説明

画像音声記録再生装置

【課題】ユーザが容易に旅行当時の思い出を想起することができ、タイムカプセルのように機能させることも可能な画像音声記録再生装置を提供する。
【解決手段】車両内に設置され、車両の位置を検出し、検出された位置情報に基づいて目的地までの走行経路を案内するとともに、車両内の映像データ又は/及び音声データを記録して送信するナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを記録再生する記録再生装置3とで構成される画像音声記録再生装置。ナビゲーション装置は、乗車者に関する情報、日時に関する情報、目的地に関する情報、目的地に至る経路に関する情報から選択される少なくとも一つを映像データ又は/及び音声データとともに送信し、記録再生装置は、ナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを、上記少なくとも一つに基づいて記録再生することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両内の画像/音声を記録再生する装置であって、タイムカプセルのように機能させることのできる画像音声記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムは、例えば特許文献1に記載のように、セットした目的地までの走行経路をディスプレイに表示したり、自動車が走行した経路を保存し、その経路をディスプレイに表示することができる。
【0003】
また、特許文献2には、カーナビゲーションシステムとデジタルカメラを利用し、画像合成表示手段により、ハードディスクに記録させた旅行期間中に乗車していた車両の画像データを読み出し、経路データにおける現在地を示す車両シンボルに対して合成することで、ユーザが容易に旅行当時の思い出を想起することができるように、旅行中に乗車していた車両や、一緒に旅行したメンバーの情報を表示するナビゲーションアルバムシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−81955号公報
【特許文献2】特開2006−38514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2に記載のナビゲーションアルバムシステムによれば、ユーザが容易に旅行当時の思い出を想起することができるが、経路データにおける現在地を示す車両シンボルに対して合成する画像データは、乗車者等が自ら撮影するため手間が掛かるなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザがさらに容易に旅行当時の思い出を想起することができるとともに、タイムカプセルのように機能させることのできる画像音声記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、画像音声記録再生装置であって、車両内に設置され、車両の位置を検出し、検出された位置情報に基づいて目的地までの走行経路を案内するとともに、車両内の映像データ又は/及び音声データを記録して送信するナビゲーション装置と、該ナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを記録再生する記録再生装置とで構成されることを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、ナビゲーション装置で車両内の映像データ又は/及び音声データを記録するため、乗車者等が自ら撮影する必要がなく手間が省けるとともに、記録再生装置によってナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを容易に再生することができる。
【0009】
上記画像音声記録再生装置において、前記ナビゲーション装置は、乗車者に関する情報、日時に関する情報、目的地に関する情報、該目的地に至る経路に関する情報から選択される少なくとも一つを前記映像データ又は/及び音声データとともに送信し、前記記録再生装置は、前記ナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを、乗車者に関する情報、日時に関する情報、目的地に関する情報、該目的地に至る経路に関する情報から選択される少なくとも一つに基づいて記録再生することができ、所望の映像又は/及び音声をより容易に再生することができる。
【0010】
上記画像音声記録再生装置において、話者を特定する話者識別処理により、前記記録した音声データに含まれる発声から前記車両に乗車した人物を特定することができる。
【0011】
