説明

画像記録装置および電子カメラ

【課題】映像観察者の情景理解を助ける情報を付加する画像記録装置を得る。
【解決手段】画像記録装置1は、情報取得手段11,12,15,20,21,22と、記録する画像と別に、少なくとも画像より後から情報取得手段11,12,15,20,21,22によって取得される取得情報に基づいてメタデータを生成するメタデータ生成手段15と、生成されたメタデータと画像とを関連づけて記録する情報記録手段15,19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像に含まれる人物や物体などを画像認識し、認識結果を文字データに変換してメタデータを生成する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−52626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、その映像から認識される情報がメタデータとして付加される。このため、映像から認識できない情報を付加することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像記録装置は、情報取得手段と、記録する画像と別に、少なくとも画像より後から情報取得手段によって取得される取得情報に基づいてメタデータを生成するメタデータ生成手段と、生成されたメタデータと画像とを関連づけて記録する情報記録手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、映像を観察する観察者の情景理解を助ける情報を付加できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。
【図2】Exifファイル構造を示す図である。
【図3】撮影モード処理の流れを説明するフローチャートである。
【図4】メタデータ記録処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】シーンチェンジ判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】メインスイッチがオンされている場合の動作を例示するタイミングチャートである。
【図7】再生処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。本発明の一実施の形態による電子カメラは、撮影モードと再生モードとが切替え可能に構成される。撮影モードは、被写体像を撮影し、撮影画像のデータをメモリカードなどで構成される記録媒体に画像ファイルとして記録する動作モードである。本実施形態では、撮影指示に応じて取得した画像に加えて、撮影指示の前後に取得した情報をメタデータとして画像ファイルに含める。画像ファイルの生成・記録についての詳細は後述する。
【0009】
再生モードは、指示された画像ファイルのデータを記録媒体から読出すなどして、該画像データによる再生画像をLCDパネルに表示させるモードである。本実施形態では、メタデータによる情報も再生画像に重ねてテキスト表示される。
【0010】
図1は、電子カメラ1の要部構成を説明するブロック図である。図1において、被写体像は撮影レンズ10によって撮像素子11の撮像面上に結像される。撮像素子11は、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサなどによって構成される。撮像素子11は、被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。
【0011】
アナログ画像信号は画像処理回路12へ入力される。画像処理回路12は、相関二重サンプリングやゲイン調整などのアナログ処理を施す。アナログ処理後の画像信号は、A/D変換回路(不図示)によってデジタル画像データに変換される。画像処理回路12はさらに、デジタル画像データに対して所定の画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整処理など)を施す。画像処理後の画像データは、圧縮/伸長回路17によってJPEG圧縮処理されてSDRAM16へ記録される。SDRAM16へは、画像処理前後や画像処理中のデータも一時的に記録される。
【0012】
CPU15は、JPEG圧縮コードをSDRAM16から読み出し、所定の付属情報(メタデータ)を含めることが可能な画像ファイル(JPEGファイル)として記録媒体40に記録することにより、撮影処理を完了する。記録媒体40は電子カメラ1に対して着脱自在に構成される。CPU15は、メモリカードコントローラ19を介して記録媒体40に対するデータの記録、および記録媒体40に記録されているデータの読み出しを行う。
