説明

画像記録装置のメディア情報管理装置

【課題】 バーコード等を印刷せずにメディア情報管理を行うことができ、多段ロール紙構成の画像記録装置において記録中に他のロール紙を取り外してもメディア情報管理を行うことができ、ユーザの利便性が向上する画像記録装置のメディア情報管理装置を提供する。
【解決手段】 ロール紙12取り外し時に用紙種類、用紙幅、用紙厚、用紙残量、ロール外径を複数のロール紙に関して記憶手段に保存する用紙情報保存手段と、ロール紙取り付け時に用紙測定手段を用いて用紙幅と用紙厚を測定し、外径測定手段を用いてロール外径18を測定し、保存されている用紙幅、用紙厚、ロール外径のそれぞれと比較する比較手段と、用紙幅、用紙厚、ロール外径が全て一致している場合に保存されている用紙種類と用紙残量を取り付けたロール紙の用紙種類と用紙残量として設定する設定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置においてロール紙の用紙種類、用紙残量を管理するためのメディア情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像記録装置においては、用紙種類や用紙幅の異なる数種類のロール紙を使用するために、ロール紙を取り外す際に用紙種類や用紙残量をバーコードとしてロール紙に記録(印刷)し、次回の当該ロール紙の取り付け時に、そのバーコードをフォトリフレクタ等で検知して当該ロール紙を利用する構成のメディア情報管理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−105675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のメディア情報管理装置では、異なる数種類のロール紙を使用可能に装着する多段ロール紙構成の画像記録装置に用いる場合に次のような課題があった。すなわち、一方のロール紙で記録中(画像形成中)に他方のロール紙を取り外したい場合、取り外したいロール紙には用紙の種類および残量を符号化したバーコードを印刷することができない。そのため、一方のロール紙に記録している際に他方のロール紙の取り外しを不可にしたり、多段ロール紙構成である場合にはバーコードの記録を不可にしており、ユーザの利便性に問題があった。従って、数種類のロール紙を使用する多段ロール紙構成の画像記録装置においては、バーコードを使用しないメディア情報管理の実現が要請されていた。
【0005】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、バーコード等を印刷せずにメディア情報管理を行うことができ、多段ロール紙構成の画像記録装置において記録中に他のロール紙を取り外してもメディア情報管理を行うことができ、ユーザの利便性が向上する画像記録装置のメディア情報管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロール紙の用紙種類を設定する用紙種類設定手段と、ロール紙の用紙幅と用紙厚を測定する用紙測定手段と、ロール紙の用紙残量を管理する残量管理手段と、ロール紙のロール外径を測定する外径測定手段と、を備えた画像記録装置のメディア情報管理装置において、ロール紙取り外し時に用紙種類、用紙幅、用紙厚、用紙残量、ロール外径を複数のロール紙に関して記憶手段に保存する用紙情報保存手段と、ロール紙取り付け時に用紙測定手段を用いて用紙幅と用紙厚を測定し、外径測定手段を用いてロール外径を測定し、記憶手段に保存されている用紙幅、用紙厚、ロール外径のそれぞれと比較する比較手段と、用紙幅、用紙厚、ロール外径が全て一致している場合に、記憶手段に保存されている用紙種類と用紙残量を、取り付けたロール紙の用紙種類と用紙残量として設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バーコード等を印刷せずにメディア情報管理を行うことができ、多段ロール紙構成の画像記録装置において記録中に他のロール紙を取り外してもメディア情報管理を行うことができ、ユーザの利便性が向上する画像記録装置のメディア情報管理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係る画像記録装置の側面図
【図2】一実施形態に係る画像記録装置のブロック図
【図3】ロール紙の外径測定手段の側面図
【図4】メディア情報管理テーブル
【図5】ロール紙取り外し処理のフローチャート
