説明

画像表示装置、画像表示方法、受信装置、受信方法および携帯端末機

【課題】テレビ受信機等の画像表示装置においてウィジェットで提供されるコンテンツの再生等の処理を簡単な構成で可能にする。
【解決手段】テレビ受信機250は、ウィジェットサーバ322からウィジェットを受信し、このウィジェットに記載されているコンテンツおよび制御方法からユーザにより選択された所定のコンテンツのURL情報(コンテンツID)および制御方法の情報(制御ID)を、STB210に送信する。STB210は、その情報に基づいて所定のコンテンツの再生等の処理を行う。テレビ受信機250は、制御方法が「再生」、「詳細表示」の場合、STB210から所定のコンテンツに対応した画像データを受信し、所定コンテンツの内容(画像、テキスト等)を表示する。コンテンツの再生等の処理はSTB210が担うため、テレビ受信機250は、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像表示装置、画像表示方法、受信装置、受信方法および携帯端末機に関する。
【0002】
詳しくは、この発明は、受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび制御方法から選択された所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定のコンテンツに対する制御方法の情報を外部機器に送信し、この外部機器から所定のコンテンツに対応した画像データを受信して所定のコンテンツの表示を行うことにより、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で可能とした画像表示装置等に係るものである。
【0003】
また、この発明は、外部機器から所定のコンテンツに対応したURL情報およびこの所定のコンテンツに対する制御方法の情報を受信し、URL情報に基づいてサーバにアクセスして所定のコンテンツのデータを取得すると共に、制御方法の情報に基づいて取得した所定のコンテンツのデータを処理することにより、外部機器におけるウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で可能とした受信装置等に係るものである。
【背景技術】
【0004】
近年、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダや、セットトップボックス、その他のAVソース(Audio Visual source)から、テレビ受信機、プロジェクタ、その他のディスプレイに対して、デジタル映像信号、すなわち、非圧縮(ベースバンド)の映像信号(以下、「画像データ」という)と、その映像信号に付随するデジタル音声信号(以下、「音声データ」という)とを、高速に伝送する通信インタフェースとして、HDMI(High Definition Multimedia Interface)が普及しつつある。例えば、特許文献1には、HDMI規格の詳細についての記載がある。
【0005】
また、インターネットが普及し、ユーザは情報を取得することができる。またデジタルテレビジョン放送において、双方向通信などにより、テレビジョン放送からもユーザは所望の情報を取得することができる。また、携帯電話機などで、QRコード(登録商標)などの所定のコードを読み取り、所定のサイトにアクセスすることで、ユーザは所望の情報を取得することができる(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、テレビ受信機において、画面上にウィジェットを表示し、選択されたコンテンツの内容(画像、テキスト等)をサーバから取得して画面上に表示する技術が提案されている。
【特許文献1】WO2002/078336号公報
【特許文献2】特開2005−303553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウィジェットは日々進歩している。選択されたコンテンツのデータをサーバから受信して再生等の処理を行う受信処理部分は、ウィジェットの進歩に伴って設計変更が頻繁に行われることが予測される。したがって、当該受信処理部分は、テレビ受信機に対して別体とされていることが、テレビ受信機の構成を簡単とし、また、資源節約の意味からも望まれる。
【0008】
この発明の目的は、テレビ受信機等の画像表示装置においてウィジェットで提供されるコンテンツの再生等の処理を簡単な構成で可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の概念は、
サーバからウィジェットを受信するウィジェット受信部と、
上記ウィジェット受信部で受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび該コンテンツに対する制御方法を表示するウィジェット表示部と、
上記ウィジェット表示部による表示に基づいて選択された所定コンテンツに対応したURL情報および該所定コンテンツに対する制御方法の情報を外部機器に送信する情報送信部と、
上記情報送信部で送信された情報に基づいて上記外部機器で得られた上記所定コンテンツに対応した画像データを受信する画像データ受信部と、
上記画像データ受信部で受信された画像データに基づいて上記所定コンテンツの内容を表示する表示部と
を備えることを特徴とする画像表示装置にある。
【0010】
この発明においては、受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび制御方法から選択された所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定コンテンツに対する制御方法の情報が外部機器に送信される。そして、外部機器から所定のコンテンツに対応した画像データが受信されて所定のコンテンツの内容(画像、テキスト等)が表示される。この場合、コンテンツの再生等の処理を行う部分は外部機器が担うため、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等が簡単な構成で可能となる。
【0011】
また、この発明において、例えば、画像データ受信部は、他の電子機器から、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送られてくる、所定コンテンツに対応した画像データを受信し、情報送信部は、所定のコンテンツに対応したURL情報として、この所定のコンテンツを特定するコンテンツIDを、伝送路を構成する制御データラインを用いて送信する、ようにされてもよい。この場合、URL情報としてURL自体を送信するものでなく、URL情報としてデータ量の少ないコンテンツIDを送るものであり、制御データラインのデータ転送レートが低い場合にあっても、URL情報の送信時間は短く、外部機器に再生等の処理を素早く開始させることが可能となる。
【0012】
また、この発明において、例えば、コンテンツデータ受信部は、他の電子機器から、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送られてくる、所定コンテンツに対応した画像データを受信し、伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部をさらに備え、情報送信部は、所定のコンテンツに対応したURL情報として、URL自体を、通信部を用いて送信する、ようにされてもよい。この場合、URL情報としてURL自体を送信するが、通信部による双方向通信のデータ転送レートが高ければ、URL情報の送信時間は短く、外部機器に再生等の処理を素早く開始させることが可能となる。
【0013】
また、この発明の概念は、
外部機器から所定のコンテンツに対応したURL情報および該所定のコンテンツに対する制御方法の情報を受信する情報受信部と、
上記情報受信部で受信された上記所定のコンテンツに対応したURL情報に基づいてサーバにアクセスして、該所定のコンテンツのデータを取得するデータ取得部と、
上記データ取得部で取得された上記所定のコンテンツのデータを、上記情報受信部で受信された上記制御方法の情報に基づいて処理するデータ処理部と
を備えることを特徴とする受信装置にある。
【0014】
この発明においては、外部機器から所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定のコンテンツに対する制御方法の情報が受信される。そして、URL情報に基づいてサーバにアクセスして所定のコンテンツのデータが取得されると共に、制御方法の情報に基づいて取得した所定のコンテンツのデータが処理される。
【0015】
例えば、制御方法の情報が再生を示すとき、データ取得部で取得された所定のコンテンツの画像データが再生データとして外部機器に送信される。また、例えば、制御方法の情報が詳細表示を示すとき、データ取得部で取得された所定のコンテンツのデータに基づいて表示画像データが生成され、この表示画像データが外部機器に送信される。また、例えば、制御方法の情報が予約を示すとき、データ取得部で取得された所定のコンテンツの画像データが記録メディアに蓄積される。
【0016】
この場合、コンテンツの再生等の処理は外部機器が代わりに担うため、外部機器ではウィジェットで提供されるコンテンツの再生等が簡単な構成で可能となる。
【0017】
また、この発明において、例えば、データ処理部は、外部機器に、画像データを、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送信し、情報受信部は、所定のコンテンツに対応したURL情報として、その所定のコンテンツを特定するコンテンツIDを、伝送路を構成する制御データラインを用いて受信し、コンテンツIDとURLとの対応関係を示すテーブルをさらに備え、データ取得部は、情報受信部で受信された所定のコンテンツに対応したURL情報としてのコンテンツIDからテーブルを参照して所定のコンテンツに対応したURLを認識し、そのURLに基づいてサーバにアクセスして、所定のコンテンツのデータを取得する、ようにされてもよい。
【0018】
この場合、URL情報としてURL自体を受信するものでなく、URL情報としてデータ量の小さなコンテンツIDを受け取るものであり、制御データラインのデータ転送レートが低い場合にあっても、URL情報の受信時間は短く、再生等の処理を素早く開始することが可能となる。
【0019】
また、この発明において、例えば、データ処理部は、外部機器に、画像データを、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送信し、伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部をさらに備え、情報受信部は、所定のコンテンツに対応したURL情報として、URL自体を、上記通信部を用いて受信する、ようにされてもよい。この場合、URL情報としてURL自体を受信するが、通信部による双方向通信のデータ転送レートが高ければ、URLのデータ量が多くても、URL情報の受信時間は短く、再生等の処理を素早く開始することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび制御方法から選択された所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定のコンテンツに対する制御方法の情報を外部機器に送信し、この外部機器から所定のコンテンツに対応した画像データを受信して所定のコンテンツの表示を行うものであり、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で可能とする。
【0021】
また、この発明によれば、外部機器から所定のコンテンツに対応したURL情報およびこの所定のコンテンツに対する制御方法の情報を受信し、URL情報に基づいてサーバにアクセスして所定のコンテンツのデータを取得すると共に、制御方法の情報に基づいて取得した所定のコンテンツのデータを処理するものであり、外部機器におけるウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての画像表示システム200の構成例を示すブロック図である。この画像表示システム200は、ネットワーク321に、ウィジェット(Widget)サーバ322、VOD(Video On Demand)サーバ323、テレビ受信機210およびIPTV(Internet Protocol Television)用のセットトップボックス(STB)250が接続されて構成されている。ネットワーク321は、インターネットやLAN(Local Area Network)などを含む構成とされ、接続されている機器同士のデータの授受が行われる際に用いられる。
【0023】
ウィジェットサーバ322は、ウィジェット(ウィジェット・カタログ)およびアプリケーション本体を配信する。ウィジェットには、コンテンツおよびコンテンツに対する制御方法が記載されている。VODサーバ323は、各アプリケーションで利用されるコンテンツを配信する。VODサーバ323が管理するコンテンツは、テキスト、画像等のデータである。
【0024】
セットトップボックス210およびテレビ受信機250は、HDMIケーブル351を介して接続されている。セットトップボックス210には、HDMI送信部(HDMITX)212が接続されたHDMI端子211が設けられている。テレビ受信機250には、HDMI受信部(HDMI RX)252が接続されたHDMI端子251が設けられている。HDMIケーブル351の一端はセットトップボックス210のHDMI端子211に接続され、このHDMIケーブル351の他端はテレビ受信機250のHDMI端子251に接続されている。
【0025】
図2は、IPTV用のセットトップボックス210の構成例を示している。このセットトップボックス210は、HDMI端子211と、HDMI送信部212と、CPU(Central Processing Unit)213と、CPUバス214と、フラッシュROM(Read Only Memory)215と、SDRAM(SynchronousDRAM)216と、リモコン受信部217と、リモコン送信機218と、IDEインタフェース219と、HDD(HardDisk Drive)220と、内部バス221と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)222と、ネットワーク端子223と、MPEG(Moving Picture Expert Group)デコーダ224と、グラフィック生成回路225と、映像出力端子226と、音声出力端子227とを有している。なお、「イーサネット」および「Ethernet」は登録商標である。
【0026】
HDMI送信部(HDMIソース)212は、HDMIに準拠した通信により、ベースバンドの映像(画像)と音声のデータを、HDMI端子2111からHDMIケーブル351に送出する。このHDMI送信部211の詳細は後述する。
【0027】
CPU213、フラッシュROM215、SDRAM216およびリモコン受信部217は、CPUバス214に接続されている。また、CPU213、IDEインタフェース219、イーサネットインタフェース222およびMPEGデコーダ224は、内部バス221に接続されている。
【0028】
CPU213は、セットトップボックス210の各部の動作を制御する。フラッシュROM215は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。SDRAM216は、CPU213のワークエリアを構成する。CPU213は、フラッシュROM215から読み出したソフトウェアやデータをSDRAM216上に展開してソフトウェアを起動させ、セットトップボックス210の各部を制御する。リモコン受信部217は、リモコン送信機218から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU213に供給する。CPU213は、リモコンコードに従ってセットトップボックス210の各部を制御する。
【0029】
HDD220は、VODサーバ323からのダウンロードデータを蓄積する。このHDD220は、IDEインタフェース219を介して内部バス221に接続されている。MPEGデコーダ224は、VODサーバ323からのストリーミングデータであるMPEG2ストリーム、あるいは、HDD220から再生されたMPEG2ストリームに対してデコード処理を行って映像データおよび音声データを得る。
【0030】
グラフィック生成回路225は、MPEGデコーダ224で得られた映像(画像)データに対して、必要に応じてグラフィックスデータの重畳処理等を行う。映像出力端子226は、グラフィック生成回路225から出力される映像データを出力する。音声出力端子227は、MPEGデコーダ224で得られた音声データを出力する。
【0031】
図2に示すセットトップボックス210の動作を簡単に説明する。
【0032】
CPU213は、HDMIケーブル351を介してテレビ受信機250から、所定のコンテンツのURL情報およびこの所定コンテンツの制御方法の情報が送られてくるとき、以下のような制御を行う。なお、この実施の形態において、テレビ受信機250からセットトップボックス210への上述した情報の送信は、制御データラインとしてのCECラインを用いて行われる。
【0033】
すなわち、CPU213は、URL情報に基づいて、VODサーバ323にアクセスして、所定のコンテンツのデータを取得する。そして、取得されたコンテンツのデータを、制御方法に基づいて処理をする。
【0034】
例えば、CPU213は、制御方法が「再生」である場合に、ネットワーク端子223からイーサネットインタフェース222を介して取得されたコンテンツデータ(MPEG2ストリーム)をMPEGデコーダ224に入力してデコードし、ベースバンドの画像および音声のデータを得る。そして、CPU213は、この画像および音声のデータを、HDMI送信部212からHDMI端子211を介してHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0035】
また、例えば、CPU213は、制御方法が「予約」である場合に、ネットワーク端子223からイーサネットインタフェース222を介して取得されたコンテンツデータ(MPEG2ストリーム)を、IDEインタフェース219に入力し、HDD220に蓄積する。
【0036】
また、例えば、CPU213は、制御方法が「詳細表示」である場合には、ウェブブラウザ(Web Browser)を起動し、ネットワーク端子223からイーサネットインタフェース222を介して取得されたコンテンツデータに基づいて、例えば、テキスト情報および動画サムネイルを表示する画像データを生成する。そして、CPU213は、この画像データを、HDMI送信部212からHDMI端子211を介してHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0037】
図3は、テレビ受信機250の構成例を示している。このテレビ受信機250は、HDMI端子251と、HDMI受信部252と、アンテナ端子255と、デジタルチューナ256と、デマルチプレクサ257と、MPEGデコーダ258と、映像信号処理回路259と、グラフィック生成回路260と、パネル駆動回路261と、表示パネル262と、音声信号処理回路263と、音声増幅回路264と、スピーカ265と、内部バス270と、CPU271と、フラッシュROM272と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)273と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)274と、ネットワーク端子275と、リモコン受信部276と、リモコン送信機277とを有している。
【0038】
アンテナ端子255は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ256は、アンテナ端子255に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームを出力する。デマルチプレクサ257は、デジタルチューナ256で得られたトランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応した、パーシャルTS(Transport Stream)(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)を抽出する。
【0039】
また、デマルチプレクサ257は、デジタルチューナ256で得られたトランスポートストリームから、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)を取り出し、CPU271に出力する。デジタルチューナ256で得られたトランスポートストリームには、複数のチャネルが多重化されている。デマルチプレクサ257で、当該トランスポートストリームから任意のチャネルのパーシャルTSを抽出する処理は、PSI/SI(PAT/PMT)から当該任意のチャネルのパケットID(PID)の情報を得ることで可能となる。
【0040】
MPEGデコーダ258は、デマルチプレクサ257で得られる映像データのTSパケットにより構成される映像PES(Packetized Elementary Stream)パケットに対してデコード処理を行って映像データを得る。また、MPEGデコーダ258は、デマルチプレクサ257で得られる音声データのTSパケットにより構成される音声PESパケットに対してデコード処理を行って音声データを得る。
【0041】
映像信号処理回路259およびグラフィック生成回路260は、MPEGデコーダ258で得られた映像データに対して、必要に応じてマルチ画面処理、グラフィックスデータの重畳処理等を行う。グラフィック生成回路260は、例えば、後述するウィジェットの表示画面等のユーザインタフェース画面を作成する。パネル駆動回路261は、グラフィック生成回路260から出力される映像(画像)データに基づいて、表示パネル262を駆動する。
【0042】
