画像表示装置、画像表示方法、画像表示プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】軽い処理負荷により画像の拡大及び縮小の態様をユーザに直感的に認識させながら、画像を拡大及び縮小させて表示させる。
【解決手段】画像表示装置1は、ユーザによる連続的な指示入力により表示画面における任意の領域を囲む操作が行われると、それらの指示入力により示される位置を表す位置情報を取得する取得部11、取得された位置情報の軌跡により囲い領域を特定し、その囲い領域を選択領域として認識する認識部12、選択領域の範囲及び画像表示領域の範囲に基づき決定された拡大率に従って画像表示領域に表示された画像を拡大することを決定する決定部13、決定された拡大率に従って拡大した変換後画像の中心と画像表示領域の中心とを位置合わせしながら変換後画像を表示領域10aに表示させる表示制御部14を含む。これにより、ユーザは、画像における拡大させたいエリアを直感的に選択できる。
【解決手段】画像表示装置1は、ユーザによる連続的な指示入力により表示画面における任意の領域を囲む操作が行われると、それらの指示入力により示される位置を表す位置情報を取得する取得部11、取得された位置情報の軌跡により囲い領域を特定し、その囲い領域を選択領域として認識する認識部12、選択領域の範囲及び画像表示領域の範囲に基づき決定された拡大率に従って画像表示領域に表示された画像を拡大することを決定する決定部13、決定された拡大率に従って拡大した変換後画像の中心と画像表示領域の中心とを位置合わせしながら変換後画像を表示領域10aに表示させる表示制御部14を含む。これにより、ユーザは、画像における拡大させたいエリアを直感的に選択できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、画像表示方法、画像表示プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像を表示する装置において、画像上で入力装置を介して矩形のエリアを入力すると、選択されたエリアが拡大表示されるものがあった。例えば、下記非特許文献1では、地図の表示に際して「ドラッグ&ズーム」機能が提供されている。この機能によれば、地図上においてユーザがマウスによりドラッグ操作をすることにより、ポインタのドラッグの軌跡を対角線とする矩形に囲まれたエリアが拡大表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Googleマップ”、[online]、[2011年7月20日検索]、インターネット〈URL:http://maps.google.com/maps?showlabs=1〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、ユーザが拡大させることを所望するエリアの選択操作中において、選択されている範囲をユーザに対して直感的に認識させるために、ドラッグ操作中において、そのドラッグ操作により特定された矩形を表示させていた。しかしながら、ドラッグ操作中において矩形を表示させるために、ポインタの座標が移動される度に、逐次ドラッグの軌跡に基づく矩形を計算し、表示させているので、装置における処理負荷が大きかった。
【0005】
そこで本発明は、軽い処理負荷により、拡大したいエリアを直感的に選択できるユーザインターフェースを提供可能な画像表示装置、画像表示方法、画像表示プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置であって、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得手段により受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識手段と、画像表示領域の範囲と、領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定手段と、画像表示領域に表示された画像を決定手段により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0007】
本発明の画像表示方法は、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置における画像表示方法であって、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得ステップ手段と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得ステップにおいて受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識ステップと、画像表示領域の範囲と、領域認識ステップにおいて認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定ステップと、画像表示領域に表示された画像を決定ステップにおいて決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御ステップと、を有する。
【0008】
本発明の画像表示プログラムは、コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムであって、コンピュータに、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、画像表示領域の範囲と、領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、画像表示領域に表示された画像を決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、を実現させる。
【0009】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、画像表示プログラムがコンピュータに、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、画像表示領域の範囲と、領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、画像表示領域に表示された画像を決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、を実現させる。
【0010】
本発明によれば、ユーザによる連続的な指示入力により、その指示入力により示される位置の軌跡により表示画面における任意の領域を囲む操作が行われると、それらの指示入力により示される位置を表す位置情報群が取得される。そして、取得された位置情報群の軌跡により特定された囲い領域が選択領域として認識され、選択領域の範囲及び画像表示領域の範囲に基づき決定された拡大率に従って画像表示領域に表示された画像が拡大される。また、拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが位置合わせされて拡大画像が表示される。これにより、ユーザによる表示画面における任意の領域を囲む操作に基づき、画像の拡大が行われるので、画像における拡大させたいエリアを直感的に選択できる。また、指示入力を受け付けている間に実施される処理は、位置情報を取得する処理のみであって逐次の高負荷な計算処理を必要としないので、軽い処理負荷により拡大の表示処理を実現できる。
【0011】
本発明の画像表示装置では、取得手段により受け付けられた位置情報の軌跡に基づき該軌跡が囲い領域を取り囲む方向を特定する方向特定手段と、決定手段は、方向特定手段により特定される方向が第1の方向である場合に、拡大率を決定してもよい。
【0012】
この場合には、画像の拡大のための指示入力を容易に判別できる。従って、ユーザは、容易に画像の拡大処理を実施できる。
【0013】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、方向特定手段により特定される方向が第1の方向と反対の第2の方向である場合に、画像表示領域の範囲と、領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の縮小率を決定し、表示制御手段は、画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を決定手段により決定された縮小率で縮小した縮小画像を、縮小画像の中心と選択領域の中心とが一致するよう画像表示領域に表示してもよい。
【0014】
この場合には、ユーザによる表示画面における任意の領域を囲む操作に基づき、縮小率及び縮小された縮小画像の表示位置が決定されるので、ユーザは直感的な操作により縮小表示させるための入力を実施できる。
【0015】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、選択領域に外接する矩形領域内の全ての画像を画像表示領域に表示可能な拡大率のうち最大の拡大率を、画像表示領域に表示された画像の拡大率として決定し、表示制御手段は、矩形領域に含まれる画像を決定手段により決定された拡大率により拡大して画像表示領域に表示してもよい。
【0016】
この場合には、ユーザが拡大表示を所望する画像の範囲が矩形領域により適切に設定され、その画像を画像表示領域において最大限に拡大されてユーザに提供できる。
【0017】
本発明の画像表示装置では、位置情報は、画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、決定手段は、選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、複数の第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、選択領域の第1の座標軸の方向の大きさに対する画像表示領域の第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は選択領域の第2の座標軸の方向の大きさに対する画像表示領域の第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき拡大率を決定してもよい。
【0018】
この場合には、第1及び第2のうちのいずれかの座標軸の方向における選択領域の大きさに対する画像表示領域の大きさの割合に基づき拡大率が設定されるので、より適切な拡大率により選択領域に含まれる画像を拡大表示することが可能となる。
【0019】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、画像表示領域に表示された画像を選択領域に外接する矩形領域内に表示可能な縮小率を、画像表示領域に表示された画像の縮小率として決定し、表示制御手段は、画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を決定手段により決定された縮小率により縮小し、画像表示領域における矩形領域内に表示してもよい。
【0020】
この場合には、画像表示領域に表示された画像が、選択領域に外接する矩形領域内に収まるように縮小率が決定される。従って、画像表示領域に表示された画像が適切に縮小されて表示される。
【0021】
本発明の画像表示装置では、位置情報は、画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、決定手段は、選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、複数の第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、画像表示領域の第1の座標軸の方向の大きさに対する選択領域の第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は画像表示領域の第2の座標軸の方向の大きさに対する選択領域の第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき縮小率を決定してもよい。
【0022】
この場合には、第1及び第2のうちのいずれかの座標軸の方向における画像表示領域の大きさに対する選択領域の大きさの割合に基づき縮小率が設定されるので、より適切な適切率により画像表示領域に表示された画像を縮小表示することが可能となる。
【0023】
本発明の画像表示装置では、領域認識手段は、位置情報の軌跡による囲い領域の特定後に、連続的な指示入力に基づく位置情報が取得手段により更に取得された場合に、該囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡を取得し、決定手段は、領域認識手段により取得された、囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡の位置及び長さに基づき、画像表示領域に表示された画像の拡大率又は縮小率を調整してもよい。
【0024】
この場合には、ユーザが、指示入力により示される位置の軌跡により画像表示領域における任意の領域を囲む操作した後に、更に連続的な指示入力の操作を続けることにより画像の拡大率又は縮小率が調整されるので、ユーザは、任意の領域を囲む操作に続く一連の操作により容易に画像の拡大率又は縮小率を調整できる。
【0025】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域内に延在する場合には、画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの一方の変更が施されるように調整し、囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域外に延在する場合には、画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの他方の変更が施されるように調整してもよい。
