異形線材の成形装置
【課題】 本発明の目的は、素材表面の汚れ等の異物付着の問題を解決し、成形性に優れた高い寸法精度の異形線材を得ることができる成形装置を提供することである。
【解決手段】 本発明は、成形ユニットとして４方ロールスタンドを具備する異形線材の成形装置であって、前記成形ユニットの最前段には線材表面を洗浄する洗浄装置が配置される異形線材の成形装置であり、前記洗浄装置は、前記線材表面を溶媒により洗浄することが好ましく、前記溶媒に超音波振動を印加して洗浄することがより好ましい。
【解決手段】 本発明は、成形ユニットとして４方ロールスタンドを具備する異形線材の成形装置であって、前記成形ユニットの最前段には線材表面を洗浄する洗浄装置が配置される異形線材の成形装置であり、前記洗浄装置は、前記線材表面を溶媒により洗浄することが好ましく、前記溶媒に超音波振動を印加して洗浄することがより好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えばエンジン用ピストンリング等に用いられる異形断面の線材の成形等に適した異形線材の成形装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年のエンジンの高回転化、高出力化の要求に応えるため、高負荷のピストンリングには、従来の鋳鉄製から鋼製に変わり、高合金ステンレスなどの特殊鋼が用いられるようになっている。
ピストンリングには、断面形状が疑似Ｈ形のオイルリング、断面形状が左右で異なるサイドレール、スペーサーおよび圧力リングがあり、それぞれ異形断面を有する。これらのピストンリングのうち、オイルリングには、断面が疑似Ｈ形の複雑な異形断面を有するものが使用され、素材となるピストンリング用線材に対しては、厳しい寸法精度が要求される。
【０００３】
現在、このような異形断面のピストンリング用線材の成形は、例えば特許文献１に開示されるように、丸線を矩形線に成形した後、非駆動の前段４方ロールタークスヘッドと、動力駆動の後段４方ロールタークスヘッドとを組み合わせた成形ユニットを、１ユニットまたはタンデムに複数ユニット配列した成形装置で成形することが提案されている。
この提案は、従来３〜５回に別けて成形し、その中間に歪取り焼鈍ししていた工程を、１〜２回で成形し中間の歪取り焼鈍しを省略もしくは削減することにより、大幅な能率向上とコスト低減ができるという点で優れたものである。
しかしながら、前工程で矩形線に成形した状態で線材に曲がりやねじれが残存した素材を異形線材に成形すると、４方ロールスタンドに噛み込んだ際や圧延中に、ロール孔型への充填状態が不均一となり所定の形状に成形されないという問題があった。
本発明者は、これら異形線材の成形前後の線材に生じる曲がりに対し、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの前段と後段にそれぞれレベラーを備える異形線材の成形装置で成形することで解決できることを提案した（特許文献２）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００３−３９１０３号公報
【特許文献２】特開２０１０−２０１４９２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述した特許文献２に開示される成形装置は、異形線材の成形前後の線材に生じる曲がりを解決できるという点では有利である。
しかしながら、例えば前工程で矩形線に成形した状態の線材、皮むき後の線材、焼鈍し後の線材および引抜き後の線材の素材表面に、引抜き潤滑剤、炉内堆積物等の汚れの要因となる異物が付着した素材を圧延で異形線材に成形すると、異形線材の表面に異物が噛み込み、異形線材表面に疵を発生する恐れがある。また、素材が４方ロールスタンドに噛み込んだ際に、異物がロール表面に付着することがある。ロール表面に異物が付着した状態で圧延すると、ロール孔型への線材の充填状態が不均一となり、高精度な所定の形状に成形されないという問題もある。
また、素材線材表面に不連続な異物の付着した線材が、動力駆動の４方ロールスタンドに噛み込んだ際には、ロールと線材間の摩擦状態が異物により局部的に変化するため、ロールスリップを発生させることがある。このロールスリップにより、異形線材の成形後の線材表面にロールの焼付き疵を発生させる問題がある。これらの問題は、異形線材の成形性および成形後の線材の品質に大きな影響を及ぼす。
【０００６】