【図6】ロール紙取り付け処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一または対応部分を示すものである。図1は一実施形態に係る画像記録装置の側面図である。図1において、画像情報に基づいて記録媒体(用紙)に画像を記録する記録ヘッド21は、ガイドシャフト22に沿って往復移動可能なキャリッジ23に着脱可能に搭載されている。本実施形態では、記録ヘッド21のフェイス面21aに形成された複数のノズルから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置を例示する。記録ヘッド21のフェイス面21aと対向する位置には記録媒体を案内支持するためのプラテン24が配されており、記録ヘッドとプラテンとの間にはインク滴を飛翔させるための所定の間隔が設けられている。プラテン24は、記録媒体を安定した状態で搬送可能に支持するため、例えば負圧吸引力あるいは静電吸引力により記録媒体をプラテン面に吸着する構成にしても良い。
【0010】
記録媒体としては、スプール30上に巻回されたロール紙12が使用される。本実施形態は、複数種類(図示では2種類)のロール紙12a、12bを使用可能な多段ロール紙構成の画像記録装置である。第1のロール紙12aおよび第2のロール紙12bは、それぞれスプールを介して、装置本体に対し回転可能(巻き出し可能)に装着されている。プラテン24の搬送上流側には、記録される用紙(ロール紙)をプラテン24に沿って搬送するための搬送ローラ26が配されている。プラテン24の搬送下流側には、搬送ローラ26と同期駆動される排紙ローラ27が配されている。排紙ローラ27の搬送下流側には、用紙を切断するためのカッタユニット28が配されている。搬送ローラ26および排紙ローラ27で搬送されながら画像を記録された用紙は、画像形成部分の後端部をカッタユニット28で切断されることで装置本体外へ排出される。
【0011】
ロール紙12の記録部への供給は次のようにして行われる。すなわち、第1のロール紙12aは、第1の給送ローラ25aの正転によって、スプール30a上から巻き出されるとともにガイド29aを通して搬送ローラ26(従動ローラとの間のニップ)へ供給される。次いで、搬送ローラ26(および排紙ローラ27)の駆動によりプラテン24上を搬送され、その間に記録ヘッド21により画像を記録される。画像記録を終えた用紙はカッタユニット28により切断されて排出される。切断された後のロール紙(用紙)は、スプール30aの逆転(巻き戻し)により、先端部が記録開始位置または待機位置になるまで巻き戻される(巻き取られる)。これは、第2のロール紙12bの記録部への供給の場合も同様である。さらに、3種類以上のロール紙12を使用する多段ロール紙構成においても、同様である。
【0012】
図2は一実施形態に係る画像記録装置のブロック図である。1はCPU、2はLCDなどの表示部、3はスイッチやキーなどの入力部である。4はインクを吐出し記録(画像形成)を行う記録ヘッド21と記録ヘッドを装着するためのキャリッジ23およびキャリッジを駆動するためのモータなどで構成される記録部である。5はインクを格納するメインタンク、インクを各記録ヘッドに供給するポンプ、記録ヘッドからインクを強制的に吸引する回復ポンプ、記録ヘッドのインク吐出部を覆うキャップなどで構成されるインク供給/回復部である。6は用紙給送ローラ25、搬送ローラ26、搬送モータ、カッタ28などからなる用紙搬送部である。
【0013】
7は書き換えの発生頻度が低いモジュールを格納するROMやフラッシュメモリなどのメモリである。メモリ7には、画像記録装置を制御するためのプログラムであるファームウェアが格納されている。このファームウェアには、後述する図5のロール紙取り外し処理および図6のロール紙取り付け処理の各フローチャートのプログラムが含まれている。8は主にメモリ7に格納されているプログラムの作業領域や変数などに使用されるRAMなどのメモリである。9は電源オフ状態においても値を保持したい変数を格納するために使用するEEPROMなどのメモリである。10はUSBやネットワークなどのホストインタフェースであり、11はパソコンなどのホスト装置である。
【0014】
図3はロール紙の外径測定手段の検知機構の一構成例を示す模式図である。12はスプール30により巻き出し巻き戻し(巻取り)可能にかつ着脱可能に装置に装着されたロール紙である。多段ロール紙構成では、異なる数種類のロール紙が記録部4へ給送可能に装着され、ロール紙12はそのうちの一つを示す。13はコードホイール、14はコードホイールを読み取るためのエンコーダセンサ、15は減速ギア列である。16はロール紙の回転角、17はロール紙12のロール半径、18はロール紙のロール外径である。ロール紙12が回転すると、減速ギア列15を介してコードホイール13が回転し、エンコーダセンサ14の検知パルス数が変化することでロール紙の回転角16を算出できる。この回転角と、別途測定したロール紙の搬送量(送り量)とから、ロール外径18を算出する。
