説明

画像表示装置および画像表示方法

【課題】1つのシャッターメガネで複数の画像表示装置で提示される立体画像を観視可能とする。
【解決手段】TV100のIR受光部103は、PC200のIR発光部202から出力される同期信号(赤外線信号)を外部同期信号として受信する。PC200のIR受光部203は、TV100のIR発光部102から出力される同期信号(赤外線信号)を外部同期信号として受信する。TV100、PC200は、外部同期信号が受信されるとき、この外部同期信号または内部同期信号のいずれかを選択し、その同期信号に基づいた表示タイミングで、左眼画像および右眼画像をディスプレイ101,201に交互に表示する。例えば、TVが内部同期信号で動作し、PCは外部同期信号で動作する、またはその逆の状態となる。これにより、TV100とPC200における左眼画像および右眼画像の表示タイミングの同期が図られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像表示装置および画像表示方法に関し、特に、観視者に立体画像を知覚させるために視差を有する左眼画像および右眼画像を交互に表示する画像表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体画像の表示方式として、シャッターメガネ方式が知られている。このシャッターメガネ方式では、画像表示装置のディスプレイ(画像表示部)に視差を有する左眼画像および右眼画像を交互に表示し、シャッターメガネを通して観視させることで、観視者に立体画像を知覚させる(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
この場合、画像表示装置から左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号が出力される。シャッターメガネは、その同期信号に基づいて、左眼画像が表示されるタイミングで左眼シャッターを開き、右眼画像が表示されるタイミングで右眼シャッターを開く構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−209232号公報
【特許文献2】特開平08−275207号公報
【特許文献3】特開2003−168136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今後、上述したようにディスプレイに視差を有する左眼画像および右眼画像を交互に表示する画像表示装置が複数存在し、それらを同時に観視する環境が想定される。例えば、テレビ受信機(TV)で提示される立体画像とパーソナルコンピュータ(PC)の画面で提示される立体画像とを同時並列的に観視する環境が考えられる。
【0006】
この場合、各画像表示装置で提示される立体画像を1つのシャッターメガネで観視するためには、各画像表示装置のディスプレイに表示される左眼画像および右眼画像の表示タイミングの同期が図られる必要がある。
【0007】
この発明の目的は、1つのシャッターメガネで複数の画像表示装置で提示される立体画像を観視可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の概念は、
画像表示部と、
視差を有する左眼画像および右眼画像を上記画像表示部に交互に表示する表示制御部と、
上記画像表示部への上記左眼画像および上記右眼画像の表示タイミングを示す同期信号を内部同期信号として生成する同期信号生成部と、
他の画像表示装置から出力される左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号を外部同期信号として受信する同期信号受信部と、
上記同期信号受信部で上記外部同期信号が受信されるとき、該外部同期信号または上記同期信号生成部から出力される上記内部同期信号のいずれかを基準同期信号として選択する同期信号選択部とを備え、
上記表示制御部は、上記同期信号選択部で選択された上記基準同期信号に基づいた表示タイミングで上記左眼画像および上記右眼画像を上記画像表示部に交互に表示する
画像表示装置にある。
【0009】
この発明において、表示制御部により、視差を有する左眼画像および右眼画像が画像表示部に交互に表示される。同期信号受信部で他の画像表示装置から出力される左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号が外部同期信号として受信されるとき、同期信号選択部により外部同期信号または内部同期信号のいずれかが基準同期信号として選択される。表示制御部では、同期信号選択部で選択された基準同期信号に基づいた表示タイミングで左眼画像および右眼画像を画像表示部に交互に表示することが行われる。同期信号受信部の通信方式は、例えば、赤外線通信方式または無線通信方式とされる。
【0010】
この発明において、例えば、同期信号選択部は、外部同期信号と内部同期信号に基づいて、それぞれの周波数や信号フォーマットを判別し、外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットよりも高速である場合は、外部同期信号を基準同期信号として選択し、外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットと同じ場合は、外部同期信号または内部同期信号を基準同期信号として選択し、それ以外の場合、内部同期信号を基準同期信号として選択する、ようにされる。
【0011】
また、この発明において、例えば、同期信号選択部は、電源オン時の上記外部同期信号の取得状態や、ユーザの選択操作に応じて、外部同期信号または内部同期信号を基準同期信号として選択する、ようにされる。
【0012】
また、この発明において、例えば、マスターモード、スレーブモード、オートモードまたはマニュアルモードを選択的に設定するためのユーザ設定部をさらに備え、同期信号選択部は、ユーザ設定部によりマスターモードが選択されるとき内部同期信号を基準同期信号として選択し、ユーザ設定部によりスレーブモードが選択されるとき外部同期信号を基準同期信号として選択し、ユーザ設定部によりオードモードが選択されるとき、外部同期信号と内部同期信号に基づいて、それぞれの周波数や信号フォーマットを判別し、外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットよりも高速である場合は、外部同期信号を基準同期信号として選択し、外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットと同じ場合は、外部同期信号または内部同期信号を基準同期信号として選択し、それ以外の場合、内部同期信号を基準同期信号として選択し、ユーザ設定部によりマニュアルモードが選択されるとき、ユーザの選択操作に応じて、外部同期信号または内部同期信号を基準同期信号として選択する、ようにされる。
【0013】
外部同期信号と内部同期信号の周波数や信号フォーマットは、例えば、左眼画像および右眼画像の表示タイミング周期や、解像度やフレームレート、インターレース/プログレッシブ、映像信号のタイミングに関するフォーマットであり、480i、480p、1080i、720p、1080p、VGA, SVGA, XGA, WXGA, SXGA,UXGA、30フレーム/秒、60フレーム/秒、90フレーム/秒、120フレーム/秒、240フレーム/秒、480フレーム/秒 (i:インターレース p:プログレッシブ)等がある。
【0014】
また、この発明において、例えば、同期信号選択部で選択された基準同期信号、または内部同期信号に基づいて送信用同期信号を生成し、他の画像表示装置および立体画像観察用シャッターメガネへ、送信用同期信号を送信する同期信号送信部をさらに備える、ようにされる。この同期信号送信部の通信方式は、例えば、赤外線通信方式または無線通信方式とされる。
【0015】
このように、この発明においては、外部同期信号(他の画像表示装置から出力される左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号)が受信されるとき、外部同期信号または内部同期信号が基準同期信号として選択され、この選択された基準同期信号に基づいた表示タイミングで左眼画像および右眼画像が画像表示部に交互に表示される。なお、内部同期信号が基準同期信号として選択されるとき、内部同期信号に基づいた送信用同期信号が同期信号送信部から送信される。他の画像表示装置では、その
送信用同期信号を、外部同期信号として受信し、その外部同期信号に基づいた表示タイミングで左眼画像および右眼画像が画像表示部に交互に表示される。
【0016】
また、この発明において、例えば、同期信号選択部は、外部同期信号と内部同期信号に基づいて、それぞれの周波数や信号フォーマットを判別し、外部同期信号または内部同期信号から選択された基準同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが画像表示部で表示可能な周波数や信号フォーマットでない場合は、基準同期信号に基づく表示タイミングに同期し、かつ画像表示部で表示可能な周波数や信号フォーマットとなるように、基準同期信号の周波数や信号フォーマットを変換または調整し、この変換または調整された基準同期信号を出力する、ようにされる。この場合、外部同期信号または内部同期信号から選択された基準同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが画像表示部で表示可能な周波数や信号フォーマットでない場合であっても、同期信号選択部からは、画像表示部で表示可能な周波数や信号フォーマットに対応した適切な基準同期信号を出力することが可能となる。
