画像表示装置および画像表示方法
【課題】 デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことが可能な画像表示装置等を提供すること。
【解決手段】 プロジェクター100が、デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力されるデジタル信号入力部110と、デジタル信号に関する調整を行う調整部130と、当該調整に関する設定情報が入力される情報入力部160と、デジタル信号に基づく画像を表示するとともに、デジタル信号の入力有無にかかわらず、設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示する投写部190を含んで構成される。
【解決手段】 プロジェクター100が、デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力されるデジタル信号入力部110と、デジタル信号に関する調整を行う調整部130と、当該調整に関する設定情報が入力される情報入力部160と、デジタル信号に基づく画像を表示するとともに、デジタル信号の入力有無にかかわらず、設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示する投写部190を含んで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤー等の外部装置とプロジェクター等の画像表示装置とがHDMIケーブル等のデジタル信号ケーブルを介して接続された状態において、様々な要因によって画像が全く表示されない、画像のちらつき、画像の一部にノイズが生じる等の不具合が発生する。例えば、画像表示装置が表示側の受信性能に適合した画像信号を選択していない、画像表示装置におけるコピープロテクト機能が誤作動した、外部装置からの画像信号の品質劣化、HDMIケーブルの品質劣化、画像表示装置の受信回路が十分な性能を有していない等の要因によって不具合が発生する。例えば、特開2007−140180号公報では、種別を判定できない画像信号が入力された場合に、ユーザーの要求によらないでユーザー設定画像を表示し、ユーザーに入力画像信号の解像度等を設定させ、ユーザー設定情報に応じて設定データを更新して当該設定データを用いて画像信号に基づく画像を表示するプロジェクターが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−140180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザーの要求によらないでユーザー設定画像を表示する手法の場合、画像表示装置は、画像信号の種別を適切に判定できていても、信号種別の判定に使用する計測部の対象外の要素例えば、画像信号等が正常に受信できない場合、画像の一部にノイズが発生する等の事態が発生することにより、適切な画像を表示できないことがある。また、入力画像信号に基づく画像とユーザー設定画像を重ねて表示する手法の場合、適切な調整が行われていない状態では、入力画像信号が不安定な状態正常受信できたり、できなかったり、受信できても同期信号の周波数が不安定等になるため、画像表示装置は、ユーザー設定画像すら正常に表示できず、ユーザーがユーザー設定画像において調整を行えないといった事態が発生することがある。
【0005】
本発明にかかるいくつかの態様は、上記課題を解決することにより、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことが可能な画像表示装置および画像表示方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の1つである画像表示装置は、デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力されるデジタル信号入力部と、前記デジタル信号に関する調整を行う調整部と、前記調整に関する設定情報が入力される情報入力部と、前記デジタル信号に基づく画像を表示するとともに、前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示する表示部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の態様の1つである画像表示方法は、デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力される画像表示装置が、前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示し、前記設定情報が入力され、前記設定情報に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行い、前記調整を行ったデジタル信号に基づく画像を表示することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、画像表示装置は、デジタル信号の入力有無にかかわらず、デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示することにより、デジタル信号の信号劣化やノイズ等の波形品質に関係なく、ユーザーに設定情報を入力させることができるため、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0009】
また、前記画像表示装置は、前記画像表示装置から前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出するとともに、前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出すると前記設定画像を前記表示部に表示させる制御部を含んでもよい。これによれば、画像表示装置は、デジタル信号ケーブルが抜かれた状態で設定画像を表示することにより、デジタル信号の信号劣化やノイズ等の波形品質に関係なく、設定画像を表示することができるため、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0010】
また、前記情報入力部は、前記設定画像の表示要求情報が入力され、前記表示部は、前記表示要求情報の入力に応じて前記設定画像を表示してもよい。これによれば、画像表示装置は、ユーザーの要求に応じて設定画像を表示することができる。
【0011】
また、前記画像表示装置は、設定値が異なる複数の設定データを記憶する記憶部を含み、前記設定画像は、前記設定情報の入力として、前記設定データの選択を受け付ける選択画像を含み、前記調整部は、選択された前記設定データの設定値に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行ってもよい。これによれば、画像表示装置は、ユーザーに設定値を誤って設定させることなく、デジタル信号に対する調整を行うことができる。
【0012】
また、前記調整部は、イコライザー調整を行ってもよい。これによれば、画像表示装置は、イコライザー調整を行うことにより、デジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0013】
また、前記画像表示装置は、前記設定画像を投写するプロジェクターとして形成されてもよい。これによれば、画像表示装置は、様々な長さのデジタル信号ケーブルが接続されるプロジェクターとして形成されている場合であっても、デジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施例における通常状態でのプロジェクターの投写状況を示す図である。
