説明

画像表示装置及びこれに用いられるプログラム

【課題】ユーザが画像を見る必要がある時に表示部の表示機能がON状態となり、ユーザが画像を見る必要が無い時に表示部の表示機能がOFF状態となるフリーハンド型の画像表示装置を提供する。
【解決手段】表示部21と、表示部をユーザの顔と対向した位置で保持させるホルダー60と、ユーザの顔の表示部21への近接を検知する近接センサー22と、表示部21への振動を検知する振動センサー23と、表示部21の表示機能をオン状態又はオフ状態とする表示部制御手段を有する。表示部制御手段は、近接センサー22が顔の近接を検知した場合には、表示部21の表示機能をオン状態とし、近接センサー22が顔の離間を検知した場合には、表示部21の表示機能をオフ状態とする。なお、振動検知センサー23が、振動を検知している場合には、表示部制御手段は、表示部21の表示機能のオン状態を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を視認することができるフリーハンド型の画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ等のフリーハンド型の画像表示装置が提案されている。このようなフリーハンド型の画像表示装置の使用方法の一例として、以下のような使用方法が考えられる。ユーザが楽器の練習をする際に、楽器の演奏方法が記憶された動画や静止画をフリーハンド型の画像表示装置に表示させれば、楽器演奏の習得を効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−245873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のようなフリーハンド型の画像表示装置は、電池で作動するものが多く、表示部の表示機能が常にON状態であると、ユーザが画像を見る必要が無い時にも電池が消耗してしまう。特許文献1に示されるようなヘッドマウントディスプレイは、構造上、常に表示部の表示機能がON状態となっているために、電池が無駄に消耗してしまう。
本発明は、上記問題を解決し、ユーザが画像を見る必要がある時に表示部の表示機能がON状態となり、ユーザが画像を見る必要が無い時に表示部の表示機能がOFF状態となるフリーハンド型の画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、
画像が表示される表示部と、
前記表示部を、ユーザの顔と対向した位置で、ユーザの顔の動きと独立して保持させるホルダーと、
ユーザの顔の前記表示部への近接を検知する近接センサーと、
前記近接センサーがユーザの顔の前記表示部への近接を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオン状態とし、一方で、前記近接センサーがユーザの顔の前記表示部からの離間を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とする表示部制御手段を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記表示部の振動を検知する振動センサーを更に有し、
前記振動検知センサーが、前記表示部の振動を検知している場合には、前記表示部制御手段は、前記近接センサーの検知結果に関らず、前記表示部の表示機能のオン状態を維持することを特徴とする。
これにより、ユーザの動作により表示部に振動が付与されている状態、つまり、ユーザが画像を見る必要がある時に、表示部の表示機能がオフ状態とならない。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記表示部には、演奏に関する複数の静止画又は動画を含むコンテンツが表示され、
前記コンテンツには、楽器の演奏タイミングに関連する演奏タイミング情報が含まれ、
前記表示部制御手段は、前記演奏タイミング情報を参照することにより、前記振動検知センサーによって検知される前記表示部の振動が、楽器の演奏タイミングに対応していると判断した場合に、前記表示部の表示機能オン状態を維持する一方で、前記振動が楽器の演奏タイミングに対応していないと判断した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とすることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
これにより、表示部の振動が演奏による振動でないと判断された場合には、表示部の表示機能がオフ状態となるので、無断な電力消費が防止される。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、
前記ホルダーは、ユーザの首部に取り付けられるように構成されていることを特徴とする。
これにより、ユーザが手に持つ必要が無く、フリーハンドで画像を見ることができる画像表示装置の構造を提供することが可能となる。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、
前記ホルダーは、ユーザが保持する物体に取り付けられるように構成されていることを特徴とする。
これにより、ユーザが手に持つ必要が無く、フリーハンドで画像を見ることができる画像表示装置の構造を提供することが可能となる。また、ホルダーは物体に取り付けられるので、ユーザの首部に負担がかからない。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、
