説明

画像誘導手術のための画像の自動登録

MR画像の自動登録は、カメラ追跡システムで視認できるマーカーに対して既存の位置にMRで視認できるマーカーを置くことによって、画像誘導システムで実行される。マーカーは、マーカーが覆われるかまたは取り除かれる際に使用される基準マーカーとともに頭部クランプに取り付けられる共通の取り付け具上で支持される。追跡システムは、可視光を検出するために検出配列を備えたカメラと、この配列からの出力を分析するように配されたプロセッサーを含む。検出される各々の対象は、特定位置周辺の配列を含む特定の単一の基準点で交差する明と暗のコントラスト領域パターンを備えた単一のマーカーを支持することによって、プロセッサーがそのパターンの回転角度を検知することを可能にし、各々のマーカーを他のマーカーと区別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像誘導手術で使用される追跡システムにおける患者の位置に対する、画像システムで得られる患者の身体部分の画像の登録方法に関する。本明細書に示される技術が使用される撮像システムは、好ましくはMRIであるが、とりわけCT撮像を含む他のシステムも適用可能である。
【0002】
本出願は、2009年10月20日に出願された特許文献1からの優先権を主張する、2010年10月19日に出願された同時係属している特許文献2に関し、これらの文献の開示内容はさらに詳細について引用される。
【背景技術】
【0003】
手術中に画像誘導システムを使用する医者は、画像データに対して患者の解剖学的構造に位置を関連づける必要がある。これは登録と呼ばれる工程を介して、通常は、手動による工程で行われ、位置決めシステムワンド(wand)で基準に達すること、および、どんな画像ピクセルが基準の位置に相当するのかを指定することを含む。最小の3つの基準の位置を指定することは、画像の座標と患者の解剖学的構造の物理的な座標との間の適切な座標変換をコンピュータシステムに測定させるのに理論上十分である。座標変換での誤差を最小限にするために、3以上の基準を指定するのが好ましい。基準と一致するピクセルを手動で指定して、その基準を手動で位置決めしなければならないため、この工程は手動登録と呼ばれる。
【0004】
その手順は手動手順を行なうのに必要な時間を省くために自動化されるのが好ましい。手動手順は患者に麻酔をかけた後に行われるのが一般的であり、全身麻酔下での時間の任意の減少が患者のために好ましい。処置の自動化により、不正確な座標変換につながりかねない誤差の可能性が減る。不正確な座標変換は画像誘導システムによって検知されるのが一般的であり、したがって、不正確な患者管理につながる誤差の可能性は低い。しかし、その後、スタッフは2度目の手動による登録手順を繰り返すことを余儀なくされ、これによって、患者が全身麻酔下におかれる時間がさらに増える。
【0005】
さらに、繰り返される手術中の画像シーケンスによって行われた処置は複数回の登録を必要とすることがあるため、処置を自動化することによって、登録に必要とする各々の時間に利点を提供することができる。
【0006】
画像誘導手術システム(IGS)は外科医に空間情報を提供する。典型的には、IGSは、手術道具の端部または一部が人体の内部またはまわりのどこにあるのかを医師に示すために使用される。例えば、脳外科手術中に、通常目に見えない場合、道具の一方の端部は執刀医の手にあるかもしれず、道具のもう1つの端部は患者の内部にあるかもしれない。IGSシステムは、身体の外部にある道具の端部を見つけ、(道具の形状から)道具のもう一方の端部がどこにあるのか計算し、脳の内部の以前の画像を用いて道具の位置を登録する。この情報はスクリーンに置かれ、執刀医は道具が脳のどの部分に影響を与えているかを確認することができる。しかしながら、このスクリーン上の情報は、2つの併合されたデータセット(すなわち、脳の内部の以前のCTまたはMR画像と、道具の現在位置)からなる。
【0007】
自動登録用の先行技術は以下の主な4つの概念に由来する:
1.手術前画像との融合。手術前と手術中の画像には違い(移動させた組織など)があるため、この構造は本質的に融合工程から不正確であるという不利益がある。手動による介入のなかには、通常画像を正確に並べる必要があるものもある。同様に、手術前の画像による第1の登録から任意の誤差が第2の登録に加えられ、全体の誤差を大きくする。
2.MRマーカーはコイル中の前部コイルに取り付けられ、赤外線マーカーは外部に位置する。この構造は、不完全な嵌合を含む多くの原因によって前部コイルが患者のまわりに置かれた後に前部コイルが動きかねないという不利益を有しており、このことは大きな登録誤差を引き起こしかねない。フレームがコイルに取り付けられるので、フレームは比較的小型なものでなければならず、大型フレームよりも平均して大きな誤差を与えてしまう。
3.MRおよび赤外線マーカーは、撮像の直前に患者に固定され、撮像直後に取り除かれるフレーム上に取り付けられる。これは、フレームがコイルに取り付けられないという唯一の変更点を除けば上記と同じである。
4.磁石の表面上の基準(fiducials)。追跡容量まで長い距離があるため、磁石マーカーの局在化における小さな誤差は、追跡容量での大きな誤差にまで増幅される。
【0008】
以下の特許がこの分野に関連する。
1997年9月2日に発行された特許文献3、1999年12月21日に発行された特許文献4、2002年2月26日に発行された特許文献5、および、2002年6月11日に発行された特許文献6(すべてCosmanによるもので、Radionicsに発行された)は、患者の解剖学的構造上の位置と、CTスキャンまたはMRスキャンなどからの解剖学的データに対して患者の解剖学的構造の近くに配された関連機器の位置との定量的なコンピューターグラフィック測定(computer graphic determination)のためのシステムを開示している。第1のカメラは、その視野内の一意的に特定可能な点の相対的な空間座標の測定値を提供する、その視野の定量的な電子読み出し(electronic readout)を生産する。第2のカメラは、その視野内の一意的に特定可能な点の相対的な空間座標の測定値を提供する、その視野の定量的な電子読み出しを生産する。2つのカメラが患者の解剖学的構造と関連する装置に対して配されることによって、カメラの視野は患者の解剖学的構造と該装置の両方を含むようになるが、異なる方向から撮られる。ボディマーカー(body marker)は、前記患者の解剖学的構造に対して既知の位置にある前記患者の解剖学的構造に関連して配される。ボディマーカーが患者の解剖学的構造に対して確立された定位座標系中の既知の座標を有するため、2つのカメラの視野の特定可能なすべての点の座標は、定位座標系に関して、および、画像データに関連付けて測定される。
【0009】
2000年2月15日にSiemensに対して発行された特許文献7(Lenz)は、磁気共鳴装置の画像データに関してナビゲーションシステムを較正するための装置に関し、磁気共鳴装置の画像容量中に配された少なくとも3つのマーカーの位置は、第1の座標系のナビゲーションシステムで測定され、かつ、第2の座標系の磁気共鳴手段によって測定される。2つの座標系におけるマーカーの位置から、2つの座標系の位置と互いに対する配向が測定される。位置特定データは第2の座標系に変換される。方法を行うための装置は、光学マーキングへの空間的な割り当てにおいて、磁気共鳴技術を用いて検知可能な物質を有する少なくとも1つのマーカーを有している。ピックアップコイルは、各マーカーに空間的に割りあてられる。
【0010】
2003年8月19日にBrainLABに対して発行された特許文献8(Viismeier)は、画像融合の技術がナビゲーションシステム用の画像誘導データセットを更新する手段として、元々のまたは第1のデータセットに対する第2のデータセット上で使用される、画像誘導手術のための手術中の画像の更新に関連する。登録は、追跡システムと画像システムの両方によって検知可能な基準座標系(reference frame)を用いて行われる。
【0011】
2004年3月30日にBrainLABに対して発行された特許文献9(Viismeier)は、断層撮影データセットと手術中に得られたX線画像との間の登録に関連する。
【0012】
2003年6月24日にBrainLABに対して発行された特許文献10(Schubert)は、画像システムからの情報をナビゲーションシステムに登録することに関し、該ナビゲーションシステムでは、任意の変更を測定するために新しい画像を以前の画像と比較することによって、および、変化が検知された際に再登録を行うことによって、画像システムの位置が自動的な登録更新用のナビゲーションシステムにより検知される。
【0013】
2002年12月3日に発行されたCoin Medical Technologiesによる特許文献11(Katznelson)は、画像システムに対して、かつ、追跡システムによってその後検知可能なワンドに対して、固定された点に位置付けられた基準を使用することで、画像座標系が追跡システムに登録されるようになる。したがって、システムは、スキャン装置の座標に対して予め定義された位置に位置付けされる基準点を提供する。
【0014】
2003年2月4日にRobin Medicalに対して発行された特許文献12(Nevo)は、MR撮像中に生じた磁場の勾配を用いてセンサーコイルの位置と配向を検知するために、MRI磁石の磁場内部の小さなセンサーコイルを使用する。
【0015】
上記特許の継続出願として2005年3月22日にRobin Medicalに対して発行された特許文献13(Nevo)は、MR撮像中に生じた磁場の勾配を用いて内視鏡の位置と配向を検知するために、MRI磁石の磁場内部の同じ小さなセンサーコイルを使用する。
【0016】
2002年4月30日にSurgical Navigation(Medtronicの一部門)に対して発行された特許文献14(Hunter)は、基準マーカーが撮像中に患者に置かれことで、基準マーカーの画像における位置が知られるようになる自動登録システムを開示している。システムはその後、基準マーカーに対して予め定義された位置にある患者に置かれた電磁気センサーを使用する。電磁気センサーはその後、患者のまわりで生じた磁場に配されることによって、画像データセット中のセンサーを探す。
【0017】
基準マーカーの位置がセンサーに対しては既知のものであるため、画像はその後登録することができる。追跡システムにおいてツールを追跡するための多くの技術がある。一般的に、これらは、検知された赤外線画像で視認できる、ツール上に取り付けられた赤外線反射素子の配列を用い、ツールの位置と配向は、画像中の素子の位置を分析することから測定可能である。
