説明

画像表示装置

【課題】透過率、ヘイズといったパネル特性を低下させることなく、信頼性の高い画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像表示装置の表示部表面に、水酸基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも70重量%含む不飽和単量体組成物を重合して得られ且つガラス転移温度が−40〜60℃である樹脂を含む接着剤を介してシリコーンフィルムが接着されていることを特徴とする画像表示装置である。シリコーンフィルムは、フィルム単体からなることが好ましい。また、シリコーンフィルムは、フィルム単体と、光反射防止膜および帯電防止膜の少なくとも一つとからなることも好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽量で薄型の画像表示装置として様々な平面型画像表示装置が開発されている。このような平面型画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイ(以下、PDと略記する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと略記する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと略記する)などがある。
【0003】
例えばFEDやSEDでは、一般に、前面基板および背面基板が所定の隙間を置いて対向配置されており、これらの基板が矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより真空の外囲器が構成されている。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子(エミッタ)が設けられている。また、前面基板および背面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材(スペーサ)が配設されている。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体にエミッタから放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像が表示される。このようなFEDやSEDでは、画像表示装置の厚さを数mm程度にまで薄くすることができるため、軽量化および薄型化を達成することができる。
そして、通常、このような画像表示装置の表示部表面には、物理的保護、反射防止などを目的として、ポリエステルやポリエチレンテレフタラートなどの多層フィルムがアクリル系接着剤などを用いて貼着されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−84320号公報
【特許文献2】特開2000−105312号公報
【特許文献3】特開平11−305008号公報
【特許文献4】特開平10−188822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした画像表示装置の表示部表面にシリコーンフィルムを従来の接着剤で接着する場合、シリコーンフィルムと表示部表面を構成する部材との接着力が弱くシリコーンフィルムが剥がれたり、透過率が下がったり、ヘイズが大きくなったりするという不具合が発生し、信頼性の高い画像表示装置が得られないという問題がある。
したがって、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、透過率、ヘイズといったパネル特性を低下させることなく、信頼性の高い画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、画像表示装置の表示部表面に特定の樹脂を含む接着剤を用いてシリコーンフィルムを接着させることで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、画像表示装置の表示部表面に、水酸基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも70重量%含む不飽和単量体組成物を重合して得られ且つガラス転移温度が−40〜60℃である樹脂を含む接着剤を介してシリコーンフィルムが接着されていることを特徴とする画像表示装置である。
上記シリコーンフィルムは、フィルム単体からなることが好ましい。また、上記シリコーンフィルムは、フィルム単体と、光反射防止膜および帯電防止膜の少なくとも一つとからなることも好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、透過率、ヘイズといったパネル特性を低下させることなく、信頼性の高い画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の画像表示装置をFEDに適用した実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るFEDの模式断面図である。