【図2】第1の実施例における天吊り状態でのプロジェクターの投写状況を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるプロジェクターの斜視図である。
【図4】第1の実施例におけるプロジェクターの背面図である。
【図5】第1の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図6】第1の実施例におけるプロジェクターのハードウェアブロック図である。
【図7】第1の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施例における設定画像の一例を示す図である。
【図9】第1の実施例における設定画像の他の一例を示す図である。
【図10】第2の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図11】第2の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をプロジェクターに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0016】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例における通常状態でのプロジェクター100の投写状況を示す図である。また、図2は、第1の実施例における天吊り状態でのプロジェクター100の投写状況を示す図である。また、図3は、第1の実施例におけるプロジェクター100の斜視図であり、図4は、第1の実施例におけるプロジェクター100の背面図である。プロジェクター100は、背面にHDMI端子910、911、音声入力端子913、914、S−ビデオ入力端子915、ビデオ入力端子916、ミニD−Sub15pin端子917等が設けられている。例えば、図1に示すように、プロジェクター(画像表示装置)100は、床やテーブル等に置かれた状態で、HDMI端子910に接続されたHDMIケーブル(デジタル信号ケーブル)300を介してDVDプレーヤー(外部装置)200と接続され、DVDプレーヤー200からの画像信号(デジタル信号。例えば、RGB信号、輝度色差信号、同期信号等)に基づき、スクリーン10に画像20を投写する。一方、図2に示すように、プロジェクター100が天井に金具30で固定される天吊り状態では、通常状態と比べてHDMIケーブル301の長さが長くなる。また、HDMIケーブル300、301の品質や適応バージョンには様々なものがある。
【0017】
このように、HDMIケーブル300、301の長さや品質等の影響により、プロジェクター100に入力される画像信号の減衰等によって画像信号の波形品質が劣化し、画像20が適切に表示されない場合がある。画像20が適切に表示されない場合、ユーザーは、プロジェクター100に対し、設定を変更するための設定画像の表示要求を行う。しかし、設定画像は、入力画像信号に基づく画像に重ねて表示される画像であるため、画像信号の波形品質が劣化した状態では、設定画像も適切に表示されない。本実施例のプロジェクター100は、設定画像の表示時にホットプラグ検出信号の出力を停止することにより、HDMIケーブル300、301が仮想的に抜かれた状態にし、当該状態で設定画像を表示する機能を有している。また、本実施例のプロジェクター100は、HDMIケーブル300、301が抜かれたことを検出すると、設定画像を表示する機能を有している。次に、このような機能を有するプロジェクター100の機能ブロックについて説明する。
【0018】
図5は、第1の実施例におけるプロジェクター100の機能ブロック図である。プロジェクター100は、HDMIケーブル300、301を介してデジタル形式の画像信号が入力されるデジタル信号入力部110と、当該画像信号に対する調整を行う調整部130と、調整された画像信号に基づく画像等を生成する画像生成部140と、当該画像等を投写する投写部(表示部)190と、投写部190等に電力を供給する電源部180を含んで構成されている。また、プロジェクター100は、ユーザーによる操作情報等が入力される情報入力部160と、調整部130等を制御する制御部170と、ホットプラグ検出信号をDVDプレーヤー200に出力する検出部150と、記憶部120を含んで構成されている。また、記憶部120は、設定画像等を生成するための画像データ122、調整部130の設定値を示す設定データ124、125、ユーザーの設定を示すユーザー設定データ126等を記憶している。なお、デジタル信号入力部110、調整部130、検出部150、情報入力部160、制御部170は、設定画像の表示時にホットプラグ検出信号の出力を停止する制御を行う制御装置106としても機能する。
【0019】
図6は、第1の実施例におけるプロジェクター100のハードウェアブロック図であり、各部の接続状態を模式的に表している。例えば、デジタル信号入力部110は、HDMI端子910、911、セレクター912等、記憶部120はRAM920、フラッシュROM922等、調整部130は、イコライザー回路932、サンプリング回路934、デコーダー回路936等を含む受信回路930等、画像生成部140は画像処理回路940等、検出部150、制御部170はCPU970等、情報入力部160はリモコン(リモートコントローラー)からの赤外線信号を受信する受信ユニット960、操作ボタン等によって構成される操作パネル962等、電源部180は電源980等、投写部190はランプ駆動回路990、ランプ991、照明光学系992、液晶駆動回路993、液晶ライトバルブ994、投写レンズ995等を用いて実装されてもよい。ランプ駆動回路990は電源980からの電力を、ランプ991を点灯させるのに必要な駆動電力に変換して出力する。なお、図6では、説明を簡単にするため、電源980から各部に電力を供給する電源ラインを省略している。また、図6には2つのHDMI端子910、911のみが記載されているが、実際には、プロジェクター100は、S−ビデオ入力端子915等の他の端子も有している。また、HDMI端子910、911は1つであってもよい。
【0020】
次に、本実施例における画像表示手順について説明する。図7は、第1の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。画像生成部140は、調整部130によって調整された画像信号に基づき、画像20を生成し、投写部190は、画像20を投写する(ステップS1)。ユーザーは、例えば、投写された画像20の一部にノイズが発生していると判断した場合、プロジェクター100の操作パネル962またはリモコン(図示せず)を操作して設定画像の表示要求を行う。操作パネル962およびリモコンは、後述する設定画像における各種設定項目の調整や選択を行うために必要な上下左右の方向に対応する矢印キー、決定キー等を備えている。制御部170は、情報入力部160からの情報(ユーザーによる表示要求情報)に基づき、設定画像の表示要求があったかどうかを判定する(ステップS2)。設定画像の表示要求がなかった場合は正常に表示されていることになるため、プロジェクター100は、初期制御用の処理を終了し、通常の画像処理を実行する。設定画像の表示要求があった場合、制御部170は、画像生成部140を制御し、画像データ122に基づく設定画像を生成させる。投写部190は、当該設定画像を投写する(ステップS3)。
【0021】