前記表示部には複数の静止画又は動画を含むコンテンツが表示され、
前記コンテンツの前記表示部での再生が終了した場合には、前記表示部制御手段は、前記表示部の表示機能をオフ状態とすることを特徴とする。
これにより、ユーザが画像を見る必要が無い時に、表示部の表示機能がオフ状態となり、無断な電力消費が防止される。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6に記載の発明において、
前記表示部は、ユーザが画像とともに外界もまた視認することができるシースルー型であり、
前記表示部には、楽器の演奏操作部に重畳表示される演奏指示マークの動画又は静止画である演奏指示コンテンツが表示され、
前記演奏指示コンテンツの楽曲のテンポが所定以上の場合には、前記表示部制御手段は、前記表示部の表示機能をオン状態に維持することを特徴とする。
これにより、一定以上のテンポの楽曲を演奏するユーザの顔が表示部から離れてしまった場合であっても、表示部の表示機能がOFF状態とならない。このため、ユーザが画像を見る必要がある時に、表示部の表示機能がOFF状態とならない。
【0012】
請求項8に記載の発明は、
画像が表示される表示部と、
前記表示部をユーザの顔と対向した位置で保持させるホルダーと、
ユーザの顔の前記表示部への近接を検知する近接センサーと、
前記表示部の振動を検知する振動センサーを有する画像表示装置で実行されるプログラムであって、
前記近接センサーが、ユーザの顔の前記表示部への近接を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオン状態とするステップと、
前記近接センサーが、ユーザの顔の前記表示部からの離間を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とするステップと、
前記振動検知センサーが、前記表示部の振動を検知している場合には、前記近接センサーの検知結果に関らず、前記表示部の表示機能のオン状態を維持するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像が表示される表示部と、前記表示部をユーザの顔と対向した位置で保持させるホルダーと、ユーザの顔の前記表示部への近接を検知する近接センサーと、前記近接センサーがユーザの顔の前記表示部への近接を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオン状態とし、一方で、前記近接センサーがユーザの顔の前記表示部からの離間を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とする表示部制御手段を有することを特徴とする。
これにより、ユーザが画像を見る必要がある時に表示部の表示機能がON状態となり、ユーザが画像を見る必要が無い時に表示部の表示機能がOFF状態となるフリーハンド型の画像表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)第1の実施の形態の画像表示装置の正面使用状態図、(B)その側面使用状態図、(C)その詳細図である。
【図2】画像表示装置のブロック図である。
【図3】表示部制御処理のフロー図である。
【図4】第2の実施の形態の画像表示装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態の画像表示装置の説明)
以下に図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態(第1の実施形態)を示す。図1に示されるように、画像表示装置100は、画像が表示される表示部21を有する本体部50と、本体部50が取り付けられるホルダー60とから構成されている。第1の実施形態では、ホルダー60は、ユーザの首部(首及び肩を含む)に取り付けられるようになっている。
【0016】
図1に示される実施形態では、ホルダー60は、C形状の首かけ部60aと、この首かけ部60aの両端から上方に延出し、先端に本体部50が取り付けられる延出部60bとから構成されている。首かけ部60aは、その両端部がユーザの両肩にかけられ、その中間部分がユーザの首の後部に回り込んで、ユーザの首部に取り付けられる。ホルダー60がユーザの首部に取り付けられた状態では、表示部21は、ホルダー60により、ユーザの顔(眼球)と対向した位置で、ユーザの顔の動きと独立して保持される。つまり、ユーザの顔と対向した位置には、頭部の移動によって顔と表示部21とが対向可能な位置が含まれる。
【0017】
本実施形態では、表示部21はシースルー型のディスプレイである。ユーザは、表示部21が表示する画像を視認することができると同時に、外界もまた視認することができる。本実施形態では、表示部21で表示されるコンテンツは、楽器の演奏操作部に重畳表示される演奏指示マークの動画又は静止画である演奏指示コンテンツである。例えば、楽器がギターである場合には、演奏操作部である弦部分に演奏指示マークが重畳表示され、楽曲の進行に伴い、ユーザが押さえるべき弦、及び、弾くべき弦が演奏指示マークにより順次強調される。ユーザは、演奏指示マークに従って楽器の演奏操作部を操作することにより、楽器を演奏することができ、楽器演奏の習得を効率的に行うことができる。但し、表示部21で表示されるコンテンツが、楽器の演奏操作部に重畳表示されないものであっても差し支えない。例えば、上級者の楽器の演奏操作部の操作方法がコンテンツとして提示され、ユーザがそのコンテンツをお手本として、楽器の演奏操作部を操作するような様態であってもよい。
