画面提供装置、画面提供方法、およびプログラム
【課題】ユーザにとって使い勝手がよい操作画面を提供する。
【解決手段】画面生成部24は、操作回数情報DB22から、提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、提供先ユーザが属するグループの各機能項目の操作回数とを取得する。画面生成部24は、取得した提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、グループの各機能項目の操作回数とに基づいて、提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を選択し、選択した機能項目を含む操作画面を生成する。
【解決手段】画面生成部24は、操作回数情報DB22から、提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、提供先ユーザが属するグループの各機能項目の操作回数とを取得する。画面生成部24は、取得した提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、グループの各機能項目の操作回数とに基づいて、提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を選択し、選択した機能項目を含む操作画面を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの機能項目を含む操作画面を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この分野の従来の技術において、操作画面をユーザの使用履歴に応じて変更することで、ユーザの使いやすさを向上させるシステムが提案されている。
【0003】
特許文献1には、ユーザの使用履歴を用いた初動設定画面の表示を行い、ユーザによる操作態様をユーザ履歴として格納して評価し、評価値に基づいてユーザによる自発的意志により初動設定画面を更新するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ユーザごとに環境情報がサーバコンピュータによって維持され、ユーザがどのクライアントを用いてサーバコンピュータに要求を出しても、そのユーザに対する環境情報を含んだモジュールがクライアントに送信されるシステムが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、次のような入力支援装置が開示されている。まず、ユーザがサービスを受けるために入力が必要となる入力項目のうち、クライアント端末による入力が必須となる最低限の必須入力項目と画面遷移に係る情報の選択情報とをクライアント端末に対して送信する。また、ユーザに入力を求めなかったその他の入力項目については、クライアント端末から上述の必須入力項目に対する入力事項と、今までクライアント端末から入力された情報が蓄積されているトランザクション学習テーブルの情報とを参照することにより入力する。
【0006】
以上、各特許文献では、各ユーザの使用履歴に基づいて、各ユーザに提供する操作画面等をそれぞれユーザごとに変更する。しかし、例えば、初心者のユーザに操作画面を提供する場合、そのユーザの使用履歴が存在しない。そのため、そのようなユーザにはそのユーザの使用履歴とは関係がない予め定められている操作画面が提供される。しかし、その予め定められている操作画面がそのユーザにとって使い勝手のよい操作画面とは限らない。
【0007】
また、ユーザが複数の他ユーザと、決められたある目標に向かって協調して作業を行っていく協調作業場では、その場に関与している複数のユーザによってその場の進め方が大きく異なり、優先順位が高い操作もまた異なってくる。そのため、ユーザが複数の場にアサインされている場合、場によって設定された設定画面が使い難くなる、もしくは、その場の進め方によって操作画面の設定を再度変更する作業が必要となるなどの作業が発生し、ユーザに余計な作業を強いることになる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−202172号公報
【特許文献2】特開2001−265472号公報
【特許文献3】特開2002−169822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、よりユーザにとって状況に併せ使い勝手がよい操作画面を提供可能なプログラム、画面提供装置、および操作画面提供方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供装置として、コンピュータシステムを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータシステムを、各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得する操作回数取得部と、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する機能項目決定部と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、機能項目決定部が、提供先ユーザの各機能項目の操作回数と関連ユーザの各機能項目の操作回数と基づいて、提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する。これにより、提供先ユーザの使用態様以外にも関連ユーザの使用態様も考慮して、操作画面に表示させる機能項目を決定することができるため、ユーザにとってさらに使い勝手がよい操作画面を動的に提供することができる。
【0012】
また、本発明によれば提供先ユーザが複数の協調作業を行う場にアサインされていた場合に、各場の提供先ユーザ、関連ユーザの情報に基づいて、操作画面を動的に提供することができる。
【0013】
さらに、関連ユーザには提供先ユーザが所属するグループに在籍する他ユーザ、関連ユーザが所属するグループに在籍する他ユーザも含まれる。これにより、複数のグループ同士が影響を及ぼしあう観点を含めた操作画面を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態について(以下、実施形態とする)、以下図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態における機能提供システムの全体構成を示す図である。画面提供装置10は、ユーザからの指示に応じて機能実行装置50に所望の機能を実行させるための操作画面を操作装置30に提供する。操作装置30は、表示装置(図示せず)を備え、画面提供装置10から提供された操作画面を表示装置に表示する。操作装置30は、操作画面を介してユーザからの指示を受け付けて、機能実行装置50に所望の機能を実行させる。機能実行装置50は、複数の機能を実行するためのプログラムを格納し、ユーザからの指示に応じて、プログラムを読み出して、指定された機能を実行する。
