説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】TV等のように1つの画面を複数のユーザーが視聴することを旨として設計された画像機器において、各ユーザーの嗜好等に係る固有の付加情報は他のユーザーに見られることなく、しかしコンテンツ画像は、ユーザー全員が共通して視聴できるようにする。
【解決手段】画面10aに表示されたコンテンツ画像を複数のユーザーが見る際に用いられる画像表示システム100において、各ユーザーがそれぞれ装着する複数の眼鏡装置20と、各ユーザーを特定するユーザー特定部41と、前記ユーザー特定部41により特定されたユーザーごとの固有の付加情報画像を前記コンテンツ画像とともに前記画面10aに表示する画像表示部42とを設け、前記眼鏡装置20が、複数の付加情報画像のうちから当該眼鏡装置20を装着しているユーザーの付加情報画像のみを前記コンテンツ画像とともに透過させる付加情報画像選別機構を具備するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一画面でありながら個人別に別の情報を視聴することができる画像表示装置及び画像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやレコーダ、あるいはPCなどの画像機器は、例えばユーザーの見る番組の傾向などを分析して嗜好情報を蓄積し、その情報を元に次に視聴する番組を推薦したり、嗜好に合致したショッピングサイトへ誘導したりするといったパーソナライズ化された嗜好等情報の表示が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−243420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、これらの嗜好等情報が画面に表示されるため、単独で視聴している場合は問題ないが、複数人で視聴する場合に、ある特定の視聴者の嗜好を反映した関連画像検索結果やショッピング情報がその場にいる全員に見られて不快な思いをさせる可能性がある。
【0005】
また、特許文献1に示すように、単純に1画面で複数の画像コンテンツを見ることができるようにした技術はあるが、このような技術では前記課題を解決することはできない。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであって、TV等のように1つの画面を複数のユーザーが視聴することを旨として設計された画像機器において、各ユーザーの嗜好等に係る固有の付加情報は他のユーザーに見られることなく、しかしコンテンツ画像は、ユーザー全員が共通して視聴できるようにすべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る画像表示システムは、画面に表示されたコンテンツ画像を複数のユーザーが見る際に用いられる画像表示システムであって、各ユーザーがそれぞれ装着する複数の眼鏡装置と、眼鏡装置を装着した各ユーザーを特定するユーザー特定部と、前記ユーザー特定部により特定されたユーザーごとの固有の付加情報画像を前記コンテンツ画像とともに前記画面に表示する画像表示部とを具備し、前記眼鏡が、複数の付加情報画像のうちから当該眼鏡装置を装着しているユーザーの付加情報画像のみを前記コンテンツ画像とともに透過させる付加情報画像選別機構を有したものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る画像表示方法は、画面に表示されたコンテンツ画像を複数のユーザーがそれぞれ眼鏡装置を通して見る際に用いられる方法であって、各ユーザーを特定するユーザー特定ステップと、前記ユーザー特定ステップで特定されたユーザーごとの固有の付加情報画像を前記コンテンツ画像とともに前記画面に表示する画像表示ステップと、前記眼鏡装置を利用して、複数の付加情報画像のうちから当該眼鏡装置を装着しているユーザーの付加情報画像のみを前記コンテンツ画像とともに透過させる付加情報画像選別ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、複数のユーザーが同じ画面で同じ番組(コンテンツ画像)を見ながら、各ユーザーの嗜好を反映した付加情報(関連映像検索結果およびその映像へのリンクやショッピング情報およびそのサイトへのリンクなど)をユーザーごとに、かつ他のユーザーに見られることなく示すことができる。
前記付加情報画像は、前記コンテンツ画像に関連するものが好適である。
【0010】
比較的簡単な構成で実現できる具体的な態様としては、前記画像表示部が、各付加情報画像を肉眼では表示し続けていると認識される微小時間間隔で点滅表示するとともに、各付加情報画像の表示タイミングを互いに異ならせるものであり、前記付加情報画像選別機構が、眼鏡装置のレンズ部に設けられた開閉可能なシャッタを具備し、当該眼鏡を装着しているユーザーの付加情報画像が前記画面に表示されているタイミングにおいては前記シャッタを開けるとともに、他のユーザーが装着している眼鏡のシャッタは閉じるように構成されたものを挙げることができる。