本発明の目的は、素材表面の汚れ等による異物付着の問題を解決し、成形性や表面清浄に優れた高い寸法精度の異形線材を得ることができる成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者は、異形線材の寸法精度の問題を検討し、成形前の素材の表面を洗浄する洗浄装置を採用することで、異形線材の成形後に生じる表面清浄や寸法精度の問題を大きく改善できることを見出し本発明に到達した。
【０００８】
すなわち本発明は、成形ユニットとして４方ロールスタンドを具備する異形線材の成形装置であって、前記成形ユニットの最前段には線材表面を洗浄する洗浄装置が配置される異形線材の成形装置である。
前記洗浄装置は、前記線材表面を溶媒により洗浄することが好ましく、前記溶媒に超音波振動を印加して洗浄することがより好ましい。
前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに配置されることが好ましい。
また、前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに複数ユニット配列されることが好ましい。
また、前記成形ユニットの最後段には、単数または複数の非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニットを配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの最前段に洗浄装置を配置することにより、異形線材の成形後に生じる表面清浄や寸法精度の問題を大きく改善することができ、ピストンリング等に用いられる異形線材の製造を飛躍的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の異形線材の成形装置の一例を示す図である。
【図２】実施例で成形した異形線材の断面を示す図である。
【図３】本発明の異形線材の成形装置に備えられる洗浄装置の一例を示す図である。
【図４】本発明の異形線材の成形装置の別の例を示す図である。
【図５】本発明の異形線材の成形装置の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
本発明の最も重要な特徴は、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの最前段に素材の線材表面を洗浄する洗浄装置を配置することにある。
上述したように、異形線材に成形される前の線材表面には、引抜き潤滑剤、炉内堆積物等の汚れが付着していることがある。素材線材の表面に汚れ等の異物が少しでも付着した状態で断面異形線材に成形すると、寸法精度の問題や異形線材表面への疵の誘発といった問題が生じる。これは、例えばピストンリング等に用いられる、非常に高い寸法精度を要求される異形線材を４方ロールスタンドで成形する際に特に大きな問題となる。
所定の異形断面形状および表面清浄を得るためには、素材表面が常に均一に清浄であることが重要である。したがって、本発明の異形線材の成形装置は、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの最前段に線材表面を洗浄する洗浄装置を配置した。
【００１２】
本発明の異形線材の成形装置で適用できる線材表面を洗浄する洗浄装置には、ブラシ等の擦過によるメカニカル方式、レーザー等によるフィジカル方式、洗浄液等の溶媒を用いたケミカル方式がある。これらの洗浄方式は、製造する異形線材の形状寸法に合わせて適宜選択でき、メカニカル方式とケミカル方式とを連続して使用するなど、複合で行なってもよい。
【００１３】
本発明の異形線材の成形装置において、成形ユニットの最前段に設置した洗浄装置は、洗浄液等の溶媒を用いたケミカル方式を使用することが好ましい。ケミカル方式で用いる溶媒としては、溶剤以外に水、温水（典型的には３０℃以上）を用いることができる。中でも温水は、人体への影響は少なく、供給ならびに廃棄といった取扱いが容易である。また、線材表面に付着している汚れ等の異物は、前工程で付着する金属石鹸等を主成分とする引抜き潤滑剤であることが多く、この引抜き潤滑剤は、温水に溶けやすいという性質から、溶媒として温水を用いることが最も好ましい。
また、本発明で適用する洗浄装置は、洗浄効果を促進させる補助機構として、洗浄槽内に超音波振動子を設置し、溶媒に超音波振動を印加することが好ましく、溶媒を振動させることで洗浄効果をより高めることができる。
【００１４】
本発明の異形線材の成形装置で適用できる洗浄装置の一例を図３に示す。洗浄装置は、例えば図３に示すような、オーバーフロータンクで囲まれた洗浄タンク内に溶媒を浸し、溶媒内に線材を通過させることで線材表面の汚れ等の異物を除去する装置が好適である。