表示パネル262は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma DisplayPanel)等で構成されている。音声信号処理回路263はMPEGデコーダ258で得られた音声データに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路264は、音声信号処理回路263から出力される音声信号を増幅してスピーカ265に供給する。
【0043】
CPU271は、テレビ受信機250の各部の動作を制御する。フラッシュROM272は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM273は、CPU271のワークエリアを構成する。CPU271は、フラッシュROM272から読み出したソフトウェアやデータをDRAM273上に展開してソフトウェアを起動させ、テレビ受信機250の各部を制御する。
【0044】
リモコン受信部276は、リモコン送信機277から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU271に供給する。CPU271は、このリモコンコードに基づいて、テレビ受信機250の各部を制御する。ネットワーク端子275は、ネットワークに接続する端子であり、イーサネットインタフェース274に接続される。CPU271、フラッシュROM272、DRAM273およびイーサネットインタフェース274は、内部バス270に接続されている。
【0045】
HDMI受信部(HDMIシンク)252は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル351を介してHDMI端子251に供給されるベースバンドの映像(画像)と音声のデータを受信する。このHDMI受信部252の詳細は後述する。
【0046】
図3に示すテレビ受信機250の動作を簡単に説明する。
【0047】
アンテナ端子255に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ256に供給される。このデジタルチューナ256では、テレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームが出力され、当該所定のトランスポートストリームはデマルチプレクサ257に供給される。このデマルチプレクサ257では、トランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応した、パーシャルTS(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)が抽出され、当該パーシャルTSはMPEGデコーダ258に供給される。
【0048】
MPEGデコーダ258では、映像データのTSパケットにより構成される映像PESパケットに対してデコード処理が行われて映像データが得られる。この映像データは、映像信号処理回路259およびグラフィック生成回路260において、必要に応じてマルチ画面処理、グラフィックスデータの重畳処理等が行われた後に、パネル駆動回路261に供給される。そのため、表示パネル262には、ユーザの選択チャネルに対応した画像が表示される。
【0049】
また、MPEGデコーダ258では、音声データのTSパケットにより構成される音声PESパケットに対してデコード処理が行われて音声データが得られる。この音声データは、音声信号処理回路263でD/A変換等の必要な処理が行われ、さらに、音声増幅回路264で増幅された後に、スピーカ265に供給される。そのため、スピーカ265から、ユーザの選択チャネルに対応した音声が出力される。
【0050】
また、HDMI受信部252では、HDMI端子251にHDMIケーブル351を介して接続されているセットトップボックス210から送信されてくる、映像(画像)データおよび音声データが取得される。この映像データおよび音声データは、それぞれ、映像信号処理回路259および音声信号処理回路263に供給される。以降は、上述したテレビ放送信号の受信時と同様の動作となり、表示パネル262に画像が表示され、スピーカ265から音声が出力される。
【0051】
図4は、図1のAVシステム200における、セットトップボックス210のHDMI送信部(HDMIソース)212と、テレビ受信機250のHDMI受信部(HDMIシンク)252の構成例を示している。
【0052】
HDMIソース212は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMIシンク252に一方向に送信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMIシンク252に一方向に送信する。
【0053】
すなわち、HDMIソース212は、HDMIトランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252に、一方向にシリアル伝送する。
【0054】
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2でHDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252に、一方向にシリアル伝送する。
【0055】
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
【0056】
HDMIシンク252は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMIソース212から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMIソース212から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0057】
すなわち、HDMIシンク252は、HDMIレシーバ82を有する。レシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIソース212から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、同じくHDMIソース212からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
【0058】
HDMIソース212とHDMIシンク252とからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、HDMIソース212からHDMIシンク252に対して、画素データおよび音声データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。
【0059】
DDC83は、HDMIケーブル351に含まれる図示せぬ2本の信号線からなり、HDMIソース212が、HDMIケーブル351を介して接続されたHDMIシンク252から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
【0060】
すなわち、HDMIシンク252は、レシーバ82の他に、自身の性能(Configuration/capability)に関する性能情報であるE−EDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)85を有している。HDMIソース212は、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252から、当該HDMIシンク252のE−EDIDを、DDC83を介して読み出し、そのE−EDIDに基づき、HDMIシンク212の性能の設定、すなわち、例えば、HDMIシンク252を有する電子機器が対応している画像のフォーマット(プロファイル)、例えば、RGB、YCbCr4:4:4、YCbCr4:2:2等を認識する。
【0061】
CECライン84は、HDMIケーブル351に含まれる図示せぬ1本の信号線からなり、HDMIソース212とHDMIシンク252との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。
【0062】
また、HDMIケーブル351には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるライン86が含まれている。ソース機器は、当該ライン86を利用して、シンク機器の接続を検出することができる。また、HDMIケーブル351には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられるライン87が含まれている。さらに、HDMIケーブル351には、リザーブライン88が含まれている。
【0063】
図5は、図4のHDMIトランスミッタ81とHDMIレシーバ82の構成例を示している。
【0064】
トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。そして、エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、B成分(B component)はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分(Gcomponent)はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分(R component)はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0065】
また、補助データとしては、例えば、音声データや制御パケットがあり、制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、音声データは、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。
【0066】
さらに、制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0067】
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0068】
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0069】
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0070】
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0071】
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0072】
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0073】
レシーバ82は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。そして、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、さらにデコードして出力する。
【0074】
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0075】
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0076】
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0077】
図6は、HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で各種の伝送データが伝送される伝送区間(期間)の例を示している。なお、図6は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が720×480画素のプログレッシブの画像が伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。
【0078】
HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間(VideoData period)、データアイランド区間(Data Island period)、およびコントロール区間(Control period)の3種類の区間が存在する。
【0079】
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(active edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間であり、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
【0080】
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する720画素×480ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
【0081】
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。
【0082】
すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
【0083】
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0084】
ここで、現行のHDMIでは、TMDSクロックチャネルで伝送されるピクセルクロックの周波数は、例えば165MHzであり、この場合、データアイランド区間の伝送レートは約500Mbps程度である。
【0085】
図7は、HDMI端子101,201aのピン配列を示している。このピン配列はタイプA(type-A)と呼ばれている。
【0086】
TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i-が伝送される差動線である2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDSData#i-が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
【0087】
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。また、E−EDID等のSDA(SerialData)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続され、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
【0088】
また、上述したようにソース機器110がシンク機器120の接続を検出するためのライン86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するためのライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。
【0089】
図1に示す画像表示システム200の動作を説明する。セットトップボックス210およびテレビ受信機250は、例えば、パワーオン時に、ウィジェットサーバ322にアクセスし、予め登録されているウィジェットおよびアプリケーション本体を受信する。この場合、セットトップボックス210およびテレビ受信機250で受信されるウィジェットおよびアプリケーション本体は同じものとされる。
【0090】
ここで、ウィジェットには、コンテンツおよびこのコンテンツに対する制御方法が記載されている。なお、ウィジェットには、各コンテンツに対応して、当該コンテンツのデータをVODサーバ323から取得する際に使用されるURL(Uniform Resource Locator)も記載されている。
【0091】
セットトップボックス210およびテレビ受信機252は、それぞれ、ウィジェットを受信した後に、同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応関係を示すテーブルを作成する。図8は、テーブルの一例を示している。
【0092】
コンテンツIDのフォーマットについて説明する。なお、ここでは、VOD会社は、一日一回の頻度で更新を行うことを前提としている。このコンテンツIDは、例えば、コンテンツの日付+ISP(Internet Services Provider)のVender ID+コンテンツ番号の10文字のデータとされる。
【0093】
制御IDのフォーマットについて説明する。この制御IDは、例えば、1文字のデータとされる。「0」は、“コンテンツの再生を開始する”を意味する。「1」は、“コンテンツの詳細情報を表示する”を意味する。「2」は、“コンテンツがダウンロード可能な場合、ダウンロードをバックグランドで行うように予約する”を意味する。
【0094】
図8において、「07082400710」は、“2007年8月24日の007のISPの1番目のコンテンツを再生する”を意味する。また、「07082400721」は、“2007年8月24日の007のISPの2番目のコンテンツの詳細情報を表示する”を意味する。また、「07082400732」は、“2007年8月24日の007のISPの3番目のコンテンツを予約する”を意味する。
【0095】
次に、テレビ受信機250は、ウィジェットに記載されている、コンテンツおよびこのコンテンツに対する制御方法を画面上に表示する。図9は、画面340上におけるウィジェットの表示例を示している。この例は、ウィジェットに、3つの動画コンテンツと、それぞれのコンテンツに対する制御方法が記載されていた場合の例である。ウィジェットの表示部341には、3つの動画コンテンツをそれぞれ示すサムネイルが表示されており、各サムネイルの下側に制御方法を示す「再生」、「詳細」、「予約」の文字が表示されている。なお、表示部342はテレビ放送等の動画の表示部を示している。上述していないが、上述したように受信されるウィジェットには、サムネイルデータも含まれている。
【0096】
次に、画面340上のウィジェットの表示に基づいて、ユーザがいずれかのコンテンツを選択するとき、テレビ受信機250は、選択された所定コンテンツに対応した、同期用ID(コンテンツID+制御ID)を、セットトップボックス211に送信する。この場合、テレビ受信機250は、当該同期用IDを、CECラインを用いて送信する。
【0097】
ここで、例えば、図9のウィジェットの表示で、左側のコンテンツをユーザが選択した場合には、コンテンツID+制御IDの組みあわせ情報として、「07082400710」の11文字の情報が送信される。また、図9のウィジェットの表示で、中央のコンテンツをユーザが選択した場合には、コンテンツID+制御IDの組みあわせ情報として、「07082400721」の11文字の情報が送信される。また、図9のウィジェットの表示で、右側のコンテンツをユーザが選択した場合には、コンテンツID+制御IDの組みあわせ情報として、「07082400732」の11文字の情報が送信される。
【0098】
セットトップボックス210は、テレビ受信機250から送られてくる同期用ID(コンテンツID+制御ID)を、CECラインを通じて受信する。そして、セットトップボックス210のCPU213は、以下のような制御を行う。
【0099】
すなわち、CPU213は、上述した同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応関係を示すテーブル(図8参照)を参照して、テレビ受信機250から送られてきたコンテンツIDから、テレビ受信機250側で選択された所定コンテンツに対応したURLを認識する。そして、CPU213は、認識したURL基づいて、VODサーバ323にアクセスして、所定コンテンツのデータを取得する。そして、CPU213は、この所定のコンテンツのデータを、テレビ受信機250から送られてきた制御IDで示される制御方法に基づいて処理をする。
【0100】
例えば、例えば、制御方法が「再生」である場合、CPU213は、ネットワーク端子223からイーサネットインタフェース222を介して取得された所定コンテンツのデータ(MPEG2ストリーム)をMPEGデコーダ224に入力してデコードし、ベースバンドの画像および音声のデータを得る。そして、CPU213は、この画像および音声のデータを、HDMI送信部212からHDMI端子211を介してHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0101】
また、例えば、制御方法が「予約」である場合、CPU213は、ネットワーク端子223からイーサネットインタフェース222を介して取得されたコンテンツデータ(MPEG2ストリーム)を、IDEインタフェース219に入力し、HDD220に蓄積する。
【0102】
また、例えば、制御方法が「詳細表示」である場合、CPU213は、ウェブブラウザ(Web Browser)を起動し、ネットワーク端子223からイーサネットインタフェース222を介して取得されたコンテンツデータに基づいて、例えば、テキスト情報および動画サムネイルを表示する画像データを生成する。そして、この画像データを、HDMI送信部212からHDMI端子211を介してHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0103】
テレビ受信機250は、セットトップボックス210から送信されてくる画像および音声のデータを、HDMI受信部252で受信し、画像表示および音声出力を行う。これにより、テレビ受信機250では、選択された所定コンテンツの制御方法が再生である場合には、当該所定コンテンツの再生が行われる。また、テレビ受信機250では、選択された所定コンテンツの制御方法が詳細表示である場合には、当該所定コンテンツの詳細がテキスト、動画サムネイルにより表示される。
【0104】
なお、テレビ受信機250は、選択された所定コンテンツの制御方法が予約である場合、再生操作を行うことで、セットトップボックス210に蓄積されていた所定コンテンツの画像および音声のデータを、HDMI受信部252によりケーブル351を介して取得でき、当該所定コンテンツの再生を行うことができる。