図8は、第1の実施例における設定画像400の一例を示す図である。また、図9は、第1の実施例における設定画像401の他の一例を示す図である。設定画像400、401は、ユーザーによる設定情報の入力を受け付ける画像である。例えば、設定画像400は、「画質」、「映像」、「設定」、「メモリー」、「ネットワーク」、「情報」、「初期化」のメニューで構成されるトップメニュー画像410と、「設定」で「入力信号」が選択された場合に表示される入力信号に関するサブメニュー画像420と、操作パネル962またはリモコンのキー操作と当該キー操作に対する応答内容を示す操作ガイド画像430を含む。また、設定画像401は、設定データ124、125の選択を受け付ける選択画像である。設定画像401は、サブメニュー画像420で「HDMI1 EQ 設定」または「HDMI2 EQ 設定」が選択された場合に表示される画像であり、イコライザー設定画像440と、操作ガイド画像430を含む。
【0022】
なお、「HDMI1 EQ 設定 1」はHDMI端子910からの入力信号に対するイコライザー設定(デジタル信号に関する調整)として設定データ124に対応する設定1が選択されていることを示し、「HDMI2 EQ 設定 1」はHDMI端子911からの入力信号に対するイコライザー設定として設定データ124に対応する設定1が選択されていることを示す。例えば、ユーザーは、図9に示す設定画像401が表示された状態で、操作パネル962またはリモコンの下向き矢印キーを押して設定2を選択し、操作パネル962またはリモコンのメニューキーを押して終了することにより、HDMI端子910に対するイコライザー設定を設定2に変更することができる。なお、設定画像400、401はOSD(On Screen Display)画像であり、設定画像400は画像21のOSD画像として表示され、設定画像401は画像22のOSD画像として表示される。
【0023】
また、制御部170は、設定画像400を生成させた後、デジタル信号入力部110からの情報に基づき、HDMIケーブル300、301がHDMI端子910、911から抜かれたかどうかを判定する(ステップS4)。例えば、制御部170は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)信号がデジタル信号入力部110に入力されていないことを検出することにより、HDMIケーブル300、301がHDMI端子910、911から抜かれたと判定することができる。
【0024】
ところで、設定画像400が適切に表示されている場合は問題ないが、ステップS3の設定画像400の投写によっても設定画像400が表示されないことも想定される。このような場合、ユーザーは、HDMIケーブル300、301をHDMI端子910、911から抜くことにより、入力画像信号の影響を受けない状態で、設定画像400をプロジェクター100に投写させる。
【0025】
HDMIケーブル300、301がHDMI端子910、911から抜かれた場合、制御部170は、画像生成部140を制御し、入力画像信号の影響を受けない状態で、画像データ122に基づく設定画像400を生成させる。投写部190は、設定画像400を投写する(ステップS5)。
【0026】
ステップS3またはステップS5の処理によって設定画像401が表示された状態で、制御部170は、情報入力部160からの情報に基づき、設定の変更があるかどうかを判定する(ステップS6)。設定の変更があった場合、制御部170は、ユーザー設定データ126を更新する(ステップS7)。具体的には、例えば、ユーザーが、図9に示す設定画像401が表示された状態で、操作パネル962またはリモコンの下向き矢印キーを押して設定2を選択し、操作パネル962またはリモコンのメニューキーを押して終了する操作を行った場合、制御部171は、HDMI端子910について設定データ125が適用されるようにユーザー設定データ126を更新する。
【0027】
ユーザー設定データ126の更新後、制御部170は、検出部150を制御してホットプラグ検出信号の出力を停止させる(ステップS8)。なお、ホットプラグ検出信号は、HDMI規格における信号であり、DVDプレーヤー200からの電源信号に応じてプロジェクター100が出力する信号である。制御部170は、ユーザー設定データ126で示される設定に応じて設定データ124または設定データ125を参照して調整部130に当該データを反映し、デジタル信号入力部110からの入力画像信号を調整させる(ステップS9)。なお、この設定データは、例えば、イコライザー回路932におけるゲイン値等である。
【0028】
当該設定データの反映が終了後、制御部170は、検出部150を制御してホットプラグ検出信号の出力を再開させる(ステップS10)。これにより、プロジェクター100は、DVDプレーヤー200等の外部装置からの画像信号の再出力を促し、調整部130に新しく反映された設定データ124または設定データ125に基づき入力画像信号を調整させ、画像20を再生成し、投写する。
【0029】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター100は、表示要求情報が入力され、調整部130に適用する設定を変更し、ホットプラグ検出信号を出力させないように検出部150を制御することにより、仮想的にHDMIケーブル300、301が抜かれた状態にすることができ、調整時の不安定な状態でのHDCP誤認証等を回避することができるため、より安定した状態でデジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0030】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、ユーザーの要求に応じて設定画像400、401を表示することができるため、プロジェクター100自身が適切な表示が行われているか判断できない場合であっても、ユーザーにとって適切な画像を表示することができる。
【0031】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、設定を選択させる設定画像401を表示して選択させることにより、ユーザーに設定値を誤って設定させることなく、デジタル信号に対する調整を行うことができる。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、イコライザー調整を行うことにより、デジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0032】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、様々な長さのHDMIケーブル300、301が接続される状況であっても、長さや品質に適した調整を行って画像20を表示することができる。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、HDMI端子910、911や受信回路930の特性に応じた調整を行うことができる。
【0033】
(第2の実施例)
第1の実施例では、プロジェクター100は、ホットプラグ検出信号の出力を停止したが、ホットプラグ検出信号の出力を停止しなくてもよい。また、第1の実施例では、プロジェクター100は、HDMIケーブル300、301が抜かれたことを検出して設定画像400を投写したが、当該検出を行わないで設定画像400を投写してもよい。
【0034】
図10は、第2の実施例におけるプロジェクター101の機能ブロック図である。プロジェクター101は、検出部151と、検出部151を制御しない制御部171を含んで構成されている。検出部151、制御部171以外の構成は第1の実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0035】