【0016】
なお、画面提供装置10、操作装置30、機能実行装置50は、それぞれLAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットなどのネットワークを介して接続してもよいし、ケーブルなどを介して接続してもよい。また、画面提供装置10と機能実行装置50とを1つのサーバとして構成してもよい。さらに、画面提供装置10、操作装置30、機能実行装置50を1つのパーソナルコンピュータなどで構成してもよい。
【0017】
操作画面は、機能実行装置50が実行する機能に応じた機能項目を含む。ユーザは、例えば、操作画面を介して、所望の機能項目を選択することによって、所望の機能を機能実行装置50に実行させることができる。機能提供システムが提供する機能は、コンピュータシステム上でアプリケーションプログラムを実行することで提供可能なサービスの全般をいう。例えば、機能提供システムが、複数のユーザがネットワークを介して電子情報を共有し、複数のユーザが決められたある目標に向かって協調作業を行うための仮想的な作業場を提供する協調作業場提供システムであれば、機能としては、電子掲示板へのメッセージ登録や文書管理データベースへの文書データの登録、メッセージや文書データの検索などが挙げられる。
【0018】
上記のように構成されたシステムにおいて、機能が多数存在する場合、ユーザに提供する操作画面に含まれる機能項目も多数になる傾向がある。そのため、操作画面上に表示される機能項目が増大し、操作画面の提供先ユーザの使い勝手が悪くなる可能性がある。また、提供先ユーザの使用態様によって、機能実行装置50に実行させる機能も異なる。そのため、画面上に表示される機能項目を、提供先ユーザによらず同一のものにすると、提供先ユーザの使用態様によっては使い勝手が悪くなる可能性がある。
【0019】
そこで、画面提供装置10が、提供先ユーザの使用態様に応じた機能項目を含む操作画面を操作装置30に提供するように構成することも考えられる。しかし、提供先ユーザが初心者などの場合、画面提供装置10が、その提供先ユーザの使用態様を把握できない場合がある。この場合、画面提供装置10は、その提供先ユーザの使用態様に応じた機能項目が表示される操作画面を操作装置30に提供することができない。
【0020】
また、協調作業場を提供するシステムなど複数のユーザが共同して使用するシステムでは、メンバの変更や、作業内容の変化に伴って、使用する機能も変化する場合がある。このような場合にも、画面提供装置10が、その提供先ユーザの使用態様を把握できずに、その提供先ユーザの使用態様に応じた機能項目を含む操作画面を操作装置30に提供できないことがある。さらに、協調作業場提供システムの場合、操作画面に表示させる最適な機能項目は、ユーザがアクセスする協調作業場によって異なる場合がある。よって、1つのユーザが複数の協調作業場に在籍する場合、ユーザはアクセスする協調作業場ごとに操作画面に表示させる機能項目をその都度変更しなければならない場合がある。
【0021】
そこで、本実施形態における画面提供装置10は、提供先ユーザの他に、その提供先ユーザと同じような機能を実行させる可能性が高いユーザ(以下、関連ユーザと称す)の使用態様も考慮して、操作画面に表示させる機能項目を決定する。ここで、関連ユーザは、例えば、操作ユーザと同一のグループに登録されたユーザである。グループは、例えば、企業における部署などの単位で用意される所属グループや、プロジェクト内における作業項目ごとに用意される作業グループなどがある。
【0022】
続いて、画面提供装置10についてさらに説明する。図2は、画面提供装置10の機能ブロックを示す図である。図2において、操作情報取得部12は、操作画面を介して各ユーザが行う操作内容を監視して、各ユーザの操作内容を操作履歴DB14が保持する操作ログテーブルに随時書き込む。ユーザ・グループ情報DB16は、本システムを利用するユーザのユーザ属性が示されるユーザテーブルや作業グループのグループ属性が示される作業グループテーブルを保持する。ユーザテーブルには、ユーザ属性として、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザの所属グループのグループIDなどが示される。また、作業グループテーブルには、グループ属性として、作業グループに登録されているユーザIDなどが示される。操作回数計算部20は、操作ログテーブルやユーザテーブルや作業グループテーブルを参照することで、ユーザごとやグループごとに機能項目の操作回数を計算し、操作回数情報DB22が保持する操作回数テーブルに随時書き込む。機能特性DB26は、機能実行装置50が実行する各機能に関する情報が示される機能テーブルを保持する。画面生成部24は、操作回数テーブルや機能テーブルを参照して、操作画面の提供先ユーザに応じた機能項目を決定して、それらの機能項目を含む操作画面を生成し、操作装置30に提供する。
【0023】
以下、各DBに保持される各テーブルについて具体例を挙げて説明する。
【0024】
図3は、ユーザ・グループ情報DB16が保持するユーザテーブルの一例を示す。図3に示す通り、ユーザテーブルには、ユーザの名前やユーザの所属する会社名や部署名などの情報が示される。
【0025】
図4は、同じくユーザ・グループ情報DB16が保持する作業グループテーブルの一例を示す。図4に示す通り、作業グループテーブルには、作業グループに登録されているユーザのユーザIDのリストが示される。
【0026】
図5は、操作履歴DB14が保持する操作ログテーブルの一例を示す。図5に示す通り、操作ログテーブルには、例えば、どの作業グループに所属するどのユーザがどの機能をいつ実行したのかが示される。
【0027】
図6Aは、各ユーザが行った機能の操作回数を示すユーザ操作回数テーブルの一例を示す。図6Aに示すように、ユーザ操作回数テーブルには、ユーザIDごとに操作した機能の機能IDと、その機能IDの操作回数とが示される。
【0028】
図6Bおよび図6Cは、それぞれ各グループに所属する全ユーザが行った機能の合計操作回数を示すグループ操作回数テーブルの一例を示す。図6Bは、所属グループごとの操作回数が示される所属グループ操作回数テーブルの一例である、また、図6Cは、作業グループごとの操作回数を示す作業グループ操作回数テーブルの一例である。
【0029】
図7は、機能テーブルの一例を示す。図7に示す通り、機能テーブルには、機能実行装置50が実行可能な全機能の機能IDと機能名とが示される。
【0030】
続いて、画面生成部24が提供先ユーザに提供する操作画面に含める表示候補となる機能項目を決定する手順について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
