説明

画像記録表示方法、プログラム、及び、画像記録表示装置

【課題】記憶装置に記憶された画像データの閲覧を容易にする画像記録表示方法、プログラム、及び、画像記録表示装置を提供する。
【解決手段】制御部20を有し、画像データ50及び当該画像データ50の情報を管理する集計情報51を記憶する記憶装置5にアクセス可能であるとともに、入力装置3からの入力情報を受けて、出力装置4に画像データ50を出力可能なコンピュータ2により実行される画像記録表示方法であって、制御部20により、記憶装置5に記憶されている画像データ50うち、入力装置3から入力された入力情報に基づいて選択された画像データ50を出力装置4に表示し、当該画像データ50の閲覧情報を集計ファイル51に記憶するとともに、入力装置4より入力された当該画像データ50の関心度を、集計ファイル51に記憶するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録表示方法、プログラム、及び、画像記録表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像記録表示装置では撮影した複数の画像データから必要な画像データを取捨選択するためには、画像データを閲覧してその内容を確認する必要や、予めユーザーが各画像データに対してお気に入り度のような情報を付加する必要があった。あるいは、ユーザーの操作履歴を記録し、画像データの検索に用いる構成もある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3360595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の画像記録表示装置では、長期間の使用によって大量の画像データが蓄積されることが想定されるが、一定期間操作対象とならなかった画像データの関心度が下がってしまい、ユーザーの意図に沿った画像データが提示できないという課題があった。
【0004】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザーの画像データの閲覧履歴と、ユーザーの関心度入力とを組み合わせることで、記憶装置に記憶された画像データの閲覧を容易にする画像記録表示方法、プログラム、及び、画像記録表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明に係る画像記録表示方法は、制御部を有し、画像データ及び当該画像データの情報を管理する集計情報を記憶する記憶装置にアクセス可能であるとともに、入力装置からの入力情報を受けて、出力装置に画像データを表示可能なコンピュータにより実行される画像記録表示方法であって、制御部により、記憶装置に記憶されている画像データうち、入力装置から入力された入力情報に基づいて選択された画像データを出力装置に表示し、画像データが出力装置に表示されているときに、当該画像データの閲覧情報を当該画像データと関連付けて集計情報として記憶するとともに、入力装置より入力された当該画像データの関心度を、当該画像データと関連付けて集計情報に記憶するように構成される。
【0006】
このような画像記録表示方法において、閲覧情報は、画像データの閲覧回数であることが好ましい。または、閲覧情報は、画像データが表示装置に表示されている時間の累積値であることが好ましい。
【0007】
また、このような画像記録表示方法は、制御部により、関心度の昇順に画像データを出力装置に出力するように構成されることが好ましい。
【0008】
なお、本発明に係る画像記録表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することができ、このプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号として配信される場合もある。このとき、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0009】
また、本発明に係る画像記録表示装置は、入力装置と、出力装置と、上述のプログラムが実行されるコンピュータと、を有して構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像記録表示方法、プログラム、及び、画像記録表示装置を以上のように構成すると、ユーザーの画像データの閲覧履歴と、ユーザーの関心度入力とを組み合わせることで、記憶装置に記憶された画像データの閲覧を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて、本発明に係る画像記録表示方法が実装された画像記録表示装置の構成について説明する。この画像記録表示装置1は、CPUや、RAM、ROM等のメモリを有し、プログラムを実行するように構成されたコンピュータ2と、このコンピュータ2に接続された、キーボードやマウス等からなる入力装置3、ディスプレイ等からなる出力装置4、及び、ハードディスクやフラッシュメモリ等からなる記憶装置5と、から構成される。このコンピュータ2は、プログラムがCPU等で実行されることにより動作する制御部20を有しており、後述する画像記憶表示処理が行われている。また、記憶装置5には、複数の画像データ50とこの画像データ50を制御部20の処理により管理するための集計情報(集計ファイル51)とが記憶されている。なお、これらの画像データ50及び集計ファイル51は、所定のディレクトリに格納されていても良いし、任意のディレクトリに格納されていても良い。
【0012】
それでは、図2〜図10を用いて、制御部20による画像記憶表示処理について説明する。
