説明

番組録画装置及び番組録画方法

【課題】録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とすること。
【解決手段】TS信号処理部A201,同B202は、放送波処理部A21,同B22から入力されたTS信号から分離した映像音声情報を、それぞれ対応する録画処理部A203,同B204へ出力する。録画処理部A203,同B204は、入力された映像音声情報に対して録画するための処理を施して並行してHDD61へ録画する同時録画処理を実行する。映像音声分析部205は、TS信号処理部A201又は同B202から入力された映像情報と音声情報との特徴を分析して、これらの情報に係る番組に対するオートチャプタ分割処理を実行する。修理制御部206は、同時録画処理とオートチャプタ分割処理の動作タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、録画処理を含む複数の処理を実行する番組録画装置及び番組録画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の番組を同時に録画する同時録画機能や、番組の映像音声を分析することで番組を時間的に複数の区間にチャプタ分割する自動チャプタ分割機能を実行する機器が広く普及している。これらの機能の実行は、分析処理のためのCPU負荷が大きいことが知られている。従ってこれらの機能が並行して実行される場合、例えばCPUの処理能力不足などの要因により、正常に実行されない機能が発生する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−232846号公報 (図1 段落0041)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来の手法では、所定の条件が満たされない場合、録画を含む複数の処理のうちの特定の処理の一部だけが実行されることがあり、複数の処理が確実に実行されているとは言い難かった。
【0005】
すなわち従来から、録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とする手法が求められていた。そこで本発明の実施形態は、上述した課題を解決するために、録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とすることができる番組録画装置及び番組録画方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は上述した課題を解決するため、第1録画処理を実行する第1録画手段と、前記第1録画手段による前記第1録画処理とは独立して、第2録画処理を実行する第2録画手段と、前記第1録画手段が実行する第1録画処理と並行して、当該第1録画処理の録画対象番組の映像情報及び/又は音声情報の特徴に基づいて当該録画対象番組を複数の区間にチャプタ分割するチャプタ分割手段と、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行される場合、前記チャプタ分割手段が前記チャプタ分割することを停止するように制御する制御手段と、を具備する番組録画装置を提供する。
【0007】
また本発明の実施形態は上述した課題を解決するため、番組を録画する装置によって実行される番組録画方法であって、第1録画処理を実行し、前記第1録画処理とは独立して、第2録画処理を実行し、第1録画処理と並行して、当該第1録画処理の録画対象番組の映像情報及び/又は音声情報の特徴に基づいて当該録画対象番組を複数の区間にチャプタ分割し、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行されている期間は、前記チャプタ分割手段が前記チャプタ分割することを停止するように制御する番組録画方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る番組録画装置であるテレビジョン受像機の構成を示すブロック図。
【図2】信号処理制御部Aに備えられ、入力されたTS信号に対する同時録画処理及びオートチャプタ分割処理を実行する各ブロックからなるシステム構成図。
【図3】同時録画処理が開始されるタイミングにおける、オートチャプタ分割処理の実行の制御方法を説明するためのフローチャート。
【図4】同時録画処理が終了するタイミングにおける、オートチャプタ分割処理の実行の制御方法を説明するためのフローチャート。
【図5】同時録画処理とオートチャプタ分割処理とが同時に実行された場合のタイムチャートの具体例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る番組録画装置であるテレビジョン受像機10の構成を示すブロック図である。
このテレビジョン受像機10は、放送波処理部A21,同B22,同C23、操作部31、受光部32、信号処理制御部A41、同B42、表示器51、スピーカ52、HDD61などで構成されている。アンテナ98は、放送波処理部A21,同B22,同C23と接続される。リモートコントローラ(以下、リモコンと称する)99は受光部32に対する信号を送信する。このリモコン99は、赤外線や無線を利用する遠隔操作機器である。
