説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】少ない部品点数で低コストを実現した上で読取装置内へのゴミ侵入を完全に防止でき、且つ、スリットガラスのメンテナンス性を良好なものとする。
【解決手段】搬送中の原稿を読取る画像読取手段16と、搬送された原稿を案内するスリットガラス36と、スリットガラス36と隣り合い、搬送されてきた原稿を掬い上げるガイド部材71と、スリットガラス36の原稿搬送面以外の面部及び前記ガイド部材71の原稿搬送面部に接着され、前記スリットガラス36と前記ガイド部材の間に落下するゴミを受けるゴミ落下防止部材101を備えており、ゴミ落下防止部材101は、前記スリットガラス36への接着領域101Aと前記ガイド部材71への接着領域101Bの間にスリットガラス及び前記ガイド部材に接着されない非接着領域101Dを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像形成装置に係り、特に搬送中の原稿を読取る読取手段と、表面に沿って原稿が搬送されるスリットガラスと、前記スリットガラスと隣り合い搬送されてきた原稿を掬い上げるガイド部材と、を備えた画像読取装置及びこの画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したシートスルー方式の画像読取装置として以下のものがある。特許文献1には露光ランプ、第1ミラーなどの画像読取手段の上方に配置されたスリットガラスと、このスリットガラスを載置する載置部材と、スリットガラスの近傍で搬送されてきた原稿を掬い上げるガイドとを備えたシートスルー方式の画像読取装置において、スリットガラスに、スリットガラス下面の一縁端から一部突出して載置部材とオーバーラップするよう、長手方向にわたって装着された弾性部材を設け、また、ガイドとスリットガラスを取外し可能とするものが記載されている。
【0003】
特許文献2には、搬送中の原稿の画像面を停止して読取る画像読取手段と、画像読取り用の開口を有し、前記画像読取手段の上方でスリットガラスを載置する載置部材と、この載置部材の開口全周部を覆うように載置されたスリットガラスと、このスリットガラスと隣り合い、搬送されてきた原稿を掬い上げるガイド部材とを備え、スリットガラス下面の原稿搬送方向下流側の一縁端と載置部材とを両面テープで接着するものが記載されている。
特許文献3には、載置部材とスリットガラスの間にスリットガラス側に屈折する形状の薄型弾性部材を介装することにより、スリットガラスと載置部材の間に隙間が生じるのを防止するものが記載されている。
【0004】
特許文献4には、読取位置に設けられ、搬送される原稿をガイドするスリットガラスと、読取位置でスリットガラスを介して搬送される原稿の読取りを行う画像読取手段と、スリットガラスを複写機の本体に固定する押えカバー及び原稿ガイドとを備え、スリットガラスは、搬送される原稿と対向する面に防汚用のコーティング層が形成され、押えカバー及び原稿ガイドに対向する面にコーティング層が形成されていないものが記載されている。
【0005】
特許文献5には、コンタクトガラスを固定部材に固定し、更に固定部材を回転カム、ホームポジションセンサ、等によって副走査方向に往復移動可能に構成し、画像読取り時に原稿を搬送する際、固定部材と共にコンタクトガラスを副走査方向に移動させることにより、読取部とコンタクトガラス110の読取位置とを相対的に移動させるものが記載されている。
【特許文献1】特開2002−359726公報
【特許文献2】特開2002−354191公報
【特許文献3】特開平09−304844号公報
【特許文献4】特開2006−211031公報
【特許文献5】特開2001−272829公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、シートスルー読取方式を採用している画像読取装置及びADFでは、スリットガラス上を通過した原稿を掬いあげてADFへ収納するための、ガイド部材を備えていることが一般的である。
【0007】
このようなガイド部材は、原稿を上方に向け案内するため、スリットガラスの下流側においてガラス面より僅かに低い位置から、上昇する形状とされる必要がある。しかし、スリットガラスとガイド部材の境界部分付近には、紙粉等のゴミが溜まり易く、このゴミが読取装置内部に侵入し、たとえばミラー表面に付着したりすると、画像上にスジとなって現れることとなる。
