説明

画像読取装置

【課題】より高品質な読取画像を出力することができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置の制御装置は、搬送経路上に読取機構での読取位置を挟んで搬送方向の上流側および下流側に配された、それぞれ回転速度が独立に設定されるローラーR1およびローラーR2の圧接力とを同一とし、ローラーR2の位置よりも上流側に配されたセンサーからの信号に基づいて、原稿の先端がローラーR2に達してから予め規定された期間で所定の変化率でローラーR1の回転速度を読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から減速させると共に、上記期間で所定の変化率でローラーR2の回転速度を読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から増速させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像読取装置に関し、特に、原稿を読取位置まで自動で搬送するシートスルータイプの画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシートスルータイプの画像読取装置には、搬送経路を挟んだローラー対が複数備えられて、複数のローラー対の回転によって搬送経路内で原稿が読取位置まで搬送される。原稿は、搬送方向の上流側のローラー対と下流側のローラー対とによって少なくとも2箇所が拘束され、それぞれの位置でのローラー対の回転によって搬送される。
【0003】
図11は、従来の画像読取装置の構成の概略を表わした図である。図中、AからBに向う方向にガイドが設けられてガイド内を用紙が搬送される。その経路に沿って画像読取ガラスおよび裏面読取部が配されている。搬送された用紙が像読取ガラスを通過する際に当該ガラスを介して図示しない読取装置にガラスに接する側の面(表面)が光学的に読み取られ、裏面読取部を通過する際に先に読み取られた面と逆側の面(裏面)が読み取られる。各読取部の上流側および下流側には読取ローラー対が設けられている。すなわち、表面読取部の上流側には読取ローラー1(R1)、下流側には読取ローラー2(R2)、裏面読取部の下流側には読取ローラー3(R3)が設けられ、各ローラー対の圧接力で用紙が把持されながらその回転によってガイド内を用紙がAからBに向かう方向に搬送される。各ローラーの回転速度や圧接力が図示しないモーターの回転によって制御されている。
【0004】
表面読取部および裏面読取部にはそれぞれ、読取面の汚れを清掃するための清掃部材1(C1)および清掃部材2(C2)が設けられている。
【0005】
従来、このような画像読取装置では、搬送される用紙により発生する紙粉や埃などの画像読取ガラス面への付着を抑えるため、用紙先端が画像読取ガラス面(読取位置)へ到達するタイミングおよび用紙後端が上流側の読取ローラーR1から脱したタイミング以外では、ローラーの圧接力は上流に配置された搬送ローラーほど下流に配置された搬送ローラーよりも大きく(R1>R2>R3)、ローラーの回転速度(搬送速度)は下流に配置された搬送ローラーほど上流に配置された搬送ローラーよりも大きく(速く:R3>R2>R1)するように設定されている。
【0006】
この搬送によって搬送中の用紙のたるみが抑えられるため、画像読取ガラス面への用紙の接触を抑えつつ用紙が搬送されることになる。すなわち、読取ローラーR1の圧接力が一番大きいため、用紙が読取ローラー2およびローラー3に到達したとしても当該用紙は読取ローラー1の回転速度(用紙搬送速度)で搬送されることになる。つまり、用紙先端は読取ローラー1よりも早い速度で搬送され、かつ、後端が先端よりも遅い速度で引っ張られることになるため、用紙のたるみが解消される。このとき、表面読取部および裏面読取部の読取線速度は読取ローラーR1の回転速度と一致させてある。
【0007】
また、従来、表面画像読取位置に設けられた清掃部材C1と搬送ガイドとが同一ユニット(以下、表面清掃ユニット)となっており、表面読取部から用紙表面までの焦点距離を安定させるために、該表面清掃ユニットは上下可動の構成となっている。そのため、たとえ自動読取装置が開閉されても画像読取ガラス面に対して高さが規制されているため、表面読取部での焦点距離が安定する。
【0008】
裏面画像読位置についても表面画像読取位置と同様に清掃部材C2と搬送ガイドとが同一ユニット(以下、裏面清掃ユニット)となっており、たとえ対抗板ユニットが開閉されても裏面読取部に対して高さが規制されているため、裏面読取部での焦点距離が安定する。
【0009】
特開2009−18919号公報(特許文献2)は、ローラーの回転速度を制御する搬送装置を開示している。また、特開2004−123259号公報(特許文献1)は、シート材の移動速度を検知してその結果に基づいて目標値に従ったモーター速度制御を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−123259号公報
【特許文献2】特開2009−18919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、搬送された用紙の先端が読取ローラーR2に把持され、後端が読取ローラー1に把持されている状態では、表面読取位置において当該用紙は、読取ローラーR1の回転速度よりも早く、かつ、読取ローラーR2の回転速度よりも遅い速度で搬送されることになるため、表面読取部で読み取られた表面画像にのびが発生してしまう。
【0012】
同様に、その下流側の裏面読取部でも、搬送された用紙の先端が読取ローラーR3に達すると、裏面読取位置において当該用紙は、読取ローラーR1の回転速度よりも早く、かつ、読取ローラーR3の回転速度よりも遅い速度で搬送されることになるため、裏面画像にものびが発生してしまう。このため、読取画像の品質低下につながる、という問題がある。