【0018】
可視光線を用いて従来のカメラシステムを使用する別の構造は、2005年12月20日にClaron Technologyに対して発行された特許文献15(Dekel)で示され、該文献は、座標基準系で置き換え可能な手術道具のような物体のポーズ(pose)を検知および追跡する方法を示す。マーカー上の視認できる標的パターンは、暗領域と明領域が光学的に検知可能な複数の端部の接合部で交わる特徴点(feature points)を提供するために、暗と明の一連のコントラスト領域を含む。方法とシステムは、まず、コントラスト領域間のコントラストの変化を用いて端部を探すことによって、次に、多数の端部の接合部を測定することによって、特徴点の位置を測定する。立体デジタルカメラは、標的パターンの1対のデジタル画像と、特徴点間の関係を含む1組の基準特性を含むマーカーテンプレートとを生成する。
【0019】
この特許は、コントラスト領域の接合部で特徴点を検知するための方法を詳細に示しており、該方法は、この特許の詳細がさらなる詳細について引用されるように、とりわけ本明細書に適用可能である。
【0020】
1998年10月27日にNorthern Digital Incに発行された特許文献16(Leis)は、物体の空間位置および角度方向をリアルタイムで測定するためのシステムが、センサー部分と、検知可能なエネルギーを放出する複数のマーカーとを有して設けられることを開示している。マーカーは最初のマーカー同定モードで活性化される。そのようなシステムでは、マーカーはマーカー同定モード中に各々が一意的に特定されて、かつ、その相対的なマーカーの幾何学は知られているため、マーカーはその後のマーカー追跡モードで、同時に活性化され、検知され、追跡される。
【0021】
1999年7月13日にNorthern Digital Inc.に発行された特許文献17(Leis)は、アクティブターゲットによって放出されたエネルギーと、パッシブターゲットによって反射されたエネルギーの両方を検出するための共通のエネルギー検出器を含む同様のシステムを開示している。
【0022】
既存の最先端技術の追跡技術は、2mmの範囲の精度を有すると主張している。これらのデバイス、一般的に、赤外線のまたは他の目に見えない光学追跡技術を使用し、追跡されるツールの道具の正確な角度測定にかかる機能の低下、追跡用の基準座標系の位置決めにおける困難さ、追跡視野と比較して追跡基準の位置決めに由来する不正確さ、および、汚染物質(例えば、IR追跡領域上の指紋)をもたらす不正確さを含む多くの制限に苦しんでいる。これらの共通の問題は、手術中の追跡道具の脆弱な実用性と不正確さにつながる。
【0023】
多数のマーカーに依存することはシステムの誤差を減らす(より小さな不正確さ)が、追跡される装置の占有面積/サイズを増加させ、追跡される装置の貧弱な人間工学的な設計につながりかねない。
【0024】
今日市販されている標準的なマーカー(IR領域、X点)は、単一マーカー(1つのIR領域またはX点)を、物体/装置の追跡に使用することができるほどには、各々のマーカーに関連する十分な情報を有していない。この情報によって、追跡システムは単一のマーカーの翻訳情報を測定することしかできない。なぜなら、該システムは球体パターンまたは対称パターンから回転情報を決定することができないためである。追跡システムには、さらに、1つのマーカーを別のマーカーと区別する際の問題があるため、追跡システムの視野に多数の一般的なマーカーを含めることによって、各々のマーカーとそれに関連した物体の同一性を一意的に特定する際に問題が生じる。物体が静止している場合、システムはどの物体が各々のマーカーと関連しているのかを測定することができるが、物体が移動している場合、システムは、1つのマーカーを別のマーカーとうまく区別することができない。
【0025】
これらのマーカーを追跡システムで使用するためには、多数のマーカーが独特な幾何学パターンで使用され、かつ、構成されなければならない。各々の独特なパターンと関連するマーカーは、追跡する必要のある物体に付けられなければならない。これによって、追跡システムは多数のマーカーを用いて、物体を特定し、追跡することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/253330号
【特許文献2】米国特許出願第12/907,398号
【特許文献3】米国特許第5,662,111号
【特許文献4】米国特許第6,006,126号
【特許文献5】米国特許第6,351,661号
【特許文献6】米国特許第6,405,072号
【特許文献7】米国特許第6,026,315号
【特許文献8】米国特許第6,609,022号
【特許文献9】米国特許第6,714,629号
【特許文献10】米国特許第6,584,174号
【特許文献11】米国特許第6,490,473号
【特許文献12】米国特許第6,516,213号
【特許文献13】米国特許第6,871、086号
【特許文献14】米国特許第6,381,485号
【特許文献15】米国特許第6,978,167号
【特許文献16】米国特許第5,828,770号
【特許文献17】米国特許第5,923,417号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の1つの態様によれば、画像を登録するための方法が提供され、該方法は、撮像システム内の患者の身体の一部の少なくとも1つの画像を得る工程と、画像システムは画像の座標系を定義し、画像内で視認できるように、患者の一部上の位置に、または、患者の一部に隣接する位置に、画像で視認できる位置決めマーカーを置く工程と、患者の一部に隣接する1以上の要素に関係する位置情報を提供するために、画像誘導システム内の前記1以上の要素の一連の位置画像を獲得する工程と、画像誘導システムは位置座標系を定義し、位置画像中で視認できるように、患者の一部上のまたは患者の一部に隣接するそれぞれの位置で、位置画像中で視認できる少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーを置く工程を備え、画像で視認できる位置決めマーカーは、画像誘導システム中の前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーに対して予め決められた既存の位置に配され、および、画像で視認できる位置決めマーカーと、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーの相対的な位置に関連するデータを用いることによって、画像座標系と位置画像座標系との間の自動登録を提供する工程を備える。
【0028】
上に定義され、かつ、以下にさらに詳細に記載された構造は、MR撮像で使用するために主として設計されているが、X線、CT、PETを含む(ただし、これらに限定されない)他の種類の撮像にも使用することができる。
【0029】
1つの好ましい構造では、画像で視認できる位置決めマーカーと、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーは、互いから独立した別のマーカーであり、共通の登録要素上に置かれる。
【0030】
通常、基準フレームシートと以後記載され、実施形態によっては一連の平面パネルによって定義される共通の登録要素は、マーカーそのものがMR画像中で見えるように、MR撮像では視認できない。
【0031】
同様に、共通の登録要素または基準フレームが、X線画像で現われないように放射線透過性である場合、外科手術や介入処置で使用するための画像を得るためにX線(またはCT)とMR画像の組み合わせを使用するシステムでも該登録要素または基準フレームを使用することができる。そのようなシステムは、2009年5月25日に出願されたPCT出願PCT/CA2009/000672(2009年4月9日に出願され、2009/0306494として2009年12月10日に公開された米国出願第12/420,859号に対応する)で、より詳細に記載される。これらの文献の開示はより詳細に引用される。
【0032】
好ましくは、共通の登録要素は、撮像と位置撮像の間で適所に留まるように、患者の一部の真下に配される。
【0033】
好ましくは、画像は、磁石と、RF送信および受信システムと、患者の身体部分のMR画像を生成するために前記磁石と前記RFシステムを操作するための画像作成および制御システムとを含む、磁気共鳴画像法システムによって得られる。
【0034】
好ましくは、該部分は頭部であり、共通の登録要素は、患者の頭部の下に配されるシートを形成する。
しかしながら、共通の取り付け具が患者に対して異なる位置に配されることがある。好ましくは、共通の登録要素は、患者の縦方向に伸張する湾曲軸を備えた上向きの凹面を含むシートを形成する。
【0035】
好ましくは、画像で視認できる位置決めマーカーはシートに配される。
【0036】
好ましくは、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーはシートの端面に配される。
【0037】
好ましくは、共通の登録要素マーカーは、患者の一方の側で上向きになるように共通の登録要素に配される。
【0038】
好ましくは、シートは、画像で視認できないプラスチック材料から作られ、該材料は、画像では視認できない材料を含む穿孔のパターンを備えている。
【0039】
好ましくは、共通の登録要素は頭部固定装置に取り付けられる。
【0040】
好ましくは、頭部固定装置は患者台の端部へ取り付けるために並べられる。
【0041】
好ましくは、共通の登録要素は、患者を頭部固定装置にピンで固定した後に適所に移動することができるように並べられる。したがって、共通の登録要素は、手術前のスキャンおよび/または手術中のスキャンの双方で、使用されるか、または、使用可能である。
【0042】
好ましくは、撮像システムは、後部RFコイルを含むMRシステムであり、共通の登録要素は該後部コイルから離れている。
【0043】
好ましくは、後部コイルは、取り付け具の真下に嵌合するように、かつ、共通の登録要素が同じ場所に残っている際には取り除くことができるように並べられる。
【0044】
好ましくは、撮像システムは後部RFコイルを含むMRシステムであり、共通の登録要素は後部コイルをクランプで締めるように並べられる。
【0045】
好ましくは、画像誘導システムは、可視光線を用いて位置決めマーカーを検知するために、カメラを用いた視認できる光学システムを含む。
【0046】
