説明

画面生成装置

【課題】各ユーザに対してカスタマイズされた画面を生成する技術を提供する。
【解決手段】画面生成装置100において、受付部108は、ユーザにより入力された表示すべきインシデントと、ユーザ識別情報とを受け付ける。ユーザ情報取得部102は、受付部108が受け付けたインシデントをもとに、記憶部106に格納されるグループ情報テーブルからグループを取得し、取得したグループと受付部108が受け付けたユーザの識別情報とをもとに、記憶部106に格納されるユーザ情報テーブルからユーザの役割を取得する。抽出部120は、ユーザ情報取得部102において取得した役割およびステータス取得部104において取得したステータス情報をもとに、提示形式を記憶部106に格納される提示形式テーブルから抽出する。指示部は、生成部において生成した画面を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画面生成技術に関し、特にコンピュータ等に表示させる画面を生成するための画面生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等における業務を支援するために、コンピュータが幅広く使われている。例えば取り扱い案件の記録および管理等は、コンピュータでなされることが一般的である。
複数のユーザが使うシステムにおいて、ユーザごとに、編集を許可するか否かなどの操作条件を変えることが可能なシステムが提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される自動分析装置においては、操作画面の入力フィールドについて、ユーザのレベルや装置の状態に応じて、操作可/操作不可/非表示などの操作パラメータを生成することにより、全画面共通のフィールドプロテクションをかける。
【特許文献1】特開2007−240224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザによって扱う案件や権限が異なることから、画面に表示させるべき項目や、各項目についての編集の可否などがユーザによって異なり、各ユーザに表示すべき画面も異なることが多い。各ユーザが、業務をより円滑に、またより効率よく行うことのできるような形式で、コンピュータに表示させる画面をユーザごとにカスタマイズ可能であるようなシステムが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、各ユーザに対して、より効率よく業務を行うことができる形式でカスタマイズされた画面を生成する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の画面生成装置は、ユーザを識別するための識別情報と、ユーザの所属するグループと、グループにおけるユーザの役割とがユーザごとに示されたユーザ情報テーブルと、所定の画面にふくめるべき複数の項目が規定されるとともに、複数の項目のそれぞれに対する提示形式が、各項目のステータスおよびユーザの役割と関連づけて示された提示形式テーブルと、複数の項目がそれぞれいずれかに属する1以上のインシデントと、グループとが関連づけて示されたグループ情報テーブルと、を記憶する記憶部と、ユーザにより入力された表示すべきインシデントと、識別情報とを受け付ける受付部と、受付部が受け付けたインシデントをもとに、グループ情報テーブルからグループを取得し、取得したグループと受付部が受け付けたユーザの識別情報とをもとに、ユーザ情報テーブルからユーザの役割を取得するユーザ情報取得部と、複数の項目のそれぞれに対するステータス情報を取得するステータス取得部と、ユーザ情報取得部において取得した役割およびステータス取得部において取得したステータス情報をもとに、提示形式を提示形式テーブルから抽出する抽出部と、抽出部において抽出した提示形式を反映させるように画面を生成する生成部と、生成部において生成した画面を表示させる指示部とを備える。
【0007】
本発明の別の態様もまた、画面生成装置である。この装置は、所定の画面にふくめるべき複数の項目が規定されるとともに、複数の項目のそれぞれに対する提示形式が、各項目のステータスおよびユーザの属性情報と関連づけて示された第1テーブルを記憶する記憶部と、ユーザの属性情報を取得するユーザ情報取得部と、複数の項目のそれぞれに対するステータス情報を取得するステータス取得部と、ユーザ情報取得部において取得した属性情報およびステータス取得部において取得したステータス情報をもとに、提示形式を第1テーブルから抽出する抽出部と、抽出部において抽出した提示形式を反映させるように画面を生成する生成部と、生成部において生成した画面を表示させる指示部とを備える。記憶部は、第1テーブルとは別の第2テーブルであって、かつ生成部において画面を生成する際に処理を除外すべき項目がユーザの属性情報と関連づけて示された第2テーブルも記憶し、抽出部は、取得部において取得した属性情報をもとに、除外すべき項目を第2テーブルから抽出し、生成部は、抽出部において抽出した項目を複数の項目から除外し、残った項目に提示形式を反映させる。