【0010】
本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、複数の番組を同時に録画すると共に、並行して特定の番組の映像音声信号を出力する。またテレビジョン受像機10は、録画する番組の映像音声情報の分析も行う。このテレビジョン受像機10は、番組の同時録画、番組の映像音声出力、及び映像音声情報の分析といった複数の処理が並行して確実に実行されるように制御する。
【0011】
放送波処理部A21,同B22,同C23それぞれは、同じ処理を実行する機能ブロックである。放送波処理部A21,同B22,同C23は、地上デジタル放送波に対応するチューナ及び復調器を備える。これら放送波処理部A21,同B22,同C23は、アンテナ98で受信された受信信号を受け、この受信信号に対する特定チャンネルの選局処理や復調処理などを実行する。そして放送波処理部A21,同B22,同C23は、これらの処理を実行して得られた、番組の映像音声情報や番組名等の番組関連情報が含まれるトランスポートストリーム信号(以下、TS信号と称する)を信号処理制御部A41,同B42へ出力する。この放送波処理部A21,同B22,同C23それぞれは、指示されたチャンネルに対する選局処理などを互いに独立して実行する。放送波処理部A21,同B22,同C23の全て又はいくつかは、地上デジタル放送ではなく衛星デジタル放送に対応する機能ブロックであってもよい。
【0012】
操作部31は、複数の操作キーを有し、複数の操作キーそれぞれに応じた操作情報を信号処理制御部B42へ出力する。同様に受光部32は、リモコン99から送信された信号を受光して、受光した信号に応じた操作情報を信号処理制御部B42へ出力する。この操作部31及び/又はリモコン99は、複数の処理それぞれを実行されるための操作キーを備えている。
【0013】
信号処理制御部A41,同B42それぞれは、同じ処理を実行することができる機能ブロックである。本実施形態では、信号処理制御部A41,同B42それぞれが実行する処理は分担されている。これら信号処理制御部A41,同B42は、信号処理制御部A41,同B42自身に備えられた各ブロックや、信号処理制御部A41,同B42に接続された各ブロックを利用して、それぞれに分担された処理を実行する。
【0014】
信号処理制御部A41は、信号処理制御部B42からの指示に応じて、放送波処理部A21,同B22といった入力ソースの何れかからのTS信号の入力を選択する。信号処理制御部A41は、選択した入力ソースからのTS信号に基づく情報に対して、録画するためのフォーマット変換処理を施し、処理を施された情報をHDD61に出力して記憶させる。また信号処理制御部A41は、入力されたTS信号に基づく映像音声情報を複数のチャプタに分割すると共に、分割したチャプタに関する情報をHDD61に出力して記憶させる。
【0015】
本実施形態では信号処理制御部A41は、放送波処理部A21及び同B22から入力されたTS信号に基づく情報それぞれを並行してHDD61に記憶させる同時録画処理を実行する。また信号処理制御部A41は、放送波処理部A21,同B22の何れかから入力されたTS信号に係る番組データを複数のチャプタに分割するオートチャプタ分割処理を実行する。そしてこの信号処理制御部A41は、同時録画処理及びオートチャプタ分割処理を並行して確実に実行するように制御する。
【0016】
信号処理制御部B42は、操作部31又は、受光部32を介したリモコン99からの操作情報に応じて、信号処理制御部A41に対して、何れの入力ソースからのTS信号を選択するかを指示する。また信号処理制御部B42は、操作部31又はリモコン99からの操作情報に応じて、放送波処理部C23に何れのチャンネルの処理を実行させるかを指示する。信号処理制御部B42は、入力された特定チャンネルのTS信号に復号処理を施して、処理を施された映像音声信号を表示器51及びスピーカ52へ出力する。
【0017】
表示器51は、信号処理制御部B42から入力された映像信号を表示する表示パネルを含む表示モジュールである。表示器51には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)といった薄型平面ディスプレイを適用することができる。
【0018】
スピーカ52は、信号処理制御部B42から入力された音声信号を出力する。スピーカ52として、左右チャンネル用に2つ、更には、入力された音声信号のうち低周波数の音域を出力するサブウーハが設けられてもよい。
【0019】
