説明

留め具、段ボール箱、組み合わせ

【課題】本留め具は、段ボール箱の底蓋を仮閉めする用途に実用し得る留め具を得ることである。
【解決手段】内蓋を内側から押える受け側について、縦細く張る部分に加えて、新たに横幅(左右に延びる幅)を以って横渡しに押え得る部分を設けた。また、外蓋を外側から押える押え側について、左右(の2枚)の外蓋を押えるかたちとして、横渡しに張るかたちとともに、新たに縦幅(上下幅)を以って縦渡しに押え得るかたち(即ち、面を以って押えるかたち)を成すものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱の蓋を仮閉めする留め具であって、
「1枚の内蓋に、2枚の外蓋を挟み付ける形態」あるいは「1枚の内蓋と、2枚の外蓋を挟み合わせる形態」の留め具に関する。
【0002】
本発明は、段ボール箱の「底部の蓋」を仮閉めする用途に使用できるものとして、特許文献1のものについて、機能を強化するものである。
【0003】
本留め具は、受け側、押え側、連結部(受け側と押え側とを向い合うかたちに連結する部分)を有して成り、
受け側を以って「内蓋を内側から押え」、押え側を以って「2枚の外蓋を外側から押える」かたちで、内蓋と外蓋とを挟み合わせる留め具である。
【背景技術】
【0004】
特許文献1のものは、段ボール箱の「天部の蓋」を仮閉めする留め具として考えたもので、内蓋と外蓋が、不要に起き立たない程度に挟み合わせることで用が足りるものであった。
本発明は、段ボール箱の「底部の蓋」について、仮閉めし得る留め具とするものであって、底部の内蓋と外蓋とを、しっかりした状態に挟み合せる必要があり、強いタッチで挟み押えるものとなる。
依って、本留め具は、強いタッチで押えても段ボール箱の蓋が潰れないよう保護するための形態と、底(底蓋)が不要に抜け落ちないための機能を備えるものである。
【0005】
特許文献1のものは、受け側が、内蓋(の縦筋)の板目に沿って、縦細に押え付く形態を成しているものである。
また、押え側が、外蓋(の横筋)の板目に沿って横一線(即ち横細)に押え付く形態を成しているものである。
即ち、内蓋を押える受け側も、外蓋を押える押え側も、細状に張る形態を以って、蓋の板目(板筋)に沿って押え付くものであるから、強いタッチで挟み押えると、蓋が潰れて(即ち、板筋に沿って折れて)しまうことになり、強いタッチで挟み押える(即ち、しっかりした状態に挟み押える)ことができないものであった。
【0006】
特許文献1のものは、段ボール箱の「天部の蓋」を仮閉めする目的の留め具であるから、その限りに於いて支障なく実用できるものであるが、段ボール箱の「底部の蓋」を仮閉めする用途に適うことができない。
即ち、特許文献1のものは、留め具側の都合だけを考えたものであって、段ボール箱を成す板材(段ボール)の弱さを保護する、あるいは板材の弱さを保護することによって、より堅固に挟み合わせることを可能にするなど、段ボール箱側の問題を解決するまで考えが及ぶものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3995691号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の留め具は、段ボール箱の天部の蓋は元よりのこととして、段ボール箱の「底部の蓋を仮閉めする」用途を意図したものである。
該用途に於いては、段ボール箱の中に物を入れたとき、底が抜け落ちることなく使用できるものであることが求められる。即ち、底部の内蓋と外蓋とを、しっかりした状態に挟み合わせることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般的な段ボール箱の蓋は、向い合って折れる2枚の内蓋と、向い合って折れる2枚の外蓋からなっている。
本発明の留め具は、2枚の内蓋のどちらか1枚に、2枚の外蓋を留め付けるかたちの留め具である。
【0010】
本発明の留め具について説明する。
(イ)本留め具は、受け側、押え側、及び受け側と押え側とを連結する連結部を有す、
(ロ)連結部は、受け側と押え側とを裏表に向かい合うかたちに連結する部分で、細状部材が二手(裏側と表側)に折り曲がった形態を以って成る、