【0008】
本発明のさらに別の態様もまた、画面生成装置である。この装置は、所定の画面にふくめるべき複数の項目が規定されるとともに、複数の項目のそれぞれに対する提示形式がユーザ単位に示された第1テーブルを記憶する記憶部と、ユーザを識別するための識別情報を取得する取得部と、取得部において取得した識別情報をもとに、提示形式を第1テーブルから抽出する抽出部と、抽出部において抽出した提示形式を反映させるように画面を生成する生成部と、生成部において生成した画面を表示させる指示部とを備える。記憶部は、第1テーブルとは別の第2テーブルであって、かつ生成部において画面を生成する際に処理を除外すべき項目がユーザ単位に示された第2テーブルも記憶し、抽出部は、取得部において取得した識別情報をもとに、除外すべき項目を第2テーブルから抽出し、生成部は、抽出部において抽出した項目を複数の項目から除外し、残った項目に提示形式を反映させる。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、各ユーザに対して、より効率よく業務を行うことができる形式でカスタマイズされた画面を生成する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態にかかる画面生成装置を含む業務支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画面生成装置の記憶部に格納される項目選択テーブルの例を示す図である。
【図3】図2で示した未選択項目を設定するための、項目選択画面の例を示す図である。
【図4】図1の画面生成装置の記憶部に格納される項目提示形式テーブルの例を示す図である。
【図5】図1の画面生成装置の記憶部に格納される操作機能テーブルの例を示す図である。
【図6】図1の画面生成装置の画面生成部が、あるユーザ用に生成した画面の例を示す図である。
【図7】図1の画面生成装置の画面生成部が生成した他のユーザ用の画面例を示す図である。
【図8】図1の画面生成装置の記憶部に格納されるユーザ情報テーブルを示す図である。
【図9】図1の画面生成装置の記憶部に格納されるシステム項目テーブルの例を示す図である。
【図10】図1の画面生成装置の記憶部に格納される職責項目テーブルの例を示す図である。
【図11】図1の画面生成装置の記憶部に格納される職責機能テーブルの例を示す図である。
【図12】図1の画面生成装置の記憶部に格納されるグループ情報テーブルの例を示す図である。
【図13】図1の画面生成装置がインシデント詳細画面を生成する処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態にかかる画面生成装置は、各ユーザに、そのユーザ用にカスタマイズした画面を生成する。
【0013】
本明細書において、表示画面を構成する各部分を「項目」ともいう。例えばある案件についての画面には、タイトル、案件番号、基本情報、経過情報などの項目が含まれうる。
それぞれの項目については、表示のみとするのか、編集可能とするのか等、画面に提示する際の形式を前もって設定することができる。また、複数の項目のうち、そのユーザについて表示すべき項目を用いて、そのユーザの画面が生成される。
それぞれの項目についての提示形式や、画面に表示すべき項目は、各ユーザの担当案件や、職責などにもとづいて規定されていてもよい。
実施形態にかかる画面生成装置は、例えばユーザがログインした際にそのユーザの情報を取得し、各ユーザに対してカスタマイズされた画面を生成する。
【0014】
各ユーザに対して異なる画面を作成する方法として、全ユーザに共通するベース画面と、それぞれのユーザの画面がベース画面と異なる部分を定義する定義ファイルとによって、各ユーザの画面を定める方法がある。この方法ではまずベース画面を作成し、それをもとに各ユーザごとに設定された定義ファイルにしたがって修正を加えることで、各ユーザの画面を生成する。
しかしこの方法によると、例えば一部のユーザについてのみ新たな項目を追加するときにも、全員に共通のベース画面を変更する必要があるため、項目追加後に全員の画面についてテストを行う必要があるなど、メンテナンスに多大な手間がかかっていた。
【0015】
以下、図面を参照して実施の形態にかかる画面生成装置100の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる画面生成装置100を含む業務支援装置10の構成を示すブロック図である。