図11は、第2の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。画像生成部140は、調整部130によって調整された画像信号に基づき、画像20を生成し、投写部190は、画像20を投写する(ステップS11)。制御部171は、情報入力部160からの情報に基づき、設定画像400の表示要求があったかどうかを判定する(ステップS12)。設定画像400の表示要求があった場合、制御部171は、画像生成部140に設定画像400を生成させ、投写部190は、設定画像400を投写する(ステップS13)。
【0036】
設定画像401が表示された状態で、制御部171は、情報入力部160からの情報に基づき、設定の変更があるかどうかを判定する(ステップS14)。設定の変更があった場合、制御部170は、ユーザー設定データ126を更新する(ステップS15)。制御部171は、ユーザー設定データ126で示される設定に応じて設定データ124または設定データ125を参照して調整部130を制御し、デジタル信号入力部110からの入力画像信号を調整させる(ステップS16)。
【0037】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター101は、デジタル信号の入力有無にかかわらず、デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像400、401を表示することにより、デジタル信号の信号劣化にノイズ等の波形品質に関係なく、ユーザーに設定情報を入力させることができるため、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0038】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、変形が可能である。例えば、デジタル信号ケーブルは、HDMIケーブル300、301に限定されず、DVI(Digital Visual Interface)ケーブル等であってもよい。また、デジタル信号は、画像信号に限定されず、音声信号であってもよいし、画像信号と音声信号を含む信号であってもよい。また、設定画像400、401で設定させる項目は、イコライザー回路932の設定に限定されず、受信回路930のイコライザー回路932以外のパラメーター値等であってもよい。また、ユーザーによる当該パラメーター値等の入力を受け付ける設定画像が採用されてもよい。
【0039】
また、HDMIケーブル300、301が抜かれたことを検出する手法は、上述した手法に限定されず、例えば、HDMI端子910、911における物理的な接触を検出する手法等であってもよい。また、画像表示装置はプロジェクター100、101に限定されず、例えば、テレビ、液晶モニター等であってもよい。また、制御装置106が実装される装置は画像表示装置に限定されず、例えば、ハードディスクレコーダー、セットトップボックス、AVアンプ等であってもよい。また、外部装置は、DVDプレーヤー200に限定されず、例えば、ハードディスクレコーダー、セットトップボックス、PC(Personal Computer)、ゲーム装置等であってもよい。
【0040】
また、プロジェクター100、101の有するコンピューターは、情報記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って制御部170等として機能してもよい。このような情報記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用できる。
【0041】
また、プロジェクター100、101は、液晶プロジェクター(透過型、LCOS等の反射型)に限定されず、例えば、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクター等であってもよい。また、投写部190は、ランプ991の代わりに有機EL素子、シリコン発光素子、レーザーダイオード、LED等の固体光源を含む自己発光素子を採用してもよい。また、プロジェクター100、101の機能を複数の装置(例えば、PCとプロジェクター等)に分散してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 スクリーン、20〜22 画像、30 金具、100、101 プロジェクター(画像表示装置)、106 制御装置、110 デジタル信号入力部、120 記憶部、122 画像データ、124、125 設定データ、126 ユーザー設定データ、130 調整部、140 画像生成部、150、151 検出部、160 情報入力部、170、171 制御部、180 電源部、190 投写部(表示部)、200 DVDプレーヤー(外部装置)、300、301 HDMIケーブル(デジタル信号ケーブル)、400、401 設定画像、410 トップメニュー画像、420 サブメニュー画像、430 操作ガイド画像、440 イコライザー設定画像、910、911 HDMI端子、912 セレクター、913、914 音声入力端子、915 S−ビデオ入力端子、916 ビデオ入力端子、917 ミニD−Sub15pin端子、920 RAM、922 フラッシュROM、930 受信回路、932 イコライザー回路、934 サンプリング回路、936 デコーダー回路、940 画像処理回路、960 受信ユニット、962 操作パネル、970 CPU、980 電源、990 ランプ駆動回路、991 ランプ、992 照明光学系、993 液晶駆動回路、994 液晶ライトバルブ、995 投写レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤー等の外部装置とプロジェクター等の画像表示装置とがHDMIケーブル等のデジタル信号ケーブルを介して接続された状態において、様々な要因によって画像が全く表示されない、画像のちらつき、画像の一部にノイズが生じる等の不具合が発生する。例えば、画像表示装置が表示側の受信性能に適合した画像信号を選択していない、画像表示装置におけるコピープロテクト機能が誤作動した、外部装置からの画像信号の品質劣化、HDMIケーブルの品質劣化、画像表示装置の受信回路が十分な性能を有していない等の要因によって不具合が発生する。例えば、特開2007−140180号公報では、種別を判定できない画像信号が入力された場合に、ユーザーの要求によらないでユーザー設定画像を表示し、ユーザーに入力画像信号の解像度等を設定させ、ユーザー設定情報に応じて設定データを更新して当該設定データを用いて画像信号に基づく画像を表示するプロジェクターが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−140180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザーの要求によらないでユーザー設定画像を表示する手法の場合、画像表示装置は、画像信号の種別を適切に判定できていても、信号種別の判定に使用する計測部の対象外の要素例えば、画像信号等が正常に受信できない場合、画像の一部にノイズが発生する等の事態が発生することにより、適切な画像を表示できないことがある。また、入力画像信号に基づく画像とユーザー設定画像を重ねて表示する手法の場合、適切な調整が行われていない状態では、入力画像信号が不安定な状態正常受信できたり、できなかったり、受信できても同期信号の周波数が不安定等になるため、画像表示装置は、ユーザー設定画像すら正常に表示できず、ユーザーがユーザー設定画像において調整を行えないといった事態が発生することがある。
【0005】
