説明

画像読取装置

【課題】可撓性と高インピーダンスとを両立するフレキシブルフラットケーブルを搭載して高速信号伝送を実現するとともに、金属枠体からの放射ノイズとクロストークを抑制できる画像読取装置を提供する。
【解決手段】金属枠体2と、原稿台ガラス3とで構成する箱の中に、往復運動で原稿画像を読取る読取ユニット4と、画像情報を受信する制御基板10と、フレキシブルフラットケーブル11とを備える。U字状に曲げたフレキシブルフラットケーブル11の、原稿台ガラス側が最長となる位置に読取ユニット4が達した時に、読取ユニット4から見てU字の最遠点までの部位には、金属枠体2の内壁に対向する面に導電性フィルム13aを設ける。U字の最遠点から制御基板10までは、フレキシブルフラットケーブル11の前記面と反対面に導電性フィルム13bを設けて、導電性フィルム13aに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書や写真等の原稿を読み取り、読み取った情報をデジタルデータに変換してコンピュータあるいはプリンタ等の処理装置へ出力するための画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置は、印刷物、写真等の原稿上における画像情報を読み取り、これをコンピュータやプリンタ等の処理装置に出力する手段として広く用いられている。
【0003】
図5は、一従来例による画像読取装置を概略的に示すもので、画像読取装置101は、箱形の金属枠体102と、その上面に配設された原稿台ガラス103と、原稿台ガラス103上に配設された開閉式の原稿カバー105とを備えている。原稿の読み取りにあたっては、原稿台ガラス103に原稿を載せ、原稿カバー105を閉じて原稿をガラス上に押圧する。次に、金属枠体102内に設けられた読取ユニット104が原稿台ガラス103のガラス平面と平行に走査することによって原稿上の画像を読み取る。読取ユニット104には、図示しない原稿照射用の光源、ミラー、レンズ、撮像センサが組み込まれている。
【0004】
この種の画像読取装置は、原稿照射用の光源、ミラー、レンズ及び撮像センサが一体化されているため、レンズ及び撮像センサが固定され、光源及びミラーが往復運動する画像読取装置に比べて、装置全体の高さを低く小型に構成できる点が優れている。
【0005】
画像読取装置101の金属枠体102内には、読取ユニット104、これを駆動するためのベルト106、ガイドシャフト107、モータ108及び歯車109といった駆動部材、制御基板110、フレキシブルフラットケーブル111が組み込まれている。モータ108の回転軸は歯車109を介してベルト106を駆動する。読取ユニット104は、ベルト106の一部を固定されており、モータ108の正逆回転によって原稿台ガラス103のガラス平面域内をガイドシャフト107の軸方向(主走査方向)に往復運動する。こうして原稿上の画像が読み取られる。読み取られた画像情報は、読取ユニット104内のAD変換回路によってデジタルデータに変換され、フレキシブルフラットケーブル111を介して制御基板110に伝送される。デジタルデータは、制御基板110にて所定の画像処理を加えられた後、コンピュータあるいはプリンタ等の処理装置へ転送される。
【0006】
フレキシブルフラットケーブル111は、可撓性基板(ポリイミド等のベースフィルム)の上に、互いに独立した複数の直線導電パターンを平行配列して形成する帯状信号線路を有するケーブルであり、FFCと呼ばれる。フレキシブルフラットケーブル111は、U字状に曲げて配設されており、読取ユニット104が主走査方向に滑らかに往復運動することを阻害しないように、柔軟に変形する。フレキシブルフラットケーブル111は、柔軟さ、すなわち可撓性を有する一方で、適度な張り、すなわち靭性を併せ持ち、U字状に変形させると、元のI字状の形状に復帰しようする反発力が外向きに働く。そのため、フレキシブルフラットケーブル111は、制御基板110側の区間111bでは金属枠体102の底部102bに押し当たり、読取ユニット104側の区間111aでは金属枠体102の上部102aに向かって浮き上がろうとする。したがって、フレキシブルフラットケーブル111は、往復運動する読取ユニット104に巻き込まれるなどして破損することはない。
【0007】
