説明

画面共有表示システム、画面共有表示方法、およびプログラム

【課題】画面共有機能において、送信側端末上の共有ウィンドウサイズと各受信端末上の共有ウィンドウのサイズが異なる場合に、画面を見にくくすることなく、送信側端末において受信側端末の表示状況を把握できるようにする。
【解決手段】複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示システム10であって、共通画面の操作権を有する送信側端末100と共通画面の操作権が無い受信側端末200を備え、受信側端末200は、自端末で表示されている共通画面の領域を示す表示エリア情報を取得し、表示エリア情報を送信側端末100に供給する表示エリア検知部405を備え、送信側端末100は、受信側端末200から供給された表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定し、自端末の画面上に共通表示エリアを表示する、共通表示エリア枠制御部304を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面共有表示システム、画面共有表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔にある複数の端末間で、ある端末の共有ウィンドウ上の画面を他の端末に送信し、他の端末の共有ウィンドウ上にも同じ画面を表示することにより、画面を送信側と受信側で共有することができる画面共有機能が知られている。この機能はすでに多くのWeb会議システムなどに実装されている。
【0003】
Web会議システムで画面共有機能を利用する際、各端末のディスプレイの大きさが異なることや、各ユーザが各々の画面上でさまざまなアプリケーションを起動しながら会議に参加することから、端末間で共有ウィンドウのサイズが異なっている場合が多い。このため、送信側端末と受信側端末で表示されている共有画面が一致せず、会議進行が滞る場合があった。
【0004】
例えば特許文献1に記載されたウィンドウ共有システムでは、操作権を持っている端末の共有ウィンドウサイズに合わせて他の端末の共有ウィンドウサイズを変更することによって、共有画面の可視エリアが一致するように制御している。
【0005】
また、特許文献2に記載されたウィンドウ表示制御装置では、操作権を持っている端末上の共有ウィンドウの配置、サイズ、タイトル等を簡略化して受信側端末上に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−185302号公報
【特許文献2】特開2000−259535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の方法では、受信側端末がもともと大きいウィンドウサイズで表示していても、送信側端末のウィンドウサイズが小さければ受信側も小さくされてしまうため、逆に見にくくなってしまうという問題がある。
また、特許文献2の方法では、操作権を持っている送信側端末のユーザが受信側端末の共有ウィンドウの表示状態を把握することはできないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、画面共有機能において、送信側端末上の共有ウィンドウサイズと各受信端末上の共有ウィンドウのサイズが異なる場合に、画面を見にくくすることなく、送信側端末において受信側端末の表示状況を把握できるようにすることを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画面共有表示システムは、複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示システムであって、前記共通画面の操作権を有する送信側端末と前記共通画面の操作権が無い受信側端末を備え、前記受信側端末は、自端末で表示されている前記共通画面の領域を示す表示エリア情報を取得し、前記表示エリア情報を前記送信側端末に供給する表示エリア検知部を備え、前記送信側端末は、前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定し、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する、共通表示エリア枠制御部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、送信側端末上の共有ウィンドウサイズと各受信端末上の共有ウィンドウのサイズが異なる場合に、画面を見にくくすることなく、送信側端末において受信側端末の表示状況を把握できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態による、画面共有表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による、送信側端末の動作のフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態による、受信側端末の動作のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態による、送信側端末の動作のフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態による、受信側端末の動作のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態による、送信側端末