好ましくは、画像で視認できる位置決めマーカーは、不規則な配列で並べられる。
【0047】
好ましくは、不規則な配列は、共通の取り付け具の一部だけがMR画像で視認できる場合に、共通の登録要素に対する配列の位置付けを可能にするように並べられる。
【0048】
好ましくは、不規則な配列は複数の共通の登録要素の要素によって異なり、測定は、配列を分析することによって、異なる取り付け具に関してなされる。
【0049】
好ましくは、共通の登録要素は、患者の身体部分にアクセスするためのアクセスポートを定義する共通の取り付け具を通る開口部を有する。
【0050】
好ましくは、視認できる位置決めマーカーを有する別の固定された基準部(reference)が設けられ、その位置は画像誘導システムで測定可能である。
【0051】
マーカーに対する基準部の位置が画像誘導システムによって測定された後に、別の固定された基準部がマーカーではなく画像誘導システムに使用されるのが好ましい。
【0052】
好ましくは、患者が手術のためにドレープされる際、別の固定された基準部は晒されたままである。
【0053】
好ましくは、ドレープを介した物理的な接触によって配することが可能な複数のくぼみまたは凹部が設けられる。
【0054】
好ましくは、別の固定された基準部は、頭蓋留め具上の1つ以上のマーカーを含む。
【0055】
好ましくは、一連の画像で描写される要素は、執刀医によって使用されるものであり、一連の画像は執刀医に誘導情報を提供する。
【0056】
好ましくは、MR撮像は、新しいMR画像を得るために手術中に実行され、誘導画像を含む新しいMR画像の登録は、得られる各々のMR画像セットに関して、自動的に、つまり、手動的な介入を含むことなく行われる。
【0057】
好ましくは、画像システムはRFコイルを含むMRシステムであり、RFコイルは屈曲するように配され、共通の登録要素は屈曲コイルに取り付けられる複数の平面パネルを含んでいる。
【0058】
好ましくは、RFコイルは、2つの方向にのみ屈曲するように配され、平面パネルは複数の隣り合うストリップを形成する。
【0059】
好ましくは、RFコイルは、2つの方向にのみ屈曲するように配され、平面パネルは列と行の平面パネルの配列を形成する。
【0060】
好ましくは、平面パネルは各々、少なくとも1つの誘導追跡マーカーと少なくとも1つの画像追跡システムマーカーを含んでいる。
【0061】
好ましくは、システムは、各々の平面パネル上の追跡システムマーカーを用いて、平面パネルの1つの移動を検知および修正するように配される。
【0062】
好ましくは、共通の登録要素は、複数の基準フレーム、例えば、上部コイル上に1つ、および、底部コイル上に1つを含む。
【0063】
好ましくは、システムは個々の基準フレーム上で追跡システムマーカーを用いて、基準フレームの1つの移動を検知および修正するように配される。
【0064】
好ましくは、画像で視認できる位置決めマーカーは、患者の一部の解剖学的画像を作り出すために使用される少なくとも1つの解剖学的スキャンから、どのスキャンが離されているかだけを探すために用いられる少なくとも1つの別のマーカー検出スキャンを行うことによって、患者の一部の画像に配される。
【0065】
好ましくは、画像はMR撮像によって得られ、別のマーカー検出スキャンは、別のMRコイルをスキャンのために使用することによって実行される。
【0066】
別の好ましい構造では、システムは、画像システムにおいて、および、追跡システムによって各々検知可能な、患者に取り付けられるように配された多くの取り付け可能な基準マーカーを使用する。
【0067】
好ましくは、このシステムは、自動登録を行うためにマーカー認識を使用する。
【0068】
好ましくは、画像マーカーが撮像の間、確実に皮膚から離れるように、撮像中で視認できないスペーサがこのシステムに提供される。
【0069】
好ましくは、このシステムでは、アルゴリズムはそのような取り付け可能なマーカーの任意の構造によって配される。
【0070】
好ましくは、このシステムでは、頭部は撮像の間、ピンで固定されていないが、取り付け可能な基準マーカーは、スキャンの時間と、患者がテーブル上でピンで固定される時間との間に適所で維持される。
【0071】
取り付け可能なマーカーは、接着剤、骨用ねじ(screw into bone)などを用いて取り付けることができる。
【0072】
1つの好ましい構造では、マーカーは、取り付け装置上で支持される少なくとも1つのプレート上で支持され、該装置は撮像の間にプレートを固定して保持しながら、患者に対してプレートの位置の調節を提供するために動かされる。
【0073】
この構造では、プレートおよび取り付け装置は撮像後に取り除かれる。
【0074】
この構造では、患者のそれぞれの側に取り付けられた一対のプレートがある。
【0075】
この構造では、取り付け装置は、頭部クランプに取り外し可能に取り付けられる。
【0076】
あるいは、取り付け装置はロボットアームに取り付け可能であり、該ロボットアームは、操作システムの管理下で、展開した位置から格納した位置までアームを移動させることによって該装置を動かすことができる。
【0077】
本明細書に記載の2種類の自動登録がある。第1の自動登録は基準フレームを利用する。この種の自動登録は手術前または手術中のスキャンのいずれかに適用することができる。重要な特徴は、患者の頭部がスキャン前にピンで固定(pinned)されなければならないということである。
【0078】
第2の種類の自動登録は、MR/CTで、および、追跡システムによって各々検知可能な、多くの(接着剤、骨用ねじなどを用いて)取り付け可能な基準マーカーを使用する。マーカー認識を使用すると、システムは自動登録を行なうことができる。さらに、システムは、MR/CTマーカーが撮像の間に皮膚から確実に離れるように、撮像する際に視認できないスペーサを含むように選択してもよい。このことは、自動的なマーカー認識をより手堅いものにするのに役立つ。自動登録のこの遂行のためのアルゴリズムはそのようなマーカーの任意の構造と連動する。この種の自動登録は、頭部が固定されることを必要としないが、スキャンの時間と、患者がテーブル上で固定される時間との間、基準マーカーが適所に維持されることを必要とする。
【0079】
光学追跡技術は本明細書に詳細に記載されているが、当業者に知られているように、他の追跡形態も使用することができる。例えば、使用することができる代替的な構造は、電磁追跡の構造である。このシステムでは、マーカーは、1/8インチ以下ほど小さくてもよい小型コイルによって定義される。システムは、電磁(EM)場を生成するために部屋内の位置にEM放射線源を提供し、コイルでの電磁場の効果を検知する。
【0080】
MR撮像では、受動信号ソース(例えば、プロトン)、MRのいくつかの特徴(例えば、磁気勾配磁場)を検知する小型コイル、および、エネルギーを与えられるとMR信号を生成する小型コイルを含む任意の種類のMRマーカーは、本明細書に記載されたMRで視認できる材料のマーカーと置き換えるために、使用可能である。
【0081】
画像システムとしてMRを使用する場合、MR画像で視認できるマーカーは、別のマーカー検知スキャンにおける画像中の位置を特定するためにスキャン可能であり、これは、視下にある患者の身体における材料の位置を測定するために行われるその後の解剖学的スキャンとは区別される。解剖学的スキャンは、同じ撮像セッションで、または、異なる時間に行うことができる。MR画像ソフトウェアはその後画像からデータを組み立てることができる。例えば、システムは、高解像度で関連する解剖学的構造を撮像するために1つのパルスシーケンスを使用してもよく、マーカーが配されている頭部の外側の空間を撮像するために異なるパルスシーケンスを使用してもよい。システムは、スキャンのために異なるRFコイルさえ利用してもよい。MR撮像システムは、別のマーカー検知スキャンにおいてスキャニングを制御するか、または、駆動させることができ、あるいは、ナビゲーションシステムは、この方法でスキャナーの捕捉を推進するようにプログラムされてもよい。
【0082】
システムは、多数の基準フレーム、例えば、上部コイルに取り付けられたもの、および、底部コイルに取り付けられたものを使用してもよい。システムは単一の柔軟なコイル上の多数の基準フレームセグメントを使用してもよい。この構造での各々の基準フレームセグメントは、多くのMRおよび追跡システムマーカーの両方を含んでいる。極限では(In the limit)、システムは、追跡システムとMR撮像システムの両方で視認できる単一のマーカーのみを使用することができる。
【0083】
システムは、各々の基準フレーム/セグメント上の追跡システムマーカーを用いて、基準フレーム/基準フレームセグメントの1つの移動を検知および修正することができる。システムは基準座標系を使用するか、または、頭蓋クランプ上に追跡システムマーカーを加えることによって、同じ目的を達成することができる。
【0084】
これより詳細に記載されるような構造は、以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。
− 自動登録フレームを取り除く必要のない自動登録を支持する能力
− 基準フレームが(動きを導入することができるMRコイル上と比較して)動きを最小限にする剛性構造(HFD)に堅く取り付けられているため、平均誤差が低いこと、
− MR符号化マーカーおよび/または追跡システムマーカーは、基準フレームの種類を自動的に特定するために使用することができる
− パターンでのMRマーカーの構造は、マーカーの一部のみがMR視野に捕えられた際に、マーカーの特定と局在化を可能にする
− 光学基準フレームによる、自動登録のための光学追跡の使用
− 画像登録の自動化によるワークフローの強化
− 基準フレームは患者が固定された直後に設置可能であり、手術の間保持されることが可能である(それを取り除く必要はない)
− 基準フレームの有効性はドレープによっては影響されない
− 基準フレームがいずれのMRコイルからも独立しているため、コイルの構造またはコイルの移動に依存しない
− 追跡容量に近づくことによって、平均追跡誤差を減らすことができる(すなわち、誤差の増幅は、例えば、ボアの外側にマーカーを有することと比べて、追跡道具への短い距離によって最小化される)
− 基準フレームでのアクセスポートによって、患者にアクセスすることができる。
− 基準フレームの光学基準(fiducial frame optical reference)から独立した最適な配置のための光学基準を調節する能力
− MR符号化マーカーは、基準フレームの種類を自動的に特定するために使用することができる。
