説明

画像読取装置及び画像読取装置を備える画像形成装置

【課題】どのような原稿から画像を読み取る場合であっても、正確な画像を読み取ることができる画像読取装置及びこの画像読取装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】この発明の画像読取装置は、制御部20、補間部21、CISユニット50及びソレノイド231を備える。制御部20は、主走査方向における第1位置に位置するCISユニット50を副走査方向における開始位置から終了位置まで移動させながら、原稿から画素情報を読み取る(S12)。制御部20は、ソレノイド231に電流を流して、CISユニット50を第2位置へ移動させて(S14)、開始位置から終了位置までCISユニット50を移動させながら、原稿から画素情報を読み取る(S15)。制御部20は、第1位置において読み取れなかった欠落画素を、第2位置において読み取った画素情報から抜き出した欠落画素に該当する画素情報で補間部21に補間させる(S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、CIS(密着型イメージセンサ)方式の画像読取装置、及び画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CIS方式の画像読取装置は、主走査方向に沿って一列に配設された複数のセンサ基板を備える。複数のセンサ基板は、それぞれ、所定個数の撮像素子を有する。各撮像素子は、主走査方向と直交する副走査方向への複数のセンサ基板の移動に伴って、原稿から画像を読み取る。センサ基板間の継ぎ目には、撮像素子が存在しないため、原稿からこの部分の画素情報を読み取ることができずに、欠落画素が存在する。
【0003】
特許文献1に記載の画像読取装置では、欠落画素に隣接する前後2つの撮像素子の画素情報(例えば、濃度、輝度等)を用いて欠落画素を推定することで、欠落画素を補間して、画像データを生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−356933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の画像読取装置は、前後2つの撮像素子の画素情報を用いて欠落画素を推定しているため、細かい周期的なパターンを持つイメージ画像を読み取ると、欠落画素を補間した箇所に不自然な筋が発生する。
【0006】
この発明の目的は、欠落画素に該当する箇所を再度読み取ることで、欠落画素に該当する箇所を再度読み取ることで、欠落画素を正確に補間することができる画像読取装置又は画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の画像読取装置は、画像読取部、移動部、制御部、及び補間部を備える。画像読取部は、主走査方向に一列に配設された複数の撮像素子を有し、主走査方向と直交する副走査方向における開始位置から終了位置の間を複数の撮像素子が移動する時に原稿から画像を読み取る。移動部は、主走査方向における所定距離だけ離間した第1位置又は第2位置へ少なくとも複数の撮像素子を移動させる。制御部は、第1位置及び第2位置のそれぞれにおいて、画像読取部に複数の撮像素子を開始位置から終了位置の間を移動させる。補間部は、第1位置及び第2位置のそれぞれにおいて、画像読取部が読み取った画像に基づいて欠落画素を補間する。
【0008】
この構成では、制御部は、主走査方向における第1位置に位置する複数の撮像素子を、主走査方向と直交する副走査方向における開始位置から終了位置まで移動させて、各撮像素子によって原稿から画素情報を取得する。制御部は、主走査方向に沿って第1位置から所定距離だけ離間した第2位置へ複数の撮像素子を移動部に移動させ、副走査方向における開始位置から終了位置まで複数の撮像素子を移動させて、各撮像素子によって原稿から画素情報を取得する。補間部は、第1位置又は第2位置の何れか一方において各撮像素子によって取得できなかった欠落画素に該当する画素情報を、他方において各撮像素子が取得した画素情報から取得する。補間部は、取得した画素情報を第1位置又は第2位置の何れか一方において各撮像素子が取得した画素情報に補間する。
【0009】
この構成において、所定距離は、1画素(欠落画素)分のピッチの1以上の整数倍と等しい距離である構成が好ましい。
【0010】
これにより、制御部は、第1位置又は第2位置の何れか一方における欠落画素の画素情報を、他方において各撮像素子が取得した画素情報から容易に取得することができる。
【0011】