本発明にかかるいくつかの態様は、上記課題を解決することにより、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことが可能な画像表示装置および画像表示方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の1つである画像表示装置は、デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力されるデジタル信号入力部と、前記デジタル信号に関する調整を行う調整部と、前記調整に関する設定情報が入力される情報入力部と、前記デジタル信号に基づく画像を表示するとともに、前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示する表示部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の態様の1つである画像表示方法は、デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力される画像表示装置が、前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示し、前記設定情報が入力され、前記設定情報に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行い、前記調整を行ったデジタル信号に基づく画像を表示することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、画像表示装置は、デジタル信号の入力有無にかかわらず、デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示することにより、デジタル信号の信号劣化やノイズ等の波形品質に関係なく、ユーザーに設定情報を入力させることができるため、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0009】
また、前記画像表示装置は、前記画像表示装置から前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出するとともに、前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出すると前記設定画像を前記表示部に表示させる制御部を含んでもよい。これによれば、画像表示装置は、デジタル信号ケーブルが抜かれた状態で設定画像を表示することにより、デジタル信号の信号劣化やノイズ等の波形品質に関係なく、設定画像を表示することができるため、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0010】
また、前記情報入力部は、前記設定画像の表示要求情報が入力され、前記表示部は、前記表示要求情報の入力に応じて前記設定画像を表示してもよい。これによれば、画像表示装置は、ユーザーの要求に応じて設定画像を表示することができる。
【0011】
また、前記画像表示装置は、設定値が異なる複数の設定データを記憶する記憶部を含み、前記設定画像は、前記設定情報の入力として、前記設定データの選択を受け付ける選択画像を含み、前記調整部は、選択された前記設定データの設定値に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行ってもよい。これによれば、画像表示装置は、ユーザーに設定値を誤って設定させることなく、デジタル信号に対する調整を行うことができる。
【0012】
また、前記調整部は、イコライザー調整を行ってもよい。これによれば、画像表示装置は、イコライザー調整を行うことにより、デジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0013】
また、前記画像表示装置は、前記設定画像を投写するプロジェクターとして形成されてもよい。これによれば、画像表示装置は、様々な長さのデジタル信号ケーブルが接続されるプロジェクターとして形成されている場合であっても、デジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施例における通常状態でのプロジェクターの投写状況を示す図である。
【図2】第1の実施例における天吊り状態でのプロジェクターの投写状況を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるプロジェクターの斜視図である。
【図4】第1の実施例におけるプロジェクターの背面図である。
【図5】第1の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図6】第1の実施例におけるプロジェクターのハードウェアブロック図である。
【図7】第1の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施例における設定画像の一例を示す図である。
【図9】第1の実施例における設定画像の他の一例を示す図である。
【図10】第2の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図11】第2の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をプロジェクターに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0016】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例における通常状態でのプロジェクター100の投写状況を示す図である。また、図2は、第1の実施例における天吊り状態でのプロジェクター100の投写状況を示す図である。また、図3は、第1の実施例におけるプロジェクター100の斜視図であり、図4は、第1の実施例におけるプロジェクター100の背面図である。プロジェクター100は、背面にHDMI端子910、911、音声入力端子913、914、S−ビデオ入力端子915、ビデオ入力端子916、ミニD−Sub15pin端子917等が設けられている。例えば、図1に示すように、プロジェクター(画像表示装置)100は、床やテーブル等に置かれた状態で、HDMI端子910に接続されたHDMIケーブル(デジタル信号ケーブル)300を介してDVDプレーヤー(外部装置)200と接続され、DVDプレーヤー200からの画像信号(デジタル信号。例えば、RGB信号、輝度色差信号、同期信号等)に基づき、スクリーン10に画像20を投写する。一方、図2に示すように、プロジェクター100が天井に金具30で固定される天吊り状態では、通常状態と比べてHDMIケーブル301の長さが長くなる。また、HDMIケーブル300、301の品質や適応バージョンには様々なものがある。
【0017】
このように、HDMIケーブル300、301の長さや品質等の影響により、プロジェクター100に入力される画像信号の減衰等によって画像信号の波形品質が劣化し、画像20が適切に表示されない場合がある。画像20が適切に表示されない場合、ユーザーは、プロジェクター100に対し、設定を変更するための設定画像の表示要求を行う。しかし、設定画像は、入力画像信号に基づく画像に重ねて表示される画像であるため、画像信号の波形品質が劣化した状態では、設定画像も適切に表示されない。本実施例のプロジェクター100は、設定画像の表示時にホットプラグ検出信号の出力を停止することにより、HDMIケーブル300、301が仮想的に抜かれた状態にし、当該状態で設定画像を表示する機能を有している。また、本実施例のプロジェクター100は、HDMIケーブル300、301が抜かれたことを検出すると、設定画像を表示する機能を有している。次に、このような機能を有するプロジェクター100の機能ブロックについて説明する。
