説明

画像記録装置、及び画像記録装置の制御方法

【課題】定形記録媒体の画像記録や、搬送された記録媒体のサイズを認識できない場合でも、装置内部の汚損を抑制して画像記録することを可能とする画像記録装置、及び画像記録装置の制御方法を提供することを課題とする。
【解決手段】画像記録範囲設定部3は、記録媒体の搬送路に設けられ、当該記録媒体の片側の側端部の位置を検出する媒体側端検出部6による検出結果から前記記録媒体の幅を推定する。そして推定した幅から画像記録を行う記録範囲を設定し、当該記録範囲に画像記録処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関し、特に不定形の記録媒体に対しても画像記録範囲を設定可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、コピー機、FAX等の記録媒体を搬送して、その記録媒体の片面若しくは表裏両面に記録処理(画像データの記録)をする画像記録装置が知られている。この画像記録装置には、記録方式には例えば記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット方式による画像記録方式によるものがある。あるいはトナーを用いて記録処理を行う静電記録方式の画像記録装置もある。
【0003】
これらの画像記録装置では、例えばインクジェット方式の画像記録装置では、記録媒体を給送して搬送すると共に、ノズル列(記録ヘッド)における複数のインクノズルに、記録処理を行う記録媒体を対向配置させて、搬送中の記録媒体に対して各色のインクを吐出することで、文字や画像を記録している。
【0004】
ここで、高品位の出力画像を得て更に装置内をインクやトナー等で汚損させないためには、記録媒体を正確に搬送させ、記録媒体の大きさに合致した画像記録範囲に画像記録をする必要がある。
【0005】
このため、搬送される記録媒体の左右の記録媒体端部を検出する機構を設け、搬送中の左右の記録媒体端部位置を検出し、検出した記録媒体の端部位置にあわせて画像記録を行なう構成が一般に知られている。
【0006】
例えば特許文献1には、任意の大きさの記録媒体の媒体サイズを検出できる画像形成装置が開示されている。この特許文献1の装置では、搬送経路に複数の記録媒体検出器を設けることにより、搬送される記録媒体のサイズを検出できる。
【0007】
また特許文献2には、記録媒体の搬送方向に垂直な方向のずれ量を検出する検出器を設け、印字開始前に検出した用紙ずれ量から印字開始位置を補正する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−82765号公報
【特許文献2】特許第2550558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されている装置で行われる記録媒体サイズ検出方法では、搬送経路上に記録媒体の有無のみが検出可能な複数の記録媒体検出器を設けて検出を行っている。そのため、定型サイズ以外の不定形の記録媒体に画像記録を行う場合は、正確な記録媒体の大きさを検出することが出来ない。また定型サイズの記録媒体に画像記録を行った場合であっても、記録媒体の大きさは湿度などの影響を受けることで変化するので、やはり正確な記録媒体の大きさを検出することが出来ない。そして正確な記録媒体の大きさを検出することが出来ないと、記録媒体の端部近くまで記録を行なう場合に、記録媒体外に画像記録を行ってしまう虞がある。
【0010】
また、特許文献2に開示がある画像記録装置で行われる用紙ずれ量を検出する方法は、記録媒体端部の片方のみの位置を検出するため、主走査方向に位置ずれが発生した場合であっても装置内部を汚すことなく画像記録を開始することができる。しかし、もう一方の端部を検出できないため、不定形な記録媒体を用いた場合や積載している用紙サイズを画像記録装置が正確に認識できない場合、特許文献1の場合と同様に記録媒体外に画像記録を行ってしまう虞がある。
【0011】
インク吐出による画像記録装置においては、記録媒体の外にインクを吐出することは記録品位を著しく低下させ、また装置内をインクで汚損するという不都合を発生る虞がある。
【0012】
そこで前述した課題を鑑みて、本発明は、不定形記録媒体の画像記録や、搬送された記録媒体のサイズを認識できない場合でも、装置内部の汚損を抑制して画像記録することを可能とする画像記録装置、及び画像記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本画像記録処理は、上位装置からの情報に基づいて、給紙機構から記録媒体をピックアップして搬送路を搬送機構により搬送し、前記記録媒体に画像記録をする画像記録装置において、前記記録媒体の搬送路に設けられ、当該記録媒体の片側の側端部の位置を検出する媒体側端検出部と、前記記録媒体側端検出部による検出結果から前記記録媒体の幅を推定し、当該推定した幅から画像記録を行う記録範囲を設定し、当該記録範囲に画像記録処理を行う画像記録範囲設定部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本画像記録処理の制御方法は、上位装置からの情報に基づいて、給紙機構から記録媒体をピックアップして搬送路を搬送機構により搬送し、前記記録媒体に画像記録をする画像記録装置の制御方法であって、前記前記搬送路を搬送される記録媒体の片側の側端部の位置を検出し、前記検出結果から前記記録媒体の幅を推定し、当該推定した幅から画像記録を行う記録範囲を設定し、当該記録範囲に画像記録処理を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不定形の記録媒体が搬送された場合や、搬送された記録媒体のサイズが認識できない場合でも対応できる。またこのような場合においても、記録媒体の範囲意外へのインク吐出による装置内部の汚損を抑制して画像記録を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1乃至第4の実施形態の画像記録装置の概念的な構成を示すブロック図である。