【0013】
また、紙厚の厚い用紙を搬送する場合、搬送中の用紙のこしにより、表面清掃ユニットおよび裏面清掃ユニットが設置位置からずれる場合がある。この場合、読取部での焦点距離がずれることになり、読取画像の品質低下につながる、という問題がある。
【0014】
上記特許文献2は、搬送用紙のたるみを解消しながら搬送速度を一定にする、というものではないため、このような問題が解消されるものではない。また、特許文献1も、シート材の移動速度を検知する必要がある。
【0015】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、より高品質な読取画像を出力することができる画像読取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像読取装置は搬送される原稿を読取機構で読み取ることで原稿面の読取画像を得るための画像読取装置であって、原稿を搬送経路に沿って搬送するための搬送手段と、搬送経路に配され、当該位置に原稿が存在することをセンシングするための第1のセンサーと、搬送手段での搬送を制御するための制御装置とを備える。搬送手段は、搬送経路上に読取機構での読取位置を挟んで搬送方向の上流側および下流側に配された、それぞれ回転速度が独立に設定される第1のローラー対および第2のローラー対を含み、第1のセンサーは、少なくとも第2のローラー対の配される位置よりも搬送方向に上流側に配され、制御装置は、第1のローラー対の圧接力と第2のローラー対の圧接力とを同一とし、制御装置は、さらに、第1のセンサーからの第1のセンサー信号に基づいて、原稿の搬送方向の先端が第2のローラー対に達してから予め規定された第1の期間で所定の変化率で第1のローラー対の回転速度を読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から減速させると共に、第1の期間で上記変化率と同じ変化率で第2のローラー対の回転速度を読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から増速させる。
【0017】
好ましくは、読取機構は、原稿の第1の面を読み取るための第1の読取機構と、第1の面とは逆の第2の面を読み取るための第2の読取機構とを含み、搬送手段は搬送経路に沿って、第1の読取機構での読取位置を経て第2の読取機構での読取位置へと原稿を搬送し、搬送手段は、第1の読取機構での読取位置よりも搬送方向の上流側に配された第1のローラー対と、第2の読取機構での読取位置よりも搬送方向の下流側に配された第2のローラー対とに加えて、第1の読取機構での読取位置と第2の読取機構での読取位置との間に配された、回転速度が独立に設定される第3のローラー対をさらに含み、制御装置は、第3のローラー対の圧接力を、第1のローラー対の圧接力および第2のローラー対の圧接力よりも低くする。
【0018】
より好ましくは、制御装置は、さらに、第1のセンサーからの第1のセンサー信号に基づいて、原稿の前記搬送方向の先端が第3のローラー対に達してから予め規定された第2の期間で所定の変化率で第1のローラー対の回転速度を読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から減速させると共に、第2の期間で上記変化率と同じ変化率で第3のローラー対の回転速度を読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から増速させる。
【0019】
好ましくは、画像読取装置は、第1のローラー対の配される位置よりも搬送方向に上流側に配され、当該位置における原稿の厚みをセンシングするための第2のセンサーをさらに備え、制御装置は、第2のセンサーからの第2のセンサー信号に応じて第1の期間を変化させる。
【0020】
好ましくは、画像読取装置は、第1のローラー対の配される位置よりも搬送方向に上流側に配され、当該位置における原稿の厚みをセンシングするための第2のセンサーをさらに備え、制御装置は、第2のセンサーからの第2のセンサー信号に応じて第1の期間および第2の期間を変化させる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によると、画像読取装置では、より高品質な読取画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態にかかる画像形成装置の装置構成の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかる画像形成装置の制御構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の画像処理部の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】第1の制御下での、読取部の上流側の読取ローラー(R1)および下流側の読取ローラー(R2)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置との関係を表わした図である。
【図5】第2の制御下での、各読取ローラー(R1,R2,R3)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置との関係を表わした図である。
【図6】第3の制御下での、各読取ローラー(R1,R2,R3)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置との関係を表わした図である。
【図7】第4の制御下での、読取部の上流側の読取ローラー(R1)および下流側の読取ローラー(R2)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置および紙厚との関係を表わした図である。