【0105】
図10を参照して図9のウィジェットの表示で左側のコンテンツが選択される場合の処理シーケンスを説明する、図9のウィジェットの表示で左側のコンテンツが選択される場合の処理シーケンスを説明する。
【0106】
テレビ受信機250は、ステップST1でパワーオンとなると、ステップST2でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信し、ステップST3で同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成する。
【0107】
セットトップボックス210も同様に、ステップST11でパワーオンとなると、ステップST12でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信し、ステップST13で同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成する。
【0108】
テレビ受信機250は、ユーザにより制御方法が「再生」である所定コンテンツの選択があると、ステップST4で、この所定コンテンツに対応した同期用IDを、HDMIケーブル351のCECラインを用いて、セットトップボックス210に送信する。そして、テレビ受信機250は、ステップST5で、IPTVに入力切り替えを行う。すなわち、HDMI受信部252で受信された画像および音声のデータによる出力状態に切り替える。
【0109】
セットトップボックス210は、ステップST14でHDMケーブル351のCECラインを通じて、テレビ受信機250から同期用IDを受信する。そして、ステップST15で対応テーブルを参照してURLを取得する。そして、ステップST16で再生を開始する。すなわち、取得したURLに基づいてVODサーバ323をアクセスして所定のコンテンツのデータ(MPEG2ストリーム)をストリーミングし、当該データをデコードして得られた画像および音声のデータを、HDMI送信部212からHDMIケーブル351を介してテレビ受信機250に送信する。
【0110】
テレビ受信機250は、ステップST6で、セットトップボックス210からHDMIケーブル351を介して送られてくる画像および音声のベースバンドデータをHDMI受信部252で受信し、コンテンツを表示する。すなわち、受信した画像データによる画像を表示パネル262に表示し、受信した音声データによる音声をスピーカ265から出力する。
【0111】
図11は、テレビ受信機250の表示パネル262における画面表示例を示している。
図11(a)は、ステップST2でウィジェットを受信した後の画面であり、表示部341にウィジェットが表示されている。なお、表示部342には、テレビ放送画像が表示されている。図11(b),(c)は、ステップST5でコンテンツを再生している状態の画面である。図11(b)では、画面340上に拡大された表示部342のみが存在し、この表示部342に再生画像が表示されている。図11(c)では、図11(a)と同様に、画面340上に、表示部341および表示部342が存在し、表示部342に再生画像が表示されている。ユーザは、図11(b)または図11(c)の表示態様を任意に選択できる。
【0112】
次に、図12を参照して、図9のウィジェットの表示で中央のコンテンツが選択される場合の処理シーケンスを説明する。ただし、コンテンツとして、テキスト情報の他に、動画サムネイル情報が存在する場合である。
【0113】
テレビ受信機250は、ステップST21でパワーオンとなると、ステップST22でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信し、ステップST23で同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成する。
【0114】
セットトップボックス210も同様に、ステップST31でパワーオンとなると、ステップST32でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信し、ステップST33で同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成する。
【0115】
テレビ受信機250は、ユーザにより制御方法が「詳細表示」である所定コンテンツの選択があると、ステップST24で、この所定コンテンツに対応した同期用IDを、HDMIケーブル351のCECラインを用いて、セットトップボックス210に送信する。 セットトップボックス210は、ステップST34でHDMケーブル351のCECラインを通じて、テレビ受信機250から同期用IDを受信する。そして、ステップST35で対応テーブルを参照してURLを取得する。そして、ステップST36で取得したURLに基づいてVODサーバ323をアクセスして所定のコンテンツの動画サムネイルデータ(MPEG2ストリーム)をストリーミングする。
【0116】
そして、セットトップボックス210は、ステップST37で、ウェブブラウザを起動し、テキスト情報と詳細表示用の動画サムネイルを表示する画像データを生成し、当該画像データを、HDMIケーブル351を介してテレビ受信機250に送信する。
【0117】
テレビ受信機250は、ステップST25で、セットトップボックス210からHDMIケーブル351を介して送られてくる画像データをHDMI受信部252で受信し、表示パネル262の画面上に詳細表示を行う。
【0118】
図13は、テレビ受信機250の表示パネル262における画面表示例を示している。
図13(a)は、ステップST22でウィジェットを受信した後の画面であり、表示部341にウィジェットが表示されている。なお、表示部342には、テレビ放送画像が表示されている。図13(b),(c),(d)は、ステップST25で詳細表示を行っている状態の画面である。図13(b)では、テレビ放送画像が表示されていた表示部342に詳細表示がされている。図13(c)では、ウィジェットが表示されていた表示部341が下方に拡大されて詳細表示がされている。図13(d)では、表示部342の一部を覆うように新たな表示部343が設けられ、当該表示部343に詳細表示がされている。ユーザは、図13(a)〜図13(c)の表示態様を任意に選択できる。
【0119】
次に、図14を参照して、図9のウィジェットの表示で中央のコンテンツが選択される場合の処理シーケンスを説明する。ただし、コンテンツとして、テキスト情報のみが存在する場合である。
【0120】
テレビ受信機250は、ステップST41でパワーオンとなると、ステップST42でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信する。
【0121】
テレビ受信機250は、ユーザにより制御方法が「詳細表示」である所定コンテンツの選択があると、ステップST43で、ウェブブラウザを起動し、ステップST44で、所定コンテンツに対応したURLに基づいてVODサーバ323にアクセスして、表示パネル262の画面上に詳細表示を行う(図13(a)〜図13(c)参照)。
【0122】
このように、コンテンツとしてテキスト情報のみが存在する場合には、テレビ受信機250自体がVODサーバ323にアクセスして、詳細表示を行う。
【0123】
次に、図15を参照して、図9のウィジェットの表示で右側のコンテンツが選択される場合の処理シーケンスを説明する。
【0124】
テレビ受信機250は、ステップST51でパワーオンとなると、ステップST52でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信し、ステップST53で同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成する。
【0125】
セットトップボックス210も同様に、ステップST61でパワーオンとなると、ステップST62でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信し、ステップST63で同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成する。
【0126】
テレビ受信機250は、ユーザにより制御方法が「予約」である所定コンテンツの選択があると、ステップST54で、この所定コンテンツに対応した同期用IDを、HDMIケーブル351のCECラインを用いて、セットトップボックス210に送信する。
【0127】
セットトップボックス210は、ステップST64でHDMケーブル351のCECラインを通じて、テレビ受信機250から同期用IDを受信する。そして、ステップST65で対応テーブルを参照してURLを取得する。そして、セットトップボックス210は、ステップST66で、取得したURLに基づいてVODサーバ323をアクセスして所定のコンテンツのデータ(MPEG2ストリーム)をダウンロードして、HDD220に蓄積する。
【0128】
セットトップボックス210は、ステップST67で、ダウンロードをしている間はダウンロード中のステータスを繰り返しCECラインを介してテレビ受信機250に送信し、ダウンロード完了後はダウンロード完了のステータスをCECラインを介してテレビ受信機250に送信する。
【0129】
テレビ受信機250は、セットトップボックス210から送られてくるステータスに基づいて、ウィジェットの表示部341に、「予約」の文字に代えて、ダウンロード中は「準備中」の文字を表示し、ダウンロード完了後は「再生」の文字を表示する。
【0130】
図16は、テレビ受信機250の表示パネル262における画面表示例を示している。
図16(a)は、ステップST52でウィジェットを受信した後の画面であり、表示部341にウィジェットが表示されている。なお、表示部342には、テレビ放送画像が表示されている。図16(b)は、ステップST55におけるダウンロード中の画面表示を示し、ウィジェットの表示部341に「準備中」の文字が表示されている。図16(c)は、ステップST55におけるダウンロード完了後の画面表示を示し、ウィジェットの表示部341に「再生」の文字が表示されている。
【0131】
上述したように、図1に示す画像表示システム200においては、テレビ受信機250で受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび制御方法から選択された所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定コンテンツに対する制御方法の情報がセットトップボックス210に送信される。
【0132】
そして、セットトップボックス210では、その情報に基づいて所定のコンテンツの再生等の処理が行われる。そして、テレビ受信機250では、制御方法が「再生」、「詳細表示」の場合には、セットトップボックス210から所定のコンテンツに対応した画像データが受信されて、所定のコンテンツの内容(画像、テキスト等)が表示される。
【0133】
したがって、図1に示す画像表示システム200においては、コンテンツの再生等の処理はセットトップボックス210が担うため、テレビ受信機250では、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で実現できる。
【0134】
また、図1に示す画像表示システム200においては、テレビ受信機250からセットトップボックス210に送信される、所定のコンテンツに対応したURL情報は、URL自体ではなく、当該所定のコンテンツを特定するデータ量の少ないコンテンツIDとされている。また、図1に示す画像表示システム200においては、テレビ受信機250からセットトップボックス210に送信される、所定のコンテンツに対応した制御方法の情報は、コマンド自体ではなく、当該コマンドを特定するデータ量の少ない制御IDとされている。そのため、CECラインのデータ転送レートは低いが、URL情報の送信時間は短く、セットトップボックス210に再生等の処理を素早く開始させることができる。
【0135】
具体的には、HDMI−CEC 1.3a2における転送速度は、仕様として500bits/sec以下とされ、最大の速度は理論値で約377bits/secである。例えば、100文字のURLを送信するのにかかる時間は、以下のようになる。
100[文字]*8[bit]/377[bps]=2.12[sec]
【0136】
実際には、CECでは、データを16byte のサイズに分割して送信する必要があり、かつ最大10個となっている。よって、エラーを防ぐためにCRCやCheck sumを付加して送信することになると、上記以上の時間がURLの伝送およびコマンド送信に少なくともかかることになり、現実的な時間内には操作が終了せず、快適な操作感は得られなかった。
【0137】
しかし、図1に示す画像表示システム200においては、テレビ受信機250からセットトップボックス210に、URLを送信する代わりに10文字のコンテンツIDを送り、コマンドの代わりに1文字の制御IDを送るため、CECラインで送信したとしても、送信時間を短く、ユーザは、快適な操作感を得ることができる。
【0138】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図17は、他の実施の形態としての画像表示システム200Aの構成例を示している。この図17において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
【0139】
この画像表示システム200Aは、図1に示す画像表示システム200におけるセットトップボックス210、テレビ受信機250の代わりに、セットトップボックス210A、テレビ受信機250Aを有している。これらセットトップボックス210Aおよびテレビ受信機250Aは、ネットワーク321に接続されている。
【0140】
セットトップボックス210Aおよびテレビ受信機250Aは、HDMIケーブル351を介して接続されている。セットトップボックス210Aには、HDMI送信部(HDMITX)212と、通信部を構成する高速データラインインタフェース(I/F)212Aとが接続されたHDMI端子211が設けられている。
【0141】
また、テレビ受信機250Aには、HDMI受信部(HDMIRX)252と、通信部を構成する高速データラインインタフェース(I/F)252Aとが接続されたHDMI端子251が設けられている。HDMIケーブル351の一端はセットトップボックス210AのHDMI端子211に接続され、このHDMIケーブル351の他端はテレビ受信機250AのHDMI端子251に接続されている。
【0142】
上述の図1に示す画像表示システム200では、テレビ受信機250からセットトップボックス210に、所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定コンテンツに対する制御方法の情報として、データ量の少ない同期用ID(コンテンツID+制御ID)を、制御データラインであるCECラインを用いて送信する。しかし、この図17に示す画像表示システム200Aでは、テレビ受信機250Aからセットトップボックス210Aに、所定のコンテンツに対応したURL情報およびその所定コンテンツに対する制御方法の情報として、URL自体およびコマンド自体を、高速データラインを用いて、高速に送信する。
【0143】
図18は、セットトップボックス210Aの構成例を示している。この図18において、図2と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。このセットトップボックス210Aは、図2に示すセットトップボックス210に、さらに、高速データラインインタフェース(I/F)212Aを付加したものである。
【0144】
高速データラインインタフェース212Aは、HDMIケーブル351を構成する所定のラインを用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース212Aは、イーサネットインタフェース222とHDMI端子211との間に挿入されている。この高速データラインインタフェース212Aは、CPU213から供給される送信データを、HDMI端子211からHDMIケーブル351を介して相手側の機器に送信する。また、この高速データラインインタフェース212Aは、HDMIケーブル351からHDMI端子211を介して相手側の機器から受信された受信データを、CPU213に供給する。この高速データラインインタフェース212Aの詳細は後述する。
【0145】
詳細説明は省略するが、図18に示すセットトップボックス210Aのその他の構成、および動作は、上述した図2に示すセットトップボックス210と同様である。
【0146】
図19は、テレビ受信機250Aの構成例を示している。この図19において、図3と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。このテレビ受信機250Aは、図3に示すセットトップボックス250に、さらに、高速データラインインタフェース(I/F)252Aを付加したものである。
【0147】
高速データラインインタフェース252Aは、上述したセットトップボックス210Aの高速データラインインタフェース212Aと同様に、HDMIケーブル351を構成する所定のラインを用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース252Aは、イーサネットインタフェース274とHDMI端子251との間に挿入されている。この高速データラインインタフェース252Aは、CPU271から供給される送信データを、HDMI端子251からHDMIケーブル351を介して相手側の機器に送信する。また、この高速データラインインタフェース252Aは、HDMIケーブル351からHDMI端子251を介して相手側の機器から受信された受信データをCPU271に供給する。この高速データラインインタフェース252Aの詳細は後述する。
【0148】
詳細説明は省略するが、図19に示すテレビ受信機250Aのその他の構成、および動作は、上述した図3に示すテレビ受信機250と同様である。
【0149】
図20は、図17の画像表示システム200Aにおける、セットトップボックス210Aの高速データラインインタフェース212Aと、テレビ受信機250Aの高速データラインインタフェース252Aの構成例を示している。これらインタフェース212A,252Aは、LAN(Local Area Network)通信を行う通信部を構成する。この通信部は、HDMIケーブル351を構成する複数のラインのうち、1対の差動ライン、この実施の形態においては、空き(Reserve)ピン(14ピン)に対応したリザーブライン(Ether−ライン)、およびHPDピン(19ピン)に対応したHPDライン(Ether+ライン)を用いて、通信を行う。
【0150】
セットトップボックス210Aは、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416、プルアップ抵抗421、ローパスフィルタを構成する抵抗422および容量423、比較器424、プルダウン抵抗431、ローパスフィルタを形成する抵抗432および容量433、並びに比較器434を有している。ここで、高速データラインインタフェース212Aは、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416により構成されている。
【0151】
電源線(+5.0V)と接地線との間には、プルアップ抵抗421、AC結合容量413、終端抵抗412、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の直列回路が接続される。AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、LAN信号送信回路411の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の正入力側に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、LAN信号送信回路411の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の負入力側に接続される。LAN信号送信回路411の入力側には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。
【0152】
また、減算回路416の正側端子には、LAN信号受信回路415の出力信号SG412が供給され、この減算回路416の負側端子には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。この減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算され、受信信号(受信データ)SG413が得られる。
【0153】
また、プルアップ抵抗421およびAC結合容量413の互いの接続点Q1は、抵抗422および容量423の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗422および容量423の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器424の一方の入力端子に供給される。この比較器424では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref1(+3.75V)と比較される。この比較器424の出力信号SG414はCPU213に供給される。
【0154】
また、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の互いの接続点Q2は、抵抗432および容量433の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗432および容量433の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器434の一方の入力端子に供給される。この比較器434では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref2(+1.4V)と比較される。この比較器434の出力信号SG415は、CPU213に供給される。