【図2】第1乃至第4の実施形態の画像記録装置を構成する各構成要素の配置例を示す側面図である。
【図3】第1乃至第4の実施形態の画像記録装置を構成する各構成要素の配置例を示す上面図である。
【図4】第1の実施形態の画像記録範囲設定方法を示す図である。
【図5】第1の実施形態の画像記録装置で用いられる給紙機構の構成を示す図である。
【図6】第2の実施形態の画像記録装置で用いられる給紙機構の構成を示す図である。
【図7】第2実施形態の画像記録装置の給紙台に、適合する定形記録媒体を積載した場合を説明する図である。
【図8】第2実施形態の画像記録装置の給紙台に、不定形の記録媒体を積載した場合を説明する図である。
【図9】第3の実施形態の画像記録装置の給紙機構の構成を示す図である。
【図10】第1の実施形態の画像記録装置が画像記録時に行う処理を示すフローチャートである。
【図11】第2及び第3の実施形態の画像記録装置が画像記録時に行う処理を示すフローチャートである。
【図12】第4実施形態の画像記録装置が画像記録時に行う処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
以下の説明では、本実施形態の画像記録装置をインクジェット方式のプリンタとして構成した場合を例にして説明する。尚本実施形態の画像記録装置は、プリンタ以外の画像記録装置、例えばFAXやコピー機などの画像記録装置であっても良いし、また記録方式はインクジェット方式以外の方式、例えば静電記録方式であっても良い。
【0018】
図1は、第1乃至第4の実施形態の画像記録装置の概念的な構成を示すブロック図である。また図2は第1乃至第4の実施形態の画像記録装置を構成する各構成要素の配置例を示す側面図、図3は上面図である。
【0019】
図1乃至図3の画像記録装置は、フルライン型のカラープリンタの構成を示しており、記録媒体の搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に、インク吐出のための複数のノズルを形成した記録ヘッドが、搬送方向(副走査方向)に離間してインク色毎に配設されている。
【0020】
以下の説明においては、記録媒体の搬送方向に直交する方向(主走査方向)をX方向又は記録媒体の幅方向とし、記録媒体の搬送方向(副走査方向)をY方向、XY平面に垂直な方向をZ方向と称する。
【0021】
まず、本発明に係わる画像記録装置の構成例を説明する。
第1乃至第4の実施形態の画像記録装置1は、記録媒体60を供給する給紙機構30、給紙機構30から受け渡された記録媒体60を搬送する搬送機構10、搬送中の記録媒体60の側端部及び搬送方向のエッジを検出する媒体検出機構5、記録媒体60に画像記録処理を行う画像記録部20、記録処理が施された記録媒体60を収納する不図示の収納部、及び画像記録装置を統括する制御部2、を少なくとも備える。
【0022】
給紙機構30は、媒体フェンス機構31、ピックアップローラ32、及び収納カセット33を有する。給紙機構30は、記録媒体60の搬送経路の最上流側に設けられており、ユーザは記録媒体60を収納カセット33に設置した後、媒体フェンス機構31を移動させ記録媒体の左右をフェンス31a及びフェンス31bで挟み記録媒体60を揃える。この記録媒体フェンス機構31は、搬送方向に直交する記録媒体の端部を両サイドから押さえて、搬送経路の中心と記録媒60の体中心を合わせるもので、ここから搬送された記録媒体60は搬送経路の略中心を搬送される。
【0023】
記録処理が開始されると、ピックアップローラ32は、制御部2から記録媒体60を給紙するよう通知される。これを受けてピックアップローラ32は、収納カセットに収容された最上面の記録媒体60に当接して1枚ずつ取り出し、下流にある媒体検出機構5、および搬送機構10へ記録媒体60を搬送する。
【0024】
媒体検出機構5は、媒体側端検出部6、及び媒体エッジ検出部7を備え、給紙機構30と搬送機構10の間に配置されている。媒体側端検出部6は、例えばコンタクト・イメージ・センサ(CIS)で構成され、給紙機構30から搬送された記録媒体60の片側(例えば左側)の側端部位置を検出するとこれを制御部2へ通知し、媒体エッジ検出部7は、記録媒体60の先端と後端を検出して制御部2へ通知する。制御部2は、媒体側端検出部6及び媒体エッジ検出部7からの通知に基づいて画像記録位置を補正して画像記録開始、停止のタイミング及び画像記録位置を決定する。
【0025】
搬送機構10は、搬送駆動部11、搬送情報生成部12、駆動ローラ13、従動ローラ14(14a、14b)、及び搬送部材15を備え、搬送面が複数の記録ヘッド部21のインク吐出口に対向して設けられる。搬送部材15は、駆動ローラ13と従動ローラ14に架設されている。搬送部材15は、制御部2からの制御指示に基づいて駆動ローラ13が駆動することで回転し、給紙機構30から受け渡された記録媒体60を、不図示のファンにより搬送部材15に吸着させながら搬送を開始する。
【0026】
従動ローラ14には、例えばロータリエンコーダからなる搬送情報生成部12が設けられ、この搬送情報生成部12は搬送部材15の移動量に対応したパルスを生成して制御部2に通知する。