【0013】
CPU15は、再生モード時に記録媒体40に記録されているJPEGコードを含む画像ファイルを読み出し、圧縮/伸長回路17によって伸長処理させ、さらに画像処理回路12に適切なサイズまで解像度変換を行わせてSDRAM16へ一時記録させる。Displayコントローラ13は、CPU15からの指示に応じてSDRAM16から画像データを読み出し、該画像データに基づいて表示用のデータを生成する。電子カメラ1の背面に配設されているLCDパネル14は、表示用データによる再生画像、メタデータに基づくテキスト情報を表示する。
【0014】
CPU15は、撮影モード時にLCDパネル14をビューファインダーとして動作させる。圧縮処理をしていないデジタル画像データを用いて表示用のデータを生成することにより、被写体のモニタ用画像(スルー画像)をLCDパネル14に表示する。スルー画像は、撮影指示前に撮像素子11によって所定の時間間隔(たとえば30コマ/毎秒)で繰り返し取得されるモニタ用画像のことをいう。
【0015】
USBコントローラ18は、外部機器(たとえば、PC)との間で所定の通信を行う。電子カメラ1は、USBコントローラ18を介して外部機器へ画像ファイルを転送する。画像ファイル転送として、画像ファイルの複製や画像ファイルの移動が可能である。
【0016】
CPU15は、内蔵する不揮発性メモリ(不図示)に記憶するプログラムを実行することにより、電子カメラ1が行う動作を制御する。CPU15は、各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づく制御信号を各ブロックへ出力する。
【0017】
操作部材20は、不図示のレリーズボタンの押下操作に連動してオン/オフする半押しスイッチならびに全押しスイッチの他、メニュースイッチなどを含む。操作部材20は、各操作に応じた操作信号をCPU15へ送出する。
【0018】
音声処理回路21は、マイク22で集音された音声信号を増幅し、増幅後の信号をA/D変換回路(不図示)によってデジタル音声データに変換する。音声処理回路21はさらに、デジタル音声データに対して所定の信号処理を施す。信号処理後の音声データは、SDRAM16へ記録される。
【0019】
GPSモジュール23は、GPS衛星201、202からの電波を受信し、受信信号にのせられている情報を用いて測位情報(緯度、経度、高度)を算出する。なお、図1においては、通常の測位に用いる4衛星のうち2つのみを図示している。CPU15は、GPSモジュール23から所定時間ごとに測位情報を受け取り、該測位情報をSDRAM16へ記録する。
【0020】
本実施形態は、画像ファイル内の画像の撮影時点と、メタデータによって記述される情報の取得時点とが異なる。以下、このような画像ファイル生成、およびメタデータ生成処理を中心に説明を行う。
【0021】
CPU15は、Exif形式の画像ファイルを生成し、当該画像ファイルを記録媒体40へ記録する。Exif形式の画像ファイルは、JPEG画像フォーマットの画像データ内にサムネイル画像や撮影情報などのデータを埋め込むようにしたものである。このファイル構造は、図2に例示するように、画像の付属情報を記録するタグ領域31と撮影画像データを記録する画像データ領域32とを有する。メタデータを撮影画像に関連づけて保存する設定が行われている場合のCPU15は、メタデータを記録する際に、SDRAM16の所定領域に保存されているメタデータを読み出し、読み出したメタデータを画像ファイルのタグ領域31に記録する。
【0022】
<メタデータ生成>
メタデータの生成は、1.顔検出処理に基づく生成、2.光学式文字読取り(Optical Character Reader)処理に基づく生成、3.音声認識処理に基づく生成、4.電子カメラ1の動作情報に基づく生成、のそれぞれを所定時間ごとに繰り返して行う。所定時間ごとに生成された複数のメタデータは、それぞれSDRAM16の所定領域に記録される。
【0023】
1.顔検出処理に基づく生成
電子カメラ1は、上述したスルー画像に含まれる「顔」を検出し、その「顔」が所定人物の「顔」か否かを識別する機能を備える。電子カメラ1は、スルー画像に含まれる「顔」のうち、識別した「顔」の人物の登録名(たとえば、「○×さん」)情報をメタデータとする。「顔」を識別しなかった場合は顔検出処理に基づくメタデータは生成されない。電子カメラ1が「顔」の識別に用いる参照用データは、あらかじめ内蔵する不揮発性メモリ(不図示)に記録(登録)されている。登録手順は、たとえば以下のように行う。