また、前記記録再生装置は、前記映像データ又は/及び音声データを、前記乗車者のうちの所定の人物の個人的な情報に基づいて記録再生することができ、乗車者のうちの所定の人物の個人的な情報に応じたきめ細かな再生を行うことができ、タイムカプセルのように機能させることもできる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、ユーザがさらに容易に旅行当時の思い出を想起することができるとともに、タイムカプセルのように機能させることのできる画像音声記録再生装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる画像音声記録再生装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の画像音声記録再生装置のナビゲーション装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1の画像音声記録再生装置の記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図2のナビゲーション装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図3の記録再生装置における記録処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図3の記録再生装置における再生処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、本発明にかかる画像音声記録再生装置を自動車等の車両に適用した場合を例にとって説明する。
【0015】
図1は、本発明にかかる画像音声記録再生装置の一実施の形態を示し、この画像音声記録再生装置1は、インターネット等のネットワーク4を介して接続されるナビゲーション装置2と、記録再生装置3とで構成される。
【0016】
ナビゲーション装置2は、例えば自動車の車内に設置され、車両の位置を検出し、検出された位置情報に基づき、ユーザによって指定された目的地までの走行経路を案内する。また、ナビゲーション装置2は、車内の映像データ及び音声データを取得するとともに、映像データ及び音声データを取得した際の日時や目的地、走行経路、乗車者等に関する情報を取得する。そして、取得した映像データ及び音声データと各種情報とを関連付け、ネットワーク4を介して所定のタイミングで記録再生装置3に転送する。
【0017】
記録再生装置3は、例えばユーザの自宅や会社などに設置されたPC(Personal Computer)やサーバであり、受信した映像データ及び音声データを、関連付けられた情報に基づき分類して記録する。
【0018】
図2は、図1に示すナビゲーション装置2の構成の一例を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置2は、大別して、撮像部11と、音声入力部12と、記録部13と、通信部14と、表示部15と、操作部16と、GPS(Global Positioning System)アンテナ17と、GPS受信部18と、時計19と、制御部20とで構成される。
【0019】
撮像部11は、例えばビデオカメラであり、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子に受光された光を撮像信号に変換する。そして、この撮像信号に対してガンマ補正やホワイトバランス調整といった所定の信号処理を施し、映像データを生成して出力する。尚、撮像部11からは撮像信号を出力し、後述の制御部20で撮像信号に対して所定の信号処理を行うようにしてもよい。
【0020】
音声入力部12は、例えばマイクロフォンであり、周囲の音声を収音し、音声データとして出力する。
【0021】
記録部13は、例えばHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリであり、地図データを記録するとともに、撮像部11から出力された映像データ及び音声入力部12から出力された音声データが記録される。尚、以下では、映像データ及び音声データを総称して、AV(Audio/Video)データと略称する。また、記録部13には、後述の音声データの解析に必要な、人物の発声の特徴を示す情報が予め記録されている。
【0022】
通信部14は、所定のプロトコルに従って記録再生装置3との無線通信を行い、後述の制御部20による制御に基づき、記録部13に記録されたAVデータをネットワーク4を介して記録再生装置3に送信する。
【0023】
表示部15は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、地図画面やメニュー画面等を表示する。表示部15としては、例えば、LCD上にタッチセンサを有するタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイを用いることができる。
【0024】
操作部16は、このナビゲーション装置2をユーザが操作するための操作子が所定に設けられ、操作子に対する操作に応じた制御信号を出力する。操作子としては、例えば、ナビゲーション装置2の電源をON/OFFするための電源キーや、現在地から目的地までの案内を設定するためのキー等が設けられる。これらの各種キーは、例えば、ナビゲーション装置2の筐体にハードウェアキーとして設けるようにしてもよいし、表示部15がタッチパネルディスプレイの場合には、各種キーがソフトウェアキーとして表示部15に表示されるようにしてもよい。