【0027】
画像記録部20は、記録ヘッド部21及び記録ヘッド駆動部22を備える。また画像記録部20には、制御部2からの制御指示に基づいて記録処理するインクを記録ヘッド部21からの駆動信号により吐出する複数の記録ヘッドが、直接的且つ設計に基づく最大記録媒体幅を超える長さに配設されている。記録ヘッド駆動部22は、制御部2から通知された情報に基づいて記録ヘッド部21を制御して、記録媒体60に対して1ライン毎の画像情報を記録処理する。
【0028】
また、この画像記録装置1には、記録処理(画像記録)に関する情報であるジョブ情報を制御部2に通知する上位装置40、例えばホストコンピュータが接続されている。
上位装置40は、ユーザによる指示に基づいたジョブ情報(画像データ、画像データサイズ、記録媒体のサイズ、記録媒体の方向、記録媒体の種類、記録枚数、片面・両面記録)を制御部2に通知する。
【0029】
制御部2は、画像記録範囲設定部3、記憶部4、及び警告部8を備え、例えば、MPU等の処理回路により構成され、制御及び処理に必要なプログラムや画像データを格納する不図示のメモリを有している。制御部2は、画像記録装置1のメモリに格納された画像データに基づいて、この画像データの1ライン〜nラインのデータを画像記録部20に通知して記録処理を行わせる。
【0030】
次に制御部2が備える画像記録範囲設定部3は、媒体検出機構5から通知された情報と、上位装置40から通知された情報に基づいて、搬送された記録媒体への画像記録範囲を決定する。そして制御部2は、その画像記録範囲にインクを吐出させる記録ヘッドを決定し、記録ヘッド駆動部22へ記録ヘッド部21を駆動するよう制御指示を行う。記憶部4は、媒体側端検出部6が検出した記録媒体60のサイズに対応して駆動させる記録ヘッド部21の情報と共に、画像記録装置1の設計時における記録ヘッド間隔の離間距離を搬送情報生成部12のロータリエンコーダが出力するパルス数に換算して予め格納している。言い換えると、記憶部4は、ノズルからインクの吐出開始するタイミングを、搬送情報生成部12が出力するパルス数として記憶している。制御部2は、搬送情報生成部12から出力されるエンコーダパルス数と、記憶部4に予め格納されているノズル列毎の記録タイミングに対応するロータリエンコーダのパルス数とが一致した際に、記録ヘッド駆動部22を駆動して、搬送部材15上の記録媒体60に向かってノズルからインクを吐出し、記録処理を行わせる。
【0031】
上位装置40から通知されるジョブ情報には、記録媒体のサイズ指定情報、記録媒体の縦/横指定情報、記録媒体の種類指定情報、記録処理枚数、片面/両面記録指定情報、解像度指定情報、記録する画像データに関する情報等が含まれる。
【0032】
制御部2は、上位装置40よりジョブ情報と共に記録処理開始の通知を受けると、給紙機構30から記録媒体60を1枚ずつ、規定されたページギャップを保って媒体検出機構5、搬送機構10へ搬送する。
【0033】
媒体検出機構5では、媒体側端検出部6及び媒体エッジ検出部7によって、記録媒体60の先端及び左端部を検出し、検出結果を検出信号として制御部2に出力する。制御部2は、媒体側端検出部6からの検出信号と、上位装置40から通知された搬送されてくる記録媒体60についての情報に基づいて、画像記録範囲を設定し、駆動する記録ヘッドを選択し、記録ヘッド駆動部22を制御する。
【0034】
次に第1の実施形態の画像記録装置1が行う画像記録範囲設定方法について説明する。
図4は、第1の実施形態の画像記録範囲設定方法を示す図である。
図4では、媒体側端検出部6が検出した記録媒体60の左端部位置の搬送経路の搬送経路中心位置からの距離をe、画像記録範囲設定部3より設定された記録ヘッド駆動範囲の幅をB、記録ヘッド駆動範囲B内に位置する記録ヘッドをD、設計上の搬送経路中心位置をY、給紙機構30が積載できる最大記録媒体の幅情報から検出できる設計上の検出位置をCmax、積載した記録媒体60の記録媒体幅をPとしている。
【0035】
図4に示す第1の実施形態の画像記録装置1では、給紙機構30には、不定形の記録媒体のサイズを検出する検出器を備えていないものとする。また媒体側端検出部6の検出範囲は、記録可能な最大記録用紙幅を検出するのに必要な検出長さの略1/2とする。この媒体側端検出部6は、搬送方向の左右どちらか一方に設置すればよい。図4では、この媒体側端検出部6を搬送方向の左側に設置し、記録媒体の左側端部を検出するよう構成されているものとして説明する。このように第1の実施形態の画像記録装置1は、構成が簡単なので安価な装置として実現することができる。
【0036】
この第1の実施形態では、記録媒体60が搬送経路の中央を搬送されるように給紙機構30によって位置が固定されることを用いて、記録媒体60の幅を推測する。
図5は、第1の実施形態の画像記録装置1で用いられる給紙機構30の構成を示す図である。
【0037】
図5に示す給紙機構30は、媒体フェンス機構31を備え、この媒体フェンス機構31にセットされた幅Pの記録媒体60は、制御部2の指示により設計上の搬送径路の中心Yがその中心と一致するように搬送される。
【0038】
そして搬送経路中にある媒体エッジ検出部7により記録媒体60の先端が検出されると、この検出信号をトリガに制御部では搬送情報生成部12から出力されるエンコーダパルスのカウントを始める。
【0039】
一方、記録媒体60の搬送が進み、記録媒体60の端部が媒体側端検出部6にかかると、媒体側端検出部6は記録媒体60の端部位置eを検出し、制御部2はこの端部位置eを取得する。なお制御部2は、この端部位置eとして、媒体側端検出部6による検出位置を搬送経路中心位置Yからの主走査方向の距離として表現したものを扱う。