また、制御部は、複数の撮像素子を第1位置に位置させた状態で画像読取部に複数の撮像素子を開始位置から終了位置まで移動させ、移動部に複数の撮像素子を第2位置に移動させた後に画像読取部に複数の撮像素子を終了位置から開始位置まで移動させる構成が好ましい。
【0012】
この構成では、制御部は、主走査方向における第1位置に位置する複数の撮像素子を、副走査方向における開始位置から終了位置まで移動させて、各撮像素子によって原稿から画素情報を取得する。制御部は、主走査方向に沿って第1位置から所定距離だけ離間した第2位置へ複数の撮像素子を移動部に移動させ、副走査方向における終了位置から開始位置まで複数の撮像素子を移動させて、各撮像素子によって原稿から画素情報を取得する。補間部は、第1位置又は第2位置の何れか一方における欠落画素の画素情報を他方の画素情報で補間する。
【0013】
これにより、制御部は、第1位置において画像を読み取った後、副走査方向における終了位置に位置する複数の撮像素子を開始位置に戻すとともに、画素情報を取得することができるため、画像読取時間を短縮することができる。
【0014】
また、移動部は、複数の撮像素子を支持する支持部材と、通電のオンオフにより支持部材を第1位置及び第2位置へ移動させるソレノイドと、から構成されることが好ましい。
【0015】
これにより、ソレノイドと支持部材とからなる簡素な構成で、主走査方向における第1位置及び第2位置へ複数の撮像素子を移動させることができる。
【0016】
この発明の画像形成装置は、上述の画像読取装置と、画像読取装置が読み取った画像に基づいて、用紙に対して画像形成処理を行う画像形成部と、を備える。
【0017】
これにより、一度目に読み取れなかった欠落画素の画素情報を、二度目に読み取った画像情報を用いて補間することで、どのような原稿から画像を読み取る場合であっても、正確な画像を読み取ることができるため、正確に原稿を複写することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の画像読取装置は、再度画像を読み取ることで、一度目に読み取れなかった欠落画素の画素情報を、二度目に読み取った画像情報を用いて補間するため、どのような原稿から画像を読み取る場合であっても、正確な画像を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の概略の構成を示す正面図である。
【図2】図2(A)は、同画像形成装置におけるCISユニットの断面図である。図2(B)は、CISユニットが備えるセンサ基板の平面図である。
【図3】同画像形成装置の一部の機能を示すブロック図である。
【図4】同画像形成装置におけるセンサ基板を移動自在にする移動機構の説明図である。
【図5】図5(A)は、同画像形成装置におけるセンサ基板を第1位置に位置させた状態を示す。図5(B)は、センサ基板を第2位置に位置させた状態を示す。
【図6】第1位置から第2位置への移動時における、センサ基板に配設された撮像素子の画素配置を示す模式図である。
【図7】画像読み取り時の処理を示すフローチャートである。
【図8】他の実施例における、画像読み取り時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1に示すように、画像形成装置100は、給紙部80、画像読取部90、画像形成部110を備え、原稿から読み取った画像データを用いて、記録媒体である用紙に電子写真方式による多色又は単色の画像形成処理を行う。なお、画像形成装置100は、外部装置から入力される画像データに基づく画像形成処理を行うものであってもよい。
【0021】
画像形成部110は、露光ユニット1、画像形成ユニット10A〜10D、中間転写ユニット60、二次転写ユニット30、定着ユニット70を備えている。
【0022】
画像形成ユニット10Aは、現像器2A、感光体ドラム3A、クリーナユニット4A、帯電器5Aを備え、ブラック(Bk)の画像を形成する。帯電器5Aは、感光体ドラム3Aの表面を所定の電位に均一に帯電させる。現像器2Aは、露光ユニット1の露光によって感光体ドラム3A上に形成された静電潜像を、Bkのトナー像に顕像化する。クリーナユニット4Aは、感光体ドラム3Aの周面に残留したトナーを回収する。画像形成ユニット10B〜10Dは、画像形成ユニット10Aと同様に構成されており、それぞれシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のトナー像を感光体ドラム3B〜3Dの表面に形成する。
【0023】