【0026】
この場合には、画像の拡大率又は縮小率を、さらに増加又は減少させるといった調整が容易となる。
【0027】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡により、更に1以上の囲い領域が特定された場合に、更に特定された囲い領域の数に応じて画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率を変更してもよい。
【0028】
この場合には、画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率を更に詳細に変更できる。
【0029】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、入力手段により受け付けられる指示入力の位置の移動速度が所定速度以上の場合に、画像表示領域に表示される画像の拡大又は縮小の実施を決定してもよい。
【0030】
この場合には、画像の拡大又は縮小のための連続的な指示入力と、それ以外の処理を実施させるための連続的な指示入力とが容易に判別されるので、ユーザは、容易に画像の拡大及び縮小のための指示入力を実施できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、軽い処理負荷により画像の拡大及び縮小の態様をユーザに直感的に認識させながら、画像を拡大及び縮小させて表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】取得部により取得される位置情報の例を示す図である。
【図4】タッチパネルの表示領域における位置情報の軌跡を模式的に示す図である。
【図5】表示領域に表示された画像を拡大表示する処理の例を示す図である。
【図6】決定部による拡大率の決定の例を示す図である。
【図7】表示領域に表示された画像を縮小表示する処理の例を示す図である。
【図8】認識部による選択領域の認識処理の例を示す図である。
【図9】表示領域に表示される画像の拡大率及び縮小率の調整処理の例を示す図である。
【図10】決定部による拡大率又は縮小率の変更の例を示す図である。
【図11】表示領域の表示された画像に対して拡大及び縮小のいずれを実施するかを決定する制御の例を示す図である。
【図12】画像表示装置における処理内容を示すフローチャートである。
【図13】画像表示装置における処理内容を示すフローチャートである。
【図14】画像表示プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0034】
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1の機能的構成を示すブロック図である。画像表示装置1は、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える装置である。画像表示装置1は、例えば、いわゆるタッチパネルを搭載した端末である。タッチパネルは、画像を表示画面に表示すると共に、表示画面に対する物理的接触を検知する入力手段を有しており、表示画面における物理的接触が検知された位置を示す情報を出力できる。
【0035】
また、画像表示装置1は、例えば、ディスプレイとポインティングデバイスを備えたパーソナルコンピュータであってもよい。ディスプレイは、画像を表示画面に表示し、ポインティングデバイスは、表示画面における位置を指示する指示入力を受け付けることができる。ユーザが、ポインティングデバイスを操作することにより、表示画面に表示された画像の任意の位置を示す指示入力をすることができる。
【0036】
本実施形態の画像表示装置1は、タッチパネルを備えた端末の例により説明される。図1に示すように、画像表示装置1は、機能的には、タッチパネル10、取得部11(取得手段)、認識部12(領域認識手段、方向特定手段)、決定部13(決定手段)及び表示制御部14(表示制御手段)を備える。
【0037】
図2は、画像表示装置1のハードウェア構成図である。画像表示装置1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105、ディスプレイ等の出力装置106などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0038】
図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(画像表示プログラム)を読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104、入力装置105、出力装置106を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0039】
タッチパネル10は、表示領域10a(画像表示領域)及び入力部10b(入力手段)を含む。表示領域10aは、画像を表示する表示画面を構成する領域であって、表示制御部14の制御に基づき画像を表示する。入力部10bは、表示領域10aにおける位置を示す指示入力を受け付ける部分である。
【0040】
取得部11は、入力部10bにより受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する部分である。図3は、取得部11により取得される位置情報の例を示す図である。図3に示すように、位置情報Pは、表示領域10aにおける位置を示す座標値及び当該位置情報が取得された時刻を有する。位置情報Pにおける座標系におけるX軸及びY軸は、例えば、画像表示装置1がユーザによる通常の操作が実施される状態にあるときの横方向及び縦方向に設定される。
【0041】
また、入力部10bを介して連続的な指示入力が受け付けられた場合には、取得部11は、例えば、図3に示されるような複数の位置情報P1〜P7を時系列に従って取得する。連続的な指示入力には、例えば、ユーザによりタッチパネル上で円を描くような操作が例示される。入力部10bにおいて連続的な指示入力が受け付けられると、取得部11は、所定時間毎に取得された複数の位置情報からなる時系列の位置情報群を取得する。位置情報が取得される所定時間の間隔は、例えば、予め画像表示装置1を制御するシステムにおいて設定されており、例えば1/60秒である。取得部11は、取得した位置情報Pを認識部12に出力する。
【0042】
認識部12は、入力部10bを介した連続的な指示入力に基づき取得部11により受け付けられた時系列の位置情報群の軌跡に基づき囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する部分である。具体的には、認識部12は、位置情報の軌跡により閉領域が形成された場合に、その閉領域を囲い領域として特定できる。または、後に図8を参照して説明するように、認識部12は、位置情報の軌跡により閉領域が形成されなかった場合であっても、位置情報の軌跡が所定条件を満たす場合に、囲い領域を特定できる。
【0043】
認識部12は、位置情報の軌跡により囲い領域が特定された場合に、その囲い領域を選択領域として認識する。図4を参照して、認識部12による選択領域の認識の例について説明する。図4は、タッチパネル10の表示領域10aにおける位置情報の軌跡Tを模式的に示す図である。図4に示す例では、位置情報の軌跡Tは、始点TSから終点TEに至るまで延びている。また、軌跡Tが始点TSから終点TEまでの間に互いに交差する交点を有することにより、位置情報の軌跡Tにより、斜線が施された閉領域が形成される。認識部12は、図4に示すように位置情報の軌跡Tにより閉領域が形成された場合に、その閉領域を囲い領域として特定し、当該囲い領域を選択領域Aとして認識する。即ち、ユーザからのタッチパネル10に対する連続的な指示入力により任意の領域を囲む操作が行われると、位置情報の軌跡Tに基づき、認識部12により選択領域Aが認識される。
【0044】
なお、連続的な位置情報の軌跡に基づき閉領域又は囲い領域が形成されたか否かの判定処理は、例えば周知の文字認識技術等の応用により実現できる。周知の文字認識技術では、例えば、当業者に知られたオープンソースライブラリ等が用いられる。また、このような技術では、閉領域又は囲い領域が時計回り及び反時計回りのいずれの軌跡により形成されたかを判定できる。
【0045】
決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像を拡大又は縮小すること、及び拡大又は縮小の態様を決定する部分である。また、表示制御部14は、決定部13により決定された態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を拡大又は縮小してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる部分である。
【0046】
なお、本実施形態における画像の拡大及び縮小は、ユーザからのタッチパネル10に対する連続的な指示入力に基づき行われるが、このような指示入力は、例えば表示領域10aに標示された画像のスクロールを実施の指示にも用いられる。従って、これらの処理に対する指示入力を峻別するために、決定部13は、入力部10bにより受け付けられる指示入力の位置の移動速度が所定速度以上の場合に、表示領域10aに表示される画像の拡大又は縮小の実施を決定することとしてもよい。具体的には、例えば、取得部11は、位置情報Pの取得に際して、座標値に加えて指示入力が実施された入力時刻を併せて取得する。そして、決定部13は、位置情報Pに含まれる座標値及び入力時刻に基づき、ユーザからの指示入力の位置の移動速度を算出し、その移動速度が所定値未満のときに画像のスクロール処理を実施し、移動速度が所定値以上のときに画像の拡大又は縮小の処理を実施する。
【0047】
まず、図5を参照して、表示領域10aに表示された画像を拡大して表示させる例を具体的に説明する。図5は、表示領域10aに表示された画像を拡大表示する処理を説明するための図である。図5に示すように、決定部13は、選択領域Aの位置及び大きさ並びに表示領域10aの大きさに基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率を決定する。より具体的には、決定部13は、選択領域Aに外接する矩形領域Bを設定する。そして、決定部13は、矩形領域Bの大きさ及び表示領域10aの大きさに基づき拡大率を決定する。
【0048】
決定部13は、例えば、矩形領域Bに含まれる画像を表示領域10aに表示可能な拡大率のうち、矩形領域Bに含まれる画像が表示領域10a外にはみ出さない範囲で最大の拡大率を、表示領域10aに表示される画像の拡大率として設定できる。この場合には、矩形領域Bに含まれる画像は、領域C1に示される大きさに拡大して表示される。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された拡大率により矩形領域Bに含まれる画像を拡大して、拡大された拡大画像の中心と表示領域10aの中心とが一致するように、拡大画像を表示領域10aに表示させる。
【0049】
なお、図5に示した例では、矩形領域Bは選択領域Aに外接するが、決定部13は、選択領域Aに内接する矩形領域を設定することとしてもよい。この場合に設定される矩形領域の縦横比は、表示領域10aの縦横比と一致されることとしてもよい。
【0050】
また、決定部13は、選択領域A内の領域が概ね含まれるような矩形領域を設定することとしてもよい。この場合には、決定部13は、選択領域A内の領域が、例えば80%以上含まれる矩形領域を設定することとしてもよい。
【0051】
次に、図6を参照して、決定部13による拡大率の決定の例について、具体的に説明する。なお、拡大率の決定の方法は、図6を参照して説明する例に限定されない。
【0052】
図6に示すように、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMAX及び最小のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMINを抽出し、位置情報PXMAXのX座標値と位置情報PXMINのX座標値との差分値を選択領域AのX軸方向の大きさXPとして算出する。同様に、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMAX及び最小のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMINを抽出し、位置情報PYMAXのY座標値と位置情報PYMINのY座標値との差分値を選択領域AのY軸方向の大きさYPとして算出する。
【0053】
そして、決定部13は、選択領域AのX軸方向の大きさXPに対する表示領域10aのX軸方向の大きさXDの割合(XD/XP)、又は選択領域AのY軸方向の大きさYPに対する表示領域10aのY軸の方向の大きさYDの割合(YD/YP)に基づき拡大率を決定する。
【0054】
例えば、決定部13は、割合(XD/XP)及び割合(YD/YP)のうち小さい方の割合を拡大率として採用することができる。この場合には、選択領域A内の画像の全部を欠けることなく表示できる拡大率のうち最大の拡大率が採用されることとなる。なお、図6を参照して説明した拡大率の決定の例では、矩形領域Bの設定を必要としない。
【0055】
また、認識部12により、時系列の位置情報群の軌跡に基づき特定された囲い領域が選択領域として認識された場合に、決定部13は、予め設定された所定の拡大率で、表示画面に表示された画像を拡大することを決定してもよい。この場合に、決定部13は、選択領域の位置に基づき、拡大の態様を決定する。具体的には、決定部13は、選択領域の位置に基づき表示画面に表示された画像における基準位置を決定し、拡大表示した際にその基準位置を表示画面における所定位置に配置することを決定する。例えば、決定部13は、選択領域の重心位置や、上記した方法により選択領域に基づき設定される矩形領域の中心位置を、基準位置として設定する。そして、決定部13は、その基準位置を表示画面における中心位置に配置しながら、表示画面に表示された画像を拡大表示することを決定できる。なお、所定の拡大率は、任意に設定できるが、例えば、110%といった値に設定できる。