【0040】
上述したように第1の実施形態の画像記録装置1では、給紙機構30は記録媒体サイズ検出部を備えておらず、また媒体側端検出部6も記録媒体60の幅全域の検出範囲を持っていない。そのため、搬送された記録媒体60の幅Pそのものは測定できない。
【0041】
ここで、画像記録範囲設定部3は、記録媒体60が、設計上の搬送経路の中心Yが記録媒体60の中心にくるように搬送されてきていることから、搬送された記録媒体の幅は搬送経路の中心Yから記録媒体60の右端部までの距離をe‘=左端部までの距離eと推定する。そして画像記録範囲設定部3は、この推定から記録媒体60の幅Pをe+e=2eとする。そして画像記録範囲設定部3は、2eが予め設定された定形記録媒体の大きさと所定の誤差範囲内の大きさである場合は、画像記録範囲設定部3は記録媒体幅をその定形サイズと判断する。
【0042】
一方、この2eが予め設定された定形記録媒体の所定の誤差範囲内の大きさにない場合は、画像記録範囲設定部3は記録媒体幅Pを2eと判断する。
更に記録媒体60の搬送が進んで、制御部2がカウントしているエンコーダパルスのカウント値が所定の数値に達した時、画像記録範囲設定部3が設定した記録範囲幅2e(搬送されている記録媒体60が定型用紙と判定した場合はその定型用紙の幅)を主査方向の記録範囲として画像記録を開始する。
【0043】
更に記録媒体60の搬送が進んで、媒体エッジ検出部7が記録媒体60の後端を検出すると、制御部2は所定の数だけエンコーダパルスをカウントした後、記録を停止する。
以上説明したように、第1の実施形態の画像記録装置1では、媒体側端検出部6の検出範囲が記録可能な最大記録媒体幅の略半分のサイズであり、また記録媒体サイズの検出器が搭載されていない小型で安価な構成であっても、搬送される記憶媒体の幅を推定することが出来る。したがって不定形サイズの記録媒体を搬送した場合であっても、記録媒体の記録範囲を推定して記録をするため、記録媒体外へのインク吐出が押さえられ、インク吐出による装置内汚損を防ぐことができる。
【0044】
なお第1の実施形態の画像記録装置1では、例えば何らかのトラブルで記録媒体60が搬送経路の中央Yからずれて搬送された場合等、媒体側端検出部6による検出結果が記録媒体搬送可能範囲を超えた値を出力した場合や、記憶媒体60の幅の推定値2eが所定の定形サイズに合致しないと判断した場合は、警告部8によりユーザに異常を報告し、記録動作を停止する構成としても良い。また記録動作をせずに排紙する構成としてもよい。
【0045】
なお上記第1の実施形態の説明では、給紙機構30に記録媒体サイズの検出器が無い構成を前提として説明したが、上記説明の方法は、給紙機構30に定形記録媒体を検出する記録媒体サイズ検出器が搭載されてはいるが、定形外のサイズの記録媒体に対しては検出する手段を持たない場合に対しても適用できることは勿論のことである。
【0046】
次に第2の実施形態の画像記録装置1について説明する。
第2の実施形態の画像記録装置1は、構成面においては、媒体フェンス機構31に媒体サイズ検出部34が備えてある点のみが第1の実施形態の画像記録装置1と異なる。
【0047】
図6は第2の実施形態の画像記録装置1で用いられる給紙機構30の構成を示す図である。
図6に示すように、給紙機構30に搭載される記録媒体60は、搬送方向の上流に設置された固定板61に押し当てて設置され、搬送指示が出されると積載された記録媒体60の上部から1枚毎にピックアップされて搬送される。なお給紙機構30の構成は、記録媒体60の搬送方向の下流に可動板を設け、この可動板によっても位置が規制される構成としてもよい。
【0048】
また給紙機構30の搬送方向後方には、媒体サイズ検出部34が設けられている。この媒体サイズ検出部34は、定形サイズの記録媒体60が搭載されたときに、その記録媒体60の後端に来るように、ユーザが合致するその定形サイズの所定の位置に移動してセットする構成である。この媒体サイズ検出部34のセット位置は、制御部2に通知され、制御部2はこの位置により搬送機構30にセットされた記録媒体60のサイズを認識する。なおこの媒体サイズ検出部34は、記録媒体60の大きさに合わせた複数の特定の位置の何れかにセットされる構成である。よって媒体サイズ検出部34のセット位置からは、定形サイズの記録媒体60の大きさを検出することはできるが、不定形サイズの記録媒体60の大きさは検出することができない。
【0049】
図7は、第2実施形態の画像記録装置1の給紙台30に、適合する定形記録媒体60を積載した場合を説明する図である。
図7において、画像記録装置1に記録媒体60をセットする場合、例えば搬送機構30にA4サイズの記録媒体60を積載して、媒体フェンス機構31の両フェンス31a、31bを移動させて記録媒体60をフェンス31a、31bに押し当て、また媒体サイズ検出部34をA4サイズの位置にセットする。そしてユーザは、媒体サイズ検出部34がA4サイズの位置にセットされていることを確認する。
【0050】
この状態で、上位装置40から画像記録装置1に対して画像記録指令が発行されると、制御部2は媒体サイズ検出部34の出力から搬送される記録媒体60のサイズはA4サイズであることを認識し、搬送機構10を制御して搬送を開始する。
【0051】
搬送された記録媒体は、第1実施形態で説明した手順で媒体エッジ検出部7及び媒体側端検出部6によって端が検出され、画像記録範囲設定部3によって例えば左端の検出結果から搬送される記録媒体60の記録媒体幅の推定が行なわれる。ここで媒体側端検出部6の検出値をeとし、画像記録範囲設定部3が搬送されている記録媒体60がA4サイズと判断する検出範囲がa1〜a2とすると、検出値eがa1>e>a2であったとき、媒体側端検出部6による記録媒体幅の推定値は所定の範囲内であるため、制御部2は搬送された記録媒体幅はA4と判断し、記録動作を続行する。そして記録動作では、A4サイズの幅が記録ヘッド駆動範囲Bとなる。