露光ユニット1は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射ミラー等の光学系部品を備えたレーザスキャニングユニットである。露光ユニット1は、Bk、C、M、Yのそれぞれの画像データで変調されたレーザ光のそれぞれで画像形成ユニット10A〜10Dの感光体ドラム3A〜3Dの表面を軸方向に沿って露光走査し、静電潜像を形成する。
【0024】
中間転写ユニット60は、中間転写ベルト61、駆動ローラ62、従動ローラ63、一次転写ローラ64A〜64D、及びクリーニングユニット65を有する。中間転写ベルト61は、駆動ローラ62、及び従動ローラ63に張架され、画像形成ユニット10D,10C,10B,10Aをこの順に通過する循環経路に沿って移動する。一次転写ローラ64A〜64Dのそれぞれは、中間転写ベルト61を挟んで感光体ドラム3A〜3Dに対向して配置されており、感光体ドラム3A〜3Dの周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト61の表面に一次転写する。
【0025】
カラー画像形成処理時には、中間転写ベルト61が循環経路に沿って移動する間に、Y,M,C,Bkのトナー像が中間転写ベルト61の表面に順次重ね合わせて転写される。モノクロ画像形成処理時には、中間転写ベルト61が循環経路に沿って移動する間に、Bkのトナー像のみが中間転写ベルト61の表面に転写される。
【0026】
二次転写ユニット30は、二次転写ローラ31及び二次転写ベルト32を備えている。二次転写ベルト32は、複数のローラに張架され、所定の循環経路に沿って移動する。二次転写ローラ31は、二次転写ベルト32及び中間転写ベルト61を挟んで駆動ローラ62に対向するように配置されている。二次転写ユニット30は、中間転写ベルト61の表面のトナー像を、中間転写ベルト61と二次転写ベルト32との間の二次転写位置に搬送された用紙へ二次転写する。二次転写後の中間転写ベルト61の表面に残留したトナーは、クリーニングユニット65によって回収される。
【0027】
定着ユニット70は、二次転写位置を通過してトナー像が転写された用紙を加熱及び加圧する。用紙に転写されたトナー像が、用紙の表面に堅牢に定着する。定着ユニット70を通過した用紙は、画像形成部110の上方に配置された排紙トレイ91に排出される。
【0028】
給紙部80は、給紙カセット81及び手差しトレイ82を備えている。給紙カセット81は、画像形成処理に使用する複数枚の用紙を収納しており、露光ユニット1の下側に設けられている。手差しトレイ82は、画像形成装置100の側面に装備されている。給紙部80は、給紙カセット81又は手差しトレイ82から用紙を1枚ずつ用紙搬送路40に給紙する。用紙搬送路40は、給紙部80から中間転写ベルト61と二次転写ユニット30との間及び定着ユニット70を経由して排紙トレイ91に至る間に形成されている。
【0029】
画像読取部90は、上面に原稿台92,93を備え、内部にCISユニット50を備えている。画像読取部90の上面には、載置トレイ121に載置された原稿を搬送する自動原稿搬送装置120が背面側端部を支軸に開閉自在に装着されている。画像読取部90は、自動原稿搬送装置120の搬送によって原稿台93上を通過する原稿、又はオペレータによる自動原稿搬送装置120の開閉を伴う手動操作によって原稿台92上に載置された原稿から画像データを読み取る。
【0030】
図2(A)及び図2(B)に示すように、CISユニット50は、複数の光源51、ロッドレンズアレイ52、複数の撮像素子53、複数のセンサ基板(本発明の支持部材に相当する。)54及び防塵ガラス55等を具備し、原稿から画素情報を読み取る。複数の光源51は、例えば、LEDが複数配列されたLEDアレイであり、原稿を照射する。ロッドレンズアレイ52は、原稿からの反射光を複数の撮像素子53へ集光させる。複数の撮像素子53は、それぞれロッドレンズアレイ52によって結像された画素情報を読み取る。複数のセンサ基板54は、主走査方向に沿って一列配列されており、それぞれ主走査方向に沿って複数の撮像素子53が平面側に一列に配設されている。
【0031】
図3に示すように、画像形成装置100は、制御部20、補間部21、記憶部22、及び移動機構(本発明の移動部に相当する。)23をさらに備える。
【0032】
複数のセンサ基板54のそれぞれの繋ぎ目には、撮像素子53が存在しないため、繋ぎ目に該当する箇所に1画素分の欠落画素D(図6参照。)が生じる。補間部21は、この欠落画素Dを補間する。
【0033】
記憶部22は、複数の撮像素子53が読み取った画素情報を一時記憶する。