(ハ)受け側は、縦細く張る部分と、横幅(左右に延びる幅)を以って横渡しに押える部分とを有して成る、
(ニ)押え側は、横渡しに張るかたち(あるいは部分)を有して成る、あるいは、横渡しに張るかたちとともに、縦幅(上下幅)を以って縦渡しに押えるかたちを有して成る、
(ホ)連結部を上にして、受け側と押え側を下方に延びるかたちに見る状態に於いて、押え側の下端(下縁)と、受け側の横渡しに押える部分の上端(上縁)との間は、一定の間隔をあけて成る、
(ヘ)以上の如き特徴を有して成る留め具である。
【0011】
本発明(の留め具)について端的に説明するならば、段ボール箱は、「内蓋は、縦筋に向かう板筋を成し」、「外蓋は、横筋に向かう板筋を成す」ものになっている。この板筋と、段ボール特有の(弱い)材質を考慮し、段ボール板を潰さないかたちで押え付く形態のものとしたことである。
即ち、縦筋の板目をもつ内蓋を押える受け側には、横渡しに押え付く形態の部分を設け、横筋の板目をもつ外蓋を押える押え側には、縦渡しに押え付く形態を有して成るものにしたことである。
【0012】
本留め具は、2枚の外蓋の合わせ目(縦目)に沿って、受け側(の横に延びる部分)を差し込み、横に延びる該部分で内蓋を探り捉えたら、2枚の外蓋の合わせ目に沿って留め具全体を倒しながら押し込むことで、内蓋に2枚の外蓋を挟み付ける(蓋を閉じ合わせる)ものである。
尚、外蓋を内蓋に挟み付けることにより、2枚の外蓋が押し並べて平らに閉じ合うものになる。
【0013】
因みに、倒しながら押し込んだのとは反対方向に、起しながら引き上げる(あるいは押し戻す)ことで蓋を開ける(留め具を外す)ことができる。
【発明の効果】
【0014】
発明の効果を、以下に記載する。
1、段ボール箱の「底部の蓋を仮閉めする用途」に実用し得る留め具を得た。
2、段ボール箱の天部の蓋を仮閉めする用途にも使用でき、両用のものとして使用することができる。
3、本留め具は、1枚の内蓋と2枚の外蓋を強力に挟み押える機能ならびに形態をもつものである。この機能ならびに形態は、内蓋や外蓋を箱本体の側面に折りたたんだ状態に蓋を留め押える用途にも使用できる。即ち、本留め具は、蓋を開放する用途にも使用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本留め具の実施例を示す斜視図である。
【図2】本留め具の実施例を示す正面図である。
【図3】本留め具の実施例を示す側面図である。
【図4】特許文献1のものについての骨組みを説明する図である。
【図5】本留め具の骨組みを説明する図である。
【図6】骨組みに対し、体形を加える観点を説明する図である。
【図7】段ボール箱に留め付けた様子を示す図である。
【図8】コ字状部材の斜視図である。
【図9】コ字状部材をセットした様子を説明する図である。
【図10】本留め具とコ字状部材との係りを説明する図である。
【図11】本留め具及びコ字状部材について別途の用途を説明する図である。
【図12】コ字状部材に代わるモジュールの斜視図である。
【図13】コ字状部材に代わるモジュールの斜視図である。
【図14】図13に示したモジュールをセットした様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を追って説明する。
図を見たままの状態で、上、下、縦、横、左、右、向こう、手前、裏、表の意味を使い分ける。
【0017】
本明細書で使用している文言について説明する。
段ボール箱の天部の蓋とは、段ボール箱を置いた状態で天部になる側の蓋で、内蓋と外蓋がある。段ボール箱の底部の蓋とは、段ボール箱を置いた状態で底部になる側の蓋で、内蓋と外蓋がある。即ち、底部の蓋(以下、底蓋とも云う)は、箱に中身を入れた状態で底になる側の蓋であって、中身の重さに耐える状態に挟み合わなければならない側の蓋である。
【0018】
実施例の1を説明する。
【0019】
図1は、斜視図である。
図1は、図5、6を以って説明する骨組みのものを具象した一例である。
図2は、正面図である。
図3は、側面図である。
w1、w2の部分が、押え側である。w3の部分が、連結部である。w4、w5、w6、w7、の部分が、受け側である。w8の間隔が、挟み入れ口である。
【0020】