HDD61は、記憶媒体であるハードディスクに対して、信号処理制御部A41から要求された情報を読み出す処理又は書き込む処理を実行するドライブ装置である。本実施形態ではこのHDD61は、信号処理制御部A41によって実行される同時録画処理において、信号処理制御部A41から出力された情報を記憶する。またHDD61は、信号処理制御部A41によって実行されるオートチャプタ分割処理において、信号処理制御部A41から出力されたチャプタに関する情報を記憶する。HDD61は、ハードディスクを利用するドライブ装置でなく、記憶媒体である半導体素子に対して情報を読み出す処理又は書き込む処理を実行するSSD(Solid State Drive)であってもよい。このHDD61は、テレビジョン受像機10の外部に備えられても良い。
【0020】
またテレビジョン受像機10は、前述した複数のブロックだけでなく他のブロックを備えてもよい。
例えば、テレビジョン受像機10の外部から受けた所定フォーマットの規格に準拠した態様の信号から必要な情報を抽出する情報抽出部を有し、外部とのインターフェース機能を実行するブロック(不図示)が備えられてもよい。所定フォーマットは、HDMI(登録商標)規格、USB規格又はIEEE1394規格などが適用可能である。このブロックは、これらの規格に準じた接続端子を介して接続された外部機器や、HDD、メモリカードなどの記憶媒体から受けた情報から抽出したTS信号を信号処理制御部A41,同B42へ出力する。信号処理制御部A41,同B42は、入力ソースの一つとして、このブロックから入力されるTS信号を選択することも可能である。
【0021】
またテレビジョン受像機10は、LAN又はWANなどのネットワークを介して通信を行う通信処理部を有するネットワーク通信機能を実現するブロック(不図示)を備えてもよい。このブロックは、接続したネットワーク先の特定サーバや記憶媒体などの情報提供源から、コンテンツの映像音声情報やコンテンツ関連情報が含まれる情報を受け、この情報に基づくTS信号を信号処理制御部A41,同B42へ出力する。信号処理制御部A41,同B42は、入力ソースの一つとして、このブロックから入力されるTS信号を選択することも可能である。
【0022】
なお本実施形態は、本発明に係る構成を適用した番組録画装置として、テレビジョン受像機10を例とした実施形態である。しかし本実施形態に係る構成が、パーソナルコンピュータ、携帯型移動端末装置、HDD/光ディスクレコーダ、セットトップボックスなどの機器に適用された実施形態であっても構わない。また本発明に係る番組録画装置は、例えば放送波種別、信号取得経路などといった項目において限定されるものではなく、複数の番組の同時録画、及び、映像音声情報の分析といった複数の処理を並行して実行することが可能であればよい。
【0023】
このような構成により、本発明の実施形態に係るテレビジョン受像機10に備えられた複数のブロックは、番組の同時録画、番組の映像音声出力、及び映像音声情報の分析といった複数の処理が並行して確実に実行されるように制御する。従ってこのテレビジョン受像機10は、録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とすることができる。これらの処理は、主に信号処理制御部A41,B42が録画処理を含む複数の処理を並行して実行することで実現される。
【0024】
次に、図2を用いて、図1で説明した信号処理制御部A41に備えられ、入力されたTS信号に対する同時録画処理及びオートチャプタ分割処理を実行する各ブロックの構成を説明する。
【0025】
図2は、信号処理制御部A41に備えられ、入力されたTS信号に対する同時録画処理及びオートチャプタ分割処理を実行する各ブロックからなるシステム構成図である。
【0026】
本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、番組の同時録画及び映像音声情報の分析といった複数の処理が並行して確実に実行されるように制御する。これら複数の処理は、所定の条件が満たされない場合、特定の処理の実行が制限されることで他の処理が確実に実行されるように制御される。
【0027】
信号処理制御部A41は、TS信号処理部A201、同B202、録画処理部A203、同B204、映像音声分析部205、処理制御部206などを備えている。TS信号処理部A201,同B202それぞれは、同じ処理を独立して実行することができる機能ブロックである。録画処理部A203,同B204それぞれも、同じ処理を独立して実行することができる機能ブロックである。
【0028】
TS信号処理部A201は、放送波処理部A21から入力されたTS信号に対して映像音声情報の分離処理を施し、分離した映像情報と音声情報とを録画処理部A203へ出力する。TS信号処理部A201は、処理制御部206による制御に基づいて分離処理を実行する。
【0029】
TS信号処理部B202は、放送波処理部B22から入力されたTS信号に対して映像音声情報の分離処理を施し、分離した映像情報と音声情報とを録画処理部B204へ出力する。TS信号処理部B202は、処理制御部206による制御に基づいて分離処理を実行する。
【0030】
録画処理部A203は、TS信号処理部A201から入力された映像情報と音声情報とに対して録画するためのフォーマット変換処理を施し、処理した情報をHDD61へ格納することで録画処理を実行する。録画処理部A203は、処理制御部206による制御に基づいて録画処理を実行する。