【0008】
この問題を解決するため、前記特許文献1のものは、スリットガラスと原稿掬い上げガイドが接する部分の下にガラス載置部材を設け、スリットガラスとガラス載置部材を接着するようにしている。しかし、この例では、スリットガラスとガラス載置部材は接着されているため、そこからのゴミ侵入は防止できるが、原稿掬い上げガイドとの間は完全密閉されていないため、そこからのゴミ侵入を完全に防止することはできない。
【0009】
また、スリットガラスと原稿掬い上げガイドは機能上必ず必要な部品であるが、ゴミ侵入を防止するためには、その両者が接する部分の下方に別部材を設ける必要があった。低コストを実現するためには、機能上必要な部品のみで構成するのが好ましい。
【0010】
また、特許文献2のものは、スリットガラス下面から延長したシール部材を、ガラス載置部材と重ねる構成をとっているが、スリットガラスの下に、ガラス載置部材が必要で、部品点数が多くなるという問題がある他、スリットガラスから延長したシール部材の先端側に、装置内部との隙間があり、そこからゴミが侵入する可能性がある。
【0011】
また、特許文献3のものは、弾性部材でスリットガラスとガラス載置部材の隙間を塞ぐため、完全密閉ができず、ゴミの侵入防止効果に限界があるという問題がある。

【0012】
そして、特許文献4のものは、スリットガラスとガイド間を粘着部材でつなぐようにしている(同文献図10参照)が、メンテナンス時にスリットガラスの取り外しが困難になるという問題がある。
【0013】
また、特許文献5のものは、可撓性部材がスリットガラスに接している(同文献段落番号0056参照)が、可撓性部材は接着されていないので、ゴミ侵入防止効果に限界がある。
【0014】
そこで、本発明は、少ない部品点数で低コストを実現した上で読取装置内へのゴミ侵入を完全に防止でき、且つ、スリットガラスのメンテナンス性を良好なものとすることができる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、搬送中の原稿を読取る画像読取手段と、搬送された原稿を案内するスリットガラスと、前記スリットガラスと隣り合い、搬送されてきた原稿を掬い上げるガイド部材と、前記スリットガラスの原稿搬送面以外の面部及び前記ガイド部材の原稿搬送面部に接着され、前記スリットガラスと前記ガイド部材の間に落下するゴミを受けるゴミ落下防止部材を備えてなり、前記ゴミ落下防止部材の前記スリットガラスへの接着領域と前記ガイド部材への接着領域の間には、前記スリットガラス及び前記ガイド部材に接着されない非接着領域が配置されている画像読取装置である。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、前記非接着領域の寸法は、前記スリットガラスの板厚寸法より大きいことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の画像読取装置において、前記ガイド部材の前記原稿の搬送方向に直交する幅方向の両端部は、前記読取手段によって原稿の読取りが行われない非読取領域として設定され、前記ガイド部材の非読取領域には前記スリットガラスを支持するスリットガラス支持部を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3記載の画像読取装置において、前記スリットガラス支持形状部の前記原稿の搬送方向の長さ寸法が、前記スリットガラスの同方向長さ寸法の1/2を超えることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項3又は4記載の画像読取装置において、前記ガイド部材の原稿搬送面の原稿搬送方向に直交する方向の両端部にガイド部材の他の部分より盛り上げた突出部を形成したことを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項5記載の画像読取装置において、前記突出部は、傾斜部を備え、この傾斜部の途中に段差部を設けたことを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スリットガラスの原稿搬送面以外の面部及び前記ガイド部材の原稿搬送面部に接着され、前記スリットガラスと前記ガイド部材の間に落下するゴミを受けるゴミ落下防止部材が配置されているので、少ない部品点数で低コストを実現した上で読取装置内へのゴミ侵入を完全に防止できると共に、ゴミ落下防止部材の前記スリットガラスへの接着領域と前記ガイド部材への接着領域の間には、前記スリットガラス及び前記ガイド部材に接着されない非接着領域が配置されているので、前記ゴミ落下防止部材の非接着領域を変形させてスリットガラスを移動することができるので、スリットガラスの清掃時のメンテナンス性を良好なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0024】