【0017】
そのため、各画像表示装置の画像表示部に交互に表示される左眼画像および右眼画像の表示タイミングの同期が図られる。したがって、1つの立体画像観察用シャッターメガネで複数の画像表示装置で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0018】
また、この発明において、例えば、同期信号送信部は、同期信号選択部で外部同期信号が基準同期信号として選択されるとき、同期信号の送信を停止する、ようにされてもよい。この場合、シャッターメガネは、他の画像表示装置から送信される同期信号のみを受信してシャッター動作を行う。そのため、複数の画像表示装置から送信される同期信号を受信することによる誤動作を回避できる。
【0019】
また、この発明において、左眼画像信号および右眼画像信号を入力する画像処理部をさらに備え、画像処理部は、入力された左眼画像信号および右眼画像信号に対して、基準同期信号に基づいて信号フォーマットの変換処理を行い、この変換処理後の左眼画像信号および右眼画像信号を、基準同期信号に基づく表示タイミングに同期させて、表示制御部へ出力する、ようにされる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、各画像表示装置の画像表示部に交互に表示される左眼画像および右眼画像の表示タイミングの同期が図られるため、1つの立体画像観察用シャッターメガネで複数の画像表示装置で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施の形態としての画像表示観察システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】画像表示観察システムにおける立体画像の表示動作を説明するための模式的図である。
【図3】画像表示観察システムを構成するテレビ受信機の構成例を示すブロック図である。
【図4】テレビ受信機の同期信号処理部が解像度判別部、スイッチ部および基準同期信号調整部を有していることを示すブロック図である。
【図5】CPUの処理モード決定動作及び、スイッチ部の同期選択処理の決定動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】ユーザが処理モードの設定(変更)を行う際にディスプレイに表示されるUI画面の一例を示す図である。
【図7】マニュアルモードに設定(変更)されたときのサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図8】マニュアルモードにおける同期処理選択用のUI画面の一例を示す図である。
【図9】オートモードに設定(変更)されたときのサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図10】画像表示観察システムを構成するパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図11】シャッターメガネの構成例を示すブロック図である。
【図12】画像表示観察システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図13】シャッターメガネの他の構成例を示すブロック図である。
【図14】画像データと基準同期信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図15】外部同期信号からパーソナルコンピュータ200で表示可能な基準同期信号の生成方法について、説明するためのタイミングチャートである
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例1
3.変形例2
【0023】
<1.実施の形態>
[画像表示観察システムの構成例]
図1は、実施の形態としての画像表示観察システム10の構成例を示している。この画像表示観察システム10は、テレビ受信機(TV)100と、パーソナルコンピュータ(PC)200と、シャッターメガネ300により構成されている。
【0024】
テレビ受信機100は、ディスプレイ101、赤外線(IR)発光部102および赤外線(IR)受光部103を有している。ディスプレイ101には、視差を有する左眼画像および右眼画像が交互に表示される。赤外線発光部102からは、ディスプレイ101への左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号が、赤外線信号として出力される。
【0025】
赤外線受光部103では、他の画像表示装置、この実施の形態ではパーソナルコンピュータ200から出力される同期信号(赤外線信号)が外部同期信号として受信される。テレビ受信機100では、この赤外線受光部103で外部同期信号が受信されるとき、この外部同期信号または内部同期信号のいずれかが選択される。そして、テレビ受信機100では、この選択された同期信号に基づいた表示タイミングで、左眼画像および右眼画像をディスプレイ101に交互に表示することが行われる。
【0026】
パーソナルコンピュータ200は、ディスプレイ201、赤外線(IR)発光部202および赤外線(IR)受光部203を有している。ディスプレイ201には、視差を有する左眼画像および右眼画像が交互に表示される。赤外線発光部202からは、ディスプレイ201への左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号が、赤外線信号として出力される。
【0027】
赤外線受光部203では、他の画像表示装置、この実施の形態ではテレビ受信機100から出力される同期信号(赤外線信号)が外部同期信号として受信される。パーソナルコンピュータ200では、この赤外線受光部203で外部同期信号が受信されるとき、この外部同期信号または内部同期信号のいずれかが選択される。そして、パーソナルコンピュータ200では、この選択された同期信号に基づいた表示タイミングで、左眼画像および右眼画像をディスプレイ201に交互に表示することが行われる。
【0028】
ここで、パーソナルコンピュータ200で外部同期信号(テレビ受信機100から出力される同期信号)が選択されるとき、テレビ受信機100では内部同期信号が選択される。一方、パーソナルコンピュータ200で内部同期信号が選択されるとき、テレビ受信機100では外部同期信号(パーソナルコンピュータ200から出力される同期信号)が選択される。この場合、テレビ受信機100のディスプレイ101とパーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に表示される左眼画像および右眼画像の表示タイミングの同期が図られる。
【0029】
図2は、図1に示す画像表示観察システム10における動作を模式的に示している。立体画像観察用のシャッターメガネ300では、ディスプレイ101,201に左眼画像Lが表示されるタイミングで左眼シャッター300Lが開かれ、右眼画像Rが表示されるタイミングで右眼シャッター300Rが開かれる。そのため、観視者は、このシャッターメガネ300を装着することで、左眼で左眼画像Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像Rのみの知覚が可能となる。これにより、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、画像を立体的に認識可能となる。
【0030】
上述したように、テレビ受信機100のディスプレイ101とパーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に表示される左眼画像および右眼画像の表示タイミングの同期が図られる。そのため、1つのシャッターメガネ300でテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0031】
[テレビ受信機の構成]
テレビ受信機100の構成例について説明する。図3は、テレビ受信機100の構成例を示している。このテレビ受信機100は、ディスプレイ101と、赤外線(IR)発光部102と、赤外線(IR)受光部103と、CPU104と、フラッシュROM105と、DRAM106を有している。
【0032】
また、このテレビ受信機100は、アンテナ端子111と、デジタルチューナ112と、ビットストリーム処理部113と、画像処理部114と、フレームシンクロナイザ115と、画像駆動部116を有している。また、このテレビ受信機100は、同期信号出力制御部121と、外部同期制御部122と、同期信号処理部123と、動作クロック信号生成部124と、U/I制御部125を有している。このテレビ受信機100を構成する、上述した個々のブロックは、バスを介して、相互に接続されている。
【0033】
ここで、ディスプレイ101は、画像表示部を構成している。また、画像処理部114、フレームシンクロナイザ115および画像駆動部116は、表示制御部を構成している。また、同期信号出力制御部121および赤外線(IR)発光部102は、同期信号送信部を構成している。また、赤外線(IR)受光部103および外部同期制御部122は、同期信号受信部を構成している。また、同期信号処理部123およびCPU104は、同期信号選択部を構成している。