【0031】
録画処理部B204は、TS信号処理部B202から入力された映像情報と音声情報とに対して録画するためのフォーマット変換処理を施し、処理した情報をHDD61へ格納することで録画処理を実行する。録画処理部B204は、処理制御部206による制御に基づいて録画処理を実行する。
【0032】
すなわち同時録画処理は、録画処理部A203による録画処理と録画処理部B204による録画処理とが同時に実行される処理である。
映像音声分析部205は、TS信号処理部A201又は同B202から入力された映像情報及び/又は音声情報の特徴を分析する。また映像音声分析部205は、分析された特徴に基づいて、入力された映像音声情報に対して複数のチャプタ点を付与する。つまり入力された映像音声情報に係る番組データは、このチャプタ点によって複数のチャプタに分割される。さらに映像音声分析部205は、チャプタ点で区切られた複数の区間(チャプタ)それぞれに対して、区間ごとの映像音声の特徴に基づいてそれぞれの区間を分類するための情報を示すカテゴリ情報を付与する。この映像音声分析部205は、複数のチャプタ点それぞれを特定するチャプタ点情報とカテゴリ情報とをHDD61へ格納する。このチャプタ点情報とカテゴリ情報は、分析対象の映像音声情報と関連づけられてHDD61に格納される。
【0033】
カテゴリ情報は、コンテンツの本編シーン又はコマーシャルメッセージシーンといったシーン種別を示す情報である。このカテゴリ情報は、音楽が演奏される音楽シーンや、大勢の人の歓声が沸き起こるハイライトシーンなどを示す情報であってもよい。また1つの区間に対して複数のカテゴリ情報が付与されてもよい。すなわちカテゴリ情報は、分割された複数のチャプタの映像情報及び/又は音声情報の特徴に対応する情報である。オートチャプタ分割処理は、主として映像音声分析部205によって実行される処理である。
【0034】
処理制御部206は、前述した各ブロックを制御して同時録画処理及びオートチャプタ分割処理の実行を制御する。また処理制御部206は、何れのチャンネルの処理を実行させるかを放送波処理部A21,同B22に指示する。
【0035】
なおTS信号処理部A201,同B202それぞれは、放送波処理部A21,同B22からではなく、外部機器IF部やネットワーク通信機能などを実現するブロック(不図示)からのTS信号を処理する構成であってもよいことは言うまでもない。
【0036】
すなわち、これら複数のブロックによるシステム構成により、信号処理制御部A41は、同時録画処理及びオートチャプタ分割処理の実行を制御する。従って本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とすることができる。
【0037】
次に、図3及び図4を用いて、図2で説明した信号処理制御部A41に備えられる各ブロックによって実行される、同時録画処理及びオートチャプタ分割処理の実行の制御方法を説明する。
【0038】
図3及び図4の説明では、録画処理が実行されていない状態から、先に開始される録画処理を1つ目の録画処理と定義し、1つ目の録画処理が実行された後に、1つ目の録画処理と同時に並行して開始される録画処理を2つ目の録画処理と定義する。
【0039】
図3は、同時録画処理が開始されるタイミングにおける、オートチャプタ分割処理の実行の制御方法を説明するためのフローチャートである。
処理制御部206は、録画処理部A203又は録画処理部B204による録画処理を開始するときに、この録画処理が同時刻における2つ目の録画処理であるか否かを判断する(S301)。開始する録画処理が2つ目ではない(1つ目である)場合(S301のNo)、処理制御部206は、映像音声分析部205が映像音声情報の分析を開始するように制御する(S302)。そして同時録画処理が開始するタイミングにおける処理は終了する。
【0040】
一方、開始する録画処理が2つ目である(1つ目でない)場合(S301のYes)、処理制御部206は、映像音声分析部205が映像音声情報の分析を停止するように制御する(S303)。そして同時録画処理が開始するタイミングにおける処理は終了する。
【0041】
すなわち、同時録画処理が開始される場合、オートチャプタ処理は停止することになる。また仮に、同じ時刻に2つの録画処理が開始する同時録画処理である場合も、オートチャプタ分割処理の対象となる一方を1つ目の録画処理、他方を2つ目の録画処理と定義することで、図3に示したフローチャートを適用して処理することが可能である。
【0042】
図4は、同時録画処理が終了するタイミングにおける、オートチャプタ分割処理の実行の制御方法を説明するためのフローチャートである。
処理制御部206は、録画処理部A203又は録画処理部B204による録画処理が終了するときに、同時刻における2つの録画処理のうちの一方の録画処理が終了するか否かを判断する(S401)。終了する録画処理が2つのうちの一方の録画処理である(2つ目の録画処理が終了する)場合(S401のYes)、処理制御部206は、映像音声分析部205が映像音声情報の分析を開始するように制御する(S402)。そして同時録画処理が終了するタイミングにおける処理は終了する。
