説明

画像表示装置

【課題】表示画質の低下を伴うことなしに、軽量化及び薄型化を可能とし、かつ表示パネルの保持構造の信頼性が高められた画像表示装置を実現する。
【解決手段】蛍光体を備えたアノード基板と電子源を備えたカソード基板とを有する表示パネルと、カソード基板に固着された補強体とを備えた画像表示装置において、その側面に、他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材に実装固定用ネジをアノード基板の主面と平行な方向に挿通する孔を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、特に、電子放出型電子源から放射される電子を蛍光体に射突させて、蛍光体を発光させるタイプの平面型画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平面型画像表示装置の一つのタイプである電界放射型画像表示装置には、非特許文献1に記述されているように種々のタイプがある。それらの最も一般的な基本構造は、電界放射型電子源が形成されたカソード基板と、蛍光体が塗布されたアノード基板とを、所定の間隙を介して対向配置させて気密封着し、それら基板間の空間を真空に保持する真空外囲器を備えるものである。真空外囲器の内部が真空に保持されるためには、真空外囲器は大気圧の荷重に耐える必要がある。その為に、カソード基板及びアノード基板として厚いガラス板を用いると真空外囲器の重量が過大に大きくなってしまう。平面型画像表示装置のスクリーンサイズの対角径が32インチ程度に大きくなる傾向にある近年、スクリーンサイズの増大に合わせてガラス基板の厚みを増大させねばならず、大きな問題となっていた。
【0003】
そこで、カソード基板及びアノード基板の双方に厚いガラス板を用いる代わりに、アノード基板には厚いガラス板を用いるが、カソード基板には薄いガラス板を用いることが提案されている。カソード基板とアノード基板の間の間隙の保持は、カソード基板とアノード基板との間にサンドイッチされるスペーサの数を増加させて、大気圧荷重に対する耐力を増加させることが出来るが、スペーサの数の過大な増加には、画像表示装置の表示品質を劣化させてしまう欠点があった。スペーサの厚みを薄くすることで、スペーサによる表示品質の劣化を抑制することも行われているが、画像表示装置の外部から見えない程度に薄くしたスペーサの製造、配置、組み立てが難しいことや、スペーサがチャージアップして画像を乱す原因になるなどの課題があり、スペーサを不要とするか、又はスペーサの数を極力少なく出来る画像表示装置の構造が要望されてきた。
【0004】
特許文献1は、透明なガラス板からなる表示面パネルに、機械的強度及び剛性がガラスより大きい材料で形成された箱形の外側裏面パネルを接着して平面型表示管の容器を形成し、その外側裏面パネルの内側にガラス製の内側裏面パネルを設ける構成を開示している。この構成により、内側裏面パネルがガラス製でありながら、その薄形化、軽量化を図っている。
【0005】
特許文献2は、透明なガラス板からなる正面板に、複数の金属製の箱型の背面板を重ね接合して、互いに独立した複数の真空室を形成し、この複数の真空室に圧力差を設ける構成を開示している。この構成により、それぞれの背面板に大気圧が分割でかかる構造になり、軽量、薄型の表示装置の真空容器を形成している。
【0006】
特許文献3においては、その内面に蛍光体スクリーンが形成されているガラスからなるフェースパネルと、このフェースパネルに対向してフリットガラスにより封着されている,ガラスからなる後部外囲器とで真空外囲器を形成し、この真空外囲器内部を真空に排気している。このとき、フェースパネルと後部外囲器とのシール面に、電子放出素子が形成された基板を挟んで封着することにより、フェースパネルと電子放出素子が形成された基板との間の間隔を保持するためのスペーサを不要にしている。
【0007】
特許文献4は、対向する陰極パネルと陽極パネルとの間の周縁部にスペーサを設置し、かつ該スペーサを陰極パネルと陽極パネルそれぞれに接着して、陰極パネルと陽極パネルとの間の空間を真空に保持し、さらに陰極パネルの背面には、接着剤を用いて補強板を接着している。この補強板は、陰極板を構成するガラスよりもヤング率が大きく、かつ比重の小さな材質で形成されている。
【0008】
一方、表示装置を構成する気密外囲器を、表示装置の筐体に取り付ける方法として、特許文献5は、表示パネルの裏面を両面接着テープを介して筐体内のシャーシ部材に接着固定することを開示している。
【0009】
【特許文献1】特開昭60−115133号公報
【特許文献2】特開平3−236143号公報
【特許文献3】特開2000−231892号公報
【特許文献4】特開平10−188857号公報
【特許文献5】特開2001−345586号公報
【非特許文献1】雑誌「電子材料」2004年4月号頁94〜102:「FED(電界放射型ディスプレイ)の基礎」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1〜4記載の表示パネルを、特許文献5記載技術の如く、表示パネルの裏面を両面接着テープを介して筐体に、直接またはシャーシ等を介して接着固定した場合、表示装置前面側の前面基板に比較的厚く重いガラス板が用いられている為、表示パネルの前面側が重くバランスが悪いことと、接着テープの粘着強度に問題があった。