【0034】
CPU104は、テレビ受信機100の各部の動作を制御する。フラッシュROM105は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM106は、CPU104のワークエリアを構成する。CPU104は、フラッシュROM105から読み出したソフトウェアやデータをDRAM106上に展開してソフトウェアを起動させ、テレビ受信機100の各部を制御する。
【0035】
U/I制御部125は、テレビ受信機100を遠隔制御するリモートコントローラ(図示せず)からのユーザの操作に対応する操作信号を受信し、この操作信号をバスを介してCPU104に供給する。また、このU/I制御部125は、テレビ受信機100の操作パネル(図示せず)に設けられた操作ボタン等をユーザが操作することにより入力される操作信号を受信し、この操作信号を、バスを介して、CPU104に供給する。操作信号としては、例えば、テレビ受信機100の電源の投入および切断、デジタルチューナ112による選局、画像に関する処理、および、音声に関する処理、その他の各種の処理を指令する信号がある。
【0036】
アンテナ端子111は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ112は、アンテナ端子111に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応したビットストリームデータを出力する。ビットストリーム処理部113は、ビットストリームデータから、例えば、立体画像用のコンテンツデータとしての画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)と音声データを抽出して出力する。また、ビットストリーム処理部113は、画像データの表示タイミングや信号フォーマット等を示す内部同期信号を出力する。なお、図3に示すテレビ受信機100の構成例では、説明の簡単化のために、音声系については省略している。
【0037】
画像処理部114は、ビットストリーム処理部113から出力される画像データに対して、時間方向のスケーリング処理およびその他の画像処理を行う。なお、画像処理部114は、ビットストリーム処理部113から出力される画像データが、MPEG(Moving Picture Expert Group)方式、あるいはその他の方式でエンコード処理されている場合、そのデコード処理も行う。
【0038】
フレームシンクロナイザ115は、画像処理部114でスケーリング処理された画像データを、後述する基準同期信号に基づく左眼画像および右眼画像の表示タイミングに同期させて、出力する。画像駆動部116は、フレームシンクロナイザ115から出力される各フレーム画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)に基づいて、ディスプレイ101を駆動する。ディスプレイ101は、視差のある左眼画像Lおよび右眼画像Rを交互に表示する。ディスプレイ101は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)などで構成されている。
【0039】
同期信号出力制御部121は、ディスプレイ101に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングを示すタイミング信号や信号フォーマット等に基づいて、駆動信号を赤外線発光部102に供給する。この赤外線発光部102は、駆動信号に応じて発光し、ディスプレイ101への左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングや信号フォーマット等を示す同期信号を、赤外線信号として、出力する。
【0040】
赤外線受光部103は、外部同期信号(赤外線信号)を受信する。外部同期制御部122は、赤外線受光部103で受信された外部同期信号を取得する。外部同期信号は、上述したように、パーソナルコンピュータ200から出力される、そのディスプレイ201に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングや信号フォーマット等を示す同期信号である。
【0041】
同期信号処理部123は、図4に示すように、解像度判別部131、スイッチ部132および基準同期信号調整部133を備えている。解像度判別部131は、ビットストリーム処理部113から出力される内部同期信号と、外部同期制御部122で取得される外部同期信号を入力し、それぞれの同期信号に基づいて、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミング、周波数や信号フォーマット等を判別する。同期信号処理部123は、解像度判別部131で得られる判別信号をCPU104に通知する。
【0042】
スイッチ部132は、CPU104の制御のもと、内部同期信号または外部同期信号を選択的に取り出し、基準同期信号として出力する。今後、スイッチ部132が、内部同期信号を基準同期信号として選択する処理を“マスター同期処理”、外部同期信号を基準同期信号として選択する処理を“スレーブ同期処理”と呼ぶことにする。スイッチ部132は、マスター同期処理を行う場合にはa側に接続され、内部同期信号を基準同期信号として出力する。また、スイッチ部132は、スレーブ同期処理を行う場合にはb側に接続され、外部同期信号を基準同期信号として、基準同期信号調整部133へ出力する。
【0043】
基準同期信号調整部133は、CPU104の制御のもと、解像度判別部131で得られる判別信号により、基準同期信号がディスプレイ101で表示可能な、表示タイミング、周波数や信号フォーマットである場合は、スルーして出力する。基準同期信号が、ディスプレイ101で表示可能な、表示タイミング、周波数や信号フォーマットでない場合は、ディスプレイ101で表示可能な、表示タイミング、周波数や信号フォーマットになるように、基準同期信号調整部133は、CPU104の制御のもと、基準同期信号を調整して、出力する。
【0044】
CPU104は、解像度判別部131で得られる判別信号、ユーザの処理モード設定、外部同期信号の取得の有無などに基づいて、スイッチ部132の同期処理の選択を、マスター同期処理またはスレーブ同期処理に決定する。CPU104におけるスイッチ部132の同期選択処理の決定動作については、後述する。
【0045】
動作クロック信号生成部124は、同期信号処理部123から出力される基準同期信号の位相に同期した動作クロック信号を生成する。画像処理部114、フレームシンクロナイザ115、画像駆動部116などは、基準同期信号および動作クロック信号に基づいて動作する。そのため、ディスプレイ101への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは基準同期信号に同期したものとなる。
【0046】
また、上述した同期信号出力制御部121も、基準同期信号および動作クロック信号に基づいて動作する。そのため、同期信号出力制御部121は、上述したように、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングや信号フォーマット等を示す同期信号(赤外線信号)を出力するように、赤外線発光部102を駆動できる。
【0047】
[CPUの処理モード決定動作]
次に、CPU104の処理モード決定動作及び、スイッチ部132の同期選択処理の決定動作について説明する。図5のフローチャートは、CPU104の処理モード決定動作及び、スイッチ部132の同期選択処理の決定動作の処理手順を示している。
【0048】
まず、CPU104は、ステップST1において、例えば、電源オンのタイミングで、処理を開始する。その後、CPU104は、ステップST2において、外部同期制御部122で外部同期信号が取得されたか否かを判断する。ステップST1からステップST2に遷移した時に、外部同期信号が取得されたか否かどうか(電源オン時の外部同期信号の取得状態)は、DRAM106に保存する。ステップST2において、外部同期信号が取得されていないとき、CPU104は、ステップST3において、マスター同期処理に決定する。
【0049】
CPU104は、ステップST3の処理の後、ステップST4において、電源オフか否かを判断する。電源オフのとき、CPU104は、ステップST5において、処理を終了する。一方、電源オフでないとき、CPU104は、ステップST2の処理に戻る。
【0050】
ステップST2で外部同期信号が取得されているとき、CPU104は、ステップST6の処理に移る。このステップST6において、CPU104は、ユーザにより設定される処理モードが変更されたか否かを判断する。
【0051】
ユーザは、処理モードとして、マスターモード、スレーブモード、オートモードまたはマニュアルモードを選択的に設定できる。ユーザが処理モードの設定(変更)を行う際、例えば、ディスプレイ101には、図6に示すように、各選択肢に対応してラジオボタン(radio button)が設けられた設定用のUI画面(3D同期設定メニュー)が表示される。ユーザは、このUI画面を利用して、処理モードの設定(変更)を、簡単に行うことができる。
【0052】