業務支援装置10は、画面生成装置100、操作部20、表示装置30を備える。操作部20および表示装置30は、ユーザが使用するユーザ端末の一部として構成されてもよい。
【0016】
画面生成装置100は、ユーザ情報取得部102、ステータス取得部104、記憶部106、受付部108、画面表示指示部110、画面生成部112および抽出部120を備える。画面生成部112は、画面項目判定部113、機能判定部114、提示形式判定部115および画面構成部116を備える。抽出部120は、画面項目取得部122、提示形式取得部124および機能取得部126を備える。
【0017】
ユーザが、操作部20からログインすることを指示する操作入力を行い、受付部108が受け付けると、ユーザ情報取得部102は、受付部108から、ログインしたユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する。
【0018】
画面項目取得部122は、記憶部106から、画面に表示することが可能な全ての項目の情報を読み出す。画面に表示することが可能な全ての項目の情報は、あらかじめ定められ、記憶部106に格納されている。画面項目取得部122はまた、ユーザ情報取得部102が取得したユーザ識別情報にもとづいて、そのユーザ用の画面から除外すべき項目のリストを、記憶部106に格納される項目選択テーブル300から抽出する。
【0019】
図2は、記憶部106に格納される項目選択テーブル300の例を示す。項目選択テーブル300には、画面生成部112において画面を生成する際に、処理を除外すべき項目がユーザ単位に示されている。
項目選択テーブル300は、ユーザID欄302および未選択項目欄304を含む。項目選択テーブル300においては、ユーザID欄302で特定されるそれぞれのユーザについて、前もって画面を構成する項目である画面項目から外すよう設定された未選択項目が、未選択項目欄304に示されている。
【0020】
図3は、図2で示した未選択項目を設定するための、項目選択画面200の例を示す。項目選択画面200には、未選択項目欄202、選択済項目欄204、選択ボタン206、選択解除ボタン208が含まれる。
【0021】
未選択項目欄202には、画面を構成することが可能な複数の項目のうち、画面項目として選択されていない項目が示されている。いずれかの項目をカーソル等で指示した状態で選択ボタン206を用いて選択することにより、その項目を選択済項目欄204に移動させることができる。また、選択済項目欄204に示されているいずれかの項目をカーソル等で指示した状態で、選択解除ボタン208を用いて選択解除することにより、その項目を未選択項目欄202に移動させることができる。
項目選択画面200で、未選択項目欄202に記録されている項目が、項目選択テーブル300の未選択項目欄304に記録される。
【0022】
なお、項目選択テーブル300は、未選択項目を記録する代わりに、選択済項目を記録してもよい。この場合、画面項目取得部122は、項目選択テーブル300から、画面から除外すべき項目のリストを抽出する代わりに、画面を生成する際に処理すべき項目のリストを抽出する。
【0023】
図1に戻る。
ステータス取得部104は、各項目について、その現在のステータスを取得する。ステータスとは、その項目の属性であって変化しうるものであり、例えば、ユーザが処理すべき案件の進行状況等をいう。
【0024】
提示形式取得部124は、ユーザ情報取得部102が取得したユーザ識別情報およびステータス取得部104が取得した各項目のステータスにもとづいて、複数の項目のそれぞれに対する提示形式を、記憶部106に格納される項目提示形式テーブル310から抽出する。提示形式とは、その項目をユーザに提示する際の形式であり、例えば、ユーザが参照のみ可能な形式とするか、ユーザによる編集が可能な形式とするか、あるいは画面上には表示しないか、などを規定する。
【0025】
図4は、記憶部106に格納される項目提示形式テーブル310の例を示す図である。項目提示形式テーブル310には、各ユーザについて画面に含めうる複数の項目が示され、複数の項目のそれぞれについて、そのステータスに応じた提示形式が示されている。
【0026】
項目提示形式テーブル310は、ユーザID欄312、項目欄314、ステータス欄316および提示形式欄318を含む。項目提示形式テーブル310においては、各ユーザID欄312に示されるユーザについて、項目欄314に示される項目がステータス欄に示されるステータスにあるとき、その項目を画面に組み込んでユーザに提示する際の提示形式が、提示形式欄318に記録されている。
【0027】