【0056】
次に、図7を参照して、表示領域10aに表示された画像を縮小して表示させる例を具体的に説明する。図7は、表示領域10aに表示された画像を縮小表示する処理を説明するための図である。図7に示すように、決定部13は、選択領域Aの位置及び大きさ並びに表示領域10aの大きさに基づき、表示領域10aに表示される画像の縮小率を決定する。より具体的には、決定部13は、選択領域Aに外接する矩形領域Bを設定する。そして、決定部13は、矩形領域Bの大きさ及び表示領域10aの大きさに基づき縮小率を決定する。
【0057】
決定部13は、例えば、表示領域10aに表示された画像を選択領域Aに外接する矩形領域B内に表示可能な縮小率を、表示領域10aに表示される画像の縮小率として設定できる。この場合には、表示領域10aに表示された画像は、領域C2に示される大きさに縮小して表示される。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された縮小率により表示領域10aに表示された画像を少なくとも一部に含む画像を縮小して、縮小された縮小画像の中心と選択領域A又は矩形領域Bの中心とが一致するように、縮小画像を表示領域10aに表示させる。従って、縮小表示前の表示領域10aに表示された画像は、縮小されて矩形領域B内に表示されることとなるので、縮小表示後の表示領域10aに表示される画像は、縮小表示前の表示領域10aに表示された画像を一部に含む画像となる。例えば、縮小表示前の表示領域10aに表示された画像が、表示対象の画像の一部の領域を切り取ったものである場合には、縮小表示後の表示領域10aにおける矩形領域Bの外側の領域に、表示対象の画像における一部の領域の外側に広がる画像が縮小されて表示されてもよい。
【0058】
なお、図7に示した例では、矩形領域Bは選択領域Aに外接するが、決定部13は、選択領域Aに内接する矩形領域を設定することとしてもよい。この場合に設定される矩形領域の縦横比は、表示領域10aの縦横比と一致されることとしてもよい。
【0059】
また、決定部13は、選択領域A内の領域が概ね含まれるような矩形領域を設定して縮小率を決定することとしてもよい。この場合には、決定部13は、選択領域A内の領域が、例えば80%以上含まれる矩形領域を設定することとしてもよい。
【0060】
次に、再び図6を参照して、決定部13による縮小率の決定の例について、具体的に説明する。なお、縮小率の決定の方法は、図6を参照して説明する例に限定されない。
【0061】
上述したように、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMAX及び最小のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMINを抽出し、位置情報PXMAXのX座標値と位置情報PXMINのX座標値との差分値を選択領域AのX軸方向の大きさXPとして算出する。同様に、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMAX及び最小のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMINを抽出し、位置情報PYMAXのY座標値と位置情報PYMINのY座標値との差分値を選択領域AのY軸方向の大きさYPとして算出する。
【0062】
そして、決定部13は、表示領域10aのX軸方向の大きさXDに対する選択領域AのX軸方向の大きさXPの割合(XP/XD)、又は表示領域10aのY軸の方向の大きさYDに対する選択領域AのY軸方向の大きさYPの割合(YP/YD)に基づき縮小率を決定する。
【0063】
例えば、決定部13は、割合(XP/XD)及び割合(YP/YD)のうち小さい方の割合を縮小率として採用することができる。この場合には、選択領域A内の画像の全部を矩形領域B内に表示できる。なお、図6を参照して説明した縮小率の決定の例では、矩形領域Bの設定を必要としない。
【0064】
また、認識部12により、時系列の位置情報群の軌跡に基づき特定された囲い領域が選択領域として認識された場合に、決定部13は、予め設定された所定の縮小率で、表示画面に表示された画像を縮小することを決定してもよい。この場合に、決定部13は、選択領域の位置に基づき、縮小の態様を決定する。具体的には、決定部13は、選択領域の位置に基づき表示画面に表示された画像における基準位置を決定し、縮小表示した際にその基準位置を表示画面における所定位置に配置することを決定する。例えば、決定部13は、選択領域の重心位置や、上記した方法により選択領域に基づき設定される矩形領域の中心位置を、基準位置として設定する。そして、決定部13は、その基準位置を表示画面における中心位置に配置しながら、表示画面に表示された画像を縮小表示することを決定できる。なお、所定の縮小率は、任意に設定できるが、例えば、90%といった値に設定できる。
【0065】
次に、図8を参照して、認識部12による選択領域の認識処理の例について説明する。認識部12は、位置情報Pの軌跡Tにより閉領域が形成された場合に、その閉領域を囲い領域として特定し、その囲い領域を選択領域Aとして認識するが、位置情報Pの軌跡Tにより閉領域が形成されなかった場合であっても、位置情報Pの軌跡Tが所定条件を満たす場合に、位置情報Pの軌跡の始点と終点との間に位置情報の軌跡が存在するとみなして囲い領域を特定し、選択領域を認識することとしてもよい。
【0066】
図8に示す例では、位置情報の軌跡T1は、その始点TS1から交差することなく終点TE1に至っており、軌跡T1により閉領域が形成されていない。かかる場合であっても、例えば、始点TS1と終点TE1との距離L1が所定距離以下である場合、又は軌跡T1の長さに対する始点TS1と終点TE1との距離L1の割合が所定の割合以下である場合といった所定の条件に合致する場合に、認識部12は、軌跡T1の始点TS1と終点TE1との間に位置情報の軌跡が存在するとみなして囲い領域を特定できる。そして、認識部12は、特定された囲い領域に基づき、選択領域A1を設定できる。
【0067】
また、軌跡T1、及び点TE1とTS1とを結ぶ線により囲まれた領域の重心点を算出し、点TE1と重心点とを結ぶ直線と、点TS1と重心点とを結ぶ直線とにより形成される角度が所定角度以下の場合に、認識部12は、軌跡T1の始点TS1と終点TE1との間に位置情報の軌跡が存在するとみなして選択領域A1を設定することとしてもよい。
【0068】
次に、図9を参照して、表示領域10aに表示される画像の拡大率及び縮小率の調整処理について説明する。即ち、認識部12は、位置情報Pの軌跡Tにより形成された閉領域に基づき囲い領域を特定した後に、連続的な指示入力に基づく位置情報Pが取得部11により更に取得された場合に、その閉領域形成後に受け付けられた位置情報Pの軌跡を取得し、決定部13は、認識部12により取得された、閉領域形成後に受け付けられた位置情報の軌跡の位置及び長さに基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を調整する。
【0069】
具体的には、図9(a)に示すように、認識部12は、位置情報Pの軌跡Tが始点TS2から点TC2に至り閉領域が形成され選択領域A2を認識した後に、更に、連続的な指示入力に基づく位置情報Pが取得部11により更に取得された場合に、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡を取得する。この場合に、決定部13は、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡の位置及び長さL2に基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を調整できる。
【0070】
例えば、図9(a)に示すように、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A2外に延在する場合には、決定部13は、表示画面に表示される画像の拡大率又は縮小率が増加されるように調整することとしてもよい。この場合に、決定部13は、長さL2に応じて、拡大率又は縮小率の増加量を任意に設定できる。
【0071】
また、図9(b)に示すように、認識部12は、位置情報Pの軌跡Tが始点TS3から点TC3に至り閉領域が形成され選択領域A3を認識した後に、更に、連続的な指示入力に基づく位置情報Pが取得部11により更に取得された場合に、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡を取得する。この場合に、決定部13は、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡の位置及び長さL3に基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を調整できる。図9(b)に示す例では、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A3内に延在するので、決定部13は、表示画面に表示される画像の拡大率又は縮小率が減少されるように調整する。この場合に、決定部13は、長さL3に応じて、拡大率又は縮小率の減少量を任意に設定できる。
【0072】
なお、以上の説明では、図9(a)に示すように、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A2外に延在する場合に、拡大率又は縮小率が増加され、図9(b)に示すように、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A3内に延在する場合に、拡大率又は縮小率が減少されることとしたが、これには限定されない。例えば、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A2外に延在する場合に、拡大率又は縮小率が減少され、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A3内に延在する場合に、拡大率又は縮小率が増加されることとしてもよい。
【0073】
続いて、図10を参照して、決定部13による拡大率又は縮小率の変更の例を説明する。決定部13は、囲い領域特定後に受け付けられた位置情報Pの軌跡Tにより、更に1以上の囲い領域が特定された場合に、更に形成された囲い領域の数に応じて表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を変更することができる。
【0074】
具体的には、図10に示すように、位置情報Pの軌跡Tが始点TS4から点TC41に至り閉領域A41が形成された後に、更に位置情報Pの軌跡Tが点TC42に至ることにより閉領域A42が形成された場合に、決定部13は、閉領域A41の形成を認識した後に形成された閉領域の数に応じて、拡大率又は縮小率を変更できる。例えば、決定部13は、さらに閉領域が1つ形成される毎に、既に設定された拡大率又は縮小率を、さらに10%増加又は減少させることとしてもよい。
【0075】
次に、図11を参照して、表示領域10aの表示された画像に対して拡大及び縮小のいずれを実施するかを決定する制御について説明する。図11(a)に示すように、囲い領域A5が、始点TS5から終点TE5に至る時計回りの軌跡Tにより特定された場合には、決定部13は、表示領域10aに表示される画像に対して拡大の処理を実施することを決定できる。一方、図11(b)に示すように、囲い領域A6が、始点TS6から終点TE6に至る反時計回りの軌跡Tにより特定された場合には、決定部13は、表示領域10aに表示される画像に対して縮小の処理を実施することを決定できる。なお、決定部13は、位置情報の時計回りの軌跡により囲い領域が形成された場合に、表示領域10aに表示される画像に対して縮小の処理を実施し、反時計回りの軌跡により囲い領域が形成された場合に、表示領域10aに表示される画像に対して拡大の処理を実施することとしてもよい。
【0076】
なお、上記したように、位置情報の軌跡に基づき囲い領域が形成されたか否かの判定処理は、例えば周知の文字認識技術等の応用により実現できる。周知の文字認識技術では、例えば、当業者に知られたオープンソースライブラリ等が用いられる。また、このような技術では、閉領域又は囲い領域が時計回り及び反時計回りのいずれの軌跡により形成されたかを判定できる。また、係るオープンソースライブラリ等を用いた文字認識技術により閉領域又は囲い領域が形成された場合に、認識部12は、例えば、時系列で続いて取得された2つの位置情報を結んで形成されるベクトルの傾きの変化に基づき、時計回り及び反時計回りのいずれの軌跡により囲い領域が形成されたかを判定できる。
【0077】
続いて、図12を参照して、本実施形態の画像表示装置1の動作について説明する。図2は、画像表示装置1において実施される画像表示方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0078】
まず、取得部11は、タッチパネル10の入力部10bにより受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を受け付ける(S1)。次に、認識部12は、入力部10bを介した連続的な指示入力に基づき取得部11により受け付けられた位置情報の軌跡により囲い領域が特定されたか否かを判定する(S2)。囲い領域が特定されたと判定された場合には、処理手順はステップS3に進められる。一方、囲い領域が特定されたと判定されなかった場合には、処理手順は終了する。
【0079】