図1において、FEDは、ガラス基板のような透明基板1の内面に蛍光体スクリーン2を有する前面基板3(フェースプレート)と、ガラス基板やセラミックス基板などの絶縁性基板あるいはシリコン基板などの基板4上にマトリックス状に配列された多数のエミッタ5(例えば、電界放出型あるいは表面伝導型のエミッタ)を有する背面基板6(リアプレート)とを備えている。前面基板1と背面基板6とは1mm〜数mm程度の間隙をおいて対向配置され、周縁部同士が矩形枠状の側壁7(支持枠)を介して接合され、内部が高真空度に保持された偏平な真空外囲器を形成している。真空外囲器の内部には、前面基板3および背面基板6に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材(図示せず)が設けられている。そして、前面基板3と背面基板6との間の間隙に5〜15kVの高電圧が印加されるように構成されている。蛍光体スクリーン2は、所定のパターン(例えば、ストライプ状あるいはドット状)に配列された赤(R)、青(B)、緑(G)の3色の蛍光体層と、これらの層間に配置されて各色の蛍光体層を分離するカーボンなどの黒色顔料からなる光吸収層とから構成されている。そして、このような蛍光体スクリーン2上には、Al膜のような金属膜からなるメタルバック8が形成されている。前面基板3の表示部表面、即ち、透明基板1の外面(蛍光体スクリーン2を有する面の反対側の面)には、接着剤を介してシリコーンフィルム9が接着され、さらにそのシリコーンフィルム9上に接着剤を介して光反射防止膜10が接着されている。また、図には示していないが、シリコーンフィルム9上に接着剤を介して帯電防止膜を接着してもよく、その帯電防止膜上に反射防止膜10を更に貼り付けてもよい。
【0009】
このようなFEDは、後述する接着剤を用いてシリコーンフィルム9と透明基板1および光反射防止膜10とを接着させる点を除いて公知の製造方法により製造することができる。シリコーンフィルム9と透明基板1との接着は、例えば、バーコーター、スプレー、ロールコーター等を用いてシリコーンフィルム9の表面に10〜200μm程度のウエット膜厚で接着剤を塗布し、必要に応じて適宜乾燥させる。次いで、FEDの透明基板1の表示部となる面を上にして透明基板1をラミネーターに設置し、ローラーを用いてその表示部表面にシリコーンフィルム9の接着剤が塗布された面を接着させる方法により行うことができる。シリコーンフィルム9の表面に光反射防止膜10や帯電防止膜を設ける場合には、例えば、光反射防止膜10として光反射防止処理が施されたPETフィルムを用い、このPETフィルムの光反射防止処理が施されていない側の表面にバーコーター、スプレー、ロールコーター等を用いて接着剤を塗布し、必要に応じて適宜乾燥させる。次いで、枚様式ラミネーター装置を用いてPETフィルムの接着剤が塗布された面にシリコーンフィルム9を接着させる。これ以後の操作は、シリコーンフィルム9の光反射防止膜を接着していない側の表面に接着剤を塗布することを除いて上記シリコーンフィルム9と透明基板1との接着方法と同様である。
【0010】
シリコーンフィルム9としては、特に限定されるものではなく、市販のフィルム単体をそのまま使用してもよいし、あるいは液状シリコーンゴムをフィルム状に硬化させたフィルム単体を使用してもよい。本発明におけるシリコーンフィルムは、画像表示装置の表示部表面に接着されることから、波長450〜800nmおよび厚さ10mmで90%以上の透過率を有し、JIS K 7136に従って測定されるヘイズが2以下であることが好ましい。透過率が低すぎると、輝度が低下して画質が劣化するという不具合が発生することがある。ヘイズが高いと画質の劣化が発生するため、1以下であることが更に好ましい。このような特性を満足するシリコーンフィルムは、例えば、GE東芝シリコーン株式会社製の2成分加熱硬化型液状シリコーンゴムである商品名TSE3033を所望の厚さを有する金型に流し込み、加熱することにより硬化させて得ることができる。
【0011】
光反射防止膜10としては、特に限定されるものではないが、反射防止処理が施されたPETフィルム、富士写真フィルム株式会社製のCVフィルム、旭硝子株式会社製のアークトップ(登録商標)、凸版印刷株式会社製の反射防止フィルム等が挙げられる。
帯電防止膜としては、特に限定されるものではないが、東洋紡績株式会社製のコスモシャイン(登録商標)、大日本印刷株式会社製のハードコートフィルム等が挙げられる。また、反射防止膜に帯電防止機能を付与した日本油脂株式会社製のリアルック(登録商標)等も挙げられる。
【0012】
本発明において、シリコーンフィルム9と透明基板1および光反射防止膜10(あるいは帯電防止膜)との接着に使用される接着剤は、水酸基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも70重量%含む不飽和単量体組成物を重合して得られ且つガラス転移温度が−40〜60℃である樹脂を含むものである。水酸基含有エチレン性不飽和単量体の含有量が70重量%未満であると接着性が不十分となる。接着性をより向上させる観点から、水酸基含有エチレン性不飽和単量体の含有量は、好ましくは、少なくとも80重量%であり、さらに好ましくは、少なくとも90重量%である。また、不飽和単量体組成物を重合して得られる樹脂のガラス転移温度(以下、Tと略記することがある)が−40℃未満であると接着性が不十分となり、また60℃を超えると接着性が不十分となる上に、柔軟なシリコーンフィルム9の動きに追従し難くなって折り曲げ等の外力によって接着部分が破壊されたり、貼り合わせ後に溶媒を揮発させる際、シリコーンフィルム9と接着剤との間に応力差が生じてしわ発生等の不具合が発生する。接着性をより向上させる観点から、樹脂のガラス転移温度は、好ましくは、−30℃〜30℃であり、より好ましくは、−20℃〜20℃である。
【0013】