【0024】
CPU15は、たとえば、LCDパネル14に不図示の「操作メニュー画面」を表示させ、当該メニュー項目から「登録撮影」項目を選択する操作信号が操作部材20から入力された場合に、登録撮影処理を行う。登録撮影処理では、撮影された画像に含まれる「顔」を示す特徴量データを参照用データとして不揮発性メモリに記録(登録)する。具体的には、撮影画像のうち所定範囲(たとえば中央部分)に位置する画像データに基づいてサムネイル画像データを生成し、この画像データに基づいて「顔」を表す特徴量データを生成する。そして、この特徴量データを登録名を示すデータとともに参照用データに含めて不揮発性メモリに記録する。登録名は、操作部材20から入力操作される。以上により、識別すべき人物の参照用データが登録される。
【0025】
2.OCRに基づく生成
電子カメラ1は、スルー画像に含まれる「文字」(たとえば、「運動会」)を示す情報をメタデータとする。CPU15は、あらかじめ内蔵する不揮発性メモリ(不図示)に記録されているパターンとの照合により文字を特定し、特定した文字情報をメタデータとする。「文字」を特定しなかった場合はOCRに基づくメタデータは生成されない。
【0026】
3.音声認識処理に基づく生成
電子カメラ1は、マイク22で集音された「ことば」(たとえば、「選手入場」)を示す情報をメタデータとする。CPU15は、マイク22で集音された音声信号のうち直近の所定時間(たとえば、5秒)の音声信号を対象に公知の音声認識処理を施す。そして、音声認識された「ことば」を示す情報をメタデータとする。「ことば」を認識しなかった場合は音声認識処理に基づくメタデータは生成されない。
【0027】
4.カメラ動作情報に基づく生成
電子カメラ1は、設定情報をメタデータとする。CPU15は、たとえば、撮影モードを設定するための操作部材20から「ポートレート撮影」モードを指示する操作信号が入力された場合に、「ポートレート撮影」を示す情報をメタデータとする。「ポートレート撮影」の他に、「マクロ撮影」、「風景撮影」、「夜景撮影」などが含まれる。
【0028】
<画像ファイル生成処理>
電子カメラ1のCPU15は、操作部材20からの操作信号によって撮影モードへの切替えが指示されると撮影モードに切り替え、図3に例示する画像ファイル生成処理を繰り返し実行する。図3は、CPU15が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
【0029】
図3のステップS1において、CPU15は、撮像素子11に対するスルー画像取得用の駆動を開始させてステップS2へ進む。ステップS2において、CPU15は、半押しスイッチSW1がオンされたか否かを判定する。半押しスイッチSW1は操作部材20を構成し、レリーズボタン(不図示)の押下操作に連動してオン操作信号をCPU15へ出力する。半押しスイッチSW1からの半押しオン信号は、レリーズボタンが通常ストロークの半分程度まで押し下げ操作されると出力され、半ストロークの押し下げ操作解除で出力が解除される。CPU15は、半押しスイッチSW1からオン操作信号が入力された場合にステップS2を肯定判定してステップS3へ進む。CPU15は、半押しスイッチSW1からオン操作信号が入力されない場合には、ステップS2を否定判定して該判定処理を繰り返す。
【0030】
ステップS3において、CPU15はAF(オートフォーカス調節)処理を行ってステップS4へ進む。AF処理は、たとえば、スルー画像のコントラスト情報に基づいてフォーカシングレンズ(不図示)の合焦位置を求めるコントラスト検出方式を用いる。
【0031】
ステップS4において、CPU15は、測光処理を行なってステップS5へ進む。測光処理は、撮像素子11で取得された撮像信号に基づいてシャッター秒時および絞り値を演算するものである。
【0032】
ステップS5において、CPU15は、全押しスイッチSW2がオンされたか否かを判定する。全押しスイッチSW2は操作部材20を構成し、レリーズボタン(不図示)の押下操作に連動してオン操作信号をCPU15へ出力する。全押しスイッチSW2からの全押しオン信号は、レリーズボタンが通常ストロークまで押し下げ操作されると出力され、通常ストロークの押し下げ操作が解除されると出力が解除される。CPU15は、全押しスイッチSW2からオン操作信号が入力された場合にステップS5を肯定判定してステップS6以降の撮影処理へ進む。CPU15は、全押しスイッチSW2からオン操作信号が入力されない場合には、ステップS5を否定判定してステップS11へ進む。