【0043】
一方、終了する録画処理が2つのうちの一方の録画処理ではない(1つ目の録画処理が終了する)場合(S401のNo)、処理制御部206は、映像音声分析部205が映像音声情報の分析を停止するように制御する(S403)。そして同時録画処理が終了するタイミングにおける処理は終了する。
【0044】
すなわち、同時録画処理が終了して、録画処理部A203又は録画処理部B204の何れか一方による録画処理となる場合、オートチャプタ処理は開始(再開)することになる。また仮に、同じ時刻に2つの録画処理が終了する同時録画処理であった場合も、オートチャプタ分割処理の対象となる一方を1つ目の録画処理、他方を2つ目の録画処理と定義することで、図4に示したフローチャートを適用して処理することが可能である。
【0045】
なお、同時録画処理が実行される期間、すなわちオートチャプタ分割処理が停止する期間では、チャプタ分割は実行されないが、この期間に対応する区間に対して所定の条件に基づいて決定されるカテゴリ情報が付与される。また、オートチャプタ分割処理の対象となる番組の録画処理が完了した後に、チャプタ分割が実行されなかった期間に対するオートチャプタ分割処理が実行されるようにしてもよい。
【0046】
このような動作によって、同時録画処理及びオートチャプタ分割処理の実行は制御される。従って本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とすることができる。
【0047】
次に、図5を用いて、本実施形態に係るテレビジョン受像機10によって、同時録画処理とオートチャプタ分割処理とが同時に実行された場合のタイムチャートを説明する。
【0048】
図5は、同時録画処理とオートチャプタ分割処理とが同時に実行された場合のタイムチャートの具体例である。
図5(a)〜(c)それぞれに示す具体例には、1つ目の録画に対してオートチャプタ分割処理が仮に実行された場合の、1つめの録画に対する複数のチャプタそれぞれに付与されるカテゴリ情報が示されている。
【0049】
図5(a)に示す具体例では、カテゴリ情報が「本編」であるチャプタの特定のタイミングTaで、2つ目の録画が開始される。また、タイミングTaが含まれ、カテゴリ情報が「本編」であるチャプタとは異なる他のチャプタの特定のタイミングTbで、2つ目の録画が終了する。すなわちタイミングTaとタイミングTbとの間で、同時録画処理が実行される。タイミングTaでは、同時録画が開始されると共にオートチャプタ処理が停止する。タイミングTbでは、同時録画が終了すると共にオートチャプタ処理が開始する。すなわちタイミングTaとタイミングTbとの間でオートチャプタ処理は停止している。つまりこの間にチャプタ点は付与されず、この間に本来付与されるはずであった「CM」のカテゴリ情報は、この間の何れの区間に対しても付与されない。
【0050】
同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して付与されるカテゴリ情報の態様は3つの例がある。
(例1)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対するカテゴリ情報として、「本編」が固定的に付与される例である。タイミングTaの前、及び、タイミングTbの後は「本編」のカテゴリ情報が付与されているので、「本編」のカテゴリ情報が、タイミングTaの前からタイミングTbの後まで連続することになる。
【0051】
(例2)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して、同時録画処理が開始されたタイミングにおけるカテゴリ情報である「本編」が引き継がれる例である。タイミングTaの前、及び、タイミングTbの後は「本編」のカテゴリ情報が付与されているので、「本編」のカテゴリ情報が、タイミングTaの前からタイミングTbの後まで連続することになる。
【0052】
(例3)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して、カテゴリ情報が付与されない例である。タイミングTaよりも前が「本編」のカテゴリ情報となるようにタイミングTaでチャプタが区切られ、タイミングTbよりも後が「本編」のカテゴリ情報となるようにタイミングTbでチャプタが区切られる。タイミングTaからタイミングTbの間の区間のカテゴリ情報はない結果となる。
【0053】
図5(b)に示す具体例では、カテゴリ情報が「本編」であるチャプタの特定のタイミングTaで、2つ目の録画が開始される。また、カテゴリ情報が「CM」である他のチャプタの特定のタイミングTcで、2つ目の録画が終了する。すなわちタイミングTaとタイミングTcとの間で、同時録画処理が実行される。タイミングTaでは、同時録画が開始されると共にオートチャプタ処理が停止する。タイミングTcでは、同時録画が終了すると共にオートチャプタ処理が開始する。すなわちタイミングTaとタイミングTcとの間でオートチャプタ処理は停止している。つまりこの間にチャプタ点は付与されず、この間に本来付与されるはずであった「CM」のカテゴリ情報は、この間の何れの区間に対しても付与されない。