【図8】画像形成装置において第1の制御が行なわれる場合の制御の流れを表わしたフローチャートである。
【図9】画像形成装置において第2の制御が行なわれる場合の制御の流れを表わしたフローチャートである。
【図10】画像形成装置において第3の制御が行なわれる場合の制御の流れを表わしたフローチャートである。
【図11】従来の画像読取装置の構成の概略を表わした図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0024】
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置100の装置構成の具体例を示す図である。
【0025】
図1を参照して、画像形成装置100は、シートスルータイプの自動原稿送り装置(以下、ADF(Auto Document Feeder)ともいう)1と読取装置2とを含む。ADF1は、画像読取装置とも称される。
【0026】
図1に表わされた画像形成装置100は、複写機、プリンター、スキャナー、ファクシミリ送受信機、またはこれら装置のうちのいずれか2以上の装置の機能を備えた複合機であるMFP(Multi-Function Peripheral)などが該当し、ADF1は読取装置2で原稿を読み取るための、後述する読取位置211に原稿を搬送する。
【0027】
ADF1は、搬送前の原稿を積載するためのトレイ101と搬送後の原稿を排紙するためのトレイ113とを有し、トレイ101とトレイ113との間に原稿の搬送経路が構成されている。
【0028】
搬送経路には、少なくとも読取位置211および後述する読取部110に面する位置が開放された図示しないガイドが設けられ、ガイドに沿って原稿が搬送される。
【0029】
トレイ101と搬送経路との境界位置にはピックローラー102と一対の分離ローラー103とが備えられる。トレイ101に積載された原稿束112は、ピックローラー102により給紙され、一対の分離ローラー103によって1枚ずつ分離されて、搬送経路に送り出される。
【0030】
以降の説明において、搬送経路の搬送方向、つまりトレイ101からトレイ113に向かう方向のトレイ101側を「搬送方向の上流側」といい、トレイ113側を「搬送方向の下流側」ということもある。また、搬送経路の上流側を「前」、下流側を「後」ということもある。
【0031】
搬送経路には、搬送方向に沿って搬送経路を挟む一対の中間ローラー104およびレジストローラー105が備えられる。中間ローラー104によって搬送経路上をレジストローラー105まで送り出された原稿は、レジストローラー105によってスキュー補正される。そして、スキュー補正された後の原稿が読取装置2の読取位置211へ搬送される。読取位置211には読取ガラス204が設けられている。
【0032】
搬送経路の、読取装置2の読取位置211に対応する位置の上流側および下流側に、それぞれ一対の読取ローラー106,107が備えられる。これらローラー対の回転により、搬送されてきた原稿は読取装置2の読取位置211を通過して下流側に搬送される。これにより、原稿の、読取装置2に向く面が読取装置2によって読み取られる。以降の説明において、搬送された原稿の読取装置2に向く面を「表面」とも称し、その反対面を「裏面」とも称する。
【0033】
搬送経路の、読取ローラー107よりも下流側に、搬送される原稿の裏面に撮像部を向けて読取部110が配される。読取部110の下流側に、一対の読取ローラー108が備えられる。読取ローラー107,108の回転により、搬送されてきた原稿は読取部110を通過して下流側に搬送される。
【0034】
読取部110は、一例として、ADF部1内に設けられた、CIS(Contact Image Sensor)を採用した読取機構である。詳しくは、読取部110には、図示しない光源とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーとが搬送される原稿の裏面に相対して配置される。光源からの照射光のうちの読取位置を通過する原稿の当該光源に向く面からの反射光がCMOSセンサーで受光され、R,G,Bそれぞれの受光信号がRGBデーターに変換される。これにより、原稿の裏面が読取部110によって読み取られる。読取部110は後述する読取装置2の制御装置250と電気的に接続され、RGBデーターを読取結果として制御装置250に対して出力する。なお、以降の説明において、読取部110はCISとも称する。また、以降の説明において、読取ローラー106,107,108を、それぞれ、R1ローラ,R2ローラ,R3ローラとも称する。
【0035】
搬送経路とトレイ113との境界位置には排紙ローラー109が備えられる。この排紙ローラー109の回転により、搬送され裏面が読取部110によって読み取られた後の原稿がトレイ113へ排出される。
【0036】
ADF1は、さらに、各ローラーを駆動するためのモーターとして、給紙モーター301、レジストモーター302、第1読取モーター303、第2読取モーター304、第3読取モーター305および排紙モーター306を備える。以降の説明において、給紙モーター301、レジストモーター302、第1読取モーター303、第2読取モーター304、第3読取モーター305および排紙モーター306を、それぞれ、モーターM2,M3,M4,M5,M6,M7とも称する。
【0037】
給紙モーター301は図示しない給紙クラッチを経てピックローラー102および分離ローラー103、ならびに中間ローラー104に接続され、これらローラーを駆動する。レジストモーター302はレジストローラー105に接続され、該ローラを駆動する。読取モーター303,304,305はそれぞれ読取ローラー106,107,108に接続され、これらローラーを駆動する。排紙モーター306は排紙ローラー109に接続され、該ローラーを駆動する。
【0038】