【0033】
ステップS11において、CPU15は、半押しスイッチSW1がオンされているか否かを判定する。CPU15は、半押しスイッチSW1から継続してオン操作信号が入力されている場合にステップS11を肯定判定してステップS12へ進む。CPU15は、半押しスイッチSW1からオン操作信号が入力されていない場合には、ステップS11を否定判定して図3による処理を終了する。
【0034】
ステップS12において、CPU15はAFサーボ設定内容を判定する。CPU15は、AFサーボとしてAF−Cモードが設定されている場合にステップS12を肯定判定してステップS3へ戻る。AF−Cモードは、フォーカス調節処理を繰り返し行うモードである。一方CPU15は、AFサーボとしてAF−Sモードが設定されている場合にステップS12を否定判定してステップS5へ戻る。AF−Sモードは、たとえばフォーカス調節処理を1回のみ行い、そのフォーカス調節状態を保持する(AFロック)モードである。AFサーボの選択は、ユーザによってあらかじめ設定操作部材20の操作によって行われる。
【0035】
上述したステップS5を肯定判定して進むステップS6において、CPU15は、撮像素子11を初期化(電荷排出など)後、撮影用の露光、電荷蓄積のための駆動を開始させてステップS7へ進む。ステップS7において、CPU15は、蓄積時間がシャッター秒時に対応する時間になると電荷蓄積のための駆動を終了させてステップS8へ進む。
【0036】
ステップS8において、CPU15は、撮像素子11から出力された画像信号に所定の画像処理を行わせてステップS9へ進む。ステップS9において、CPU15は、画像処理後の画像信号に所定の圧縮処理を行わせてステップS10へ進む。
【0037】
ステップS10において、CPU15は、上述したExif形式の画像ファイルを生成し、該画像ファイルを記録媒体40に記録して図3による処理を終了する。本実施形態のCPU15は、画像ファイルを記録する際にシーン番号に対応付けて記録する。シーン番号については後述する。画像ファイルのタグ領域には、後述するメタデータ記録処理によってメタデータが記録される。
【0038】
<メタデータ記録処理>
メタデータ記録処理の流れについて、図4に例示するフローチャートを参照して説明する。CPU15は、図4による処理を電子カメラ1のメインスイッチがオンされている場合に行われる所定時間ごとの割り込み処理として実行する。図4のステップS101において、CPU15は、上述したメタデータ生成処理を行ってステップS102へ進む。
【0039】
ステップS102において、CPU15は、生成したメタデータをSDRAM16の所定領域(メタデータバッファ)に記録してステップS103へ進む。ステップS103において、CPU15は、現在のシーン番号に対応付けて記録した画像ファイルが存在するか否かを判定する。CPU15は、現在のシーン番号に対応付けた画像ファイルが記録媒体40内に存在する場合にステップS103を肯定判定してステップS104へ進む。CPU15は、現在のシーン番号に対応付けた画像ファイルが記録媒体40内に存在しないにはステップS103を否定判定し、図4による処理を終了する。シーン番号については後述する。
【0040】
ステップS104において、CPU15は、上記メタデータバッファ(SDRAM16内)に蓄積されているメタデータを、現在のシーン番号に対応付けて記録媒体40内に記録されている各画像ファイルのタグ領域にそれぞれ記録して図4による処理を終了する。なお、CPU15は、メタデータバッファに蓄積されているメタデータのうち、上記各画像ファイルのタグ領域に未記録のメタデータのみを記録する。メタデータ記録処理により、現在のシーン番号に対応付けられている全ての画像ファイルに対して共通のメタデータが記録される。
【0041】
<シーンチェンジ判定処理>
上述したシーン番号について説明する。本実施形態では、画像ファイルをシーン番号に対応付けて記録する。CPU15は、所定のシーンチェンジ要件を満たしたと判定した場合にシーン番号をインクリメントする。したがって、あるシーン番号が設定されている場合において複数回の撮影処理を行った場合は、同じシーン番号に対応付けて複数の画像ファイルが記録される。
【0042】
CPU15は、シーンチェンジ判定要件として、1.時間の経過、2.撮影地点の移動距離、3.低輝度状態、4.集音された音量レベル、のそれぞれに基づいて判定を行う。
【0043】