以下実施例に係る画像形成装置について説明する。まず画像形成装置の全体構成を説明する。図1は画像形成装置の概略構成を示す断面模式図、図2は自動原稿搬送装置の取付け状態を示す画像形成装置上部の斜視図である。
【0025】
画像形成装置である複写機11は、記録媒体にトナー像を形成する画像形成手段12と、この画像形成手段12によって形成された記録媒体上のトナー像を、その記録媒体に定着する定着装置13と、画像形成手段12に記録媒体を給送する記録媒体搬送装置14と、画像形成手段12、定着装置13及び記録媒体搬送装置14を収容する第1の装置本体15と、原稿画像を読取る画像読取手段16と、画像読取手段16を収容する第2の装置本体17と、原稿を搬送する開閉体として圧板の機能を有する自動原稿搬送装置18(ADF)とを備えており、図2に示すようにADF18は第2の装置本体17にヒンジ機構19を介して第2の装置本体17に開閉自在に搭載されている。
【0026】
ADFは、原稿束を載置可能な原稿載置台20と、原稿載置台20に載置された原稿束の上面に当接して原稿束を送り出す当接位置及び原稿束から離隔する離隔位置の間で移動するピックアップローラ21と、ピックアップローラ21によって送り出された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して読取位置であるスリットガラス36に向かって搬送する給紙ベルト22、リバースローラ23、搬送ローラ対24からなる原稿搬送手段25と、読取位置で読取りが終了した原稿を原稿排紙台26に排紙する搬送ローラ対27及び排紙ローラ対28からなる原稿排紙手段29とを備えている。
【0027】
また、排紙ローラ対28は、駆動ローラ28aと、駆動ローラ28aに摺接する従動ローラ28b及び従動ローラ28cとを備えており、排紙ローラ対28の近傍には切換爪30が設けられている。
【0028】
切換爪30は、第1の切換位置と第2の切換位置との間で移動するようになっており、切換爪30が第1の切換位置に切換えられると、駆動ローラ28a及び従動ローラ28bによって原稿が原稿排紙台26に排紙されるようになっている。
【0029】
また、切換爪30が第2の切換位置に切換えられると、駆動ローラ28a及び従動ローラ28cによって原稿がスイッチバック通路31に搬送されるようになっている。
スイッチバック通路31には正逆回転自在なスイッチバックローラ対32が設けられており、スイッチバック通路31に搬送される原稿は、スイッチバックローラ対32によって図1中、右方向に搬送された後、スイッチバックローラ対32が逆転駆動することにより、再搬送経路を介して搬送ローラ対24に搬送される。このため、原稿が反転されて読取位置に搬送される。
【0030】
また、画像読取手段16は、それ自体周知のように、光学系34を収容した第2の装置本体17と、第2の装置本体17の上部に固定配置されたコンタクトガラス35及びスリットガラス36とを備えている。
【0031】
この画像読取手段16にあっては、閉じられた原稿や本等からなる原稿をコンタクトガラス35上に原稿を載置して、その原稿Pを自動原稿搬送装置18によって押圧することにより、原稿を読取ることができる。また、自動原稿搬送装置18によって自動搬送される原稿はスリットガラス36の読取位置で読取られるようになっている。即ち、画像読取手段としての光学系34は、光源37と第1ミラー38とを有する第1走行体39と、第2ミラー40及び第3ミラー41を有する第2走行体42と、結像レンズ43と、CCDイメージセンサ44とを備えており、第1走行体39及び第2走行体42は、図1に示した位置から右方に移動し、このとき、光源37から出射する光によって原稿を照明し、その反射光を第1ミラー38、第2ミラー40及び第3ミラー41の順に反射した後、結像レンズ43を通してCCDイメージセンサ44に入射する。このようにして原稿画像がCCDイメージセンサ44に結像されることにより、原稿の画像が読取られる。
【0032】