【0011】
本発明の目的は、表示画質の低下を伴うことなしに、軽量化及び薄型化を可能とし、かつ表示パネルの保持構造の信頼性が高められた画像表示装置を提供することにある。
【0012】
本発明の上記目的及びその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本書において開示される発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
(1) 光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着されて、前記カソード基板とともに、大気圧よりも減圧された気密室を形成する補強体とを備えた画像表示装置であって、該画像表示装置の側面に、該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材に前記実装固定のためのネジを前記アノード基板の主面と平行な方向に挿通する孔が設けられている画像表示装置。
(2) (1)に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記表示パネルの側面に固定されている画像表示装置。
(3) (1)に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記補強体の側面に固定されている画像表示装置。
(4) (1)〜(3)の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられている画像表示装置。
(5) (1)〜(3)の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられている画像表示装置。
(6) (1)〜(3)の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下及び左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられている画像表示装置。
(7) 光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着された、板状の金属製の補強体とを備えた画像表示装置であって、
該画像表示装置の側面に、該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材に前記実装固定のためのネジを前記アノード基板の主面と平行な方向に挿通する孔が設けられている画像表示装置。
(8) (7)に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記表示パネルの側面に固定されている画像表示装置。
(9) (7)に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記補強体の側面に固定されている画像表示装置。
(10) (7)〜(9)の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられている画像表示装置。
(11) (7)〜(9)の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられている画像表示装置。
(12) (7)〜(9)の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下及び左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられている画像表示装置。
(13) 光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着されて、前記カソード基板とともに、大気圧よりも減圧された気密室を形成する補強体とを備えた画像表示装置であって、該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材が前記アノード基板を嵌めて固定するとともに、前記他の機器の外装の一部をなす画像表示装置。
(14) (13)に記載された画像表示装置において、前記他の機器がTVセットであり、前記外装の一部が該TVセットの前面部分である画像表示装置。
(15) 光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着された、板状の金属製の補強体とを備えた画像表示装置であって、該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材が前記アノード基板を嵌めて固定するとともに、前記他の機器の外装の一部をなす画像表示装置。