【0054】
同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して付与されるカテゴリ情報の態様は3つの例がある。
(例1)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対するカテゴリ情報として、「本編」が固定的に付与される例である。タイミングTaの前は「本編」のカテゴリ情報、タイミングTcの後は「CM」のカテゴリ情報が付与されているので、「本編」のカテゴリ情報が、タイミングTaの前からタイミングTcまで連続することになる。
【0055】
(例2)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して、同時録画処理が開始されたタイミングにおけるカテゴリ情報である「本編」が引き継がれる例である。タイミングTaの前は「本編」のカテゴリ情報、タイミングTcの後は「CM」のカテゴリ情報が付与されているので、「本編」のカテゴリ情報が、タイミングTaの前からタイミングTcまで連続することになる。
【0056】
(例3)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して、カテゴリ情報が付与されない例である。タイミングTaよりも前が「本編」のカテゴリ情報となるようにタイミングTaでチャプタが区切られ、タイミングTcよりも後が「CM」のカテゴリ情報となるようにタイミングTcでチャプタが区切られる。タイミングTaからタイミングTcの間の区間のカテゴリ情報はない結果となる。
【0057】
図5(c)に示す具体例では、カテゴリ情報が「CM」であるチャプタの特定のタイミングTdで、2つ目の録画が開始される。また、カテゴリ情報が「本編」である他のチャプタの特定のタイミングTbで、2つ目の録画が終了する。すなわちタイミングTdとタイミングTbとの間で、同時録画処理が実行される。タイミングTdでは、同時録画が開始されると共にオートチャプタ処理が停止する。タイミングTbでは、同時録画が終了すると共にオートチャプタ処理が開始する。すなわちタイミングTdとタイミングTbとの間でオートチャプタ処理は停止している。つまりこの間にチャプタ点は付与されない。
【0058】
同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して付与されるカテゴリ情報の態様は3つの例がある。
(例1)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対するカテゴリ情報として、「本編」が固定的に付与される例である。タイミングTdの前は「CM」のカテゴリ情報、タイミングTbの後は「本編」のカテゴリ情報が付与されているので、「本編」のカテゴリ情報が、タイミングTdからタイミングTbの後まで連続することになる。
【0059】
(例2)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して、同時録画処理が開始されたタイミングにおけるカテゴリ情報である「CM」が引き継がれる例である。タイミングTdの前は「CM」のカテゴリ情報、タイミングTbの後は「本編」のカテゴリ情報が付与されているので、「CM」のカテゴリ情報が、タイミングTdの前からタイミングTbまで連続することになる。
【0060】
(例3)この例は、同時録画処理が実行されると共にオートチャプタ処理が停止する区間に対して、カテゴリ情報が付与されない例である。タイミングTdよりも前が「CM」のカテゴリ情報となるようにタイミングTdでチャプタが区切られ、タイミングTbよりも後が「本編」のカテゴリ情報となるようにタイミングTbでチャプタが区切られる。タイミングTdからタイミングTbの間の区間のカテゴリ情報はない結果となる。
【0061】
図5(a)〜(c)それぞれに示した具体例だけでなく、同時録画処理が実行される前のカテゴリ情報と実行された後のカテゴリ情報とは、さまざまな組み合わせが発生することがある。例えば、実行前のカテゴリ情報が「CM」で実行後のカテゴリ情報が「CM」となる組み合わせ、実行前のカテゴリ情報が「本編」で実行後のカテゴリ情報が「音楽」となる組み合わせ、などである。どのような組み合わせとなった場合でも、前述した(例1)〜(例3)のような定義に基づいて、同時録画処理が実行される区間のカテゴリ情報が決定されることになる。
【0062】