また、自動原稿搬送装置18によって原稿を読取る場合には、図1中、右方に示す位置に第1走行体39及び第2走行体42を固定した状態で上述した手順で走行する原稿を読取る。
【0033】
また、画像形成手段12は、ドラム状の感光体からなる第1像担持体45Y、第2像担持体45C、第3像担持体45M及び第4像担持体45BKを備えており、これら第1〜第4像担持体45Y〜45BKには、複数の支持ローラに巻き掛けられた無端ベルトからなる中間転写ベルト46が対向配置されている。
【0034】
また、第1〜第4像担持体45Y〜45BKは、それぞれ図1における時計方向に回転駆動されるようになっており、中間転写ベルト46は図1中、矢印A方向に回転駆動される。このとき、第1像担持体45Yは、帯電ローラ47によって所定の極性に帯電される。
【0035】
また、光書き込みユニット48からは、上述した原稿の読取り結果に応じた画信号に基づいて光変調されたレーザビームLが出射されるようになっており、第1像担持体45Yの帯電面にそのレーザビームLが照射されることによって第1像担持体45Yに静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置49によってイエロートナー像として可視像化される。
【0036】
また、一次転写ローラ50には、転写電圧が印加されることによって、第1像担持体45Y上に形成されたトナー像が図1中、矢印A方向に回転する中間転写ベルト46上に一次転写される。トナー像転写後の第1像担持体45Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置52によって除去される。本実施の形態の複写機11においては、第1像担持体45Yと、その周囲に配設された帯電ローラ47と、現像装置49と、クリーニング装置52とによって一体的なプロセスカートリッジが構成されている。
【0037】
また、現像装置49は、粉体状のトナーを収容した現像容器53を有し、そのトナーによって静電潜像が可視像化される。また、現像容器53内のトナー量が減少したとき、トナーボトル54Yから現像容器53にトナーが補給される。
【0038】
一方、クリーニング装置52は、第1像担持体45Yから除去されたトナーを受け入れるクリーニング容器55を備えており、クリーニング容器55内のトナーは、トナー搬送装置によって、図示していない廃トナー容器に搬送される。このように、現像容器53、トナーボトル54Y、クリーニング容器55及び廃トナー容器にはトナーが収容されている。
【0039】
また、上述した動作と同様にして、第2像担持体45C、第3像担持体45M及び第4像担持体45BK上にシアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト46上に順次重ねて一次転写される。
【0040】
これらの第2像担持体45C、第3像担持体45M、第4像担持体45BKにトナー像を形成する現像装置の現像容器内のトナー量が減少したときも、各トナーボトル54C、54M、54BKから、その各現像容器にトナーが補給される。
【0041】
このようにして、中間転写ベルト46上に転写された重ねトナー像は、二次転写ローラ56の作用によって記録媒体に二次転写され、その転写後の中間転写ベルト46上に付着する転写残トナーは、ベルト用のクリーニング装置52により除去される。このクリーニング装置52のクリーニング容器55にもトナーが収容され、そのトナーは図示していない廃トナー容器に搬送される。
【0042】
また、記録媒体搬送装置14は中間転写ベルト46の下方に配置されており、この記録媒体搬送装置14は、転写紙又は樹脂シート等からなる記録媒体Sを収容した給紙カセット57と、最上位の記録媒体Sに接触する給紙ローラ58と、レジストローラ対59とを有し、給紙ローラ58の回転によって最上位の記録媒体Sが図1中、矢印B方向に送り出される。送り出された記録媒体Sは、レジストローラ対59の回転によって、所定のタイミングで中間転写ベルト46と、中間転写ベルト46に対向配置された二次転写ローラ56との間に給送される。
【0043】
この記録媒体Sが中間転写ベルト46と二次転写ローラ56との間を通過するとき、二次転写ローラ56には転写電圧が印加されることによって中間転写ベルト46上の重ねトナー像が記録媒体に二次転写される。このようにして、画像形成手段12により、記録媒体上にトナー像が形成されるのである。
【0044】