図1に戻る。機能取得部126は、ユーザ情報取得部102が取得したユーザ識別情報にもとづいて、記憶部106に格納される操作機能テーブル320から、そのユーザに対して許可される機能を抽出する。ここで機能とは、画面全体に対する操作として提供される機能であり、例えば、画面表示、メールでの送信、エスカレーション、編集、削除などである。すなわち、ユーザに対して許可される機能とは、ユーザに与えられた操作権限の範囲を示す。
機能取得部126が取得した、ユーザに対して許可される機能は、画面を生成する際に、例えば、画面の一部に機能ボタンを表示させる等の形で反映される。
【0028】
図5は、操作機能テーブル320の例を示す図である。操作機能テーブル320は、ユーザID欄322および機能欄324を含む。操作機能テーブル320においては、各ユーザID欄312に示されるユーザが、画面表示、新規画面作成、画面編集、画面削除などの各機能に関する操作権限を有するか否かについて、機能欄324にそれぞれ記録されている。
【0029】
図1に戻る。
画面生成部112は、画面項目取得部122、提示形式取得部124、機能取得部126が取得した情報にもとづいて、画面を生成する。
【0030】
具体的には、画面項目判定部113は、画面項目取得部122が取得した画面に表示可能な項目から、同じく画面項目取得部122が取得した未選択項目を除外して、画面を構成する画面項目を決定する。提示形式判定部115は、画面項目判定部113が決定した画面項目について、提示形式を決定する。そして、機能判定部114は、機能取得部126が抽出した機能にもとづき、表示すべき機能ボタンを決定する。
【0031】
画面構成部116は、画面項目判定部113が決定した画面項目、提示形式判定部115が決定した各画面項目についての提示形式、および機能判定部114が決定した表示すべき機能ボタンをもとに、画面を構成する各部分を組み合わせ、画面データを生成する。
【0032】
画面表示指示部110は、画面生成部112が生成した画面を表示装置30に表示させる。
【0033】
図1に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0034】
図6は、画面生成部112があるユーザ用に生成した画面の例を示す。提示形式が編集可能となっている項目は、入力フォームの形式で提示され、提示形式が表示のみである項目については、入力フォームは表示されない。
図7は、画面生成部112が生成した他のユーザ用の画面例を示す。図6に示した画面とは、画面を構成する画面項目の構成が異なる。
【0035】
このように、実施例にかかる画面生成装置100によれば、各ユーザにあわせて画面を構成する項目を選択し、また、各項目の提示形式をユーザごとにカスタマイズした画面を作成することが可能となる。
また、提示形式情報を画面単位ではなく項目単位で保持することで、画面構成を変更する際のメンテナンス作業が簡略化される。例えば、新しく表示項目を追加する際、その項目を未選択としているユーザに関しては、変更後のテストが不要となり、管理者の作業が大幅に削減される。
【0036】
以下、変形例をあげる。
変形例にかかる画面生成装置の構成も、図1の画面生成装置100と同様であり、以下、以下、前述の実施例との相違点を中心に説明する。
実施例においては、各項目単位で未選択項目を規定することとしたが、項目の上位階層である大項目(以下、「インシデント」ともいう)について、同様に未選択インシデントを規定してもよい。
【0037】
この場合、図3に示した項目選択画面200と同様の画面を用いて、あらかじめ各ユーザについて未選択インシデントを設定しておき、各ユーザについて、未選択インシデントをインシデント選択テーブル(図示せず)に、図2に示した項目選択テーブル300と同様の方法で記録しておく。そして、例えばユーザが、インシデント一覧を表示するように要求した際には、未選択インシデントを除いて、インシデント一覧を表示させる。
【0038】
また、実施例においては、各項目について提示形式を規定したが、各インシデントについても同様に、提示形式を規定してもよい。
この場合、例えば、図4に示した項目提示形式テーブル310と同様の方法で、各ユーザに対する各インシデントの各ステータスにおける提示形式を、インシデント提示テーブル(図示せず)として記録しておく。そして、例えば、各インシデントに属する項目すべてについて、その項目が属するインシデントについて規定された提示形式を適用する。
または、例えば、各インシデントについて、図5に示した操作機能テーブル320と同様の方法で、各ユーザに対するそれぞれのインシデントについての操作機能を、インシデント機能テーブル(図示せず)として規定しておいてもよい。そして、インシデントについての操作機能は、インシデント詳細画面を表示する際に機能ボタンとして画面に表示させてもよい。
【0039】
各インシデントに属する項目の選択や提示形式については、全インシデントについて共通としてもよく、またインシデントごとに異なる設定を可能としてもよい。インシデントごとに異なる設定をする場合は、複数のインシデントのそれぞれについて、項目選択テーブル300や項目提示形式テーブル310を用意する。