ステップS3において、認識部12は、ステップS2において特定された囲い領域を選択領域として認識する(S3)。続いて、決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像を拡大又は縮小すること、及び拡大率を含む拡大の態様又は縮小率を含む縮小の態様を決定する(S4)。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された拡大又は縮小の態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を拡大又は縮小してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる(S5)。
【0080】
続いて、図13を参照して、画像表示装置1において実施される画像表示方法の処理の他の例を説明する。ステップS11〜S13の処理内容は、図12のステップS1〜S3の処理内容と同様である。続くステップS14において、決定部13は、囲い領域が、時計回りの位置情報の軌跡により形成されたか否かを判定する(S14)。時計回りの位置情報の軌跡により形成されたと判定された場合には、処理手順はステップS15に進められる。一方、時計回りの位置情報の軌跡により形成されたと判定されなかった場合には、処理手順はステップS16に進められる。
【0081】
ステップS15において、決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像の拡大率を含む拡大の態様を決定する(S15)。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された拡大率及び拡大の態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を拡大してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる(S16)。
【0082】
一方、ステップS17において、決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像の縮小率を含む縮小の態様を決定する(S17)。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された縮小率及び縮小の態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を縮小してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる(S18)。
【0083】
次に、図14を参照して、コンピュータを画像表示装置1として機能させるための画像表示プログラムを説明する。画像表示プログラムP1は、メインモジュールP10、取得モジュールP11、認識モジュールP12、決定モジュールP13及び表示制御モジュールP14を備える。
【0084】
メインモジュールP10は、画像表示処理を統括的に制御する部分である。取得モジュールP11、認識モジュールP12、決定モジュールP13及び表示制御モジュールP14を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図1に示される画像表示装置1の取得部11、認識部12、決定部13及び表示制御部14の機能と同様である。
【0085】
画像表示プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD、ROM等の記憶媒体D1または半導体メモリによって提供される。また、画像表示プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0086】
以上説明した本実施形態の画像表示装置1、画像表示方法、画像表示プログラムP1によれば、ユーザによる連続的な指示入力により、それらの指示入力により示される位置の軌跡により表示画面における任意の領域を囲む操作が行われると、それらの指示入力により示される位置を表す位置情報が取得される。そして、取得された位置情報の軌跡により特定された囲い領域が選択領域として認識され、選択領域の範囲及び画像表示領域の範囲に基づき決定された拡大率に従って画像表示領域に表示された画像が拡大される。また、拡大された変換後画像の中心と画像表示領域の中心とが位置合わせされて変換後画像が表示される。これにより、ユーザによる表示画面における任意の領域を囲む操作に基づき、画像の拡大が行われるので、画像における拡大させたいエリアを直感的に選択できる。また、指示入力を受け付けている間に実施される処理は、位置情報を取得する処理のみであって逐次の高負荷な計算処理を必要としないので、軽い処理負荷により拡大の表示処理を実現できる。
【0087】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…画像表示装置、10…タッチパネル、10a…表示領域、10b…入力部、11…取得部、12…認識部、13…決定部、14…表示制御部、D1…記憶媒体、P1…画像表示プログラム、P10…メインモジュール、P11…取得モジュール、P12…認識モジュール、P13…決定モジュール、P14…表示制御モジュール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、画像表示方法、画像表示プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像を表示する装置において、画像上で入力装置を介して矩形のエリアを入力すると、選択されたエリアが拡大表示されるものがあった。例えば、下記非特許文献1では、地図の表示に際して「ドラッグ&ズーム」機能が提供されている。この機能によれば、地図上においてユーザがマウスによりドラッグ操作をすることにより、ポインタのドラッグの軌跡を対角線とする矩形に囲まれたエリアが拡大表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Googleマップ”、[online]、[2011年7月20日検索]、インターネット〈URL:http://maps.google.com/maps?showlabs=1〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、ユーザが拡大させることを所望するエリアの選択操作中において、選択されている範囲をユーザに対して直感的に認識させるために、ドラッグ操作中において、そのドラッグ操作により特定された矩形を表示させていた。しかしながら、ドラッグ操作中において矩形を表示させるために、ポインタの座標が移動される度に、逐次ドラッグの軌跡に基づく矩形を計算し、表示させているので、装置における処理負荷が大きかった。
【0005】
そこで本発明は、軽い処理負荷により、拡大したいエリアを直感的に選択できるユーザインターフェースを提供可能な画像表示装置、画像表示方法、画像表示プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置であって、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得手段により受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識手段と、画像表示領域の範囲と、領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定手段と、画像表示領域に表示された画像を決定手段により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0007】
本発明の画像表示方法は、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置における画像表示方法であって、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得ステップ手段と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得ステップにおいて受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識ステップと、画像表示領域の範囲と、領域認識ステップにおいて認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定ステップと、画像表示領域に表示された画像を決定ステップにおいて決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御ステップと、を有する。
【0008】
本発明の画像表示プログラムは、コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムであって、コンピュータに、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、画像表示領域の範囲と、領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、画像表示領域に表示された画像を決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、を実現させる。
【0009】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、画像表示プログラムがコンピュータに、入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、入力手段を介した連続的な指示入力に基づき取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡よって囲まれた画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、画像表示領域の範囲と、領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、画像表示領域に表示された画像を決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、を実現させる。
【0010】
本発明によれば、ユーザによる連続的な指示入力により、その指示入力により示される位置の軌跡により表示画面における任意の領域を囲む操作が行われると、それらの指示入力により示される位置を表す位置情報群が取得される。そして、取得された位置情報群の軌跡により特定された囲い領域が選択領域として認識され、選択領域の範囲及び画像表示領域の範囲に基づき決定された拡大率に従って画像表示領域に表示された画像が拡大される。また、拡大画像の中心と画像表示領域の中心とが位置合わせされて拡大画像が表示される。これにより、ユーザによる表示画面における任意の領域を囲む操作に基づき、画像の拡大が行われるので、画像における拡大させたいエリアを直感的に選択できる。また、指示入力を受け付けている間に実施される処理は、位置情報を取得する処理のみであって逐次の高負荷な計算処理を必要としないので、軽い処理負荷により拡大の表示処理を実現できる。
【0011】
本発明の画像表示装置では、取得手段により受け付けられた位置情報の軌跡に基づき該軌跡が囲い領域を取り囲む方向を特定する方向特定手段と、決定手段は、方向特定手段により特定される方向が第1の方向である場合に、拡大率を決定してもよい。
【0012】
この場合には、画像の拡大のための指示入力を容易に判別できる。従って、ユーザは、容易に画像の拡大処理を実施できる。
【0013】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、方向特定手段により特定される方向が第1の方向と反対の第2の方向である場合に、画像表示領域の範囲と、領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の縮小率を決定し、表示制御手段は、画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を決定手段により決定された縮小率で縮小した縮小画像を、縮小画像の中心と選択領域の中心とが一致するよう画像表示領域に表示してもよい。
【0014】
この場合には、ユーザによる表示画面における任意の領域を囲む操作に基づき、縮小率及び縮小された縮小画像の表示位置が決定されるので、ユーザは直感的な操作により縮小表示させるための入力を実施できる。
【0015】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、選択領域に外接する矩形領域内の全ての画像を画像表示領域に表示可能な拡大率のうち最大の拡大率を、画像表示領域に表示された画像の拡大率として決定し、表示制御手段は、矩形領域に含まれる画像を決定手段により決定された拡大率により拡大して画像表示領域に表示してもよい。
【0016】
この場合には、ユーザが拡大表示を所望する画像の範囲が矩形領域により適切に設定され、その画像を画像表示領域において最大限に拡大されてユーザに提供できる。
【0017】
本発明の画像表示装置では、位置情報は、画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、決定手段は、選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、複数の第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、選択領域の第1の座標軸の方向の大きさに対する画像表示領域の第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は選択領域の第2の座標軸の方向の大きさに対する画像表示領域の第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき拡大率を決定してもよい。