また、トナー像が形成された記録媒体は定着装置13を通過し、このとき画像形成手段12によって形成された記録媒体上のトナー像がその記録媒体に定着される。また、定着装置13によって画像が定着された記録媒体Sは排紙ローラ対60によって記録媒体排紙台61上に排紙される。
【0045】
この記録媒体排紙台61は、画像形成手段12を収納する第1の装置本体15と画像読取手段16を収納する第2の装置本体17の間に形成されており、本実施の形態では、排紙ローラ対60による記録媒体Sの排紙方向下流側の第1の装置本体15及び第2の装置本体17の間が開放される胴内排紙型の複写機11となっている。
また、排紙ローラ対60の上流側には切換レバー62が設けられており、この切換レバー62は記録媒体の表面の複写が終了したときに、記録媒体Sの裏面に複写を行うときに、反転通路63側に切換えられるようになっている。
【0046】
即ち、記録媒体Sの後端が排紙ローラ対60に挟持されると、排紙ローラ対60が逆転駆動するとともに、切換レバー62が反転通路63に連通する位置に切換えられ、記録媒体Sが反転通路63に向かって搬送される。
【0047】
この反転通路63には反転ローラ対64が設けられており、この反転ローラ対64によって反転通路63を搬送される記録媒体は、二次転写ローラ56側に搬送される。
一方、スリットガラス36上には反射ガイド板65が設けられており、この反射ガイド板65は光源37からの光を反射するようになっている。
【0048】
また、コンタクトガラス35とスリットガラス36の間には図3に示すようなガイド部材71が設けられており、このガイド部材71は、スリットガラス36を通過した原稿を掬い上げて搬送ローラ対27に向かって案内するようになっている。
【0049】
次に実施例に係る原稿読取装置について説明する。図3は第1の実施例に係る原稿搬送装置のスリットガラスとガイド部材とを示すものであり、(a)は分解状態を示す断面図、(b)は組み立て状態を示す断面図、図4は図3に示した原稿読取装置を示すものであり、(a)は原稿読取時における断面図、(b)はメンテナンス時における断面図である。本実施例では、スリットガラス36とガイド部材71が隣り合って配置される。本例では、図中原稿は左から右方向へ搬送され、ガイド部材71によって掬い上げられ、原稿排紙台26上に排紙される。
【0050】
ガイド部材71の掬い上げ用斜面の開始部分はスリットガラス36の表面よりも低い位置に配置される。これにより、原稿はガイド部材71上をスムーズに移動することができる。本実施例では、スリットガラス36とガイド部材71との間には、ゴミ落下防止部材101が配置されている。このゴミ落下防止部材101は可撓性を持つ材質で構成されており、ゴミ落下防止部材101は、その原稿移動方向の上流側の接着領域101Aにおいてスリットガラス36に接着され、また、原稿移動方向の下流側の接着領域101Bにおいてガイド部材71に接着されている。また、ゴミ落下防止部材101の両接着領域101A,101Bの間には、スリットガラス36とガイド部材71のどちらにも接着されない非接着領域101Cが設定されている。
【0051】
即ち、ゴミ落下防止部材101は、非接着領域101Cを挟んで接着領域101Aでスリットガラス36の原稿搬送面と反対側に接着されており、接着領域101B部分がガイド部材71の原稿搬送面に接着されている。なお、ゴミ落下防止部材101接着は接着剤、両面テープ等適宜選択される。
【0052】
本例によれば、原稿が繰り返し搬送されるうちに、紙粉等のゴミが、スリットガラス36とガイド部材71の間の窪み部分に溜まるが、そのゴミはゴミ落下防止部材101によって確保され、装置内部への落下が防止される。本例では、スリットガラス36、ゴミ落下防止部材101、ガイド部材71だけでガラス支持部材等を持たないシンプル且つ低コストな構成でゴミの読取装置内への進入を確実に防止することができる。
【0053】
また、本例では、スリットガラス36のメンテナンス性を良好なものとできる。即ち、本例では、図4(a)に示す原稿読取時から、スリットガラス36清掃時等のメンテナンス時には、図4(b)に示すように、スリットガラス36をゴミ落下防止部材101への接着側を支点として回動させてスリットガラス36の裏側の清掃が可能となる。このとき、ゴミ落下防止部材101に非接着領域101Cを配置しているから、スリットガラス36の回動時にゴミ落下防止部材101は非接着領域101Cにおいて容易に変形し、スリットガラス36をガイド部材71側、即ち原稿搬送上流側を持ち上げることが容易にできる。
