタルスチルカメラ10の無線通信部134と、無線LANアクセスポイントを通さずに直接通信するアドホック通信を開始する(ステップA3)。さらに、図1に示すように、画像表示装置1と通信可能となった複数のデジタルスチルカメラ10A、10B、10Cとの間でアドホック通信を確立する(ステップA4)。
【0036】
また、このアドホック通信を確立した複数の端末(デジタルスチルカメラ10A、10B、10C)が属するグループをネットワークグループとして、当該ネットワークグループ内の端末数(本例では3台)を検出する(ステップA5)。引き続き、画像表示装置1のCPU11は、自機の各端末(デジタルスチルカメラ10A、10B、10C)に対する受信感度を各々検出する(ステップA6)。これにより、例えば図1に付記し下記に示す受信感度が検出されることとなる。
デジタルスチルカメラ10A受信感度:−20dBm
デジタルスチルカメラ10B受信感度:−20dBm
デジタルスチルカメラ10C受信感度:−40dBm
【0037】
次に、この検出した受信感度に基づき、画像表示優先度の決定処理を実行する(ステップA7)。ここで、画像表示優先度は、各デジタルスチルカメラ10A、10B、10Cから取得した画像をスライドショー表示する際の画像の表示頻度、表示時間のいずれであってもよい。
【0038】
表示頻度の場合、受信感度が高い順に表示頻度を高くする。したがって、本例のように、グループ内に3台のデジタルスチルカメラ10A、10B、10Cがあり、受信感度がデジタルスチルカメラ10A、10B:−20dBm、10C:−40dBmであった場合、
10Aの画像→10Bの画像→10Cの画像→10Aの画像→10Bの画像→10Aの画像→10Bの画像→10Cの画像・・・10Aの画像→10Bの画像→10Cの画像→10Aの画像→10Bの画像→10Aの画像→10Bの画像→10Cの画像
というような頻度(10Cの画像の表示頻度が低い)でスライドショー表示を行うことを決定する。
【0039】
表示時間の場合、受信感度が高い順に表示時間を長くする。したがって、本例のように、グループ内に3台のデジタルスチルカメラ10A、10B、10Cがあり、受信感度がデジタルスチルカメラ10A、10B:−20dBm、10C:−40dBmであった場合、
10Aの画像:5秒→10Bの画像:5秒→10Cの画像:3秒→10Aの画像:5秒→10Bの画像:5秒→10Cの画像:3秒・・・
というような表示時間(10Cの画像の表示時間が短い)でスライドショー表示を行うことを決定する。
【0040】
しかる後に、各デジタルスチルカメラ10の保存メモリ128から格納されている画像を取得し、前記ステップA7で決定した画像表示優先度に従って、液晶表示パネル3にスライドショー表示する(ステップA8)。このとき、画像の取得と表示は、下記(1)(2)のいずれであってもよい。
【0041】
(1)画像表示装置1の内部メモリ14に、各デジタルスチルカメラ10A用のフォルダ14A、10B用のフォルダ14B、10C用のフォルダ14Cを作成しておく。各デジタルスチルカメラ10A、10B、10Cに保存されている全ての画像を取得して、対応するフォルダ14A、14B、14Cに予めコピーする。そして、このコピーされた画像が保存されているフォルダ14A、14B、14Cから、前記ステップA7で決定した優先度で、画像を読み出して液晶表示パネル3にスライドショー表示する。
【0042】
したがって、この(1)に示した画像の取得と表示方法によれば、スライドショー表示する複数のカメラ10A、10B、10Cの画像が予め単一の画像表示装置1に集約されて、スライドショー表示がなされることから、画像表示装置1と各カメラ10A、10B、10C間の通信回数を少なくすることができる。これにより、通信に対する外乱に起因する画像の表示不良を事前に防止しつつ、スライドショー表示することができる。
【0043】
(2)スライドショー表示する画像が保存メモリ128に保存されているカメラ10と、その都度無線接続して、表示する画像を取得する。 そして、その都度取得した画像を、前記ステップA7で決定した優先度で、順次液晶表示パネル3にスライドショー表示する。
したがって、この(2)に示した画像の取得と表示方法によれば、画像表示装置1に大容量の内部メモリ14を実装する必要がなく、これにより、画像表示装置1のメモリ容量を軽減を図りつつ、スライドショー表示することができる。
【0044】
このようにして、ステップA8で(1)又は(2)の方法で、画像の取得と表示がなされると、当該ユーザのデジタルスチルカメラ10が画像表示装置1のより近くに存在し、自己が撮影した画像のスライド表示に強い興味を持っているユーザの画像は高い優先度でスライド表示される。これに対し、当該ユーザのデジタルスチルカメラ10が画像表示装置1のより遠くに存在し、自己が撮影した画像のスライド表示に興味を持っていないユーザの画像、現在遠方におり当該端末装置1で画像を観賞することすら不可能なユーザの画像は低い優先度でスライド表示される。
【0045】
これにより、画像の撮影者であり鑑賞者でもあり得る各カメラのユーザの興味や意図を反映させた画像のスライドショー表示を行うことが可能となる。
【0046】
しかも、優先度を受信感度に基づき決定することから、受信感度を有効に利用して、画像の撮影者であり鑑賞者でもあり得る各カメラのユーザの意図を反映させたスライドショー表示を行うことができる。これにより、ユーザが画像観賞を早期に飽きてしまうことを防止して、スライドショー機能による画像観賞の興趣性を向上させることができる。
【0047】
以上のように、実施の形態により開示される請求項1記載の発明によれば、複数の端末と通信する通信手段と、前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする画像表示装置を提供することができる。
【0048】
また、実施の形態により開示される請求項2記載の発明によれば、前記通信手段により、異なる複数の端末と無線接続されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供することができる。
【0049】
また、実施の形態により開示される請求項3記載の発明によれば、前記取得手段は、各端末に保存されている複数の画像を予め取得し、この取得手段により取得された複数の画像を端末毎に記憶する記憶手段を備え、前記表示制御手段は、前記記憶手段から画像を読み出してスライドショー表示することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供することができる。
【0050】
また、実施の形態により開示される請求項4記載の発明によれば、前記取得手段は、前記表示制御手段がスライドショー表示する画像をその都度対応する端末から取得し、前記表示制御手段は、前記取得手段がその都度対応する端末から取得した画像をスライドショー表示することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供することができる。
【0051】