搬送経路の、読取位置211の上流側の位置にセンサー111が配される。一例として、読取ローラー106の近傍(図1では、読取ローラー106の下流側)が挙げられるセンサー111としては好適にはPSD素子を使用した測距センサーが用いられる。センサー111は、原稿の有無と、原稿の厚みとを検出する。センサー111は後述する制御装置150と電気的に接続され、センシング範囲に原稿が存在することおよび紙厚を表わすセンサー信号を制御装置150に対して出力する。なお、原稿の有無を検出するためのセンサーと、原稿の厚みと検出するためのセンサーとは、それぞれ別個に設けられてもよい。
【0039】
ADF1は、さらに、制御装置150およびメモリー160を備える。制御装置150に含まれる図示しないCPU(Central Processing Unit)はメモリー160に記憶されるプログラムを読み出して実行する。これらモーターは制御装置150に電気的に接続されて、制御装置150からの制御信号に従って回転が制御される。
【0040】
上述のように、搬送経路に設けられた図示しないガイドは少なくとも読取位置211および読取部110に面する位置が開放されている。そのため、その位置で搬送された原稿が読取ガラス面にガイドを間に介することなく面することになる。そこで、搬送経路を挟んで、読取位置211に設けられた画像読取ガラス204および読取部110の搬送経路に向く側に設けられた図示しない読取ガラスに対向する位置に、それぞれ、清掃部401,402が配される。清掃部401,402は、一例として、回転体にブラシ状の清掃部材が設けられた構成が挙げられる。回転体が回転することで清掃部材がガラス面に対して非接触状態から接触状態を経て非接触状態となることで、その表面に付着した紙粉等が取り除かれる。
【0041】
なお、表面側の読取位置211に設けられた清掃部材401と搬送ガイドとは図示しない同一ユニット(以下、表面清掃ユニット)を形成し、裏面側の読取位置に設けられた清掃部材402と搬送ガイドとは図示しない同一ユニット(以下、裏面清掃ユニット)を形成し、それぞれ、読取部に対する距離が変化する方向に可動の構成となっている。
【0042】
清掃部401,402を稼動させて清掃動作を行なわせるための図示しないモーター等の駆動機構もまた制御装置150に電気的に接続されて、制御装置150からの制御信号に従って清掃部401,402での清掃が制御される。
【0043】
読取装置2は一例としてCCD(Charged Coupled Device)を含む。この場合、読取装置2は、露光ランプL201と、複数のミラーからなるミラー群202と、読取部としてのCCDセンサー203と、CCDセンサー203を含む図示しない読取スライダーユニットを移動させるための駆動モーター205と、制御装置250と、メモリー260とを備える。また、読取位置211には画像読取ガラス204が配される。以降の説明において、駆動モーター205をモーターM1とも称する。
【0044】
駆動モーター205はCCDセンサー203を含む図示しない読取スライダーユニットに接続され、該ユニットを移動させる。駆動モーター205は制御装置250に電気的に接続されて、制御装置250からの制御信号に従って回転が制御される。
【0045】
原稿が読取位置211を通過すると、露光ランプL201が、原稿の表面を照射する。照射光によって原稿の表面から反射された光はミラー群202に反射されてCCDセンサー203まで導かれ、CCDセンサー203によって受光される。
【0046】
制御装置250は、図示しないCPUを含み、メモリー260に記憶されるプログラムを読み出して実行することで、画像形成部としての機能を発揮する。CCDセンサー203は、光電変換により、受光信号をRGBデーターに変換して制御装置250に対して出力する。画像形成部として機能する制御装置250は、RGBデーターに基づいて画像形成処理を実行する。
【0047】
<制御構成>
図2は、本実施の形態にかかる画像形成装置100の制御構成の具体例を示すブロック図である。
【0048】
図2を参照して、ADF1の制御装置150および読取装置2の制御装置250は、それぞれ、CPU151,251を含み、メモリー160,260に記憶されているプログラムを実行する。ADF1のCPU151と読取装置2のCPU251とは電気的に接続され、原稿のサイズ情報や動作モードや原稿を読み取るタイミング情報などの制御情報を互いに通信する。
【0049】
ADF1のCPU151は、給紙モーター301(M2)を駆動するためのモーター駆動IC152、レジストモーター302(M3)を駆動するためのモーター駆動IC153、第1読取モーター303(M4)を駆動するためのモーター駆動IC154、第2読取モーター304(M5)を駆動するためのモーター駆動IC155、第3読取モーター305(M6)を駆動するためのモーター駆動IC156、および排紙モーター306(M7)を駆動するためのモーター駆動IC157と接続される。CPU151は、励磁信号(φ0〜φ3)をモーター駆動ICに対して入力することにより、モーターの回転を制御する。
【0050】
また、CPU151はセンサー111に接続され、センサー111からのセンサー信号が入力される。
【0051】
また、CPU151は清掃部401,402を駆動するための図示しない駆動機構と接続され、それらに対して制御信号を入力することにより清掃部401,402での清掃動作を制御する。
【0052】
読取装置2のCPU251には、駆動モーター205(M1)を駆動するためのモーター駆動IC252が接続される。CPU251は、励磁信号をモーター駆動IC252に対して入力することにより駆動モーター205の回転を制御する。
【0053】
また、読取装置2の制御装置250にはCCD203からのRGBデーターの入力を受け付けるための画像入力部254と、RGBデーターを処理して画像データーを生成するための画像処理部253とが含まれ、画像処理部253はCPU251に接続される。