図３に示す洗浄装置は、溶媒を交換する際の排出を容易にするために、オーバーフロータンク３１の底面には、バルブ付き配水管３８を取り付けている。オーバーフロータンク３１および洗浄タンク３０の前面と背面の一部に線材が通過するためのスリットを設けている。洗浄タンク３０のスリットの隙間から流れ出た溶媒は、オーバーフロータンク３０内に溜まり、オーバーフロータンク３０内に設けたポンプ３７によって、再び洗浄タンク３０に戻る構造となっている。また、洗浄タンク３０内の底面には、超音波振動子３２を設置し、溶媒に超音波振動を印加できるようにしている。超音波振動の調整は、超音波発振器３３の出力で調整することができる。
また、洗浄タンク３０およびオーバーフロータンク３１のスリット出口にはそれぞれ、拭き取り紙または布３４を設置し、線材に付着した汚れおよび溶媒の拭き取りを行なうことが好ましい。また、オーバーフロータンク３１出側には、線材に付着した溶媒を除去するためのエアワイパー３５を設置することが好ましい。
また、線材を洗浄タンク３０内の溶媒の所定レベルで通過させるために、洗浄タンク３０高さを調整できる昇降台３９を設けることが好ましい。
【００１５】
本発明の異形線材の成形装置の一例を図１に示す。図１に示すように、本発明の異形線材の成形装置の一例では、巻出機１の直後にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２、を配置し、その後段には成形ユニットとして非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４をタンデムに２ユニット配列し、その後段には非駆動の４方ロールタークスタンドからなる仕上げユニット５、ダブルキャプスタン９、巻取機６を配置した構成をとる。
巻出機１と洗浄装置２の間に配置したアキュームダンサーロール７および動力駆動の４方ロールスタンド４と仕上げユニット５との間に配置したダンサーロール８は、それぞれその間の張力を一定に保つように、直前に配置した巻出機１、動力駆動の４方ロールスタンド４の回転数を制御する。
【００１６】
図１に示した異形線材の成形装置の一例には、成形ユニットとして前段の非駆動の４方ロールスタンド３を１段しか配置していないが、２以上の非駆動の４方ロールスタンドを配置することができる。また、後段の動力駆動の４方ロールスタンド４は、１段しか配置していないが、２以上の動力駆動の４方ロールスタンドを配置することができる。
また、成形ユニットは、非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに複数ユニット配列することもできる。また、非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５を１段しか配置していないが、２以上の非駆動の４方ロールスタンドを配置することができる。
また、図１に示す異形線材の成形装置の一例には、４方ロールスタンドしか配置していないが、本発明の異形線材の成形装置には、上下または左右一対の２方ロールスタンドを成形ユニット間に配置してもよい。
【００１７】
本発明の異形線材の成形装置の別の例を図４に示す。図４に示すように、本発明の異形線材の成形装置では、巻出機１の後段にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２、を配置し、その後段には非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに配置した成形ユニットをタンデムに３ユニット配列し、それぞれの成形ユニットの後段には非駆動の４方ロールスタンド３を配置し、最後段の成形ユニットの後段には仕上げユニット５をタンデムに２ユニット配列し、その後段には、ダブルキャプスタン９、巻取機９を配置した構成としてもよい。このように成形ユニットを配置することで、オイルリング用線材、サイドレール用線材、スペーサー用線材および圧力リング用線材を高い寸法精度で成形することができ、中でもオイルリング用線材の成形に最適である。
【００１８】
また、本発明の異形線材の成形装置の別の例を図５に示す。図５に示すように、本発明の異形線材の成形装置では、巻出機１の後段にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２を配置し、その後段には非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに配置した成形ユニットをタンデムに３ユニット配列し、その後段には仕上げユニット５をタンデムに５ユニット配列し、その後段には、ダブルキャプスタン９、巻取機６を配置した構成としてもよい。このように成形ユニットを配置することで、オイルリング用線材、サイドレール用線材、スペーサー用線材および圧力リング用線材を高い寸法精度で成形することができ、中でも圧力リング用線材の成形に最適である。