図5は、シーンチェンジ判定処理の流れを説明するフローチャートである。CPU15は、図5による処理を電子カメラ1のメインスイッチがオンされている場合に行われる所定時間ごとの割り込み処理として実行する。図5のステップS201において、CPU15は、シーン先頭時刻から所定時間が経過したか否かを判定する。CPU15は、シーン番号を前回インクリメントした時点から、たとえば4時間が経過した場合にステップS201を肯定判定してステップS206へ進む。一方CPU15は、シーン番号を前回インクリメントした時点から、上記4時間が経過していない場合にはステップS201を否定肯定し、ステップS202へ進む。
【0044】
ステップS202において、CPU15は、同一シーン番号で所定距離移動したか否かを判定する。CPU15は、測位情報に基づいて電子カメラ1の移動距離を算出し、シーン番号を前回インクリメントした時点からの移動距離が、たとえば10kmに達した場合にステップS202を肯定判定してステップS206へ進む。一方CPU15は、シーン番号を前回インクリメントした時点からの移動距離が、上記10kmに満たない場合にはステップS202を否定肯定し、ステップS203へ進む。
【0045】
ステップS203において、CPU15は、所定輝度以下の状態が所定時間継続されたか否かを判定する。CPU15は、撮像信号レベルに基づいて輝度情報を取得し、輝度情報が所定値以下である状態が、たとえば10秒に達した場合にステップS204を肯定判定してステップS206へ進む。CPU15は、輝度情報が所定値以上の場合や、輝度情報が所定値以下である状態が上記10秒に満たない場合には、ステップS203を否定肯定し、ステップS204へ進む。
【0046】
ステップS204において、CPU15は、入力音量が所定レベル以上か否かを判定する。CPU15は、集音された音声信号レベルに基づいて入力音量情報を取得し、入力音量情報が所定値以上の場合にステップS204を肯定判定してステップS206へ進む。CPU15は、入力音量情報が所定値に満たない場合にはステップS204を否定肯定し、ステップS205へ進む。
【0047】
ステップS205へ進む場合はシーンチェンジを判定しない場合である。CPU15は、現在のシーン番号を維持して図5による処理を終了する。
【0048】
ステップS206へ進む場合はシーンチェンジを判定する場合である。CPU15は、現在のシーン番号をインクリメントして図5による処理を終了する。なお、CPU15は、ステップS201〜S204のうち肯定判定したステップ番号を示す情報と、シーン番号をインクリメントした時刻情報とを上記メタデータバッファ内に記録する。
【0049】
<タイミング例>
図6は、電子カメラ1のメインスイッチがオンされている場合の動作を例示するタイミングチャートである。図6において、「撮影」は撮影指示(全押しスイッチSW2のオン)タイミングを表す。本実施形態では、「A」、「B」、「C」、および「D」の4回撮影指示され、該撮影指示に応じてそれぞれ撮影処理が行われる。
【0050】
「人識別出力」は、スルー画像に含まれる「顔」を検出し、その「顔」が所定人物の「顔」であることを識別したタイミングを表す。本実施形態では、スルー画像に基づいて逐次「顔」検出が行われ、そのうち「1」、「4」、「6」、「9」の4回「顔」の人物が識別される。本例では、たとえば、4回ともに同じ人物「□△くん」が識別される。
【0051】
「OCR出力」は、スルー画像に含まれる「文字」を特定したタイミングを表す。本実施形態では、スルー画像に基づいて逐次OCR処理が行われ、そのうち「2」、「5」で示される2回「文字」が特定される。本例では、たとえば、「2」のタイミングで文字「運動会」が特定され、「5」のタイミングで文字「3年生」が特定される。
【0052】
「大音響」は、所定レベル以上の入力音量があったタイミングを表す。本実施形態では、たとえば、「3」、「7」、「8」で示される3回、音声信号が所定レベル以上で入力される。たとえば、「3」のタイミングで「場内アナウンス」があり、「7」のタイミングで「太鼓」が鳴り、「8」のタイミングで「歓声」が沸き上がる。
【0053】
「場所」は、GPSモジュール23によってGPS衛星201、202からの電波が受信されている通信状態を表し、Hレベルが通信状態(測位情報を取得する)を表し、Lレベルが非通信状態を表す。
【0054】
「明るさ」は、撮像信号レベルに基づく輝度情報を表し、Hレベルが所定値以上を表し、Lレベルが所定値未満を表す。本実施形態では、輝度情報レベルに基づいて2回のシーンチェンジ判定が行われることにより、シーン番号が「1」から「2」へ、さらに「2」から「3」へとインクリメントされる。
【0055】