【0018】
図5は、第1の実施例におけるプロジェクター100の機能ブロック図である。プロジェクター100は、HDMIケーブル300、301を介してデジタル形式の画像信号が入力されるデジタル信号入力部110と、当該画像信号に対する調整を行う調整部130と、調整された画像信号に基づく画像等を生成する画像生成部140と、当該画像等を投写する投写部(表示部)190と、投写部190等に電力を供給する電源部180を含んで構成されている。また、プロジェクター100は、ユーザーによる操作情報等が入力される情報入力部160と、調整部130等を制御する制御部170と、ホットプラグ検出信号をDVDプレーヤー200に出力する検出部150と、記憶部120を含んで構成されている。また、記憶部120は、設定画像等を生成するための画像データ122、調整部130の設定値を示す設定データ124、125、ユーザーの設定を示すユーザー設定データ126等を記憶している。なお、デジタル信号入力部110、調整部130、検出部150、情報入力部160、制御部170は、設定画像の表示時にホットプラグ検出信号の出力を停止する制御を行う制御装置106としても機能する。
【0019】
図6は、第1の実施例におけるプロジェクター100のハードウェアブロック図であり、各部の接続状態を模式的に表している。例えば、デジタル信号入力部110は、HDMI端子910、911、セレクター912等、記憶部120はRAM920、フラッシュROM922等、調整部130は、イコライザー回路932、サンプリング回路934、デコーダー回路936等を含む受信回路930等、画像生成部140は画像処理回路940等、検出部150、制御部170はCPU970等、情報入力部160はリモコン(リモートコントローラー)からの赤外線信号を受信する受信ユニット960、操作ボタン等によって構成される操作パネル962等、電源部180は電源980等、投写部190はランプ駆動回路990、ランプ991、照明光学系992、液晶駆動回路993、液晶ライトバルブ994、投写レンズ995等を用いて実装されてもよい。ランプ駆動回路990は電源980からの電力を、ランプ991を点灯させるのに必要な駆動電力に変換して出力する。なお、図6では、説明を簡単にするため、電源980から各部に電力を供給する電源ラインを省略している。また、図6には2つのHDMI端子910、911のみが記載されているが、実際には、プロジェクター100は、S−ビデオ入力端子915等の他の端子も有している。また、HDMI端子910、911は1つであってもよい。
【0020】
次に、本実施例における画像表示手順について説明する。図7は、第1の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。画像生成部140は、調整部130によって調整された画像信号に基づき、画像20を生成し、投写部190は、画像20を投写する(ステップS1)。ユーザーは、例えば、投写された画像20の一部にノイズが発生していると判断した場合、プロジェクター100の操作パネル962またはリモコン(図示せず)を操作して設定画像の表示要求を行う。操作パネル962およびリモコンは、後述する設定画像における各種設定項目の調整や選択を行うために必要な上下左右の方向に対応する矢印キー、決定キー等を備えている。制御部170は、情報入力部160からの情報(ユーザーによる表示要求情報)に基づき、設定画像の表示要求があったかどうかを判定する(ステップS2)。設定画像の表示要求がなかった場合は正常に表示されていることになるため、プロジェクター100は、初期制御用の処理を終了し、通常の画像処理を実行する。設定画像の表示要求があった場合、制御部170は、画像生成部140を制御し、画像データ122に基づく設定画像を生成させる。投写部190は、当該設定画像を投写する(ステップS3)。
【0021】
図8は、第1の実施例における設定画像400の一例を示す図である。また、図9は、第1の実施例における設定画像401の他の一例を示す図である。設定画像400、401は、ユーザーによる設定情報の入力を受け付ける画像である。例えば、設定画像400は、「画質」、「映像」、「設定」、「メモリー」、「ネットワーク」、「情報」、「初期化」のメニューで構成されるトップメニュー画像410と、「設定」で「入力信号」が選択された場合に表示される入力信号に関するサブメニュー画像420と、操作パネル962またはリモコンのキー操作と当該キー操作に対する応答内容を示す操作ガイド画像430を含む。また、設定画像401は、設定データ124、125の選択を受け付ける選択画像である。設定画像401は、サブメニュー画像420で「HDMI1 EQ 設定」または「HDMI2 EQ 設定」が選択された場合に表示される画像であり、イコライザー設定画像440と、操作ガイド画像430を含む。
【0022】
なお、「HDMI1 EQ 設定 1」はHDMI端子910からの入力信号に対するイコライザー設定(デジタル信号に関する調整)として設定データ124に対応する設定1が選択されていることを示し、「HDMI2 EQ 設定 1」はHDMI端子911からの入力信号に対するイコライザー設定として設定データ124に対応する設定1が選択されていることを示す。例えば、ユーザーは、図9に示す設定画像401が表示された状態で、操作パネル962またはリモコンの下向き矢印キーを押して設定2を選択し、操作パネル962またはリモコンのメニューキーを押して終了することにより、HDMI端子910に対するイコライザー設定を設定2に変更することができる。なお、設定画像400、401はOSD(On Screen Display)画像であり、設定画像400は画像21のOSD画像として表示され、設定画像401は画像22のOSD画像として表示される。
【0023】
また、制御部170は、設定画像400を生成させた後、デジタル信号入力部110からの情報に基づき、HDMIケーブル300、301がHDMI端子910、911から抜かれたかどうかを判定する(ステップS4)。例えば、制御部170は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)信号がデジタル信号入力部110に入力されていないことを検出することにより、HDMIケーブル300、301がHDMI端子910、911から抜かれたと判定することができる。
【0024】
ところで、設定画像400が適切に表示されている場合は問題ないが、ステップS3の設定画像400の投写によっても設定画像400が表示されないことも想定される。このような場合、ユーザーは、HDMIケーブル300、301をHDMI端子910、911から抜くことにより、入力画像信号の影響を受けない状態で、設定画像400をプロジェクター100に投写させる。
【0025】
HDMIケーブル300、301がHDMI端子910、911から抜かれた場合、制御部170は、画像生成部140を制御し、入力画像信号の影響を受けない状態で、画像データ122に基づく設定画像400を生成させる。投写部190は、設定画像400を投写する(ステップS5)。
【0026】
ステップS3またはステップS5の処理によって設定画像401が表示された状態で、制御部170は、情報入力部160からの情報に基づき、設定の変更があるかどうかを判定する(ステップS6)。設定の変更があった場合、制御部170は、ユーザー設定データ126を更新する(ステップS7)。具体的には、例えば、ユーザーが、図9に示す設定画像401が表示された状態で、操作パネル962またはリモコンの下向き矢印キーを押して設定2を選択し、操作パネル962またはリモコンのメニューキーを押して終了する操作を行った場合、制御部171は、HDMI端子910について設定データ125が適用されるようにユーザー設定データ126を更新する。