(16) (15)に記載された画像表示装置において、前記他の機器がTVセットであり、前記外装の一部が該TVセットの前面部分である画像表示装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示パネルを側面より保持するため表示パネルの保持強度が向上するとともに、パネル保持の為の部品数及びパネル保持部材の製造工数が低減されコスト削減が達成され、また表示装置のセット枠とパネル保持部材とを一体化することにより最終製品の意匠性を向上させることも可能である。
【0015】
本発明によれば、表示画質の低下を伴うことなしに、軽量化及び薄型化を可能とし、かつ表示パネルの保持構造の信頼性が高められた画像表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例を説明する全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
本発明は、電界放出等を利用した複数の電子源をマトリクス状に配列し、該電子源からの電子を蛍光体に射突させて蛍光体を発光させる画像表示装置に適用可能なものである。
【0018】
即ち、例えば、特開平11−162383号公報、特開2002−55652号公報等に開示されている、その電子源がカーボンナノチューブから構成されている画像表示装置(以下CNT−FEDと称す)、或いは、同じく特開平11−162383号公報、特開2002−55652号公報等に開示されている、その電子源がコーン状のスピント(Spindt)型電界放出カソードから構成されている画像表示装置に適用可能である。本発明が、CNT−FED、スピント型カソードを使用した画像表示装置以外の、電界放出等を利用した電子源をマトリクス状に配列し、該電子源からの電子を蛍光体に射突させて蛍光体を発光させる表画像示装置に適用可能であることは言うまでもない。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施例による画像表示装置の構成を示す分解模式斜視図である。図1において、アノード基板2のスクリーン面の右下の四半分に対応する画像表示装置の部分を例に採り、その平面図を図2に、そのA矢視図を図3に、IV−IV線断面図を図4に、B矢視図を図5に、及びVI−VI線断面図を図6に示す。図4において、画像表示装置100の表示パネル200は、画像表示面を形成する蛍光体1がその内面に形成されているアノード基板2と、電子源3が設けられている平板状のカソード基板4とを、電子源3が蛍光体1に所定の間隙を介して対向させて気密な真空外囲器を形成し、この真空外囲器の内部を真空に排気して形成されている。なお、蛍光体1及び電子源3は、実際の表示パネルにおいて、画素毎に、分離されて形成されているが、本明細書添付の図面においては、簡単の為、それぞれ一体として図示する。
【0020】
本実施例による画像表示装置100は、この表示パネル200のカソード基板4に、金属製の皿状の補強体300が固着されて構成されている。
【0021】
なお、本明細書添付の図面においては、簡単の為、アノード基板2及びカソード基板4に形成されて電極構体、電気配線及びそれらからの外部取り出し電極端子などの図示を省略し、かつ、明瞭化のため、図中の各要素が、実際の表示装置の場合とは異なる縮尺比率を用いて誇張して描かれている場合がある。
【0022】
アノード基板2は、その表面に蛍光体1の膜が形成された透明なガラスで、その表示部は、例えば10 mm厚の平板状に形成されている。アノード基板2は四角形(具体的には長方形、例えば、400 mm x 300 mm )に形成されている。カソード基板4は、その表面に電子源3が多数形成されており、平板状に形成されている。カソード基板4はアノード基板2より若干大きな四角形(具体的には長方形)に形成されると共に、アノード基板2よりも薄く(例えば、2.8 mm)形成されている。
【0023】
カソード基板4の材料としては、電子源3や電気的配線(図示せず)の形成プロセス、アノード基板2との線膨張係数の整合性などから、ガラスを用いることが好ましい。但し、シリコン基板や、例えばコバールや42アロイなどの金属板で、表面に絶縁層を設けたものを用いてもよい。
【0024】
アノード基板2とカソード基板4とは、蛍光体1と電子源3が対向する向きで平行になるように接合されている。アノード基板2とカソード基板4との間の空間は、外周を封止された電子放出室6として形成されている。この電子放出室6は真空に排気されており、電子源3から放出された電子が蛍光体1に当たることにより、蛍光体1が発光して画像を表示する。
【0025】
なお、電子源3は、例えば、図4においては、簡単化ため電子源の配置領域を一体として描いているが、実際は多数の電子源が二次元的に配列されている。蛍光体1についても、図4中では省略のため蛍光体の配置領域を一体として描いているが、例えばカラーパネルの場合は、赤、緑、青の蛍光体が電子源に対応して二次元的に配列されている。
【0026】
本実施例における補強体300は、金属板を加工して容器状に形成されたものである。この補強体300は、その周辺部を、例えばフリットガラスなどの封着材(図示せず)によりカソード基板4に気密に封着されて、カソード基板4とともに、上記電子放出室6とは独立した気密室を形成している。さらに本実施例においては、補強体300とカソード基板4によって形成された気密室の内部が、大気圧よりも低圧になるように真空に排気している。