本発明において、水酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート(8.62mmol/g)、ヒドロキシエチルメタクリレート(7.69mmol/g)、ヒドロキシプロピルアクリレート(7.69mmol/g)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(6.94mmol/g)、ヒドロキシブチルアクリレート(6.94mmol/g)、ヒドロキシブチルメタクリレート(6.33mmol/g)等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート(6.25mmol/g)等のポリエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート(5.75mmol/g)等のポリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート(5.32mmol/g)等のポリプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(4.95mmol/g)等のポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ジテトラメチレングリコールモノアクリレート(4.63mmol/g)等のポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ジテトラメチレングリコールモノメタクリレート(4.35mmol/g)等のポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ジエチレングリコールジプロピレングリコールモノアクリレート(3.62mmol/g)等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールジプロピレングリコールモノメタクリレート(3.45mmol/g)等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ジエチレングリコールジテトラメチレングリコールモノアクリレート(3.29mmol/g)等のポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールジテトラメチレングリコールモノメタクリレート(3.14mmol/g)等のポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールジテトラエチレングリコールモノアクリレート(3.01mmol/g)等のポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールジテトラエチレングリコールモノメタクリレート(2.89mmol/g)等のポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノアクリレート(13.70mmol/g)、グリセリンモノメタクリレート(12.50mmol/g)、N−メチロールアクリルアミド(9.90mmol/g)、N−メチロールメタクリルアミド(8.70mmol/g)、アリルアルコール(17.24mmol/g)等が挙げられる(括弧内の数値は単位重量当たりの水酸基数を表す)。これらの水酸基含有エチレン性不飽和単量体を1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。特にこれらの中でも、接着性をより向上させる観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択されるものを使用することが好ましい。
【0014】
本発明において、不飽和単量体組成物は、上記水酸基含有エチレン性不飽和単量体以外の不飽和単量体を含んでもよい。このような不飽和単量体としては、分子中に少なくとも1個の重合可能なビニル基を有し、水酸基を有さないものであれば特に限定されるものではなく、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等)、芳香族ビニル化合物(スチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン等)、複素環式ビニル化合物(ビニルピロリドン等)、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、ビニルエステル類(蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルカン酸ビニル等)、モノオレフィン類(エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等)、共役ジオレフィン類(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、α,β−不飽和モノあるいはジカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等)、カルボキシル基含有ビニル化合物、シアン化ビニル化合物(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、アミド基もしくは置換アミド基含有α,β−エチレン性不飽和化合物((メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)、カルボニル基含有α,β−エチレン性不飽和化合物(アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド等)、スルホン酸基含有α,β−エチレン性不飽和化合物(スルホン酸アリル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等)、エポキシ基含有α,β−エチレン性不飽和化合物(グリシジル(メタ)アクリレート等)、加水分解性アルコキシル基含有エチレン性不飽和化合物(γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、多官能ビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等)が挙げられる。このような不飽和単量体は、不飽和単量体組成物の30重量%を超えない範囲、好ましくは20重量%を超えない範囲、さらに好ましくは10重量%を超えない範囲で含まれる。