【0011】
眼鏡装置を装着していない他のユーザーが付加情報画像を見ることを防止するには、一の付加情報画像が画面に表示されないタイミングにおいて、当該付加情報画像情報が表示されるべき画面の領域に別画像を表示するようにしておけばよい。このことによって別画像と付加情報画像とが高速で交互に表示されて重なり合い、他のユーザーが内容を理解可能に見ることができなくなる。
【0012】
同様の効果を奏するには、複数の異なる付加情報画像を、画面の同一領域に表示されるようにしても構わない。このようなものであれば、異なる付加情報画像が高速で交互に表示されて重なり合い、他のユーザーが内容を理解可能に見ることができなくなる。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明によれば、複数のユーザーが同じ画面で同じコンテンツ画像を見ながら、各ユーザーの嗜好等を反映した付加情報をユーザーごとに、かつ他のユーザーに見られることなく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における画像表示システムの全体を示す模式図である。
【図2】同実施形態における眼鏡装置の概要を示す構成図である。
【図3】同実施形態におけるユーザーを特定するための対応表である。
【図4】同実施形態においてコンテンツ画像と各ユーザーの付加情報画像の表示タイミングを示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
本発明に係る画像表示システム100は、図1に示すように、複数ユーザーによる同時視聴を前提に設計されたものであって、単一のディスプレイ10と、各ユーザーがそれぞれ装着する専用の眼鏡装置20及び専用のリモコン30と、本体装置40とを具備し、テレビ放送や録画番組等を視聴できるとともにインターネットにも接続されてネット情報も閲覧できるように構成されている。
各部を説明する。
【0017】
ディスプレイ10は、画面10aにコンテンツ画像や文字情報などを出力するとともに付属のスピーカーから音声を出力するものである。なお、このディスプレイ10については既存のものを用いているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0018】
眼鏡装置20は、特に図2に示すように、例えばブリッジで接続された2枚のレンズ部21と、各レンズ部21から延びてユーザーの耳に装着されるテンプル部22及びモダン部23と、眼鏡ID送信機構24と、付加情報画像選別機構25とを具備したものである。なお、この実施形態では、ユーザーごとに装着すべき専用眼鏡装置20が決められている。
【0019】
前記眼鏡ID送信機構24は、各眼鏡装置20にそれぞれ予め付与された眼鏡IDを有線又は無線で後述する本体装置40に送信するものであり、ここでは例えば眼鏡装置20のテンプル部22に取り付けられている。
【0020】
付加情報画像選別機構25は、眼鏡装置20のレンズ部に装着された、液晶などを利用した電子動作式のシャッタを具備するものであり、外部からの有線又は無線のシャッタ制御信号を受信すると、前記液晶に印加する電圧を変化させて、当該シャッタを、2つのレンズ部21の双方を光が透過する状態である開状態と、光が遮断される状態である閉状態とのいずれかに高速に切り替えることができるように構成してある。
【0021】
リモコン30は、後述する本体装置40に無線又は有線のリモコン信号(ここでは赤外線)を送信して、ディスプレイ10の表示内容や音声を視聴者が所望のものに選択できるように構成したものである。この実施形態では、前記眼鏡装置20同様、取り扱うユーザーが予め定められている。またリモコン信号には、各リモコン30を判別するためリモコンIDが含まれている。
【0022】
本体装置40は、前記ディスプレイ10やスピーカーと一体又は別体で設けられたものであり、ハードウェア的に言えば、MPU(CPU)、不揮発性メモリ及びその他の周辺機器によって構成されている。前記その他の周辺機器としては、アンテナを介して放送波を受け付けるデジタル放送受信機構、リモコン30からの赤外線を受け付けるリモコン受光機構、前記デジタル放送受信機構及び前記リモコン受光機構からの信号を受け付けて放送データや操作データに復号するデコーダ、前記放送データ等を一時的に格納しておく揮発性メモリ、前記放送データのうち画像データを受け付けてディスプレイ10が受け付け可能な画像信号に変換する画像信号処理機構、前記放送データのうち音声データを受け付けてスピーカーが受け付け可能な音声信号に変換する音声信号処理機構、インターネットなどのネットワークに接続してデータを送受信する通信インターフェース等を挙げることができる。
【0023】