【0155】
テレビ受信機250Aは、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446、プルダウン抵抗451、ローパスフィルタを構成する抵抗452および容量453、比較器454、チョークコイル461、抵抗462、並びに抵抗463を有している。ここで、高速データラインインタフェース212Aは、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446により構成されている。
【0156】
電源線(+5.0V)と接地線との間には、抵抗462および抵抗463の直列回路が接続される。そして、この抵抗462と抵抗463の互いの接続点と、接地線との間には、チョークコイル461、AC結合容量444、終端抵抗442、AC結合容量443およびプルダウン抵抗451の直列回路が接続される。
【0157】
AC結合容量443と終端抵抗442の互いの接続点P3は、LAN信号送信回路441の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の正入力側に接続される。また、AC結合容量444と終端抵抗442の互いの接続点P4は、LAN信号送信回路441の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の負入力側に接続される。LAN信号送信回路441の入力側には、送信信号(送信データ)SG417が供給される。
【0158】
また、減算回路446の正側端子には、LAN信号受信回路445の出力信号SG418が供給され、この減算回路446の負側端子には、送信信号SG417が供給される。この減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算され、受信信号(受信データ)SG419が得られる。
【0159】
また、プルダウン抵抗451およびAC結合容量443の互いの接続点Q3は、抵抗452および容量453の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗452および容量453の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器454の一方の入力端子に供給される。この比較器454では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref3(+1.25V)と比較される。この比較器454の出力信号SG416は、CPU271に供給される。
【0160】
HDMIケーブル351に含まれるリザーブライン501およびHPDライン502は、差動ツイストペアを構成している。リザーブライン501のソース側端511はHDMI端子211の14ピンに接続され、当該リザーブライン501のシンク側端はHDMI端子251の14ピンに接続される。また、HPDライン502のソース側端512はHDMI端子211の19ピンに接続され、当該HPDライン502のシンク側端522はHDMI端子251の19ピンに接続される。
【0161】
セットトップボックス210Aにおいて、上述したプルアップ抵抗421とAC結合容量413の互いの接続点Q1はHDMI端子211の14ピンに接続され、また、上述したプルダウン抵抗431とAC結合容量414の互いの接続点Q2はHDMI端子211の19ピンに接続される。一方、テレビ受信機250Aにおいて、上述したプルダウン抵抗451とAC結合容量443の互いの接続点Q3はHDMI端子251の14ピンに接続され、また、上述したチョークコイル461とAC結合容量444の互いの接続点Q4はHDMI端子251の19ピンに接続される。
【0162】
次に、上述したように構成された高速データラインインタフェース212A,252AによるLAN通信の動作を説明する。
【0163】
セットトップボックス210Aにおいて、CPU213から出力される送信信号(送信データ)SG411はLAN信号送信回路411の入力側に供給され、このLAN信号送信回路411から送信信号SG411に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。そして、LAN信号送信回路411から出力される差動信号は、接続点P1,P2に供給され、HDMIケーブル351の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、テレビ受信機250Aに送信される。
【0164】
また、テレビ受信機250Aにおいて、CPU271から出力される送信信号(送信データ)SG417はLAN信号送信回路441の入力側に供給され、このLAN信号送信回路441から送信信号SG417に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。そして、LAN信号送信回路441から出力される差動信号は、接続点P3,P4に供給され、HDMIケーブル351の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、セットトップボックス210Aに送信される。
【0165】
また、セットトップボックス210Aにおいて、LAN信号受信回路415の入力側は接続点P1,P2に接続されていることから、当該LAN信号受信回路415の出力信号SG412として、LAN信号送信回路411から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにテレビ受信機250Aから送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算される。そのため、この減算回路416の出力信号SG413は、テレビ受信機250Aの送信信号(送信データ)SG417に対応したものとなる。
【0166】
また、テレビ受信機250Aにおいて、LAN信号受信回路445の入力側は接続点P3,P4に接続されていることから、当該LAN信号受信回路445の出力信号SG418として、LAN信号送信回路441から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにセットトップボックス210Aから送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算される。そのため、この減算回路446の出力信号SG419は、セットトップボックス210Aの送信信号(送信データ)SG411に対応したものとなる。
【0167】
このように、セットトップボックス210Aの高速データラインインタフェース212Aと、テレビ受信機250Aの高速データラインインタフェース252Aとの間では、双方向のLAN通信を行うことができる。
【0168】
図20に示す構成例によれば、1本のHDMIケーブル351で映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が1対の差動伝送路を介した双方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知されることから、物理的にSCLライン、SDAラインをLAN通信につかわない空間的分離を行うことが可能となる。その結果、その分割によりDDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
【0169】
なお、図20において、HPDライン502は、上述のLAN通信の他に、DCバイアスレベルで、HDMIケーブル351がテレビ受信機250Aに接続されたことをセットトップボックス210Aに伝達する。すなわち、テレビ受信機250A内の抵抗462,463とチョークコイル461は、HDMIケーブル351がテレビ受信機250Aに接続されるとき、HPDライン502を、HDMI端子251の19ピンを介して、約4Vにバイアスする。セットトップボックス210Aは、HPDライン502のDCバイアスを、抵抗432と容量433からなるローパスフィルタで抽出し、比較器434で基準電圧Vref2(例えば、1.4V)と比較する。
【0170】
HDMI端子211の19ピンの電圧は、HDMIケーブル351がテレビ受信機250Aに接続されていなければ、プルダウン抵抗431が存在するために基準電圧Vref2より低く、逆に、HDMIケーブル351がテレビ受信機250Aに接続されていれば基準電圧Vref2より高い。したがって、比較器434の出力信号SG415は、HDMIケーブル351がテレビ受信機250Aに接続されているときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、セットトップボックス210AのCPU213は、比較器434の出力信号SG415に基づいて、HDMIケーブル351がテレビ受信機250Aに接続されたか否かを認識できる。
【0171】
また、図20において、リザーブライン501のDCバイアス電位で、HDMIケーブル351の両端に接続された機器が、LAN通信が可能な機器(以下、「e−HDMI対応機器」という)であるか、LAN通信が不可能な機器(以下、「e−HDMI非対応機器」かを、相互に認識する機能を有している。
【0172】
上述したように、セットトップボックス210Aはリザーブライン501を抵抗421でプルアップ(+5V)し、テレビ受信機250Aはリザーブライン501を抵抗451でプルダウンする。抵抗421,451は、e−HDMI非対応機器には存在しない。
【0173】
セットトップボックス210Aは、上述したように、比較器424で、抵抗422および容量423からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref1と比較する。テレビ受信機250Aが、e−HDMI対応機器でプルダウン抵抗451があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、テレビ受信機250Aが、e−HDMI非対応機器でプルダウン抵抗451がないときには、リザーブライン501の電圧がプルアップ抵抗421の存在により5Vとなる。
【0174】
そのため、基準電圧Vref1が例えば3.75Vとされることで、比較器424の出力信号SG414は、テレビ受信機250Aがe−HDMI対応機器であるときは低レベルとなり、そうでないときは高レベルとなる。これにより、セットトップボックス210AのCPU213は、比較器424の出力信号SG414に基づいて、テレビ受信機250Aがe−HDMI対応機器であるか否かを認識できる。
【0175】
同様に、テレビ受信機250Aは、上述したように、比較器454で、抵抗452および容量453からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref3と比較する。セットトップボックス210Aが、e−HDMI対応機器でプルアップ抵抗421があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、セットトップボックス210Aが、e−HDMI非対応機器でプルアップ抵抗421がないときには、リザーブライン501の電圧がプルダウン抵抗451の存在により0Vとなる。
【0176】
そのため、基準電圧Vref3が例えば1.25Vとされることで、比較器454の出力信号SG416は、セットトップボックス210Aがe−HDMI対応機器であるときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、テレビ受信機250AのCPU271は、比較器454の出力信号SG416に基づいて、セットトップボックス210Aがe−HDMI対応機器であるか否かを認識できる。
【0177】
図17に示す画像表示システム200Aは、テレビ受信機250Aからセットトップボックス210Aに送信される所定のコンテンツに対応したURL情報はURL自体であると共に、所定のコンテンツに対応した制御方法の情報はコマンド自体とされる。そして、これらURLおよびコマンドは、テレビ受信機250Aからセットトップボックス210Aに上述の高速データラインを用いて高速で送信される。詳細説明は省略するが、この図17に示す画像表示システム200Aのその他の動作は、図1に示す画像表示システム200と同様である。
【0178】
図21を参照して、図9のウィジェットの表示で左側のコンテンツが選択される場合の処理シーケンスを説明する。
【0179】
テレビ受信機250Aは、ステップST71でパワーオンとなると、ステップST72でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信する。セットトップボックス210Aも同様に、ステップST81でパワーオンとなると、ステップST82でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信する。
【0180】
テレビ受信機250Aは、ユーザにより制御方法が「再生」である所定コンテンツの選択があると、ステップST73で当該所定コンテンツに対応したURLとコマンドを、高速データラインを用いて、セットトップボックス210Aに送信する。
【0181】
そして、テレビ受信機250Aは、ステップST74でIPTVに入力切り替えを行う。すなわち、HDMI受信部252で受信された画像および音声のデータによる出力状態に切り替える。
【0182】
セットトップボックス210Aは、ステップST83で、高速データラインを通じて、テレビ受信機250Aから所定コンテンツに対応したURLとコマンドを受信する。そして、セットトップボックス210Aは、ステップST84で再生を開始する。すなわち、セットトップボックス210Aは、受信したURLに基づいてVODサーバ323をアクセスして所定のコンテンツのデータ(MPEG2ストリーム)をストリーミングし、当該データをデコードして得られた画像および音声のデータを、HDMI送信部212からHDMIケーブル351を介してテレビ受信機250Aに送信する。
【0183】
テレビ受信機250Aは、ステップST76で、セットトップボックス210AからHDMIケーブル351を介して送られてくる画像および音声のベースバンドデータをHDMI受信部252で受信し、コンテンツを表示する。すなわち、受信した画像データによる画像を表示パネル262に表示し、受信した音声データによる音声をスピーカ265から出力する。
【0184】
上述したように、図17に示す画像表示システム200Aにおいては、コンテンツの再生等の処理はセットトップボックス210Aが担うため、図1に示す画像表示システム200と同様に、テレビ受信機250Aでは、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等を簡単な構成で実現できる。
【0185】
また、図17に示す画像表示システム200Aにおいては、テレビ受信機250Aからセットトップボックス210Aに、URL情報、制御方法の情報としてURL、コマンドが送信される。しかし、これらURLおよびコマンドの送信は高速データラインを用いて行われることから、URL、コマンドのデータ量が多い場合であっても、送信時間は短く、セットトップボックス210Aに再生等の処理を素早く開始させることができる。また、このようにURLおよびコマンドを用いるので、テレビ受信機250A、セットトップボックス210Aは、図1に示す画像表示システム200のテレビ受信機250、セットトップボックス210とは異なり、同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応テーブルを生成することは不要となる。
【0186】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。図22は、実施の形態としての画像表示システム200Bの構成例を示している。この図22において、図17と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。図22に示す画像表示システム200Bは、携帯電話機等の携帯端末機324を、テレビ受信機250Aのリモコン送信機277として使用した例である。
【0187】
この画像表示システム200Bでは、テレビ受信機250Aでウィジェットを受信するのではなく、携帯端末機324でウィジェットが受信される。ユーザは、この携帯端末機324におけるウィジェットの表示に基づいて、所定のコンテンツを選択する。そして、この携帯端末機324からテレビ受信機250Aを通じてセットトップボックス210Aに、選択された所定コンテンツに対応したURLおよびコマンドが送信される。
【0188】
図23を参照して、ウィジェットの表示からユーザがコンテンツ(再生)を選択する場合の処理シーケンスを説明する。
【0189】
携帯端末機324は、ステップST91でパワーオンとなると、ステップST92でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェットを受信する。テレビ受信機250Aは、ステップST101でパワーオンとなる。セットトップボックス210Aは、ステップST111でパワーオンとなると、ステップST112でウィジェットサーバ322にアクセスしてウィジェット(アプリケーション本体も含む)を受信する。
【0190】
携帯端末機324は、ユーザにより制御方法が「再生」である所定コンテンツの選択があると、ステップST73で当該所定コンテンツに対応したURLおよびコマンドを、リモコン信号としてテレビ受信機250Aに送信する。テレビ受信機250Aは、ステップST102で受信したURLおよびコマンドを、高速データラインを介して、セットトップボックス210Aに転送する。そして、テレビ受信機250Aは、ステップST103でIPTVに入力切り替えを行う。すなわち、HDMI受信部252で受信された画像および音声のデータによる出力状態に切り替える。
【0191】
セットトップボックス210Aは、ステップST113で、高速データラインを通じて、テレビ受信機250Aから所定コンテンツに対応したURLとコマンドを受信する。そして、セットトップボックス210Aは、ステップST114で再生を開始する。すなわち、セットトップボックス210Aは、受信したURLに基づいてVODサーバ323をアクセスして所定のコンテンツのデータ(MPEG2ストリーム)をストリーミングし、当該データをデコードして得られた画像および音声のデータを、HDMI送信部212からHDMIケーブル351を介してテレビ受信機250Aに送信する。
【0192】
テレビ受信機250Aは、ステップST104で、セットトップボックス210AからHDMIケーブル351を介して送られてくる画像および音声のベースバンドデータをHDMI受信部252で受信し、コンテンツを表示する。すなわち、受信した画像データによる画像を表示パネル262に表示し、受信した音声データによる音声をスピーカ265から出力する。
【0193】
図22に示す画像表示システム200Bにおいては、上述した図17に示す画像表示システム200Aと同様の作用効果を得ることができる。さらに、図22に示す画像表示システム200Bにおいては、テレビ受信機250Aはウィジェットを受信する機能が不要となり、より簡単な構成とできる。
【0194】
なお、図17に示す画像表示システム200においては、双方向通信を行う通信部がHDMIケーブル351のリザーブライン(Ether−ライン)およびHPDライン(Ether+ライン)を用いて構成されるものを示したが、双方向通信を行う通信部の構成は、これに限定されるものではない。以下に、その他の構成例を説明する。以下の例では、セットトップボックス210Aをソース機器とし、テレビ受信機250Aをシンク機器として説明する。
【0195】
図24は、CECライン84、およびリザーブライン88を用いて、半二重通信方式によるIP通信を行う例である。なお、図24において図4と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0196】
ソース機器の高速データラインインタフェース212Aは、変換部131、復号部132、スイッチ133、切り換え制御部121、およびタイミング制御部122を有している。変換部131には、ソース機器とシンク機器との間での双方向のIP通信により、ソース機器からシンク機器に送信されるデータである、Txデータが供給される。
【0197】
変換部131は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、供給されたTxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換する。また、変換部131は、変換により得られた差動信号をCECライン84、およびリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。すなわち、変換部131は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をCECライン84、より詳細にはソース機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のCECライン84に接続される信号線を介してスイッチ133に供給し、差動信号を構成する他方の部分信号をリザーブライン88、より詳細には、ソース機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のリザーブライン88に接続される信号線、およびリザーブライン88を介してシンク機器に供給する。
【0198】
復号部132は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、CECライン84およびリザーブライン88に接続されている。復号部132は、タイミング制御部122の制御に基づいて、CECライン84およびリザーブライン88を介してシンク機器から送信されてきた差動信号、つまりCECライン84上の部分信号およびリザーブライン88上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるRxデータに復号して出力する。ここで、Rxデータとは、ソース機器とシンク機器との間での双方向のIP通信により、シンク機器からソース機器に送信されるデータである。