【0015】
また、接着性をより向上させる観点から、重合に供する不飽和単量体組成物中の不飽和単量体の平均水酸基数は5.0mmol/g以上であることが好ましい。不飽和単量体が水酸基含有エチレン性不飽和単量体のみから構成される場合、例えば、80重量%のヒドロキシエチルアクリレート(8.62mmol/g)および20重量%のヒドロキシエチルメタクリレート(7.69mmol/g)からなる不飽和単量体の平均水酸基数は、不飽和単量体の単位重量当たりの水酸基数および重量割合から、8.43mmol/gと計算することができる。同様に、不飽和単量体が水酸基含有エチレン性不飽和単量体とそれ以外の不飽和単量体とから構成される場合、例えば、70重量%のヒドロキシエチルメタクリレート(7.69mmol/g)および30重量%のメチルメタクリレート(水酸基なし)からなる不飽和単量体の平均水酸基数は、5.38mmol/gと計算することができる。不飽和単量体の平均水酸基数は、さらに好ましくは6.0mmol/g以上、最も好ましくは6.5mmol/g以上である。また、不飽和単量体の平均水酸基数の上限は特に制限されるものではないが、好ましくは15mmol/g以下である。
【0016】
本発明において、上記樹脂はラジカル重合によって製造することができる。したがって不飽和単量体組成物は、溶媒、重合開始剤等を含み得る。溶媒としては、水単独、水溶性溶媒もしくは親水性溶剤と水との混合物、または水溶性溶剤もしくは親水性溶剤単独等が挙げられる。水溶性溶剤および親水性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。溶媒の使用量は特に制限されるものではないが、接着剤使用時の作業性を考慮すると、不飽和単量体組成物に対して、30重量%〜90重量%とすることが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、有機過酸化物類、過酸化水素等の公知の水溶性触媒、または公知の油溶性触媒が挙げられる。このような公知の水溶性触媒の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド等のアゾ系開始剤、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。公知の油溶性触媒の具体例としては、2,2−アゾビス−イソブチロニトリル
等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物が挙げられる。これらの中でも、重合触媒の半減期および得られる樹脂の分子量の観点から、水溶性触媒ならば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリドが好ましく、油溶性触媒ならば2,2−アゾビス−イソブチロニトリルが好ましい。重合開始剤の使用量は特に限定されるものではないが、不飽和単量体に対して0.0001重量%〜3.0重量%とすることが好ましい。
また、必要に応じて、還元剤を使用することもできる。このような還元剤としては、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物等が挙げられる。
【0017】
ラジカル重合反応時の温度は、40〜130℃であることが好ましく、50〜110℃であることがさらに好ましい。反応時間は、特に制限されることはなく、各成分の配合量及び反応温度等に応じて適宜調整すればよい。
【0018】
上記ラジカル重合により得られる樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、接着性をより向上させる観点から、10,000〜500,000であることが好ましく、20,000〜400,000であることがより好ましく、30,000〜300,000であることが最も好ましい。得られる樹脂の重量平均分子量を調整する際は、連鎖移動剤を用いてもよい。このような連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、β−メルカプトプロピオン酸、メチルアルコール等のアルコール類などが挙げられる。
【0019】
本発明において使用する接着剤には、水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤、粘着付与剤、pH調整剤、増粘剤、消泡剤、顔料、防腐剤、成膜助剤、可塑剤等を必要に応じて添加することができる。特に、水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤を接着剤に添加することで、ポットライフおよび保存安定性は若干低下するが、樹脂の凝集力が高まることで接着強度をより向上させることができる。
【0020】