【0015】
図4は本実施形態で使用するメディア情報管理テーブルの一例を示す。このメディア情報管理テーブルは、ユーザが使用する複数種類のロール紙12に関し、それぞれの用紙種類、用紙幅、用紙厚、用紙残量、ロール径を管理するものである。メディア番号は複数のロール紙のうちのいずれであるかを特定し、各ロール紙の各種情報にアクセスするために使用する。なお、図3のテーブルはユーザが使用するロール紙が5本である場合を示すが、これはシステム依存である。また、ロール紙の本数は、固定でも良いし、ユーザ変更可能であっても良い。
【0016】
本実施形態では、複数のロール紙に関して、ロール紙取り外し時に用紙種類、用紙残量、用紙幅、用紙厚とともにロール外径を、メモリ9を構成するEEPROMなどの不揮発性記憶手段に保存する用紙情報保存手段が設けられている。また、本実施形態では、ロール紙取り付け時に当該ロール紙の用紙幅と用紙厚を光学センサ等を用いて測定する用紙測定手段と、ロール紙取り付け時にロール紙のロール外径を図3に示すような検知機構を用いて測定する外径測定手段とを備えている。これらの測定手段で測定された測定値と、ロール紙取り外し時に上記用紙情報保存手段に保存した値とを、それぞれについて比較する。全ての値が一致しているロール紙が見つかった場合は、それらの情報を表示手段(表示部)2に表示する。そして、ユーザが選択すると、これらの値を、取り付けたロール紙の情報として設定する。
【0017】
図5はロール紙取り外し処理のフローチャートであり、図6はロール紙取り付け処理のフローチャートである。以下に、図5および図6を用いて、本実施形態に係るメディア情報管理装置によるロール紙取り外し時の処理動作およびロール紙取り付け時の処理動作を説明する。ステップS4−1で変数Xに取り外すロール紙のメディア番号を代入する。このメディア番号はロール紙取り付け時(図6)のステップS5−17で設定された値(番号)である。ステップS4−2では、用紙種類、用紙残量、用紙幅、用紙厚をメディア番号が示すメディア情報管理テーブルに保存している。この場合、用紙種類はS5−15で設定済みであるが、用紙取り付け後にユーザが別途再設定する場合を考慮して保存する。用紙残量は、記録などで用紙を使用するたびにロール紙の用紙残量を管理する残量管理手段(不図示)によって更新されるため、ここで保存する。用紙幅と用紙厚に関しては用紙取り付け後に変化しないはずであり、ここで保存するか否かはシステム依存である。
【0018】
ステップS4−3で、外径測定手段によりロール外径18を測定する。測定方法は図3で説明した通りである。具体的には、例えば、ロール紙の回転角16が180度になるようにロール紙を搬送する。そのときのLF(ラインフィード)送り量をL、ロール半径17をr、ロール外径18をRとすると、L=2×3.14×r×(180/360)より、r=L/3.14が得られ、R=2rとなる。ステップS4−4では、ステップS4−3で測定したロール外径18をメディア番号が示すメディア情報管理テーブルに保存する。このように、図4のメディア情報管理テーブルは、ロール紙取り外し時に用紙種類、用紙幅、用紙厚、用紙残量、ロール外径を各ロール紙に関して不揮発性記憶手段に保存する用紙情報保存手段を構成している。ステップS4−5ではロール紙を排紙する。これでロール紙取り外し処理を終了する。なお、本実施形態のロール紙取り外しはロール紙の巻き取りを想定しているが、これは他の取り外し方法でも良くシステム依存で構わない。
【0019】
次にロール紙取り付け処理を説明する。ステップS5−1で取り付けたロール紙12を巻き出して給紙する。本実施形態のロール紙取り付け処理では、ロール紙を記録可能な位置に搬送することを想定しているが、これもシステム依存で構わない。ステップS5−2で、用紙測定手段を用いて取り付けたロール紙の用紙幅を測定し、これを変数Kに代入する。この場合の測定方法は、記録部4のキャリッジにフォトリフレクタを設け、キャリッジで用紙幅全域を走査して用紙とプラテン24を判別することにより用紙幅を検知する方法を想定している。ステップS5−3で、用紙測定手段を用いて用紙厚を測定し、これを変数Lに代入する。この場合の測定方法は、フォトリフレクタによりキャリッジ底面と用紙上面との距離(間隔)を検知する方法を想定している。ステップS5−4で、外径測定手段を用いてロール外径を測定し、これを変数Mに代入する。この場合の測定方法は取り外し処理におけるステップS4−3と同様である。ステップS5−5で、メディア番号を表す変数Xを0に初期化する。