【0199】
スイッチ133には、データを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)からのCEC信号、または変換部131からのTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、シンク機器からのCEC信号、またはシンク機器からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ133は、切り換え制御部121からの制御に基づいて、制御部(CPU)からのCEC信号、もしくはシンク機器からのCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、もしくはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0200】
すなわち、スイッチ133は、ソース機器がシンク機器にデータを送信するタイミングにおいて、制御部(CPU)から供給されたCEC信号、または変換部131から供給された部分信号のうちのいずれかを選択し、選択したCEC信号または部分信号を、CECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0201】
また、スイッチ133は、ソース機器がシンク機器から送信されてきたデータを受信するタイミングにおいて、CECライン84を介してシンク機器から送信されてきたCEC信号、またはRxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したCEC信号または部分信号を、制御部(CPU)または復号部132に供給する。
【0202】
切り換え制御部121はスイッチ133を制御して、スイッチ133に供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ133を切り換える。タイミング制御部122は、復号部132による差動信号の受信のタイミングを制御する。
【0203】
また、シンク機器の高速データラインインタフェース252Aは、変換部134、復号部136、スイッチ135、切り換え制御部124、およびタイミング制御部123を有している。変換部134は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、変換部134にはRxデータが供給される。変換部134は、タイミング制御部123の制御に基づいて、供給されたRxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換し、変換により得られた差動信号をCECライン84およびリザーブライン88を介してソース機器に送信する。
【0204】
すなわち、変換部134は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をCECライン84、より詳細にはシンク機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のCECライン84に接続される信号線を介してスイッチ135に供給し、差動信号を構成する他方の部分信号をリザーブライン88、より詳細には、シンク機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のリザーブライン88に接続される信号線、およびリザーブライン88を介してソース機器に供給する。
【0205】
スイッチ135には、データを受信するタイミングにおいて、ソース機器からのCEC信号、またはソース機器からのTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを送信するタイミングにおいて、変換部134からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはシンク機器の制御部(CPU)からのCEC信号が供給される。スイッチ135は、切り換え制御部124からの制御に基づいて、ソース機器からのCEC信号、もしくは制御部(CPU)からのCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、若しくはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0206】
すなわち、スイッチ135は、シンク機器がソース機器にデータを送信するタイミングにおいて、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたCEC信号、または変換部134から供給された部分信号のうちのいずれかを選択し、選択したCEC信号または部分信号を、CECライン84を介してソース機器に送信する。
【0207】
また、スイッチ135は、シンク機器がソース機器から送信されてきたデータを受信するタイミングにおいて、CECライン84を介してソース機器から送信されてきたCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したCEC信号または部分信号を、制御部(CPU)または復号部136に供給する。
【0208】
復号部136は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、CECライン84およびリザーブライン88に接続されている。復号部136は、CECライン84およびリザーブライン88を介してソース機器から送信されてきた差動信号、つまりCECライン84上の部分信号およびリザーブライン88上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるTxデータに復号して出力する。
【0209】
切り換え制御部124はスイッチ135を制御して、スイッチ135に供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ135を切り換える。タイミング制御部123は、変換部134による差動信号の送信のタイミングを制御する。
【0210】
図25は、CECライン84およびリザーブライン88と、SDA信号が伝送される信号線(SDAライン)およびSCL信号が伝送される信号線(SCLライン)とを用いて、全二重通信方式によるIP通信を行う例である。なお、図25において図24と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0211】
ソース機器の高速データラインインタフェース212Aは、変換部131、スイッチ133、スイッチ181、スイッチ182、復号部183、切り換え制御部121および切り換え制御部171を有している。
【0212】
スイッチ181には、データを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)からのSDA信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、シンク機器からのSDA信号、またはシンク機器からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ181は、切り換え制御部171からの制御に基づいて、制御部(CPU)からのSDA信号、もしくはシンク機器からのSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0213】
すなわち、スイッチ181は、ソース機器がシンク機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SDA信号が伝送される信号線であるSDAライン191を介してシンク機器から送信されてきたSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したSDA信号または部分信号を、制御部(CPU)または復号部183に供給する。
【0214】
また、スイッチ181は、ソース機器がシンク機器にデータを送信するタイミングにおいて、制御部(CPU)から供給されたSDA信号を、SDAライン191を介してシンク機器に送信するか、またはシンク機器に何も送信しない。
【0215】
スイッチ182には、データを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)からのSCL信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、シンク機器からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ182は、切り換え制御部171からの制御に基づいて、SCL信号またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号のうちのいずれかを選択して出力する。
【0216】
すなわち、スイッチ182は、ソース機器がシンク機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SCL信号が伝送される信号線であるSCLライン192を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給するか、または何も受信しない。
【0217】
また、スイッチ182は、ソース機器がシンク機器にデータを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)から供給されたSCL信号を、SCLライン192を介してシンク機器に送信するか、または何も送信しない。
【0218】
復号部183は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、SDAライン191およびSCLライン192に接続されている。復号部183は、SDAライン191およびSCLライン192を介してシンク機器から送信されてきた差動信号、つまりSDAライン191上の部分信号およびSCLライン192上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるRxデータに復号して出力する。
【0219】
切り換え制御部171はスイッチ181およびスイッチ182を制御して、スイッチ181およびスイッチ182のそれぞれについて、供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0220】
また、シンク機器を構成する高速データラインインタフェース252Aは、変換部184、スイッチ135、スイッチ185、スイッチ186、復号部136、切り換え制御部172および切り換え制御部124を有している。
【0221】
変換部184は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、変換部184にはRxデータが供給される。変換部184は、供給されたRxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換し、変換により得られた差動信号をSDAライン191およびSCLライン192を介してソース機器に送信する。すなわち、変換部184は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をスイッチ185を介してソース機器に送信し、差動信号を構成する他方の部分信号をスイッチ186を介してソース機器に送信する。
【0222】
スイッチ185には、データを送信するタイミングにおいて、変換部184からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはシンク機器の制御部(CPU)からのSDA信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、ソース機器からのSDA信号が供給される。スイッチ185は、切り換え制御部172からの制御に基づいて、制御部(CPU)からのSDA信号、もしくはソース機器からのSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0223】
すなわち、スイッチ185は、シンク機器がソース機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SDAライン191を介してソース機器から送信されてきたSDA信号を受信し、受信したSDA信号を制御部(CPU)に供給するか、または何も受信しない。
【0224】
また、スイッチ185は、シンク機器がソース機器にデータを送信するタイミングにおいて、制御部(CPU)から供給されたSDA信号、または変換部184から供給された部分信号を、SDAライン191を介してソース機器に送信する。
【0225】
スイッチ186には、データを送信するタイミングにおいて、変換部184からの、Rxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、ソース機器からのSCL信号が供給される。スイッチ186は、切り換え制御部172からの制御に基づいて、Rxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはSCL信号のうちのいずれかを選択して出力する。
【0226】
すなわち、スイッチ186は、シンク機器がソース機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SCLライン192を介してソース機器から送信されてきたSCL信号を受信し、受信したSCL信号を制御部(CPU)に供給するか、または何も受信しない。
【0227】
また、スイッチ186は、シンク機器がソース機器にデータを送信するタイミングにおいて、変換部184から供給された部分信号を、SCLライン192を介してソース機器に送信するか、または何も送信しない。
【0228】
切り換え制御部172はスイッチ185およびスイッチ186を制御して、スイッチ185およびスイッチ186のそれぞれについて、供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0229】
ところで、ソース機器とシンク機器とがIP通信を行う場合に、半二重通信が可能であるか、全二重通信が可能であるかは、ソース機器およびシンク機器のそれぞれの構成によって定まる。そこで、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、半二重通信を行うか、全二重通信を行うか、またはCEC信号の授受による双方向通信を行うかの判定を行う。
【0230】
ソース機器が受信するE−EDIDは、例えば、図26に示すように、基本ブロックと拡張ブロックとからなる。
【0231】
E−EDIDの基本ブロックの先頭には、“E−EDID1.3 Basic Structure”で表されるE−EDID1.3の規格で定められたデータが配置され、続いて“Preferred timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、および“2nd timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つための“Preferred timing”とは異なるタイミング情報が配置されている。
【0232】
また、基本ブロックには、“2nd timing”に続いて、“Monitor NAME”で表される表示装置の名前を示す情報、および“Monitor Range Limits”で表される、アスペクト比が4:3および16:9である場合についての表示可能な画素数を示す情報が順番に配置されている。
【0233】
これに対して、拡張ブロックの先頭には、“Speaker Allocation”で表される左右のスピーカに関する情報が配置され、続いて“VIDEO SHORT”で表される、表示可能な画像サイズ、フレームレート、インターレースであるかプログレッシブであるかを示す情報、アスペクト比などの情報が記述されたデータ、“AUDIO SHORT”で表される、再生可能な音声コーデック方式、サンプリング周波数、カットオフ帯域、コーデックビット数などの情報が記述されたデータ、および“Speaker Allocation”で表される左右のスピーカに関する情報が順番に配置されている。
【0234】
また、拡張ブロックには、“Speaker Allocation”に続いて、“Vender Specific”で表されるメーカごとに固有に定義されたデータ、“3rd timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、および“4th timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報が配置されている。
【0235】
さらに、“Vender Specific”で表されるデータは、図27に示すデータ構造となっている。すなわち、“Vender Specific”で表されるデータには、1バイトのブロックである第0ブロック乃至第Nブロックが設けられている。
【0236】
“Vender Specific”で表されるデータの先頭に配置された第0ブロックには、“Vendor−Specific tag code(=3)”で表されるデータ“Vender Specific”のデータ領域を示すヘッダ、および“Length(=N)”で表されるデータ“Vender Specific”の長さを示す情報が配置される。
【0237】
また、第1ブロック乃至第3ブロックには、“24bit IEEE Registration Identifier(0x000C03)LSB first”で表されるHDMI(R)用として登録された番号“0x000C03“を示す情報が配置される。さらに、第4ブロックおよび第5ブロックには、”A“、”B“、”C“、および”D“のそれぞれにより表される、24bitのシンク機器の物理アドレスを示す情報が配置される。
【0238】
第6ブロックには、“Supports−AI”で表されるシンク機器が対応している機能を示すフラグ、“DC−48bit”、“DC−36bit”、および“DC−30bit”のそれぞれで表される1ピクセル当たりのビット数を指定する情報のそれぞれ、“DC−Y444”で表される、シンク機器がYCbCr4:4:4の画像の伝送に対応しているかを示すフラグ、および“DVI−Dual”で表される、シンク機器がデュアルDVI(Digital Visual Interface)に対応しているかを示すフラグが配置されている。
【0239】
また、第7ブロックには、“Max−TMDS−Clock”で表されるTMDSのピクセルクロックの最大の周波数を示す情報が配置される。さらに、第8ブロックには、“Latency”で表される映像と音声の遅延情報の有無を示すフラグ、“Full Duplex”で表される全二重通信が可能であるかを示す全二重フラグ、および“Half Duplex”で表される半二重通信が可能であるかを示す半二重フラグが配置されている。
【0240】
ここで、たとえばセットされている(たとえば“1”に設定されている)全二重フラグは、シンク機器が全二重通信を行う機能を有している、つまり図25に示した構成とされることを示しており、リセットされている(たとえば“0”に設定されている)全二重フラグは、シンク機器が全二重通信を行う機能を有していないことを示している。
【0241】
同様に、セットされている(たとえば“1”に設定されている)半二重フラグは、シンク機器が半二重通信を行う機能を有している、つまり図24に示した構成とされることを示しており、リセットされている(たとえば“0”に設定されている)半二重フラグは、シンク機器が半二重通信を行う機能を有していないことを示している。
【0242】
また、“Vender Specific”で表されるデータの第9ブロックには、“Video Latency”で表されるプログレッシブの映像の遅延時間データが配置され、第10ブロックには、“Audio Latency”で表される、プログレッシブの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。さらに、第11ブロックには、“Interlaced Video Latency”で表されるインターレースの映像の遅延時間データが配置され、第12ブロックには、“Interlaced Audio Latency”で表される、インターレースの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。
【0243】
ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDに含まれている全二重フラグおよび半二重フラグに基づいて、半二重通信を行うか、全二重通信を行うか、またはCEC信号の授受による双方向通信を行うかの判定を行い、その判定結果にしたがって、シンク機器との双方向の通信を行う。
【0244】
例えば、ソース機器が図24に示した構成とされている場合、ソース機器は、図24に示したシンク機器とは半二重通信を行うことができるが、図25に示したシンク機器とは半二重通信を行うことができない。そこで、ソース機器は、ソース機器の電源がオンされると通信処理を開始し、ソース機器に接続されたシンク機器の有する機能に応じた双方向の通信を行う。
【0245】
以下、図28のフローチャートを参照して、図24に示したソース機器による通信処理について説明する。
【0246】
ステップS11において、ソース機器は、ソース機器に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。例えば、ソース機器は、HPDライン86が接続されるHot Plug Detectと呼ばれるピンに対して付加された電圧の大きさに基づいて、新たな電子機器(シンク機器)が接続されたか否かを判定する。
【0247】