図5のフローチャートに戻る。ステップST6で処理モードが変更されていないとき、CPU104は、ステップST7において、ユーザにより設定された処理モードに基づいて決定された、マスター同期処理またはスレーブ同期処理の状態をそのまま維持し、その後、ステップST4の処理に移る。
【0053】
ステップST6でユーザにより処理モードが変更されたとき、CPU104は、ステップST8の処理に移る。このステップST8において、CPU104は、設定処理モードがマスターモードであるか否かを判断する。マスターモードであるとき、CPU104は、ステップST3において、マスター同期処理に決定し、その後に、ステップST4の処理に移る。
【0054】
また、ステップST8でマスターモードに変更されていないとき、CPU104は、ステップST9の処理に移る。このステップST9において、CPU104は、設定処理モードがマニュアルモード、オートモード、またはスレーブモードのいずれであるか判断する。
【0055】
マニュアルモードであるとき、CPU104は、ステップST10のマニュアルモードのサブルーチン処理に移る。図7は、このステップST10のサブルーチン処理を示している。
【0056】
まず、CPU104は、ステップST21において、処理を開始し、その後に、ステップST22の処理に移る。このステップST22において、CPU104は、ディスプレイ101に、図8に示すように、各選択肢に対応してラジオボタンが設けられた、同期信号選択用のUI画面を表示する。ユーザは、このUI画面を利用して、マスター同期処理またはスレーブ同期処理の選択を、簡単に行うことができる。
【0057】
次に、CPU104は、ステップST23において、スレーブ同期処理が選択されたか否かを判断する。スレーブ同期処理が選択されたとき、CPU104は、ステップST24において、スレーブ同期処理に決定する。その後、CPU104は、ステップST25において、同期信号選択用のUI画面の表示を閉じ、ステップST26において、リターンする。
【0058】
一方、ステップST23でスレーブ同期処理が選択されないとき、つまり、マスター同期処理が選択されたとき、CPU104は、ステップST27において、マスター同期処理に決定する。その後、CPU104は、ステップST25において、同期信号選択用のUI画面の表示を閉じ、ステップST26において、リターンする。
【0059】
図5のフローチャートに戻って、ステップST9でオートモードであるとき、CPU104は、ステップST11のオートモードのサブルーチン処理に移る。図9は、このステップST11のサブルーチン処理を示している。
【0060】
まず、CPU104は、ステップST31において、処理を開始し、その後に、ステップST32の処理に移る。このステップST32において、CPU104は、同期信号処理部123の解像度判別部131で得られる判別信号に基づいて、内部同期信号に基づく左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミング、周波数や信号フォーマットと比較して、外部同期信号に基づく左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミング、周波数や信号フォーマットが高速か否か、または同じかを判断する。例えば、内部同期信号に基づく左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングとして、フレームレートが60フレーム/秒であり、外部同期信号に基づく左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングが240フレーム/秒の場合、CPU104は、外部同期信号が内部同期信号より高速と判断する。
【0061】
内部同期信号と比較して外部同期信号が高速であるとき、CPU104は、ステップST32からステップST33へ遷移して、ステップST33において、スレーブ同期処理に決定し、その後に、ステップST34において、リターンする。一方、このステップST32において、外部同期信号と内部同期信号で、それぞれの左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミング、周波数や信号フォーマットが同じと判断された場合は、例えば、DRAM106に保存された電源オン時の外部同期信号の取得状態に応じて、決定する。
【0062】
この場合、ステップST1からステップST2の遷移した際、電源オン時には外部同期信号が取得されていない場合は、ステップST32からステップST35へ遷移して、ステップST35において、マスター同期処理に決定し、その後に、ステップST34において、リターンする。電源オン時には外部同期信号が取得されている場合は、ステップST32からステップST33へ遷移して、ステップST33において、スレーブ同期処理に決定し、その後に、ステップST34において、リターンする。また、このステップST32において、内部同期信号と比較して外部同期信号が低速であるとき、CPU104は、ステップST35において、マスター同期処理に決定し、その後に、ステップST34において、リターンする。
【0063】
図5のフローチャートに戻って、ステップST9でスレーブモードであるとき、ステップST12において、スレーブモード処理として、スレーブ同期処理を決定し、その後に、ステップST4の処理に移る。
【0064】
上述したようにして、ユーザの設定した処理モードや、スイッチ部132の同期選択処理として、マスター同期処理またはスレーブ同期処理が決定される。
【0065】
[テレビ受信機の動作]
図3に示すテレビ受信機100の動作を説明する。アンテナ端子111に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ112に供給される。このデジタルチューナ112では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータが得られる。
【0066】
デジタルチューナ112から出力されるビットストリームデータは、ビットストリーム処理部113に供給される。このビットストリーム処理部113では、ビットストリームデータから画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)、音声データなどが抽出される出力される。また、このビットストリーム処理部113から内部同期信号が出力される。
【0067】
ビットストリーム処理部113から出力される画像データは、画像処理部114に供給される。この画像処理部114では、ビットストリーム処理部113からの画像データに対して、同期信号処理部123で得られる判別信号と基準同期信号に基づいて、同期信号処理部123から出力される基準同期信号に基づく左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングと同じタイミング周波数になるように、時間方向のスケーリング処理、フレームレート変換やI/P変換などの信号フォーマット変換が行われる。
【0068】
例えば、同期信号処理部123で得られる判別信号と基準同期信号に基づいて、ビットストリーム処理部113からの画像データのフレームレートが60フレーム/秒であり、同期信号処理部123から出力される基準同期信号に基づくフレームレートが120フレーム/秒であるとする。その場合、画像処理部114では、画像データに対して、フレームレートを60フレーム/秒から120フレーム/秒へのフレームレート変換処理(フォーマット変換処理)が行われる。
【0069】
このように信号フォーマット変換処理が施された画像データは、フレームシンクロナイザ115に供給される。フレームシンクロナイザ115では、信号フォーマット変換処理が施された画像データを基準同期信号に基づく左眼画像および右眼画像の表示タイミングに同期させて、出力すること、が行われる。このように画像データを基準同期信号に同期させて出力することは、例えば、特開2004−23134号公報等に記載されている。フレームシンクロナイザ115から出力される各フレーム画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)は画像駆動部116に供給される。
【0070】
ディスプレイ101は、画像駆動部116により、フレームシンクロナイザ115からの各フレーム画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)に基づいて、駆動される。そのため、ディスプレイ101は、視差のある左眼画像Lおよび右眼画像Rが交互に表示される。
【0071】
また、赤外線(IR)受光部103では、外部同期信号(赤外線信号)を受信される。このように赤外線受光部103で受信される外部同期信号は、外部同期制御部122に供給される。CPU104では、解像度判別部131で得られる判別信号、ユーザの処理モード設定、外部同期信号の取得の有無などに基づいて、スイッチ部132の同期処理の選択を、マスター同期処理またはスレーブ同期処理に決定される。(図5参照)。
【0072】
スレーブ同期処理の場合、同期信号処理部123(図4参照)のスイッチ部132はb側に接続され、基準同期信号として外部同期信号が得られる。動作クロック信号生成部124では、外部同期信号の位相に同期した動作クロック信号が生成される。
【0073】