【0052】
一方、例えばユーザが給紙機構30にセットされた記録媒体60のサイズがA4と検出する位置に媒体サイズ検出部34を設置させたまま、A4サイズより幅の狭い不定形の記録媒体を給紙機構30にセットした場合が考えられる。この場合を図8に示す。
【0053】
図8では、A4サイズより幅が狭い記録媒体60が給紙機構30にセットされており、フェンス31aと31bの間の距離PはA4サイズの幅35より狭くなっている。しかし媒体サイズ検出部34の位置は、記録媒体60がA4サイズのときの位置にセットされており、その位置は制御部2に通知されている。
【0054】
このような状態で、上位装置40から画像記録装置1に対して画像記録指令が発行されると、制御部2はA4サイズの記録媒体60がセットされているものと判断して、記録媒体60の搬送を開始するが、このとき画像記録範囲設定部3が媒体側端検出部6による検出結果に基づいて搬送される記録媒体60の記録媒体幅の推定値を求める。図8の場合搬送される記録媒体60は不定形のものなので、この推定値2eは媒体サイズ検出部34から通知されるA4サイズの幅の誤差範囲を超えてしまう。
【0055】
この場合画像記録範囲設定部3は、搬送された記録媒体60の幅を2eと判断して記録ヘッド駆動範囲Bを設定して記録動作を実施する。あるいはユーザの設定により、ユーザに警告を報知して記録動作を停止するようにしても良いし、記録を実施しないで記録媒体を搬送し排出するようにしてもよい。
【0056】
このように第2実施形態の画像記録装置1では、画像記録装置1が給紙機構30の媒体サイズ検出部34の位置から認識する記録媒体60のサイズと、搬送された記録媒体60のサイズの推定値とが異なった場合でも、画像記録範囲設定部3は正確な記録ヘッド駆動範囲Bを設定でき、インク吐出による装置内汚損の抑制することができる。
【0057】
また第2の実施形態においても、その構成は媒体側端検出部6の検出範囲が記録媒体60の半分のサイズであるため、装置の小型化、ローコスト化が可能となる。
次に第3の実施形態の画像記録装置1について説明する。
【0058】
なお、第3の実施形態の画像記録装置1では、給紙機構30の媒体フェンス機構31が不定形サイズの記録媒体60の幅を検出可能な検出部を備えている点が、第1及び第2の実施形態の画像記録装置1と構成面で異なる。
【0059】
第1実施形態では搬送径路の中央を搬送された記録媒体60の幅を媒体側端検出部6の検出結果に基づいて推測して記録媒体幅を求め記録ヘッド駆動範囲Bを設定していたが、第3の実施形態では、記録媒体フェンス機構31で検出した記録媒体幅を用いて記録媒体幅を求める。
そして媒体フェンス機構31で検出した記録媒体幅が所定範囲内であれば、これを記録媒体60の記録媒体幅として画像記録範囲を設定して画像記録処理を行ない、所定範囲外であれば第1実施形態と同様に媒体側端検出部6による検出結果から推定した記憶媒体60の記録媒体幅の推定値2eを用いて搬送される記録媒体60の記録媒体幅を判断して、画像記録範囲を設定して画像記録処理を行なう。
【0060】
図9は第3の実施形態の画像記録装置1の給紙機構30の構成を示す図である。
同図の給紙機構30では、図6の第2の実施形態の給紙機構30のような媒体サイズ検出部34は備えておらず、代わりにフェンス31aとフェンス31bの間の距離Pを検出して制御部2に通知する検出部36を備えている。この検出部36は、ファンス31aと31bのセットされた位置を検出し、これらから距離Pを求めこれを制御部2に通知するものである。
【0061】
この第3の実施形態においては、検出部36はフェンス31aとフェンス31bの間の距離Pを検出するので、検出部36は給紙機構30に不定形の記録媒体60がセットされても、その記録媒体幅を検出することができる。
第1実施形態では搬送径路の中央を搬送された記録媒体の幅を媒体側端検出部5の検出結果に基づき推測して、推測幅が定形サイズの所定範囲かどうか判断していたが、第3実施形態では、検出部36で検出した記録媒体幅と比較する。検出部36で検出した記録媒体幅が所定範囲かどうか判断した結果、所定範囲内であれば検出部36で検出した記録媒体幅と同等であると判断し、検出部36で検出した記録媒体幅で画像記録を行ない、所定範囲外であれば第1実施形態と同様に2eが所定の規定範囲内かどうか判定する処理へ移行する。
【0062】
次に第4の実施形態の画像記録装置1について説明する。
第4実施形態の画像記録装置1は、その構成においては制御部2が実行する制御プログラムが異なるだけで、基本的に第1の実施形態の画像記録装置1と同じである。なお給紙機構30については第1乃至第3の実施形態のいずれの構成でも良い。
【0063】
第4の実施形態の画像記録装置1では、上位装置40から通知された画像記録に使用するジョブ情報の中に含まれている記録媒体のサイズの情報Rを使用する。制御部2は、上位装置40から記録開始を通知されると、上位装置40から通知されたジョブ情報内の記録媒体のサイズの情報Rから搬送される記録媒体60の幅を認識すると共に記録媒体60の搬送を開始する。そして第1の実施形態の場合と同様、記録媒体60が搬送経路を搬送されていくと片側端(例えば左側端)が媒体側端検出部6によって検出され、その検出結果から記録媒体60の幅の推定値2eが求められる。そして推定値2eがジョブ情報から求めた記録媒体幅の誤差範囲内であれば、そのジョブ情報から求めた記録媒体幅を基に画像記録範囲を決定し、誤差範囲を超えていた場合には推定値2eを記録媒体幅として記録範囲を決定したり、あるいは警告部8によってユーザに異常を報告し、記録動作を停止する。