【0034】
図4に示すように、移動機構23は、ソレノイド231及び鉄棒232から構成される。ソレノイド231は、主走査方向におけるCISユニット50の端部近傍に配置されており、制御部20によって通電のオンオフが切り換えられる。ソレノイド231のCISユニット側の端部には、鉄棒232が取り付けられており、鉄棒232は、複数のセンサ基板54の底面側に取り付けられている。以下、移動機構23は、複数のセンサ基板54及び複数の撮像素子53のみを主走査方向に移動させるものとして説明するが、CISユニット50全体を主走査方向に移動させてもよい。
【0035】
図5(A)に示すように、ソレノイド231に電流が流れていない状態で、複数のセンサ基板54は、CISユニット50のホームポジションである第1位置に位置する。図5(B)に示すように、ソレノイド231に電流が流れると、ソレノイド231は、ソレノイド231側に鉄棒232を引っ張り、鉄棒232に取り付けられた複数のセンサ基板54を第2位置に移動させる。複数の撮像素子53は、複数のセンサ基板54の移動に伴って移動する。第2位置は、第1位置から主走査方向に沿って所定距離だけ離間している。
【0036】
以上より、複数のセンサ基板54は、制御部20によるソレノイド231への通電のオンオフの切り換えにより、主走査方向に沿って第1位置から第2位置までの所定距離を移動する。所定距離は、欠落画素Dの画素数分のピッチの1以上の整数倍である。欠落画素Dは1画素であるから、所定距離は、1画素分のピッチL1(図6参照。)の1以上の整数倍となる。
【0037】
これにより、補間部21は、複数のセンサ基板54を第1位置に位置させた状態で読み取れなかった欠落画素Dの画素情報が、複数のセンサ基板54を第2位置に位置させた状態で読み取った画素情報のうちどの画素情報に一致するか容易に判別することができるため、欠落画素Dの補間を容易にすることができる。
【0038】
具体的には、図6に示すように、複数のセンサ基板54は、それぞれ16個の撮像素子53が配設されており、有効読み取り長さが305mmである。すなわち、1個の撮像素子53の有効読み取り長さは、305/16=18.56mmになる。また、1画素のピッチL1は、42.3μmであるから、撮像素子53の画素数は、18.56mm/42.3μm−1=約437個になる。所定距離は、1画素のピッチL1の1以上の整数倍であるから、42.3×(1〜437)になる。例えば、所定距離を1画素のピッチL1の1倍とした場合、複数のセンサ基板54を第1位置に位置させた状態における欠落画素Dの画素情報は、複数のセンサ基板54を第2位置に位置させた状態で読み取った画素情報の先頭の画素情報と一致する。
【0039】
本実施例では、所定距離を42.3×236=9.9828mm又は42.3×237=10.251mmとすることで、ソレノイド231によって複数のセンサ基板54を容易に移動させることができる。
【0040】
制御部20は、各機能部を制御する。制御部20は、スキャン時に、複数の撮像素子53が読み取った画素情報と補間部21が補間した欠落画素Dの画素情報とに基づいて、画像データを生成する。複写時には、スキャン時と同様の処理によって生成した画像データを用いて、用紙に画像を形成する。
【0041】
制御部20は、図7に示すように、複数のセンサ基板54を第1位置に位置させた状態で、スキャン開始指示を受け付ける(S11)。制御部20は、スキャン開始指示を受け付けると、主走査方向と直交する副走査方向における開始位置から終了位置までCISユニット50を移動させながら、複数の撮像素子53によって原稿から画素情報を読み取り、記憶部22に記憶する(S12)。
【0042】
制御部20は、CISユニット50を開始位置へ戻す(S13)。
【0043】
制御部20は、ソレノイド231に電流を流して、複数のセンサ基板54を第2位置へ移動させる(S14)。制御部20は、副走査方向における開始位置から終了位置までCISユニット50を移動させながら、複数の撮像素子53によって原稿から画素情報を読み取り、記憶部22に記憶する(S15)。
【0044】
制御部20は、CISユニット50を開始位置へ戻し(S16)、ソレノイド231に流している電流を停止することで、複数のセンサ基板54を第1位置へ移動させる(S17)。
【0045】
制御部20は、記憶部22を参照して、補間部21によって欠落画素Dを補間させる(S18)。具体的には、補間部21は、複数のセンサ基板54を第1位置に位置させた状態で読み取れなかった欠落画素Dに該当する画素情報を、複数のセンサ基板54を第2位置に位置させた状態で読み取った画素情報から抜き出す。そして、複数のセンサ基板54を第1位置に位置させた状態で読み取った画素情報に、抜き出した欠落画素Dに該当する画素情報を補間する。