水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤とは、水酸基含有エチレン性不飽和単量体中の水酸基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する公知の架橋剤を示す。このような架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン化合物、カルボキシル基含有化合物、メチロールアミド基含有化合物等が挙げられる。これらの中でもイソシアネート系架橋剤は、水酸基との反応性に優れるため、接着性をより向上させることができるので好ましい。これら架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等が挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどのポリオールを反応させたアダクト体やイソシアネート化合物を2量体、3量体にしたものも挙げられる。さらに、イソシアネート基を一時的に不活性化したブロックイソシアネート化合物も挙げられる。これらを1種単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
【0022】
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ(トリ)グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられ、アジリジン化合物としては、例えば、N,N−ジフェニルメタン−4,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等が挙げられ、カルボキシル基含有化合物としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の直鎖状脂肪族ポリカルボン酸、これらの酸の分岐状脂肪族ポリカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ナジック酸等の脂環族二塩基酸;トリカルバリル酸、アコニチン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸等の三塩基酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、全シス−1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸とマレイン酸の塩付加物等の四塩基酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ脂肪酸、o−、m−またはp−フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸、シトラコン酸、トランス−アコニット酸、オキシジコハク酸及びチオジコハク酸等が挙げられる。さらに、ポリアクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマーも使用することができる。メチロールアミド基含有化合物としては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミドを共重合したポリマー等が挙げられる。
水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤の使用量は、重合して得られる樹脂の物性や接着性を考慮した上で適宜決定すればよいが、得られた重合体組成物に対して0.001重量%〜20重量%とすることが好ましく、0.01重量%〜10重量%とすることがさらに好ましい。
【0023】
なお、本実施の形態では、FEDに適用した場合について説明したが、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどにも同様に適用することができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例および比較例により本発明の詳細を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。合成例、実施例および比較例における各種物性等の測定は下記の方法で実施した。
【0025】
「画像表示装置の性能評価方法」
(透過率)
全光線透過率測定規格 JIS K 7361に準ずる測定により、パネルのみの状態と比べて透過率が大幅に落ちなければ○、透過率が落ちる場合を×とした。
(ヘイズ)
JIS K 7136に準ずる測定により、ヘイズ値がパネルのみの状態と比べて大幅に上がっていなければ○、大幅に上がっている場合×とした。
(接着力)
実用上問題なく、特に接着力の優れる場合を◎、実用上問題ないレベルを○、接着力はあるが容易に剥がれてしまう場合を△、接着力がなく容易に剥がれてしまう場合を×とした。
(信頼性試験)
高温高湿の環境試験機に1000時間入れたあと、透過率、ヘイズおよび接着力を評価し、入れる前の状態と比べて劣化が見られなければ○、劣化が見られる場合を×とした。
【0026】
「接着剤の物性評価方法」
(粘度の測定)
得られた接着剤を23℃に保ち、ブルックフィールド型粘度計を用いて10rpmで測定した。
(重量平均分子量(M)の測定)
得られた接着剤が水で希釈可能な場合は、以下の装置を用いて、0.1M硝酸ナトリウム水溶液をキャリアとし、サンプル濃度:約0.1重量%、測定時の流量:1mL/分で重量平均分子量を測定した。
使用機器;ゲルパーミテーションクロマトグラフィー
カラム;昭和電工株式会社製 OH Pak SB−806M HQ
標準試料;プルラン(昭和電工株式会社製 P−82)