そのため、画像処理部114、フレームシンクロナイザ115、画像駆動部116などは、外部同期信号およびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ101への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは、外部同期信号に同期したものとなる。
【0074】
また、マスター同期処理の場合、同期信号処理部123(図4参照)のスイッチ部132はa側に接続され、基準同期信号として内部同期信号が得られる。動作クロック信号生成部124では、内部同期信号の位相に同期した動作クロック信号が生成される。
【0075】
そのため、画像処理部114、フレームシンクロナイザ115、画像駆動部116などは、内部同期信号およびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ101への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは、内部同期信号に同期したものとなる。なお、このマスターモード処理の場合、フレームシンクロナイザ115へ入力される画像データが既に内部同期信号に同期している時、省電力のため、フレームシンクロナイザ115の機能はオフしてもよい。
【0076】
また、同期信号出力制御部121に、基準同期信号および動作クロック信号が供給される。そのため、同期信号出力制御部121から赤外線(IR)発光部102に、ディスプレイ101に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングを示すタイミング信号や基準同期信号の信号フォーマットに基づいて、駆動信号が供給される。そのため、赤外線発光部102からは、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングや信号フォーマットを示す同期信号が、赤外線信号として、出力される。
【0077】
なお、スレーブ同期処理が行われている状態で、例えば外部の画像表示装置の電源がオフとされて、赤外線受光部103で外部同期信号が取得されなくなるときは、設定処理モードがいずれにあっても、マスター同期処理が行われるようになる(図5参照)。
【0078】
[パーソナルコンピュータの構成]
パーソナルコンピュータ200の構成例について説明する。図10は、パーソナルコンピュータ200の構成例を示している。このパーソナルコンピュータ200は、ディスプレイ201と、赤外線(IR)発光部202と、赤外線(IR)受光部203と、CPU204と、フラッシュROM205と、DRAM206を有している。また、このパーソナルコンピュータ200は、ネットワーク端子226と、イーサネットインタフェース227と、BD/DVDドライブ228を有している。なお、「イーサネット」は登録商標である。
【0079】
また、このパーソナルコンピュータ200は、ビットストリーム処理部213と、画像処理部214と、フレームシンクロナイザ215と、画像駆動部216を有している。また、このパーソナルコンピュータ200は、同期信号出力制御部221と、外部同期制御部222と、同期信号処理部223と、動作クロック信号生成部224と、U/I制御部225を有している。このパーソナルコンピュータ200を構成する、上述した個々のブロックは、バスを介して、相互に接続されている。
【0080】
ここで、ディスプレイ201は、画像表示部を構成している。また、画像処理部214、フレームシンクロナイザ215および画像駆動部216は、表示制御部を構成している。また、同期信号出力制御部221および赤外線(IR)発光部202は、同期信号送信部を構成している。また、赤外線(IR)受光部203および外部同期制御部222は、同期信号受信部を構成している。また、同期信号処理部223およびCPU204は、同期信号選択部を構成している。
【0081】
CPU204は、パーソナルコンピュータ200の各部の動作を制御する。フラッシュROM205は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM206は、CPU204のワークエリアを構成する。CPU204は、フラッシュROM205から読み出したソフトウェアやデータをDRAM206上に展開してソフトウェアを起動させ、パーソナルコンピュータ200の各部の制御、各種演算処理、各種アプリケーションの実行を制御する。
【0082】
イーサネットインタフェース227は、ネットワーク端子226を介して、インターネット等の図示しないネットワークに接続される。イーサネットインタフェース227は、ユーザ操作に応じて、ネットワークに接続されている図示しないコンテンツサーバから、ユーザの選択コンテンツに対応した配信データ(ビットストリームデータ)を受信する。
【0083】
BD/DVDドライブ228は、ユーザの操作に応じて、装着されたBDあるいはDVD等のディスクの再生を行って、再生データ(ビットストリームデータ)を出力する。
【0084】
ビットストリーム処理部213は、上述の配信データあるいは再生データから、画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)と音声データを抽出して出力する。また、ビットストリーム処理部213は、内部同期信号を出力する。U/I制御部225は、キーボード、マウス等をユーザが操作することにより入力される操作信号を受信し、この操作信号を、バスを介して、CPU204に供給する。
【0085】
詳細説明は省略するが、このパーソナルコンピュータ200のその他は、テレビ受信機100の対応する部分と同様に構成され、同様の動作をする。なお、同期信号処理部223は、図4にかっこで括って符号を付しているが、テレビ受信機100の同期信号処理部123と同様に、解像度判別部231、スイッチ部232および基準同期信号調整部233を有している。
【0086】
CPU204では、テレビ受信機100のCPU104と同様に、同期信号処理部223の解像度判別部231で得られる判別信号、ユーザの処理モード設定、外部同期信号の取得の有無などに基づいて、同期信号処理部223のスイッチ部232の同期処理の選択が、マスター同期処理またはスレーブ同期処理に決定される(図5参照)。
【0087】
スレーブ同期処理の場合、同期信号処理部223のスイッチ部232はb側に接続され、基準同期信号として外部同期信号が得られ、基準同期信号調整部233へ出力する。基準同期信号調整部233は、CPU204の制御のもと、解像度判別部231で得られる判別信号により、基準同期信号がディスプレイ201で表示可能な、表示タイミング、周波数や信号フォーマットである場合は、スルーして出力する。また、この基準同期信号調整部233は、この基準同期信号が、ディスプレイ201で表示可能な、表示タイミング、周波数や信号フォーマットでない場合は、ディスプレイ201で表示可能な、表示タイミング、周波数や信号フォーマットになるように調整して、出力する。CPU204における基準同期信号調整部233の動作処理については、後述する。動作クロック信号生成部224では、外部同期信号の位相に同期した動作クロック信号が生成される。
【0088】
そのため、画像処理部214、フレームシンクロナイザ215、画像駆動部216などは、外部同期信号およびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ201への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは、外部同期信号に同期したものとなる。
【0089】
また、マスター同期処理の場合、同期信号処理部223(図4参照)のスイッチ部はa側に接続され、基準同期信号として内部同期信号が得られる。動作クロック信号生成部224では、内部同期信号の位相に同期した動作クロック信号が生成される。
【0090】
そのため、画像処理部214、フレームシンクロナイザ215、画像駆動部216などは、内部同期信号およびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ201への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは、内部同期信号に同期したものとなる。なお、このマスターモード処理の場合、フレームシンクロナイザ215へ入力される画像データが内部同期信号に同期している時、省電力のため、フレームシンクロナイザ215の機能はオフしてもよい。
【0091】
また、同期信号出力制御部221に、基準同期信号および動作クロック信号が供給される。そのため、同期信号出力制御部221から赤外線(IR)発光部202に、ディスプレイ201に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングを示すタイミング信号や基準同期信号の信号フォーマットに基づいて、駆動信号が供給される。そのため、赤外線発光部202からは、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングや信号フォーマットを示す同期信号が、赤外線信号として、出力される。
【0092】
[シャッターメガネの構成]
シャッターメガネ300について説明する。図11は、シャッターメガネ300の構成例を示している。このシャッターメガネ300は、左眼シャッター300Lおよび右眼シャッター300Rを含むメガネ部301と、赤外線受光部302と、シャッター駆動部303を有している。