− パターンでのMRマーカーの配置により、マーカーの一部のみがMR視野に捕えられた際にマーカーを特定し局在化することができる
− 執刀医がすぐに追跡を始めることができるように、手術中に撮られた新しいMR画像セットから座標マッピングを自動的に生産する能力
【0085】
以下に記載された実施形態は、獲得された各々のMR画像セットについて手動による介入を行うことなく、光学追跡空間とMR撮像空間の間のマッピングを提供するために、手術前と手術中の両方のMR画像に用いることができる自動登録システムを提供する。
【0086】
手術中の場合については、これは、MRコイル内部であるが、手順の最初から最後まで患者の下にあり、かつ、HFDに堅く付けられるとともに患者に干渉しないように設計される「基準フレーム」の導入によって達成される。
【0087】
基準フレームは高い登録精度を提供するために設計された特別の形状および幾何学で埋め込まれた特別なMRマーカーを有する。
【0088】
このようなマーカーは、MRマーカーの一部のみがMR視野で特定されることができる場合に、フレーム上でのその位置が一意的に特定できるように設計されてもよい。
【0089】
MRマーカーは、同様に、用いられる基準フレームの種類を符号化するために使用され、(例えば、異なる大きさの患者のための異なる大きさ基準フレームに関して)その関連する幾何学によって1以上のフレームを自動的に特定することが可能となる。基準フレームの固定部材は、(これらのマーカーを覆うことができる患者のドレーピングが適用される前に)処置の少なくとも開始時に光学カメラで写すことが可能な光学のマーカーを含有する。光学マーカーを備えたこの固定部材は、追跡に使用される光学基準フレームと同じであってもよく、または、無関係であってもよい。いずれの場合も、固定部材上の光学マーカーは、それを、基準フレームの基準部として一意的に特定するための符号化を含んでもよい。
【0090】
患者へのアクセスを可能にするために(例えば、うつむけにするために)、随意のアクセスポートが基準フレーム内に含まれてもよい。
【0091】
1つの代替案として、手術前のMR画像については、画像誘導システムのカメラシステムで視認できる光学マーカーは、手術前のMR画像が得られる前に、MR視野において患者に置かれるMR可視マーカー上にあるか、または、該マーカーに隣接する。MRマーカーにおける光学マーカーによって、光学座標空間でMRマーカーを自動的に特定することが可能になる。
【0092】
手術中と手術前の双方のMR画像について、コンピューターアルゴリズムは、光学およびMRマーカーを自動的に特定するために、かつ、2つのマーカー間の座標マッピングを計算するために、自動登録システムの一部として使用される。これによって自動登録が可能となり、したがって、手動の登録のないナビゲーションを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0093】
本発明の1つの実施形態は、添付の図面とともにこれから記載される。
【図1】患者テーブル、MR画像を生成するためのMRI撮像システム、および、追跡画像を生成するための追跡システムを示す、本発明によるシステムの概略図である。
【図2】図1の追跡システムの概略図である。
【図3】MRで視認できるマーカーと位置決めマーカーのための共通の取り付け具の第1の実施形態を含む患者テーブルの等角図である。
【図4】両方とも柔軟な構造である前部コイルと後部コイルに取り付けられる部分を含む、共通の取り付け具の別の実施形態の等角図である。
【図5】図1のシステムで使用されるようなマーカーの実施形態の正面を示す。
【図6】図1のシステムで使用されるようなマーカーの実施形態の正面を示す。
【図7】図1のシステムで使用されるようなマーカーの実施形態の正面を示す。
【図8】患者の身体に配されるマーカーを含む、登録のための代替的な構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図において、参照の類似する特徴は、図中の対応する部分を示す。
【0095】
図1では、1996年3月15日に出願された米国特許第5,735,278号(Hoult)に示される種類の手術中の磁気共鳴撮像システムが示されており、その開示はより詳細について引用されてもよい。
【0096】
このシステムは、水平穴部(11)を定義する一般的には円筒形の本体を含むタイプの磁石(10)を含む磁気共鳴撮像部品を備え、磁石が適切な取り付け組立体(13)上のトラック(12)で支持され、その軸(14)に沿って長手方向に磁石を移動させることができる。撮像システムの残りは、(15)で概略的に示され、適切な磁気共鳴撮像システムの詳細は当業者にはもちろん周知であるため、ここではその記載は必要ない。
【0097】
患者(17)が様々な処置のために置かれる患者手術テーブルは(16)で示される。テーブルは、テーブル上に横たわる患者(17)とテーブル(16)上で係合するために、磁石の先端部(18)が軸(14)に沿って長手方向に移動する際に、テーブルが前記穴部に入ることができるように配される。
【0098】
従来の性質の頭部固定装置(19)が再度患者の頭部に取り付けられて提供される。そのような装置は当業者に周知で、テーブルに対して磁石の穴部内に頭部を固定して保持するために患者の頭部に取り付けられることで、その結果、患者は撮像処置の間に固定された位置で維持される。
【0099】
一般的に、固定装置(19)は、外科医が、当業者に周知な様々な道具を用いて手術を行うことを可能にする性質を有している。本発明の構造では、道具は、通常(21)で示される画像誘導手術システムによって操作される、通常(20)で示された道具制御システムによって制御される。
【0100】
一般的に、画像誘導システム(21)は、患者の解剖学的構造に対する道具の位置の画像を外科医に提供するディスプレイとともに、外科医によって操作される様々な制御部を含んでいる。
【0101】
本システムでは、患者の解剖学的構造の画像は、磁気共鳴撮像工程から得られる撮像システム(15)から提供される。
【0102】
もちろん、撮像システム(15)からの画像が、IGSシステム(21)によって制御されるように、道具の位置に関連して登録されることが必要である。
【0103】
磁気共鳴撮像システムは、外科手術が進むにつれ、その手術の効果を外科医が観察することができるように、操作手順の間に繰り返し使用されることができる。
【0104】
MR撮像システムは、主要な磁場を定義する磁石(10)を含み、その磁場内には撮像空間(10A)が含まれる。撮像の間に変化する磁場を生成することでよく知られている勾配コイル(10B)および(10C)が提供される。
【0105】
RF信号はアンテナ(10D)によって撮像空間へと送信され、RF信号は、一般的に頭部コイル(10E)と(10F)を含むRF受信装置によって、検査されるサンプルから、この場合は、撮像空間内の患者の身体部分から受け取られる。示された実施例では、これらは上部コイル(10E)と底部コイル(10F)を含み、前者は操作手順中に取り外すことが可能で、後者は一般的に適所に留まる。
【0106】
MRシステムは周知であり、多くの制御システムと多くの管理システムを含むが、詳細はすでに周知であるので、説明の便宜上、これらは(15A)で示される。したがって、概略的に、制御システム(15A)は磁石とRFシステムを操作し、RFコイルによって受信した信号から、ディスプレイ(15C)上の患者の身体部分の画像を計算するためのソフトウェア(15B)を含んでいる。
【0107】
当然のことながら、制御システム(15A)は、計算されるととともに、画像用のデータが得られる撮像領域内部の空間に関連する、画像空間の座標に、画像を位置付けする。
【0108】
画像誘導システム(21)は、患者の身体部分の物理的な位置に関連した物理的な座標によって定義される物理的空間内の患者の身体部分に対して、道具(20A)の位置を誘導するために配される。画像誘導システムは、磁場が身体部分に影響を与える位置を越えた遠隔位置に引っ込められた磁石と共に使用されるよう配される。画像誘導システム(21)は、位置マーカーの位置を検出するために、カメラに基づいた検出システム(21A)を含んでいる。
【0109】
カメラ(21A)からの信号は、検出された位置をディスプレイ(22)に転送する検出システム(33)によって受信され、処理される。
【0110】
したがって、誘導制御システムは、ディスプレイ上の画像に対する道具上のマーカーの位置を計算するように作用し、患者の身体部分に対する道具の位置の誘導情報をユーザーに提供する。
【0111】
図2を参照すると、誘導制御システム(21)は、例えば、(限定されないが)手術場面または視野(119)中の患者の解剖学的構造(1)の一部に関連して追跡された手術道具(113)など(ただし、これに限定されない)の、物体(115)に取り付けられるマーカー(114)の相対的な位置と配向を追跡するために使用される光学センサー組立体(112)を有する。センサー組立体(112)は、第1の視野(5A)を含む第1のデジタルビデオカメラセンサー(105)と、第2の部分的に重なる視野(6A)を含む第2のデジタルビデオカメラセンサー(106)を有するステレオセンサーである。必要に応じて、2つ以上のカメラが使用できてもよい。この目的に適切なセンサーまたは検出器配列は市販されている。そのようなカメラは通常、予め較正されて送達されるため、共通のセンサー3D空間の対応する線形の光線方程式に、画像の各々内におけるピクセル位置を関連付けることができる。
【0112】
互いに対するカメラの位置および配向は、重なる視野を提供するように、支持フレーム(116)にカメラを堅く締め付けることによって固定される。支持フレーム(116)は、複数の視野の方向と、該視野の患者の解剖学的構造(101)と道具(113)を含む視野(119)への接近に調節能力を提供する調節可能なジョイントによって、固定支持部(116A)にしっかりと取り付けられる。カメラには、それぞれの視野内に含まれる多数の任意の視線ベクトルがある。カメラには多数の固定された視線ベクトルがあり、この場合、カメラの位置は知られており、したがって、基準として作用することができるため、基準マーカーは必要とされない。照明(118)のソースは、既存の部屋照明または日光のような、様々な場面で既に存在する可視光線を補足するために光エネルギーを含むことができる。
【0113】