ステップS11において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。これに対して、ステップS11において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS12において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時においてソース機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてシンク機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
【0248】
ステップS13において、ソース機器は、DDC83を介してシンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。すなわち、シンク機器は、ソース機器の接続を検出するとEDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、DDC83を介してソース機器に送信するので、ソース機器は、シンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。
【0249】
ステップS14において、ソース機器は、シンク機器との半二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、図27の半二重フラグ“Half Duplex”がセットされているか否かを判定し、例えば、半二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、半二重通信方式による双方向のIP通信、つまり半二重通信が可能であると判定する。
【0250】
ステップS14において、半二重通信が可能であると判定された場合、ステップS15において、ソース機器は、双方向の通信に用いるチャネルを示すチャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信方式によるIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0251】
すなわち、半二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、シンク機器が図24に示した構成であり、CECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信が可能であることが分かるので、チャネル情報をシンク機器に送信して、半二重通信を行う旨を通知する。
【0252】
ステップS16において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてシンク機器からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
【0253】
ステップS17において、ソース機器の各部は、半二重通信方式により、シンク機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部131は、制御部(CPU)から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133に供給し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。スイッチ133は、変換部131から供給された部分信号を、CECライン84を介してシンク機器に送信する。これにより、Txデータに対応する差動信号が、ソース機器からシンク機器に送信される。
【0254】
また、データの受信時において、復号部132は、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ133は、CECライン84を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部132に供給する。復号部132は、スイッチ133から供給された部分信号、およびリザーブライン88を介してシンク機器から供給された部分信号からなる差動信号を、タイミング制御部122の制御に基づいて、元のデータであるRxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0255】
これにより、ソース機器は、シンク機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0256】
また、ステップS14において、半二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS18において、ソース機器は、CEC信号の送受信を行うことで、シンク機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0257】
すなわち、データの送信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介して、CEC信号をシンク機器に送信し、データの受信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器から送信されてきたCEC信号を受信することで、シンク機器との制御データの授受を行う。
【0258】
このようにして、ソース機器は、半二重フラグを参照し、半二重通信が可能なシンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88を用いて半二重通信を行う。
【0259】
このように、スイッチ133を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、シンク機器と、CECライン84およびリザーブラインを用いた半二重通信、つまり半二重通信方式によるIP通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0260】
また、ソース機器と同様に、シンク機器も、電源がオンされると通信処理を開始し、ソース機器との双方向の通信を行う。
【0261】
以下、図29のフローチャートを参照して、図24に示したシンク機器による通信処理について説明する。
【0262】
ステップS41において、シンク機器は、シンク機器に新たな電子機器(ソース機器)が接続されたか否かを判定する。例えば、シンク機器は、HPDライン86が接続されたHot Plug Detectと呼ばれるピンに対して付加された電圧の大きさに基づいて、新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。
【0263】
ステップS41において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。これに対して、ステップS41において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS42において、切り換え制御部124はスイッチ135を制御し、データの送信時において、シンク機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0264】
ステップS43において、シンク機器は、EDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、DDC83を介してソース機器に送信する。
【0265】
ステップS44において、シンク機器は、ソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信したか否かを判定する。
【0266】
すなわち、ソース機器からは、ソース機器およびシンク機器が有する機能に応じて、双方向の通信のチャネルを示すチャネル情報が送信されてくる。例えば、ソース機器が図24に示すように構成される場合、ソース機器とシンク機器とは、CECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信が可能である。そのため、ソース機器からシンク機器には、CECライン84およびリザーブライン88を用いたIP通信を行う旨のチャネル情報が送信されてくる。シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信し、チャネル情報を受信したと判定する。
【0267】
これに対して、ソース機器が半二重通信を行う機能を有していない場合、ソース機器からシンク機器には、チャネル情報が送信されてこないので、シンク機器は、チャネル情報を受信していないと判定する。
【0268】
ステップS44において、チャネル情報を受信したと判定された場合、処理はステップS45に進み、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの送信時において変換部134からのRxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0269】
ステップS46において、シンク機器は、半二重通信方式により、ソース機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部134は、タイミング制御部123の制御に基づいて、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ135に供給し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してソース機器に送信する。スイッチ135は、変換部134から供給された部分信号を、CECライン84を介してソース機器に送信する。これにより、Rxデータに対応する差動信号がシンク機器からソース機器に送信される。
【0270】
また、データの受信時において、復号部136は、ソース機器から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ135は、CECライン84を介してソース機器から送信されてきた、Txデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部136に供給する。復号部136は、スイッチ135から供給された部分信号、およびリザーブライン88を介してソース機器から供給された部分信号からなる差動信号を元のデータであるTxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0271】
これにより、シンク機器は、ソース機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0272】
また、ステップS44において、チャネル情報を受信していないと判定された場合、ステップS47において、シンク機器は、CEC信号の送受信を行うことでソース機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0273】
すなわち、データの送信時において、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介して、CEC信号をソース機器に送信し、データの受信時において、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたCEC信号を受信することで、ソース機器との制御データの授受を行う。
【0274】
このようにして、シンク機器は、チャネル情報を受信すると、シンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88を用いて半二重通信を行う。
【0275】
このように、シンク機器がスイッチ135を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、ソース機器とCECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0276】
また、ソース機器が図25に示す構成とされる場合、ソース機器は、通信処理において、E−EDIDに含まれる全二重フラグに基づいてシンク機器が全二重通信を行う機能を有しているかを判定し、その判定結果に応じた双方向の通信を行う。
【0277】
以下、図30のフローチャートを参照して、図25に示したソース機器による通信処理について説明する。
【0278】
ステップS71において、ソース機器は、ソース機器に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。ステップS71において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
【0279】
これに対して、ステップS71において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS72において、切り換え制御部171は、スイッチ181およびスイッチ182を制御し、データの送信時において、スイッチ181によりソース機器の制御部(CPU)からのSDA信号が選択され、スイッチ182によりソース機器の制御部(CPU)からのSCL信号が選択され、さらにデータの受信時において、スイッチ181によりシンク機器からのSDA信号が選択されるように、スイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0280】
ステップS73において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時においてソース機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてシンク機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
【0281】
ステップS74において、ソース機器は、DDC83のSDAライン191を介してシンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。すなわち、シンク機器は、ソース機器の接続を検出するとEDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、DDC83のSDAライン191を介してソース機器に送信するので、ソース機器は、シンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。
【0282】
ステップS75において、ソース機器は、シンク機器との全二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、図27の全二重フラグ“Full Duplex”がセットされているか否かを判定し、たとえば全二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、全二重通信方式による双方向のIP通信、つまり全二重通信が可能であると判定する。
【0283】
ステップS75において、全二重通信が可能であると判定された場合、ステップS76において、切り換え制御部171は、スイッチ181およびスイッチ182を制御し、データの受信時において、シンク機器からのRxデータに対応する差動信号が選択されるようにスイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0284】
すなわち、切り換え制御部171は、データの受信時において、シンク機器から送信されてくる、Rxデータに対応した差動信号を構成する部分信号のうち、SDAライン191を介して送信されてくる部分信号がスイッチ181により選択され、SCLライン192を介して送信されてくる部分信号がスイッチ182により選択されるように、スイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0285】
DDC83を構成するSDAライン191およびSCLライン192は、シンク機器からソース機器にE−EDIDが送信された後は利用されないので、つまりSDAライン191およびSCLライン192を介したSDA信号やSCL信号の送受信は行われないので、スイッチ181およびスイッチ182を切り換えて、SDAライン191およびSCLライン192を、全二重通信によるRxデータの伝送路として利用することができる。
【0286】
ステップS77において、ソース機器は、双方向の通信のチャネルを示すチャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いた全二重通信方式によるIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0287】
すなわち、全二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、シンク機器が図24に示した構成であり、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いた全二重通信が可能であることが分かるので、チャネル情報をシンク機器に送信して、全二重通信を行う旨を通知する。
【0288】
ステップS78において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。すなわち、切り換え制御部121は、変換部131からスイッチ133に供給された、Txデータに対応する差動信号の部分信号が選択されるようにスイッチ133を切り換える。
【0289】
ステップS79において、ソース機器は、全二重通信方式により、シンク機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部131は、ソース機器の制御部(CPU)から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133に供給し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。スイッチ133は、変換部131から供給された部分信号を、CECライン84を介してシンク機器に送信する。これにより、Txデータに対応する差動信号がソース機器からシンク機器に送信される。
【0290】
また、データの受信時において、復号部183は、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ181は、SDAライン191を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給する。また、スイッチ182は、SCLライン192を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の他方の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給する。復号部183は、スイッチ181およびスイッチ182から供給された部分信号からなる差動信号を、元のデータであるRxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0291】
これにより、ソース機器は、シンク機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0292】
また、ステップS75において、全二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS80において、ソース機器は、CEC信号の送受信を行うことでシンク機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0293】
すなわち、データの送信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介して、CEC信号をシンク機器に送信し、データの受信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器から送信されてきたCEC信号を受信することで、シンク機器との制御データの授受を行う。
【0294】
このようにして、ソース機器は、全二重フラグを参照し、全二重通信が可能なシンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いて全二重通信を行う。
【0295】
このように、スイッチ133、スイッチ181、およびスイッチ182を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、シンク機器とCECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いた全二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0296】
また、シンク機器が図25に示した構成とされる場合においても、シンク機器は、図24に示したシンク機器における場合と同様に、通信処理を行って、ソース機器との双方向の通信を行う。
【0297】
以下、図31のフローチャートを参照して、図25に示したシンク機器による通信処理について説明する。
【0298】
ステップS111において、シンク機器は、シンク機器に新たな電子機器(ソース機器)が接続されたか否かを判定する。ステップS111において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
【0299】
これに対して、ステップS111において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS112において、切り換え制御部172は、スイッチ185およびスイッチ186を制御し、データの送信時において、スイッチ185によりシンク機器の制御部(CPU)からのSDA信号が選択され、さらにデータの受信時において、スイッチ185によりソース機器からのSDA信号が選択され、スイッチ186によりソース機器からのSCL信号が選択されるように、スイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0300】
ステップS113において、切り換え制御部124はスイッチ135を制御し、データの送信時においてシンク機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0301】
ステップS114において、シンク機器は、EDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、スイッチ185およびDDC83のSDAライン191を介してソース機器に送信する。