受け側と押え側をつなぐ連結部は、受け側と押え側とを以って挟み付くための挟む作用(バネ)に働く役割りをもつ部分である。底蓋を留める留め具としては、不要にバネが働かないよう重いバネ(強いバネ、あるいは硬いバネ)のものにすることが大切である。また、構成全体としても不要に押し広がる或いは不要に折り曲がることがないような強い素材で成ることが求められる。
【0021】
押え側の横に延びる部分と、受け側の横に延びる部分の間に見える縦間隔(w5)は、内蓋を探り捉えるための間隔であり、同時に内蓋と外蓋とを迎え入れる部分であるから、内蓋と外蓋の厚みを合わせた幅よりも大きめの間隔にすることが大切である。
また、該部分(w5)は、留め付けに際し、内蓋と外蓋とを迎え入れて90度回転させ、受け側と押え側の横渡し部分を横方向に向ける上での回転軸になる部分である。
また、挟み入れ口の幅(w8)は、内蓋と外蓋の厚みを合わせた幅に、対応する幅にすることが大切である。
因みに、図3に於いて、受け側と押え側の間隔(挟み口、w8)が、挟み入れ口寄りにかけて狭まるかたちを成しているが、挟み付けた(内蓋と外蓋を挟んだ)状態に於いては押し広げられ、押え側は面の状態(横幅と縦幅)を以って外蓋に押え付くものとなる。
バネをどの程度に働くものにするかによって、挟み口の開き状態(様態)は、やや異なるものになるが任意に設定(あるいは選択)して良い。
【0022】
図4、5、6は、本発明(の留め具)について分り易く説明するために、骨組み(機能と形態)を以って説明する図である。
【0023】
図4について説明する。
図4は、従来の留め具(特許文献1のもの)の骨組みである。図4(1)は、斜視図である。図4(2)は、正面図である。
図に示すように、従来の留め具(特許文献1)は、連結部(A)、及びb1で成る受け側、及びc1、c2で成る押え側とを以って成る構成(骨組み)のものであった。
即ち、受け側(b1)は、内蓋の板目(縦筋)に沿って細状(縦細)に押え付き、押え側は、c2の部分を以って外蓋の板目(横筋)に沿って横一線に押え付く形態のものである。
【0024】
図5について説明する。
図5は、本発明の留め具の骨組みである。図5(1)は、斜視図である。図5(2)は、正面図である。
図に示すように、本留め具は、連結部(A)、及びb1、b2で成る受け側、及びc1、c2、c3で成る押え側とを以って成る構成(骨組み)のものである。
即ち、本発明(の留め具)は、受け側に、b2の部分(縦筋の板目をもつ内蓋に、横渡しに押え付く部分)を設け、押え側に、c3の部分(横筋の板目をもつ外蓋に、縦渡しに押え付く部分)を設けたものである。
端的に説明するならば、本発明は、面を以って押え付くかたちに体形化したものである。
因みに、受け側の横渡し部分(b2)の幅(横幅)は、2枚の内蓋が向い合う「隔たりの幅」と見合う幅に於いて設定することが大切である。
【0025】
図6について説明する。
図6は、図5に示した骨組みについて、体形を施す観点から説明する図である。四角い枠(点線)で囲んだ中に、受け側の体形および押え側の体形を任意のデザインで成して良いものであることを説明しているものである。因みに、体形化(具象化あるいは具体化)した一例を示したものが図1である。この体形化するに於いて留意すべきことは、押え側の下端と、受け側の横渡し部分を形成する上端との間隔(d)を、内蓋と外蓋の2枚(の厚み)を、ゆとりをもって抜き差しできる幅にすることである。
因みに、図1は飛行機をイメージするデザインにした。斯様に、任意のデザインを以って成して良い。角張った部分を、「まるみ」をもたせるなど変形させれば更に良いデザインのものになる。
【0026】
図7は、図1に示したものを、段ボール箱に留め付けた様子を示した図である。
尚、図7は、2つの留め具を用いて、向かい合う2枚の内蓋に、2枚の外蓋を挟み付けた様子を示しているものである。
【0027】
以上に実施例の1を説明した。以下に実施例の2を説明する。
【0028】
実施例の1の場合、留め具を挟み付ける操作によって、内蓋の縁が潰れてしまうことがある。内蓋の縁が潰れると、そこから波及して内蓋が板筋(板目)に沿って折れやすいものとなり、留め具の効果を損なうことにつながる。縁が潰れてしまうと、段ボール箱は繰り返し使用する上で適さないものになってしまう。
【0029】