【0013】
[画像データの管理]
まず、画像データを管理するための処理について、図2に沿って説明する。コンピュータ2において制御部20が起動されると、図3に示すように、表示装置4に画面Gが表示される。この画面Gの上部には操作メニューG1が設けられており、例えば、入力装置3のマウス等を用いてこの操作メニューG1から「開く」を選択すると、記憶装置5の予め設定されたフォルダが開かれ、そのフォルダ内にある集計ファイル51が読み込まれる(ステップS100)。図4は、集計ファイル51のデータ構造を示しており、画像データ50のパス名(ファイル名)が記憶されるパス名カラム51aと、その画像データ50に対する、閲覧回数が記憶される閲覧回数カラム51bと、閲覧時間が記憶される閲覧時間カラム51cと、利用者により入力される関心度が記憶される関心度カラム51dと、から構成され、記憶装置5の所定のフォルダ内に格納された画像データ50がこの集計ファイル51により管理される。なお、集計ファイル51から読み込んだ情報は、制御部20の内部(例えば、RAM等)に一時的に記憶される。
【0014】
ステップS100でフォルダ内集計ファイル51が無かった場合は(ステップS101)、記憶装置5の当該フォルダ内に集計ファイル51を作成し、そのフォルダ内に記憶されている画像データ50のパス名を取得して、集計ファイル51に画像データ50毎にレコードを作成して記憶する(ステップS102)、一方、既に所定のフォルダ内に集計ファイル51がある場合は、当該フォルダ内に記憶されている画像データ50のパス名を取得し、集計ファイル51に記憶されていない画像データ50について当該パス名を含むレコードを追加し、反対に集計ファイル51にパス名が記憶されているが、当該フォルダ内に存在しない画像データ50がある場合は、そのパス名を含むレコードを集計ファイル51から削除する(ステップS103)。そして、画面Gの左側部分に設けられたサムネイル表示領域G2に、記憶装置5の所定のフォルダ内に記憶されて、かつ、集計ファイル51で管理されている画像データ50のサムネイル画像G2aを、例えば、上下方向に並べて表示する(ステップS104)。なお、このサムネイル画像G2aは、ステップS104において画像データ51から作成して表示しても良いし、JPEG形式のファイルのように内部にサムネイル画像が属性情報として記憶されている場合には、その画像を使用しても良い。
【0015】
[画像データの閲覧]
次に、このようにして集計ファイル51を用いて制御部20により管理されている画像データ50の閲覧処理について、図6に沿って説明する。上述のように、画面Gのサムネイル表示領域G2に画像データ50のサムネイル画像G2aが表示されている状態で、マウス等の入力装置3により、いずれかのサムネイル画像G2aを選択すると、選択されたサムネイル画像G2aに対応する画像データ50のパス名から、当該画像データ50の属性情報(集計ファイル51に記憶されている情報)を取得し(ステップS200)、画面Gの右側に設けられた画像表示領域G3に、選択された画像データ50と、その属性情報が表示される(ステップS201)。なお、図7には、当該画像データ50が表示される画像領域G3aと、この画像データ50のパス名が表示されるパス名領域G3bと、閲覧回数及び閲覧時間が表示される閲覧情報領域G3cと、関心度が表示される関心度領域G3dとが設けられている場合を示している。
【0016】
そして、制御部20は、閲覧時間計測用のタイマーを起動し(ステップS202)、上述のステップS200で読み出した属性情報のうち、閲覧回数に1を加算して、集計ファイル51の当該画像データ51に対応するレコードの閲覧回数カラム51bに記憶する(ステップS203)。
【0017】
このように、画像表示部G3にサムネイル表示領域G2で選択された画像データ50の画像及び属性情報が表示されている状態で、制御部20は、入力装置3の操作により関心度領域G3dに表示されている関心度の値の変更を受け付けるように構成されている。すなわち、制御部20は、ユーザーからの関心度の変更を監視し(ステップS204)、変更が入力された場合には、この関心度領域G3dに表示されている関心度の値を変更して表示し(ステップS205)、さらに、その値を、集計ファイル51の当該画像データ51に対応するレコードの関心度カラム51dに記憶する(ステップS206)。なお、関心度の値の変更方法として、例えば星印をマウス等で選択し信号を入力することで星印を消して関心度を下げ、星印の付いていない黒点付近をマウス等で選択して信号を入力することで星印を付けて関心度を上げる方法などがある。また、制御部20は、この画像データ50の閲覧が終了するか、若しくは、サムネイル表示領域G2において、他のサムネイル画像G2aが選択されるのを監視し(ステップS207)、終了若しくは選択が無かった場合は、ステップS204に戻り、終了若しくは選択がされた場合は、タイマーを終了して当該画像データ50の閲覧時間を算出し、集計ファイル51の当該画像データ50に対応するレコードの閲覧時間カラム51cに記憶されている閲覧時間に、ステップS208で算出した時間を加算して記憶する(ステップS209)。すなわち、この閲覧時間カラム51cには、画像データ50毎の閲覧時間の累積値が記憶される。なお、サムネイル表示領域G2において、他のサムネイル画像G2aが選択されたときの処理は、上述のステップS200〜S209と同様である。
【0018】
[画像データのソート]