【0054】
図3は、画像処理部253の機能構成の具体例を示すブロック図である。
図3を参照して、画像処理部253は、入力部11で画像入力部254からのRGBデーターの入力を受け付ける。入力されたアナログ画像データーであるRGBデーターは、A/D(Analog/Digital)変換部12においてデジタルの画像データーに変換される。
【0055】
SH補正部13は予め設定されているSH値を読み出してA/D変換部12から入力される画像データーをシェーディング補正し、シェーディング補正後の画像データーを明度・色差分離部14に出力する。明度・色差分離部14は、画像データーを明度成分と色差成分とに分離し、それぞれを画像調整部に出力する。
【0056】
画像調整部は、シャープネス調整部15、HVC調整部16および濃度補正部17を含む。シャープネス調整部15は、画像を鮮明化する処理を実行し、HVC調整部16は、画像の色相(H)、明度(V)および彩度(C)を調整する。濃度補正部17は、画像の濃度を補正する。画像調整部は、処理したRGBそれぞれの画像データーを色空間変換部18に出力する。色空間変換部18は、画像データーの色空間をRGB色空間からL*a*b*色空間に変換し、圧縮伸張部19に出力する。圧縮伸張部19は、画像データーを圧縮する。圧縮伸張部19は、圧縮した画像データーを、HDD(ハードディスク)等の画像メモリー30に記憶する。または外部の装置に出力する。シャープネス調整部15・HVC調整部16・濃度補正部17に対しては、画像濃度等の調整のための画像パラメーター設定32により、読取画像の最適化が図られる。
【0057】
<制御概要>
(制御1)
図4は、第1の制御下での、読取部の上流側の読取ローラー(R1)および下流側の読取ローラー(R2)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置との関係を表わした図である。
【0058】
図4を参照して、画像形成装置100において循環式で原稿を読み取る場合、つまり、ADF1内部で原稿を循環させて搬送しつついずれかの読取部で原稿の片面を読み取る場合の制御として、第1の制御では、読取部の上流側の読取ローラー(たとえば読取ローラーR1)および下流側の読取ローラー(たとえば読取ローラーR2)のローラー圧接力を同一とし、搬送されてきた原稿を上流側の読取ローラーにて読取部の読取線速度と同じ回転速度で下流側の読取ローラーに先端が到達するまで搬送する。原稿の先端が下流側の読取ローラーに到達後、当該読取ローラーの回転速度を読取部の読取線速度から規定の量および期間、増速すると共に、上流側の読取ローラーの回転速度を下流側の読取ローラーの増速タイミングと同じタイミングで同量かつ同期間、減速する。
【0059】
上記期間は、上記変化率で上流側の読取ローラーの回転速度を増速させ、かつ下流側の読取ローラーの回転速度を減速させることで、読取位置での原稿のたるみが解消されるまでの期間である。
【0060】
この制御により、読取位置での搬送速度が一定に保たれ、かつ、搬送用紙のたるみが解消される。
【0061】
(制御2)
図5は、第2の制御下での、各読取ローラー(R1,R2,R3)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置との関係を表わした図である。
【0062】
図5を参照して、画像形成装置100において両面読取を行なう場合、つまり、1回の搬送動作で両読取部にて原稿の両面を読み取る場合の制御として、第2の制御では、各読取ローラーの圧接力の関係を、読取ローラーR2<読取ローラーR1=読取ローラーR3とし、搬送されてきた原稿を、読取ローラーR1にて読取装置2の読取線速度と同じ回転速度で、読取ローラーR2に原稿の先端が到達するまで搬送する。原稿の先端が読取ローラーR2に到達後、読取ローラーR2の回転速度を読取部の読取線速度から規定の量および期間、増速すると共に、読取ローラーR1回転速度を読取ローラーR2の増速タイミングと同じタイミングで同量かつ同期間、減速する。
【0063】
上記期間もまた、上記変化率で読取ローラーR1の回転速度を増速させ、かつ読取ローラーR2の回転速度を減速させることで、読取位置211での原稿のたるみが解消されるまでの期間である。
【0064】
これにより、表面の読取位置211での搬送速度が一定に保たれ、かつ、搬送用紙のたるみが解消される。
【0065】
続いて、表面の読取位置211での原稿のたるみ解消後、各読取ローラーの回転速度を読取部の読取線速度と同じ速度に基し、原稿の先端が読取ローラーR3に到達するまで搬送する。原稿の先端が読取ローラーR3に到達後、読取ローラーR3の回転速度を読取部の読取線速度から規定の量および期間、増速すると共に、読取ローラーR1の回転速度を読取ローラーR3の増速タイミングと同じタイミングで同量かつ同期間、減速する。
【0066】
上記期間もまた、上記変化率で読取ローラーR1の回転速度を増速させ、かつ読取ローラーR3の回転速度を減速させることで、裏面の読取位置での原稿のたるみが解消されるまでの期間である。
【0067】
これにより、裏面の読取位置での搬送速度が一定に保たれ、かつ、搬送用紙のたるみが解消される。
【0068】
(制御3)
図6は、第3の制御下での、各読取ローラー(R1,R2,R3)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置との関係を表わした図である。
【0069】
図6を参照して、画像形成装置100において両面読取を行なう場合の制御として、第3の制御では、各読取ローラーの圧接力の関係を、読取ローラーR2<読取ローラーR1=読取ローラーR3とし、搬送されてきた原稿を、読取ローラーR1にて読取部の読取線速度と同じ回転速度で、原稿の先端が読取ローラーR2を経て読取ローラーR3に到達するまで搬送する。原稿の先端が読取ローラーR3に到達後、読取ローラーR3の回転速度を読取部の読取線速度から規定の量および期間、増速すると共に、読取ローラーR1の回転速度を読取ローラーR3の増速タイミングと同じタイミングで同量かつ同期間、減速する。