撮影指示タイミング「A」、人識別タイミング「1」およびOCR出力タイミング「2」は、シーン番号1に対応する。すなわち、撮影指示タイミング「A」に応じて撮影・生成される画像ファイルには、撮影指示タイミング「A」前に生成されている「□△くん」を示すメタデータと、撮影指示タイミング「A」後に生成される「運動会」を示すメタデータとが記録される。
【0056】
撮影指示タイミング「B」、「C」、人識別タイミング「4」、「6」、OCR出力タイミング「5」、および大音響タイミング「3」、「7」は、シーン番号2に対応する。シーン番号2に対応付けられる2つの画像ファイルは、撮影指示タイミング「B」に応じて撮影・生成される画像ファイルと、撮影指示タイミング「C」に応じて撮影・生成される画像ファイルである。これら2つの画像ファイルには、それぞれ同じメタデータが記録される。すなわち、撮影指示タイミング「B」前に生成されている「□△くん」を示すメタデータ、撮影指示タイミング「B」後に生成される「3年生」を示すメタデータおよび「□△くん」を示すメタデータが記録される。
【0057】
撮影指示タイミング「D」、人識別タイミング「9」、および大音響タイミング「8」は、シーン番号3に対応する。撮影指示タイミング「D」に応じて撮影・生成される画像ファイルには、撮影指示タイミング「D」後に生成される「□△くん」を示すメタデータが記録される。
【0058】
<画像ファイル再生処理>
電子カメラ1のCPU15は、操作部材20からの操作信号によって再生モードへの切替えが指示されると再生モードに切り替え、図7に例示する画像ファイル再生処理を繰り返し実行する。図7は、CPU15が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
【0059】
図7のステップS301において、CPU15は、記録媒体40内に記録されている各画像ファイルからメタデータを読み込んでステップS302へ進む。ステップS302において、CPU15は、記録媒体40内に記録されている上記各画像ファイルからサムネイル画像データを読み込んでステップS303へ進む。
【0060】
ステップS303において、CPU15は、サムネイル画像データに基づく再生画像をLCDパネル14に並べて表示(一覧表示)させてステップS304へ進む。ステップS304において、CPU15は、メタデータに基づくテキストをサムネイル画像に重ねて表示させてステップS305へ進む。1つのサムネイル画像に対応する複数のメタデータが存在する場合は、代表のメタデータ(たとえば、顔検出処理に基づいて生成された「□△くん」)のみを表示させる。
【0061】
ステップS305において、CPU15は、再生表示すべき画像ファイルが指示されたか否かを判定する。CPUは、操作部材20からの操作信号によって画像ファイルの選択指示を受け付けると、ステップS305を肯定判定してステップS306へ進む。CPU15は、画像ファイルの選択指示を受け付けていない場合にはステップS305を否定判定し、当該判定処理を繰り返す。
【0062】
ステップS306において、CPU15は、指示された画像ファイルを記録媒体40から読み出し、JPEG圧縮コードに対する伸長処理を施してステップS307へ進む。これにより、画像ファイル内の本撮影画像が伸長処理される。
【0063】
ステップS307において、CPU15は、伸長処理後の本画像データによる再生画像をLCDパネル14に表示させてステップS308へ進む。ステップS308において、CPU15は、メタデータに基づくテキストをサムネイル画像に重ねて表示させて図7による処理を終了する。1つの本撮影画像に対応する複数のメタデータが存在する場合は、全てのメタデータ(たとえば、顔検出処理に基づいて生成された「□△くん」、OCR処理に基づいて生成された「運動会」)を表示させる。
【0064】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラ1のCPU15は、記録媒体40に記録する画像と別に、顔検出処理、光学式文字読取り処理、および音声認識処理に基づく情報と、電子カメラ1の動作情報とを少なくとも記録する画像より後から取得し、取得情報に基づいてメタデータを生成し、生成されたメタデータと記録する画像とを関連づけて記録媒体40に記録する。これにより、何を撮影した画像であるかを画像観察者に思い出させるのに役立つ情報が記録され、当該画像からの情景理解を助けることができる。
【0065】
(2)情報の取得は、電子カメラ1の電源オン時に所定時間ごとに行い、CPU15は、取得された最新の情報に基づいて逐次メタデータを生成するので、記録する画像を撮影した以降の新しい情報をメタデータに含めることができる。