近年、フレキシブルフラットケーブル111を伝送されるデジタルデータは、読取画質及び単位時間あたりの読取速度の向上のために伝送レートを増大する傾向にある。このため、フレキシブルフラットケーブル111を伝送するデジタルデータの高速化によって増大する放射ノイズを抑制することが、画像読取装置の大きな課題の一つである。この放射ノイズによる他の電子機器への影響はEMI(Electro Magnetic Interference)と呼ばれ、電子機器の誤動作を引き起こすため、放射ノイズに関しては問題となる周波数帯域を定め、放射量の規制を行っている。また、電子機器製造メーカはこの規制に適合するように製品を設計製造する必要がある。
【0008】
前述したように、この種の画像読取装置は、装置高さを低くするためにU字状に曲げられたフレキシブルフラットケーブル111において、読取ユニット104側の区間111aが金属枠体102の上部102aに近接、あるいは接触する状況が発生する。そのとき、フレキシブルフラットケーブル111が、金属枠体102の底部102b及び上部102aとに電気的に結合して高周波電流を給電し、金属枠体102を放射源として特定の周波数帯域において放射ノイズが急激に増大するという課題がある。
【0009】
この課題に加えてもう一つ別の課題が存在する。読取ユニット104の往復運動において、U字状に曲げられたフレキシブルフラットケーブル111は、金属枠体102から浮き上がる区間が増えるほど、自重によってたわみ、内側の面同士が近接する。フレキシブルフラットケーブル111の内側の面同士が近接すると、フレキシブルフラットケーブル内部の帯状信号線路同士が電気的に結合して、いわゆるクロストークが発生し、制御基板110で受信される信号波形に乱れを生じる。このクロストークを回避することがもう一つの課題である。
【0010】
上記2つの課題、すなわち、金属枠体からの放射ノイズの抑制とクロストークの回避とを同時に解決するには、フレキシブルフラットケーブルの両面に導電性フィルムを巻き回し、両端部でグラウンド電位に接続する、いわゆる両面シールドFFCが有効である。
【0011】
特許文献1(実開昭58−19415)に開示されたように、両面シールドFFCは、内部の信号線に対して、いわゆる静電シールドとして働く。U字状に曲げられたフレキシブルフラットケーブルの、金属枠体の内壁に対向する面が、金属筐体の上部に近接もしくは接触しても、静電シールドの効果によって、フレキシブルフラットケーブル内部の帯状信号線路から金属枠体の上部への電気的結合を抑制できる。これにより、金属枠体からのノイズ放射を抑制することが可能となる。また、U字状に曲げられたフレキシブルフラットケーブルの両面のうち、内側の面同士が近接しても、静電シールド効果によって、フレキシブルフラットケーブル内部の帯状信号線路同士が電気的に結合することを回避できる。すなわち、クロストークを回避して、制御基板で受信される信号波形に乱れを生じない。このようにして、放射ノイズの抑制とクロストーク回避との両立が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開昭58−19415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、両面シールドFFCは、通常のFFCに比べて著しくインピーダンスが低下するために、高速化が進む信号伝送方式に対応することが困難となってきている。
【0014】
近年、伝送信号の高速化の要求に対して、線路の特性インピーダンスを所定値に確保することが必須となってきている。例えば、高速信号伝送の分野で主流となっているLVDS(Low Voltage Differential Signaling)伝送方式では、3.5mAという低振幅電流をペア配線に流す。そして、受信側IC付近に配置した100Ω終端抵抗の両端に生じる振幅350mVの電圧を受信側IC入力端子で検出する方式である。LVDS方式では、反射による波形品質の劣化を生じないために、伝送線路のインピーダンスを終端抵抗と同じ100Ωに整合することが必要である。
【0015】
しかしながら、両面シールドFFCは、可撓性を満足する薄さで製作すると、信号伝送線路とシールド、すなわちグラウンドとの結合が強くなってインピーダンスが低下し、100Ωを確保することが困難になる。
【0016】