【0018】
図1の(C)に示されるように、本体部50には、表示部21の表示面21aから直交する方向に延出する接触部51が設けられている。ユーザが額等の顔面を接触部51に当接させることにより、ユーザが画像を見るのに最適な表示面21aと眼球との距離が維持される。
【0019】
図1の(C)に示されるように、本体部50には、ユーザの顔の表示部21への近接を検知する近接センサー22と、表示部21の振動を検知する振動センサー23が設けられている。本発明では、ユーザが表示部21を覗き込むと、近接センサー22がユーザの顔の近接を検知して、表示部21の表示機能がON状態となる。一方で、ユーザが顔面を表示部21から離すと、近接センサー22がユーザの顔の離間を検知して、表示部21の表示機能がOFF状態となる。このため、ユーザが画像を見る必要がある時に表示部21がON状態となり、ユーザが画像を見る必要が無い時に表示部21の表示機能がOFF状態となる。但し、振動センサー23が表示部21の振動を検知している状態では、近接センサー22の検知結果に関わらず、表示部21の表示機能のON状態が維持される。これにより、表示部21に振動が付与されている状態で、顔面が表示部21から離れた場合に、表示部21の表示機能がOFF状態とならず、ON状態が維持される。このため、ユーザが画像表示装置100を首部に取り付けた状態で楽器を演奏している場合に、表示部21の表示機能がON状態とOFF状態を繰り返してしまうことが無い。以下に、このような機能を有する画像表示装置100の具体的な構成について説明する。
【0020】
(本体部のブロック図の説明)
以下、図2を用いて、本体部50のブロック図について説明する。図2に示されるように、本体部50は、CPU11、RAM12、記憶部13、画像処理部15、インターフェース16、音声処理部17を有していて、これらの構成要素は、相互にバス9で接続されている。画像処理部15には、表示部21が接続されている。インターフェース16には、近接センサー22、振動センサー23、操作部24が接続されている。音声処理部17には、音声入力部25とマイクロフォン26が接続されている。また、本体部50には、電源30が設けられている。電源30は、前記した本体部50の各構成要素に電力を供給する。本実施形態では、電源30は、一次電池や二次電池である。
【0021】
CPU(Central Processing Unit)11は、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13と協動して、各種演算、処理を行う。
RAM12は、CPU11で処理されるプログラムや、CPU11が処理するデータを、そのアドレス空間に一時的に記憶する。RAM12は、外部取得音声記憶領域12aを有している。
【0022】
記憶部13には、ROM、不揮発性メモリー、ハードディスク等の記憶装置が含まれる。記憶部13には、本体部50を制御する各種プログラムやパラメータが記憶されている。当該各種プログラムが、CPU11で処理されることにより、各種機能が実現される。
記憶部13には、表示部制御プログラム13a、画像表示プログラム13bが記憶されている。
表示部記憶プログラム13aは、近接センサー22や振動センサー23が検知した信号に基づき、表示部21の表示機能をON状態又はOFF状態にするプログラムである。
画像表示プログラム13bは、画像処理部15に描画命令を出力し、画像処理部15に画像信号を生成させるプログラムである。本実施形態では、画像処理部15は、コンテンツ記憶領域13cに記憶されているコンテンツに基づき、画像処理部15に描画命令を出力する。
記憶部13は、演奏指示コンテンツ等が記憶されるコンテンツ記憶領域13cを有している。
【0023】
画像処理部15は、表示部21に出力する画像信号を生成するものであり、画像処理回路及びビデオメモリを有している。
表示部21には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、デジタルミラーデバイス(Digital Mirror Device)などの空間光変調器を使用したディスプレイが含まれる。本実施形態では、前記ディスプレイが生成する画像光が、レンズやハーフミラー等の接眼光学系によりユーザの眼球に導かれるシースルー型のディスプレイである。表示部21は、具体的な例としては、空間光変調器とユーザの網膜とが共役になるように、一枚以上のレンズによって画像光が集光され、その後にハーフミラーによって画像光がユーザの眼へと導入されるような構成であってよい。このような、シースルー型のディスプレイであれば、ユーザは表示部21が表示する画像を視認するとともに、外界も視認することができる。或いは、シースルー型のディスプレイとして、レーザ光を直接作業者の眼球に走査することにより、ユーザに画像を視認させる網膜走査型ディスプレイであっても差し支え無い。
【0024】
インターフェース16は、近接センサー22や振動センサー23が検出した信号及び操作部24が出力した操作信号の物理的・論理的な形式を変換し、バス9に出力するものである。