【0018】
この場合には、第1及び第2のうちのいずれかの座標軸の方向における選択領域の大きさに対する画像表示領域の大きさの割合に基づき拡大率が設定されるので、より適切な拡大率により選択領域に含まれる画像を拡大表示することが可能となる。
【0019】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、画像表示領域に表示された画像を選択領域に外接する矩形領域内に表示可能な縮小率を、画像表示領域に表示された画像の縮小率として決定し、表示制御手段は、画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を決定手段により決定された縮小率により縮小し、画像表示領域における矩形領域内に表示してもよい。
【0020】
この場合には、画像表示領域に表示された画像が、選択領域に外接する矩形領域内に収まるように縮小率が決定される。従って、画像表示領域に表示された画像が適切に縮小されて表示される。
【0021】
本発明の画像表示装置では、位置情報は、画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、決定手段は、選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、複数の第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、画像表示領域の第1の座標軸の方向の大きさに対する選択領域の第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は画像表示領域の第2の座標軸の方向の大きさに対する選択領域の第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき縮小率を決定してもよい。
【0022】
この場合には、第1及び第2のうちのいずれかの座標軸の方向における画像表示領域の大きさに対する選択領域の大きさの割合に基づき縮小率が設定されるので、より適切な適切率により画像表示領域に表示された画像を縮小表示することが可能となる。
【0023】
本発明の画像表示装置では、領域認識手段は、位置情報の軌跡による囲い領域の特定後に、連続的な指示入力に基づく位置情報が取得手段により更に取得された場合に、該囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡を取得し、決定手段は、領域認識手段により取得された、囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡の位置及び長さに基づき、画像表示領域に表示された画像の拡大率又は縮小率を調整してもよい。
【0024】
この場合には、ユーザが、指示入力により示される位置の軌跡により画像表示領域における任意の領域を囲む操作した後に、更に連続的な指示入力の操作を続けることにより画像の拡大率又は縮小率が調整されるので、ユーザは、任意の領域を囲む操作に続く一連の操作により容易に画像の拡大率又は縮小率を調整できる。
【0025】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域内に延在する場合には、画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの一方の変更が施されるように調整し、囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域外に延在する場合には、画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの他方の変更が施されるように調整してもよい。
【0026】
この場合には、画像の拡大率又は縮小率を、さらに増加又は減少させるといった調整が容易となる。
【0027】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡により、更に1以上の囲い領域が特定された場合に、更に特定された囲い領域の数に応じて画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率を変更してもよい。
【0028】
この場合には、画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率を更に詳細に変更できる。
【0029】
本発明の画像表示装置では、決定手段は、入力手段により受け付けられる指示入力の位置の移動速度が所定速度以上の場合に、画像表示領域に表示される画像の拡大又は縮小の実施を決定してもよい。
【0030】
この場合には、画像の拡大又は縮小のための連続的な指示入力と、それ以外の処理を実施させるための連続的な指示入力とが容易に判別されるので、ユーザは、容易に画像の拡大及び縮小のための指示入力を実施できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、軽い処理負荷により画像の拡大及び縮小の態様をユーザに直感的に認識させながら、画像を拡大及び縮小させて表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】取得部により取得される位置情報の例を示す図である。
【図4】タッチパネルの表示領域における位置情報の軌跡を模式的に示す図である。
【図5】表示領域に表示された画像を拡大表示する処理の例を示す図である。
【図6】決定部による拡大率の決定の例を示す図である。
【図7】表示領域に表示された画像を縮小表示する処理の例を示す図である。
【図8】認識部による選択領域の認識処理の例を示す図である。
【図9】表示領域に表示される画像の拡大率及び縮小率の調整処理の例を示す図である。
【図10】決定部による拡大率又は縮小率の変更の例を示す図である。
【図11】表示領域の表示された画像に対して拡大及び縮小のいずれを実施するかを決定する制御の例を示す図である。
【図12】画像表示装置における処理内容を示すフローチャートである。
【図13】画像表示装置における処理内容を示すフローチャートである。
【図14】画像表示プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0034】
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1の機能的構成を示すブロック図である。画像表示装置1は、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える装置である。画像表示装置1は、例えば、いわゆるタッチパネルを搭載した端末である。タッチパネルは、画像を表示画面に表示すると共に、表示画面に対する物理的接触を検知する入力手段を有しており、表示画面における物理的接触が検知された位置を示す情報を出力できる。
【0035】
また、画像表示装置1は、例えば、ディスプレイとポインティングデバイスを備えたパーソナルコンピュータであってもよい。ディスプレイは、画像を表示画面に表示し、ポインティングデバイスは、表示画面における位置を指示する指示入力を受け付けることができる。ユーザが、ポインティングデバイスを操作することにより、表示画面に表示された画像の任意の位置を示す指示入力をすることができる。
【0036】
本実施形態の画像表示装置1は、タッチパネルを備えた端末の例により説明される。図1に示すように、画像表示装置1は、機能的には、タッチパネル10、取得部11(取得手段)、認識部12(領域認識手段、方向特定手段)、決定部13(決定手段)及び表示制御部14(表示制御手段)を備える。
【0037】
図2は、画像表示装置1のハードウェア構成図である。画像表示装置1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105、ディスプレイ等の出力装置106などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0038】
図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(画像表示プログラム)を読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104、入力装置105、出力装置106を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0039】
タッチパネル10は、表示領域10a(画像表示領域)及び入力部10b(入力手段)を含む。表示領域10aは、画像を表示する表示画面を構成する領域であって、表示制御部14の制御に基づき画像を表示する。入力部10bは、表示領域10aにおける位置を示す指示入力を受け付ける部分である。
【0040】
取得部11は、入力部10bにより受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する部分である。図3は、取得部11により取得される位置情報の例を示す図である。図3に示すように、位置情報Pは、表示領域10aにおける位置を示す座標値及び当該位置情報が取得された時刻を有する。位置情報Pにおける座標系におけるX軸及びY軸は、例えば、画像表示装置1がユーザによる通常の操作が実施される状態にあるときの横方向及び縦方向に設定される。
【0041】
また、入力部10bを介して連続的な指示入力が受け付けられた場合には、取得部11は、例えば、図3に示されるような複数の位置情報P1〜P7を時系列に従って取得する。連続的な指示入力には、例えば、ユーザによりタッチパネル上で円を描くような操作が例示される。入力部10bにおいて連続的な指示入力が受け付けられると、取得部11は、所定時間毎に取得された複数の位置情報からなる時系列の位置情報群を取得する。位置情報が取得される所定時間の間隔は、例えば、予め画像表示装置1を制御するシステムにおいて設定されており、例えば1/60秒である。取得部11は、取得した位置情報Pを認識部12に出力する。
【0042】
認識部12は、入力部10bを介した連続的な指示入力に基づき取得部11により受け付けられた時系列の位置情報群の軌跡に基づき囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する部分である。具体的には、認識部12は、位置情報の軌跡により閉領域が形成された場合に、その閉領域を囲い領域として特定できる。または、後に図8を参照して説明するように、認識部12は、位置情報の軌跡により閉領域が形成されなかった場合であっても、位置情報の軌跡が所定条件を満たす場合に、囲い領域を特定できる。
【0043】
認識部12は、位置情報の軌跡により囲い領域が特定された場合に、その囲い領域を選択領域として認識する。図4を参照して、認識部12による選択領域の認識の例について説明する。図4は、タッチパネル10の表示領域10aにおける位置情報の軌跡Tを模式的に示す図である。図4に示す例では、位置情報の軌跡Tは、始点TSから終点TEに至るまで延びている。また、軌跡Tが始点TSから終点TEまでの間に互いに交差する交点を有することにより、位置情報の軌跡Tにより、斜線が施された閉領域が形成される。認識部12は、図4に示すように位置情報の軌跡Tにより閉領域が形成された場合に、その閉領域を囲い領域として特定し、当該囲い領域を選択領域Aとして認識する。即ち、ユーザからのタッチパネル10に対する連続的な指示入力により任意の領域を囲む操作が行われると、位置情報の軌跡Tに基づき、認識部12により選択領域Aが認識される。
【0044】
なお、連続的な位置情報の軌跡に基づき閉領域又は囲い領域が形成されたか否かの判定処理は、例えば周知の文字認識技術等の応用により実現できる。周知の文字認識技術では、例えば、当業者に知られたオープンソースライブラリ等が用いられる。また、このような技術では、閉領域又は囲い領域が時計回り及び反時計回りのいずれの軌跡により形成されたかを判定できる。
【0045】
決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像を拡大又は縮小すること、及び拡大又は縮小の態様を決定する部分である。また、表示制御部14は、決定部13により決定された態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を拡大又は縮小してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる部分である。
【0046】
なお、本実施形態における画像の拡大及び縮小は、ユーザからのタッチパネル10に対する連続的な指示入力に基づき行われるが、このような指示入力は、例えば表示領域10aに標示された画像のスクロールを実施の指示にも用いられる。従って、これらの処理に対する指示入力を峻別するために、決定部13は、入力部10bにより受け付けられる指示入力の位置の移動速度が所定速度以上の場合に、表示領域10aに表示される画像の拡大又は縮小の実施を決定することとしてもよい。具体的には、例えば、取得部11は、位置情報Pの取得に際して、座標値に加えて指示入力が実施された入力時刻を併せて取得する。そして、決定部13は、位置情報Pに含まれる座標値及び入力時刻に基づき、ユーザからの指示入力の位置の移動速度を算出し、その移動速度が所定値未満のときに画像のスクロール処理を実施し、移動速度が所定値以上のときに画像の拡大又は縮小の処理を実施する。
【0047】
まず、図5を参照して、表示領域10aに表示された画像を拡大して表示させる例を具体的に説明する。図5は、表示領域10aに表示された画像を拡大表示する処理を説明するための図である。図5に示すように、決定部13は、選択領域Aの位置及び大きさ並びに表示領域10aの大きさに基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率を決定する。より具体的には、決定部13は、選択領域Aに外接する矩形領域Bを設定する。そして、決定部13は、矩形領域Bの大きさ及び表示領域10aの大きさに基づき拡大率を決定する。