これに対し、実施例の2は、コ字状に折り曲がった別部材(あるいはモジュール)を組み合せて使用する方法によるもので、内蓋の縁が潰れることを防ぎ、同時に実施例の1の場合よりも堅固に挟み合わせることができるものである。
【0030】
図8に示すものが、コ字状に折り曲がった別部材(以下、コ字状部材とも云う)である。図8(1)は、正面から見た斜視図である。図8(2)は、側面図である。
この別部材を、図9に示すように、内蓋の中央位置に、断面から突き込むことで、内蓋の縁が潰れることを防ぐことができる。
コ字状部材(の突き込み部)は、段ボールの板厚(の穴目)に窮屈状態に収まる形状形態のものにすると良い。取り分け、段ボールの板厚に相当する太さの線材を使用し、板筋(穴目)に窮屈な状態にセットできるものにすると良い。また、取り扱う上で危険のない程度に先端が尖ったものにすることで、段ボールの切り口(断面)から突き込む上で使用し易いものになる。
【0031】
図9は、コ字状部材を内蓋に突き込んだ様子を示すものである。図に示すように、向い合う両方の内蓋に使用するのが良い。即ち、底蓋を仮閉めする場合は、向い合う2枚の内蓋に、それぞれ2枚の外蓋を挟み合わせるのが良い。
【0032】
コ字状部材と、本留め具との係わりについて図10を以って説明する。
図9に示したように、コ字状部材がセットされた状態の上に、本留め具を以って内蓋と外蓋を挟み合わせたとき、即ち、本留め具を取り付けたとき、図10に示す状態(但し、コ字状部材と本留め具を透視して見た状態)に、コ字状部材と本留め具が重なり合うものになる。
云いかえるならば、図10に見る状態に、コ字状部材と本留め具が重なり合うかたち(あるいは組み合うかたち)に構成し、コ字状部材と本留め具とを組み合わせて使用することに依って、前記した「内蓋の縁が潰れるのを防ぐ効果」とともに、次に説明する効果を得ることができる。
【0033】
本留め具は、付け外し操作を可能にするため、前記しているように、押え側の下端(下縁)と受け側の横渡し部分の上端(上縁)との間は、間隔(図2で示すw5、図6で示すd)をあけたものにしている。即ち、受け側の横渡しの形態と、押え側の横渡しの形態とは、縦位置を異にして、行き違いに挟み合うかたちになっている。このことは、挟み具としては必ずしも適切といえるものではない。コ字状部材は、この不適切な状態をカバーし、受け側と押え側が、縦位置を異にし合った状態を、受け側と押え側が、真向かいに向い合う(挟み合う)関係に変える効果を実現するものである。
見方を変えて云うなら、内蓋を、段ボールと云う弱い板材から強い板材(一般に云う板)に変えた状態のもとに挟み合わせることになる。弱い段ボールから強い板となった内蓋に、外蓋を合わせるのであるから、同時に外蓋もしっかりした状態のもとに挟み合わされることになる。
【0034】
上記した効果は、底蓋が抜け外れないように、しっかりした状態で挟み合わせ、また、段ボール箱が傷むのを防ぎ、繰り返して使用ができるものになる。
上記した効果を得る上で大切な要件は、コ字状部材の縦2辺(2本の突き込み部)が、受け側の横渡し部分(図2で示すw7、図5で示すb2)の内に掛かる寸法であること。その寸法に満たない場合、あるいは受け側の横幅(横渡し部分の幅)の内に掛からない場合は、その効果は限られたものになる。
また、2本の突き込み部の間隔は、押え側の横渡し部分(図2で示すw1、図5で示すc2)の内に掛かる状態に成すことも大切である。押え側の横幅の内に掛からない場合は、内蓋の縁を潰さないようにすることはできるが、その他の効果(機能の働き)は、限られたものになる。
因みに、コ字状部材の横幅(連結部分)が、押え側の横幅(横渡し部分の幅)、及び受け側の横幅(横渡し部分の幅)の両方に掛かるものにすることによる効果は、殊に大である。
その為には、コ字状部材の突き込み部の縦幅(縦の長さ)が、受け側の横渡し部分に届くに足る長さであることが求められる。云いかえるなら、留め具側は、押え側および受け側の横幅が、共にコ字状部材の横幅を超える幅であることが求められる。
【0035】
コ字状部材を組み付けて(あるいは組み合わせて)使用する場合の留め具については、押え側の横渡し部分が、横幅をもってのみ(即ち、特許文献1のものと同様、横に細状に延びるかたちだけで)押える形態であっても良い。
云いかえるなら、図5で示した骨組みのうち、c3の部分(縦渡し部分)をもたないものであっても良い。