近接センサー22には、接触部51への物体の接触を検知する接触センサーや、或いは、表示部21への物体の近接を検知する距離センサーの両方が含まれる。近接センサー22が接触センサーである場合おいて、接触センサーが物体の接触を検知した場合には、接触信号がインターフェース16からバス9に出力される。また、近接センサー22が距離センサーである場合には、距離信号がインターフェース16からバス9に出力される。近接センサー22の一例として、接触センサーであれば、単純なリミットスイッチや、後記する振動センサー23の振動信号のうち、ユーザの顔の接触に起因する成分(非連続のピークとして現れる)を利用するなどであってよい。あるいは、距離センサーであれば、赤外線や超音波などを出射し、検出される反射波の強度から距離を推定する方式などであってよい。
振動センサー23は、表示部21の振動を検知するものである。振動センサー23の一例として、重りと圧電素子で構成された圧電型の振動センサーや、重り、コイル、磁石で構成された動電型の振動センサーが含まれる。振動センサー23が振動を検知すると、振動信号がインターフェース16からバス9に出力される。
操作部24は、ユーザの操作が入力されるものであり、物理的なボタンやタッチパネル等で構成されている。ユーザは、この操作部24を操作することにより、画像表示装置100への電源の投入・遮断を行うことができ、或いは、表示部21でコンテンツを表示させたり、表示部21で表示されるコンテンツを変更したりすることができる。
【0025】
音声処理部17は、音声入力部25やマイクロフォン26から入力された音声信号を音声データに変換してバス9に出力するものであり、A/Dコンバータを有している。なお、バス9に入力された音声データは、RAM12の外部取得音声記憶領域12aに記憶される。
音声入力部25は、エレキギターや電子ピアノ等の楽器の出力端子が接続される入力端子であり、前記楽器が出力する音声信号が入力される。
マイクロフォン26は、振動板とコイルを有し、楽器から発せられる音の振動を音声信号に変換するものである。
【0026】
(表示部制御処理のフローの説明)
以下に図3を用いて、表示部制御処理のフローを説明する。
画像表示装置100に電源が投入されると、表示部制御処理が開始し、S11の判断処理に進む。
S11「近接検知」の判断処理において、表示部制御プログラム13aは、ユーザの顔が表示部21に近接したか否かを判断する。近接センサー22が接触センサーである場合には、表示部制御プログラム13aは、バス9に接触信号が入力されたか否かを判断することにより、ユーザの顔が表示部21に近接しているか否かを判断する。近接センサー22が距離センサーである場合には、表示部制御プログラム13aは、バス9に入力された距離信号が、所定の閾値よりも大きいか否かを判断することにより、ユーザの顔が表示部21に近接しているか否かを判断する。表示部制御プログラム13aが、ユーザの顔が表示部21に近接したと判断した場合には(S11の判断処理がYES)、S12の処理に進む。一方で、表示部制御プログラム13aが、ユーザの顔が表示部21に近接していないと判断した場合には(S11の判断処理がNO)、S12の処理に進まない。
【0027】
S12「表示機能をON」の処理において、表示部制御プログラム13aは、表示部21の表示機能をON状態にする。具体的には、表示部制御プログラム13aは、表示部21や画像処理部15への電源30からの電力の供給を開始させ、表示部21で画像が表示可能な状態とする。例えば、表示部21が液晶ディスプレイである場合には、液晶ディスプレイのバックライトが発光するとともに、液晶ディスプレイの個々の画素がコンテンツの表示内容に対応した状態となる。S12の処理が終了すると、S13の判断処理に進む。
【0028】
S13「コンテンツ終了」の判断処理において、表示部制御プログラム13aは、表示部21でのコンテンツの再生が終了しているか否かを判断する。表示部制御プログラム13aが、表示部21でのコンテンツの再生が終了していると判断した場合には(S13の判断処理がYES)、S17の処理に進む。一方で、表示部制御プログラム13aが、表示部21でのコンテンツの再生が終了していないと判断した場合には(S13の判断処理がNO)、S14の処理に進む。
【0029】
S14「楽曲テンポが一定以上」の判断処理において、表示部制御プログラム13aは、表示部21で表示される演奏指示コンテンツにより演奏される楽曲のテンポが一定以上であるか否かを判断する。具体的には、表示部制御プログラム13aは、外部取得音声記憶領域12aに記憶されている音声データのテンポが、一定以上であるか否かを判断する。或いは、表示部制御プログラム13aは、演奏指示コンテンツの楽曲のテンポが一定以上か否かを判断する。表示部制御プログラム13aが、前記楽曲のテンポが一定以上であると判断した場合には(S14の判断処理がYES)、S13の判断処理に戻る。一方で、表示部制御プログラム13aが、前記楽曲のテンポが一定以上でないと判断した場合には(S14の判断処理がNO)、S15の判断処理に進む。
【0030】
S15「近接検知」の判断処理において、表示部制御プログラム13aは、ユーザの顔が表示部21に近接しているか否かを判断する。このS15の処理は、前記したS11の処理と同様である。表示部制御プログラム13aが、ユーザの顔が表示部21に近接していると判断した場合には(S15の判断処理がYES)、S13の判断処理に戻る。一方で、表示部制御プログラム13aが、ユーザの顔が表示部21に近接していないと判断した場合には(S15の判断処理がYES)、S16の判断処理に進む。