得られた接着剤を水で希釈した時に、白濁もしくは凝集した場合、以下の装置を用いて、テトラヒドロフランをキャリアとし、サンプル濃度:約0.2重量%、測定時の流量:1mL/分で重量平均分子量を測定した。
使用機器;ゲルパーミテーションクロマトグラフィー
カラム;昭和電工株式会社製 KF−806L
標準試料;ポリスチレン換算
(ガラス転移温度(T)の測定)
得られた接着剤約1gを直径5cm、厚み約40μmのアルミカップに採取し、恒温乾燥機で110℃、3時間乾燥させた後、デシケーター中で室温に冷却した。冷却後、樹脂のガラス転移温度(T)を示差走査熱量計(DSC、セイコーインスツルメンツ株式会社製SSC5200)にて測定した。
【0027】
(合成例1)
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、溶媒であるイオン交換水95重量部およびイソプロピルアルコール5重量部を仕込み、75℃に昇温した。重合開始剤である過硫酸カリウム0.5重量部を投入した後、不飽和単量体であるヒドロキシエチルアクリレート100重量部を2時間かけて滴下した。滴下中は反応器内が約80℃になるように調整した。滴下終了後、80℃で1時間保持し、冷却後、反応器から樹脂溶液を取り出した。得られた樹脂溶液は、不揮発分が51.0重量%、粘度が2,500mPa・s、ガラス転移温度(T)が−2℃、重量平均分子量(M)が207,800であった。
【0028】
(合成例2)
反応器への仕込みをプロピレングリコールモノメチルエーテル100重量部に変更し、過硫酸カリウム0.5重量部の代わりに2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを用いた以外は合成例1と同様にして樹脂溶液を作製した。得られた接着剤は、不揮発分が50.1重量%、粘度が860mPa・s、ガラス転移温度(T)が−17℃、重量平均分子量(M)が13,900であった。
【0029】
(合成例3)
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテル100重量部を仕込み、75℃に昇温した。重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を投入した後、不飽和単量体であるヒドロキシエチルアクリレート30重量部および2−エチルヘキシルアクリレート70重量部を2時間かけて滴下した。滴下中は反応器内が約80℃になるように調整した。滴下終了後、80℃で1時間保持し、冷却後、反応器から樹脂溶液を取り出した。得られた樹脂溶液は、不揮発分が50.4重量%、粘度が2,200mPa・s、ガラス転移温度(T)が−50℃、重量平均分子量(M)が39,800であった。
【0030】
(合成例4)
ヒドロキシエチルアクリレート30重量部および2−エチルヘキシルアクリレート70重量部の代わりにヒドロキシエチルアクリレート90重量部およびブチルアクリレート10重量部を不飽和単量体として用いた以外は合成例3と同様にして樹脂溶液を作製した。得られた樹脂溶液は、不揮発分が50.4重量%、粘度が900mPa・s、ガラス転移温度(T)が−20℃、重量平均分子量(M)が27,500であった。
【0031】
(合成例5)
ヒドロキシエチルアクリレート30重量部および2−エチルヘキシルアクリレート70重量部の代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート70重量部およびメチルメタクリレート30重量部を不飽和単量体として用いた以外は合成例3と同様にして樹脂溶液を作製した。得られた樹脂溶液は、不揮発分が50.3重量%、粘度が5,300mPa・s、ガラス転移温度(T)が69℃、重量平均分子量(M)が104,000であった。
【0032】
(合成例6)
ヒドロキシエチルアクリレート30重量部および2−エチルヘキシルアクリレート70重量部の代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート50重量部および2−エチルヘキシルアクリレート50重量部を不飽和単量体として用いた以外は合成例3と同様にして樹脂溶液を作製した。得られた樹脂溶液は、不揮発分が50.1重量%、粘度が4,390mPa・s、ガラス転移温度(T)が−18℃、重量平均分子量(M)が50,400であった。
【0033】
上記合成例1〜6で得られた樹脂溶液の組成および各種物性を表1にまとめた。
【0034】
【表1】

【0035】
(実施例1)
GE東芝シリコーン株式会社製の2成分加熱硬化型液状シリコーンゴムであるTSE3033AとTSE3033Bとを重量比で1:1に配合し、攪拌し、真空脱泡を行った。攪拌、脱泡した液状シリコーンゴムを厚さ3mmの金型に流し込み、蓋をした。蓋をした状態で金型ごと乾燥炉に投入し、150℃で30分加熱した後、厚さ3mmの硬化したフィルム状の透明シリコーンゴム(シリコーンフィルム)を金型から取り出した。
正反射で1%程度の反射防止処理が片面に施されたPETフィルムを用意し、反射防止処理をしていない側の表面に、合成例1で得られた樹脂溶液(接着剤)をロールコーターを用いて50μmのウエット膜厚で塗布した。塗布後、このPETフィルムを連続式乾燥炉に投入して100℃で5分間乾燥を行い、接着剤が塗布されたPETフィルムを得た。
枚様式ラミネーター装置を用いて、上記PETフィルムの接着剤を塗布した面に上記シリコーンフィルムを接着させた。次いで、シリコーンフィルムのPETフィルムが接着されていない側の表面に、ロールコーターを用いて接着剤を50μmのウエット膜厚で塗布した後、これを連続式乾燥炉に投入し、100℃で5分間乾燥を行った。