画面生成部24は、操作装置30からの画面要求を受け付け(S100)、画面要求から提供先ユーザのユーザIDを取得して、ユーザ操作回数テーブルを参照することでそのユーザIDに対応する操作回数を取得する(S102)。さらに、画面生成部24は、作業グループテーブルを参照することで、提供先ユーザが所属する作業グループを特定する。次いで、画面生成部24は、作業グループ操作回数テーブルを参照することで、特定した作業グループの操作回数を取得する(S104)。その後、画面生成部24は、取得した提供先ユーザの操作回数と作業グループの操作回数とに基づいて、操作画面に表示する候補となる機能項目を決定し(S106)、決定した機能項目を含む操作画面を生成して、操作装置30に提供する(S108)。
【0032】
以上のように、本実施形態では、各ユーザが操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を操作回数計算部20が集計し、操作回数情報DB22が保持する操作回数テーブルを随時更新する。画面生成部24は、提供先ユーザから操作画面の要求を受けると、操作回数計算部20での操作回数の集計結果に基づいて、操作画面の要求受け付け時点における提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、提供先ユーザが属する作業グループの各機能項目の操作回数とを取得し、提供先ユーザの各機能項目の操作回数と作業グループの各機能項目の操作回数とに基づいて、提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する。
【0033】
なお、画面生成部24は、表示候補となる機能項目だけを含む操作画面を生成してもよいし、表示候補となる機能項目を他の機能項目よりも強調して表示されるように操作画面を生成してもよい。また、予め操作画面上に、表示候補として選択された機能項目を表示する領域と、その他の機能項目を表示する領域とを定めておき、画面生成部24が、各機能項目を上記の表示候補の選択結果に応じて配置して操作画面を生成してもよい。また、操作画面上に配置できる機能項目の数を予め定めておき、画面生成部24が、表示候補となる機能項目を他の機能項目よりも優先的に配置して操作画面を生成してもよい。
【0034】
ここで、表示候補となる機能項目の決定方法についてさらに図9に示す図を用いて説明する。以下、提供先ユーザをユーザX、ユーザXが属する作業グループを作業グループAとする。
【0035】
画面生成部24は、ユーザXの操作回数及び作業グループAの操作回数を取得する(S200)。次いで、画面生成部24は、ユーザXの操作回数及び作業グループAの操作回数に基づいて、操作を行った各機能の操作割合を算出する(S202)。操作割合は、各機能の操作回数を、操作が行われた全機能の合計操作回数でそれぞれ除算することで算出する。
【0036】
画面生成部24は、算出した操作割合が所定の選択レベルを超える機能を表示候補として選択する(S204)。図9では、操作割合が選択レベル「0.20」を超える機能を表示候補として選択している。最終的に、画面生成部24は、ユーザXおよび作業グループAの少なくとも一方の操作割合が所定の選択レベルを超える機能を表示候補として決定する(S206)。
【0037】
なお、上記の選択レベルは、ユーザ属性に応じて変更してもよい。ユーザ属性としては、例えば、ユーザの習熟度を用いることができる。ここで、習熟度は、本システムの利用頻度などに基づいて設定される指標であり、習熟度が高いユーザほど機能実行装置50が提供する機能を使いこなせる可能性が高い。つまり、習熟度が比較的高いユーザは、多数の機能を操作画面に表示してもそれらの機能を使いこなせる可能性が高いため、上記の選択レベルを低めに設定する。一方、習熟度が比較的低いユーザは、逆に上記の選択レベルを低めに設定する。習熟度は、例えば、図10に示すようにユーザごとにユーザテーブルに登録しておく。また、図11に示すように、習熟度に応じた選択レベルを示す習熟度テーブルを機能特性DB26に予め登録しておく。そして、画面生成部24は、ユーザテーブルを参照することで、提供先ユーザの習熟度を特定し、さらに習熟度テーブルを参照することで、選択レベルを特定する。次いで、画面生成部24は、特定した選択レベルを超える機能を表示候補として選択する。このように、ユーザ属性に応じて選択レベルを変更することで、よりユーザの使用態様にあった機能項目を操作画面に表示させることができる。
【0038】
また、上記では、提供先ユーザが属するグループとして、作業グループを例に説明したが、画面生成部24は、所属グループの操作回数を機能の選択の際に用いてもよい。さらに、図12に示すように、提供先ユーザに関連する複数のグループの操作回数を組み合わせて、組み合わせた操作回数に基づいて提供先ユーザに提供する機能を選択してもよい。以下、図12を用いて、提供先ユーザに関連する複数のグループの操作回数を組み合わせて表示候補の機能を選択する場合について説明する。以下、ユーザXが属する所属グループを所属グループQとして、作業グループAに属する他のユーザZが属する所属グループを所属グループWとする。
【0039】
図12において、画面生成部24は、まず、ユーザXの操作回数、作業グループAの操作回数、所属グループQ及び所属グループWの操作回数をそれぞれ取得する(S300)。次いで、画面生成部24は、ユーザXの操作割合を算出するとともに、各グループの操作回数を所定の比率で加算したのちグループの操作割合を算出する(S202)。比率は、図13に示すように、グループごとに予め定めておき、グループ比率テーブルとして機能特性DB26に保持しておく。つまり、図13に示された比率で各グループの操作回数を合計する場合、作業グループAの操作回数は0.8、所属グループQの操作回数は0.5、所属グループWの操作回数は0.3の比率で乗算した後に、それぞれの機能の操作回数を加算する。操作割合の算出後は、図9と同様に、画面生成部24は、操作割合が所定の選択レベルを超える機能を表示候補として選択し(S304)、ユーザXの操作割合及びグループの操作割合の少なくとも一方が選択レベルを超える機能を表示候補として決定する(S306)。
【0040】
以上のように、提供先ユーザに関連する複数のグループにおける機能の操作回数に基づいて、提供先ユーザに提供する機能を決定することで、提供先ユーザに関連するグループに属するユーザの使用態様も踏まえた機能項目を含む操作画面を提供先ユーザに提供することができる。
【0041】