【0027】
ユーザー設定データ126の更新後、制御部170は、検出部150を制御してホットプラグ検出信号の出力を停止させる(ステップS8)。なお、ホットプラグ検出信号は、HDMI規格における信号であり、DVDプレーヤー200からの電源信号に応じてプロジェクター100が出力する信号である。制御部170は、ユーザー設定データ126で示される設定に応じて設定データ124または設定データ125を参照して調整部130に当該データを反映し、デジタル信号入力部110からの入力画像信号を調整させる(ステップS9)。なお、この設定データは、例えば、イコライザー回路932におけるゲイン値等である。
【0028】
当該設定データの反映が終了後、制御部170は、検出部150を制御してホットプラグ検出信号の出力を再開させる(ステップS10)。これにより、プロジェクター100は、DVDプレーヤー200等の外部装置からの画像信号の再出力を促し、調整部130に新しく反映された設定データ124または設定データ125に基づき入力画像信号を調整させ、画像20を再生成し、投写する。
【0029】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター100は、表示要求情報が入力され、調整部130に適用する設定を変更し、ホットプラグ検出信号を出力させないように検出部150を制御することにより、仮想的にHDMIケーブル300、301が抜かれた状態にすることができ、調整時の不安定な状態でのHDCP誤認証等を回避することができるため、より安定した状態でデジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0030】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、ユーザーの要求に応じて設定画像400、401を表示することができるため、プロジェクター100自身が適切な表示が行われているか判断できない場合であっても、ユーザーにとって適切な画像を表示することができる。
【0031】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、設定を選択させる設定画像401を表示して選択させることにより、ユーザーに設定値を誤って設定させることなく、デジタル信号に対する調整を行うことができる。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、イコライザー調整を行うことにより、デジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0032】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、様々な長さのHDMIケーブル300、301が接続される状況であっても、長さや品質に適した調整を行って画像20を表示することができる。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、HDMI端子910、911や受信回路930の特性に応じた調整を行うことができる。
【0033】
(第2の実施例)
第1の実施例では、プロジェクター100は、ホットプラグ検出信号の出力を停止したが、ホットプラグ検出信号の出力を停止しなくてもよい。また、第1の実施例では、プロジェクター100は、HDMIケーブル300、301が抜かれたことを検出して設定画像400を投写したが、当該検出を行わないで設定画像400を投写してもよい。
【0034】
図10は、第2の実施例におけるプロジェクター101の機能ブロック図である。プロジェクター101は、検出部151と、検出部151を制御しない制御部171を含んで構成されている。検出部151、制御部171以外の構成は第1の実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0035】
図11は、第2の実施例における画像表示手順を示すフローチャートである。画像生成部140は、調整部130によって調整された画像信号に基づき、画像20を生成し、投写部190は、画像20を投写する(ステップS11)。制御部171は、情報入力部160からの情報に基づき、設定画像400の表示要求があったかどうかを判定する(ステップS12)。設定画像400の表示要求があった場合、制御部171は、画像生成部140に設定画像400を生成させ、投写部190は、設定画像400を投写する(ステップS13)。
【0036】
設定画像401が表示された状態で、制御部171は、情報入力部160からの情報に基づき、設定の変更があるかどうかを判定する(ステップS14)。設定の変更があった場合、制御部170は、ユーザー設定データ126を更新する(ステップS15)。制御部171は、ユーザー設定データ126で示される設定に応じて設定データ124または設定データ125を参照して調整部130を制御し、デジタル信号入力部110からの入力画像信号を調整させる(ステップS16)。
【0037】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター101は、デジタル信号の入力有無にかかわらず、デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像400、401を表示することにより、デジタル信号の信号劣化にノイズ等の波形品質に関係なく、ユーザーに設定情報を入力させることができるため、デジタル信号ケーブルを介して入力されるデジタル信号に対する調整を適切に行うことができる。
【0038】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、変形が可能である。例えば、デジタル信号ケーブルは、HDMIケーブル300、301に限定されず、DVI(Digital Visual Interface)ケーブル等であってもよい。また、デジタル信号は、画像信号に限定されず、音声信号であってもよいし、画像信号と音声信号を含む信号であってもよい。また、設定画像400、401で設定させる項目は、イコライザー回路932の設定に限定されず、受信回路930のイコライザー回路932以外のパラメーター値等であってもよい。また、ユーザーによる当該パラメーター値等の入力を受け付ける設定画像が採用されてもよい。
【0039】
また、HDMIケーブル300、301が抜かれたことを検出する手法は、上述した手法に限定されず、例えば、HDMI端子910、911における物理的な接触を検出する手法等であってもよい。また、画像表示装置はプロジェクター100、101に限定されず、例えば、テレビ、液晶モニター等であってもよい。また、制御装置106が実装される装置は画像表示装置に限定されず、例えば、ハードディスクレコーダー、セットトップボックス、AVアンプ等であってもよい。また、外部装置は、DVDプレーヤー200に限定されず、例えば、ハードディスクレコーダー、セットトップボックス、PC(Personal Computer)、ゲーム装置等であってもよい。
【0040】
また、プロジェクター100、101の有するコンピューターは、情報記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って制御部170等として機能してもよい。このような情報記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用できる。
【0041】