最後に、以上のようにして集計ファイル51により管理されている画像データ50の属性情報を用いて、サムネイル表示領域G2に表示されるサムネイル画像G2aの表示順序をソートする処理について図8に沿って説明する。図9に示すように、入力装置3により、画面Gの操作メニューG1からソートが選択されると、制御部20は、記憶装置5の集計ファイル51を読み込み(ステップS300)、この集計ファイル51に記憶されているレコードを、関心度が降順に並ぶようにソートする(ステップS301)。さらに、この関心度によるソートの順序を維持したまま、閲覧時間が降順に並ぶようにソートする(ステップS302)。つまり、集計ファイル51に記憶されているレコードは、関心度が降順となるようにソートされ、関心度が同じ値のときは、閲覧時間が降順となるようにソートされる。そして、図10に示すように、制御部20は、このソート結果の順に、画面Gのサムネイル表示領域G2にサムネイル画像G2aを表示する(ステップS303)。なお、このようにして、サムネイル表示領域G2においてサムネイル画像G2aが入力装置3により選択されると、上述のように画像表示領域G3に当該サムネイル画像G2aに対応する画像データ50の画像が表示されるが、閲覧回数、閲覧時間及び関心度の表示方法及び変更方法については、上述の通りである。
【0019】
このように、過去に画像データ50を閲覧した履歴を集計ファイル51に記憶しておき、この履歴に基づいてソートして表示することにより、画像データ50が大量に記憶装置5に蓄積されていたとしても、関心度が高く閲覧時間の長い画像データ50が優先してサムネイル表示領域G2に表示されるので、容易に目的の画像データ50を閲覧することが可能になる。
【0020】
なお、ここでは、関心度及び閲覧時間が降順となるように並び替えてサムネイル表示領域G2に表示する場合について説明したが、本発明がこの実施形態に限定されることはなく、例えば、記憶装置5に記憶されている画像データ50を用いてスライドショーを表示するときに、集計ファイル51に記憶されている履歴から、関心度が高く、また、閲覧回数が多い、又は、閲覧時間が長い画像データ50を優先的に選択して表示するように構成することも可能である。また、本実施形態では、関心度を表示する例で説明したが、関心度を表示することなく、表示回数と表示時間とから集計ファイル51に記憶されている関心度を自動的に設定及び更新しても良い。また、サムネイルを表示する例を示したが、複数のサムネイル画面と選択された画像データの1つの画像を表示する画面とを切り替えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】画像記録表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像データの管理処理を示すフローチャートである。
【図3】起動時の画面の構成を示す説明図である。
【図4】集計情報の構成を示すデータ構造図である。
【図5】サムネイル画像を選択するときの画面を示す説明図である。
【図6】画像データの閲覧処理を示すフローチャートである。
【図7】画像データの内容が表示されたときの画面を示す説明図である。
【図8】画像データのソート処理を示すフローチャートである。
【図9】画像データのソートを指示するときの画面を示す説明図である。
【図10】ソート結果が表示された画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 画像記録表示装置 2 コンピュータ 3 入力装置
4 出力装置 5 記憶装置 20 制御部
50 画像データ 51 集計ファイル(集計情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有し、画像データ及び当該画像データの情報を管理する集計情報を記憶する記憶装置にアクセス可能であるとともに、入力装置からの入力情報を受けて、出力装置に前記画像データを表示可能なコンピュータにより実行される画像記録表示方法であって、
前記制御部により、
前記記憶装置に記憶されている前記画像データうち、前記入力装置から入力された入力情報に基づいて選択された画像データを前記出力装置に表示し、
前記画像データが前記出力装置に表示されているときに、当該画像データの閲覧情報を当該画像データと関連付けて前記集計情報として記憶するとともに、前記入力装置より入力された当該画像データの関心度を、当該画像データと関連付けて前記集計情報に記憶する画像記録表示方法。
【請求項2】
前記閲覧情報は、前記画像データの閲覧回数である請求項1に記載の画像記録表示方法。
【請求項3】
前記閲覧情報は、前記画像データが前記表示装置に表示されている時間の累積値である請求項1または2に記載の画像記録表示方法。
【請求項4】
前記制御部により、
前記関心度の昇順に前記画像データを前記出力装置に出力する請求項1〜3いずれか一項に記載の画像記録表示方法。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項に記載の画像記録表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
入力装置と、
出力装置と、
請求項5に記載のプログラムが実行されるコンピュータと、を有する画像記録表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−28491(P2010−28491A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187976(P2008−187976)
【出願日】平成20年7月19日(2008.7.19)
【出願人】(592217093)株式会社ニコンシステム (102)
【Fターム(参考)】