【0054】
次に第2実施例に係る原稿読取装置について説明する。図5は第2実施例に係る原稿読取装置を示すものであり、(a)は原稿読取時における断面図、(b)はメンテナンス時における断面図である。本実施例では、ゴミ落下防止部材101はスリットガラス36とガイド部材71のどちらにも接着されない非接着領域101Dを備え、この非接着領域101Dの寸法t2をスリットガラス36の板厚寸法tよりも大きいものとして構成している。このため、図5(b)に示すようにスリットガラス36を反転させた状態で、スリットガラス36を回転させてガイド部材71の上に載置することができ、スリットガラス36の裏側の清掃が容易になる。
【0055】
次に第3の実施例に係る原稿搬送装置について説明する。図6は第3実施例に係る原稿読取装置示すものであり、(a)はガイド部材の斜視図、(b)は原稿読取装置の断面図である。本例では、ガイド部材71はそのガイド部材の前記原稿の搬送方向に直交する幅方向の両端部(図中長手方向両端部)は、前記読取手段によって原稿の読取りが行われない非読取領域に設定されに、スリットガラス支持部71A,71Bが配置されている。スリットガラス支持部71A,71Bは画像読取り範囲の外側にあるので、原稿画像の読取りには影響を与えない。
【0056】
ここで、ガイド部材71は通常ブック原稿用コンタクトガラス35に接着されていることが多いため、装置のメンテナンス時には、コンタクトガラス35と同時に取り外される場合が多い。本実施例では、スリットガラス支持部71A,71Bを備えているため、その場合でもスリットガラス36が不安定になることがないため、メンテナンス時の操作性が向上する。
【0057】
図7は第3実施例の変形例に係る原稿読取装置を示す断面図である。この例では、ガイド部材71のスリットガラス支持部71A,71Bは、その原稿搬送方向の寸法d1をスリットガラス36の原稿搬送方向の幅寸法d2の1/2の寸法D以上となるようにしている。そのためスリットガラス36はゴミ落下防止部材101に接着される前の状態でも、ガイド部材71の配置に対して安定的に保持されており、組立時の作業性が向上する。
【0058】
次に第4の実施例に係る原稿搬送装置について説明する。図8は第4実施例に係る原稿読取装置のガイド部材の斜視図である。本実施例では、ガイド部材71はその原稿搬送面の原稿通過領域外に、原稿搬送面71Jよりも高く形成されたガラス支持部71E,71Fを備えている。本例によれば、スリットガラス36を裏返しにしてガイド部材71に置いたとき、スリットガラス36の両端部がガラス支持部71E,71Fによって支持されるためそれ以外の部分ではスリットガラス36の表面はガイド部材71と接触せず、スリットガラス36表面が汚れたり傷ついたりすることが防止できる。
【0059】
次に第5実施例に係る原稿搬送装置について説明する。図9は第3実施例に係る原稿読取装置示すものであり、(a)はガイド部材の斜視図、(b)は原稿読取装置の断面図である。本実施例では、ガイド部材71はその原稿搬送面の原稿通過領域外に、原稿搬送面よりも高いガラス支持部71E,71Fを備え、更に傾斜面の下側に突起部71G, 71Hを備えている。スリットガラス36を裏返しにしてガイド部材71に置いた場合、本実施例では、スリットガラス36の両端部がガラス支持部71E,71Fによって支持されるためそれ以外の部分ではガラスの表面はガイド部材71と接触せず、更に突起部71G,71Hによって、スリットガラス36がガイド部材71の斜面に沿ってすべり落ちるのを防止される。そのため更にメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す断面模式図である
【図2】自動原稿搬送装置の取付け状態を示す画像形成装置上部の斜視図である。
【図3】第1の実施例に係る原稿搬送装置のスリットガラスとガイド部材とを示すものであり、(a)は分解状態を示す断面図、(b)は組み立て状態を示す断面図である。
【図4】図4は原稿読取装置を示すものであり、(a)は原稿読取時における断面図、(b)はメンテナンス時における断面図である。
【図5】第2実施例に係る原稿読取装置を示すものであり、(a)は原稿読取時における断面図、(b)はメンテナンス時における断面図である。
【図6】第3実施例に係る原稿読取装置示すものであり、(a)はガイド部材の斜視図、(b)は原稿読取装置の断面図である。
