説明

界面レベル計の汚れ防止装置

【課題】 計測用の信号と洗浄用の信号を切り換えるためのゲート回路を必要とし、回路が複雑になるという問題があった。
【解決手段】 制御装置12の出力端子に第1の増幅器13の入力端子が接続され、この第1の増幅器13の出力端子に洗浄用振動子14が接続され、制御装置12の出力端子に第2の増幅器15の入力端子が接続され、第2の増幅器15の出力端子に計測用振動子16が接続され、計測用振動子16に第3の増幅器17の入力端子が接続され、又、第3の増幅器17の出力端子は制御装置12が接続されており、センサケース18の内底部にリング状の計測用振動子16が装着され、リング状の計測用振動子16の中心の孔に洗浄用振動子14が装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈殿層などの沈殿物の深さを検出する界面レベル計の汚れを防止する界面レベル計の汚れ防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
沈殿層1の液体2の沈殿物3の層を検出する超音波センサ4に通常の増幅度を有する第1の増幅器6及び第1の増幅器6の増幅度の数倍の増幅度を有する第2の増幅器7の出力端子が接続され、この第1,第2の増幅器6,7の入力側に第1の増幅器6又は第2の増幅器7を選択する第1のゲート8が接続され、さらに、第1のケート8に発振器9が接続され、又、第1,第2の増幅器の6,7の出力側に第2のゲート10を介して出力端子aが接続され、さらに、制御装置11は発振器9の出力、第1のゲート8及び第2のゲート10の切り換えを制御するように接続されている。
【0003】
このように構成された従来の界面レベル計の汚れ防止装置では、制御装置11からの信号で発振器9を動作してパルス信号を出力すると、発振器9からのパルス信号は通常の計測のための増幅度を有する第1の増幅器6で増幅され、増幅されたパルス信号は超音波センサ4に入力され、それと同時に、制御装置11に内蔵されたタイマがセットされ、超音波波振動子4で発生した超音波は沈殿槽1の沈殿物3で反射され、第2のゲート10を介して出力端子aから計測装置へ送信され、制御装置11のタイマがタイムアップされるまで継続し、タイムアップされると、第1のゲート8を第2の増幅器7に接続し、第2のゲート10を遮断し、発振器9からのパルス信号は増幅器7で通常の数倍の増幅度で増幅され、この強力なパルス信号は超音波センサ4に入力され、この強力なパルス信号で超音波センサ4が励振され、超音波センサ4の発射面に付着している汚れを超音波励振して除去することができる。
【0004】
しかしながら、従来の界面レベル計の汚れ防止装置では、1つの超音波センサ4によって計測と洗浄を行っているので、計測用の信号と洗浄用の信号を切り換えるためのゲート回路を必要とし、回路が複雑になるという問題がある。
【特許文献1】特開平9−318421
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、計測用の信号と洗浄用の信号を切り換えるためのゲート回路を必要とし、回路が複雑になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、沈殿槽に装着されるセンサケースと、該センサケース内に装着した計測用振動子及び洗浄用振動子と、該洗浄用振動子が接続される第1の増幅器と、前記計測用振動子が接続される第2の増幅器及び第3の増幅器と、前記第1の増幅器に洗浄用信号を出力し、第2の増幅器に計測用信号を出力し、第3の増幅器で計測用振動子からの信号を増幅して入力する制御装置と、前記第1の増幅器によって出力された洗浄用信号を前記洗浄用振動子に入力して自動洗浄するものであり、又、前記センサケースに装着される洗浄用振動子はリング状に形成された計測用振動子の中心孔に装着されるものであり、さらに、 前記センサケースに装着される洗浄用振動子と計測用振動子は円盤状に形成され、重ねて前記センサケース内に装着されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の界面レベル計の汚れ防止装置は、洗浄用振動子と計測用振動子を別に構成し、1つのセンサケースに装着することにより、ゲート回路を必要とせず、回路構成が簡単になるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明では、計測用振動子及び洗浄用振動子とがセンサケースに装着されて沈殿槽に設置され、第1の増幅器に洗浄用振動子が接続され、第2の増幅器及び第3の増幅器に計測用振動子が接続され、制御装置によって、第1の増幅器に洗浄用信号を出力し、第2の増幅器に計測用信号を出力し、第3の増幅器で計測用振動子からの信号を増幅して制御装置に入力し、第1の増幅器によって出力された洗浄用信号を洗浄用振動子に入力して自動洗浄するものである。