公知の製造方法により製造されたFEDパネルを用意し、画像表示部を上にしてパネルをラミネーターに設置した。次に、ローラーを用いて画像表示部の表面に上記シリコーンフィルムの接着剤が塗布された面を接着させ、実施例1の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表2に示した。
【0036】
(実施例2)
合成例2で得られた樹脂溶液を接着剤として用いる以外は実施例1と同様にして実施例2の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表2に示した。
【0037】
(実施例3)
合成例4で得られた樹脂溶液にイソシアネート系架橋剤(コロネートL−45E、日本ポリウレタン工業株式会社製)2.0重量部を添加したものを接着剤として用いる以外は実施例1と同様にして実施例3の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表2に示した。
【0038】
(実施例4)
合成例2で得られた樹脂溶液にイソシアネート系架橋剤(コロネートL−45E、日本ポリウレタン工業株式会社製)3.0重量部を添加したものを接着剤として用いる以外は実施例1と同様にして実施例4の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表2に示した。
【0039】
(比較例1)
合成例3で得られた樹脂溶液を接着剤として用いる以外は実施例1と同様にして比較例1の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表3に示した。
【0040】
(比較例2)
合成例5で得られた樹脂溶液を接着剤として用いる以外は実施例1と同様にして比較例2の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表3に示した。
【0041】
(比較例3)
合成例6で得られた樹脂溶液にイソシアネート系架橋剤(コロネートL−45E、日本ポリウレタン工業株式会社製)0.5重量部を添加したものを接着剤として用いる以外は実施例1と同様にして比較例3の画像表示装置を作製した。この画像表示装置の性能評価結果を表3に示した。
【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
表2および3から分かるように、水酸基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも70重量%含む不飽和単量体組成物を重合して得られ且つガラス転移温度が−40〜60℃である樹脂を含む接着剤を用いて表示部表面にシリコーンフィルムを接着した実施例1〜4では、透過率、ヘイズといったパネル特性を低下させることなく、信頼性の高い画像表示装置が得られた。これに対し、水酸基含有エチレン性不飽和単量体を70重量%未満で含む不飽和単量体組成物を重合して得られる樹脂を含む接着剤(比較例1および3)あるいは水酸基含有エチレン性不飽和単量体を70重量含む不飽和単量体組成物を重合して得られ且つガラス転移温度が60℃を超える樹脂を含む接着剤(比較例2)を用いて表示部表面にシリコーンフィルムを接着した場合は、十分な接着力が得られず、実用に耐え得る画像表示装置を得ることはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係るFEDの模式断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 透明基板、2 蛍光体スクリーン、3 前面基板、4 基板、5 エミッタ、6 背面基板、7 側壁、8 メタルバック、9 シリコーンフィルム、10 光反射防止膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置の表示部表面に、水酸基含有エチレン性不飽和単量体を少なくとも70重量%含む不飽和単量体組成物を重合して得られ且つガラス転移温度が−40〜60℃である樹脂を含む接着剤を介してシリコーンフィルムが接着されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記シリコーンフィルムが、フィルム単体からなることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記シリコーンフィルムが、フィルム単体と、光反射防止膜および帯電防止膜の少なくとも一つとからなることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記不飽和単量体組成物に含まれる不飽和単量体の平均水酸基数が5.0mmol/g以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記樹脂の重量平均分子量が、10,000〜500,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記接着剤が、水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤を更に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−322524(P2007−322524A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150160(P2006−150160)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000187068)昭和高分子株式会社 (224)
【Fターム(参考)】