【0036】
コ字状部材は、上記した本来の用い方に加えて(即ち、別の用い方として)、図11に示すように、隣り合う2枚の蓋を起し立てた状態に繋ぎ留める(固定する)使い方ができる。即ち、コ字状部材は、本留め具と組み合わせて使用するモジュールであると同時に、独立した使用ができる留め具でもある。
因みに、本留め具(図1に示すもの)の場合は、別の使い方として図11に示すように、1枚の蓋を箱本体の外側に折りたたんだ状態に固定する使い方ができる。
【0037】
コ字状部材について、取りまとめた説明をする。
(イ)コ字状部材(以下、モジュールとも云う)は、段ボール箱の内蓋と外蓋とを挟み合わせる留め具(以下、別の留め具と云う)に組み合わせて使用するものである。
(ロ)コ字状部材は、内蓋の所定の個所あるいは所定の部分に使用するモジュールであって、
別の留め具によって挟み合わされる内蓋側の所定の個所、あるいは所定の部分を保護し、別の留め具によって挟み合わされる内蓋と外蓋が「しっかりした状態に挟み合わされる」ことを可能にするものである、
(ハ)コ字状部材は、2本の突き込み部と、連結部を有して成る、
コ字状部材は、コ字状に折り曲がった形態を以って成る、
コ字状に折り曲がった中間の1辺を連結部と云い、両脇の2辺を突き込み部と云う、
(ニ)連結部は、内蓋の縁が潰れないように保護するとともに、内蓋が板筋(穴筋)に沿って折り曲がらないように保護する役割りを為すため、内蓋の切り口(断面)に添って押し当てる部分として、ほぼ横真っ直ぐ方向に延びて成る、
突き込み部は、内蓋の所定の部分(別の留め具が取り付く部分)について、強力に挟み押えられても潰れないよう、板筋(穴筋)に沿って芯を成すため、内蓋の縁(断面)から板厚の内(穴筋の中)に突き込む部分として、2本の突き込み部は並行して縦真っ直ぐに、あるいは縦真っ直ぐ方向に延びて成る、
2本の突き込み部は、穴筋の中に窮屈状態に収まる太さ、あるいは窮屈状態に収まる形態を成すものにすることが大切である、
また、突き込み部は、内蓋の断面から突き入れ易く、あるいは押し込み易くするため、その先端は角が取れた状態で成る、あるいは適度に尖った状態で成る、
(ホ)尚、本モジュール(コ字状部材)は、上記した組み合わせによる使い方に限らず、段ボール箱の隣り合う2枚の蓋(内蓋と外蓋)を起こし立てた状態(即ち、蓋を開放した状態)に繋ぎ留める用途にも使用し得るモジュール(あるいは留め具)である。
(ヘ)以上の如き特徴を有して成る留め具(あるいはモジュール)である。
【0038】
以下に、実施例の3について説明する。
【0039】
実施例の2で説明した内容は、段ボール箱(の内蓋)を保護あるいは補強すると同時に、内蓋と外蓋を挟み合わせる留め具が効果的に機能することをテーマとした。
以下に説明する内容(実施例の3)も、同じく段ボール箱(の内蓋)を保護あるいは補強することと同時に、内蓋と外蓋とを挟み合わせる留め具が、効果的に機能することをテーマとするものである。
【0040】
実施例の2で説明したコ字状部材は、段ボール箱(の内蓋)の板厚の内(即ち、穴筋)に突き込む形態の部材であるのに対し、実施例の3で説明する部材は、段ボール箱(の内蓋)の所定の部分に被せる形態の部材(以下、被せ部材と云う)である。
【0041】
「被せ部材」は、文字通り内蓋の所定の部分に被せる部材で、段ボール箱(の内蓋)を保護あるいは補強するに足る横幅と縦幅をもつもので、図12、13に示す如きものである。
【0042】
図12(1)に示すものは、板状部材を二手に(即ち、挟み付くかたちに)折り曲げた形態を成すものである。図12(1)は、斜視図である。図12(2)は、側面図である。
図12に示すものは、挟み付くかたちとして、縦に長く延びる側と縦に短く延びる側を以って、板挟みに挟み付くかたちのものである。挟み付け易くするために、縦に長く延びる側の左右(あるいは左右のどちらか)の端(但し、縦に短く延びる側の下端沿いに位置する個所)を、図に示すように切り欠いたものにした。また、縦に短く延びる側(の下端寄りの部分)の横幅を、縦に長く延びる側の横幅よりも幅広くしておくのも方法の1つである。
【0043】
図13に示すものは、図8に示したものと、図12に示したものを折衷したものである。図13(1)は、斜視図である。図13(2)は、側面図である。