【0020】
ステップS5−6で、メディア情報管理テーブルに保存されている用紙幅(取り外し時に保存した値)が測定した用紙幅Kと一致するか否かを判断する。なお、システムの測定精度によっては、一致判断はイコールではなくて誤差を許容しても構わない。また誤差の値はシステム依存である。そこで、本実施形態では、用紙幅が一致しているか否かを判別する判別手段を備え、誤差が閾値以内であれば一致していると判定する。この考え方は、後述のステップS5−7およびS5−8における一致判断でも同様である。ステップS5−6で保存されている用紙幅が測定した用紙幅Kと一致すると判定された場合はステップS5−7へ行き、一致しない場合はステップS5−11へ行く。
【0021】
ステップS5−7では、メディア情報管理テーブルに保存されている用紙厚(取り外し時に保存した値)が測定した用紙厚Lと一致するか否かを判断する。一致する場合はステップS5−8へ行き、一致しない場合はステップS5−11へ行く。この場合も、上述のように誤差が閾値以内であれば判別手段により一致していると判定する。次いで、ステップS5−8で、メディア情報管理テーブルに保存されているロール外径(取り外し時に保存した値)が測定したロール外径Mと一致するか否かを判断する。一致する場合はステップS5−9へ行き、一致しない場合はステップS5−11へ行く。この場合も、上述のように誤差が閾値以内であれば判別手段により一致していると判定する。上述のステップS5−6〜S5−8は、用紙幅、用紙厚、ロール外径が一致しているか否かを判別する判別手段を構成している。そして、これを含むステップS5−2〜ステップS5−8の制御手段は、ロール紙取り付け時に用紙測定手段を用いて用紙幅と用紙厚を測定し、外径測定手段を用いてロール外径を測定し、不揮発性記憶手段に保存されている用紙幅、用紙厚、ロール外径のそれぞれと比較する比較手段を構成している。
【0022】
ステップS5−9では、一致した用紙種類、用紙幅、用紙残量、ロール外径を表示部2に表示し、ロール紙の種類を設定するか否かについてユーザの選択を選択を待っている。ステップS5−10で、ユーザがステップS5−9の設定OKを選択したか否かを判断する。この場合の判断方法は、例えば、入力部3にOKキーとCancelキーを設け、OKキーが押下されたか否かで判断する方法を想定している。OKを選択した場合はステップS5−16へ行き、Cancelを選択した場合はステップS5−15へ行く。S5−16では、取り付けたロール紙のメディア管理情報の用紙幅、用紙厚、ロール外径を測定した値に設定する。そして、ステップS5−17で、取り付けたロール紙のメディア番号をXに設定している。メディア番号Xの設定はロール紙の用紙種類を設定する用紙種類設定手段により行われる。かかる設定によって、メディア番号Xで示されるメディア管理情報の用紙種類と用紙残量を取り付けたロール紙の情報として採用し、当該情報をメディア情報管理テーブルに書き込み保存することになる。以上説明したステップS5−9、S5−10、S5−16、S5−17の制御手段は、用紙幅、用紙厚、ロール外径の全ての測定値が不揮発性記憶手段(メディア情報管理テーブル)に保存された値と一致した場合に、当該不揮発性記憶手段に保存されている用紙種類と用紙残量を、取り付けたロール紙の用紙種類と用紙残量として設定する設定手段を構成している。
【0023】
次に、ステップS5−6〜S5−8で、取り付けたロール紙について測定した用紙幅K、用紙厚L、ロール外径Mのいずれか、もしくは全てがメディア情報管理テーブルに登録されているメディア情報と一致しない場合の処理について説明する。ロール紙取り付け時の測定値の少なくとも一部が保存された情報を一致しない場合は、ステップS5−11に進み、メディア情報管理テーブルの次の(別の)メディア番号を検索するためにXに1を加算する。そしてステップS5−12で、Xが管理テーブルに保存されているメディア情報の登録数を超えたか否かを判断する。登録数を超えていない場合はステップS5−6へ戻り、登録数を越えた場合はステップS5−13へ進む。
【0024】
登録数を超えていない場合は、ステップS5−6へ戻ることにより、取り付けたロール紙の測定値K、L、Mと、Xに1を加えた別のメディア番号のメディア情報についてステップS5−6〜ステップS5−8の比較動作を行う。測定値が全ての情報と一致するまで比較動作を繰り返す。一致した場合は、前述のステップS5−9、S5−10、S5−16、S5−17の制御動作によって別のメディア番号で示されるメディア管理情報の用紙種類と用紙残量を取り付けたロール紙の情報として採用し、当該情報をメディア情報管理テーブルに書き込み保存することになる。