【0070】
上記期間もまた、上記変化率で読取ローラーR1の回転速度を増速させ、かつ読取ローラーR3の回転速度を減速させることで、裏面の読取位置での原稿のたるみが解消されるまでの期間である。
【0071】
これにより、表面の読取位置211および裏面の読取位置での搬送速度が一定に保たれ、かつ、搬送用紙のたるみが解消される。
【0072】
(制御4)
画像形成装置100において第4の制御では、搬送された原稿の厚みに応じて各読取ローラーの回転速度を制御する。
【0073】
図7は、第4の制御下での、読取部の上流側の読取ローラー(R1)および下流側の読取ローラー(R2)の回転速度の関係と、搬送される原稿の位置および紙厚との関係を表わした図である。
【0074】
図7を参照して、第4の制御では、読取部の上流側の読取ローラー(たとえば読取ローラーR1)および下流側の読取ローラー(たとえば読取ローラーR2)のローラー圧接力を同一とし、各読取ローラーの回転速度を図4と同様にさせる。すなわち、搬送されてきた原稿を上流側の読取ローラーにて読取部の読取線速度と同じ回転速度で下流側の読取ローラーに先端が到達するまで搬送する。原稿の先端が下流側の読取ローラーに到達後、当該読取ローラーの回転速度を読取部の読取線速度から規定の量および期間、増速すると共に、上流側の読取ローラーの回転速度を下流側の読取ローラーの増速タイミングと同じタイミングで同量かつ同期間、減速する。
【0075】
このとき、回転速度の可変時間を搬送された原稿の厚みに応じて変化させる。すなわち、図7を参照して、搬送された原稿が厚紙である場合、通常厚みの場合と比較して回転速度を変化させる時間を短くする。それによって、変化量も小さくなる。これにより、搬送された原稿が厚紙である場合でも、紙のこしによって表面清掃ユニットおよび/または裏面清掃ユニットの読取部からの解離が抑えられる。
【0076】
なお、この第4の制御は、後述するように、上記第1の制御〜第3の制御に組み込まれてもよい。以降の例では、第1の制御に組み込まれる例が示されているが、同様にして、第2の制御、第3の制御に組み込まれてもよい。
【0077】
<制御フロー>
図8は、画像形成装置100において上記第1の制御が行なわれる場合の制御の流れを表わしたフローチャートである。図8のフローチャートに表わされた制御は、CPU151がメモリー160に記憶されるプログラムを読み出して実行することによって実現される。
【0078】
図8を参照して、ステップS101でCPU151は、読取ローラーR1および読取ローラーR2の圧接力が等しくなるように回転力を設定し、それぞれのモーター駆動IC514,515に対して制御信号を出力する。また、初期速度として、読取部での読取線速度と等しい回転速度を設定し、それぞれのモーター駆動IC514,515に対して制御信号を出力する。
【0079】
センサー111からセンサー信号の入力を受け付けると(ステップS103でYES)、つまり搬送されてきた原稿の先端がセンサー111の位置に達したことが検出されると、ステップS105でCPU151は、読取ローラーR2への到達を検出するためのタイマーをスタートさせる。ここでは、CPU151はセンサー111の設置位置から読取ローラーR2までの距離を当該搬送速度で搬送される場合の所要時間を予め記憶しておき、その時間になるまで計時する。
【0080】
そして、上記所要時間まで計時されると、つまり原稿の先端が読取ローラーR2に達したことが検出されると(ステップS107でYES)、ステップS109でCPU151は、予め規定された変化率で読取ローラーR1の回転速度を減速させると共に、同じ変化率で読取ローラーR2の回転速度を増速させる。
【0081】
なお、このとき、上記センサー信号より搬送されてきた原稿が厚紙でなく通常の厚みの用紙であると判断された場合には(ステップS111でNO)、予め規定された時間t1の間、上記ステップS109の速度変化が継続される。
【0082】
一方、搬送されてきた原稿が厚紙であると判断された場合には(ステップS111でYES)、上記第4の制御が行なわれる。すなわち、この場合CPU151は、予め厚紙に対応させて記憶している、時間t1よりも短い時間t2を変化時間として設定し、その時間t2の間、上記ステップS109の速度変化を継続させる。このとき、CPU151は用紙の厚みと変化時間tとの関係を予め記憶しておき、センサー信号から用紙厚みを算出してそれに対応した変化時間を設定するようにしてもよい。また、この例ではセンサー111から用紙の厚みを検出するものとしているが、センサー111は用紙の有無のみを検出するセンサーが用いられ、図示しない操作部からの原稿の厚みが指定されるものでもよい。
【0083】
上記規定の時間、読取ローラーR1,R2の回転速度を同じ変化率で変化させた後(ステップS211でYES)、ステップS115でCPU151は、読取ローラーR1および読取ローラーR2の回転速度を初期速度である読取部での読取線速度と等しい回転速度に戻す。そして、次にセンサー信号が検出されるまで、つまり、次の原稿の先端がセンサー111の位置に達するまでその状態を維持し、次の原稿が検出されるたびに、同じ動作を繰り返す。
【0084】
図9は、画像形成装置100において上記第2の制御が行なわれる場合の制御の流れを表わしたフローチャートである。図9のフローチャートに表わされた制御もまた、CPU151がメモリー160に記憶されるプログラムを読み出して実行することによって実現される。
【0085】