マーカー(114)は、以下に詳細に記載されるように道具(113)にしっかりとつなげられ、その結果、対応する視野に位置付けられる際、マーカー(114)の投映画像がカメラによって検知可能となる。カメラは、場面(119)のすべてのアイテムの投影を記録する。これらの画像投影は、通常、視線(131)(133)に垂直に配向される。例えば、マーカーを表わす投影された画像は、カメラ(105)と(106)によってそれぞれ記録される。マーカー(114)の投影された画像を表す一連の画像強度信号(138)は、カメラ(105)および(106)によってコンピューター(121)に送信され、信号(120)は、各々のマーカー(114)の中心の3次元位置を計算するために処理される。これらの信号(120)は、場面(119)に存在するすべての物体(115)およびマーカー(114)について、投影された画像の画像ピクセル情報を含んでいる。投影映像は、一般的に、カメラセンサー(105)および(106)内部のセンサープレーン(図示せず)上に形成されるように配されることが注目される。従って、道具(113)が手術の間、手術場面(19)の周囲を、または、シミュレートされた計画手順の間、解剖学的構造(1)モデル(図示せず)の周囲を移動するにつれて、解剖学的構造(1)の位置に対する道具(113)の先端(113A)の位置および配向は、マーカー(114)と先端(13A)の既知の空間関係を用いて、コンピューター(121)のプロセッサー(122)によって測定される。位置と配向の情報は、信号(120)に包含されるピクセルの画像強度値を用いて計算される。このように、特にマークを付けた道具(113)の配向は、道具が視野(19)を通って予測不可能に移動する際に追跡される。解剖学的構造(1)および道具(13)の配向は、固定された支持部(16A)のように、固定された基準点に関連して測定可能である。
【0114】
プロセッサー(122)は、ディスプレイ(123)に、および、キーボード、マウス、または、他の適切な装置などのユーザー入力装置(124)につなげられる。コンピューター読取り可能な記憶媒体(125)は、解剖学的構造(1)に対する道具(113)の相対的な空間位置の測定に関連する工程またはアルゴリズムを実施するようプロセッサー(122)に指令を提供するために、および、ディスプレイ(123)上の解剖学的構造(1)と道具(113)の画像の表示をモニタリングするために、プロセッサー(122)につなげられる。
【0115】
図5、6および7に示されるように、マーカー(114)のさらなる詳細が提供される。対象マーカー(114)の各々は、マーカー(114)の表面に現れる視認可能な高コントラストパターンである標的パターン(14A)から構成される。各々の視認可能な標的パターン(14A)は、標的パターン(14A)と特徴点(14B)がマーカー(114)の様々な回転角度、大きさ、および、照明条件下でコンピュータシステム(121)とプロセッサー(122)により実行される配向検出アルゴリズムを用いて容易に検出されるように配された、標的パターン(14A)中の光反射構造である1つの特徴点(14B)を有する。
【0116】
特徴点(14B)は、交互の暗領域(127)と明領域(128)の間に形成される直線状の縁部(126)の交差点として定義される。そのような交差点は、一般的には画像中に自然には生じず、場面(119)中のマーカー(114)を見る際にカメラセンサーと遭遇する全ての視角、倍率、ぶれ(blurring)、および、射影歪みの下で、直線状の縁部(126)の交差点であるそのパターン特徴を維持するのが好ましい。
【0117】
これらの特徴点(14B)は、配向検出アルゴリズムを用いて、画像中の広範囲な起こり得る外観から検出可能である。例えば、特徴点(14B)を囲む円に沿って進むことによって、固定された交互の強度の谷と山をもたらし、そのような谷と山の対の各々間の最も強い縁部の強度勾配の方向は、円に対してほぼ接線となる。強度勾配の山と谷は円内に配された暗(127)と明(128)の交互のコントラスト領域に起因する。
【0118】
そのパターンは、プロセッサーがマーカー上の特定の位置(すなわち、マーカーの中心を定義する特徴点(14B))を検出することができるように配された第1の部品(126)と(127)を含む。
本構造では、マーカーは単一の特徴点(14B)のみで作動することができる。
【0119】
パターンは、関連するマーカー(14)に特有なように配され、かつ、したがってシステムの他のマーカーとは異なる第2の部品(30)をさらに含んでいる。プロセッサーが関連するマーカーを他のマーカーと識別することができるように、これらの第2の部品は配される。図5、6および7に示されるように、第2の部品は、特徴点(14B)のまわりに部分的または全体的に伸張する配列(131)で配列させる。示された実施形態では、配列(131)は、完全な環が特徴点(14B)に集中した完全な環として、特徴点(14B)のまわりで全体的に伸張する。第2の部品(130)は、位置または特徴点(14B)のまわりに集中した異なる幅の一連の明るい(30A)バーと暗い(30B)バーを定義する。したがって、これらは、典型的な二次元バーコードのような線の長さと数に基づいた符号化を可能にする位置のまわりに集中した異なる大きさの曲線部分を形成する。
【0120】
スキャンされ分析される部品が特徴点(14B)に集中した配列または環内に配されるという事実によって、プロセッサーによって定義される分析システムは、第1の工程として特徴点(14B)を探し、次に、見つかった特徴点(14B)によって定義される中心のまわりの部品を探すことができる。
【0121】
図7に示されるように、パターン(30)は、ベースライン(30D)を定義するために配された特徴点(14B)のまわりに配される配列の部品も含むため、プロセッサーはその位置のまわりのパターンの回転角度を検出することができる。したがって、システムはパターン(130)でベースライン(30D)を見つけることができ、検出配列中の名目上の軸に対するこのベースラインの回転角度を測定することができる。
【0122】
図7では、パターン(130)は、反対側(30F)とは対照的にその位置のまわりでの回転を測定するために軸を定義する側でより大きな面積(30E)を定義するように、位置の片側に中心を外して置かれる(offest)。したがって、システムは、特徴点(14B)のまわりの配列を探し、特有のマーカーを定義する符号化されたデータのために、および、ベースライン(30D)の位置と配向のために、この配列を分析する。
【0123】
このように、検出器配列とプロセッサーがマーカーの翻訳と回転の位置を特定かつ測定することができるように、マーカーは配される。
【0124】
図6に示されるように、マーカーを一意的に特定するためにパターン(14A)および/またはパターン(130)中の色情報を使用する代替的な符号化システムが示されている。
【0125】
カメラで使用されるカメラ技術は、モノクロでもフルカラーでもよく、色のついたチャネル1つのみを使用することができる。
【0126】
対象は示されるように手術道具であってもよい。対象は、ブーム、MRI、C−アーム、および、発光体のような非外科的機器であってもよい。対象はさらに、エンドエフェクタの正確な位置を知ることは重要であり、エンドエフェクタの真の価値(real estate)が限定される手術ロボットシステムの部品であってもよい。
【0127】
マーカーは、マーカー面の共通の水平な面にあるパターンで示されるような水平なディスクであるのが好ましい。しかしながら、マーカーは湾曲面と球面を有することもできる。
【0128】
さらなる構造(図示せず)では、図1のシステムで使用されるようなマーカーのさらなる実施形態が提供され、ここでは、マーカーの前面の一部が隆起するかくぼんでいるため、三次元情報は、マーカーを一意的に特定するために、および/または、マーカーの角度位置を検出するために、隆起した部分および/またはくぼんだ部分を検出することによって利用される。したがって、三次元情報は、マーカー上の浮き彫り(relief)の隆起した領域および/またはくぼんだ領域によって提供される。
【0129】
別の構造(図示せず)では、ユーザーがマーカーの選択された1つに触れるか、これを指さすことによって選択することができる一連のマーカー(14)が提供される。プロセッサーは、一連のマーカーの各々をプロセス制御のための入力とみなす情報を使用するように配される。これはバーチャルキーボードまたはジェスチャーによる制御(gesture control)に使用することができる。
【0130】
したがって、画像中のマーカーの閉鎖領域を測定することによって、例えば、カメラシステムが画像中のマーカー全体をもはや見ることができないようにマーカー上にユーザーの指を位置付けることによって、どのマーカーが選択されているかを検出するようにプロセッサーは配される。当然のことながら、マーカーの構造と特定はユーザーによる選択の前にシステムによって行なわれる。システムによって促されると、または、必要に応じて、ユーザーは、プロセッサーによって検出され、かつ、システムのプログラミングに従ってスイッチまたはキーストロークのような入力として使用される上記のマーカーの1つの一部を閉鎖する。
【0131】
同様に、マーカーの閉鎖は、マーカー上の閉鎖領域を移動させようとするユーザーによって、音量制御などの段階的な入力または可変入力を入力するために使用可能である。例えば、ユーザーは、マーカーによって示された値の増加または減少の程度を入力するために、マーカーの中心付近で指を回転させてもよい。プロセッサーは、その移動を検知し、工程制御の入力としてその移動を使用するように配される。
【0132】
撮像システム(15)の画像と、患者の解剖学的構造の位置の間の登録を提供するために、図3に示される共通の取り付け具(40)が提供される。
【0133】
共通の取り付け具(40)は2つの別のプレート(40A)と(40B)を含む。プレートは、MR撮像では視認できないプラスチック材料から形成される。プレートは、プレートを全体に一定間隔で配置されたマーカーを備えた配列(49)で配された複数のMRマーカー(48)を支持する。マーカーは、プレートに穴を空け、MR撮像で視認できる適切な材料でその穴を満たすことによって形成可能である。空けられる穴と、したがって、MRで視認できる材料を形成するプラグの大きさは変化してもよいが、一般的には、プレートの構造強度に干渉するのを防ぐように十分に小さく、一定の間隔を置かれる。配列は、MRマーカーのうちのいくつかのみがMR画像で視認できる場合でも配列の位置を測定することができるように配される。
【0134】
加えて、1つのプレートのマーカーが別のプレートのマーカーとは異なるように、配列中のMRマーカーは配され、その結果、そのようなプレートのどのプレートが撮像工程で使用されているのかを画像から測定するために画像を分析することができるようになる。