ところで、上記の実施形態では、機能の操作回数をそのまま用いて操作割合を算出する例について説明した。しかし、ユーザが操作する機能に応じて比率(以下、機能比率と称する)を定めておき、各機能の操作回数にそれらの機能比率を乗算した後に、操作割合を算出してもよい。このように、予め機能ごとに機能比率を定めておくことで、ユーザの操作回数は少なくても操作画面に表示する必要がある機能項目に対する機能比率を高めに設定しておけば、その機能項目を優先的に選択させることができる。
【0042】
また、グループごとにそのグループで行われる作業内容等が異なる場合、表示する必要がある機能項目も異なることがある。そこで、機能比率を提供先ユーザが属するグループごとに変えてもよい。この場合、図14に示すように、グループごとに機能比率を予め定めておき、機能比率テーブルとして機能特性DB26が保持しておく。
【0043】
さらに、グループで行われる作業内容が時間経過とともに変化して、優先的に表示させる機能項目も時間経過とともに変化する場合も考えられる。そこで、図15A〜15Cに示すように、機能の操作回数のカウント期間を所定の期間に区切って、その期間ごとの操作回数を求めて、その期間ごとの操作回数に基づいて表示候補の機能を選択してもよい。
【0044】
加えて、上記の実施形態では、提供先ユーザに関連するグループに所属する他のユーザを関連ユーザとして説明した。しかし、関連ユーザは、提供先ユーザに関連するグループに所属するユーザには限定されない。例えば、図6Aや図15Aに示すユーザ操作回数テーブルを参照して、提供先ユーザと同じような機能を操作しているユーザを抽出して、抽出されたユーザ群の操作回数に基づいて表示候補となる機能項目を選択してもよい。ユーザの抽出は、例えば、提供先ユーザが操作した機能項目をすべて操作しているユーザや、操作した機能項目が提供ユーザと所定の個数一致しているユーザなどを抽出すればよい。
【0045】
また、ユーザテーブルに示される習熟度などのユーザ属性の類似性に基づいて関連ユーザを抽出してもよい。
【0046】
さらに、協調作業場提供システムなど、複数のユーザが電子情報を共有するシステムでは、提供先ユーザが利用している電子情報と同一もしくは類似する電子情報を利用しているユーザを抽出して、それらのユーザを関連ユーザとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態における機能提供システムの全体のシステム構成を示す図である。
【図2】画面提供装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】ユーザ・グループ情報DBが保持するユーザテーブルの一例を示す図である。
【図4】ユーザ・グループ情報DBが保持する作業グループテーブルの一例を示す図である。
【図5】操作履歴DBが保持する操作ログテーブルの一例を示す図である。
【図6A】操作回数情報DBが保持するユーザ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図6B】操作回数情報DBが保持する所属グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図6C】操作回数情報DBが保持する作業グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図7】機能特性DBが保持する機能テーブルの一例を示す図である。
【図8】画面生成部が表示候補の機能項目を選択して、操作画面を生成する際の手順を示すフローチャートである。
【図9】画面生成部が表示候補となる機能項目を決定する方法について説明するための図である。
【図10】ユーザ・グループ情報DBが保持するユーザテーブルの一例を示す図である。
【図11】機能特性DBが保持する習熟度テーブルの一例を示す図である。
【図12】画面生成部が表示候補となる機能項目を決定する方法について説明するための図である。
【図13】機能特性DBが保持するグループ比率テーブルの一例を示す図である。
【図14】機能特性DBが保持する機能比率テーブルの一例を示す図である。
【図15A】操作回数情報DBが保持するユーザ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図15B】操作回数情報DBが保持する所属グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図15C】操作回数情報DBが保持する作業グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 画面提供装置、12 操作情報取得部、14 操作履歴DB、16 ユーザ・グループ情報DB、20 操作回数計算部、22 操作回数情報DB、24 画面生成部、26 機能特性DB、30 操作装置、50 機能実行装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの機能項目を含む操作画面を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この分野の従来の技術において、操作画面をユーザの使用履歴に応じて変更することで、ユーザの使いやすさを向上させるシステムが提案されている。
【0003】
特許文献1には、ユーザの使用履歴を用いた初動設定画面の表示を行い、ユーザによる操作態様をユーザ履歴として格納して評価し、評価値に基づいてユーザによる自発的意志により初動設定画面を更新するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ユーザごとに環境情報がサーバコンピュータによって維持され、ユーザがどのクライアントを用いてサーバコンピュータに要求を出しても、そのユーザに対する環境情報を含んだモジュールがクライアントに送信されるシステムが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、次のような入力支援装置が開示されている。まず、ユーザがサービスを受けるために入力が必要となる入力項目のうち、クライアント端末による入力が必須となる最低限の必須入力項目と画面遷移に係る情報の選択情報とをクライアント端末に対して送信する。また、ユーザに入力を求めなかったその他の入力項目については、クライアント端末から上述の必須入力項目に対する入力事項と、今までクライアント端末から入力された情報が蓄積されているトランザクション学習テーブルの情報とを参照することにより入力する。
【0006】
以上、各特許文献では、各ユーザの使用履歴に基づいて、各ユーザに提供する操作画面等をそれぞれユーザごとに変更する。しかし、例えば、初心者のユーザに操作画面を提供する場合、そのユーザの使用履歴が存在しない。そのため、そのようなユーザにはそのユーザの使用履歴とは関係がない予め定められている操作画面が提供される。しかし、その予め定められている操作画面がそのユーザにとって使い勝手のよい操作画面とは限らない。
【0007】