【0040】
これにより、各ユーザにあわせて画面を構成するインシデントを選択し、また、各インシデントの提示形式をユーザごとにカスタマイズした画面を効率よく作成することが可能となる。
また、提示形式情報を、画面単位ではなくインシデント単位で保持することで、画面構成を変更する際のメンテナンス作業が簡略化される。例えば、新しく表示インシデントを追加する際、そのインシデントを未選択としているユーザに関しては、変更後のテストが不要となり、管理者の作業が大幅に削減される。
【0041】
以下、別の変形例をあげる。
この変形例にかかる画面生成装置の構成も、図1の画面生成装置100と同様であり、以下、前述の実施例との相違点を中心に説明する。
実施例においては、各ユーザについて未選択項目や提示形式を規定したが、各ユーザの所属グループや職責によって、各未選択項目や提示形式を規定してもよい。
【0042】
ユーザの所属グループとは、例えば、ユーザが所属する部署や、ユーザが担当しているシステムなどであり、ユーザは、同時に複数のグループに所属することが可能である。
ユーザの職責は、例えば、役職、地位、肩書きなど、ユーザに関連づけられた属性であってよい。本明細書において、職責のことを「役割」ともいう。職責は、一のユーザについて一の職責のみ付与されることとしてもよく、また、各ユーザについて、その所属グループごとに、一の職責が規定されてもよい。後者の場合、例えば、一のユーザが複数のシステムを担当し、担当するそれぞれのシステムにおいて、職責が定められているような場合に有用である。
本明細書において、ユーザの所属グループやユーザの職責など、ユーザに関連づけられた要素を、ユーザの「属性」ともいう。
【0043】
以下、各ユーザの所属グループや職責によって未選択項目を規定し、また提示形式を規定する場合について、図1を用いて、前述の実施例との相違点を中心に説明する。
ユーザがログインした際、ユーザ情報取得部102は、ログインしたユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する。ユーザ情報取得部102は、取得したユーザ識別情報にもとづいて、ユーザに関する情報も取得する。具体的には、ユーザ情報取得部102は、記憶部106に格納されるユーザ情報テーブル400から、ユーザの担当システムおよび職責を取得する。
【0044】
図8は、ユーザ情報テーブル400を示す。ユーザ情報テーブル400は、ユーザID欄402、担当システム欄404および職責欄406を含む。担当システム欄404には、ユーザID欄402に示されるユーザが担当するシステムが記録され、職責欄406には、そのユーザの担当するシステムにおける職責が記録される。
【0045】
また、画面項目取得部122は、ユーザ情報取得部102が取得したユーザに関する情報にもとづいて、そのユーザ用の画面から除外すべき項目のリストを、記憶部106に格納されるシステム項目テーブル410から抽出する。
【0046】
図9は、システム項目テーブル410の例を示す。システム項目テーブル410には、画面生成部112において画面を生成する際に、画面項目から外すべき項目が、担当システムごとに記録されている。
システム項目テーブル410は、担当システム欄412および未選択項目欄414を含む。システム項目テーブル410においては、担当システム欄412で特定されるそれぞれの担当システムに所属するユーザについて、前もって画面項目から外す設定がなされた未選択項目が、未選択項目欄414に記録されている。
【0047】
図9においては、ユーザの所属グループである担当システムごとに未選択項目を規定する例を示したが、所属グループごとではなく、ユーザの職責ごとに、未選択項目を規定してもよい。
【0048】
また、図9に示したシステム項目テーブル410と同様の方法により、項目の上位階層であるインシデントについても、未選択インシデントを規定してもよい。この場合、例えば、ユーザの所属グループである、担当システムごとに、あらかじめ未選択インシデントを設定しておき、インシデント選択テーブル(図示せず)として、記憶部106に格納しておいてもよい。
【0049】
なお、一のユーザが複数のシステムを担当する場合は、そのユーザについての未選択項目または未選択インシデントは、そのユーザの担当する全てのシステムにおける未選択項目または未選択インシデントの論理積をとってもよい。すなわち、そのユーザの担当する全てのシステムにおいて未選択となっている項目またはインシデントを、そのユーザについて、未選択項目または未選択インシデントとしてもよい。
【0050】