【0064】
このように第4の実施形態の画像記録装置1でも、不定形の記録媒体60が用いられても、その記録媒体幅に基づいた画像記録範囲が求められて画像記録が行われるので、装置内部の汚損を抑制して画像記録することができる。
【0065】
図10は、第1の実施形態の画像記録装置1が画像記録時に行う処理を示すフローチャートである。本処理は、制御部2の処理回路がメモリ内の画像記録範囲設定部3に対応するプログラムや制御プログラムを実行することにより実現する。
【0066】
制御部2は、ステップS1において、上位装置40から記録開始通知としてジョブ情報が通知されたかどうかを調べ、通知があるまで待ち状態となる(ステップS1、No)。
ステップS1において、上位装置40から記録開始を通知するジョブ情報が送られてくると(ステップS1、Yes)、ステップS2として制御部2は搬送機構10と給紙機構30を制御して、給紙機構30に搭載されている記録媒体60の搬送を開始する。
【0067】
次に制御部2は、ステップS3として搬送経路を搬送される途上、媒体側端検出部6によって記録媒体60の片側端(例えば左側端)が検出されると、その検出結果から媒体幅の推定値2eを求める。
【0068】
そして制御部2は、ステップS4としてステップS3で求めた推定値2eが定形サイズの値の規定誤差の範囲内であるかどうかを判断し、その結果規定誤差の範囲内であれば(ステップS4、Yes)、ステップS5として推定値2eが規定誤差の範囲内に入った定型サイズの幅を搬送されている記録媒体60の幅として画像記録範囲を決定して画像記録を開始し、本処理を終了する。
【0069】
一方ステップS4において、制御部2は、推定値2eがどの定形サイズの値の規定誤差の範囲内にも無いと判断したならば(ステップS4、No)、ステップS6として推定値2eが規定の範囲内にあるかどうかを判断する。この判断で、推定値2eが規定の範囲内にあると判断したならば(ステップS6、Yes)、ステップS7として搬送されている記録媒体60の幅を2eと規定して記録範囲を定めて画像記録を開始し、本処理を終了する。
【0070】
ステップS6において、推定値2eが規定の範囲内にないと判断したならば(ステップS6、No)、現在搬送されている記録媒体60は画像記録ができない幅のものなので、制御部2はステップS8として画像記録処理を停止し、ステップS9として排紙を行い、ステップS10として警告部8を制御してユーザにエラー報知を行なった後、本処理を終了する。
【0071】
この第1の実施形態の画像記録装置1では、記録媒体60の搬送過程で媒体側端検出部6による検出結果に基づいて記録媒体幅を推定し、その推定値2eを用いて画像記録範囲を決定するので、定形外のサイズの記録媒体60に対しても、インクやトナー等で装置内を汚すことなく、画像記録を行うことが出来る。
【0072】
図11は、第2及び第3の実施形態の画像記録装置1が画像記録時に行う処理を示すフローチャートである。本処理も、制御部2の処理回路がメモリ内の画像記録範囲設定部3に対応するプログラムや制御プログラムを実行することにより実現する。
【0073】
同図の処理が開始されると制御部2は、ステップS11において、上位装置40から記録開始通知としてジョブ情報が通知されたかどうかを調べ、通知があるまで待ち状態となる(ステップS11、No)。
【0074】
そしてステップS11において、上位装置40から記録開始を通知するジョブ情報が送られてくると(ステップS11、Yes)、ステップS12として制御部2は給紙機構30から積載されている記録媒体60の幅についての情報を取得する。このとき制御部2は、第2の実施形態の画像記録装置1では媒体サイズ検出部34から、第3の実施形態では検出部36から通知される情報から媒体幅を得る。
【0075】
次に制御部2は、ステップS13として、搬送機構10と給紙機構30を制御して、給紙機構30に搭載されている記録媒体60の搬送を開始する。
そして次に制御部2は、ステップS14として搬送経路を搬送される途上、媒体側端検出部6によって記録媒体60の片側端(例えば左側端)が検出されると、その検出結果から媒体幅の推定値2eを求める。
【0076】
そして制御部2は、ステップS15として、ステップS14で求めた推定値2eとステップS12で得た媒体幅とを比較し両者が規定の誤差の範囲内で一致するかどうかを判断する。その結果両者が規定の誤差の範囲内で一致したとき(ステップS15、Yes)、ステップS16として制御部2は、ステップS12で取得した媒体幅を用いて画像記録範囲を決定し、画像記録処理を開始した後、本処理を終了する。
【0077】
またステップS15において、制御部2が比較の結果両者が規定の誤差の範囲内では一致しないと判断したとき(ステップS15、No)、以降ステップS17〜S21として図10のステップS6〜S10と同様の処理を行った後、本処理を終了する。
【0078】
この第2及び第3の実施形態の画像記録装置1では、給紙機構30から通知された媒体幅と、媒体側端検出部6による検出結果から求めた推定値2eを用いて画像記録範囲を決定しているので、第1の実施形態と同様定形外の記録媒体60に対しても対応でき、また画像記録処理の際にインクやトナー等で装置内を汚すことがない。
【0079】
図12は第4の実施形態の画像記録装置1が画像記録時に行う処理を示すフローチャートである。本処理も、制御部2の処理回路がメモリ内の画像記録範囲設定部3に対応するプログラムや制御プログラムを実行することにより実現する。