【0046】
制御部20は、補間後の画素情報に基づいて画像データを生成する(S19)。
【0047】
これにより、制御部20は、欠落画素Dを推定せずに再度画像を読み取ることで、正確な画素情報を用いて欠落画素Dを補間することができる。このため、どのような原稿(細かい周期的なパターンを持つイメージ画像の原稿)であっても、正確な画像を読み取ることができる。
【0048】
なお、上述の実施例では、移動機構23は、ソレノイド231と鉄棒232とから構成されたが、平板状の棒に歯切りをしたラックと小口径の円形歯車であるピニオンとピニオンに回転力を供給するモータとから構成されてもよい。
【実施例2】
【0049】
実施例2に係る画像形成装置100Aは、制御部20Aによる画像の読み取り時の処理が実施例1に係る画像形成装置100と相違する。以下、相違点についてのみ説明する。
【0050】
図8に示すように、制御部20Aは、図7におけるS11〜S14の処理を行う。
【0051】
制御部20Aは、副走査方向における終了位置から開始位置までCISユニット50を移動させながら、複数の撮像素子53によって原稿から画素情報を読み取り、記憶部22に記憶する(S21)。制御部20Aは、図7におけるS17〜S19の処理を行う。
【0052】
以上より、制御部20Aは、二度目の画像を読み取る際に、CISユニット50を開始位置に戻さずに、終了位置から開始位置へ移動させながら複数の撮像素子53によって画素情報を読み取るため、画像の読み取り時間を短縮することができる。
【0053】
なお、上述の実施例では、画像形成装置を例に挙げて説明したが、画像読取部90を備える画像読取装置であってもよい。
【0054】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
100,100A…画像形成装置
20,20A…制御部
21…補間部
22…記憶部
23…ソレノイド
231…鉄棒
50…CISユニット
53…撮像素子
54…センサ基板
90…画像読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に一列に配設された複数の撮像素子を有し、前記主走査方向と直交する副走査方向における開始位置から終了位置の間を前記複数の撮像素子が移動する時に原稿から画像を読み取る画像読取部と、
前記主走査方向における所定距離だけ離間した第1位置又は第2位置へ少なくとも前記複数の撮像素子を移動させる移動部と、
前記第1位置及び前記第2位置のそれぞれにおいて、前記画像読取部に前記複数の撮像素子を前記開始位置から前記終了位置の間を移動させる制御部と、
前記第1位置及び前記第2位置のそれぞれにおいて、前記画像読取部が読み取った画像に基づいて欠落画素を補間する補間部と、を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記所定距離は、1画素分のピッチの1以上の整数倍と等しい距離である請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の撮像素子を前記第1位置に位置させた状態で、前記画像読取部に前記複数の撮像素子を前記開始位置から前記終了位置まで移動させ、前記移動部に前記複数の撮像素子を前記第2位置に移動させた後、前記画像読取部に前記複数の撮像素子を前記終了位置から前記開始位置まで移動させる請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記移動部は、前記複数の撮像素子を支持する支持部材と、通電のオンオフにより前記支持部材を前記第1位置及び前記第2位置へ移動させるソレノイドと、から構成される請求項1〜請求項3の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかの画像読取装置と、
前記画像読取装置が読み取った画像に基づいて、用紙に対して画像形成処理を行う画像形成部と、を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−42251(P2013−42251A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176506(P2011−176506)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】