一方、この本体装置40は、ソフトウェア的に言えば、図1に示すように、各ユーザーを特定するユーザー特定部41、前記ユーザー特定部41により特定されたユーザーごとの固有の付加情報画像をコンテンツ画像とともに前記画面10aに表示する画像表示部42、ユーザーの視聴番組などを記録する情報処理部43、各眼鏡のシャッタを制御する眼鏡制御部44等を具備する。これら各部は、メモリに格納された所定のプログラム等によって実現される。
【0024】
ユーザー特定部41は、前記眼鏡ID送信機構24から送信されてくる眼鏡IDに基づいて各専用眼鏡装置20を装着しているユーザーを特定するものである。具体的には、ユーザーIDと眼鏡IDとを対応付けた対応表(図3参照)が、メモリの所定領域に記憶させてあり、ユーザー特定部41はこの対応表を参照してユーザーを特定する。また、この実施形態では、前記対応表にリモコンIDも対応付けてあり、リモコン信号を受信するとそこに含まれているリモコンIDからその操作者であるユーザーをも特定できるようにしてある。
【0025】
画像表示部42は、コンテンツ画像とユーザー固有の付加情報画像を前記ディスプレイ10の画面10aに同時に表示するものであり、コンテンツ画像表示部42と付加情報画像表示部42とを具備する。
【0026】
コンテンツ画像表示部42は、前記放送データや録画データからコンテンツ画像データを生成し、このコンテンツ画像データを前記ディスプレイ10に送信してその画面10aに放送番組や録画番組等に係るコンテンツ画像を表示させるものである。
【0027】
付加情報画像表示部422は、前記ユーザー特定部41により特定されたユーザーごとの、前記コンテンツ画像に関連する固有の付加情報を示す付加情報画像を生成し、前記コンテンツ画像とともに前記画面10aに表示するものである。前記付加情報とは、当該ユーザーの嗜好等を示す情報(関連番組やショッピング情報など)のことであり、ここでは、情報処理部43が算出する。具体的には、ユーザーのリモコン操作の度に、当該ユーザーの視聴番組やインターネット閲覧内容、ショッピング内容等に係る個別情報を、情報処理部43がそのリモコン操作から判別されるユーザーIDと紐付けてメモリに記録・累積し、その累積した個別情報を分析して各ユーザーの嗜好に最適化した付加情報を算出する。
【0028】
また、この付加情報画像表示部422は、各付加情報画像を肉眼では表示し続けていると認識される程度の微小時間間隔(ここではコンテンツ画像表示部421によるフレーム表示間隔の整数倍)で点滅表示するとともに、各付加情報画像の表示タイミングが互いに異なるように制御する。各付加画像情報は、図4に示すように、画面10aの同一領域に重なるように表示される。なお、ユーザーが単一、すなわち単一の眼鏡装置20しか使用されていない場合は、付加情報画像表示部422はこれを検知し、付加情報画像が表示されないタイミングにおいては、その表示領域にジャミング画像を表示する。
【0029】
前記眼鏡制御部44は、各付加情報画像の表示タイミングを付加情報画像表示部422から取得し、対応する各眼鏡装置20にシャッタ制御信号を送信することによって、各眼鏡装置20のシャッタを、当該眼鏡装置20を装着しているユーザーの付加情報画像が前記画面10aに表示されているタイミングにおいては開けるとともに他のタイミングでは閉じるように制御するものである。
次に、本実施形態での画像表示システム100の動作について説明する。
ここでは、説明の便宜上、一室に2名が一緒に過ごすシチュエーションにて説明する。
【0030】
各ユーザーが眼鏡装置20を装着すると、ユーザー特定部41が、各眼鏡装置20の眼鏡ID送信機構24から送信されてくる眼鏡IDに基づいて、各眼鏡装置20を装着しているユーザーを特定する。
【0031】
そして、いずれか一のユーザーがリモコン30装置を操作して、所望のテレビ番組や録画番組を選択すると、コンテンツ画像表示部421がディスプレイ10の画面10aにそれらテレビ番組や録画番組に係るコンテンツ画像を表示する。このとき、情報処理部43が、前記一のユーザーのリモコン操作から得られるリモコンIDを前記対応表と照合してその一のユーザーのユーザーIDを特定し、メモリの所定領域にユーザーIDと紐付けて番組情報を記録する。
【0032】
一方、付加情報画像表示部422が、前記ユーザー特定部41により特定されたユーザーごとの、前記コンテンツ画像に関連する付加情報画像を生成し、前記コンテンツ画像とともに画面10aに表示する。具体的には、図4に示すようなフレームシーケンシャルで、ある番組のコンテンツ画像が表示されるとすると、この付加情報画像表示部422は、各フレームのコンテンツ画像に、各ユーザーに適した付加情報画像を交互にオーバーレイして表示する。
【0033】
これと同時に、前記眼鏡制御部44が、各付加情報画像の表示タイミングを付加情報画像表示部422から取得し、対応する各眼鏡装置20にシャッタ制御信号を送信する。
【0034】