また、実施の形態により開示される請求項5記載の発明によれば、前記優先度決定手段は、スライドショー表示における画像の表示頻度を優先度として決定することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供することができる。
【0052】
また、実施の形態により開示される請求項6記載の発明によれば、前記優先度決定手段は、スライドショー表示における当該画像の表示時間を優先度として決定することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置を提供することができる。
【0053】
また、実施の形態により開示される請求項7記載の発明によれば、前記複数の端末は、前記画像の撮影機能を有するものであることを特徴とする請求項1から6にいずれか記載の画像表示装置を提供することができる。
【0054】
また、実施の形態により開示される請求項8記載の発明によれば、複数の端末と通信する通信手段を備える画像表示装置が有するコンピュータを、前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段として機能させることを特徴とする画像表示プログラムを提供することができる。
【0055】
また、実施の形態により開示される請求項9記載の発明によれば、複数の端末と、通信手段を介して前記複数の端末と接続される画像表示装置とで構成される画像表示システムであって、前記複数の端末は、各々画像を保存する保存手段を備え、前記画像表示装置は、前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする画像表示システムを提供することができる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、図1に示したように、画像表示装置1と各デジタルスチルカメラ10間のみならず、各デジタルスチルカメラ10同士も無線接続されたアドホックグループが形成されることとした。しかし、画像表示装置1と各デジタルスチルカメラ10間のみを無線接続するシステム、つまり画像表示装置1をマスターとし、各デジタルスチルカメラ10をスレーブとする無線接続システムを用いるようにしてもよい。この場合であっても、前述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、実施の形態においては、画像表示装置1と各デジタルスチルカメラ10とが無線接続された構成を示したが、有線接続された構成であってもよい。但し、受信感度の差異を制御に用いることから、無線接続された構成がより好ましい。
【符号の説明】
【0058】
1 画像表示装置
10 デジタルスチルカメラ
11 CPU
12 ROM
121 DRAM
122 制御部
124 VRAM
125 デジタルビデオエンコーダ
126 表示部
127 JPEG回路
128 保存メモリ
130 キー入力部
134 無線通信部
133 絞り駆動部
14 内部メモリ
14A フォルダ
14B フォルダ
14C フォルダ
116 サンプルホールド回路
16 表示制御部
17 キー入力制御部
18 メモリカードインターフェース
21 キー入力部
3 液晶表示パネル
30 無線通信部
31 アンテナ
321 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、
前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、
前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、
前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記通信手段により、異なる複数の端末と無線接続されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記取得手段は、各端末に保存されている複数の画像を予め取得し、
この取得手段により取得された複数の画像を端末毎に記憶する記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、前記記憶手段から画像を読み出してスライドショー表示することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記表示制御手段がスライドショー表示する画像をその都度対応する端末から取得し、
前記表示制御手段は、前記取得手段がその都度対応する端末から取得した画像をスライドショー表示することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記優先度決定手段は、スライドショー表示における画像の表示頻度を優先度として決定することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記優先度決定手段は、スライドショー表示における当該画像の表示時間を優先度として決定することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記複数の端末は、前記画像の撮影機能を有するものであることを特徴とする請求項1から6にいずれか記載の画像表示装置。
【請求項8】
複数の端末と通信する通信手段を備える画像表示装置が有するコンピュータを、
前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、
前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、
前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、
前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段と
して機能させることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項9】
複数の端末と、通信手段を介して前記複数の端末と接続される画像表示装置とで構成される画像表示システムであって、
前記複数の端末は、各々画像を保存する保存手段を備え、
前記画像表示装置は、
前記通信手段を介して、前記複数の端末に保存されている画像を取得する取得手段と、
前記通信手段の通信時における受信感度を前記複数の端末毎に検出する受信感度検出手段と、
前記受信感度検出手段により検出された端末毎の受信感度に基づき、各端末に保存されている画像のスライドショー表示における優先度を決定する優先度決定手段と、
前記優先度決定手段により決定された優先度に従って、前記取得手段により各端末から取得した画像をスライドショー表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−209781(P2012−209781A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74154(P2011−74154)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】