【0093】
赤外線受光部302は、例えば、テレビ受信機100またはパーソナルコンピュータ200から送信される、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングを示す同期信号(赤外線信号)をシャッター制御信号Cshとして受信する。シャッター駆動部303は、赤外線受光部302で受信されたシャッター制御信号Cshに基づいて、メガネ部301の左眼シャッター300Lおよび右眼シャッター300Rを駆動する。
【0094】
すなわち、シャッター駆動部303は、ディスプレイ101,201に左眼画像Lが表示されるタイミングで、左眼シャッター300Lを開く。また、シャッター駆動部303は、ディスプレイ101,201に右眼画像Rが表示されるタイミングで、右眼シャッター300Rを開く。
【0095】
シャッターメガネ300の動作を説明する。赤外線受光部302では、例えば、テレビ受信機100またはパーソナルコンピュータ200から送られてくる、左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号(赤外線信号)がシャッター制御信号Cshとして受信される。このシャッター制御信号Cshは、シャッター駆動部303に供給される。
【0096】
シャッター駆動部303では、シャッター制御信号Cshに基づいて、メガネ部301を構成する左眼シャッター300Lおよび右眼液晶シャッター300Rを駆動することが行われる。この場合、ディスプレイ101,201に左眼画像Lが表示されるタイミングで、左眼シャッター300Lが開かれる。また、ディスプレイ101,201に右眼画像Rが表示されるタイミングで、右眼シャッター300Rが開かれる。
【0097】
このようにシャッターメガネ300が動作することで、このシャッターメガネ300を装着した観視者は、左眼で左眼画像(カラー画像)Lのみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像(カラー画像)Rのみの知覚が可能となる(図2参照)。そのため、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、カラーの立体画像を認識可能となる。
【0098】
上述したように、図1に示す画像表示観察システム10を構成するテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200において、ユーザは、マスターモード、スレーブモード、オートモードまたはマニュアルモードの処理モードを選択的に設定できる。
【0099】
例えば、テレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200は、双方とも、ユーザの選択により、オートモードに設定されるとする。その場合、例えば、テレビ受信機100が、パーソナルコンピュータ200より電源オンが早い場合、電源オン時にパーソナルコンピュータ200からの外部同期信号が取得されていないので、マスター同期処理を行うように決定される(図5参照)。その後に、パーソナルコンピュータ200が電源オンし、パーソナルコンピュータ200からの外部同期信号が取得された場合、その外部同期信号の周波数が内部同期信号の周波数よりも低速の場合には、マスター同期処理を行うように決定される(図9参照)。
【0100】
一方、パーソナルコンピュータ200は、テレビ受信機100からの外部同期信号が取得された場合、その外部同期信号の周波数がパーソナルコンピュータ200の内部同期信号の周波数よりも高速の場合は、スレーブ同期処理を行うように決定される(図9参照)。そのため、テレビ受信機100がマスター同期処理を行う場合、パーソナルコンピュータ200はスレーブ同期処理を行う。逆に、パーソナルコンピュータ200からの外部同期信号の周波数が、テレビ受信機100の内部同期信号の周波数よりも高速の場合には、図5および図9のフローチャートに従い、テレビ受信機100はスレーブ同期処理を行い、パーソナルコンピュータ200はマスター同期処理を行う。
【0101】
スレーブ同期処理の場合、上述したように、外部同期信号およびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ101,201への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは、外部同期信号に同期したものとなる。逆に、マスター同期処理の場合、上述したように、内部同期信号およびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ101,201への左眼画像信号Lおよび右眼画像信号Rの表示タイミングは、内部同期信号に同期したものとなる。
【0102】
したがって、テレビ受信機100のディスプレイ101とパーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングの同期が図られる。そのため、1つのシャッターメガネ300でテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0103】
なお、テレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200をオートモードに設定することで、各機器においては自動的にマスター同期処理を行うかスレーブ同期処理を行うかが決定され、ユーザの選択操作の手間を省くことができる。
【0104】
また、例えば、テレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200は、双方とも、ユーザの選択操作により、マニュアルモードに設定される。その場合、その後のユーザの選択操作により、例えば、テレビ受信機100がマスター同期処理を行うように決定される場合、パーソナルコンピュータ200はスレーブ同期処理を行うように決定される。逆に、ユーザの選択操作により、例えば、テレビ受信機100がスレーブ同期処理を行うように決定される場合、パーソナルコンピュータ200はマスター同期処理を行うように決定される。
【0105】
したがって、この場合にも、ユーザの選択操作により、テレビ受信機100のディスプレイ101とパーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングの同期が図られる。そのため、1つのシャッターメガネ300でテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0106】
なお、テレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200をマニュアルモードに設定することで、各機器において、ユーザは、マスター同期処理を行わせるかスレーブ同期処理を行わせるかを、任意に選択できる。
【0107】
また、例えば、ユーザの選択操作により、テレビ受信機100がマスターモードに設定され、パーソナルコンピュータ200はスレーブモードに設定されたとする。この場合、テレビ受信機100はマスター同期処理を行うように決定され、パーソナルコンピュータ200はスレーブ同期処理を行うように決定される。
【0108】
したがって、この場合にも、テレビ受信機100のディスプレイ101とパーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングの同期が図られる。そのため、1つのシャッターメガネ300でテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0109】
さらに、例えば、ユーザの選択操作により、テレビ受信機100がスレーブモードに設定され、パーソナルコンピュータ200はマスターモードに設定されたとする。この場合、テレビ受信機100はスレーブ同期処理を行うように決定され、パーソナルコンピュータ200はマスター同期処理を行うように決定される。
【0110】
したがって、この場合にも、テレビ受信機100のディスプレイ101とパーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に表示される左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングの同期が図られる。そのため、1つのシャッターメガネ300でテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0111】
上述したように、処理モードとして、マスターモード、スレーブモード、オートモードまたはマニュアルモードの選択肢が、ユーザに提供されているので、ユーザは、所望のモードを選択し、ユーザの都合に合わせて、1つのシャッターメガネ300でテレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200で提示される立体画像を観視することが可能となる。
【0112】
<2.変形例1>
なお、上述実施の形態において、テレビ受信機100は、マスター同期処理、スレーブ同期処理のいずれを行うかによらず、赤外線発光部102から、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングを示す同期信号(赤外線信号)を出力する。パーソナルコンピュータ200も、同様である。