各眼鏡装置20の付加情報画像選別機構25は、前記シャッタ制御信号を受信して、当該眼鏡装置20のシャッタを、当該眼鏡装置20を装着しているユーザーの付加情報画像が前記画面10aに表示されているタイミングにおいては開けるとともに他のタイミングでは閉じるように制御する。
【0035】
すなわち、一のユーザーの付加情報画面10aが表示されているフレームでは、当該ユーザーが装着している眼鏡装置20のシャッタが開く一方で、他のユーザーが装着している眼鏡装置20のシャッタは閉じる。また、他のユーザーの付加情報画面10aが表示されているフレームでは、当該ユーザーが装着している眼鏡装置20のシャッタが開く一方で、一のユーザーが装着している眼鏡装置20のシャッタは閉じる。
このようにして、各ユーザーは、自身の付加情報画面10aのみを共通のコンテンツ画面10aとともに視聴することができる。
【0036】
したがって、本実施形態によれば、複数のユーザーが同じ画面10aで同じ番組(コンテンツ画像)を見ながら、各ユーザーの嗜好を反映した付加情報(関連映像検索結果およびその映像へのリンクやショッピング情報およびそのサイトへのリンクなど)をユーザーごとに、かつ他のユーザーに見られることなく示すことができる。
【0037】
さらに、眼鏡装置20を装着していない他のユーザーに対しても、複数ユーザーの付加情報が同一領域に重なり合って表示されるので、各付加情報を見られることはない。また、仮に眼鏡装置20を装着しているユーザーが1人であったとしても、前述したように、その付加情報画像が表示されている領域には、ジャミング画像が交互に表示されるので、このジャミング画像によって付加情報画像が妨害されて、前記他のユーザーに当該付加情報画像を見られることはない。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0038】
例えば、眼鏡装置やリモコンを各ユーザー専用にする必要は必ずしもなく、眼鏡装置を装着しているユーザーとリモコンを操作しているユーザーを自動的に特定する機構を設けても良い。眼鏡装置について言えば、例えば眼鏡装置のレンズ部に網膜スキャナを搭載し、眼鏡装置をかけたユーザーの網膜をスキャンしてその網膜パターンによってユーザーを特定する方式が挙げられる。リモコンについて言えば、例えば指紋認証装置を搭載し、その指紋によってユーザーを特定する方式が挙げられる。このようにすれば共用の眼鏡装置、リモコンで同等の機能を実現できる。
【0039】
また、ユーザー特定の方法としてセンシング技術(色像認識、赤外線、温度、超音波など)により視聴ユーザーを特定し、上記方式と同様に該当ユーザーに付加情報を各ユーザーごとに個別に表示してもよい。例えば、画像認識や赤外線にて人物の概形(高さ・幅など)を測定し、あわせて赤外線や超音波や電波にて人物との距離を測定する。この情報により人物の大きさが特定でき、リモコン操作時や視聴時において男性か女性か子供かなどの大まかな判別や位置検出は可能であるし、特に超音波や電波は指向性が強いため、リモコンや眼鏡装置に照射装置を内蔵し、画像表示システム受信装置を搭載すれば、リモコンや眼鏡装置から画像表示システムに向け照射させれば、眼鏡装置やリモコンの位置がその照射方向から判別可能である。特に家庭内の使用であればこの程度の識別で家庭内の誰が見て、操作しているかの判別を十分することができる。その他に、例えばディスプレイに内蔵、もしくは外付けの3Dカメラ(ステレオカメラ)を用いて視聴者を撮像し、画像認識技術を用いて顔認証、動き認識を行い、リモコン操作時や視聴時のユーザーを特定や位置検出をしてもよい。もちろん、上記すべてを適宜組み合わせて認識してもよい。
【0040】
このようにして、眼鏡装置及びリモコンを利用しているユーザーを特定することができるし、ひとつのリモコンであってもユーザー個別の嗜好等情報の累積も可能となる。
【0041】
また、前記個別情報は、本システムにおいて蓄積されたものである必要はなく、他のテレビやPCなどを使用して得られた個別情報を、例えばネットワークインターフェース経由で取得して用いてもよいし、相互データをあわせて統計してもよい。その他、インターネットポータルサイトやショッピングサイトの累計情報とシンクロさせてより多くの累計データをシンクロさせてもよい。この場合は、前記情報処理部はポータルサイトなどに処理させればよいため、本システムに付随させることは必須ではない。
【0042】
また、ユーザーは2名に限らない。例えば、ディスプレイが240Hz駆動表示の場合は4名、480Hz駆動表示の場合は8名など、対応人数は映像表示装置の高速化にしたがって増やしてもよいし、480Hz駆動表示時のおいても、例えば1人あたり120Hzとして4名対応、1人あたり30Hzとして16名対応にしてもよい。なお、各ユーザーに割与えられたフレームレートの範囲でフレームシーケンシャル3D映像表示を行い、それが3D映像に見えるように各ユーザーの眼鏡装置のシャッタを制御してもよい。
【0043】
ユーザーは同じ映像コンテンツを見る必要はなくことなく、各人が異なるコンテンツを視聴し、各個人・各コンテンツに適合した付加情報を表示した映像を各ユーザーごとに表示してももちろんよい。