図8に示したもの、即ち、段ボールの板厚内部に突き込んで芯を成すとともに、図12に示したもの、即ち、段ボールの板面(内蓋の内側面)に被せて保護する両方の機能をもたせたものである。
【0044】
コ字状部材の場合は、2本の突き込み部が、受け側の横渡し幅のうちに掛かる(あるいは届く)に足る縦幅をもっているとき、押え側と正面合う部分が面を以って(押え側と)挟み合うものになるが、被せ部材の場合は、面を以って被さるので、縦幅が受け側の横渡し部分に届かないものであっても、押え側と正面合う部分が面を以って(押え側と)挟み合うものになる。
【0045】
図12、13のものは、いずれも内蓋を保護するためと、留め具が効果的に機能するための土台を成すためのものである。被せ部材は、図12、13で示すように、多様な形状形態を取ることができるものである。被せ部材は、内蓋の内側面に被さる横幅が広ければ、その分、内蓋を強化する効果が大きく働くものになる。その形状形態あるいは様態について限定するものではない。
【0046】
図14は、図13で示したものを、内蓋の所定位置に(板状部を内側にして)取り付けた様子を示すものである。
コ字状部材あるいは被せ部材は、使用前から取り付けた状態にしておくのも良い。使用する都度に付け外しする使い方にしても良い。
例えば、税務当局や警察当局が、監査資料あるいは捜査資料を押収するために持参するような使い方をするなら、使用の都度付け外しするのも良い。
荷物などの運搬業者が、常時使用するような使い方をする場合であれば、取り付けた状態にしておくのも良い。即ち、取り付けたままの状態で箱を組み立てたり、折りたたんだりして支障のないものである。
【0047】
段ボール箱を作る段階で、予め、内蓋の所定の部分について、縁が潰れないように、あるいは板筋に沿って折れ難いように、あるいは板面が潰れないようにするための措置をとっておくのも一策である。
一般的なこととして、みかん箱など、底蓋あるいは天蓋を、ホッチキス(の針)で留め合わせているのを見掛けるが、例えば、内蓋(の所定の部分)の2〜3箇所に、内側から(即ち、針の背が内蓋の内側になるかたちで)、やや大きめサイズ、そして、やや強い材質のホッチキス(の針)を打ち付けておく方法も、一策としての1方法である。因みに、その手段方法を限定するものではない。
【0048】
以下に、図1に示した留め具について、補足事項を説明する。
【0049】
本留め具は、特許文献1のものと同様に、天蓋を仮閉めする用途にも使用できる。因みに、天蓋を仮閉めする専用のものにする場合は、特許文献1のものと同様に、ソフトタッチに挟み付く(バネが働く)ものにすると良い。
【0050】
本留め具は、段ボール箱の蓋を仮閉めする用途に限らず、一般的な用途として、重なり合う2枚の蓋を挟み合わせる用途、あるいは3方から延びる蓋を挟み合わせる用途などにも使用できる。
【0051】
図1は、図4、5で説明した内容のもとに具象化した一例を示したものである。本発明(の留め具)は、形状および形態について、図1に示したものに特定しているものではない。また、線材を折り曲げて成すものに限定しているものでもない。
本留め具は、多様なかたちをとることができる。また、多様なオプションを付け加えることもできる。例えば、挟み入れ口を挟み付け易くするためのかたち、あるいは付け外し操作をし易くするためのかたち、あるいは見た目に興味を誘うデザイン(折り曲がり)などもその1つである。
本明細書に於いては、底蓋を仮閉めする用途の留め具として、邪魔になる部分をもたないものとして、敢えてシンプルな基本の構成を以って説明した。基本的な機能を損なわない限りに於いて、任意の形状あるいは形態のものにしても良い。尚、本留め具は、然様な形態を含めて請求範囲とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
折り畳んである段ボール箱を、現場で容易に組み立てて使用できるものとなった。使用後は、また容易に折り畳んで管理できるものとなった。段ボール箱を使用する利便性を、より享受するかたちで、多様な場面で使用することができる。
【符号の説明】
【0053】
A 連結部、受け側と押え側とに折り分ける部分
B 受け側、内蓋を内側から押える部分
C 押え側、外蓋を外側から押える部分