また、ユーザが複数の他ユーザと、決められたある目標に向かって協調して作業を行っていく協調作業場では、その場に関与している複数のユーザによってその場の進め方が大きく異なり、優先順位が高い操作もまた異なってくる。そのため、ユーザが複数の場にアサインされている場合、場によって設定された設定画面が使い難くなる、もしくは、その場の進め方によって操作画面の設定を再度変更する作業が必要となるなどの作業が発生し、ユーザに余計な作業を強いることになる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−202172号公報
【特許文献2】特開2001−265472号公報
【特許文献3】特開2002−169822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、よりユーザにとって状況に併せ使い勝手がよい操作画面を提供可能なプログラム、画面提供装置、および操作画面提供方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供装置として、コンピュータシステムを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータシステムを、各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得する操作回数取得部と、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する機能項目決定部と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、機能項目決定部が、提供先ユーザの各機能項目の操作回数と関連ユーザの各機能項目の操作回数と基づいて、提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する。これにより、提供先ユーザの使用態様以外にも関連ユーザの使用態様も考慮して、操作画面に表示させる機能項目を決定することができるため、ユーザにとってさらに使い勝手がよい操作画面を動的に提供することができる。
【0012】
また、本発明によれば提供先ユーザが複数の協調作業を行う場にアサインされていた場合に、各場の提供先ユーザ、関連ユーザの情報に基づいて、操作画面を動的に提供することができる。
【0013】
さらに、関連ユーザには提供先ユーザが所属するグループに在籍する他ユーザ、関連ユーザが所属するグループに在籍する他ユーザも含まれる。これにより、複数のグループ同士が影響を及ぼしあう観点を含めた操作画面を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態について(以下、実施形態とする)、以下図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態における機能提供システムの全体構成を示す図である。画面提供装置10は、ユーザからの指示に応じて機能実行装置50に所望の機能を実行させるための操作画面を操作装置30に提供する。操作装置30は、表示装置(図示せず)を備え、画面提供装置10から提供された操作画面を表示装置に表示する。操作装置30は、操作画面を介してユーザからの指示を受け付けて、機能実行装置50に所望の機能を実行させる。機能実行装置50は、複数の機能を実行するためのプログラムを格納し、ユーザからの指示に応じて、プログラムを読み出して、指定された機能を実行する。
【0016】
なお、画面提供装置10、操作装置30、機能実行装置50は、それぞれLAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットなどのネットワークを介して接続してもよいし、ケーブルなどを介して接続してもよい。また、画面提供装置10と機能実行装置50とを1つのサーバとして構成してもよい。さらに、画面提供装置10、操作装置30、機能実行装置50を1つのパーソナルコンピュータなどで構成してもよい。
【0017】
操作画面は、機能実行装置50が実行する機能に応じた機能項目を含む。ユーザは、例えば、操作画面を介して、所望の機能項目を選択することによって、所望の機能を機能実行装置50に実行させることができる。機能提供システムが提供する機能は、コンピュータシステム上でアプリケーションプログラムを実行することで提供可能なサービスの全般をいう。例えば、機能提供システムが、複数のユーザがネットワークを介して電子情報を共有し、複数のユーザが決められたある目標に向かって協調作業を行うための仮想的な作業場を提供する協調作業場提供システムであれば、機能としては、電子掲示板へのメッセージ登録や文書管理データベースへの文書データの登録、メッセージや文書データの検索などが挙げられる。
【0018】
上記のように構成されたシステムにおいて、機能が多数存在する場合、ユーザに提供する操作画面に含まれる機能項目も多数になる傾向がある。そのため、操作画面上に表示される機能項目が増大し、操作画面の提供先ユーザの使い勝手が悪くなる可能性がある。また、提供先ユーザの使用態様によって、機能実行装置50に実行させる機能も異なる。そのため、画面上に表示される機能項目を、提供先ユーザによらず同一のものにすると、提供先ユーザの使用態様によっては使い勝手が悪くなる可能性がある。
【0019】
そこで、画面提供装置10が、提供先ユーザの使用態様に応じた機能項目を含む操作画面を操作装置30に提供するように構成することも考えられる。しかし、提供先ユーザが初心者などの場合、画面提供装置10が、その提供先ユーザの使用態様を把握できない場合がある。この場合、画面提供装置10は、その提供先ユーザの使用態様に応じた機能項目が表示される操作画面を操作装置30に提供することができない。
【0020】
また、協調作業場を提供するシステムなど複数のユーザが共同して使用するシステムでは、メンバの変更や、作業内容の変化に伴って、使用する機能も変化する場合がある。このような場合にも、画面提供装置10が、その提供先ユーザの使用態様を把握できずに、その提供先ユーザの使用態様に応じた機能項目を含む操作画面を操作装置30に提供できないことがある。さらに、協調作業場提供システムの場合、操作画面に表示させる最適な機能項目は、ユーザがアクセスする協調作業場によって異なる場合がある。よって、1つのユーザが複数の協調作業場に在籍する場合、ユーザはアクセスする協調作業場ごとに操作画面に表示させる機能項目をその都度変更しなければならない場合がある。
【0021】
そこで、本実施形態における画面提供装置10は、提供先ユーザの他に、その提供先ユーザと同じような機能を実行させる可能性が高いユーザ(以下、関連ユーザと称す)の使用態様も考慮して、操作画面に表示させる機能項目を決定する。ここで、関連ユーザは、例えば、操作ユーザと同一のグループに登録されたユーザである。グループは、例えば、企業における部署などの単位で用意される所属グループや、プロジェクト内における作業項目ごとに用意される作業グループなどがある。