【0025】
GPS受信部18は、GPS衛星からのGPS信号をGPSアンテナ17を介して受信する。時計19は、例えば、水晶振動子の発振周波数に基づき、ナビゲーション装置2の現在の時刻情報を生成することができる。時計19は、図示されないバッテリーにより常時駆動されている。
【0026】
制御部20は、このナビゲーション装置2の全体を制御し、入力制御部21と、表示制御部22と、ナビゲーション処理部23と、撮像・収音制御部24と、記録制御部25と、情報取得部26と、通信制御部27とを有する。
【0027】
入力制御部21は、操作部16から供給されるユーザの操作に応じた制御信号に基づき入力内容や選択内容を判別し、操作信号を出力する。表示制御部22は、表示部15への画像表示を制御する。例えば、表示制御部22は、記録部13から地図データを読み出して地図画像を生成したり、操作部16に対するユーザ操作に応じて表示部15の表示画面を切り替える処理等を行う。
【0028】
ナビゲーション処理部23は、GPS受信部18で受信したGPS信号に基づき、車両の位置(緯度、経度)を示す位置情報を取得し、位置情報が示す現在位置に対応する地図データを記録部13から読み出して表示部15に対して表示させるとともに、表示された地図データ上に車両の位置を表示させる処理を行う。また、ユーザが操作部16を操作することによって目的地が設定された場合には、現在地から目的地までの走行経路を地図データから抽出し、表示部15に表示された地図データ上に表示させる処理を行う。
【0029】
撮像・収音制御部24は、撮像部11及び音声入力部12による撮像及び収音の開始/終了を制御する。撮像・収音制御部24は、例えば、ナビゲーション装置2の電源ONや、車両のエンジンのスタートを検出した場合等に撮像及び収音を開始し、ナビゲーション装置2の電源OFFや、車両のエンジンのストップを検出した場合等に撮像及び収音を終了する。
【0030】
記録制御部25は、撮像及び収音により得られたAVデータの記録部13に対する記録を制御する。情報取得部26は、AVデータを撮像及び収音した際の状況が判断できる情報を取得し、この情報をAVデータに関連付ける処理を行う。通信制御部27は、記録部13に記録されたAVデータを通信部14に供給し、通信部14における通信制御を行う。
【0031】
ここで、AVデータに関連付けられる情報について説明する。AVデータに関連付けられる情報は、撮像及び収音した際の状況が判断できる情報であり、具体的には、例えば、日時情報、目的地情報、経路情報及び乗車者情報である。
【0032】
日時情報は、AVデータを撮像及び収音した日時を示す情報であり、時計19から出力された時刻情報により取得することができる。目的地情報は、目的地を示す情報であり、ユーザにより設定された目的地に基づき取得することができる。経路情報は、現在地から目的地まで車両が走行した経路を示す情報であり、ユーザにより設定された目的地までの走行経路に基づき取得することができる。乗車者情報は、その車両に乗車した人、すなわち運転者と同乗者に関する情報であり、例えば収音された音声データを解析することにより取得することができる。具体的には、例えば音声データに含まれる発声から話者を特定する話者識別処理を行い、車両に乗車した人物を特定する。
【0033】
図3は、図1に示す記録再生装置3の構成の一例を示す。図3に示すように、記録再生装置3は、大別して、通信部31と、記録部32と、操作部33と、時計34と、制御部35とで構成される。
【0034】
通信部31は、所定のプロトコルに従ってナビゲーション装置2との無線通信を行い、ネットワーク4を介してナビゲーション装置2からAVデータを受信する。
【0035】
記録部32は、例えばHDDやフラッシュメモリであり、後述の制御部35によりAVデータが所定に分類されて記録される。例えば、記録部32は、分類に応じてフォルダが作成され、分類されたAVデータが分類結果に応じて対応するフォルダに格納される。また、記録部32には、例えば年齢や生年月日など、所定の人物の個人的な情報を示す人物情報が予め記録されている。
【0036】
操作部33は、この記録再生装置3をユーザが操作するための操作子が所定に設けられ、操作子に対する操作に応じた制御信号を出力する。操作子としては、例えば、AVデータの再生や停止を行うためのキー等が筐体にハードウェアキーとして設けられる。また、操作部33として、赤外線通信や無線通信を利用したリモートコントローラや、マウス、キーボード等を用いることもできる。
【0037】
時計34は、例えば、水晶振動子の発振周波数に基づき、記録再生装置3の現在の時刻情報を生成することができる。時計34は、バッテリー(不図示)により常時駆動されている。
【0038】