D 挟み入れ口、受け側と押え側との間隔
E 段ボール箱
F コ字状部材(モジュール、留め具)
F1 連結部
F2 突き込み部
G 被せ部材(モジュール)
G1 被せ部
G2 突き込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)本留め具は、受け側、押え側、及び受け側と押え側とを連結する連結部を有す、
(ロ)連結部は、受け側と押え側とを裏表に向かい合うかたちに連結する部分で、細状部材が二手(裏側と表側)に折り曲がった形態を以って成る、
(ハ)受け側は、縦細く張る部分と、横幅(左右に延びる幅)を以って横渡しに押える部分とを有して成る、
(ニ)押え側は、横渡しに張るかたち(あるいは部分)を有して成る、あるいは横渡しに張るかたちとともに、縦幅(上下幅)を以って縦渡しに押えるかたち(即ち、面を以って押えるかたち)を有して成る、
(ホ)連結部を上にして、受け側と押え側を下方に延びるかたちに見る状態に於いて、押え側の下端(下縁)と、受け側の横渡しに押える部分の上端(上縁)との間は、一定の間隔をあけて成る、
(ヘ)以上の如き特徴を有して成る留め具。
【請求項2】
(イ)本留め具(コ字状部材)は、段ボール箱の内蓋と外蓋とを挟み合わせる留め具(以下、別の留め具と云う)に組み合わせて使用するものである。
(ロ)本留め具は、内蓋の所定の個所あるいは所定の部分に使用する留め具(あるいはモジュール)であって、
別の留め具によって挟み合わされる内蓋側の所定の個所、あるいは所定の部分を保護し、別の留め具によって挟み合わされる内蓋と外蓋が「しっかりした状態に挟み合わされる」ことを可能にする支援部材である、
(ハ)本留め具は、2本の突き込み部と、連結部を有して成る、
本留め具は、コ字状に折り曲がった形態を以って成る、
コ字状に折り曲がった中間の1辺を連結部と云い、両脇の2辺を突き込み部と云う、
(ニ)連結部は、内蓋の縁が潰れないように保護するとともに、内蓋が板筋(穴筋)に沿って折り曲がらないように保護する役割りを為すため、内蓋の切り口(断面)に添って押し当てる部分として、ほぼ横真っ直ぐ方向に延びて成る、
突き込み部は、内蓋の所定の部分(別の留め具が取り付く部分)について、強力に挟み押えられても潰れないよう、板筋(穴筋)に沿って芯を成すため、内蓋の縁(断面)から板厚の内(穴筋の中)に突き込む部分として、2本の突き込み部は並行して縦真っ直ぐに、あるいは縦真っ直ぐ方向に延びて成る、
また、突き込み部は、内蓋の断面から突き入れ易く、あるいは押し込み易くするため、その先端は角が取れた状態で成る、あるいは適度に尖った状態で成る、
(ホ)尚、本留め具は、上記した組み合わせによる使い方に限らず、段ボール箱の隣り合う2枚の蓋(内蓋と外蓋)を起こし立てた状態(即ち、蓋を開放した状態)に繋ぎ留める用途にも使用し得る、
(ヘ)以上の如き特徴を有して成る留め具(あるいはモジュール)。
【請求項3】
請求項1記載の留め具と、請求項2記載のモジュールとの組み合わせ、あるいは組み合わせて使用する方法、
あるいは、段ボール箱の内蓋と外蓋とを挟み合わせる留め具と、段ボール箱の内蓋(の所定の部分)を保護あるいは補強する機能あるいは形態を有したモジュール(あるいは部材)との組み合わせ、あるいは組み合わせて使用する方法。
【請求項4】
段ボール箱(の内蓋)の所定の部分を、保護あるいは補強し得る形態あるいは機能をもつ部材(あるいはモジュール)と、段ボール箱との付け合せ、あるいは組み合わせ。
【請求項5】
段ボール箱の内蓋(の所定の部位あるいは部分)について、格別に保護あるいは補強した段ボール箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−176768(P2012−176768A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40312(P2011−40312)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【特許番号】特許第4933667号(P4933667)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(500497803)
【Fターム(参考)】