【0022】
続いて、画面提供装置10についてさらに説明する。図2は、画面提供装置10の機能ブロックを示す図である。図2において、操作情報取得部12は、操作画面を介して各ユーザが行う操作内容を監視して、各ユーザの操作内容を操作履歴DB14が保持する操作ログテーブルに随時書き込む。ユーザ・グループ情報DB16は、本システムを利用するユーザのユーザ属性が示されるユーザテーブルや作業グループのグループ属性が示される作業グループテーブルを保持する。ユーザテーブルには、ユーザ属性として、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザの所属グループのグループIDなどが示される。また、作業グループテーブルには、グループ属性として、作業グループに登録されているユーザIDなどが示される。操作回数計算部20は、操作ログテーブルやユーザテーブルや作業グループテーブルを参照することで、ユーザごとやグループごとに機能項目の操作回数を計算し、操作回数情報DB22が保持する操作回数テーブルに随時書き込む。機能特性DB26は、機能実行装置50が実行する各機能に関する情報が示される機能テーブルを保持する。画面生成部24は、操作回数テーブルや機能テーブルを参照して、操作画面の提供先ユーザに応じた機能項目を決定して、それらの機能項目を含む操作画面を生成し、操作装置30に提供する。
【0023】
以下、各DBに保持される各テーブルについて具体例を挙げて説明する。
【0024】
図3は、ユーザ・グループ情報DB16が保持するユーザテーブルの一例を示す。図3に示す通り、ユーザテーブルには、ユーザの名前やユーザの所属する会社名や部署名などの情報が示される。
【0025】
図4は、同じくユーザ・グループ情報DB16が保持する作業グループテーブルの一例を示す。図4に示す通り、作業グループテーブルには、作業グループに登録されているユーザのユーザIDのリストが示される。
【0026】
図5は、操作履歴DB14が保持する操作ログテーブルの一例を示す。図5に示す通り、操作ログテーブルには、例えば、どの作業グループに所属するどのユーザがどの機能をいつ実行したのかが示される。
【0027】
図6Aは、各ユーザが行った機能の操作回数を示すユーザ操作回数テーブルの一例を示す。図6Aに示すように、ユーザ操作回数テーブルには、ユーザIDごとに操作した機能の機能IDと、その機能IDの操作回数とが示される。
【0028】
図6Bおよび図6Cは、それぞれ各グループに所属する全ユーザが行った機能の合計操作回数を示すグループ操作回数テーブルの一例を示す。図6Bは、所属グループごとの操作回数が示される所属グループ操作回数テーブルの一例である、また、図6Cは、作業グループごとの操作回数を示す作業グループ操作回数テーブルの一例である。
【0029】
図7は、機能テーブルの一例を示す。図7に示す通り、機能テーブルには、機能実行装置50が実行可能な全機能の機能IDと機能名とが示される。
【0030】
続いて、画面生成部24が提供先ユーザに提供する操作画面に含める表示候補となる機能項目を決定する手順について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
画面生成部24は、操作装置30からの画面要求を受け付け(S100)、画面要求から提供先ユーザのユーザIDを取得して、ユーザ操作回数テーブルを参照することでそのユーザIDに対応する操作回数を取得する(S102)。さらに、画面生成部24は、作業グループテーブルを参照することで、提供先ユーザが所属する作業グループを特定する。次いで、画面生成部24は、作業グループ操作回数テーブルを参照することで、特定した作業グループの操作回数を取得する(S104)。その後、画面生成部24は、取得した提供先ユーザの操作回数と作業グループの操作回数とに基づいて、操作画面に表示する候補となる機能項目を決定し(S106)、決定した機能項目を含む操作画面を生成して、操作装置30に提供する(S108)。
【0032】
以上のように、本実施形態では、各ユーザが操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を操作回数計算部20が集計し、操作回数情報DB22が保持する操作回数テーブルを随時更新する。画面生成部24は、提供先ユーザから操作画面の要求を受けると、操作回数計算部20での操作回数の集計結果に基づいて、操作画面の要求受け付け時点における提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、提供先ユーザが属する作業グループの各機能項目の操作回数とを取得し、提供先ユーザの各機能項目の操作回数と作業グループの各機能項目の操作回数とに基づいて、提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する。
【0033】
なお、画面生成部24は、表示候補となる機能項目だけを含む操作画面を生成してもよいし、表示候補となる機能項目を他の機能項目よりも強調して表示されるように操作画面を生成してもよい。また、予め操作画面上に、表示候補として選択された機能項目を表示する領域と、その他の機能項目を表示する領域とを定めておき、画面生成部24が、各機能項目を上記の表示候補の選択結果に応じて配置して操作画面を生成してもよい。また、操作画面上に配置できる機能項目の数を予め定めておき、画面生成部24が、表示候補となる機能項目を他の機能項目よりも優先的に配置して操作画面を生成してもよい。
【0034】
ここで、表示候補となる機能項目の決定方法についてさらに図9に示す図を用いて説明する。以下、提供先ユーザをユーザX、ユーザXが属する作業グループを作業グループAとする。
【0035】
画面生成部24は、ユーザXの操作回数及び作業グループAの操作回数を取得する(S200)。次いで、画面生成部24は、ユーザXの操作回数及び作業グループAの操作回数に基づいて、操作を行った各機能の操作割合を算出する(S202)。操作割合は、各機能の操作回数を、操作が行われた全機能の合計操作回数でそれぞれ除算することで算出する。
【0036】
画面生成部24は、算出した操作割合が所定の選択レベルを超える機能を表示候補として選択する(S204)。図9では、操作割合が選択レベル「0.20」を超える機能を表示候補として選択している。最終的に、画面生成部24は、ユーザXおよび作業グループAの少なくとも一方の操作割合が所定の選択レベルを超える機能を表示候補として決定する(S206)。
【0037】