図9を参照して、ステップS201でCPU151は、読取ローラーR1、読取ローラーR2、および読取ローラーR3の圧接力を、読取ローラーR2<読取ローラーR1=読取ローラーR3となるように回転力を設定し、それぞれのモーター駆動IC514,515,516に対して制御信号を出力する。また、初期速度として、読取部での読取線速度と等しい回転速度を設定し、それぞれのモーター駆動IC514,515,516に対して制御信号を出力する。
【0086】
センサー111からセンサー信号の入力を受け付けると(ステップS203でYES)、つまり搬送されてきた原稿の先端がセンサー111の位置に達したことが検出されると、ステップS205でCPU151は、読取ローラーR2への到達、および読取ローラーR3への到達を検出するためのタイマーをスタートさせる。ここでは、CPU151はセンサー111の設置位置から読取ローラーR2までの距離を当該搬送速度で搬送される場合の所要時間と、センサー111の設置位置から読取ローラーR3までの距離を当該搬送速度で搬送される場合の所要時間とをそれぞれ予め記憶しておき、それぞれの時間になるまで計時する。
【0087】
原稿の先端が読取ローラーR2に達したことが検出されると(ステップS207でYES)、ステップS209でCPU151は、予め規定された変化率で、予め規定された時間、読取ローラーR1の回転速度を減速させると共に、同じ変化率で同じ時間、読取ローラーR2の回転速度を増速させる。この動作は、上記ステップS105〜S109と同じである。
【0088】
上記規定の時間、読取ローラーR1,R2の回転速度を同じ変化率で変化させた後(ステップS211でYES)、ステップS213でCPU151は、読取ローラーR1および読取ローラーR2の回転速度を初期速度である読取部での読取線速度と等しい回転速度に戻す。
【0089】
次に、原稿の先端が読取ローラーR3に達したことが検出されると(ステップS215でYES)、ステップS217でCPU151は、予め規定された変化率で、予め規定された時間、読取ローラーR1の回転速度を減速させると共に、同じ変化率で同じ時間、読取ローラーR3の回転速度を増速させる。
【0090】
上記規定の時間、読取ローラーR1,R3の回転速度を同じ変化率で変化させた後(ステップS219でYES)、ステップS221でCPU151は、読取ローラーR1および読取ローラーR3の回転速度を初期速度である読取部での読取線速度と等しい回転速度に戻す。そして、次にセンサー信号が検出されるまで、つまり、次の原稿の先端がセンサー111の位置に達するまでその状態を維持し、次の原稿が検出されるたびに、同じ動作を繰り返す。
【0091】
図10は、画像形成装置100において上記第3の制御が行なわれる場合の制御の流れを表わしたフローチャートである。図10のフローチャートに表わされた制御もまた、CPU151がメモリー160に記憶されるプログラムを読み出して実行することによって実現される。
【0092】
図10を参照して、ステップS301でCPU151は、読取ローラーR1、読取ローラーR2、および読取ローラーR3の圧接力を、読取ローラーR2<読取ローラーR1=読取ローラーR3となるように回転力を設定し、それぞれのモーター駆動IC514,515,516に対して制御信号を出力する。また、初期速度として、読取部での読取線速度と等しい回転速度を設定し、それぞれのモーター駆動IC514,515,516に対して制御信号を出力する。
【0093】
センサー111からセンサー信号の入力を受け付けると(ステップS303でYES)、つまり搬送されてきた原稿の先端がセンサー111の位置に達したことが検出されると、ステップS305でCPU151は、読取ローラーR3への到達を検出するためのタイマーをスタートさせる。ここでは、CPU151はセンサー111の設置位置から読取ローラーR3までの距離を当該搬送速度で搬送される場合の所要時間とを予め記憶しておき、その時間になるまで計時する。
【0094】
原稿の先端が読取ローラーR3に達したことが検出されると(ステップS307でYES)、ステップS309でCPU151は、予め規定された変化率で、予め規定された時間、読取ローラーR1の回転速度を減速させると共に、同じ変化率で同じ時間、読取ローラーR3の回転速度を増速させる。この動作は、上記ステップS215〜S219と同じである。
【0095】
上記規定の時間、読取ローラーR1,R3の回転速度を同じ変化率で変化させた後(ステップS311でYES)、ステップS313でCPU151は、読取ローラーR1および読取ローラーR3の回転速度を初期速度である読取部での読取線速度と等しい回転速度に戻す。そして、次にセンサー信号が検出されるまで、つまり、次の原稿の先端がセンサー111の位置に達するまでその状態を維持し、次の原稿が検出されるたびに、同じ動作を繰り返す。
【0096】
<実施の形態の効果>
画像形成装置100において上述のような動作が行なわれることで、搬送された原稿の先端が各読取位置の下流側の読取ローラーに達するタイミングで下流側の読取ローラーの回転速度が増速され、かつ、上流側の読取ローラーの回転速度が上述の増速分と同じ変化率で同じ期間減速される。そのため、原稿の先端が下流側の読取ローラーに突入した後に発生するたるみを解消する際の原稿の搬送速度が一定となる。つまり、読取位置上での該原稿の搬送速度が一定に保たれることになる。これにより、読取画像の画像伸びが抑えられ、読取画像の品質が向上する。
【0097】
また、画像形成装置100では表面側の読取位置よりも上流側に当該原稿の厚みを検出するための機構を有して、上述の読取ローラーの回転速度を変化させる期間を検出された紙厚に応じた期間とする。これにより、搬送された原稿のこしの差による焦点ずれの影響も防ぐことができ、より読取画像の品質を向上させることができる。
【0098】