と受信側端末に表示される共有ウィンドウの例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態による、送信側端末と受信側端末に表示される共有ウィンドウの例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態による、送信側端末と受信側端末に表示される共有ウィンドウの例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態による、送信側端末と受信側端末に表示される共有ウィンドウの例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態による、送信側端末と受信側端末に表示される共有ウィンドウの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による画面共有表示システム10の構成を示すブロック図である。図に示すように、画面共有表示システム10は、送信側端末100と受信側端末200を備えている。送信側端末100と受信側端末200は通信ネットワークを介して接続されている。送信側端末100は送信側端末100における共有ウィンドウの操作権を有している。
【0013】
送信側端末100と受信側端末200は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバスを備える専用又は汎用のコンピュータを適用することができる。また、送信側端末100と受信側端末200は、単一のコンピュータにより構成されるものであっても、通信回線を介して互いに接続された複数のコンピュータにより構成されるものであってもよい。また、受信側端末200は複数含まれていてもよい。
【0014】
送信側端末100と受信側端末200は、それぞれ画面共有装置300と画面共有装置400を備えている。
送信側端末100の画面共有装置300は、通信部301、共有ウィンドウ表示部302、画面キャプチャ部303、共通表示エリア枠制御部304、最大表示エリア枠制御部305、及び最大表示エリア枠移動検知部306を備えている。
【0015】
通信部301、共有ウィンドウ表示部302、画面キャプチャ部303、共通表示エリア枠制御部304、最大表示エリア枠制御部305、及び最大表示エリア枠移動検知部306は、送信側端末100のCPUがROM等に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される機能のモジュールに相当する。
【0016】
受信側端末200の画面共有装置400は、通信部401、共有ウィンドウ表示部402、画面表示部403、表示エリア制御部404、及び表示エリア検知部405を備えている。通信部401、共有ウィンドウ表示部402、画面表示部403、表示エリア制御部404、及び表示エリア検知部405は、受信側端末200のCPUがROM等に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される機能のモジュールに相当する。
【0017】
送信側端末100の各部の機能について説明する。
通信部301は、受信側端末200との間で画面データ等を送受信する機能を有する。
共有ウィンドウ表示部302は、受信側端末200と共有したい画面を囲むように共有ウィンドウを表示する機能を有する。
【0018】
画面キャプチャ部303は、共有ウィンドウ上の画面をキャプチャする機能を有する。
共通表示エリア枠制御部304は、全ての受信側端末200で共通して表示している共通表示エリアを特定し、共有ウィンドウ上に表示する。
【0019】
最大表示エリア枠制御部305は、受信側端末200から受信した表示エリア情報に基づいて最大表示エリアを算出し、共有ウィンドウ上に最大表示エリア枠を表示する。
最大表示エリア枠移動検知部306は、最大表示エリア枠の移動を検知した時に、受信側端末200へ移動後の表示エリア情報を送信する機能を有する。
【0020】
受信側端末200の各部の機能について説明する。
通信部401は、送信側端末100との間で画面データ等を送受信する機能を有する。
【0021】
共有ウィンドウ表示部402は、送信側端末100から送信されてきた共有画面データを共有ウィンドウ上に等倍で表示する機能を有する。なお、共有ウィンドウはサイズが可変であり、スクロールによって受信側端末200のユーザが自由に共有画面の表示エリアを変更することができる。
【0022】
画面表示部403は、共有画面データを共有ウィンドウ上へ表示する。
表示エリア制御部404は、送信側端末100から受信した表示エリア情報に基づいて、表示エリアを変更する自動スクロール機能を有する。
【0023】
表示エリア検知部405は、共有ウィンドウ上に表示している共有画面の中で、ユーザが視認できるエリアを示す表示エリア情報(座標、サイズ)を検知し、その表示エリア情報を送信側端末100に送信する機能を有する。
【0024】
次に、画面共有表示システム10の動作について図2〜10を用いて説明する。図2,4は、送信側端末100の動作のフローチャートであり、図3,5は、受信側端末200のフローチャートである。また、図6〜10は、送信側端末100と受信側端末200に表示される共有ウィンドウの例を示す図である。なお、図6〜10には、受信側端末200が3つの場合の例が示されている。各々の受信側端末200は、端末1、端末2、端末3で示されている。
【0025】