【0031】
S16「振動検知」の判断処理において、表示部制御プログラム13aは、表示部21が振動しているか否かを判断する。具体的には、表示部制御プログラム13aが、バス9に振動信号が入力されたと判断した場合、或いは、前記振動信号のレベルが所定の閾値以上であると判断した場合には、表示部制御プログラム13aは表示部21が振動していると判断する。表示部制御プログラム13aが、表示部21が振動していると判断した場合には(S16の判断処理がYES)、S13の判断処理に戻る。一方で、表示部制御プログラム13aが、表示部21が振動していると判断しない場合には(S16の判断処理がNO)、S17の処理に進む。
【0032】
S17「表示機能をOFF」の処理において、表示部制御プログラム13aは、表示部21の表示機能をOFF状態にする。具体的には、表示部制御プログラム13aは、表示部21や画像処理部15への電源30からの電力の供給を遮断する。なお、表示部21が液晶ディスプレイである場合には、液晶ディスプレイのバックライトが消灯する。なお、バックライトの消灯に合わせて、個々の画素を駆動するための電圧印加が解除されてもよい。S17の処理が終了すると、S11の判断処理に戻る。
【0033】
このように、S11の判断処理において、ユーザの顔面が表示部21に近接していると判断された場合に、表示部21の表示機能がON状態となる(S12の処理)。これにより、ユーザが画像を見る必要がある時に、表示部21がON状態となる。
また、S15の判断処理において、ユーザの顔面が表示部21から離れていると判断された場合であって、且つ、S16の判断処理において、表示部21が振動していないと判断された場合には、表示部21の表示機能がOFF状態となる(S17の処理)。ユーザが画像を見る必要が無い時、つまり、ユーザが楽器を演奏しておらず、表示部21に振動が付与されていない状態で、ユーザの顔が表示部21から離れている場合には、表示部21がOFF状態となる。このため、無断な電力消費が防止される。
しかし、S15の判断処理において、ユーザの顔面が表示部21から離れていると判断された場合であって、S16の判断処理において、表示部21が振動していると判断された場合には、表示部21の表示機能のON状態が維持される。つまり、ユーザが楽器を演奏している場合は、表示部21に振動が付与されている一方で、ユーザの顔面が表示部21から離れてしまう場合があるが、この場合のように、ユーザが画像を見る必要がある時に、表示部21がOFF状態とならない。
【0034】
S13の判断処理において、表示部21でのコンテンツの再生が終了した場合には、表示部21がOFF状態となる。これにより、無断な電力消費が防止される。
S14の判断処理において、ユーザが演奏する楽曲のテンポが一定以上である場合にも、表示部21の表示機能のON状態が維持される。つまり、楽曲のテンポが一定以上の場合には、前記楽曲を演奏するユーザの体の動きが大きいので、ユーザの顔面が表示部21から離れてしまう場合があるが、この場合のように、ユーザが画像を見る必要がある時に、表示部21での表示機能がOFF状態とならない。
【0035】
(第2の実施形態の画像表示装置の説明)
図4を用いて、第2の実施形態の画像表示装置200の説明をする。第2の実施形態の画像表示装置200のホルダー80は、ユーザが保持する物体(図4に示される実施形態では、楽器であるギター)に取り付けられるように構成されている。ホルダー80は、物体に取り付く取付部80aと、取付部80aから延出し本体部50が取り付けられるアーム80bとから構成されている。図4に示される実施形態では、アーム80bにはヒンジ80cが設けられ、前記物体に対する本体部50の位置を調整することができるようになっている。このホルダー80もまた、表示部21をユーザの顔と対向した位置で保持させるものである。この第2の実施形態の画像表示装置200であれば、本体部50を保持するホルダー80が物体に取り付けられるので、ユーザの首部に負担がかからない。
【0036】
(総括)
なお、S16の判断処理において、表示部制御プログラム13aが、表示部21の振動が演奏による振動であるか否かを判断する実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、表示部21で表示される演奏指示コンテンツには、当該コンテンツの進行に合わせて、演奏操作部を操作するタイミングに関連する演奏タイミング情報が含まれている。S16の判断処理において、表示部制御プログラム13aは、前記演奏タイミング情報を参照し、前記振動検知センサーによって検知される前記表示部の振動が、楽器の演奏タイミングに対応していると判断した場合に、表示部21の振動が演奏による振動であると判断する。表示部制御プログラム13aが、表示部21の振動が演奏による振動であると判断した場合には(S16の判断処理がYES)、S13の判断処理に戻る。一方で、表示部制御プログラム13aが、表示部21の振動が演奏による振動でないと判断した場合には(S16の判断処理がNO)、S17の処理に進む。これにより、表示部21の振動が演奏による振動でない場合には、S17の処理において、表示部21の表示機能がオフ状態となり、無断な電力消費が防止される。
【0037】