【0080】
同図の処理が開始されると、ステップS41としてまず制御部2は、上位装置40から記録開始通知としてジョブ情報が通知されるのを待つ(ステップS41、No)。このステップS41は、図10のステップS1及び図11のステップS11と同じである。
【0081】
ステップS41において、上位装置40から記録開始を通知するジョブ情報を受信すると(ステップS1、Yes)、ステップS42として制御部2はそのジョブ情報内の画像データサイズ情報から媒体幅を認識する。
【0082】
次に制御部2は、ステップS43として搬送機構10と給紙機構30を制御して、給紙機構30に搭載されている記録媒体60の搬送を開始する。
そして次に制御部2は、ステップS44として記録媒体60が搬送経路を搬送される途上、媒体側端検出部6によって記録媒体60の片側端(例えば左側端)が検出されると、その検出結果から媒体幅の推定値2eを求める。
【0083】
次に制御部2は、ステップS45として、ステップS44で求めた推定値2eとステップS42でジョブ情報から得た媒体幅とを比較し両者が規定の誤差の範囲内で一致するかどうかを判断する。その結果両者が規定の誤差の範囲内で一致したとき(ステップS45、Yes)、ステップS46として制御部2は、ステップS42で取得したジョブ情報で規定された媒体幅を用いて画像記録範囲を決定し、画像記録処理を開始した後、本処理を終了する。
【0084】
またステップS45において、制御部2が比較の結果両者が規定の誤差の範囲内では一致しないと判断したとき(ステップS45、No)、以降ステップS47〜S51として図10のステップS6〜S10と同様の処理を行った後、本処理を終了する。
【0085】
このように第4の実施形態の画像記録装置1においても、上位装置40から記録開始通知と共に指定された媒体幅と、媒体側端検出部6による検出結果から求めた推定値2eを用いて画像記録範囲を決定しているので、第1乃至第3の実施形態と同様定形外の記録媒体60に対しても対応でき、また画像記録処理の際にインクやトナー等で装置内を汚すことがない。
【0086】
なお、第1乃至第4の実施形態の画像記録装置1として開示されている複数の要素を適宜組み合わせてもよい。また第1乃至第4の実施形態に示される全体構成からいくつかの要素を削除してもよいし、さらに異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0087】
また、例えば媒体側端検出部6を右側の端部を検出するよう構成してもよいし、左右に設置した場合であってどちらかの媒体側端検出部が正常に動作しないと判定された場合に、本案による制御を行なってもよい。
【0088】
また第1、第3及び第4の実施形態では、記録媒体60としてロール紙を使用しても良い。
また各実施形態では、記録媒体60が搬送路の略中心を搬送されることを前提として、媒体幅を推定していた。しかし本実施形態の画像記録装置1では、記録媒体60が搬送路の主査方向に関してどの位置を搬送されるのかが事前に分かり、それから記録媒体60の幅を推測できれば、搬送路の中心を搬送されることを前提とせず、例えば主査方向に1/3の位置や2/5の位置であっても良い。
【符号の説明】
【0089】
1 画像記録装置
2 制御部
3 画像記録範囲設定部
4 記憶部
5 媒体検出機構
6 媒体側端検出部
7 媒体エッジ検出部
8 警告部
10 搬送機構
11 搬送駆動部
12 搬送情報生成部
13 駆動ローラ
14 従動ローラ
15 搬送部材
20 画像記録部
21 記録ヘッド部
22 記録ヘッド駆動部
30 給紙機構
31 媒体フェンス機構
32 ピックアップローラ
40 上位装置
60 記録媒体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置からの情報に基づいて、給紙機構から記録媒体をピックアップして搬送路を搬送機構により搬送し、前記記録媒体に画像記録をする画像記録装置において、
前記記録媒体の搬送路に設けられ、当該記録媒体の片側の側端部の位置を検出する媒体側端検出部と、
前記記録媒体側端検出部による検出結果から前記記録媒体の幅を推定し、当該推定した幅から画像記録を行う記録範囲を設定し、当該記録範囲に画像記録処理を行う画像記録範囲設定部と、
を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
演算処理部、及び制御プログラムを予め記憶している記憶部を少なくとも備える制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記演算処理部に前記制御プログラムを実行させることにより、前記画像記録範囲設定部として機能する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記媒体側端検出部は、前記搬送路を搬送可能な前記記録媒体の最大幅の略半分の検出長さであることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記媒体側端検出部は、前記記録媒体の搬送方向に平行な側端部を検出することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記搬送機構は、前記記録媒体を前記搬送路の略中心を搬送し、前記媒体側端検出部は、前記記録媒体の幅を前記搬送路の中心から前記媒体側端検出部による前記側端部の検出位置までの距離の2倍と推定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