【００１９】
本発明の異形線材の成形装置における成形ユニットは、非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに配置することが好ましい。
成形ユニットに非駆動の４方ロールスタンド３を用いることにより、圧下率を小さくすることができ、その結果、圧延荷重も小さくなる。これにより、線材からの４方ロールスタンドに対する反力も小さくなるため、４方ロールスタンドの変形量が少ない領域で圧延することができる。４方ロールスタンドの変形量が少ない領域で圧延することで、ロール振れによる寸法変動を抑制できるため、高い寸法精度の異形線材を成形することができる。
また、成形ユニットに動力駆動の４方ロールスタンド４を用いることにより、異形線材に巻取機側から加わる前方張力を低減することができる。これにより、非駆動の４方ロールスタンド３に比べて圧下率を大きくしても前方張力が増加しないため、線材の伸びによる寸法変動（縮小）および破断を抑制することができ、ロール孔型への高い充填率を確保することができる。
【００２０】
本発明の異形線材の成形装置における成形ユニットは、非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに複数ユニット配列することが好ましい。これにより、４方ロールスタンド１スタンド当たりの圧下率を小さく抑えることででき、ロールの磨耗および破損を低減することができる。
また、成形ユニットをタンデムに複数ユニット配列することにより、ロールの孔型形状を徐々に製品形状に近付けるようなパススケジュールで線材を成形することができ、線材のメタルフローを阻害せずに線材の成形が行なえる。これにより、高い寸法精度の異形線材を成形することができる上、圧延回数および中間焼なましを省略することができる。
【００２１】
本発明の異形線材の成形装置は、前記タンデムに複数ユニット配列される成形ユニットの最後段には、単数または複数の非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５を配置することが好ましい。高い寸法精度の異形線材を得るためには、最終段での圧下を、軽圧下することが必要である。動力駆動の４方ロールスタンドを最終段に配置して圧下率を小さく抑えて成形した場合は、動力駆動の４方ロールスタンドの駆動力によりロールスリップが発生し、異形線材に疵を発生させる恐れがある。このため、駆動力の影響がない非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５を用いることで、圧下率を低く抑えてもロールスリップを抑制でき、疵のない高い寸法精度の異形線材を成形することができる。
また、仕上げユニット５に非駆動の４方ロールスタンドを用いることにより、圧下率を小さくすることができ、圧延荷重も小さくなる。これにより、線材からの４方ロールスタンドに対する反力も小さくなるため、４方ロールスタンドの剛性が低い領域で圧延することができる。４方ロールスタンドの剛性が低い領域で圧延することにより、ロール振れによる寸法変動を抑制できるため、さらに高い寸法精度の異形線材を成形することができる。
【実施例】
【００２２】
図１に示すように、巻出機１の後段にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２、その後段には非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４をタンデムに配置した成形ユニットをタンデムに２ユニット配列し、その後段には非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５、ダブルキャプスタン９、巻取機６を配置した異形線材の成形装置を用いて圧延を行なった。素材には、直径が５．０ｍｍの０．８％Ｃ−１７％Ｃｒ鋼（質量％）を用い、図２に示す、厚さが３．０７ｍｍ、幅が４．０７ｍｍの異形線材を成形した。このとき、洗浄装置２の通過速度は３０ｍ／ｍｉｎとした。
【００２３】
洗浄装置２は、図３に示すように、高さを調整できる昇降台３９上に、長さ８００ｍｍ、幅６００ｍｍ、深さ２００ｍｍのオーバーフロータンク３１で囲まれた長さ４５０ｍｍ、幅３５０ｍｍ、深さ３００ｍｍの洗浄タンク３０を配置し、該洗浄タンク３０の底面に超音波振動子３２を設置した。洗浄タンク３０内は、溶媒として４０〜４５℃の温水で満たした。このとき、オーバーフロータンク３１および洗浄タンク３０の前面と背面の一部に線材が通過するためのスリットを設けた。洗浄タンク３０のスリットの隙間から流れ出た温水は、オーバーフロータンク３０内に溜まり、オーバーフロータンク３０内に設けた水中ポンプ３７によって、再び洗浄タンク３０に戻る構造とした。また、オーバーフロータンク３１の底面には、バルブ付き配水管３８を取り付けた。