そこで、所定の高インピーダンスを確保するために、信号伝送線路とシールドとの距離を確保すると、絶縁材の厚みで可撓性が著しく損なわれる。可撓性が損なわれると、読取ユニットに大きな負荷がかかるためモータの駆動力を大きくする必要が生じる。それに加えて、FFCが金属枠体内壁へ接触する圧力が著しく強くなり、擦れによってFFCが破損に至る危険性も高まる。したがって、両面シールドFFCは、高速信号伝送が必要な画像読取装置に対しては、適用することが困難である。
【0017】
逆に、伝送線路のインピーダンスの低下に合せて、終端抵抗の値を小さくし、一方で送信側ICから送出する信号の電流振幅を増加させれば、受信側IC入力端子で検出する電圧振幅を所定の350mVにでき、受信側ICの閾条件を満たすことができる。しかし、電流振幅の増加に比例して、送信側ICの電力消費と放射ノイズのエネルギーが増加してしまうという不具合が発生する。例えば、電流振幅を2倍にすれば、送信側ICの電力消費と放射ノイズは最大で2倍に増大する可能性がある。したがって、両面シールドFFCの低いインピーダンスに合せて周辺回路の構成を変えることも、高速信号伝送が必要な画像読取装置に対しては、適用することが困難である。
【0018】
本発明は、フレキシブルフラットケーブルの可撓性と高インピーダンスとを両立させて高速信号伝送を実現するとともに、クロストーク及び金属枠体からの放射ノイズの抑制を可能にする画像読取装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の画像読取装置は、上面に開口を有する箱形の金属枠体と、前記開口を覆うように配置された原稿台ガラスと、前記金属枠体と前記原稿台ガラスとで構成された箱の内部に配設され、往復運動して前記原稿台ガラスに載せた原稿の画像を読み取る読取ユニットと、前記読取ユニットで読み取った画像情報を受信して処理する制御基板と、前記読取ユニットと前記制御基板との間にU字状に曲げて配設されたフレキシブルフラットケーブルと、を備えた画像読取装置において、前記フレキシブルフラットケーブルは、U字状に曲げて配設された前記フレキシブルフラットケーブルの前記原稿台ガラス側が最長となる位置に前記読取ユニットが達したときに、前記フレキシブルフラットケーブルの、前記原稿台ガラス側に位置する第1の部位において、前記フレキシブルフラットケーブルの第1面に配置された第1の導電性フィルムと、前記フレキシブルフラットケーブルの、前記第1の部位を除く第2の部位において、前記フレキシブルフラットケーブルの第2面に配置された第2の導電性フィルムと、前記第1及び前記第2の導電性フィルムを互いに接続する導電性接続部と、を有し、前記フレキシブルフラットケーブルの前記第1面は、前記フレキシブルフラットケーブルの両面のうちの、前記金属枠体の内壁に対向する面であり、前記第2面は、前記第1面と反対側の面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
可撓性と高インピーダンスとを両立するフレキシブルフラットケーブルを実現するとともに、金属枠体からの放射ノイズ抑制と、フレキシブルフラットケーブル自身の近接によるクロストーク回避が可能となる。
【0021】
また、読取ユニットの往復運動に応じたフレキシブルフラットケーブルの変形をより滑らかにすることで、読取ユニットの往復運動をより高速にすることができ、単位時間あたりの原稿読み取り枚数を増やすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1による画像読取装置を示す模式図である。
【図2】実施例1によるフレキシブルフラットケーブルの構成を3箇所の断面で説明する図である。
【図3】実施例1によるフレキシブルフラットケーブルの変形の様子を説明する図である。
【図4】実施例2によるフレキシブルフラットケーブルの構成を3箇所の断面で説明する図である。
【図5】一従来例よる画像読取装置を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0024】
図1〜3は実施例1に係るもので、図1は、本実施例による画像読取装置を側面から見た模式図であり、図2は、図1のA、B、Cにおける断面を示す。
【0025】
図1において、画像読取装置1は、上面に開口を有する箱形の金属枠体2と、その開口を覆うように配設された原稿台ガラス3と、原稿台ガラス3上に配設された開閉式の原稿カバーとを備えている。原稿の読み取りにあたっては、原稿台ガラス3の上に原稿を載せ、原稿カバーを閉じて原稿をガラス上に押圧する。次に、金属枠体2と原稿台ガラス3とで構成された箱の内部に配置された読取ユニット4が、原稿台ガラス3のガラス平面と平行に走査(往復運動)することによって原稿の画像を読み取る。読取ユニット4には、原稿照射用の光源、ミラー、レンズ、撮像センサが組み込まれている。