また、超指向性スピーカーを複数設けておき、前述したユーザー位置検出情報から該当ユーザー位置に対して該当コンテンツ音声を個別に送出してもよい。
【0044】
さらに、付加情報は字幕情報などでもよく、たとえば、米国映画を見るときに一のユーザーには日本語字幕を表示し、他のユーザーには英語の勉学のために英語字幕を表示して同じ映画を楽しむなどを実施してもよい。この場合は映像出力2系統を持ったDVDやブルーレイプレイヤーなどのメディアプレイヤーにおいて、各々の映像出力系統にメディアプレイヤーから一方は日本語字幕を付加情報としてオーバーレイしたデコード映像を出力し、もう一方は英語字幕を付加情報としてオーバーレイしたデコード映像を出力してディスプレイ10に入力すればよい。字幕や映像入力の選択は映像表示装置側のリモコンからHDMI−CEC機能やネットワーク連携でメディアプレイヤーをコントロール・連携してもよいし、各機器を個別にマニュアル操作してもよい。
【0045】
また、付加情報画像選別機構は、シャッタを利用したものに限らない。例えば、各ユーザーごとに付加情報画像の偏光を異ならせておき、この付加情報画像選別機構を、対応する偏光の画像のみを通すような偏光通過機構を利用したものするといった態様も考えられる。
【0046】
付加情報画像の表示領域は、前記実施形態では同一領域に設定していたが、ユーザーごとに異ならせても良い。その場合は、付加情報画像が表示されないタイミングで、その表示領域にはジャミング画像を表示することが好ましい。このようにすることで、眼鏡装置を掛けていない他のユーザーが付加情報を見ることを抑止できる。
その他、本発明は前述したその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
100・・・画像表示システム
10a・・・画面
20・・・眼鏡装置
25・・・付加情報画像選別機構
41・・・ユーザー特定部
42・・・画像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示されたコンテンツ画像を複数のユーザーが見る際に用いられる画像表示システムであって、
各ユーザーがそれぞれ装着する複数の眼鏡装置と、
各ユーザーを特定するユーザー特定部と、
前記ユーザー特定部により特定されたユーザーごとの固有の付加情報画像を前記コンテンツ画像とともに前記画面に表示する画像表示部とを具備し、
前記眼鏡が、複数の付加情報画像のうちから当該眼鏡装置を装着しているユーザーの付加情報画像のみを前記コンテンツ画像とともに透過させる付加情報画像選別機構を具備することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記付加情報画像が前記コンテンツ画像に関連するものである請求項1記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像表示部が、各付加情報画像を肉眼では表示し続けていると認識される微小時間間隔で点滅表示するとともに、各付加情報画像の表示タイミングを互いに異ならせるものであり、
前記付加情報画像選別機構が、眼鏡装置のレンズ部に設けられた開閉可能なシャッタを具備し、当該眼鏡を装着しているユーザーの付加情報画像が前記画面に表示されているタイミングにおいては前記シャッタを開けるとともに、他のユーザーが装着している眼鏡のシャッタは閉じるように構成されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示システム。
【請求項4】
一の付加情報画像が画面に表示されないタイミングにおいて、当該付加情報画像情報が表示されるべき画面の領域には別画像を表示するようにしてある請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数の異なる付加情報画像が、画面の同一領域に表示されるようにしてある請求項3記載の画像表示装置。
【請求項6】
画面に表示されたコンテンツ画像を複数のユーザーがそれぞれ眼鏡装置を通して見る際に用いられる画像表示方法であって、
各ユーザーを特定するユーザー特定ステップと、
前記ユーザー特定ステップで特定されたユーザーごとの固有の付加情報画像を前記コンテンツ画像とともに前記画面に表示する画像表示ステップと、
前記眼鏡装置を利用して、複数の付加情報画像のうちから当該眼鏡装置を装着しているユーザーの付加情報画像のみを前記コンテンツ画像とともに透過させる付加情報画像選別ステップとを有することを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−227875(P2012−227875A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96091(P2011−96091)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】