図6は、送信側端末100と受信側端末200の共有ウィンドウのサイズが異なるときの状態を示している。送信側端末100では、共有ウィンドウ表示部302が受信側端末200と共有したい画面(「1」〜「9」の番号が表示されている矩形領域;以下、共有画面と記す。)を囲むように共有ウィンドウを設定する。
【0026】
次に、送信側端末100では、画面キャプチャ部303が共有ウィンドウ上の共有画面をキャプチャし、通信部301を介してネットワークを通じて受信側端末に送信する。受信側端末200では、通信部401において共有画面を受信し、画面表示部403が共有ウィンドウ表示部402によって表示された共有ウィンドウ上に共有画面を表示する。
【0027】
このとき、端末1〜3はそれぞれ送信側端末100と共有ウィンドウのサイズが異なるため、スクロールバーが表示される。さらに、受信側端末200のユーザは自由にスクロールバーを操作できるため、表示されるエリアは端末ごとに異なっている。図6の例では、端末1で「2」、「3」、「5」、「6」、端末2で「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」、端末3で「2」、「5」というように、それぞれ異なるエリアが表示されている。
【0028】
次に、図2,3,7を用いて共通表示エリア枠の表示処理について説明する。
各々の受信側端末200では、表示エリア検知部405において、共有ウィンドウ上に表示されている表示エリア情報(座標、サイズ)を検知し(図3;ステップS31)、通信部401を介してその表示エリア情報を送信側端末100に送信する(ステップS32)。
【0029】
送信側端末100は、受信側端末200の表示エリア情報を定期的に取得し、全ての受信側端末200で共通して表示している共通表示エリアを特定する。
【0030】
送信側端末100の処理について図2を用いて詳しく説明する。
送信側端末100では、保持している共通表示エリア情報を初期化した後(ステップS21)、1つの受信側端末200の表示エリア情報を受信する(ステップS22)。
次に、共通表示エリア枠制御部304において、受信した表示エリアに保持している共通表示エリアが完全に含まれているか否かを判定する(ステップS23)。保持している共通表示エリアが完全に含まれている場合(YES)には、ステップS25に移行し、全ての受信側端末200から表示エリア情報を受信していない場合にはステップS22へ戻る。
【0031】
一方、共通表示エリアが完全に含まれていない場合(ステップS23;NO)には、ステップS24へ移行し、共通表示エリアを更新してステップS25へ進む。
全ての受信側端末200からの表示エリア情報を受信したら(ステップS25;YES)、共通表示エリア枠制御部304は保持している共通表示エリアを囲む枠(共通表示エリア枠)を送信側端末100の画面に表示する。
【0032】
図7の例を用いて具体的に説明する。まず端末1からの表示エリア情報(「2」、「3」、「5」、「6」)を受信した時点では共通表示エリアは「2」、「3」、「5」、「6」を含むエリアとなる。次に端末2からの表示エリア情報(「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」)を受信すると、共通表示エリアは「2」、「5」を含むエリアに更新される。最後に端末3からの表示エリア情報(「2」、「5」)を受信すると、端末3の表示エリアには保持している共通表示エリア(「2」、「5」)が完全に含まれているため、共通表示エリアは「2」、「5」を含むエリアに特定される。この結果、送信側端末100の画面には、図7に示すように、「2」、「5」を囲む共通表示エリア枠が表示される。
【0033】
このように、3つの受信側端末で共通して表示されているエリアを枠で示すことによって、送信側端末100のユーザは受信側端末200の共有ウィンドウ上でどのエリアが表示されているか確認することができ、会議等で円滑に説明を行うことが可能となる。
【0034】
次に、図4,5,8を用いて最大表示エリア枠の表示処理について説明する。
各々の受信側端末200では、表示エリア検知部405において、共有ウィンドウ上に表示されている表示エリア情報(座標、サイズ)を検知し(図5;ステップS51)、通信部401を介してその表示エリア情報を送信側端末100に送信する(ステップS52)。
【0035】
送信側端末100は、受信側端末200の表示エリア情報を定期的に取得し、各々の受信側端末200で表示している表示エリア情報の最小の幅、及び最小の高さを求め、その幅と高さを最大表示エリア枠のサイズとする。
【0036】
送信側端末100の処理について図4を用いて詳しく説明する。
送信側端末100では、保持している最大表示エリアサイズ情報を初期化した後(ステップS41)、1つの受信側端末200の表示エリア情報を受信する(ステップS42)。
次に、最大表示エリア枠制御部305において、受信した表示エリアの幅及び高さと保持している最大表示エリアサイズの幅及び高さを比較し(ステップS43)幅又は高さが小さい場合(YES)には、ステップS44に移行し、最大表示エリアサイズを更新してステップS45へ移行する。幅及び高さともに最大表示エリアサイズ以上の場合(NO)は、ステップS45へ移行する。
【0037】
ステップS45ではマップを更新する。マップは、後工程のステップS47において、各受信側端末200において最も多く表示されているエリアを特定する際に用いられる。マップの作成方法と最も多く表示されているエリアの特定方法については後述する。
【0038】