制御部35は、この記録再生装置3の全体を制御し、通信制御部41と、データ分類処理部42と、記録制御部43と、再生制御部44とを有する。通信制御部41は、通信部31における通信制御を行い、通信部31で受信したAVデータを受け取る。データ分類処理部42は、ナビゲーション装置2から受信したAVデータに関連付けられた情報(日時情報、目的地情報、経路情報、乗車者情報)に基づきAVデータを分類する。
【0039】
記録制御部43は、通信部31で受信したAVデータの記録部32への記録を制御する。AVデータを記録部32に記録する場合、記録制御部43は、分類結果に基づき対応する記録部32のフォルダに記録する。
【0040】
再生制御部44は、記録部32に記録されたAVデータの再生を制御する。再生制御部44は、記録部32からAVデータを読み出し、外部に出力する。外部には、テレビジョン受像機やモニタ装置などの表示装置が接続され、映像の表示や音声の出力が行われる。尚、これに限られず、例えば記録再生装置3に表示部を設けてもよい。
【0041】
次に、上記構成を有する画像音声記録再生装置1の動作について説明する。
【0042】
ここでは、まず、ナビゲーション装置2の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明にかかるナビゲーション装置2による処理の流れを示すフローチャートである。尚、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部20の制御の下で行われるものとする。
【0043】
ステップS1において、ナビゲーション装置2の電源ON、又はこのナビゲーション装置2が搭載された車両のエンジンのスタートを検出したか否かが判断される。ナビゲーション装置2の電源ON、又はエンジンのスタートが検出された場合には、処理がステップS2に移行する。一方、ナビゲーション装置2の電源ON、又はエンジンのスタートが検出されなかった場合には、処理がステップS1に戻る。
【0044】
ステップS2では、記録部13にAVデータが記録されているか否かが判断される。記録部13にAVデータが記録されていない場合には、撮像部11及び音声入力部12による撮像及び収音が開始される(ステップS4)。一方、記録部13にAVデータが記録されている場合には、通信部14を介してAVデータが記録再生装置3に転送され(ステップS3)、処理がステップS4に移行する。
【0045】
撮像及び収音が開始されると、制御部20は、時計19からの時刻情報に基づき、撮像及び収音を開始した日時を示す日時情報を取得する(ステップS5)。
【0046】
次に、ユーザがナビゲーション装置2の操作部16を操作することにより目的地が設定されると、制御部20は、GPS受信部18からのGPS信号に基づき位置情報を取得し、現在地から目的地までの走行経路を設定する。そして、記録部13から地図データが読み出され、対応する地図データとともに設定された走行経路が表示部15に表示される(ステップS6)。
【0047】
このとき、制御部20は、設定された目的地及び走行経路に基づき、目的地情報及び経路情報を取得する(ステップS7)。また、制御部20は、収音されて得られる音声データを解析することにより車両に乗車している人物を特定し、車両に乗車する人物を示す乗車者情報を取得する(ステップS8)。尚、音声データの解析及び乗車者情報の取得は、撮像及び収音している間、例えば所定時間毎に得られる音声データに対して継続的に行われる。
【0048】
ここで、音声データの解析方法について概略的に説明する。音声データの解析には、例えば、音声データに含まれる発声から話者を特定する話者識別処理を適用することができる。話者識別処理では、まず、特定の話者の発声が含まれた音声データからその話者の特徴を予め抽出しておき、テンプレートとして記録部13に記録させておく。そして、音声入力部12により収音された音声データを解析することによって特徴を抽出し、抽出された特徴と記録部13に記録されているテンプレートに含まれる特徴とを比較することにより、話者を特定することができる。
【0049】
ステップS9では、ナビゲーション装置2の電源OFF、又はエンジンのストップが検出されたか否かを判断する。ナビゲーション装置2の電源OFF、又はエンジンのストップが検出された場合には、処理がステップS10に移行し、撮像部11及び音声入力部12による撮像及び収音が終了する。一方、ナビゲーション装置2の電源OFF、又はエンジンのストップが検出されなかった場合には、処理がステップS9に戻る。
【0050】
撮像及び収音が終了すると、得られたAVデータに対して各種情報(日時情報、目的地情報、経路情報、乗車者情報)が関連付けられ(ステップS11)、記録部13に記録される(ステップS12)。そして、処理がステップS1に戻り、ステップS1からステップS12までの処理が巡回的に繰り返し行われる。
【0051】
尚、上述の例では、ステップS8における音声データの解析及び乗車者情報の取得処理を、収音中に継続的に行うように説明したが、これはこの例に限られない。例えば、ステップS10における撮像及び収音を終了した後に、音声データの解析及び乗車者情報の取得処理を行ってもよい。