【0113】
しかし、各画像表示装置を、例えば、スレーブ同期処理を行う場合には、赤外線発光部102,202からの、左眼画像Lおよび右眼画像Rの表示タイミングを示す同期信号(赤外線信号)の出力を停止するに構成してもよい。この場合、シャッターメガネ300は、マスター同期処理を行う画像表示装置から送信される同期信号のみを受信してシャッター動作を行うことができる。そのため、複数の機器から送信される同期信号を受信することによる誤動作を回避できる。
【0114】
また、上述実施の形態において、テレビ受信機100およびパーソナルコンピュータ200の2つの画像表示装置からなる画像表示観察システム10を示した。しかし、この発明は、3つ以上の画像表示装置からなる画像表示観察システムにも同様に適用できる。この場合、例えば、ユーザの選択により、ある1つの画像表示装置がマスター同期処理を行うように決定され、その他の画像表示装置はスレーブ同期処理を行うように決定される。
【0115】
また、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、テレビ受信機100やパーソナルコンピュータ200に限らず、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション、デジタルフォトスタンド、電子ブックなど、幅広いAV(Audio/Video)機器や電子機器でもよい。
【0116】
また、上述の図1の画像表示観察システム10では、テレビ受信機100は、赤外線(IR)発光部102と、赤外線(IR)受光部103とを備え、パーソナルコンピュータ200は、赤外線(IR)発光部202と、赤外線(IR)受光部203とを備え、シャッターメガネ300は、赤外線受光部302を備えることにより、赤外線による通信方式の構成例が記述されている。ただし、通信方式として、例えば、2.4GHz帯のISM(Industrial, Scientific and Medical use)バンドの無線通信方式など、無線を利用した通信方式を適用することもできる。
【0117】
図12は、無線通信方式を使用した画像表示観察システム10Aの構成例を示している。この図12において、図1と対応する部分には同一符号を付して示している。この図12の画像表示観察システム10Aにおいては、図1の画像表示観察システム10における、赤外線(IR)発光部102および赤外線(IR)受光部103を有するテレビ受信機100が、無線送信部126および無線受信部127を有するテレビ受信機100Aに置き換えられている。また、この図12の画像表示観察システム10Aにおいては、図1の画像表示観察システム10における、赤外線(IR)発光部202および赤外線(IR)受光部203を有するパーソナルコンピュータ200が、無線送信部226および無線受信部227を有するパーソナルコンピュータ200Aに置き換えられている。
【0118】
また、この図12の画像表示観察システム10Aにおいては、図1の画像表示観察システム10におけるシャッターメガネ300が、シャッターメガネ300Aに置き換えられている。図13は、無線通信方式を使用したシャッターメガネ300Aの構成例を示している。この図13において、図11と対応する部分には同一符号を付して示している。この図13のシャッターメガネ300Aにおいては、図11のシャッターメガネ300における赤外線(IR)受光部302が、無線受信部304に置き換えられている。
【0119】
なお、画像表示観察システムとしては、上述した赤外線(IR)通信方式、あるいは上述した無線通信方式の一方のみを利用するものだけではなく、各機器がこれらの2つの通信方式の機能を備え、適宜、切り替えて使用する構成も考えられる。このように2つの通信方式を切り替えて使用することは、例えば、特開2009−65241号公報等に記載されている。
【0120】
<3.変形例2>
なお、上述実施の形態において、テレビ受信機100とパーソナルコンピュータ200で、ディスプレイの表示能力が同じとは限らない。例えば、テレビ受信機100の表示できる最大フレームレートが240フレーム/秒で、パーソナルコンピュータ200の表示できる最大フレームレートが120フレーム/秒とする。
【0121】
各々のユーザ設定により、テレビ受信機100はマスターモードに設定されて、マスター同期処理に決定され、パーソナルコンピュータ200はスレーブモードに設定されて、スレーブ同期処理に決定されているとする。テレビ受信機100で、ディスプレイ101に表示される左眼画像データと右眼画像データ、およびその基準同期信号のタイミングの一例を、図14に示す。
【0122】
画像データAは、ディスプレイ101に表示される左眼画像データAと右眼画像データAで構成されている。基準同期信号Aは、同期タイミング(フレームレート等)や信号フォーマットを示す同期信号Aと、ディスプレイ101へ左眼画像データを表示するタイミングを制御する左眼画像表示信号Aと、ディスプレイ101へ右眼画像データを表示するタイミングを制御する右眼画像表示信号Aで構成されている。
【0123】
この場合、同期信号Aは、フレームレートが240フレーム/秒であり、この同期信号Aと左眼画像表示信号Aに基づくタイミングで、画像駆動部116は、ディスプレイ101に左眼画像データAを表示し、同期信号Aと右眼画像表示信号Aに基づくタイミングで、画像駆動部116は、ディスプレイ101に右眼画像データAを表示する。また同期信号出力制御部121は、IR発光部102を介して、基準同期信号Aに基づいた赤外線信号を出力する。
【0124】
テレビ受信機100のIR発光部102から出力される基準同期信号A(240フレーム/秒)に基づいた赤外線信号が、パーソナルコンピュータ200のIR受光部203と外部同期制御部222で受信されると、外部同期信号として、同期信号処理部223の解像度判別部231とスイッチ部232へ入力される。解像度判別部231による外部同期信号の判別により、その判別信号は、CPU204へ通知され、CPU204は、外部同期信号が240フレーム/秒であることを検知する。
【0125】
パーソナルコンピュータ200はスレーブ同期処理に設定されているが、外部同期信号がパーソナルコンピュータ200の表示できる最大フレームレートをオーバーしているため、同期信号処理部223に設けられた基準同期信号調整部233で、外部同期信号から、パーソナルコンピュータ200で表示可能な基準同期信号を生成する。例えば、基準同期信号調整部233で生成される基準同期信号の一例を、図14の基準同期信号Bに示す。
【0126】
基準同期信号調整部233で、外部同期信号から基準同期信号Bを生成する、タイミングチャートの一例を、図15に示す。まず、基準同期信号調整部233では、外部同期信号(図15(a))から、同期信号A(図15(b))と外部画像表示信号A(図15(c))を分離する。基準同期信号調整部233は、分離された同期信号A(図15(b))から、分周などの処理を施して、フレームレートが120フレーム/秒で、同期信号Aに同期した同期信号B(図15(d))を生成する。
【0127】
また、分離された外部画像表示信号A(図15(c))から、同期信号Bに同期し、かつ、その同期信号の1周期区間に、左眼画像表示信号B、または、右眼画像表示信号Bが挿入された画像表示信号B(図15(e))を生成する。基準同期信号調整部233は、同期信号B(図15(d))と画像表示信号B(図15(e))を合成し、基準同期信号B(図15(f))を生成して、出力する。その後、基準同期信号Bは、パーソナルコンピュータ200の基準同期信号として、利用される。
【0128】
動作クロック信号生成部224では、基準同期信号Bの位相に同期した動作クロック信号が生成される。そのため、画像処理部214、フレームシンクロナイザ215、画像駆動部216などは、基準同期信号Bおよびその位相に同期した動作クロック信号に基づいて動作が行われる。そのため、ディスプレイ201への左眼画像(図14の左眼画像データB)および右眼画像(図14の右眼画像データB)の表示タイミングは、基準同期信号Bに同期したものとなる。
【0129】
つまり、ディスプレイ201では、基準同期信号Bの左眼画像表示信号Bの表示タイミングに基づいて、左眼画像データBが表示され、基準同期信号Bの右眼画像表示信号Bの表示タイミングに基づいて、右眼画像データBが表示される。なお、外部同期信号と基準同期信号Bは異なる信号であることから、テレビ受信機100やシャッターメガネ300の誤動作を防止するため、赤外線発光部202から、基準同期信号Bに基づく赤外線信号の出力を停止する。
【0130】
一方、シャッターメガネ300は、テレビ受像機100から送信される、基準同期信号Aに基づく赤外線信号を、シャッター制御信号Cshとして、受信する。詳細な説明は割愛するが、シャッターメガネ300では、基準同期信号Aの左眼画像表示信号Aの表示タイミングに基づいて、左眼シャッター300Lが開かれ、基準同期信号Aの右眼画像表示信号Aの表示タイミングに基づいて、右眼シャッター300Rが開かれる。
【0131】