【0048】
決定部13は、例えば、矩形領域Bに含まれる画像を表示領域10aに表示可能な拡大率のうち、矩形領域Bに含まれる画像が表示領域10a外にはみ出さない範囲で最大の拡大率を、表示領域10aに表示される画像の拡大率として設定できる。この場合には、矩形領域Bに含まれる画像は、領域C1に示される大きさに拡大して表示される。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された拡大率により矩形領域Bに含まれる画像を拡大して、拡大された拡大画像の中心と表示領域10aの中心とが一致するように、拡大画像を表示領域10aに表示させる。
【0049】
なお、図5に示した例では、矩形領域Bは選択領域Aに外接するが、決定部13は、選択領域Aに内接する矩形領域を設定することとしてもよい。この場合に設定される矩形領域の縦横比は、表示領域10aの縦横比と一致されることとしてもよい。
【0050】
また、決定部13は、選択領域A内の領域が概ね含まれるような矩形領域を設定することとしてもよい。この場合には、決定部13は、選択領域A内の領域が、例えば80%以上含まれる矩形領域を設定することとしてもよい。
【0051】
次に、図6を参照して、決定部13による拡大率の決定の例について、具体的に説明する。なお、拡大率の決定の方法は、図6を参照して説明する例に限定されない。
【0052】
図6に示すように、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMAX及び最小のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMINを抽出し、位置情報PXMAXのX座標値と位置情報PXMINのX座標値との差分値を選択領域AのX軸方向の大きさXPとして算出する。同様に、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMAX及び最小のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMINを抽出し、位置情報PYMAXのY座標値と位置情報PYMINのY座標値との差分値を選択領域AのY軸方向の大きさYPとして算出する。
【0053】
そして、決定部13は、選択領域AのX軸方向の大きさXPに対する表示領域10aのX軸方向の大きさXDの割合(XD/XP)、又は選択領域AのY軸方向の大きさYPに対する表示領域10aのY軸の方向の大きさYDの割合(YD/YP)に基づき拡大率を決定する。
【0054】
例えば、決定部13は、割合(XD/XP)及び割合(YD/YP)のうち小さい方の割合を拡大率として採用することができる。この場合には、選択領域A内の画像の全部を欠けることなく表示できる拡大率のうち最大の拡大率が採用されることとなる。なお、図6を参照して説明した拡大率の決定の例では、矩形領域Bの設定を必要としない。
【0055】
また、認識部12により、時系列の位置情報群の軌跡に基づき特定された囲い領域が選択領域として認識された場合に、決定部13は、予め設定された所定の拡大率で、表示画面に表示された画像を拡大することを決定してもよい。この場合に、決定部13は、選択領域の位置に基づき、拡大の態様を決定する。具体的には、決定部13は、選択領域の位置に基づき表示画面に表示された画像における基準位置を決定し、拡大表示した際にその基準位置を表示画面における所定位置に配置することを決定する。例えば、決定部13は、選択領域の重心位置や、上記した方法により選択領域に基づき設定される矩形領域の中心位置を、基準位置として設定する。そして、決定部13は、その基準位置を表示画面における中心位置に配置しながら、表示画面に表示された画像を拡大表示することを決定できる。なお、所定の拡大率は、任意に設定できるが、例えば、110%といった値に設定できる。
【0056】
次に、図7を参照して、表示領域10aに表示された画像を縮小して表示させる例を具体的に説明する。図7は、表示領域10aに表示された画像を縮小表示する処理を説明するための図である。図7に示すように、決定部13は、選択領域Aの位置及び大きさ並びに表示領域10aの大きさに基づき、表示領域10aに表示される画像の縮小率を決定する。より具体的には、決定部13は、選択領域Aに外接する矩形領域Bを設定する。そして、決定部13は、矩形領域Bの大きさ及び表示領域10aの大きさに基づき縮小率を決定する。
【0057】
決定部13は、例えば、表示領域10aに表示された画像を選択領域Aに外接する矩形領域B内に表示可能な縮小率を、表示領域10aに表示される画像の縮小率として設定できる。この場合には、表示領域10aに表示された画像は、領域C2に示される大きさに縮小して表示される。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された縮小率により表示領域10aに表示された画像を少なくとも一部に含む画像を縮小して、縮小された縮小画像の中心と選択領域A又は矩形領域Bの中心とが一致するように、縮小画像を表示領域10aに表示させる。従って、縮小表示前の表示領域10aに表示された画像は、縮小されて矩形領域B内に表示されることとなるので、縮小表示後の表示領域10aに表示される画像は、縮小表示前の表示領域10aに表示された画像を一部に含む画像となる。例えば、縮小表示前の表示領域10aに表示された画像が、表示対象の画像の一部の領域を切り取ったものである場合には、縮小表示後の表示領域10aにおける矩形領域Bの外側の領域に、表示対象の画像における一部の領域の外側に広がる画像が縮小されて表示されてもよい。
【0058】
なお、図7に示した例では、矩形領域Bは選択領域Aに外接するが、決定部13は、選択領域Aに内接する矩形領域を設定することとしてもよい。この場合に設定される矩形領域の縦横比は、表示領域10aの縦横比と一致されることとしてもよい。
【0059】
また、決定部13は、選択領域A内の領域が概ね含まれるような矩形領域を設定して縮小率を決定することとしてもよい。この場合には、決定部13は、選択領域A内の領域が、例えば80%以上含まれる矩形領域を設定することとしてもよい。
【0060】
次に、再び図6を参照して、決定部13による縮小率の決定の例について、具体的に説明する。なお、縮小率の決定の方法は、図6を参照して説明する例に限定されない。
【0061】
上述したように、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMAX及び最小のX軸方向の座標値を有する位置情報PXMINを抽出し、位置情報PXMAXのX座標値と位置情報PXMINのX座標値との差分値を選択領域AのX軸方向の大きさXPとして算出する。同様に、決定部13は、選択領域Aの外縁を形成する複数の位置情報のうち、最大のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMAX及び最小のY軸方向の座標値を有する位置情報PYMINを抽出し、位置情報PYMAXのY座標値と位置情報PYMINのY座標値との差分値を選択領域AのY軸方向の大きさYPとして算出する。
【0062】
そして、決定部13は、表示領域10aのX軸方向の大きさXDに対する選択領域AのX軸方向の大きさXPの割合(XP/XD)、又は表示領域10aのY軸の方向の大きさYDに対する選択領域AのY軸方向の大きさYPの割合(YP/YD)に基づき縮小率を決定する。
【0063】
例えば、決定部13は、割合(XP/XD)及び割合(YP/YD)のうち小さい方の割合を縮小率として採用することができる。この場合には、選択領域A内の画像の全部を矩形領域B内に表示できる。なお、図6を参照して説明した縮小率の決定の例では、矩形領域Bの設定を必要としない。
【0064】
また、認識部12により、時系列の位置情報群の軌跡に基づき特定された囲い領域が選択領域として認識された場合に、決定部13は、予め設定された所定の縮小率で、表示画面に表示された画像を縮小することを決定してもよい。この場合に、決定部13は、選択領域の位置に基づき、縮小の態様を決定する。具体的には、決定部13は、選択領域の位置に基づき表示画面に表示された画像における基準位置を決定し、縮小表示した際にその基準位置を表示画面における所定位置に配置することを決定する。例えば、決定部13は、選択領域の重心位置や、上記した方法により選択領域に基づき設定される矩形領域の中心位置を、基準位置として設定する。そして、決定部13は、その基準位置を表示画面における中心位置に配置しながら、表示画面に表示された画像を縮小表示することを決定できる。なお、所定の縮小率は、任意に設定できるが、例えば、90%といった値に設定できる。
【0065】
次に、図8を参照して、認識部12による選択領域の認識処理の例について説明する。認識部12は、位置情報Pの軌跡Tにより閉領域が形成された場合に、その閉領域を囲い領域として特定し、その囲い領域を選択領域Aとして認識するが、位置情報Pの軌跡Tにより閉領域が形成されなかった場合であっても、位置情報Pの軌跡Tが所定条件を満たす場合に、位置情報Pの軌跡の始点と終点との間に位置情報の軌跡が存在するとみなして囲い領域を特定し、選択領域を認識することとしてもよい。
【0066】
図8に示す例では、位置情報の軌跡T1は、その始点TS1から交差することなく終点TE1に至っており、軌跡T1により閉領域が形成されていない。かかる場合であっても、例えば、始点TS1と終点TE1との距離L1が所定距離以下である場合、又は軌跡T1の長さに対する始点TS1と終点TE1との距離L1の割合が所定の割合以下である場合といった所定の条件に合致する場合に、認識部12は、軌跡T1の始点TS1と終点TE1との間に位置情報の軌跡が存在するとみなして囲い領域を特定できる。そして、認識部12は、特定された囲い領域に基づき、選択領域A1を設定できる。
【0067】
また、軌跡T1、及び点TE1とTS1とを結ぶ線により囲まれた領域の重心点を算出し、点TE1と重心点とを結ぶ直線と、点TS1と重心点とを結ぶ直線とにより形成される角度が所定角度以下の場合に、認識部12は、軌跡T1の始点TS1と終点TE1との間に位置情報の軌跡が存在するとみなして選択領域A1を設定することとしてもよい。
【0068】
次に、図9を参照して、表示領域10aに表示される画像の拡大率及び縮小率の調整処理について説明する。即ち、認識部12は、位置情報Pの軌跡Tにより形成された閉領域に基づき囲い領域を特定した後に、連続的な指示入力に基づく位置情報Pが取得部11により更に取得された場合に、その閉領域形成後に受け付けられた位置情報Pの軌跡を取得し、決定部13は、認識部12により取得された、閉領域形成後に受け付けられた位置情報の軌跡の位置及び長さに基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を調整する。
【0069】
具体的には、図9(a)に示すように、認識部12は、位置情報Pの軌跡Tが始点TS2から点TC2に至り閉領域が形成され選択領域A2を認識した後に、更に、連続的な指示入力に基づく位置情報Pが取得部11により更に取得された場合に、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡を取得する。この場合に、決定部13は、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡の位置及び長さL2に基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を調整できる。
【0070】
例えば、図9(a)に示すように、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A2外に延在する場合には、決定部13は、表示画面に表示される画像の拡大率又は縮小率が増加されるように調整することとしてもよい。この場合に、決定部13は、長さL2に応じて、拡大率又は縮小率の増加量を任意に設定できる。
【0071】
また、図9(b)に示すように、認識部12は、位置情報Pの軌跡Tが始点TS3から点TC3に至り閉領域が形成され選択領域A3を認識した後に、更に、連続的な指示入力に基づく位置情報Pが取得部11により更に取得された場合に、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡を取得する。この場合に、決定部13は、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡の位置及び長さL3に基づき、表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を調整できる。図9(b)に示す例では、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A3内に延在するので、決定部13は、表示画面に表示される画像の拡大率又は縮小率が減少されるように調整する。この場合に、決定部13は、長さL3に応じて、拡大率又は縮小率の減少量を任意に設定できる。
【0072】
なお、以上の説明では、図9(a)に示すように、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A2外に延在する場合に、拡大率又は縮小率が増加され、図9(b)に示すように、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A3内に延在する場合に、拡大率又は縮小率が減少されることとしたが、これには限定されない。例えば、点TC2から終点TE2に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A2外に延在する場合に、拡大率又は縮小率が減少され、点TC3から終点TE3に至る位置情報Pの軌跡が閉領域A3内に延在する場合に、拡大率又は縮小率が増加されることとしてもよい。