【0052】
次に、記録再生装置3の動作について、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0053】
まず、記録再生装置3によるAVデータの記録処理について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明にかかる記録再生装置3による記録処理の流れを示すフローチャートである。尚、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部35の制御の下で行われるものとする。
【0054】
ネットワーク4を介してナビゲーション装置2からAVデータを受信すると(ステップS21)、制御部35は、受信したAVデータから、関連付けられた各種情報(日時情報、目的地情報、経路情報、乗車者情報)を抽出し(ステップS22)、抽出された情報に基づきAVデータを分類する(ステップS23)。
【0055】
ここで、図5に示すステップS23によるAVデータの分類方法について説明する。
【0056】
AVデータの分類は、操作部33に対するユーザ操作により任意に設定され、日時による分類、旅行やドライブなどのイベントによる分類、乗車している人物による分類など、様々な分類が考えられる。このような場合、制御部35は、ユーザ設定に基づき、AVデータに関連付けられた各種情報から分類に適した情報を参照して、AVデータを分類する。例えば、AVデータに関連付けられた情報が日時情報、目的地情報、経路情報及び乗車者情報である場合において、AVデータを日時毎に分類する場合には、日時情報を参照し、イベント毎に分類する場合には、目的地情報及び/又は経路情報を参照する。また、例えば、AVデータを人物毎に分類する場合には、乗車者情報を参照する。
【0057】
尚、AVデータを分類する際には、これらの複数の分類のうち一つの分類を選択してもよいし、複数の分類方法を組み合わせてもよい。例えば、日時情報及び乗車者情報を参照し、AVデータを日時及び人物で分類するようにしても良い。
【0058】
図5に戻り、ステップS23でAVデータが分類されると、制御部35は、分類結果に基づきAVデータを記録部32に記録する(ステップS24)。記録部32には、ユーザにより設定された分類に対応するフォルダが作成され、AVデータが記録される。例えば、ユーザにより日時毎に分類するように設定された場合には、記録部32に日付を名称として付したフォルダが作成される、イベント毎に分類するように設定された場合には、イベントや目的地を名称として付したフォルダが作成される。また、例えば、ユーザにより人物別に分類するように設定された場合には、人物名を名称として付したフォルダが作成される。そして、各々の名称に対応するAVデータが各フォルダに記録される。
【0059】
ところで、ナビゲーション装置2を搭載した車内には、複数の人物が存在することが考えられる。そのため、AVデータを解析することにより、1つのAVデータから複数の人物が特定されることになる。すなわち、AVデータを人物別に分類した場合には、1つのAVデータが複数の人物に対応付けられる。
【0060】
そこで、このような場合には、特定された複数の人物に対応する各々のフォルダに対して、このAVデータを格納する。例えば、AVデータを人物別に分類する場合において、AVデータから人物A、人物B及び人物Cの3人が特定されたときには、人物A、人物B及び人物Cの各々のフォルダにAVデータが格納される。
【0061】
次に、記録再生装置3によるAVデータの再生処理について、図6を参照しながら説明する。本発明にかかる記録再生装置3では、ユーザが操作部33を操作することにより、再生する映像及び/又は音声の条件が指定された場合に、指定された条件に対応するAVデータを記録部32から読み出して再生する。
【0062】
図6は、本発明にかかる記録再生装置3による再生処理の流れを示すフローチャートである。尚、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部35の制御の下で行われるものとする。ユーザにより条件が指定されると(ステップS31)、制御部35は、記録部32に記録されたAVデータの中から、条件に対応するAVデータを検索する(ステップS32)。
【0063】
このとき、ユーザによって指定される条件は、例えば、記録の際の分類に基づき行われる。例えば、AVデータが日時によって分類されている場合には、条件として日時が指定され、イベントによる分類がなされている場合には、条件としてイベントや目的地が指定される。また、例えば、人物による分類がなされている場合には、条件として人物名が指定される。
【0064】