また、洗浄タンク３０およびオーバーフロータンク３１のスリット出口にはそれぞれ、拭き取り紙３４を設置し、線材に付着した汚れおよび洗浄液の拭き取りを行なった。また、オーバーフロータンク３１出側には、エアワイパー３５を設置し、線材に付着した温水を除去した。
【００２４】
図１の異形線材の成形装置で洗浄装置２を全く使用しないで異形線材を成形すると、異形線材の表面には、汚れ等の異物の押込みによるものと思われる、幅２ｍｍ、長さ２０ｍｍ、深さ５μｍ程度の噛み込み疵が数箇所確認された。
一方、本発明例の洗浄装置２を使用して成形した異形線材の表面には、汚れ等の異物の押込みによる噛み込み疵はみられず、本発明の有効性が確認できた。
【符号の説明】
【００２５】
１．巻出機、２．洗浄装置、３．非駆動４方ロールスタンド、４．動力駆動４方ロールスタンド、５．仕上げユニット、６．巻取機、７．アキュームダンサーロール、８．ダンサーロール、９．ダブルキャプスタン、３０．洗浄タンク、３１．オーバーフロータンク、３２．超音波振動子、３３．超音波発振器、３４．拭き取り紙、３５．エアワイパー、３７．水中ポンプ、３８．バルブ付き配水管、３９．昇降台車
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えばエンジン用ピストンリング等に用いられる異形断面の線材の成形等に適した異形線材の成形装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年のエンジンの高回転化、高出力化の要求に応えるため、高負荷のピストンリングには、従来の鋳鉄製から鋼製に変わり、高合金ステンレスなどの特殊鋼が用いられるようになっている。
ピストンリングには、断面形状が疑似Ｈ形のオイルリング、断面形状が左右で異なるサイドレール、スペーサーおよび圧力リングがあり、それぞれ異形断面を有する。これらのピストンリングのうち、オイルリングには、断面が疑似Ｈ形の複雑な異形断面を有するものが使用され、素材となるピストンリング用線材に対しては、厳しい寸法精度が要求される。
【０００３】
現在、このような異形断面のピストンリング用線材の成形は、例えば特許文献１に開示されるように、丸線を矩形線に成形した後、非駆動の前段４方ロールタークスヘッドと、動力駆動の後段４方ロールタークスヘッドとを組み合わせた成形ユニットを、１ユニットまたはタンデムに複数ユニット配列した成形装置で成形することが提案されている。
この提案は、従来３〜５回に別けて成形し、その中間に歪取り焼鈍ししていた工程を、１〜２回で成形し中間の歪取り焼鈍しを省略もしくは削減することにより、大幅な能率向上とコスト低減ができるという点で優れたものである。
しかしながら、前工程で矩形線に成形した状態で線材に曲がりやねじれが残存した素材を異形線材に成形すると、４方ロールスタンドに噛み込んだ際や圧延中に、ロール孔型への充填状態が不均一となり所定の形状に成形されないという問題があった。
本発明者は、これら異形線材の成形前後の線材に生じる曲がりに対し、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの前段と後段にそれぞれレベラーを備える異形線材の成形装置で成形することで解決できることを提案した（特許文献２）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００３−３９１０３号公報
【特許文献２】特開２０１０−２０１４９２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述した特許文献２に開示される成形装置は、異形線材の成形前後の線材に生じる曲がりを解決できるという点では有利である。
しかしながら、例えば前工程で矩形線に成形した状態の線材、皮むき後の線材、焼鈍し後の線材および引抜き後の線材の素材表面に、引抜き潤滑剤、炉内堆積物等の汚れの要因となる異物が付着した素材を圧延で異形線材に成形すると、異形線材の表面に異物が噛み込み、異形線材表面に疵を発生する恐れがある。また、素材が４方ロールスタンドに噛み込んだ際に、異物がロール表面に付着することがある。ロール表面に異物が付着した状態で圧延すると、ロール孔型への線材の充填状態が不均一となり、高精度な所定の形状に成形されないという問題もある。