以上説明した実施形態では、電池により画像表示装置100、200の各構成要素に電力を供給しているが、本発明の技術的思想は、外部電源から前記各構成要素に電力が供給される実施形態にも適用可能なことは言うまでもない。
また、表示部21で表示されるコンテンツは演奏指示コンテンツに限定されず、設計図や指示書、作業手順書等のコンテンツであっても差し支え無い。
【0038】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像表示装置もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0039】
9 バス
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
15 画像処理部
16 インターフェース
17 音声処理部
21 表示部
22 近接センサー
23 振動センサー
24 操作部
25 音声入力部
26 マイクロフォン
30 電源
50 本体部
60 ホルダー(第1の実施形態)
80 ホルダー(第2の実施形態)
100 画像表示装置(第1の実施形態)
200 画像表示装置(第2の実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示部と、
前記表示部を、ユーザの顔と対向した位置で、ユーザの顔の動きと独立して保持させるホルダーと、
ユーザの顔の前記表示部への近接を検知する近接センサーと、
前記近接センサーがユーザの顔の前記表示部への近接を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオン状態とし、一方で、前記近接センサーがユーザの顔の前記表示部からの離間を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とする表示部制御手段を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記表示部の振動を検知する振動センサーを更に有し、
前記振動検知センサーが、前記表示部の振動を検知している場合には、前記表示部制御手段は、前記近接センサーの検知結果に関らず、前記表示部の表示機能のオン状態を維持することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示部には、演奏に関する複数の静止画又は動画を含むコンテンツが表示され、
前記コンテンツには、楽器の演奏タイミングに関連する演奏タイミング情報が含まれ、
前記表示部制御手段は、前記演奏タイミング情報を参照することにより、前記振動検知センサーによって検知される前記表示部の振動が、楽器の演奏タイミングに対応していると判断した場合に、前記表示部の表示機能オン状態を維持する一方で、前記振動が楽器の演奏タイミングに対応していないと判断した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とすることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ホルダーは、ユーザの首部に取り付けられるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記ホルダーは、ユーザが保持する物体に取り付けられるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示部には、複数の静止画又は動画を含むコンテンツが表示され、
前記コンテンツの前記表示部での再生が終了した場合には、前記表示部制御手段は、前記表示部の表示機能をオフ状態とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、ユーザが画像とともに外界もまた視認することができるシースルー型であり、
前記表示部には、楽器の演奏操作部に重畳表示される演奏指示マークの動画又は静止画である演奏指示コンテンツが表示され、
前記演奏指示コンテンツの楽曲のテンポが所定以上の場合には、前記表示部制御手段は、前記表示部の表示機能をオン状態に維持することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項8】
画像が表示される表示部と、
前記表示部をユーザの顔と対向した位置で保持させるホルダーと、
ユーザの顔の前記表示部への近接を検知する近接センサーと、
前記表示部の振動を検知する振動センサーを有する画像表示装置で実行されるプログラムであって、
前記近接センサーが、ユーザの顔の前記表示部への近接を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオン状態とするステップと、
前記近接センサーが、ユーザの顔の前記表示部からの離間を検知した場合には、前記表示部の表示機能をオフ状態とするステップと、
前記振動検知センサーが、前記表示部の振動を検知している場合には、前記近接センサーの検知結果に関らず、前記表示部の表示機能のオン状態を維持するステップを有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−173664(P2012−173664A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37851(P2011−37851)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】