【0135】
したがって、使用時には、取り付け具は患者テーブルに置かれ、マーカー(48)の配列(49)がMR撮像座標系で得られる画像に現われるようにMR撮像で使用される。したがって、MR撮像システムで得られる患者の画像は、配列(49)の画像を含んでいる。撮像される患者の一部に依存して、配列(49)のうちのいくらかまたはすべてが画像に現われることもある。配列によって定義された不規則なパターンから、得られた画像の分析は、全体的な配列の位置を測定することができ、使用中の特定の取り付け具(40)を測定することもできる。
【0136】
例えば、配列は、上記分析の測定を可能にする以下の特徴を有してもよい。配列中の1対のマーカーの間の距離の設定は重複を含まず、このことは、少なくとも3つが画像中で検知される限り、アルゴリズムがすべてのマーカーを一意的に特定することを可能にする。
【0137】
共通の取り付け具(40)は共通の取り付け具(40)の面(42)に配されるマーカー(50)をさらに含むため、上記のカメラ検出システム(110)によって視認できる。取り付け具(40)は、1つ以上のマーカー(50)を支持してもよい。マーカーが、使用中の特定のマーカーの符号化とマーカーの軸(30D)によって定義された角度方向の符号化の両方を提供する上記の形状である場合、単一のマーカーを使用することができる。
【0138】
代替的に、撮像システム(110)が撮像座標中の取り付け具(40)の位置を測定することができるように、複数の視認可能なマーカー(50)は、取り付け具(40)上の前面に沿って、または、他の位置で設けられることができる。両方の場合、マーカーは、プロセッサ(122)によって得られた画像中で、取り付け具(40)の位置を特定するように働く。
【0139】
配列(49)に対するマーカー(50)の位置が予め決められて固定されているので、追跡システムからの画像に対する、MR画像システムから画像の自動登録を提供すべく、MR撮像の座標と追跡撮像の座標の両方における取り付け具(40)の位置を測定するために、図1の検出システム(33)によって分析を行うことができる。
【0140】
そのような分析および登録を行うのに必要なソフトウェアは、比較的容易であり、もちろん、この一般的な技術分野の当業者の技術の範囲内である。
【0141】
ここで図3に目を向けると、システムは、MR撮像と外科的処置の両方のために配された患者テーブル(51)を含んでいる。2008年12月11日に出願され、2009年12月10日に公開公報第2009/0306495号として現在の譲受人によって公開された特許出願第12/333,032号で記載および開示されたタイプのテーブルは、適切なものであり、さらに詳細について引用される開示内容であってもよい。
【0142】
テーブル(51)は、従来の性質の頭部固定装置(53)が取り付けられた頭部端部(52)を含んでいる。頭部固定装置(53)は、一方の側にクランプ要素(55)を、および、もう一方の側に第2のクランプ要素(56)を備えたクランプシステム(54)を含み、両側は患者の頭蓋をその間に留めるためにクランプ要素(55)と(56)を一緒に引くべく、調整可能なクランプ要素(57)によって接続されている。このタイプの構造は周知で、撮像と外科的処置の間に固定された位置で患者の頭蓋を保持するために頭蓋を係合するピン(図示せず)を提供する。
【0143】
この場合、頭部固定装置は、一方の側にブラケット(59)を、もう一方の側にブラケット(60)を含むように修正され、該ブラケットは、これらのブラケットによって頭部固定装置に取り付けられる共通の取り付け具(40)のプレート(40A)と(40B)に対する支持を提供する。ブラケット(59)および(60)は、クランプ要素(55)と(56)のまわりに配される。ブラケット(59)および(60)は、頭部固定装置(54)に対して固定された位置でプレート(40A)および(40B)を保持するように、プレート(40A)および(40B)と係合する。各々のブラケット(59)および(60)は、支持ブロック(63)のいずれかの側に取り付けられた1対のアーム(61)と(62)を含んでいる。転び止め部材(bridging member)(64)はその外端部でアームを接続し、プレート(59)と(60)のそれぞれ1つに取り付けられる。ブロック(63)は、頭部固定装置(53)のクランプアーム(66)上で支持され、ブロックをクランプから容易に取り外すことが可能な適切な取り付けによって接続される。
【0144】
ブラケット(59)と(60)は、共通の取り付け具(40)のプレート(40A)と(40B)が頭部固定装置に既に取り付けられた患者の頭部とともに適所に挿入可能であるように配される。このように、ひとたび患者がテーブルに置かれ、患者の頭部がテーブル上の頭部固定装置で適切な位置に固定されると、共通の取り付け具(40)を適所に挿入することができる。
【0145】
したがって、マーカーは、撮像の間プレートを固定して保持しながら患者に対するプレートの位置の調節を提供するように移動する取り付け装置上で支持される少なくとも1つのプレート上で支持される。これは、プレートを患者の頭部に近づけたり頭部から遠ざけたりすることが可能な、中心部と取り付けブロックにおいてヒンジで動くアーム(61)と(62)を動かすことによって達成される。ヒンジは、プレートが患者を抑えつけないように、調節後に適所でアームを保持するほど充分に堅い。アーム(61)と(62)はクランプ(55)の一方の側にまたがるように配され、その結果、プレートとその取り付けブロックは、頭部クランプの操作と調節とは無関係に接続可能となる。プレートと取り付けブロック(63)は撮像後に取り外される。
【0146】
ひとたび、患者の頭部に隣接する適所に配されると、共通の取り付け具は撮像の間、適所に固定されたままである。取り付けブロックとアーム(61)および(62)がプレートを保持することで、各々のプレートは撮像の間、頭部に対するそれぞれの側の定位置に留まる。プレートとその取り付けブロックは、外科的処置のために取り外し可能であり、手術中に行われる撮像に必要な時には再度配される。
プレートが再度配されるたびに、MRマーカー(48)は画像中に位置付けられ、視認可能なマーカー(50)は必要とされる登録を提供するように画像システムに位置付けられる。
【0147】
プレートは頭部または前部あるいは後部コイルに干渉しないように頭部固定装置のそれぞれの側に各々配される。頭部の後ろの、または、頭部の真下の開かれた領域は、図3の端部正面図で示されるようなMR画像システムのRFコイルシステムの後部コイルを収容するのに十分である。
【0148】
代替的な構造では、プレート(40A)および(40B)またはプレートそれ自体の取り付け装置は、ロボットアーム上に取り付け可能であり、該ロボットアームは、操作システムの管理下で、展開された位置から格納された位置までアームを移動させることによってプレートを動かすことができる。このように、プレートは撮像と登録の工程の間に適所で支持されるが、外科的処置が、頭部クランプで適所で留まる固定マーカーによって提供される登録に依存する画像誘導によって進行中である場合、プレートは自動的に引っ込められる。
【0149】
後部RFコイルは外科的処置の間、適所に留まることができる。コイルは状況によっては取り外されてもよい。
【0150】
マーカー(50)を提供することによって、外科的処置に必要な外科的ドレープで患者をドレープした後にさえ、これは画像システムに見えるようになる。ゆえに、ドレープは患者の頭越しに適用されるが、プレートは、取り付けられる際、ドレープ上に配することができる。ドレープは、こうして、MRシステムと画像誘導システムのプレートの撮像に干渉することなく、外科的処置の間、適所に適切に留まることができる。
【0151】
加えて、固定された基準部(a fixed reference)(66)は、頭部固定装置上に設けられ、頭部固定装置に対して固定された位置でそこから上方に立っているため、その結果、この基準部の位置は追跡撮像システムで常に容易に視認できる。したがって、外科的処置における道具(115)の追跡は、共通の取り付け具(40)の上のマーカー(50)よりもむしろ、固定された基準部(66)上の1以上のマーカー(67)を用いて実行される。
【0152】
代替的な構造(図示せず)では、マーカー(48)および(50)は、患者の頭部の真下に配された曲線シートに位置付けられ、頭部固定装置(53)のクランプアーム(66)に橋を架ける支持部上で支持される。シートが後部コイルと同じ位置に配され、したがって処置に干渉しないので、このシートは一般的に撮像と外科的処置の間、適所に留まるであろう。
【0153】
シートは、マーカー(48)の配列(49)から間隔を置いた位置で、上部表面から下部表面までシートを通って伸張する開口部を含むこともできる。開口部は、必要に応じて、外科的処置の間、患者の頭部へのアクセスを可能にするのに適した位置に配される。開口部は長方形であってもよいが、当然のことながら、このような任意の開口形状が必要に応じて使用することができる。異なるシートには異なる目的のために異なる開口部が提供されてもよく、再度、これらは特有のマーカー(50)と特有の配列(49)によって特定される。
【0154】
示されるような共通の取り付け具(40)は、患者の頭部での外科的処置に使用される頭部固定装置の取り付けのために特に設計される一方で、当然のことながら、共通の取り付け具(40)は患者の身体の他の部分での使用のために設計されることができ、テーブル(51)に対して他の位置に配されてもよい。すべての場合、固定された位置に患者を配するための構造と、位置決めシステムによって定義されるその固定された位置に対して共通の取り付け具(40)を位置付けるための構造が提供される。
【0155】
すべての場合、共通の取り付け具は、配列(49)とマーカー(50)の間の共通の位置を提供するために、画像の自動登録を提供するために、道具の適切な追跡のためのMR画像に対する道具(115)の誘導を可能にすることによって患者の撮像された身体部分上で最も正確な処置を提供するために、撮像処置の間に適所に留まることができるように、配されて形成される。
【0156】