また、プロジェクター100、101は、液晶プロジェクター(透過型、LCOS等の反射型)に限定されず、例えば、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクター等であってもよい。また、投写部190は、ランプ991の代わりに有機EL素子、シリコン発光素子、レーザーダイオード、LED等の固体光源を含む自己発光素子を採用してもよい。また、プロジェクター100、101の機能を複数の装置(例えば、PCとプロジェクター等)に分散してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 スクリーン、20〜22 画像、30 金具、100、101 プロジェクター(画像表示装置)、106 制御装置、110 デジタル信号入力部、120 記憶部、122 画像データ、124、125 設定データ、126 ユーザー設定データ、130 調整部、140 画像生成部、150、151 検出部、160 情報入力部、170、171 制御部、180 電源部、190 投写部(表示部)、200 DVDプレーヤー(外部装置)、300、301 HDMIケーブル(デジタル信号ケーブル)、400、401 設定画像、410 トップメニュー画像、420 サブメニュー画像、430 操作ガイド画像、440 イコライザー設定画像、910、911 HDMI端子、912 セレクター、913、914 音声入力端子、915 S−ビデオ入力端子、916 ビデオ入力端子、917 ミニD−Sub15pin端子、920 RAM、922 フラッシュROM、930 受信回路、932 イコライザー回路、934 サンプリング回路、936 デコーダー回路、940 画像処理回路、960 受信ユニット、962 操作パネル、970 CPU、980 電源、990 ランプ駆動回路、991 ランプ、992 照明光学系、993 液晶駆動回路、994 液晶ライトバルブ、995 投写レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力されるデジタル信号入力部と、
前記デジタル信号に関する調整を行う調整部と、
前記調整に関する設定情報が入力される情報入力部と、
前記デジタル信号に基づく画像を表示するとともに、前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示する表示部と、
を含む画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記画像表示装置から前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出するとともに、前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出すると前記設定画像を前記表示部に表示させる制御部を含む画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像表示装置において、
前記情報入力部は、前記設定画像の表示要求情報が入力され、
前記表示部は、前記表示要求情報の入力に応じて前記設定画像を表示する、
画像表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置において、
設定値が異なる複数の設定データを記憶する記憶部を含み、
前記設定画像は、前記設定情報の入力として、前記設定データの選択を受け付ける選択画像を含み、
前記調整部は、選択された前記設定データの設定値に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行う、
画像表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置において、
前記調整部は、イコライザー調整を行う、
画像表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置において、
前記設定画像を投写するプロジェクターとして形成された画像表示装置。
【請求項7】
デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力される画像表示装置が、
前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示し、
前記設定情報が入力され、
前記設定情報に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行い、
前記調整を行ったデジタル信号に基づく画像を表示する
画像表示方法。
【請求項1】
デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力されるデジタル信号入力部と、
前記デジタル信号に関する調整を行う調整部と、
前記調整に関する設定情報が入力される情報入力部と、
前記デジタル信号に基づく画像を表示するとともに、前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示する表示部と、
を含む画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記画像表示装置から前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出するとともに、前記デジタル信号ケーブルが抜かれたことを検出すると前記設定画像を前記表示部に表示させる制御部を含む画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像表示装置において、
前記情報入力部は、前記設定画像の表示要求情報が入力され、
前記表示部は、前記表示要求情報の入力に応じて前記設定画像を表示する、
画像表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置において、
設定値が異なる複数の設定データを記憶する記憶部を含み、
前記設定画像は、前記設定情報の入力として、前記設定データの選択を受け付ける選択画像を含み、
前記調整部は、選択された前記設定データの設定値に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行う、
画像表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置において、
前記調整部は、イコライザー調整を行う、
画像表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置において、
前記設定画像を投写するプロジェクターとして形成された画像表示装置。
【請求項7】
デジタル信号ケーブルを介して外部装置からデジタル信号が入力される画像表示装置が、
前記デジタル信号の入力有無にかかわらず、前記デジタル信号の調整に関する設定情報の入力を受け付ける設定画像を表示し、
前記設定情報が入力され、
前記設定情報に基づき、前記デジタル信号に関する調整を行い、
前記調整を行ったデジタル信号に基づく画像を表示する
画像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−47842(P2012−47842A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187803(P2010−187803)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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