制御部35は、指定された条件に基づき、記録部32のフォルダを参照し、条件に応じたフォルダに格納されたAVデータを読み出す(ステップS33)。例えば、制御部35は、撮像及び収音された日時や、イベント、特定の人物名などがユーザによって指定されると、指定された条件に基づき、記録部32内の対応するフォルダに格納されたAVデータを読み出す。そして、制御部35は、読み出されたAVデータを外部の再生装置に対して出力し(ステップS34)、一連の処理を終了する。尚、再生方法としては、上述した再生方法に限らず、例えば、ユーザがAVデータを直接的に指定することによって再生を行うようにしてもよい。
【0065】
また、記録再生装置3では、人物の個人情報に基づき映像及び/又は音声を再生することもできる。例えば、AVデータを人物毎に分類した場合には、各々の人物の誕生日や年齢などの個人情報を予め登録しておき、AVデータを記録部32に記録する際に、この個人情報とAVデータとを関連付ける。
【0066】
そして、この個人情報を利用し、例えば、所定の人物の誕生日以降に初めて再生処理を行った場合には、その誕生日に対応する過去のAVデータを読み出して出力する。これにより、例えば、AVデータを再生する際には、「お誕生日おめでとう!」や「○○さんの5歳の映像/音声です。」といった表示とともに、映像及び/又は音声を再生することもできる。
【0067】
また、例えば、子供が小学校6年生の時の車での家族温泉旅行や、子供が小学校3年生の時の車での家族スキー旅行等の時に、自動的に録音録画された車内の様子や音声とともに、今まで忘れていた細かいことも思い出してリアルなその時を想起することができる。
【0068】
尚、ここでは、記録再生装置3による記録及び再生動作について説明したが、記録再生装置3による動作としては、これ以外に、記録されたAVデータを削除したり、AVデータの編集等を行うことも可能である。
【0069】
また、上述の例では、乗車者情報の取得をナビゲーション装置2によって行うように説明したが、これに限らず、例えば記録再生装置3側で行ってもよい。具体的には、例えば、記録再生装置3は、人物の発声の特徴を示す情報を記録部32に予め登録しておき、この情報に基づいて、受信したAVデータに含まれる音声データの解析を行い、乗車者情報を取得する。これにより、ナビゲーション装置2側での処理にかかる負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 画像音声記録再生装置
2 ナビゲーション装置
3 記録再生装置
4 ネットワーク
11 撮像部
12 音声入力部
13 記録部
14 通信部
15 表示部
16 操作部
17 GPSアンテナ
18 GPS受信部
19 時計
20 制御部
21 入力制御部
22 表示制御部
23 ナビゲーション処理部
24 撮像・収音制御部
25 記録制御部
26 情報取得部
27 通信制御部
31 通信部
32 記録部
33 操作部
34 時計
35 制御部
41 通信制御部
42 データ分類処理部
43 記録制御部
44 再生制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に設置され、車両の位置を検出し、検出された位置情報に基づいて目的地までの走行経路を案内するとともに、車両内の映像データ又は/及び音声データを記録して送信するナビゲーション装置と、
該ナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを記録再生する記録再生装置とで構成されることを特徴とする画像音声記録再生装置。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置は、乗車者に関する情報、日時に関する情報、目的地に関する情報、該目的地に至る経路に関する情報から選択される少なくとも一つを前記映像データ又は/及び音声データとともに送信し、
前記記録再生装置は、前記ナビゲーション装置から受信した映像データ又は/及び音声データを、乗車者に関する情報、日時に関する情報、目的地に関する情報、該目的地に至る経路に関する情報から選択される少なくとも一つに基づいて記録再生することを特徴とする請求項1に記載の画像音声記録再生装置。
【請求項3】
話者を特定する話者識別処理により、前記記録した音声データに含まれる発声から前記車両に乗車した人物を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像音声記録再生装置。
【請求項4】
前記記録再生装置は、前記映像データ又は/及び音声データを、前記乗車者のうちの所定の人物の個人的な情報に基づいて記録再生することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像音声記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−105174(P2012−105174A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253536(P2010−253536)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(500017678)株式会社ソフトウェア・ファクトリー (8)
【Fターム(参考)】