【0066】
(3)所定条件に基づいてシーンチェンジを判定し、CPU15は、次にシーンチェンジ判定されるまでに取得された最新の情報に基づいて逐次メタデータを生成するので、記録する画像を撮影した以降であってシーンチェンジ前までの新しい情報をメタデータに含めることができる。
【0067】
(4)次にシーンチェンジ判定されるまでに逐次生成される複数のメタデータを、次にシーンチェンジ判定されるまでに取得される複数の画像のそれぞれに関連づけて記録媒体40に記録するようにしたので、シーンチェンジ間に撮影された複数の画像のそれぞれに対して共通に複数のメタデータを関連付けることができる。
【0068】
(5)次にシーンチェンジ判定されるまでに逐次生成される複数のメタデータをメタデータバッファ(SDRAM16内)に蓄積し、メタデータバッファに蓄積されているメタデータを複数の画像のそれぞれに関連付けて記録するので、シーンチェンジ間隔が長い場合でも確実にメタデータを保存しておくことができる。
【0069】
(変形例1)
メタデータを格納するメタデータファイルを生成し、このメタデータファイルを記録媒体40に記録するようにしてもよい。メタデータファイルには、生成された全てのメタデータを各シーン番号に対応付けて格納する。各シーンの先頭時刻(シーン番号がインクリメントされた時刻)、および各シーンの終了原因(シーン番号をインクリメントする際のシーンチェンジ判定要因)を示す情報もメタデータファイルに含める。
【0070】
(変形例2)
シーン番号に対応付けられた撮影画像を示す写真リストファイルを生成し、この写真リストファイルを記録媒体40に記録するようにしてもよい。写真リストファイルには、シーン番号に対応付けられた全ての画像ファイルのサムネイル画像データを格納する。
【0071】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0072】
1…電子カメラ
11…撮像素子
12…画像処理回路
14…LCDパネル
15…CPU
16…SDRAM
20…操作部材
21…音声処理回路
22…マイク
23…GPSモジュール
40…記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得手段と、
記録する画像と別に、少なくとも前記画像より後から前記情報取得手段によって取得される取得情報に基づいてメタデータを生成するメタデータ生成手段と、
前記生成されたメタデータと前記画像とを関連づけて記録する情報記録手段とを備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像記録装置において、
前記情報取得手段は、電源オン時に所定時間ごとに情報を取得し、
前記メタデータ生成手段は、前記情報取得手段によって取得された最新の情報に基づいて逐次メタデータを生成することを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像記録装置において、
所定条件に基づいてシーンチェンジを判定する判定手段をさらに備え、
前記メタデータ生成手段は、次にシーンチェンジ判定されるまでに前記情報取得手段によって取得された最新の情報に基づいて逐次メタデータを生成することを特徴とする画像記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像記録装置において、
前記情報記録手段は、前記次にシーンチェンジ判定されるまでに前記逐次生成される複数のメタデータを、前記次にシーンチェンジ判定されるまでに取得される複数の画像のそれぞれに関連づけて記録することを特徴とする画像記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像記録装置において、
前記次にシーンチェンジ判定されるまでに前記逐次生成される複数のメタデータを蓄積するメタデータ蓄積手段をさらに備え、
前記情報記録手段は、前記メタデータ蓄積手段に蓄積されているメタデータを前記複数の画像のそれぞれに関連付けて記録することを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−245607(P2010−245607A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89020(P2009−89020)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】