【0027】
電界放射型画像表示装置100においては、電子放出室6内部を真空に排気するため、大気圧がカソード基板4に直接加わると、カソード基板4が電子放出室6内部へ向けて撓み、蛍光体1と電子源3との間の間隔が所望の値に保てなくなるという問題が生じる。この撓みを小さくするためにカソード基板4を厚くすると、例えばスクリーンの対角径が32インチ以上の大型画像表示装置においては、重量が重くなり、商品価値が低下する。本実施例では、カソード基板4とこれに気密封着された補強体300とで、気密室を形成し、かつこの気密室が真空に排気されているので、カソード基板4に直接大気圧が加わらないので、カソード基板4が薄くても大気圧によるカソード基板4の撓みを小さくすることができる。
【0028】
補強体300としては、カソード基板4との線膨張係数が近いことが望ましく、例えばコバール薄板や、Fe−Ni合金、ステンレス、42アロイ、鉄、銅、アルミニウムなどの金属薄板などを用いることができる。
【0029】
電子放出室6の内部の真空度は、電子源3から電子が安定的に放出されるよう、例えば10−6Torr程度の高真空であることが望ましい。一方、補強体300内部の真空度は、製造工程の短縮の観点から、高真空にする必要はない。カソード基板4には、電子放出室6内と補強体300内部との間の圧力差に相当する圧力がかかるので、この圧力差が、カソード基板4自身の剛性で耐えられる圧力差より小さくなればよい。
【0030】
上記実施例においては金属製の補強体300を使用しているが、この金属製の補強体300の代わりに、ガラス製で、上記実施例同様皿形状の補強体を使用することも可能である。その他の点については、基本的に実施例1の場合と同じである。この皿形状の補強体をフリットガラスなどの接着剤を使って、カソード基板4に気密封着することにより、カソード基板4及び補強体により気密室が形成されている。この気密室の内部は、実施例1の場合と同様に、真空に排気され、大気圧より低圧になっている。この場合も、カソード基板4とこれに気密封着されたガラス製補強体とで、気密室を形成し、かつこの気密室が真空に排気されているので、カソード基板4に直接大気圧が加わらないので、カソード基板4が薄くても大気圧によるカソード基板4の撓みを小さくすることができる。従って、大型画像表示装置の、高解像度化並びに軽量化及び薄型化を可能とする。
【0031】
なお、以上の実施例では、補強体300あるいは同様形状のガラス製の補強体が、カソード基板4に気密に封着されて、カソード基板4との間に気密室を形成し、その気密室を真空に排気し、気密室内部を大気圧より低圧にする構成であったが、補強体がカソード基板4との間に気密室を形成しない構成にすることもできる。例えば、概略板状の金属板を表示パネル200のカソード基板4の外側に接着剤を介して固着しても良い。この場合、さらに効果を挙げるため、表示パネル200のカソード基板4の外側に、多数のリブが設けられた概略板状の金属製の補強体を、該リブ部分でカソード基板4に接着剤を介して固着してもよい。この場合の補強体とカソード基板4との間には気密室は形成されていない。補強体には、例えば多数の線状のリブが広い面積に亘って形成されているので、これに固着されているカソード基板4の厚みは薄くても、カソード基板4が大気圧によって撓む量を許容範囲内に抑えることが出来る。なお、上記リブは、線状に限らず格子状に設けても良い。
【0032】
ここで、再び図1及び図5に戻って説明する。表示パネル200の左右側面には、例えば接着剤(図示せず)などによりパネル保持部材400が取り付けられている。このパネル保持部材400には、表示パネル200を、例えばTVセットの筐体に取り付けるための取り付けネジ420(図8参照)を挿通するための取り付けネジ孔410が設けられている。図7は表示パネル200が実装されたTVセット500の正面図を、図8は同じくTVセット500の分解斜視図を、図9はTVセット500の側面図を、図10は図7のTVセット500のX−X線断面図を、図11は図7のTVセット500のXI−XI線断面図を、図12は図11のA部の詳細図を示す。なお、図8において、参照番号510はTVセットのフロントケースを、参照番号520はTVセットのリアケースを、参照番号530はTVセットのスタンドを示す。
【0033】
以上詳述したように、本実施例においては、表示パネル200を側面より保持するため表示パネル200の保持強度が向上するとともに、表示パネル200保持の為の部品数及び表示パネル200保持部材の製造工数が低減されコスト削減が達成され、また表示装置のセット枠とパネル保持部材とを一体化することにより最終製品の意匠性を向上させることも可能である。
【0034】