次に、ステップS46へ移行し、全ての受信側端末200から表示エリア情報を受信していない場合(NO)にはステップS42へ戻る。全ての受信側端末200からの表示エリア情報を受信したら(YES)ステップS47へ移行する。次に、最大表示エリア枠制御部305は、各受信側端末200において最も多く表示されているエリアを特定し(ステップS47)、送信側端末100の画面上で、その特定された位置に最大表示エリアサイズの枠(最大表示エリア枠)を表示する(ステップS48)。
【0039】
図8の例を用いて具体的に説明する。まず端末1からの表示エリア情報(「2」、「3」、「5」、「6」)を受信した時点では最大表示エリアサイズは幅が2、高さが2となる。次に端末2からの表示エリア情報(「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」)を受信した時点では、幅、高さ共に最大表示エリアサイズ以上のため、最大表示エリアサイズは幅が2、高さが2のまま保持される。最後に端末3からの表示エリア情報(「2」、「5」)を受信すると、端末3の表示エリアの幅は1であるため、最大表示エリアサイズは幅が1、高さが2に更新される。さらに、最大表示エリア枠制御部305は、各受信側端末200で最も多く表示されているエリアを特定する。
【0040】
図9を用いて、各受信側端末200で最も多く表示されているエリアを求める方法を説明する。まず、送信側端末100の画面上に受信側端末200から受信した表示エリアを重ね、重なった領域の各座標にそれぞれ1ポイントを加算する。この処理を図4のステップ45において各受信側端末200について行う。全ての受信側端末200の表示エリアを重ねると、ある座標を表示している受信側端末200が1つであれば、その座標のポイントは1、表示している受信側端末200が2つであれば2となる。このようにして、ポイントの高いエリアと低いエリアを示すマップが作成できる。作成したマップ上で、最大表示エリア枠を配置したきに枠内のポイントの合計が最も高くなるエリアを、最も多く表示されているエリアとする。
【0041】
最大表示エリアサイズは、各々の受信側端末200の共有ウィンドウサイズ以下であるため、各受信側端末200においてスクロールにより表示エリアの座標を調節すれば、どの受信側端末200でも表示可能なサイズである。同時に、共通表示エリアとして表示可能な最大のサイズでもある。
【0042】
なお、最大表示エリア枠の表示位置は、上記のように各々の受信側端末200で最も多く表示されているエリアでもよいし、左上隅などの決まった座標位置でもよい。
【0043】
次に、図10を用いて、送信側端末100で最大表示エリア枠を移動したときの動作について説明する。送信側端末100のユーザが最大表示エリア枠を移動(枠をドラッグ)すると、最大表示エリア枠移動検知部306が移動を検知し、移動先のエリア情報が通信部301を介して受信側端末200の表示エリア制御部400へ送信される。
【0044】
受信側端末200の表示エリア制御部404は、受信したエリアを表示できるように共有ウィンドウの自動スクロールを実行する。最大表示エリア枠のサイズは全ての受信側端末200で表示可能なサイズであるため、スクロールすれば必ず表示が可能である。スクロールは送信側端末100によって指定された最大表示エリア枠内のエリアを表示するために必要な最小限のスクロールにしてもよいし、表示エリアの左上隅を指定された最大表示エリアの左上隅と合わせるようにしてもよい。
【0045】
以上のように、送信側端末100において最大表示エリア枠を表示することによって、送信側端末100のユーザは、全ての受信側端末200で共通表示エリアとして表示可能な最大のサイズを確認することができる。さらに、送信側端末100において最大表示エリア枠の位置を指定すると、各受信側端末200において、指定された位置を表示するよう自動スクロールが行われるため、送信側端末100のユーザが共通表示エリアとして表示したいエリアが、各受信側端末200において自動的に表示される。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、表示エリア検知部405によって受信側端末200の表示エリア情報を送信側端末100に通知し、共通表示エリア枠制御部304によって送信側端末100の画面に共通表示エリア枠を表示するようにしたので、送信側端末200のユーザが受信側端末200の共有ウィンドウ上で表示されている内容を確認することが可能となる。特に、受信側端末200が複数ある場合には、全ての受信側端末200で表示されている共通部分が表示されるので、受信側端末が多数になっても、送信側端末100のユーザは全ての受信側端末200のユーザが見ている内容を簡単に知ることができる。
【0047】
また、最大表示エリア枠制御部305によって送信側端末100の画面に最大表示エリア枠を表示するようにしたので、送信側端末100のユーザが強制的に受信側端末200における表示エリアを制御する際に、表示可能なサイズを確認することが可能である。
【0048】
また、送信側端末100のユーザが最大表示エリア枠を移動することによって表示エリアを指定すると、最大表示エリア枠移動検知部306がそれを検知して受信側端末200に指定されたエリアが通知される。そして、受信側端末200においては、表示エリア制御部404が自動スクロールを実行し、指定されたエリアを表示するようにしたので、送信側端末100のユーザが容易に受信側端末200の表示エリアを制御し、共通表示エリアの最大化を図ることが可能となる。
【0049】