【0026】
制御基板10は、フレキシブルフラットケーブル11を介して読取ユニット4に接続され、読み取った画像情報を受信し、所定の処理を行う。フレキシブルフラットケーブル11には複数の信号線12が配置され、外側には、導電性フィルム13a、13b、13cが配置される。第1の導電性フィルム13aは読取ユニット4のグラウンドに接続され、第2の導電性フィルム13bは制御基板10のグラウンドに接続されている。導電性フィルム13a、13bは、導電性接続部を構成する導電性フィルム13cによって互いに接続されている。すなわち、読取ユニット4及び制御基板10のグラウンドは、導電性フィルム13a、13b、13cを介して接続されている。
【0027】
図2に示すように、フレキシブルフラットケーブル11は可撓性基板14によって構成され、可撓性基板14には、例えばポリイミド等のベースフィルムを使用する。可撓性基板14の内部に、複数の信号線12を配設し、導電性フィルム13a、13b、13cを貼り合わせてシールドFFCであるフレキシブルフラットケーブル11を構成している。
【0028】
図1は、U字状に曲げられたフレキシブルフラットケーブル11の原稿台ガラス側が最長となる位置に読取ユニット4が達したときの状態を示している。図1からわかるように、読取ユニット4から見てU字の最遠点の位置Bまでの第1の部位では、フレキシブルフラットケーブル11の両面のうち、金属枠体2の内壁に対向する第1面に第1の導電性フィルム13aが設けられている。また、前記U字の最遠点の位置Bから制御基板10までの、前記第1の部位を除く残りの第2の部位では、フレキシブルフラットケーブル11の両面のうち、金属枠体2の内壁に対向する面とは反対側の第2面に第2の導電性フィルム13bが設けられている。
【0029】
図2(a)に示すように、位置Aにおいて、信号線12が金属枠体2の上部2aに近接しても、導電性フィルム13aの静電シールド効果によって、信号線12から金属枠体2の上部2aへの電気的結合を抑制して、金属枠体2からのノイズ放射を抑制する。また、金属枠体2の底部2bに近接する位置Cにおいて、図2(c)に示すように、信号線12同士が近接しても、導電性フィルム13bの静電シールド効果によって、信号線同士が電気的に結合することを回避できる。すなわち、クロストークを抑制し、制御基板10で受信される信号波形に乱れを生ない。
【0030】
フレキシブルフラットケーブル11は、位置Bから読取ユニット4までの区間と、位置Bから制御基板10までの区間とがそれぞれ片面シールドであるため、十分な可撓性を持ち、かつ所定の高インピーダンスを確保できる。
【0031】
図3は、読取ユニット4を往復運動させたときのフレキシブルフラットケーブル11の変形の様子を示す。図3(a)は、U字に曲げられたフレキシブルフラットケーブル11の原稿台ガラス側が最長となる位置に読取ユニット4がある状態であり、図1と同じ状態である。
【0032】
図3(b)は、読取ユニット4が原稿走査範囲のほぼ中間点にある状態であり、(c)は、U字に曲げられたフレキシブルフラットケーブル11の原稿台ガラス側が最短となる位置に読取ユニット4がある状態である。
【0033】
図3におけるフレキシブルフラットケーブル11は、導電性フィルム13aが配設された区間を点線で示し、導電性フィルム13bが配設された区間を一点鎖線で示している。
【0034】
図3(a)の状態は、U字状に曲げられたフレキシブルフラットケーブル11の原稿台ガラス側が最長となるため、フレキシブルフラットケーブル11の浮いた区間が、その自重で最も撓み、信号線12同士が接近してクロストークが発生しやすい。この状態から、図3(b)、(c)と、フレキシブルフラットケーブル11の浮いた区間が短くなるほど、自重による撓みは少なくなり、クロストークが発生し難くなる。したがって、クロストーク回避のための導電性フィルム13bを配設した一点鎖線で示す区間は、図示した範囲で充分である。
【0035】
一方で、点線で示す区間は、読取ユニット4が平行運動する原稿走査範囲のすべてにおいて、金属枠体2の上部2aに対向する面に導電性フィルム13aが存在する状態となっており、信号線12が金属枠体2の上部2aへ電気的に結合することを確実に抑制する。
【0036】