【0073】
続いて、図10を参照して、決定部13による拡大率又は縮小率の変更の例を説明する。決定部13は、囲い領域特定後に受け付けられた位置情報Pの軌跡Tにより、更に1以上の囲い領域が特定された場合に、更に形成された囲い領域の数に応じて表示領域10aに表示される画像の拡大率又は縮小率を変更することができる。
【0074】
具体的には、図10に示すように、位置情報Pの軌跡Tが始点TS4から点TC41に至り閉領域A41が形成された後に、更に位置情報Pの軌跡Tが点TC42に至ることにより閉領域A42が形成された場合に、決定部13は、閉領域A41の形成を認識した後に形成された閉領域の数に応じて、拡大率又は縮小率を変更できる。例えば、決定部13は、さらに閉領域が1つ形成される毎に、既に設定された拡大率又は縮小率を、さらに10%増加又は減少させることとしてもよい。
【0075】
次に、図11を参照して、表示領域10aの表示された画像に対して拡大及び縮小のいずれを実施するかを決定する制御について説明する。図11(a)に示すように、囲い領域A5が、始点TS5から終点TE5に至る時計回りの軌跡Tにより特定された場合には、決定部13は、表示領域10aに表示される画像に対して拡大の処理を実施することを決定できる。一方、図11(b)に示すように、囲い領域A6が、始点TS6から終点TE6に至る反時計回りの軌跡Tにより特定された場合には、決定部13は、表示領域10aに表示される画像に対して縮小の処理を実施することを決定できる。なお、決定部13は、位置情報の時計回りの軌跡により囲い領域が形成された場合に、表示領域10aに表示される画像に対して縮小の処理を実施し、反時計回りの軌跡により囲い領域が形成された場合に、表示領域10aに表示される画像に対して拡大の処理を実施することとしてもよい。
【0076】
なお、上記したように、位置情報の軌跡に基づき囲い領域が形成されたか否かの判定処理は、例えば周知の文字認識技術等の応用により実現できる。周知の文字認識技術では、例えば、当業者に知られたオープンソースライブラリ等が用いられる。また、このような技術では、閉領域又は囲い領域が時計回り及び反時計回りのいずれの軌跡により形成されたかを判定できる。また、係るオープンソースライブラリ等を用いた文字認識技術により閉領域又は囲い領域が形成された場合に、認識部12は、例えば、時系列で続いて取得された2つの位置情報を結んで形成されるベクトルの傾きの変化に基づき、時計回り及び反時計回りのいずれの軌跡により囲い領域が形成されたかを判定できる。
【0077】
続いて、図12を参照して、本実施形態の画像表示装置1の動作について説明する。図2は、画像表示装置1において実施される画像表示方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0078】
まず、取得部11は、タッチパネル10の入力部10bにより受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を受け付ける(S1)。次に、認識部12は、入力部10bを介した連続的な指示入力に基づき取得部11により受け付けられた位置情報の軌跡により囲い領域が特定されたか否かを判定する(S2)。囲い領域が特定されたと判定された場合には、処理手順はステップS3に進められる。一方、囲い領域が特定されたと判定されなかった場合には、処理手順は終了する。
【0079】
ステップS3において、認識部12は、ステップS2において特定された囲い領域を選択領域として認識する(S3)。続いて、決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像を拡大又は縮小すること、及び拡大率を含む拡大の態様又は縮小率を含む縮小の態様を決定する(S4)。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された拡大又は縮小の態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を拡大又は縮小してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる(S5)。
【0080】
続いて、図13を参照して、画像表示装置1において実施される画像表示方法の処理の他の例を説明する。ステップS11〜S13の処理内容は、図12のステップS1〜S3の処理内容と同様である。続くステップS14において、決定部13は、囲い領域が、時計回りの位置情報の軌跡により形成されたか否かを判定する(S14)。時計回りの位置情報の軌跡により形成されたと判定された場合には、処理手順はステップS15に進められる。一方、時計回りの位置情報の軌跡により形成されたと判定されなかった場合には、処理手順はステップS16に進められる。
【0081】
ステップS15において、決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像の拡大率を含む拡大の態様を決定する(S15)。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された拡大率及び拡大の態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を拡大してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる(S16)。
【0082】
一方、ステップS17において、決定部13は、認識部12により認識された選択領域Aの範囲に基づき、タッチパネル10の表示領域10aに表示される画像の縮小率を含む縮小の態様を決定する(S17)。そして、表示制御部14は、決定部13により決定された縮小率及び縮小の態様に基づき、表示領域10aに表示された画像を縮小してタッチパネル10の表示領域10aに表示させる(S18)。
【0083】
次に、図14を参照して、コンピュータを画像表示装置1として機能させるための画像表示プログラムを説明する。画像表示プログラムP1は、メインモジュールP10、取得モジュールP11、認識モジュールP12、決定モジュールP13及び表示制御モジュールP14を備える。
【0084】
メインモジュールP10は、画像表示処理を統括的に制御する部分である。取得モジュールP11、認識モジュールP12、決定モジュールP13及び表示制御モジュールP14を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図1に示される画像表示装置1の取得部11、認識部12、決定部13及び表示制御部14の機能と同様である。
【0085】
画像表示プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD、ROM等の記憶媒体D1または半導体メモリによって提供される。また、画像表示プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0086】
以上説明した本実施形態の画像表示装置1、画像表示方法、画像表示プログラムP1によれば、ユーザによる連続的な指示入力により、それらの指示入力により示される位置の軌跡により表示画面における任意の領域を囲む操作が行われると、それらの指示入力により示される位置を表す位置情報が取得される。そして、取得された位置情報の軌跡により特定された囲い領域が選択領域として認識され、選択領域の範囲及び画像表示領域の範囲に基づき決定された拡大率に従って画像表示領域に表示された画像が拡大される。また、拡大された変換後画像の中心と画像表示領域の中心とが位置合わせされて変換後画像が表示される。これにより、ユーザによる表示画面における任意の領域を囲む操作に基づき、画像の拡大が行われるので、画像における拡大させたいエリアを直感的に選択できる。また、指示入力を受け付けている間に実施される処理は、位置情報を取得する処理のみであって逐次の高負荷な計算処理を必要としないので、軽い処理負荷により拡大の表示処理を実現できる。
【0087】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…画像表示装置、10…タッチパネル、10a…表示領域、10b…入力部、11…取得部、12…認識部、13…決定部、14…表示制御部、D1…記憶媒体、P1…画像表示プログラム、P10…メインモジュール、P11…取得モジュール、P12…認識モジュール、P13…決定モジュール、P14…表示制御モジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置であって、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得手段により受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識手段と、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定手段と、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定手段により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御手段と、
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記取得手段により受け付けられた位置情報の軌跡に基づき該軌跡が前記囲い領域を取り囲む方向を特定する方向特定手段と、
前記決定手段は、前記方向特定手段により特定される方向が第1の方向である場合に、前記拡大率を決定する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記方向特定手段により特定される方向が前記第1の方向と反対の第2の方向である場合に、前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の縮小率を決定し、
前記表示制御手段は、前記画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を前記決定手段により決定された縮小率で縮小した縮小画像を、該縮小画像の中心と前記選択領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる、
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記選択領域に外接する矩形領域内の全ての画像を前記画像表示領域に表示可能な拡大率のうち最大の拡大率を、前記画像表示領域に表示された画像の拡大率として決定し、
前記表示制御手段は、前記矩形領域に含まれる画像を前記決定手段により決定された拡大率により拡大して前記画像表示領域に表示させる、
請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記位置情報は、前記画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、
前記決定手段は、
前記選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の前記第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、
複数の前記第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、
前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさに対する前記画像表示領域の前記第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさに対する前記画像表示領域の前記第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき前記拡大率を決定する、
請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記画像表示領域に表示された画像を前記選択領域に外接する矩形領域内に表示可能な縮小率を、前記画像表示領域に表示された画像の縮小率として決定し、
前記表示制御手段は、前記画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を前記決定手段により決定された縮小率により縮小し、前記画像表示領域における前記矩形領域内に表示させる、
請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記位置情報は、前記画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、
前記決定手段は、
前記選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の前記第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、
複数の前記第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、
前記画像表示領域の前記第1の座標軸の方向の大きさに対する前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は前記画像表示領域の前記第2の座標軸の方向の大きさに対する前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき前記縮小率を決定する、
請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記領域認識手段は、前記位置情報の軌跡による前記囲い領域の特定後に、連続的な指示入力に基づく位置情報が前記取得手段により更に取得された場合に、該囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡を取得し、