また、最大表示エリア枠を受信側端末200で最も多く表示されているエリアに配置するようにすれば、送信側端末100が受信側端末200の表示エリアを制御する際に、表示位置を無用に大きく移動させる必要がない。
【0050】
なお、本実施形態の変形例として下記のものが挙げられる。
送信側端末100において、共通表示エリアを固定できるようにしてもよい。また、そのとき、受信側端末200では、指定された共通表示エリアが最低限表示されるようにスクロールできる範囲を制限するようにしてもよい。
これにより、共有ウィンドウの大きい受信側端末200では、共通表示エリアを常に表示しながらスクロールの自由度を維持することが可能となる。
【0051】
また、送信側端末100において、共通表示エリア枠及び最大表示エリア枠は常に表示しなくてもよく、ボタンクリック等の操作により表示されるようにしてもよい。
【0052】
また、受信側端末200の表示エリアのサイズに閾値を設け、共通表示エリア枠及び最大表示エリア枠を特定する際、閾値よりも表示エリアが小さい受信側端末200の表示エリア情報は無視するようにしてもよい。これにより、極端に表示エリアが小さい受信側端末200の情報は考慮にいれずに処理することができる。
【0053】
また、共通表示エリア枠及び最大表示エリア枠を特定する際、各受信側端末200からの表示エリア情報を、表示エリアのサイズの大きいものから順にソートし、予め設定した端末数までの情報を用いるようにしてもよい。これにより、少数の受信側端末200の表示エリアが小さい場合に、それらの影響を排除することができる。
【0054】
また、共通表示エリアを枠で示す代わりに、共通表示エリアの外の部分に、半透明のウィンドウを重ねて表示するようにしてもよい。
【0055】
また、共通表示エリアを受信側端末200にも表示して、参加ユーザ全員で共通表示エリアを確認できるようにしてもよい。
【0056】
また、最大表示エリア枠の移動方法は、枠のドラッグに限られず、移動先の座標をクリックして示す方法でもよい。
【0057】
なお、送信側端末100から特定の受信側端末200への操作権の譲渡機能は画面共有機能に一般的に実装されており、共有している画面へのマウス操作やキーボード操作は操作権を取得した受信側端末200で実行することができるようになる。その場合、操作権を取得した受信側端末200のウィンドウ上にも共通表示エリア枠及び最大表示エリア枠を表示することによって、本実施形態と同様の効果が得られる。また、操作権を取得した受信側端末200が画面をスクロールした場合、送信側端末100の共通表示エリアが移動するとともに、他の受信側端末200でも自動スクロールを実行する。
【0058】
本発明は、Web会議システムなど、複数の端末で画面共有機能を利用するシステム場合に適している。
【0059】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示システムであって、
前記共通画面の操作権を有する送信側端末と前記共通画面の操作権が無い受信側端末を備え、
前記受信側端末は、
自端末で表示されている前記共通画面の領域を示す表示エリア情報を取得し、前記表示エリア情報を前記送信側端末に供給する表示エリア検知部を備え、
前記送信側端末は、
前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定し、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する、共通表示エリア枠制御部を備えた、画面共有表示システム。
【0060】
(付記2)前記受信側端末を複数備え、
前記送信側端末の前記共通表示エリア枠制御部は、
各々の前記受信側端末から前記表示エリア情報を取得し、全ての受信側端末で共通して表示されている領域を前記共通表示エリアとして表示する、付記1に記載の画面共有表示システム。
【0061】
(付記3)前記送信側端末は、
前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて、前記受信側端末で表示可能な最大の表示エリアサイズを算出し、自端末の画面上に、算出されたサイズの最大表示エリアを表示する最大表示エリア枠制御部を備えた、付記1または2に記載の画面共有表示システム。
【0062】
(付記4)前記送信側端末は、
ユーザの操作により画面上で前記最大表示エリアの位置が変更されたことを検知し、前記受信側端末に、変更後の前記最大表示エリアの位置を通知する最大表示エリア枠移動検知部を備え、
前記受信側端末は、
前記送信側端末から通知された変更後の前記最大表示エリアを表示するように、ウィンドウのスクロールを実行する表示エリア制御部を備えた、付記3に記載の画面共有表示システム。
【0063】
(付記5)前記送信側端末の最大表示エリア枠制御部は、
前記受信側端末において最も多く表示されているエリアを算出し、そのエリアを含む位置に前記最大表示エリアを表示する、付記3または4に記載の画面共有表示システム。
【0064】
(付記6)複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示方法であって、
前記共通画面の操作権が無い受信側端末が、自端末で表示されている前記共通画面の領域を示す表示エリア情報を取得する工程と、
前記受信側端末が、前記表示エリア情報を前記共通画面の操作権を有する送信側端末に供給する工程と、
前記送信側端末が、前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定する工程と、