なお、上記実施例においては、パネル保持部材400がアノード基板2に固着されているとしたが、図13に示すように、パネル保持部材400を、接着剤あるいは溶接によって補強体300側に固着しても上記実施例同様の作用効果が得られるのは勿論である。さらに、パネル保持部材400を、アノード基板2及び補強体300の双方に設けてもよいことは勿論である。さらに、上記実施例においては、パネル保持部材400に係合するネジ420がTVセットのフロントケース510の側壁を挿通するとしたが、ネジ420がTVセットのリアケース520を挿通するようにパネル保持部材400の形状を構成してもよい。さらには、パネル保持部材400に係合するネジ420がTVセットのフロントケース510の前面を挿通するようにパネル保持部材400の形状を構成してもよい。
【0035】
なお、上記実施例においては、パネル保持部材400が表示パネルの左右側面に固着されているとしたが、パネル保持部材400を、表示パネルの上下側面に固着する構成でも記実施例同様の作用効果が得られるのは勿論である。さらには、パネル保持部材400を、表示パネルの上下左右側面に固着する構成でも記実施例同様の作用効果が得られるのは勿論である
本発明によれば、表示画質の低下を伴うことなしに、軽量化及び薄型化を可能とし、かつ表示パネルの保持構造の信頼性が高められた画像表示装置が得られる。
【実施例2】
【0036】
図14は、本発明の第2の実施例による画像表示装置の構成を示す分解模式斜視図である。図14において、アノード基板2のスクリーン面の右下の四半分に対応する画像表示装置の部分を例に採り、その平面図を図15に、そのA矢視図を図16に、図14におけるXVII−XVII線断面図を図17に、B矢視図を図18に、及び図14におけるXIX−XI線断面図を図19に示す。なお、図14におけるアノード基板2、カソード基板4、補強体300、図17における蛍光体1、電子源3、電子放出室6は実施例1の場合と同様のものである。
【0037】
本実施例2においては、実施例1で使用されたパネル保持部材400の代わりに、図14、17及び19から明らかなように、アノード基板2が嵌め込まれる窓610が設けられたパネル保持部材600が使用されている。アノード基板2とパネル保持部材600との間の固定は、単なる嵌め合せ、あるいは接着剤を介した固定でも良い。先に、図10に示した,実施例1による表示パネル200を実装したTVセット500の断面図に対応する、本実施例2による表示パネルを実装したTVセット500の断面図を図20に示した。
【0038】
図20から明らかな如く、本実施例においては、パネル保持部材600が、TVセット500のフロントケースの役割をも果たしており、実施例1で用いられていたフロントケース510を不要としている。
【0039】
本実施例においても、表示パネル200を側面より保持するため表示パネル200の保持強度が向上するとともに、表示パネル200保持の為の部品数及び表示パネル200保持部材の製造工数が低減されコスト削減が達成され、また表示装置のセット枠とパネル保持部材とを一体化することにより最終製品の意匠性を向上させることも可能である。
【0040】
本発明によれば、表示画質の低下を伴うことなしに、軽量化及び薄型化を可能とし、かつ表示パネルの保持構造の信頼性が高められた画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施例による画像表示装置の構成を示す分解模式斜視図である。
【図2】図1におけるアノード基板のスクリーン面の右下の四半分に対応する画像表示装置の部分の平面図である。
【図3】図1における画像表示装置のA矢視図である。
【図4】図1における画像表示装置のIV−IV線断面図である。
【図5】図1における画像表示装置のB矢視図である。
【図6】図1における画像表示装置のVI−VI線断面図である。
【図7】実施例1による表示パネルを実装したTVセットの正面図である。
【図8】図7におけるTVセットの分解斜視図である。
【図9】図7におけるTVセットの側面図である。
【図10】図7におけるTVセットのX−X線断面図である。
【図11】図7におけるTVセットのXI−XI線断面図である。
【図12】図7の断面図におけるA部詳細図である。
【図13】本発明の実施例1の変形例におけるパネル保持部材の詳細図である。
【図14】本発明の第2の実施例による画像表示装置の構成を示す分解模式斜視図である。
【図15】図14におけるアノード基板のスクリーン面の右下の四半分に対応する画像表示装置の部分の平面図である。
【図16】図14における画像表示装置のA矢視図である。
【図17】図14における画像表示装置のVII−VII線断面図である。
【図18】図14における画像表示装置のB矢視図である。
【図19】図14における画像表示装置のXIX−XIX線断面図である。
【図20】実施例2による表示パネルを実装したTVセットの断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1…蛍光体、2…アノード基板、3…電子源、4…カソード基板、6…電子放出室、100…表示装置、200…表示パネル、300…補強体、400…パネル保持部材、410…取り付けネジ孔、420…取り付けネジ、500…TVセット、510…TVセットのフロントケース、520…TVセットのリアケース、530…スタンド、600…パネル保持部材、610…パネル保持部材の窓。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、