【0302】
ステップS115において、シンク機器は、ソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信したか否かを判定する。
【0303】
すなわち、ソース機器からは、ソース機器およびシンク機器が有する機能に応じて、双方向の通信のチャネルを示すチャネル情報が送信されてくる。例えば、ソース機器が図25に示すように構成される場合、ソース機器とシンク機器とは全二重通信が可能であるので、ソース機器からシンク機器には、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いた全二重通信方式によるIP通信を行う旨のチャネル情報が送信されてくるので、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信し、チャネル情報を受信したと判定する。
【0304】
これに対して、ソース機器が全二重通信を行う機能を有していない場合、ソース機器からシンク機器には、チャネル情報が送信されてこないので、シンク機器は、チャネル情報を受信していないと判定する。
【0305】
ステップS115において、チャネル情報を受信したと判定された場合、処理はステップS116に進み、切り換え制御部172は、スイッチ185およびスイッチ186を制御し、データの送信時において変換部184からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0306】
ステップS117において、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの受信時においてソース機器からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0307】
ステップS118において、シンク機器は、全二重通信方式により、ソース機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部184は、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ185に供給し、他方の部分信号をスイッチ186に供給する。スイッチ185およびスイッチ186は、変換部184から供給された部分信号を、SDAライン191およびSCLライン192を介してソース機器に送信する。これにより、Rxデータに対応する差動信号がシンク機器からソース機器に送信される。
【0308】
また、データの受信時において、復号部136は、ソース機器から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ135は、CECライン84を介してソース機器から送信されてきた、Txデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部136に供給する。復号部136は、スイッチ135から供給された部分信号、およびリザーブライン88を介してソース機器から供給された部分信号からなる差動信号を元のデータであるTxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0309】
これにより、シンク機器は、ソース機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0310】
また、ステップS115において、チャネル情報を受信していないと判定された場合、ステップS119において、シンク機器は、CEC信号の送受信を行うことでソース機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0311】
このようにして、シンク機器は、チャネル情報を受信すると、シンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いて全二重通信を行う。
【0312】
このように、シンク機器がスイッチ135、スイッチ185、およびスイッチ186を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、ソース機器とCECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いた全二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0313】
なお、図25の例では、ソース機器は、CECライン84およびリザーブライン88に変換部131が接続され、SDAライン191およびSCLライン192に復号部183が接続された構成とされているが、CECライン84およびリザーブライン88に復号部183が接続され、SDAライン191およびSCLライン192に変換部131が接続された構成とされてもよい。
【0314】
そのような場合、スイッチ181およびスイッチ182がCECライン84およびリザーブライン88に接続されるとともに復号部183に接続され、スイッチ133がSDAライン191に接続されるとともに変換部131に接続される。
【0315】
また、図25のシンク機器についても同様に、CECライン84およびリザーブライン88に変換部184が接続され、SDAライン191およびSCLライン192に復号部136が接続された構成とされてもよい。そのような場合、スイッチ185およびスイッチ186がCECライン84およびリザーブライン88に接続されるとともに変換部184に接続され、スイッチ135がSDAライン191に接続されるとともに復号部136に接続される。
【0316】
さらに、図24において、CECライン84およびリザーブライン88が、SDAライン191およびSCLライン192とされてもよい。つまり、ソース機器の変換部131および復号部132と、シンク機器の変換部134および復号部136とがSDAライン191およびSCLライン192に接続され、ソース機器とシンク機器とが半二重通信方式によるIP通信を行うようにしてもよい。さらに、この場合、リザーブライン88を用いて電子機器の接続を検出するようにしてもよい。
【0317】
さらに、ソース機器およびシンク機器のそれぞれが、半二重通信を行う機能、および全二重通信を行う機能の両方を有するようにしてもよい。そのような場合、ソース機器およびシンク機器は、接続された電子機器の有する機能に応じて、半二重通信方式または全二重通信方式によるIP通信を行うことができる。
【0318】
ソース機器およびシンク機器のそれぞれが、半二重通信を行う機能、および全二重通信を行う機能の両方を有する場合、ソース機器およびシンク機器は、例えば、図32に示すように構成される。なお、図32において、図24または図25における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0319】
図32に示すソース機器の高速データラインインタフェース212Aは、変換部131、復号部132、スイッチ133、スイッチ181、スイッチ182、復号部183、切り換え制御部121、タイミング制御部122、および切り換え制御部171を有している。すなわち、図32のソース機器における高速データラインインタフェース212Aは、図25に示したソース機器における高速データラインインタフェース212Aに、図24のタイミング制御部122および復号部132がさらに設けられた構成とされている。
【0320】
また、図32に示すシンク機器の高速データラインインタフェース252Aは、変換部134、スイッチ135、復号部136、変換部184、スイッチ185、スイッチ186、タイミング制御部123、切り換え制御部124、および切り換え制御部172を有している。すなわち、図32のシンク機器は、図25に示したシンク機器に、図24のタイミング制御部123および変換部134がさらに設けられた構成とされている。
【0321】
次に、図32のソース機器およびシンク機器による通信処理について説明する。
【0322】
まず、図33のフローチャートを参照して、図32のソース機器による通信処理について説明する。なお、ステップS151乃至ステップS154の処理のそれぞれは、図30のステップS71乃至ステップS74の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
【0323】
ステップS155において、ソース機器は、シンク機器との全二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、図27の全二重フラグ“Full Duplex”がセットされているか否かを判定する。
【0324】
ステップS155において、全二重通信が可能であると判定された場合、すなわち図32、または図25に示したシンク機器がソース機器に接続されている場合、ステップS156において、切り換え制御部171は、スイッチ181およびスイッチ182を制御し、データの受信時において、シンク機器からのRxデータに対応する差動信号が選択されるようにスイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0325】
一方、ステップS155において、全二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS157において、ソース機器は、半二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、受信したE−EDIDを参照して、図27の半二重フラグ“Half Duplex”がセットされているか否かを判定する。換言すれば、ソース機器は、図24に示したシンク機器がソース機器に接続されたか否かを判定する。
【0326】
ステップS157において、半二重通信が可能であると判定された場合、またはステップS156において、スイッチ181およびスイッチ182が切り換えられた場合、ステップS158において、ソース機器は、チャネル情報を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0327】
ここで、ステップS155において全二重通信が可能であると判定された場合には、シンク機器は、全二重通信を行う機能を有しているので、ソース機器は、チャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いたIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0328】
また、ステップS157において半二重通信が可能であると判定された場合には、シンク機器は、全二重通信を行う機能は有していないが、半二重通信を行う機能を有しているので、ソース機器は、チャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88を用いたIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0329】
ステップS159において、切り換え制御部121は、スイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてシンク機器から送信されてくるRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。なお、ソース機器とシンク機器とが全二重通信を行う場合には、ソース機器におけるデータの受信時には、シンク機器から、CECライン84およびリザーブライン88を介してRxデータに対応する差動信号は送信されてこないので、復号部132には、Rxデータに対応する差動信号は供給されない。
【0330】
ステップS160において、ソース機器は、シンク機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、ソース機器がシンク機器と全二重通信を行う場合、および半二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部131は、ソース機器の制御部(CPU)から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。
【0331】
また、ソース機器がシンク機器と全二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部183は、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を、元のデータであるRxデータに復号して、制御部(CPU)に出力する。
【0332】
これに対して、ソース機器がシンク機器と半二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部132は、タイミング制御部122の制御に基づいて、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を、元のデータであるRxデータに復号して、制御部(CPU)に出力する。
【0333】
これにより、ソース機器は、シンク機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0334】
また、ステップS157において、半二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS161において、ソース機器は、CECライン84を介してCEC信号の送受信を行うことでシンク機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0335】
このようにして、ソース機器は、全二重フラグおよび半二重フラグを参照し、通信相手であるシンク機器の有する機能に応じて、全二重通信または半二重通信を行う。
【0336】
このように、通信相手であるシンク機器の有する機能に応じて、スイッチ133、スイッチ181、およびスイッチ182を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、全二重通信または半二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、より最適な通信方法を選択して、高速の双方向通信を行うことができる。
【0337】
次に、図34のフローチャートを参照して、図32のシンク機器による通信処理について説明する。なお、ステップS191乃至ステップS194の処理のそれぞれは、図31のステップS111乃至ステップS114の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
【0338】
ステップS195において、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信する。なお、シンク機器に接続されているソース機器が、全二重通信を行う機能も、半二重通信を行う機能も有していない場合には、ソース機器からシンク機器には、チャネル情報は送信されてこないので、シンク機器は、チャネル情報を受信しない。
【0339】
ステップS196において、シンク機器は、受信したチャネル情報に基づいて、全二重通信を行うか否かを判定する。たとえば、シンク機器は、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いたIP通信を行う旨のチャネル情報を受信した場合、全二重通信を行うと判定する。
【0340】
ステップS196において、全二重通信を行うと判定された場合、ステップS197において、切り換え制御部172は、スイッチ185およびスイッチ186を制御し、データの送信時において変換部184からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0341】
また、ステップS196において、全二重通信を行わないと判定された場合、ステップS198において、シンク機器は、受信したチャネル情報に基づいて、半二重通信を行うか否かを判定する。たとえば、シンク機器は、CECライン84およびリザーブライン88を用いたIP通信を行う旨のチャネル情報を受信した場合、半二重通信を行うと判定する。
【0342】
ステップS198において、半二重通信を行うと判定されるか、またはステップS197においてスイッチ185およびスイッチ186が切り換えられた場合、ステップS199において、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの送信時において、変換部134からのRxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0343】
なお、ソース機器とシンク機器とが全二重通信を行う場合、シンク機器におけるデータの送信時には、変換部134からトランスミッタ81にRxデータに対応する差動信号が送信されないので、スイッチ135には、Rxデータに対応する差動信号は供給されない。
【0344】
ステップS200において、シンク機器は、ソース機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。
【0345】
すなわち、シンク機器がソース機器と全二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部184は、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方を、スイッチ185およびSDAライン191を介してソース機器に送信し、他方の部分信号をスイッチ186およびSCLライン192を介してソース機器に送信する。
【0346】
また、シンク機器がソース機器と半二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部134は、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方を、スイッチ135およびCECライン84を介してトランスミッタ81に送信し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してソース機器に送信する。
【0347】
さらに、シンク機器がソース機器と全二重通信を行う場合、および半二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部136は、ソース機器から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を元のデータであるTxデータに復号して、制御部(CPU)に出力する。
【0348】
また、ステップS198において、半二重通信を行わないと判定された場合、すなわち、たとえばチャネル情報が送信されてこなかった場合、ステップS201において、シンク機器は、CEC信号の送受信を行うことでソース機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0349】
このようにして、シンク機器は、受信したチャネル情報に応じて、すなわち通信相手であるソース機器の有する機能に応じて全二重通信または半二重通信を行う。
【0350】
このように、通信相手であるソース機器の有する機能に応じて、スイッチ135、スイッチ185、およびスイッチ186を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、全二重通信または半二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、より最適な通信方法を選択して、高速の双方向通信を行うことができる。
【0351】
また、互いに差動ツイストペア結線されてシールドされ、グランド線に接地されたCECライン84およびリザーブライン88と、互いに差動ツイストペア結線されてシールドされ、グランド線に接地されたSDAライン191およびSCLライン192とが含まれているHDMIケーブル351により、ソース機器とシンク機器とを接続することで、従来のHDMIケーブルとの互換性を保ちつつ、半二重通信方式または全二重通信方式による高速の双方向のIP通信を行うことができる。
【0352】
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、たとえば、ソース機器、シンク機器を制御するマイクロコンピュータ等にインストールされる。
【0353】
そこで、図35は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0354】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−only Memory)305やROM303に予め記録しておくことができる。
【0355】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0356】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送し、あるいはLAN、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、入出力インタフェース306で受信し、内蔵するEEPROM305にインストールすることができる。
【0357】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)302を内蔵している。CPU302には、バス301を介して、入出力インタフェース306が接続されており、CPU302は、ROM(Read Only Memory)303やEEPROM305に格納されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)304にロードして実行する。これにより、CPU302は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。
【0358】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(たとえば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
【0359】