提示形式取得部124は、ユーザ情報取得部102が取得した、ユーザの所属グループや職責などのユーザに関する情報にもとづいて、複数の項目のそれぞれに対する提示形式を、記憶部106に格納される職責項目テーブル420から抽出する。
【0051】
図10は、職責項目テーブル420の例を示す図である。職責項目テーブル420には、画面に表示可能な複数の項目それぞれの各ステータスにおける提示形式が、職責ごとに示される。職責項目テーブル420においては、各職責欄422に示される職責を有するユーザ用の画面を生成するにあたって、項目欄424に示される項目がステータス欄426に示されるステータスにあるときに、その項目を画面に表示する際の提示形式が、提示形式欄428に記録されている。
【0052】
図9においては、ユーザの職責ごとに提示形式を規定する例を示したが、ユーザの職責ごとではなく、所属グループごとに、提示形式を規定してもよい。
【0053】
機能取得部126は、ユーザ情報取得部102が取得したユーザに関する情報にもとづいて、そのユーザの職責に対して規定された機能を、記憶部106に格納される職責機能テーブル430から抽出する。抽出された機能は、前述のように、画面を生成する際に、例えば、画面の一部に機能ボタンとして反映される。
【0054】
図11は、職責機能テーブル430の例を示す図である。職責機能テーブル430においては、各職責欄432に示される職責を有するユーザが、画面表示、新規画面作成、画面編集、画面削除などの各機能に関する操作権限を有するか否かについて、機能欄434にそれぞれ記録されている。
【0055】
図11においては、ユーザの属性である職責ごとに、そのユーザが各機能に関する操作権限を有するか否かを規定する例を示したが、これに変えて、ユーザの所属グループごとに、各機能に関する操作権限を有するか否かを規定してもよい。
【0056】
これにより、各ユーザの職責や所属グループにあわせて画面を構成する項目を選択し、また、各項目の提示形式を選択して、各ユーザの職責や所属グループにあわせてカスタマイズした画面を作成することが可能となる。
また、提示形式情報を、画面単位ではなく項目単位で保持することで、画面構成を変更する際のメンテナンス作業が簡略化される。例えば、新しく表示項目を追加する際、その項目を未選択としている職責を有するユーザ、またはその項目を未選択としている所属グループに属するユーザに関しては、変更後のテストが不要となり、管理者の作業が大幅に削減される。
【0057】
また、一のユーザが複数のシステムを担当するような場合にも、ユーザは、一のログインIDによって、複数の担当システムにあわせて生成された画面を表示させることができるため、効率よく業務を行うことができる。
【0058】
以下、別の変形例をあげる。
企業における業務においては、一般的に、例えばチーム、プロジェクト、担当システムなどのユーザが所属するグループに対して、それぞれインシデントすなわち案件が割り振られる。各ユーザが同時に複数のグループに所属する場合、それぞれのグループで異なる案件を担当することになる。また、一のユーザに対して、所属するそれぞれのグループにおいて、異なる役割が定められる場合がある。このような場合にも、各ユーザの業務を効率よく処理できるように、各ユーザごとにカスタマイズした画面を生成したいという要請がある。
【0059】
この変形例にかかる画面生成装置の構成も、図1の画面生成装置100と同様であり、 以下、図1、図8、図10、図11および図12を用いて、前述の実施例および変形例との相違点を中心に説明する。
【0060】
画面生成装置100の受付部108は、例えばユーザが操作部20からログインすることを指示する操作入力を行った際などに、ログインしたユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け付ける。
受付部108はまた、ユーザが、インシデント一覧画面から一のインシデントを選択し、その詳細を表示することを要求する操作入力を操作部20から行った際に、インシデントの表示要求を受け付ける。
【0061】
ユーザ情報取得部102は、受付部108からログインしたユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得し、また、受付部108から表示すべきインシデントに関する情報を取得する。
ユーザ情報取得部102はまた、記憶部106に格納されるグループ情報テーブル440から、表示すべきインシデントに対応する担当システムを取得する。すなわち、ユーザが表示することを指示した案件は、どのシステムを担当するユーザの責任で処理されることになっているのか、情報を取得する。
【0062】
図12は、グループ情報テーブル440の例を示す図である。グループ情報テーブル440においては、インシデント欄444に記録される各インシデントすなわち案件について、どのグループの担当案件であるのかについて、担当システム欄442に記録されている。例えば、インシデント「店舗A」は、「棚割」システムを担当しているグループのユーザが処理すべき案件であることが示されている。