前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着されて、前記カソード基板とともに、大気圧よりも減圧された気密室を形成する補強体とを備えた画像表示装置であって、
該画像表示装置の側面に、該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材に前記実装固定のためのネジを前記アノード基板の主面と平行な方向に挿通する孔が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記表示パネルの側面に固定されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記補強体の側面に固定されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1〜3の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下及び左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、
前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着された、板状の金属製の補強体とを備えた画像表示装置であって、
該画像表示装置の側面に、該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材に前記実装固定のためのネジを前記アノード基板の主面と平行な方向に挿通する孔が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記表示パネルの側面に固定されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
請求項7に記載された画像表示装置において、前記保持部材が前記補強体の側面に固定されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
請求項7〜9の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項11】
請求項7〜9の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項12】
請求項7〜9の何れかに記載された画像表示装置において、前記ネジを挿通する孔が、前記表示パネルの上下及び左右辺に沿って配設されるよう前記保持部材が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項13】
光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、
前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着されて、前記カソード基板とともに、大気圧よりも減圧された気密室を形成する補強体とを備えた画像表示装置であって、
該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材が前記アノード基板を嵌めて固定するとともに、前記他の機器の外装の一部をなすことを特徴とする画像表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載された画像表示装置において、前記他の機器がTVセットであり、前記外装の一部が該TVセットの前面部分であることを特徴とする画像表示装置。
【請求項15】
光透過性材料からなり,その内面に蛍光体を備えたアノード基板と、前記蛍光体に対向する電子源をその内面に備え,前記アノード基板に間隙を介して対向配置されたカソード基板とを有し、前記アノード基板と前記カソード基板とをその一部とした真空外囲器を形成してなる表示パネルと、
前記カソード基板の,前記アノード基板と反対側の面に固着された、板状の金属製の補強体とを備えた画像表示装置であって、
該画像表示装置を他の機器に実装固定するための保持部材を備え、該保持部材が前記アノード基板を嵌めて固定するとともに、前記他の機器の外装の一部をなすことを特徴とする画像表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載された画像表示装置において、前記他の機器がTVセットであり、前記外装の一部が該TVセットの前面部分であることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2007−293003(P2007−293003A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120435(P2006−120435)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】