実施例1によれば、可撓性と高インピーダンスとを両立するフレキシブルフラットケーブルを搭載して高速信号伝送を実現するとともに、金属枠体からの放射ノイズ抑制とフレキシブルフラットケーブル自身の近接によるクロストーク回避が可能となる。
【実施例2】
【0037】
図4は、実施例2を説明するもので、複数の信号線12は、高速信号線16と、読取ユニット5及び制御基板10のグラウンドに接続されたグラウンド線17とを含む。導電性フィルム13a、13b、13cは、複数の信号線12の一部である高速信号線16に沿った部分にのみ配設されており、導電性フィルム13cの部分ではグラウンド線17に接続されている。
【0038】
ケーブル内部に配設されている複数の信号線12には、画像信号や画像信号を取り込むためのデバイス駆動信号(クロック)等の、信号の立ち上がり速度が速く、かつ繰り返し周期も短い、いわゆる高速信号と呼ばれる信号を伝送する高速信号線16が含まれる。高速信号は、ノイズ源としてのエネルギーが大きいため、放射ノイズ及びクロストークの原因となりやすい。一方で、複数の信号線12のなかには、速度の遅い、制御信号や電源なども多く含まれる。これらの信号及び電源はノイズ源としてのエネルギーが小さい。
【0039】
そこで、画像信号やデバイス駆動信号などの一部の高速信号線16に沿った部分にのみ、導電性フィルム13a、13b、13cを配設すれば、放射ノイズ抑制とクロストーク回避を実現できる。
【0040】
この構成により、フレキシブルフラットケーブルに導電性フィルムが占める容積を小さくできるため、実施例1の効果に加えて、フレキシブルフラットケーブルの可撓性を向上させることができる。
【0041】
本実施例によれば、読取ユニットの往復運動に応じたフレキシブルフラットケーブルの変形がより滑らかになるため、読取ユニットの往復運動をより高速にすることができ、単位時間あたりの原稿読み取り枚数を増やすことが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1 画像読取装置
2 金属枠体
3 原稿台ガラス
4 読取ユニット
10 制御基板
11 フレキシブルフラットケーブル(FFC)
12 信号線
13a、13b、13c 導電性フィルム
14 可撓性基板
16 高速信号線
17 グラウンド線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有する箱形の金属枠体と、
前記開口を覆うように配置された原稿台ガラスと、
前記金属枠体と前記原稿台ガラスとで構成された箱の内部に配設され、往復運動して前記原稿台ガラスに載せた原稿の画像を読み取る読取ユニットと、
前記読取ユニットで読み取った画像情報を受信して処理する制御基板と、
前記読取ユニットと前記制御基板との間にU字状に曲げて配設されたフレキシブルフラットケーブルと、を備えた画像読取装置において、
前記フレキシブルフラットケーブルは、
U字状に曲げて配設された前記フレキシブルフラットケーブルの前記原稿台ガラス側が最長となる位置に前記読取ユニットが達したときに、前記フレキシブルフラットケーブルの、前記原稿台ガラス側に位置する第1の部位において、前記フレキシブルフラットケーブルの第1面に配置された第1の導電性フィルムと、
前記フレキシブルフラットケーブルの、前記第1の部位を除く第2の部位において、前記フレキシブルフラットケーブルの第2面に配置された第2の導電性フィルムと、
前記第1及び前記第2の導電性フィルムを互いに接続する導電性接続部と、を有し、
前記フレキシブルフラットケーブルの前記第1面は、前記フレキシブルフラットケーブルの両面のうちの、前記金属枠体の内壁に対向する面であり、前記第2面は、前記第1面と反対側の面であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記フレキシブルフラットケーブルは、高速信号線を含む複数の信号線を備えており、
前記第1及び前記第2の導電性フィルムは、前記高速信号線に沿った部分にのみ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−200231(P2010−200231A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45567(P2009−45567)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】