【実施例】
【0009】
図1は本発明の実施例の界面レベル計の汚れ防止装置のブロック図で、制御装置12の出力端子に第1の増幅器13の入力端子が接続され、この第1の増幅器13の出力端子に洗浄用振動子14が接続され、又、制御装置12の出力端子に第2の増幅器15の入力端子が接続され、第2の増幅器15の出力端子に計測用振動子16が接続され、さらに、計測用振動子16に第3の増幅器17の入力端子が接続され、又、第3の増幅器17の出力端子は制御装置12が接続されており、又、図2及び図3に示すように、センサケース18の内底部にリング状の計測用振動子16が装着され、リング状の計測用振動子16の中心の孔に洗浄用振動子14が装着されている。
【0010】
このように構成された本実施例の界面レベル計の汚れ防止装置では、制御装置12を駆動して、第2の増幅器15に計測用信号を出力すると、第2の増幅器15で計測用信号が増幅され、計測用振動子16に入力されると、計測用振動子16から照射された超音波が沈殿槽内の液体に照射され、沈殿槽内の沈殿物3で反射され、再び計測用振動子16に入力されるので、第3の増幅器17で増幅されて制御装置12に入力され、計測用振動子16から沈殿物までの深さが計測される。
【0011】
ここで、制御装置1に装着されたタイマで予め決められた時間が経過すると、制御装置12から第1の増幅器13に洗浄用信号が出力されるので、第1の増幅器13で洗浄用信号が増幅されて洗浄用振動子14に入力されることにより、洗浄用振動子14から強力な超音波が発生し、センサケース18の外面に付着した汚れを除去することができる。
【0012】
図4は本発明の他の実施例の界面レベル計の汚れ防止装置に使用されるセンサケースの側面断面図で、14は洗浄用振動子、16は計測用振動子、18はセンサケースで、これらの構成は上記実施例と同じであるが、本実施例では、洗浄用振動子14と計測用振動子16はそれぞれ円盤状に構成され、洗浄用振動子14の上に計測用振動子16が積層されて、センサケース18の内底部に装着されている。
【0013】
このように構成された本実施例の界面レベル計の汚れ防止装置でも前記実施例と同様の効果をえることができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
なお、上記実施例では、計測用振動子と洗浄用振動子を逆に装着しても同様の効果をえることがことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例の界面レベル計の汚れ防止装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施例の界面レベル計の汚れ防止装置のセンサケースの側面断面図である。
【図3】図2のセンサケースの平面図である。
【図4】本発明の他の実施例の界面レベル計の汚れ防止装置のセンサケースの側面断面図である。
【図5】従来の界面レベル計の汚れ防止装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0016】
12 制御装置
13 第1の増幅器
14 洗浄用振動子
15 第2の増幅器
16 計測用振動子
17 第2の増幅器
18 センサケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沈殿槽に装着されるセンサケースと、該センサケース内に装着した計測用振動子及び洗浄用振動子と、該洗浄用振動子が接続される第1の増幅器と、前記計測用振動子が接続される第2の増幅器及び第3の増幅器と、前記第1の増幅器に洗浄用信号を出力し、第2の増幅器に計測用信号を出力し、第3の増幅器で計測用振動子からの信号を増幅して入力する制御装置と、前記第1の増幅器によって出力された洗浄用信号を前記洗浄用振動子に入力して自動洗浄することを特徴とする界面レベル計の汚れ防止装置。
【請求項2】
前記センサケースに装着される洗浄用振動子はリング状に形成された計測用振動子の中心孔に装着されることを特徴とする請求項1記載の界面レベル計の汚れ防止装置。
【請求項3】
前記センサケースに装着される洗浄用振動子と計測用振動子は円盤状に形成され、重ねて前記センサケース内に装着されることを特徴とする請求項1記載の界面レベル計の汚れ防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−85306(P2010−85306A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256168(P2008−256168)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】