【図7】第3実施例の変形例に係る原稿読取装置を示す断面図である。
【図8】第4実施例に係る原稿読取装置のガイド部材の斜視図である。
【図9】図9は第3実施例に係る原稿読取装置示すものであり、(a)はガイド部材の斜視図、(b)は原稿読取装置の断面図である。
【符号の説明】
【0061】
11 複写機
12 画像形成手段
13 定着装置
14 記録媒体搬送装置
15 第1の装置本体
16 画像読取手段
17 第2の装置本体
18 自動原稿搬送装置
19 ヒンジ機構
20 原稿載置台
21 ピックアップローラ
22 給紙ベルト
23 リバースローラ
24 搬送ローラ対
25 原稿搬送手段
26 原稿排紙台
27 搬送ローラ対
28 排紙ローラ対
28a 駆動ローラ
28b 従動ローラ
28c 従動ローラ
29 原稿排紙手段
30 切換爪
31 スイッチバック通路
32 スイッチバックローラ対
34 光学系
35 コンタクトガラス
36 スリットガラス
37 光源
38 第1ミラー
39 第1走行体
40 第2ミラー
41 第3ミラー
42 第2走行体
43 結像レンズ
44 CCDイメージセンサ
45BK 第4像担持体
45C 第2像担持体
45M 第3像担持体
45Y 第1像担持体
46 中間転写ベルト
47 帯電ローラ
48 ユニット
49 現像装置
50 一次転写ローラ
52 クリーニング装置
53 現像容器
54C、54M、54BK トナーボトル
54Y トナーボトル
55 クリーニング容器
56 二次転写ローラ
57 給紙カセット
58 給紙ローラ
59 レジストローラ対
60 排紙ローラ対
61 記録媒体排紙台
62 切換レバー
63 反転通路
64 反転ローラ対
65 反射ガイド板
71 ガイド部材
71A,71B スリットガラス支持部
71E,71F ガラス支持部
71G, 71H 突起部
71J 原稿搬送面
101 ゴミ落下防止部材
101A 接着領域
101B 接着領域
101C 非接着領域
101D 非接着領域
110 コンタクトガラス



【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送中の原稿を読取る画像読取手段と、
搬送された原稿を案内するスリットガラスと、
前記スリットガラスと隣り合い、搬送されてきた原稿を掬い上げるガイド部材と、
前記スリットガラスの原稿搬送面以外の面部及び前記ガイド部材の原稿搬送面部に接着され、前記スリットガラスと前記ガイド部材の間に落下するゴミを受けるゴミ落下防止部材を備えてなり、
前記ゴミ落下防止部材の前記スリットガラスへの接着領域と前記ガイド部材への接着領域の間には、前記スリットガラス及び前記ガイド部材に接着されない非接着領域が配置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記非接着領域の寸法は、前記スリットガラスの板厚寸法より大きいことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記ガイド部材の前記原稿の搬送方向に直交する幅方向の両端部は、前記読取手段によって原稿の読取りが行われない非読取領域として設定され、
前記ガイド部材の非読取領域には前記スリットガラスを支持するスリットガラス支持部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記スリットガラス支持形状部の前記原稿の搬送方向の長さ寸法が、前記スリットガラスの同方向長さ寸法の1/2を超えることを特徴とする請求項3記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ガイド部材の原稿搬送面の原稿搬送方向に直交する方向の両端部にガイド部材の他の部分より盛り上げた突出部を形成したことを特徴とする請求項3又は4記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記突出部は、傾斜部を備え、この傾斜部の途中に段差部を設けたことを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−296032(P2009−296032A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144556(P2008−144556)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】