【0025】
メディア情報管理テーブルを繰り返し検索しても一致せず、ステップS5−12でメディア番号が登録数を越えた場合はステップS5−13へ進み、Xがメディア情報の最大保持数を超えたか否かを判断する。この場合の最大保持数はシステム固定値でも、ユーザ設定可能でも構わない。最大保持数を超えていない場合はステップS5−15へ進み、超えた場合はステップS5−14へ進む。ステップS5−14では、最大保持数を超えたため、変数Xを0に初期化する。ステップS5−15では、メディア情報管理テーブルに一致するメディア(用紙)が存在しないため、ユーザが表示部2と入力部3を用いて用紙残量と用紙残量を入力したものをメディア情報管理テーブルに登録する。次いで、ステップS5−16およびS5−17において、前述と同様に、用紙幅、用紙厚、ロール外径を測定した値に設定し、新たなメディア番号を設定する処理を行う。
【0026】
以上説明した画像記録装置のメディア情報管理装置によれば、バーコード等を印刷せずにメディア情報管理を行うことができる。従って、多段ロール紙構成の画像記録装置において、一つのロール紙に記録(画像形成)を行っている最中に他の給紙済みのロール紙を取り外しても、用紙残量をはじめとする各種のメディア情報の管理を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0027】
なお、以上の実施形態では、インクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、熱転写式、レーザービーム式、加熱式、ワイヤドット式など、その他の方法で画像形成する画像形成装置においても同様に適用可能である。また、本発明は、記録ヘッドによる主走査と搬送動作による副走査とを交互に繰り返して記録を行うシリアル方式、搬送動作による副走査のみで連続的に記録を行うライン方式など、記録動作の方式に関わらず、同様に適用可能である。また、本発明は、記録ヘッドの数、使用するインクの種類や性状数などに関わらず、同様に適用可能である。また、本発明は、記録媒体(用紙)の材質として、紙、プラスチックフィルム、印画紙、不織布など、種々の異なる材質を使用する場合にも、同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 CPU
4 記録部
6 用紙搬送部
7、8、9 メモリ
12(12a、12b) ロール紙(用紙)
18 ロール外径
21 記録ヘッド
24 プラテン
26 搬送ローラ
28 カッタユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙の用紙種類を設定する用紙種類設定手段と、
ロール紙の用紙幅と用紙厚を測定する用紙測定手段と、
ロール紙の用紙残量を管理する残量管理手段と、
ロール紙のロール外径を測定する外径測定手段と、
を備えた画像記録装置のメディア情報管理装置において、
ロール紙取り外し時に用紙種類、用紙幅、用紙厚、用紙残量、ロール外径を複数のロール紙に関して記憶手段に保存する用紙情報保存手段と、
ロール紙取り付け時に用紙測定手段を用いて用紙幅と用紙厚を測定し、外径測定手段を用いてロール外径を測定し、記憶手段に保存されている用紙幅、用紙厚、ロール外径のそれぞれと比較する比較手段と、
用紙幅、用紙厚、ロール外径が全て一致している場合に、記憶手段に保存されている用紙種類と用紙残量を、取り付けたロール紙の用紙種類と用紙残量として設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像記録装置のメディア情報管理装置。
【請求項2】
用紙幅、用紙厚、ロール外径が一致しているか否かを判別する判別手段を備え、誤差が閾値内であれば一致していると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置のメディア情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−173347(P2011−173347A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39616(P2010−39616)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】