さらに、画像形成装置100に上述の動作を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピューター読取可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0099】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0100】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0101】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 ADF、2 読取装置、11 入力部、12 A/D変換部、13 SH補正部、14 明度・色差分離部、15 シャープネス調整部、16 HVC調整部、17 濃度補正部、18 色空間変換部、19 圧縮伸張部、30 画像メモリー、32 画像パラメーター設定、101,113 トレイ、102 ピックローラー、103 分離ローラー、104 中間ローラー、105 レジストローラー、106,107,108 読取ローラー、109 排紙ローラー、110 読取部、111 センサー、112 原稿束、150,250 制御装置、151,251 CPU、152,153,154,155,156,157,252 モーター駆動IC、160,260 メモリー、201 露光ランプ、202 ミラー群、203 CCDセンサー、204 画像読取ガラス、205 駆動モーター、211 読取位置、253 画像処理部、254 画像入力部、301 給紙モーター、302 レジストモーター、303,304,305 読取モーター、306 排紙モーター、401,402 清掃部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される原稿を読取機構で読み取ることで原稿面の読取画像を得るための画像読取装置であって、
前記原稿を搬送経路に沿って搬送するための搬送手段と、
前記搬送経路に配され、当該位置に原稿が存在することをセンシングするための第1のセンサーと、
前記搬送手段での搬送を制御するための制御装置とを備え、
前記搬送手段は、前記搬送経路上に前記読取機構での読取位置を挟んで搬送方向の上流側および下流側に配された、それぞれ回転速度が独立に設定される第1のローラー対および第2のローラー対を含み、
前記第1のセンサーは、少なくとも前記第2のローラー対の配される位置よりも前記搬送方向に上流側に配され、
前記制御装置は、前記第1のローラー対の圧接力と前記第2のローラー対の圧接力とを同一とし、
前記制御装置は、さらに、前記第1のセンサーからの第1のセンサー信号に基づいて、前記原稿の前記搬送方向の先端が前記第2のローラー対に達してから予め規定された第1の期間で所定の変化率で前記第1のローラー対の回転速度を前記読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から減速させると共に、前記第1の期間で前記所定の変化率で前記第2のローラー対の回転速度を前記読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から増速させる、画像読取装置。
【請求項2】
前記読取機構は、前記原稿の第1の面を読み取るための第1の読取機構と、前記第1の面とは逆の第2の面を読み取るための第2の読取機構とを含み、
前記搬送手段は前記搬送経路に沿って、前記第1の読取機構での読取位置を経て前記第2の読取機構での読取位置へと前記原稿を搬送し、
前記搬送手段は、前記第1の読取機構での読取位置よりも前記搬送方向の上流側に配された前記第1のローラー対と、前記第2の読取機構での読取位置よりも前記搬送方向の下流側に配された前記第2のローラー対とに加えて、前記第1の読取機構での読取位置と前記第2の読取機構での読取位置との間に配された、回転速度が独立に設定される第3のローラー対をさらに含み、
前記制御装置は、前記第3のローラー対の圧接力を、前記第1のローラー対の圧接力および前記第2のローラー対の圧接力よりも低くする、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御装置は、さらに、前記第1のセンサーからの第1のセンサー信号に基づいて、前記原稿の前記搬送方向の先端が前記第3のローラー対に達してから予め規定された第2の期間で所定の変化率で前記第1のローラー対の回転速度を前記読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から減速させると共に、前記第2の期間で前記所定の変化率で前記第3のローラー対の回転速度を前記読取機構での読取速度と同じ初期回転速度から増速させる、請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第1のローラー対の配される位置よりも前記搬送方向に上流側に配され、当該位置における原稿の厚みをセンシングするための第2のセンサーをさらに備え、
前記制御装置は、前記第2のセンサーからの第2のセンサー信号に応じて前記第1の期間を変化させる、請求項1〜3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記第1のローラー対の配される位置よりも前記搬送方向に上流側に配され、当該位置における原稿の厚みをセンシングするための第2のセンサーをさらに備え、
前記制御装置は、前記第2のセンサーからの第2のセンサー信号に応じて前記第1の期間および前記第2の期間を変化させる、請求項3に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−13009(P2013−13009A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145721(P2011−145721)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】