以上説明したように本実施形態によれば、同時録画処理とオートチャプタ分割処理とが同時に実行される場合、同時録画処理が実行される区間に対して一様に固定的なカテゴリ情報を付与するオートチャプタ分割処理が実行される。同時録画処理が実行される区間に付与されるカテゴリ情報は、同時録画の開始前、終了後の区間のカテゴリ情報に応じて付与される。すなわち同時録画処理と処理量の多くないオートチャプタ処理とが同時に実行されることになる。従って本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、録画処理を含む複数の処理を並行して確実に実行することを容易に可能とすることができる。
【0063】
なお本発明の実施形態は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。また、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、さらに、異なる実施形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0064】
10…テレビジョン受像機、21…放送波処理部A、22…放送波処理部B、23…放送波処理部C、31…操作部、32…受光部、41…信号処理制御部A、42…信号処理制御部B、51…表示器、52…スピーカ、61…HDD、98…アンテナ、99…リモコン、201…TS信号処理部A、202…TS信号処理部B、203…録画処理部A、204…録画処理部B、205…映像音声分析部、206…処理制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1録画処理を実行する第1録画手段と、
前記第1録画手段による前記第1録画処理とは独立して、第2録画処理を実行する第2録画手段と、
前記第1録画手段が実行する第1録画処理と並行して、当該第1録画処理の録画対象番組の映像情報及び/又は音声情報の特徴に基づいて当該録画対象番組を複数の区間にチャプタ分割するチャプタ分割手段と、
前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行される場合、前記チャプタ分割手段が前記チャプタ分割することを停止するように制御する制御手段と、
を具備する番組録画装置。
【請求項2】
前記チャプタ分割手段は、前記複数の区間に対して映像情報及び/又は音声情報の特徴に対応するカテゴリ情報を付与することを特徴とする請求項1記載の番組録画装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記チャプタ分割手段が、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行されている期間の区間に対して、所定のカテゴリ情報を付与するように制御することを特徴とする請求項2記載の番組録画装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記チャプタ分割手段が、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行されている期間の区間に対して、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行される直前のカテゴリ情報を付与するように制御することを特徴とする請求項2記載の番組録画装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記チャプタ分割手段が、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行されている期間の区間に対して、前記カテゴリ情報の付与を除外するように制御することを特徴とする請求項2記載の番組録画装置。
【請求項6】
前記チャプタ分割手段によって付与されたカテゴリ情報が同じ区間を抜粋して再生する再生手段をさらに具備し、
前記再生手段は、特定のカテゴリ情報が付与された区間を抜粋して再生する場合、前記チャプタ分割手段がカテゴリ情報の付与を除外した区間も抜粋して併せて再生することを特徴とする請求項5記載の番組録画装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行される期間に、前記チャプタ分割手段が前記チャプタ分割することを停止するように制御することを特徴とする請求項1記載の番組録画装置。
【請求項8】
番組を録画する装置によって実行される番組録画方法であって、
第1録画処理を実行し、
前記第1録画処理とは独立して、第2録画処理を実行し、
第1録画処理と並行して、当該第1録画処理の録画対象番組の映像情報及び/又は音声情報の特徴に基づいて当該録画対象番組を複数の区間にチャプタ分割し、
前記第1録画処理及び前記第2録画処理が同時に実行される場合、前記チャプタ分割手段が前記チャプタ分割することを停止するように制御する番組録画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−223447(P2011−223447A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92278(P2010−92278)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】