共通の取り付け具のさらなる代替的な構造(図示せず)は、後部コイルにクランプするために配されることが可能である。この構造では、共通の取り付け具または共通の登録要素は、患者の一方の側で上方に面するように側端部に配された共通の登録要素マーカーを有する。共通の取り付け具は、患者の長手方向の軸周辺で湾曲した凹面シートを含み、該シートは画像では視認できないプラスチック材料から作られ、画像で視認できる材料を含む穿孔パターンを備えている。シートはクランプブラケットを有し、これによってシートは後部コイルに取り付けられ、かつ、後部コイルが適所に留まったまま残っている間に取り付け具の真下に適合するとともに取り外し可能であるように配される。ブラケットはコイルの一方の端部に突き当たる(butt)ように配され、ブラケットを形成する旋回軸の働きをする(pivotal)トグル部材は旋回軸で回転することによって、後部コイルの端部上にクランプするためにロック位置に入る。コイルはクランプの十字アーム(57)にクランプすることによって、従来の構造の頭部クランプ(53)上で支持される。したがって、この共通の登録要素は、患者が頭部固定装置にピンで留められた後に適所に移動させられ、手術の間そこに留まることができるように配される。
【0157】
マーカーは患者の上のカメラシステムにさらされるべく上方へ面するようにシートの長手方向の側端に配される。視認できる位置決めマーカーを有する頭部クランプ上で別に支持される別の固定された基準部が設けられ、その位置は画像誘導システムで測定可能である。マーカーに対する基準部の位置が画像誘導システムによって測定された後に、別の固定された基準部がマーカーではなく画像誘導システムに用いられる。このように、患者は、頭部および後部コイルと頭部クランプ、および、マーカーを支持する側端も覆うドレープによってドレープされることができる。これら要素がすべて覆われる一方で、患者が手術のためにドレープされる際、別の固定された基準部は晒されたままである。
【0158】
画像の登録の干渉によっていかなる変化も生じなかったことを保証するために、ドレープによる物理的な接触によって位置付けることが可能なシート中の複数のくぼみまたは凹部が提供されてもよい。このようにして、手術道具を用いてくぼみを指さすことによって、共通の登録装置と基準部が依然として登録中であるという迅速な点検が行われることが可能である。このようにして、システムは、各々の基準フレームまたはセグメント上で追跡システムマーカーを用いて、基準フレームまたは基準フレームセグメントの1つの移動を検知し補正するように操作可能である。システムは座標基準フレームを使用するか、または、頭蓋クランプ上で追跡システムマーカーを加えることによって、同じ目的を達成することができる。
【0159】
図4では、(85)で示されるように柔軟な後部RFコイルが示される。また、同様に柔軟な前部コイル(86)が提供される。このような柔軟なコイルは周知であり、当該産業でより重要になりつつある。このように、本明細書の構造は、多数の基準フレームまたは共通の取り付け具(87)(上部コイルに1つ、および、底部コイルに1つ)を提供する。患者のために必要とされる湾曲に一致させるようにコイルの曲げを収容する(accommodate)ために、共通の取り付け具は、各々の単一の柔軟なコイル上で多数の基準フレームセグメント(87)を含んでいる。各々の基準フレームセグメントは、MRマーカー(88)と少なくとも1つの追跡システムマーカー(89)の両方を多く含んでおり、このうちの2つのマーカー(89)は各々の部分(87)に示されている。追加部分も(87A)で示されるような中心に提供される。なぜなら、これは患者の頭部周辺の間隔を置いた位置に一層多くのマーカーを加えることによって、マーカーの位置におけるより優れた精度とある程度の冗長性を提供するからである。
【0160】
図4の実施形態では、柔軟なコイル(85)および(86)は、長手軸まわりの横方向にのみ曲がり、縦方向には曲がらない。したがって、このセグメントはコイルの全長に沿って伸張するストリップである。コイルが両方向に柔軟な場合、セグメントまたは平らなプレートは、コイル表面を横切って列と行の「タイル」の配列で形成可能であって、タイルが水平なままである間、互いに対するタイルの移動によって、必要とされる曲げが可能となる。各々のタイルは、コイルの位置を見つけるために、MRおよび追跡画像内で追跡される。したがって、システムは、各々の基準フレーム上で追跡システムマーカーを用いて、基準フレームまたは各々のタイルの1つの移動を検知し修正するように配される。
【0161】
極限では、追跡システムとMR撮像システムの両方で視認できる単一のマーカーしかありえず、結果として、マーカーは柔軟なコイルに取り付けられる。
【0162】
ここで図8に目を向けると、さらなる代替的なシステムが開示され、患者(90)は、手術中にテーブル(91A)上で、撮像中にテーブル(91)上で支持される。その後、患者は、別の撮像のために、および、異なる位置での、場合によっては異なる時間における手術のために、(91B)で示される位置に移動する。
【0163】
MR画像システムは、磁石(92)によって、および、(94)で示されるような撮像を操作するプロセッサーシステムによって、概略的に示される。
【0164】
追跡システムは、カメラ(93)と、マーカー(95A)を支持する道具(95)とによって概略的に示される。頭部クランプ(96)は先に記載されたような基準マーカー(97)を支持する。
【0165】
共通の制御システム(98)は追跡システムと画像システムを制御し、(99A)でディスプレイのための画像データ(99)を生成するように配される。
【0166】
この構造では、別の位置での手術前MR画像が得られる。撮像の前に、画像誘導システムのカメラシステム(93)で視認できる光学マーカー(90A)は、手術前のMR画像が得られる前に、MRで視認できるマーカー(90B)上に、または、該マーカーに隣接して配される。MRマーカーにおける、または、MRマーカーに隣接する光学マーカーと、その間の周知の相対的な位置によって、光学座標空間でMRマーカーを自動的に特定することが可能になる。光学マーカーは、図8乃至10に関して上に詳細に記載されたタイプであってよい。したがって、マーカーは一般的に平らなディスクを含むことができ、該ディスクはそれを皮膚へと取り付ける接着性の裏当てと、前部表面にプリントされるかまたは取り付けられる上記の光学的に視認できる構造とを含むことができる。ディスクの中心では、MRで視認できる材料の部品が提供される。好ましくは、これを1−2mmの距離だけ患者の皮膚からわずかに持ち上げることによって、アルゴリズムが必要な位置および変換をもっと簡単かつもっと正確に算出することができるようになる。
【0167】
手術中および手術前の双方のMR画像について、コンピューターアルゴリズムは、光学およびMRのマーカーを自動的に特定するために、かつ、その2つのマーカー間の座標マッピングを計算するために、自動登録システムの一部として使用される。これによって自動登録が可能となり、したがって、手動の登録を必要としないナビゲーションを可能にする。
【0168】
したがって、システムは、撮像システムにおいて、および、追跡システムによって各々検出可能な、患者に取り付けられるように配された多くの取り付け可能な基準マーカーを使用し、システムは、自動登録を行なうためにマーカー認識を使用する。
【0169】
画像マーカーが撮像の間に皮膚から離れて間隔をあけた位置に確実に配されるように、光学とMRマーカー間に、撮像中は視認できないスペーサ(図示せず)が提供される。アルゴリズムは、そのような取り付け可能なマーカーの任意の構造で使用するために配され、その結果、アルゴリズムは、特定の付着点を必要とすることなく、マーカーの任意のまたは個々に選択された位置を収容することができる。
【0170】
頭部は位置(91A)での予備撮像の間ピンで固定されないが、取り付け可能な基準マーカーは、スキャンの時間と、患者がテーブル(91)上でピンで固定されている時間の間、適所で維持される。取り付け可能なマーカーは、接着剤、骨用ねじなどを用いて取り付けることができる。
【0171】
効率的にかつ正確にMR撮像システムを使用するために、我々の別のマーカー感知スキャンと、ナビゲーションソフトウェアを提供する解剖学的スキャンを実行するように、制御システム(98)を配することができる。例えば、システムは、高解像度で関連する解剖学的構造を撮像するために1つのMRパルスシーケンスと、マーカーが配される頭部の外側の空間を撮像するために異なるMRパルスシーケンスを使用してもよい。システムは、スキャンのために異なるMRコイルさえ利用してもよい。ナビゲーションシステム(98)は、この方法でスキャナーの捕捉を推進するように使用されてもよく、または、スキャンはMR撮像システムの制御(94)下で達成されてもよい。
【0172】
本明細書に上記の如く記載された私の発明において、様々な変更を行うことができ、同じように、多くの明らかに多種多様な実施形態が、特許請求の範囲の範囲と精神を逸脱することなく、該精神と範囲内でなされることができるため、添付の明細書に包含されるすべての事は、単に例示目的でのみ解釈され、限定する意味では解釈されないことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を登録するための方法であって、
前記方法は、
画像の座標系を定義する撮像システム内の患者の身体の一部の少なくとも1つの画像を得る工程と、
画像中で視認できるように、患者の一部上の位置に、または、患者の一部に隣接する位置に、画像で視認できる位置決めマーカーを置く工程と、
患者の一部に隣接する1以上の要素に関連する位置情報を提供するために、位置座標系を定義する画像誘導システム内の前記1以上の要素の一連の位置画像を得る工程と、
位置画像中で視認できるように、患者の一部上のまたは患者の一部に隣接するそれぞれの位置で、位置画像中で視認できる少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーを置く工程を備え、
画像で視認できる位置決めマーカーは、画像誘導システム中の前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーに対して予め決められた既存の位置に配され、
前記方法は、さらに、
画像で視認できる位置決めマーカーと、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーの相対的な位置に関連するデータを用いることによって、画像座標系と位置画像座標系との間の自動登録を提供する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
自動登録は、獲得された各々の画像セットについてユーザーによる手動の介入を行うことなく、画像からの制御システムによって実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