なお、上記の選択レベルは、ユーザ属性に応じて変更してもよい。ユーザ属性としては、例えば、ユーザの習熟度を用いることができる。ここで、習熟度は、本システムの利用頻度などに基づいて設定される指標であり、習熟度が高いユーザほど機能実行装置50が提供する機能を使いこなせる可能性が高い。つまり、習熟度が比較的高いユーザは、多数の機能を操作画面に表示してもそれらの機能を使いこなせる可能性が高いため、上記の選択レベルを低めに設定する。一方、習熟度が比較的低いユーザは、逆に上記の選択レベルを低めに設定する。習熟度は、例えば、図10に示すようにユーザごとにユーザテーブルに登録しておく。また、図11に示すように、習熟度に応じた選択レベルを示す習熟度テーブルを機能特性DB26に予め登録しておく。そして、画面生成部24は、ユーザテーブルを参照することで、提供先ユーザの習熟度を特定し、さらに習熟度テーブルを参照することで、選択レベルを特定する。次いで、画面生成部24は、特定した選択レベルを超える機能を表示候補として選択する。このように、ユーザ属性に応じて選択レベルを変更することで、よりユーザの使用態様にあった機能項目を操作画面に表示させることができる。
【0038】
また、上記では、提供先ユーザが属するグループとして、作業グループを例に説明したが、画面生成部24は、所属グループの操作回数を機能の選択の際に用いてもよい。さらに、図12に示すように、提供先ユーザに関連する複数のグループの操作回数を組み合わせて、組み合わせた操作回数に基づいて提供先ユーザに提供する機能を選択してもよい。以下、図12を用いて、提供先ユーザに関連する複数のグループの操作回数を組み合わせて表示候補の機能を選択する場合について説明する。以下、ユーザXが属する所属グループを所属グループQとして、作業グループAに属する他のユーザZが属する所属グループを所属グループWとする。
【0039】
図12において、画面生成部24は、まず、ユーザXの操作回数、作業グループAの操作回数、所属グループQ及び所属グループWの操作回数をそれぞれ取得する(S300)。次いで、画面生成部24は、ユーザXの操作割合を算出するとともに、各グループの操作回数を所定の比率で加算したのちグループの操作割合を算出する(S202)。比率は、図13に示すように、グループごとに予め定めておき、グループ比率テーブルとして機能特性DB26に保持しておく。つまり、図13に示された比率で各グループの操作回数を合計する場合、作業グループAの操作回数は0.8、所属グループQの操作回数は0.5、所属グループWの操作回数は0.3の比率で乗算した後に、それぞれの機能の操作回数を加算する。操作割合の算出後は、図9と同様に、画面生成部24は、操作割合が所定の選択レベルを超える機能を表示候補として選択し(S304)、ユーザXの操作割合及びグループの操作割合の少なくとも一方が選択レベルを超える機能を表示候補として決定する(S306)。
【0040】
以上のように、提供先ユーザに関連する複数のグループにおける機能の操作回数に基づいて、提供先ユーザに提供する機能を決定することで、提供先ユーザに関連するグループに属するユーザの使用態様も踏まえた機能項目を含む操作画面を提供先ユーザに提供することができる。
【0041】
ところで、上記の実施形態では、機能の操作回数をそのまま用いて操作割合を算出する例について説明した。しかし、ユーザが操作する機能に応じて比率(以下、機能比率と称する)を定めておき、各機能の操作回数にそれらの機能比率を乗算した後に、操作割合を算出してもよい。このように、予め機能ごとに機能比率を定めておくことで、ユーザの操作回数は少なくても操作画面に表示する必要がある機能項目に対する機能比率を高めに設定しておけば、その機能項目を優先的に選択させることができる。
【0042】
また、グループごとにそのグループで行われる作業内容等が異なる場合、表示する必要がある機能項目も異なることがある。そこで、機能比率を提供先ユーザが属するグループごとに変えてもよい。この場合、図14に示すように、グループごとに機能比率を予め定めておき、機能比率テーブルとして機能特性DB26が保持しておく。
【0043】
さらに、グループで行われる作業内容が時間経過とともに変化して、優先的に表示させる機能項目も時間経過とともに変化する場合も考えられる。そこで、図15A〜15Cに示すように、機能の操作回数のカウント期間を所定の期間に区切って、その期間ごとの操作回数を求めて、その期間ごとの操作回数に基づいて表示候補の機能を選択してもよい。
【0044】
加えて、上記の実施形態では、提供先ユーザに関連するグループに所属する他のユーザを関連ユーザとして説明した。しかし、関連ユーザは、提供先ユーザに関連するグループに所属するユーザには限定されない。例えば、図6Aや図15Aに示すユーザ操作回数テーブルを参照して、提供先ユーザと同じような機能を操作しているユーザを抽出して、抽出されたユーザ群の操作回数に基づいて表示候補となる機能項目を選択してもよい。ユーザの抽出は、例えば、提供先ユーザが操作した機能項目をすべて操作しているユーザや、操作した機能項目が提供ユーザと所定の個数一致しているユーザなどを抽出すればよい。
【0045】
また、ユーザテーブルに示される習熟度などのユーザ属性の類似性に基づいて関連ユーザを抽出してもよい。
【0046】
さらに、協調作業場提供システムなど、複数のユーザが電子情報を共有するシステムでは、提供先ユーザが利用している電子情報と同一もしくは類似する電子情報を利用しているユーザを抽出して、それらのユーザを関連ユーザとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態における機能提供システムの全体のシステム構成を示す図である。
【図2】画面提供装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】ユーザ・グループ情報DBが保持するユーザテーブルの一例を示す図である。
【図4】ユーザ・グループ情報DBが保持する作業グループテーブルの一例を示す図である。
【図5】操作履歴DBが保持する操作ログテーブルの一例を示す図である。
【図6A】操作回数情報DBが保持するユーザ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図6B】操作回数情報DBが保持する所属グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図6C】操作回数情報DBが保持する作業グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図7】機能特性DBが保持する機能テーブルの一例を示す図である。
【図8】画面生成部が表示候補の機能項目を選択して、操作画面を生成する際の手順を示すフローチャートである。
【図9】画面生成部が表示候補となる機能項目を決定する方法について説明するための図である。
【図10】ユーザ・グループ情報DBが保持するユーザテーブルの一例を示す図である。