上述した図20に示す構成例は、DDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成できるものであったが、図36は、同様の効果を持つ他の構成例を示している。
【0360】
この例は、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が2対の差動伝送路を介する単方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくともひとつのDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知される構成を有し、さらに、少なくとも二つの伝送路がLAN通信とは時分割で接続機器情報の交換と認証の通信に使われることを特徴とする。
【0361】
ソース機器は、LAN信号送信回路611、終端抵抗612,613、AC結合容量614〜617、LAN信号受信回路618、インバータ620、抵抗621、ローパルスフィルタを形成する抵抗622および容量623、比較器624、プルダウン抵抗631、ローパスフィルタを形成する抵抗632および容量633、比較器634、NORゲート640、アナログスイッチ641〜644、インバータ645、アナログスイッチ646,747、DDCトランシーバ651,652、並びにプルアップ抵抗653,654を有している。
【0362】
また、シンク機器602は、LAN信号送信回路661、終端抵抗662,663、AC結合容量664〜667、LAN信号受信回路668、プルダウン抵抗671、ローパルスフィルタを形成する抵抗672および容量673、比較器674、チョークコイル681、電源電位と基準電位間に直列接続された抵抗682および683、アナログスイッチ691〜694、インバータ695、アナログスイッチ696,697、DDCトランシーバ701,702、並びにプルアップ抵抗703,704を有している。
【0363】
HDMIケーブル351の中には、リザーブライン801とSCLライン803からなる差動伝送路とSDAライン804とHPDライン802からなる差動伝送路があり、それらのソース側端子811と〜814、並びにシンク側端子821〜824が形成されている。
【0364】
リザーブライン801とSCLライン803、並びにSDAライン804とHPDライン802は、差動ツイストペアとして結線されている。
【0365】
ソース機器内で、端子811、813は、AC結合容量614、605およびアナログスイッチ641、642を介してLAN送信信号SG611をシンクに送信する送信回路611および終端抵抗612に接続されている。端子814,812は、AC結合容量616,617とアナログスイッチ643、644を介してシンク機器からのLAN信号を受信する受信回路618および終端抵抗613に接続されている。
【0366】
シンク機器内で、端子821〜824はAC結合容量664,665,666,667とアナログスイッチ691〜694を介して送信回路661および受信回路668と、終端抵抗662,663に接続されている。アナログスイッチ641〜644、691〜694はLAN通信を行うときに導通し、DDC通信を行うときは開放となる。
【0367】
ソース機器は、端子813と端子814を、別のアナログスイッチ646、647を介してDDCトランシーバ651、652およびプルアップ抵抗653、654に接続する。
【0368】
シンク機器は、端子823と端子824を、アナログスイッチ696、697を介してDDCトランシーバ701、702およびプルアップ抵抗703に接続する。アナログスイッチ646、647はDDC通信を行うときに導通し、LAN通信を行うときは開放にする。
【0369】
リザーブライン801の電位によるe−HDMI対応機器の認識機構は、ソース機器601の抵抗62がインバータ620に駆動されていること以外は、基本的に、図20に示す例と同様である。
【0370】
インバータ620の入力がHIGHのとき抵抗621はプルダウン抵抗となるのでシンク機器からみるとe−HDMI非対応機器がつながれたのと同じ0V状態になる。この結果、シンク機器のe−HDMI対応識別結果を示す信号SG623はLOWとなり、信号SG623で制御されるアナログスイッチ691〜694は開放され、信号SG623をインバータ695で反転した信号で制御されるアナログスイッチ696、697は導通する。この結果、シンク機器602はSCLライン803とSDAライン804をLAN送受信機から切り離し、DDC送受信機に接続した状態になる。
【0371】
一方、ソース機器ではインバータ620の入力がNORゲート640にも入力されてその出力SG614はLOWとされる。NORゲート640の出力信号SG614に制御されたアナログスイッチ641〜644は開放され、信号SG614をインバータ645で反転した信号で制御されるアナログスイッチ646、647は導通する。この結果、ソース機器601もSCLライン803とSDAライン804をLAN送受信機から切り離し、DDC送受信機に接続した状態になる。
【0372】
逆に、インバータ620の入力がLOWのときは、ソース機器もシンク機器もともにSCLライン803とSDAライン804をDDC送受信機から切り離し、LAN送受信機に接続した状態になる。
【0373】
HPDライン802のDCバイアス電位による接続確認のための回路631〜634、681〜683は、図20に示す例と同様の機能を有する。すなわち、HPDライン802は、上述のLAN通信の他にDCバイアスレベルでケーブル351がシンク機器に接続されたことをソース機器に伝達する。シンク機器内の抵抗682、683とチョークコイル681はケーブル351がシンク機器に接続されるとHPDライン802を、端子822を介して約4Vにバイアスする。
【0374】
ソース機器はHPDライン802のDCバイアスを抵抗632と容量633からなるローパスフィルタで抽出し、比較器634で基準電位Vref2(たとえば1.4V)と比較する。ケーブル351がシンク機器に接続されていなければ端子812の電位はプルダウン抵抗631で基準電位Vref2より低く、接続されていれば高い。したがって、比較器634の出力信号SG613がHIGHならばケーブル351とシンク機器が接続されていることを示す。一方、比較器634の出力信号SG613がLOWならばケーブル351とシンク機器が接続されていないことを示す。
【0375】
このように、図36に示す構成例によれば、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が2対の差動伝送路を介する単方向通信でおこなわれ、伝送路のうちの少なくともひとつのDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知される構成を有し、さらに、少なくとも二つの伝送路がLAN通信とは時分割で接続機器情報の交換と認証の通信に使われることから、SCLライン、SDAラインをスイッチでLAN通信回路に接続する時間帯とDDC回路に接続する時間帯に分ける時分割を行うことができ、この分割によりDDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
【0376】
なお、SDAとSCLはHが1.5KΩプルアップでLがローインピーダンスのプルダウンであり、CECもHが27KΩプルアップでLがローインピーダンスのプルダウンの通信を行なうものである。既存HDMIとのコンパチビリティを持つためにそれらの機能を保持することは、伝送線路の終端を整合終端する必要がある高速データ通信を行なうLANの機能を共有することは困難となるおそれがある。
【0377】
図20、図36の構成例は、このような問題を回避できる。すなわち、図20の構成例では、SDA、SCL、CECラインを使うのを避けてリザーブラインとHPDラインを差動のペアとして1対双方向通信による全二重通信を行うように構成した。また、図36の構成例では、HPDラインおよびSDAラインと、SCLラインおよびリザーブラインとで2対の差動ペアをつくり各々で単方向通信を行なう2対全二重通信を行うように構成した。
【0378】
図37(A)〜(E)は、図20、あるいは図36の構成例における双方向通信波形を示している。
【0379】
図37(A)はソース機器から送った信号波形を、図37(B)はシンク機器が受けた信号波形を、図37(C)はケーブルを通る信号波形を、図37(D)はソース機器が受けた信号を、図37(E)はソース機器から送った信号波形を、それぞれ示している。この図37からも明らかなように、図20、あるいは図36の構成例によれば、良好な双方向通信を実現可能である。
【0380】
なお、上述実施の形態においては、各機器を接続する伝送路として、HDMI規格のインタフェースを前提として説明したが、その他の同様な伝送規格にも適用可能である。また、上述実施の形態においては、電子機器間をHDMIケーブルで接続したものを示したが、この発明は、電子機器間の接続を無線で行うものにも、同様に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0381】
この発明は、ウィジェットで提供されるコンテンツの再生等の処理を行うテレビ受信機等の画像表示装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0382】
【図1】この発明の実施の形態としての画像表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】画像表示システムを構成するセットトップボックス(ソース機器)の構成例を示すブロック図である。
【図3】画像表示システムを構成するテレビ受信機(シンク機器)の構成例を示すブロック図である。
【図4】HDMI送信部(HDMIソース)とHDMI受信部(HDMIシンク)の構成例を示すブロック図である。
【図5】HDMIトランスミッタとHDMIレシーバの構成例を示すブロック図である。
【図6】TMDS伝送データの構造を示す図である。
【図7】HDMI端子のピン配列(タイプA)を示す図である。
【図8】同期用ID(コンテンツID+制御ID)とURLとの対応関係のテーブル例を示すである。
【図9】テレビ受信機の画面上におけるウィジェットの表示例を示す図である。
【図10】テレビ受信機のウィジェットの表示に基づいてコンテンツ(再生)が選択された場合の処理シーケンスを説明するための図である。
【図11】コンテンツ(再生)が選択された場合におけるテレビ受信機の画面表示例を示す図である。
【図12】テレビ受信機のウィジェットの表示に基づいてコンテンツ(詳細表示)が選択された場合の処理シーケンス(テキスト+動画サムネイル)を説明するための図である。
【図13】コンテンツ(詳細表示)が選択された場合におけるテレビ受信機の画面表示例を示す図である。
【図14】テレビ受信機のウィジェットの表示に基づいてコンテンツ(詳細表示)が選択された場合の処理シーケンス(テキスト)を説明するための図である。
【図15】テレビ受信機のウィジェットの表示に基づいてコンテンツ(予約)が選択された場合の処理シーケンス(テキスト)を説明するための図である。
【図16】コンテンツ(予約)が選択された場合におけるテレビ受信機の画面表示例を示す図である。
【図17】この発明の他の実施の形態としての画像表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図18】画像表示システムを構成するセットトップボックス(ソース機器)の構成例を示すブロック図である。
【図19】画像表示システムを構成するテレビ受信機(シンク機器)の構成例を示すブロック図である。
【図20】セットトップボックスおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースの構成例を示す接続図である。
【図21】テレビ受信機のウィジェットの表示に基づいてコンテンツ(再生)が選択された合の処理シーケンスを説明するための図である。
【図22】この発明のさらに他の実施の形態としての画像表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図23】テレビ受信機のウィジェットの表示に基づいてコンテンツ(再生)が選択された合の処理シーケンスを説明するための図である。
【図24】セットトップボックスおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースの他の構成例を示す接続図である。
【図25】セットトップボックスおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースのさらに他の構成例を示す接続図である。
【図26】ソース機器が受信するE−EDIDの構造を示す図である。
【図27】E−EDID Vendor Specific Data Block構造を示す図である。
【図28】ソース機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図29】シンク機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図30】ソース機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図31】シンク機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図32】ディスクレコーダおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースの他の構成例を示す接続図である。
【図33】ソース機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図34】シンク機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図35】この発明を適用したコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図36】セットトップボックスおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースのさらに他の構成例を示す接続図である。
【図37】双方向通信波形を示す図である。
【符号の説明】
【0383】
200,200A,200B・・・画像表示システム、210・・・セットトップボックス、211・・・HDMI端子、212・・・HDMI送信部、212A・・・高速データラインインタフェース、250・・・テレビ受信機、251・・・HDMI端子、252・・・HDMI受信部、252A・・・高速データラインインタフェース、321・・・ネットワーク、322・・・ウィジェットサーバ、323・・・VODサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバからウィジェットを受信するウィジェット受信部と、
上記ウィジェット受信部で受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび該コンテンツに対する制御方法を表示するウィジェット表示部と、
上記ウィジェット表示部による表示に基づいて選択された所定コンテンツに対応したURL情報および該所定コンテンツに対する制御方法の情報を外部機器に送信する情報送信部と、
上記情報送信部で送信された情報に基づいて上記外部機器で得られた上記所定コンテンツに対応した画像データを受信する画像データ受信部と、
上記画像データ受信部で受信された画像データに基づいて上記所定コンテンツの内容を表示する画像表示部と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記画像データ受信部は、上記他の電子機器から、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送られてくる、上記所定コンテンツに対応した画像データを受信し、
上記情報送信部は、上記所定のコンテンツに対応したURL情報として、該所定のコンテンツを特定するコンテンツIDを、上記伝送路を構成する制御データラインを用いて送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記コンテンツデータ受信部は、上記他の電子機器から、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送られてくる、上記所定コンテンツに対応した画像データを受信し、
上記伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部をさらに備え、
上記情報送信部は、上記所定のコンテンツに対応したURL情報として、URL自体を、上記通信部を用いて送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
サーバからウィジェットを受信するウィジェット受信ステップと、
上記ウィジェット受信ステップで受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび該コンテンツに対する制御方法を表示するウィジェット表示ステップと、
上記ウィジェット表示ステップによる表示に基づいて選択された所定コンテンツに対応したURL情報および該所定コンテンツに対する制御方法の情報を外部機器に送信する情報送信ステップと、
上記情報送信ステップで送信された情報に基づいて上記外部機器で得られた上記所定コンテンツに対応した画像データを受信する画像データ受信ステップと、
上記画像データ受信ステップで受信された画像データに基づいて上記所定コンテンツの内容を表示する画像表示ステップと
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【請求項5】
外部機器から所定のコンテンツに対応したURL情報および該所定のコンテンツに対する制御方法の情報を受信する情報受信部と、
上記情報受信部で受信された上記所定のコンテンツに対応したURL情報に基づいてサーバにアクセスして、該所定のコンテンツのデータを取得するデータ取得部と、
上記データ取得部で取得された上記所定のコンテンツのデータを、上記情報受信部で受信された上記制御方法の情報に基づいて処理するデータ処理部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
上記データ処理部は、上記制御方法の情報が再生を示すとき、
上記データ取得部で取得された上記所定のコンテンツの画像データを再生データとして、上記外部機器に送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
上記データ受信部は、上記制御方法の情報が詳細表示を示すとき、
上記データ取得部で取得された上記所定のコンテンツのデータに基づいて表示画像データを生成し、該表示画像データを上記外部機器に送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項8】
上記データ処理部は、上記制御方法の情報が予約を示すとき、
上記データ取得部で取得された上記所定のコンテンツの画像データを記録メディアに蓄積する
ことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項9】
上記データ処理部は、上記外部機器に、画像データを、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送信し、
上記情報受信部は、上記所定のコンテンツに対応したURL情報として、該所定のコンテンツを特定するコンテンツIDを、上記伝送路を構成する制御データラインを用いて受信し、
上記コンテンツIDとURLとの対応関係を示すテーブルをさらに備え、
上記データ取得部は、上記情報受信部で受信された上記所定のコンテンツに対応したURL情報としての上記コンテンツIDから上記テーブルを参照して上記所定のコンテンツに対応したURLを認識し、該URLに基づいてサーバにアクセスして、該所定のコンテンツのデータを取得する
ことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項10】
上記データ処理部は、上記外部機器に、画像データを、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して送信し、
上記伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部をさらに備え、
上記情報受信部は、上記所定のコンテンツに対応したURL情報として、URL自体を、上記通信部を用いて受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項11】
外部機器から所定のコンテンツに対応したURL情報および該所定のコンテンツに対する制御方法の情報を受信する情報受信ステップと、
上記情報受信ステップで受信された上記所定のコンテンツに対応したURL情報に基づいてサーバにアクセスして、該所定のコンテンツのデータを取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップで取得された上記所定のコンテンツのデータを、上記情報受信ステップで受信された上記制御方法の情報に基づいて処理するデータ処理ステップと
を備えることを特徴とする受信方法。
【請求項12】
サーバからウィジェットを受信するウィジェット受信部と、
上記ウィジェット受信部で受信されたウィジェットに記載されているコンテンツおよび該コンテンツに対する制御方法を表示するウィジェット表示部と、
上記ウィジェット表示部による表示に基づいて選択された所定コンテンツに対応したURL情報および該所定コンテンツに対する制御方法の情報を外部機器に送信する情報送信部と
を備えることを特徴する携帯端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2009−88941(P2009−88941A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255312(P2007−255312)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】