前記決定手段は、前記領域認識手段により取得された、前記囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡の位置及び長さに基づき、前記画像表示領域に表示された画像の拡大率又は縮小率を調整する、
請求項3〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記決定手段は、
前記囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域内に延在する場合には、前記画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの一方の変更が施されるように調整し、
前記囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域外に延在する場合には、前記画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの他方の変更が施されるように調整する、
請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡により、更に1以上の囲い領域が特定された場合に、更に特定された囲い領域の数に応じて前記画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率を変更する、
請求項8又は9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記決定手段は、前記入力手段により受け付けられる指示入力の位置の移動速度が所定速度以上の場合に、前記画像表示領域に表示される画像の拡大又は縮小の実施を決定する、
請求項3〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置における画像表示方法であって、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得ステップ手段と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得ステップにおいて受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識ステップと、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識ステップにおいて認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定ステップと、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定ステップにおいて決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御ステップと、
を有する画像表示方法。
【請求項13】
コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、
を実現させる画像表示プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像表示プログラムが前記コンピュータに、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、
を実現させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置であって、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得手段により受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識手段と、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定手段と、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定手段により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御手段と、
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記取得手段により受け付けられた位置情報の軌跡に基づき該軌跡が前記囲い領域を取り囲む方向を特定する方向特定手段と、
前記決定手段は、前記方向特定手段により特定される方向が第1の方向である場合に、前記拡大率を決定する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記方向特定手段により特定される方向が前記第1の方向と反対の第2の方向である場合に、前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識手段により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の縮小率を決定し、
前記表示制御手段は、前記画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を前記決定手段により決定された縮小率で縮小した縮小画像を、該縮小画像の中心と前記選択領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる、
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記選択領域に外接する矩形領域内の全ての画像を前記画像表示領域に表示可能な拡大率のうち最大の拡大率を、前記画像表示領域に表示された画像の拡大率として決定し、
前記表示制御手段は、前記矩形領域に含まれる画像を前記決定手段により決定された拡大率により拡大して前記画像表示領域に表示させる、
請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記位置情報は、前記画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、
前記決定手段は、
前記選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の前記第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、
複数の前記第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、
前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさに対する前記画像表示領域の前記第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさに対する前記画像表示領域の前記第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき前記拡大率を決定する、
請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記画像表示領域に表示された画像を前記選択領域に外接する矩形領域内に表示可能な縮小率を、前記画像表示領域に表示された画像の縮小率として決定し、
前記表示制御手段は、前記画像表示領域に表示された画像を少なくとも一部に含む画像を前記決定手段により決定された縮小率により縮小し、前記画像表示領域における前記矩形領域内に表示させる、
請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記位置情報は、前記画像表示領域における、互いに直交する第1及び第2の座標軸からなる2次元座標系における第1及び第2の座標値により表され、
前記決定手段は、
前記選択領域の外縁を形成する複数の位置情報の各々が有する複数の前記第1の座標値のうちの最大の第1の座標値と最小の第1の座標値との差分値を前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさとして算出し、
複数の前記第2の座標値のうちの最大の第2の座標値と最小の第2の座標値との差分値を前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさとして算出し、
前記画像表示領域の前記第1の座標軸の方向の大きさに対する前記選択領域の第1の座標軸の方向の大きさの割合、又は前記画像表示領域の前記第2の座標軸の方向の大きさに対する前記選択領域の第2の座標軸の方向の大きさの割合に基づき前記縮小率を決定する、
請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記領域認識手段は、前記位置情報の軌跡による前記囲い領域の特定後に、連続的な指示入力に基づく位置情報が前記取得手段により更に取得された場合に、該囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡を取得し、
前記決定手段は、前記領域認識手段により取得された、前記囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡の位置及び長さに基づき、前記画像表示領域に表示された画像の拡大率又は縮小率を調整する、
請求項3〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記決定手段は、
前記囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域内に延在する場合には、前記画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの一方の変更が施されるように調整し、
前記囲い領域の特定後に受け付けられた位置情報の軌跡が該囲い領域外に延在する場合には、前記画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率に対して、増加及び減少のうちの他方の変更が施されるように調整する、
請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記囲い領域特定後に受け付けられた位置情報の軌跡により、更に1以上の囲い領域が特定された場合に、更に特定された囲い領域の数に応じて前記画像表示領域に表示される画像の拡大率又は縮小率を変更する、
請求項8又は9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記決定手段は、前記入力手段により受け付けられる指示入力の位置の移動速度が所定速度以上の場合に、前記画像表示領域に表示される画像の拡大又は縮小の実施を決定する、
請求項3〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置における画像表示方法であって、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得ステップ手段と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得ステップにおいて受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識ステップと、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識ステップにおいて認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定ステップと、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定ステップにおいて決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御ステップと、
を有する画像表示方法。
【請求項13】
コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、
を実現させる画像表示プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、画像を表示画面内の画像表示領域に表示する表示手段と、該表示画面における位置を示す指示入力を受け付ける入力手段とを備える画像表示装置として機能させるための画像表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像表示プログラムが前記コンピュータに、
前記入力手段により受け付けられた指示入力の位置を示す位置情報を取得する取得機能と、
前記入力手段を介した連続的な指示入力に基づき前記取得機能により受け付けられた位置情報群で示される軌跡によって囲まれた前記画像表示領域における囲い領域を特定し、該囲い領域を選択領域として認識する領域認識機能と、
前記画像表示領域の範囲と、前記領域認識機能により認識された選択領域の範囲と、に基づいて、該画像表示領域に表示された画像の拡大率を決定する決定機能と、
前記画像表示領域に表示された画像を前記決定機能により決定された拡大率で拡大した拡大画像を、該拡大画像の中心と前記画像表示領域の中心とが一致するよう該画像表示領域に表示させる表示制御機能と、
を実現させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−44802(P2013−44802A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180831(P2011−180831)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】
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