【0063】
続いてユーザ情報取得部102は、受付部108から取得したユーザの識別情報と、グループ情報テーブル440から取得した担当システムとにもとづいて、ユーザの職責を取得する。具体的には、ユーザ情報取得部102は、記憶部106に格納されるユーザ情報テーブル400から、ユーザの職責を取得する。
ユーザ情報テーブル400に関しては、図8に関連して説明した例と同様であり、説明は省略する。
【0064】
画面項目取得部122は、記憶部106から、そのインシデントに属する全ての項目に関する情報を読み出す。各インシデントに属する項目の情報は、あらかじめ記憶部106に格納されている。
【0065】
提示形式取得部124は、ユーザ情報取得部102が取得したユーザの職責、およびステータス取得部104が取得した各項目のステータスにもとづき、そのインシデントに属する複数の項目のそれぞれに対する提示形式を、記憶部106に格納される職責項目テーブル420から抽出する。
職責項目テーブル420に関しては、図10に関連して説明した例と同様であり、説明は省略する。
【0066】
機能取得部126は、ユーザ情報取得部102が取得したユーザの職責にもとづき、その職責に対して規定された機能を、記憶部106に格納される職責機能テーブル430から抽出する。抽出された機能は、前述のように、画面を生成する際に、例えば、画面の一部に機能ボタンとして反映される。
職責機能テーブル430に関しては、図11に関連して説明した例と同様であり、説明は省略する。
【0067】
提示形式判定部115は、提示形式取得部124が取得した各項目の提示形式にもとづき、提示形式を決定する。そして、機能判定部114は、機能取得部126が抽出した機能にもとづき、表示すべき機能ボタンを決定する。
【0068】
画面構成部116は、提示形式判定部115が決定した各画面項目についての提示形式、および機能判定部114が決定した表示すべき機能ボタンをもとに、画面を構成する各部分を組み合わせ、画面データを生成する。
画面表示指示部110は、画面生成部112が生成した画面を表示装置30に表示させる。
【0069】
これにより、各ユーザの職責や所属グループにあわせて画面を構成する項目の提示形式を選択して、各ユーザの職責や所属グループにあわせてカスタマイズした画面を作成することが可能となる。
また、一のユーザが複数のシステムを担当するような場合にも、ユーザは、一のログインIDによって、複数の担当システムにあわせて生成された画面を表示させることができるため、効率よく業務を行うことができる。
【0070】
以上、いくつかの実施の形態を説明した。これらの実施の形態の任意の組合せもまた本発明の実施の形態として有用である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0071】
以上の実施例および変形例を組み合わせの一例として、ユーザの所属グループや職責によって、未選択項目および未選択インシデントを規定し、また各項目および各インシデントの提示形式を規定した場合の動作を以下に示す。
図13は、画面生成装置100においてインシデント詳細画面が生成される処理を説明するフローチャートである。
【0072】
まず、ユーザが操作部20を操作してログインすると(S10)、ユーザ情報取得部102は、ユーザIDを取得し、ユーザの担当するシステムや職責など、ユーザに関する情報を取得する。また、画面項目取得部122は、画面に表示可能な項目を読み出す。機能取得部126は、各機能の操作権限の有無に関する情報を読み出す(S12)。
【0073】
受付部108が、ユーザからインシデント一覧表示要求を受け付けると(S14)、画面生成部112は、ユーザの担当システムにもとづいて、インシデント選択テーブル(図示せず)を参照し、インシデント一覧に表示するインシデントを決定し(S16)、一覧画面を生成する。そして、画面表示指示部110が、画面生成部112が生成したインシデント一覧画面を表示装置30に表示させる(S18)。
【0074】
ユーザが、操作部20を用いて、インシデント一覧画面に表示されたインシデントのうちの一を指示して、そのインシデントの詳細を表示することを要求する操作入力を行う(S20)。機能判定部114は、そのユーザの職責にもとづいて、機能取得部126が抽出した操作権限に関する情報を参照し、そのユーザが、そのインシデントを表示させる権限を有するか否か、判定する(S22)。
【0075】