記画像記録範囲設定部は、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅が、予め設定された値よりも異なる場合は、前記画像記録処理を行わずに前記記録媒体を搬送し排出することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記画像記録範囲設定部は、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅が、予め設定された値よりも異なる場合は、前記画像記録処理を行わずにユーザにエラー報知を行うことを特徴とした請求項1記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記記録媒体の搬送方向の端を検出する媒体エッジ検出部をさらに備え、
前記エッジ検出部が前記記録媒体の搬送方向先端を検出した時点を画像記録開始のタイミングを測るトリガとし、前記エッジ検出部が前記記録媒体の後端を検出した時点を画像記録終了のタイミングを測るトリガとすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記給紙機構に設けられ、前記記録媒体のサイズを検出する検出部を更に備え、
画像記録範囲設定部は、前記検出部が検出した前記媒体のサイズから求まる媒体幅と、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅を比較し、前記推定した幅が前記媒体幅と規定の誤差の範囲内で一致するとき、前記媒体幅から前記記録範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記給紙機構に搭載された前記記憶媒体の後端に来るように設置され、当該設置位置に基づいた前記記録範囲のサイズを前記画像記録範囲設定部に通知することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記給紙機構は、搭載された前記記録媒体の側端部をセットするフェンス機構を更に備え、
前記検出部は、前記フェンス機構のセット位置に基づいた前記記録範囲のサイズを前記画像記録範囲設定部に通知することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項12】
前記画像記録範囲設定部は、前記検出部が検出した前記媒体のサイズから求まる媒体幅と、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅を比較し、前記推定した幅が前記媒体幅と規定の誤差の範囲内で一致しないとき、前記推定した幅が規定の範囲内にあるかどうかを判定し、規定の範囲内にあるとき前記推定した幅を用いて前記記録範囲を設定することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項13】
前記画像記録範囲設定部は、前記推定した記録媒体幅が規定の範囲内に無いとき、前記画像記録処理は行わず、警告を報知することを特徴とする請求項12に記載の画像記録装置。
【請求項14】
前記画像記録範囲設定部は、前記推定した記録媒体幅が規定の範囲内に無いとき、前記画像記録処理は行わず、前記記録媒体を排紙することを特徴とする請求項12記載の画像記録装置。
【請求項15】
画像記録範囲設定部は、前記上位装置からの情報が指示する前記記録媒体のサイズから求まる媒体幅と、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅を比較し、前記推定した幅が前記媒体幅と規定の誤差の範囲内で一致するとき、前記媒体幅から前記記録範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項16】
上位装置からの情報に基づいて、給紙機構から記録媒体をピックアップして搬送路を搬送機構により搬送し、前記記録媒体に画像記録をする画像記録装置の制御方法であって、
前記前記搬送路を搬送されル記録媒体の片側の側端部の位置を検出し、
前記検出結果から前記記録媒体の幅を推定し、
当該推定した幅から画像記録を行う記録範囲を設定し、
当該記録範囲に画像記録処理を行う、
ことを特徴とする画像記録処理の制御方法。
【請求項17】
前記給紙機構に設けられ、前記記録媒体のサイズを検出する検出部が検出した前記媒体のサイズから求まる媒体幅と、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅を比較し、
前記推定した幅が前記媒体幅と規定の誤差の範囲内で一致するとき、前記媒体幅から前記記録範囲を設定することを特徴とする請求項16に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項18】
前記上位装置からの情報が指示する前記記録媒体のサイズから求まる媒体幅と、前記記録媒体側端検出部による検出結果から推定した前記記録媒体の幅を比較し、前記推定した幅が前記媒体幅と規定の誤差の範囲内で一致するとき、前記媒体幅から前記記録範囲を設定することを特徴とする請求項16に記載の画像記録装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−98520(P2011−98520A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255209(P2009−255209)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】