画像で視認できる位置決めマーカーと、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーは、互いから独立した別のマーカーであり、共通の登録要素上に置かれることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
共通の登録要素は、撮像と位置撮像の間に適所に留まることができるように、患者の一部の真下に配されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
共通の登録要素マーカーは、患者の一方の側で上向きになるように共通の登録要素に配されることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
シートは画像で視認できないプラスチック材料から作られ、該材料は、画像では視認できない材料を含む穿孔のパターンを備えていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
共通の登録要素は頭部固定装置に取り付けられることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
共通の登録要素は、患者を頭部固定装置にピンで固定した後に適所に移動することができるように並べられることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
撮像システムは後部RFコイルを含むMRシステムであり、共通の登録要素は該後部コイルから離れていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
撮像システムは後部RFコイルを含むMRシステムであり、共通の登録要素は該後部コイルをクランプで締めるように並べられることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
画像誘導システムは、可視光線を用いて位置決めマーカーを検知するために、カメラを用いた視認できる光学システムを含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
画像で視認できる位置決めマーカーは、不規則な配列で並べられることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
不規則な配列は、共通の取り付け具の一部だけがMR画像で視認できる場合に、共通の登録要素に対する配列の位置付けを可能にするように並べられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
不規則な配列は複数の共通の登録要素の要素によって異なり、測定は配列を分析することによって異なる取り付け具に関してなされることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
視認できる位置決めマーカーを有する別の固定された基準部が設けられ、その位置は画像誘導システムで測定可能であり、
マーカーに対する基準部の位置が画像誘導システムによって測定された後に、別の固定された基準部は、マーカーではなく画像誘導システムに使用され、および、
別の固定された基準部は、患者が手術のためにドレープされる際、晒されたままであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
MR撮像は新しいMR画像を得るために手術中に実行され、誘導画像を含む新しいMR画像の登録は、得られる各々のMR画像セットに関して、自動的に、つまり、手動的な介入を含むことなく行われることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
画像システムはRFコイルを含むMRシステムであり、
RFコイルは屈曲するように配され、
共通の登録要素は屈曲コイルに取り付けられる複数の平面パネルを含んでいることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
画像で視認できる位置決めマーカーは、患者の一部の解剖学的画像を作り出すために使用される少なくとも1つの解剖学的スキャンから、どのスキャンが離されているかだけを探すために用いられる少なくとも1つの別のマーカー検出スキャンを行うことによって、患者の一部の画像中に配されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
画像はMR撮像によって得られ、
別のマーカー検出スキャンは、別のMRコイルをスキャンのために使用することによって実行されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
システムは、撮像システムにおいて、および、追跡システムによって各々検知可能な、患者に取り付けられるように配された多くの取り付け可能な基準マーカーを使用することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
画像マーカーが撮像の間、確実に皮膚から離れるように、撮像で視認できないスペーサが提供されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
患者の一部は撮像中に固定されないままであるが、取り付け可能な基準マーカーは、スキャンの時間と、患者がテーブル上でピンで固定される時間との間に適所で維持されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
取り付け可能なマーカーは、接着剤、骨用ねじなどを用いて取り付けることができることを特徴とする請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
マーカーは、取り付け装置上で支持される少なくとも1つのプレート上で支持され、該装置は撮像の間にプレートを固定して保持しながら、患者に対するプレートの位置の調節を提供するために動かされることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
プレートおよび取り付け装置は撮像後に取り除かれることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つのプレートは、患者のそれぞれの側に取り付けられた一対のプレートを含むことを特徴とする請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
取り付け装置は、頭部クランプに取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
取り付け装置はロボットアームに取り付けられることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
画像を登録するための方法であって、
前記方法は、
画像の座標系を定義する撮像システム内の患者の身体の一部の少なくとも1つの画像を得る工程と、
画像中で視認できるように、患者の一部上の位置に、または、患者の一部に隣接する位置に、画像で視認できる位置決めマーカーを置く工程と、
患者の一部に隣接する1以上の要素に関連する位置情報を提供するために、位置座標系を定義する画像誘導システム内の前記1以上の要素の一連の位置画像を得る工程と、
位置画像中で視認できるように、患者の一部上のまたは患者の一部に隣接するそれぞれの位置で、位置画像中で視認できる少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーを置く工程を備え、
画像で視認できる位置決めマーカーは、画像誘導システム中の前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーに対して予め決められた既存の位置に配され、
前記方法は、さらに、
画像で視認できる位置決めマーカーと、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーの相対的な位置に関連するデータを用いることによって、画像座標系と位置画像座標系との間の自動登録を提供する工程を備え、
撮像は新しい画像を得るために手術中に実行され、誘導画像を含む新しい画像の登録は、得られる各々の画像セットに関して、自動的に、つまり、手動的な介入を含むことなく行われることを特徴とする方法。
【請求項30】
画像を登録するための方法であって、
前記方法は、
画像の座標系を定義する撮像システム内の患者の身体の一部の少なくとも1つの画像を得る工程と、
画像中で視認できるように、患者の一部に隣接する位置に、画像で視認できる位置決めマーカーを置く工程と、
患者の一部に隣接する1以上の要素に関連する位置情報を提供するために、位置座標系を定義する画像誘導システム中の前記1以上の要素の一連の位置画像を得る工程と、
位置画像中で視認できるように、患者の一部に隣接するそれぞれの位置で、位置画像中で視認できる少なくとも1つの位置決めマーカーを置く工程を備え、
画像で視認できる位置決めマーカーは、画像誘導システム中の前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーに対して予め決められた既存の位置に配され、
前記方法は、さらに、
画像で視認できる位置決めマーカーと、前記少なくとも1つの誘導システム位置決めマーカーの相対的な位置に関連するデータを用いることによって、画像座標系と位置画像座標系との間の自動登録を提供する工程を備え、
画像で視認できる位置決めマーカーは、患者の一部の解剖学的画像を作り出すために使用される少なくとも1つの解剖学的スキャンから、どのスキャンが離されているかだけを探すために用いられる少なくとも1つの別のマーカー検出スキャンを行うことによって、患者の一部の画像中に配されることを特徴とする方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−508103(P2013−508103A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535558(P2012−535558)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001685
【国際公開番号】WO2011/050456
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(511261097)イムリス インク. (10)
【Fターム(参考)】