そのユーザが、そのインシデントを表示させる権限を有しない場合(S22のN)、画面表示指示部110は、エラーメッセージを表示させて(S24)、インシデント一覧表示処理に戻る。そのユーザが、そのインシデントを表示させる権限を有する場合(S22のY)、画面項目判定部113は、そのユーザの職責にもとづいて、画面に表示すべき項目を決定し、提示形式判定部115は、各項目について提示形式を決定し、機能判定部114は、その画面において、ユーザの操作を許可する機能を決定する(S26)。
【0076】
そして、画面構成部116が、表示画面データを生成し、画面表示指示部110が、生成された画面を表示装置30に表示させる(S28)。
【0077】
以上、本発明について実施例をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0078】
100 画面生成装置、 102 ユーザ情報取得部、 104 ステータス取得部、 106 記憶部、 112 画面生成部、 120 抽出部、 122 画面項目取得部、 124 提示形式取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するための識別情報と、ユーザの所属するグループと、グループにおけるユーザの役割とがユーザごとに示されたユーザ情報テーブルと、
所定の画面にふくめるべき複数の項目が規定されるとともに、複数の項目のそれぞれに対する提示形式が、各項目のステータスおよびユーザの役割と関連づけて示された提示形式テーブルと、
複数の項目がそれぞれいずれかに属する1以上のインシデントと、グループとが関連づけて示されたグループ情報テーブルと、を記憶する記憶部と、
ユーザにより入力された表示すべきインシデントと、識別情報とを受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けたインシデントをもとに、前記グループ情報テーブルからグループを取得し、取得したグループと前記受付部が受け付けたユーザの識別情報とをもとに、ユーザ情報テーブルからユーザの役割を取得するユーザ情報取得部と、
複数の項目のそれぞれに対するステータス情報を取得するステータス取得部と、
前記ユーザ情報取得部において取得した役割および前記ステータス取得部において取得したステータス情報をもとに、提示形式を提示形式テーブルから抽出する抽出部と、
前記抽出部において抽出した提示形式を反映させるように画面を生成する生成部と、
前記生成部において生成した画面を表示させる指示部とを備えることを特徴とする画面生成装置。
【請求項2】
所定の画面にふくめるべき複数の項目が規定されるとともに、複数の項目のそれぞれに対する提示形式が、各項目のステータスおよびユーザの属性情報と関連づけて示された第1テーブルを記憶する記憶部と、
ユーザの属性情報を取得するユーザ情報取得部と、
複数の項目のそれぞれに対するステータス情報を取得するステータス取得部と、
前記ユーザ情報取得部において取得した属性情報および前記ステータス取得部において取得したステータス情報をもとに、提示形式を第1テーブルから抽出する抽出部と、
前記抽出部において抽出した提示形式を反映させるように画面を生成する生成部と、
前記生成部において生成した画面を表示させる指示部とを備え、
前記記憶部は、第1テーブルとは別の第2テーブルであって、かつ前記生成部において画面を生成する際に処理を除外すべき項目がユーザの属性情報と関連づけて示された第2テーブルも記憶し、
前記抽出部は、前記取得部において取得した属性情報をもとに、除外すべき項目を第2テーブルから抽出し、
前記生成部は、前記抽出部において抽出した項目を複数の項目から除外し、残った項目に提示形式を反映させることを特徴とする画面生成装置。
【請求項3】
所定の画面にふくめるべき複数の項目が規定されるとともに、複数の項目のそれぞれに対する提示形式がユーザ単位に示された第1テーブルを記憶する記憶部と、
ユーザを識別するための識別情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した識別情報をもとに、提示形式を第1テーブルから抽出する抽出部と、
前記抽出部において抽出した提示形式を反映させるように画面を生成する生成部と、
前記生成部において生成した画面を表示させる指示部とを備え、
前記記憶部は、第1テーブルとは別の第2テーブルであって、かつ前記生成部において画面を生成する際に処理を除外すべき項目がユーザ単位に示された第2テーブルも記憶し、
前記抽出部は、前記取得部において取得した識別情報をもとに、除外すべき項目を第2テーブルから抽出し、
前記生成部は、前記抽出部において抽出した項目を複数の項目から除外し、残った項目に提示形式を反映させることを特徴とする画面生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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