【図11】機能特性DBが保持する習熟度テーブルの一例を示す図である。
【図12】画面生成部が表示候補となる機能項目を決定する方法について説明するための図である。
【図13】機能特性DBが保持するグループ比率テーブルの一例を示す図である。
【図14】機能特性DBが保持する機能比率テーブルの一例を示す図である。
【図15A】操作回数情報DBが保持するユーザ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図15B】操作回数情報DBが保持する所属グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【図15C】操作回数情報DBが保持する作業グループ操作回数テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 画面提供装置、12 操作情報取得部、14 操作履歴DB、16 ユーザ・グループ情報DB、20 操作回数計算部、22 操作回数情報DB、24 画面生成部、26 機能特性DB、30 操作装置、50 機能実行装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供装置として、コンピュータシステムを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータシステムを、
各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得する操作回数取得部と、
前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する機能項目決定部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記関連ユーザは、前記操作ユーザに関連するグループに登録されたユーザであることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記機能項目決定部は、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数および前記関連ユーザの各機能項目の操作回数の少なくとも1つの操作回数に対して、所定の重み付けをした後に、それらの操作回数に基づいて前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記関連ユーザは、前記操作ユーザのユーザ属性と類似するユーザ属性をもつユーザであることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供装置において、
各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得する操作回数取得部と、
前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する機能項目決定部と、
を備えることを特徴とする画面提供装置。
【請求項6】
少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供方法において、
各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、操作回数取得部が、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得し、
機能項目決定部が、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する、
ことを特徴とする画面提供方法。
【請求項1】
少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供装置として、コンピュータシステムを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータシステムを、
各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得する操作回数取得部と、
前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する機能項目決定部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記関連ユーザは、前記操作ユーザに関連するグループに登録されたユーザであることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記機能項目決定部は、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数および前記関連ユーザの各機能項目の操作回数の少なくとも1つの操作回数に対して、所定の重み付けをした後に、それらの操作回数に基づいて前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記関連ユーザは、前記操作ユーザのユーザ属性と類似するユーザ属性をもつユーザであることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供装置において、
各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得する操作回数取得部と、
前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する機能項目決定部と、
を備えることを特徴とする画面提供装置。
【請求項6】
少なくとも1つの機能項目が表示される操作画面を提供先ユーザに提供する画面提供方法において、
各ユーザが前記操作画面を介して操作する各機能項目の操作回数を記憶する操作回数記憶装置から、操作回数取得部が、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と、前記提供先ユーザに関連する関連ユーザの各機能項目の操作回数とを取得し、
機能項目決定部が、前記提供先ユーザの各機能項目の操作回数と前記関連ユーザの各機能項目の操作回数とに基づいて、前記提供先ユーザに提供するための操作画面に表示させる機能項目を決定する、
ことを特徴とする画面提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【公開番号】特開2007−87256(P2007−87256A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277427(P2005−277427)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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