前記送信側端末が、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する工程と、を備えた画面共有表示方法。
【0065】
(付記7)コンピュータを、
複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示システムにおける、前記共通画面の操作権を有する送信側端末として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記共通画面の操作権が無い受信側端末から供給された、前記受信側端末で表示されている前記共通画面の領域を示す前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定し、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する、共通表示エリア枠制御部、として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0066】
10 画面共有表示システム、100 送信側端末、200 受信側端末、300 画面共有装置、301 通信部、302 共有ウィンドウ表示部、303 画面キャプチャ部、304 共通表示エリア枠制御部、305 最大表示エリア枠制御部、306 最大表示エリア枠移動検知部、400 画面共有装置、401 通信部、402 共有ウィンドウ表示部、403 画面表示部、404 表示エリア制御部、405 表示エリア検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示システムであって、
前記共通画面の操作権を有する送信側端末と前記共通画面の操作権が無い受信側端末を備え、
前記受信側端末は、
自端末で表示されている前記共通画面の領域を示す表示エリア情報を取得し、前記表示エリア情報を前記送信側端末に供給する表示エリア検知部を備え、
前記送信側端末は、
前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定し、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する、共通表示エリア枠制御部を備えた、画面共有表示システム。
【請求項2】
前記受信側端末を複数備え、
前記送信側端末の前記共通表示エリア枠制御部は、
各々の前記受信側端末から前記表示エリア情報を取得し、全ての受信側端末で共通して表示されている領域を前記共通表示エリアとして表示する、請求項1に記載の画面共有表示システム。
【請求項3】
前記送信側端末は、
前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて、前記受信側端末で表示可能な最大の表示エリアサイズを算出し、自端末の画面上に、算出されたサイズの最大表示エリアを表示する最大表示エリア枠制御部を備えた、請求項1または2に記載の画面共有表示システム。
【請求項4】
前記送信側端末は、
ユーザの操作により画面上で前記最大表示エリアの位置が変更されたことを検知し、前記受信側端末に、変更後の前記最大表示エリアの位置を通知する最大表示エリア枠移動検知部を備え、
前記受信側端末は、
前記送信側端末から通知された変更後の前記最大表示エリアを表示するように、ウィンドウのスクロールを実行する表示エリア制御部を備えた、請求項3に記載の画面共有表示システム。
【請求項5】
前記送信側端末の最大表示エリア枠制御部は、
前記受信側端末において最も多く表示されているエリアを算出し、そのエリアを含む位置に前記最大表示エリアを表示する、請求項3または4に記載の画面共有表示システム。
【請求項6】
複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示方法であって、
前記共通画面の操作権が無い受信側端末が、自端末で表示されている前記共通画面の領域を示す表示エリア情報を取得する工程と、
前記受信側端末が、前記表示エリア情報を前記共通画面の操作権を有する送信側端末に供給する工程と、
前記送信側端末が、前記受信側端末から供給された前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定する工程と、
前記送信側端末が、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する工程と、を備えた画面共有表示方法。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の端末間で共通画面を共有する画面共有表示システムにおける、前記共通画面の操作権を有する送信側端末として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記共通画面の操作権が無い受信側端末から供給された、前記受信側端末で表示されている前記共通画面の領域を示す前記表示エリア情報に基づいて共通表示エリアを特定し、自端末の画面上に前記共通表示エリアを表示する、共通表示エリア枠制御部、として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−73249(P2013−73249A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209467(P2011−209467)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】