このようにシャッターメガネ300が動作することで、このシャッターメガネ300を装着した観視者は、パーソナルコンピュータ200のディスプレイ201に対して、左眼で左眼画像(左眼画像データB)のみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像(右眼画像データB)のみの知覚が可能となる。また、このシャッターメガネ300を装着した観視者は、テレビ受像機100のディスプレイ101に対して、左眼で左眼画像(左眼画像データA)のみの知覚が可能となり、右眼で右眼画像(右眼画像データA)のみの知覚が可能となる。そのため、観視者は、視差を有する左眼画像Lおよび右眼画像Rに基づいて、カラーの立体画像を認識可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
この発明は、1つのシャッターメガネで複数の画像表示装置で提示される立体画像を観視することが可能となるものであり、複数の画像表示装置からなる画像表示観察システムに適用できる。
【符号の説明】
【0133】
10,10A・・・画像表示観察システム
100,100A・・・テレビ受信機
101,201・・・ディスプレイ
102,202・・・赤外線(IR)発光部
103,203・・・赤外線(IR)受光部
104,204・・・CPU
111・・・アンテナ端子
112・・・デジタルチューナ
113,213・・・ビットストリーム処理部
114,214・・・画像処理部
115,215・・・フレームシンクロナイザ
116,216・・・画像駆動部
121,221・・・同期信号出力制御部
122,222・・・外部同期制御部
123,223・・・同期信号処理部
124,224・・・動作クロック信号生成部
125,225・・・U/I制御部
126,226・・・無線送信部
127,227・・・無線受信部
131,231・・・解像度判別部
132,232・・・スイッチ部
133,233・・・基準同期信号調整部
200,200A・・・パーソナルコンピュータ
226・・・ネットワーク端子
227・・・イーサネットインタフェース
228・・・BD/DVDドライブ
300,300A・・・立体画像観察用のシャッターメガネ
301・・・メガネ部
300L・・・左眼シャッター
300R・・・右眼シャッター
302・・・赤外線(IR)受光部
303・・・シャッター駆動部
304・・・無線受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部と、
視差を有する左眼画像および右眼画像を上記画像表示部に交互に表示する表示制御部と、
上記画像表示部への上記左眼画像および上記右眼画像の表示タイミングを示す同期信号を内部同期信号として生成する同期信号生成部と、
他の画像表示装置から出力される左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号を外部同期信号として受信する同期信号受信部と、
上記同期信号受信部で上記外部同期信号が受信されるとき、該外部同期信号または上記同期信号生成部から出力される上記内部同期信号のいずれかを基準同期信号として選択する同期信号選択部とを備え、
上記表示制御部は、上記同期信号選択部で選択された上記基準同期信号に基づいた表示タイミングで上記左眼画像および上記右眼画像を上記画像表示部に交互に表示する
画像表示装置。
【請求項2】
上記同期信号選択部は、
上記外部同期信号と上記内部同期信号に基づいて、それぞれの周波数や信号フォーマットを判別し、上記外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、上記内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットよりも高速である場合は、上記外部同期信号を上記基準同期信号として選択し、
上記外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、上記内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットと同じ場合は、上記外部同期信号または上記内部同期信号を上記基準同期信号として選択し、それ以外の場合、内部同期信号を基準同期信号として選択する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記同期信号選択部は、電源オン時の上記外部同期信号の取得状態や、ユーザの選択操作に基づいて、上記外部同期信号または上記内部同期信号を上記基準同期信号として選択する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
マスターモード、スレーブモード、オートモードまたはマニュアルモードを選択的に設定するためのユーザ設定部をさらに備え、
上記同期信号選択部は、
上記ユーザ設定部により上記マスターモードが選択されるとき、上記内部同期信号を上記基準同期信号として選択し、
上記ユーザ設定部により上記スレーブモードが選択されるとき、上記外部同期信号を上記基準同期信号として選択し、
上記ユーザ設定部により上記オードモードが選択されるとき、上記外部同期信号と上記内部同期信号に基づいて、それぞれの周波数や信号フォーマットを判別し、上記外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、上記内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットよりも高速である場合は、上記外部同期信号を上記基準同期信号として選択し、上記外部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが、上記内部同期信号に基づく周波数や信号フォーマットと同じ場合は、上記外部同期信号または上記内部同期信号を上記基準同期信号として選択し、それ以外の場合、上記内部同期信号を上記基準同期信号として選択し、
上記ユーザ設定部により上記マニュアルモードが選択されるとき、ユーザの選択操作に応じて、上記外部同期信号または上記内部同期信号を上記基準同期信号として選択する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記同期信号選択部で選択された上記基準同期信号または上記内部同期信号に基づいて送信用同期信号を生成し、他の画像表示装置および立体画像観察用シャッターメガネへ、上記送信用同期信号を送信する同期信号送信部をさらに備える
請求項1に載の画像表示装置
【請求項6】
上記同期信号送信部は、上記同期信号選択部で上記外部同期信号が上記基準同期信号として選択されるとき、上記同期信号の送信を停止する
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
上記同期信号選択部は、
上記外部同期信号と上記内部同期信号に基づいて、それぞれの周波数や信号フォーマットを判別し、上記外部同期信号または上記内部同期信号から選択された上記基準同期信号に基づく周波数や信号フォーマットが上記画像表示部で表示可能な周波数や信号フォーマットでない場合は、上記基準同期信号に基づく表示タイミングに同期し、かつ上記画像表示部で表示可能な周波数や信号フォーマットとなるように、上記基準同期信号の周波数や信号フォーマットを変換または調整し、該変換または調整された基準同期信号を出力する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
左眼画像信号および右眼画像信号を入力する画像処理部をさらに備え、
上記画像処理部は、
入力された左眼画像信号および右眼画像信号に対して、上記基準同期信号に基づいて信号フォーマットの変換処理を行い、
該変換処理後の左眼画像信号および右眼画像信号を、上記基準同期信号に基づく表示タイミングに同期させて、上記表示制御部へ出力する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項9】
上記同期信号受信部の通信方式は、赤外線通信方式または無線通信方式である
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項10】
上記同期信号送信部の通信方式は、赤外線通信方式または無線通信方式である
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項11】
視差を有する左眼画像および右眼画像を画像表示部に交互に表示する表示制御ステップと、
上記画像表示部への上記左眼画像および上記右眼画像の表示タイミングを示す同期信号を内部同期信号として生成する同期信号生成ステップと、
他の画像表示装置から出力される左眼画像および右眼画像の表示タイミングを示す同期信号を外部同期信号として受信する同期信号受信ステップと、
上記同期信号受信ステップで上記外部同期信号が受信されるとき、該外部同期信号または上記同期信号生成ステップで生成される上記内部同期信号のいずれかを基準同期信号として選択する同期信号選択ステップとを備え、
上記表示制御ステップでは、上記同期信号選択ステップで選択された上記基準同期信号に基づいた表示タイミングで上記左眼画像および上記右眼画像を上記画像表示部に交互に表示する
画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−188232(P2011−188232A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51414(P2010−51414)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】