また、素材線材表面に不連続な異物の付着した線材が、動力駆動の４方ロールスタンドに噛み込んだ際には、ロールと線材間の摩擦状態が異物により局部的に変化するため、ロールスリップを発生させることがある。このロールスリップにより、異形線材の成形後の線材表面にロールの焼付き疵を発生させる問題がある。これらの問題は、異形線材の成形性および成形後の線材の品質に大きな影響を及ぼす。
【０００６】
本発明の目的は、素材表面の汚れ等による異物付着の問題を解決し、成形性や表面清浄に優れた高い寸法精度の異形線材を得ることができる成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者は、異形線材の寸法精度の問題を検討し、成形前の素材の表面を洗浄する洗浄装置を採用することで、異形線材の成形後に生じる表面清浄や寸法精度の問題を大きく改善できることを見出し本発明に到達した。
【０００８】
すなわち本発明は、成形ユニットとして４方ロールスタンドを具備する異形線材の成形装置であって、前記成形ユニットの最前段には線材表面を洗浄する洗浄装置が配置される異形線材の成形装置である。
前記洗浄装置は、前記線材表面を溶媒により洗浄することが好ましく、前記溶媒に超音波振動を印加して洗浄することがより好ましい。
前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに配置されることが好ましい。
また、前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに複数ユニット配列されることが好ましい。
また、前記成形ユニットの最後段には、単数または複数の非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニットを配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの最前段に洗浄装置を配置することにより、異形線材の成形後に生じる表面清浄や寸法精度の問題を大きく改善することができ、ピストンリング等に用いられる異形線材の製造を飛躍的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の異形線材の成形装置の一例を示す図である。
【図２】実施例で成形した異形線材の断面を示す図である。
【図３】本発明の異形線材の成形装置に備えられる洗浄装置の一例を示す図である。
【図４】本発明の異形線材の成形装置の別の例を示す図である。
【図５】本発明の異形線材の成形装置の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
本発明の最も重要な特徴は、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの最前段に素材の線材表面を洗浄する洗浄装置を配置することにある。
上述したように、異形線材に成形される前の線材表面には、引抜き潤滑剤、炉内堆積物等の汚れが付着していることがある。素材線材の表面に汚れ等の異物が少しでも付着した状態で断面異形線材に成形すると、寸法精度の問題や異形線材表面への疵の誘発といった問題が生じる。これは、例えばピストンリング等に用いられる、非常に高い寸法精度を要求される異形線材を４方ロールスタンドで成形する際に特に大きな問題となる。
所定の異形断面形状および表面清浄を得るためには、素材表面が常に均一に清浄であることが重要である。したがって、本発明の異形線材の成形装置は、４方ロールスタンドでなる成形ユニットの最前段に線材表面を洗浄する洗浄装置を配置した。
【００１２】
本発明の異形線材の成形装置で適用できる線材表面を洗浄する洗浄装置には、ブラシ等の擦過によるメカニカル方式、レーザー等によるフィジカル方式、洗浄液等の溶媒を用いたケミカル方式がある。これらの洗浄方式は、製造する異形線材の形状寸法に合わせて適宜選択でき、メカニカル方式とケミカル方式とを連続して使用するなど、複合で行なってもよい。
【００１３】
本発明の異形線材の成形装置において、成形ユニットの最前段に設置した洗浄装置は、洗浄液等の溶媒を用いたケミカル方式を使用することが好ましい。ケミカル方式で用いる溶媒としては、溶剤以外に水、温水（典型的には３０℃以上）を用いることができる。中でも温水は、人体への影響は少なく、供給ならびに廃棄といった取扱いが容易である。また、線材表面に付着している汚れ等の異物は、前工程で付着する金属石鹸等を主成分とする引抜き潤滑剤であることが多く、この引抜き潤滑剤は、温水に溶けやすいという性質から、溶媒として温水を用いることが最も好ましい。
また、本発明で適用する洗浄装置は、洗浄効果を促進させる補助機構として、洗浄槽内に超音波振動子を設置し、溶媒に超音波振動を印加することが好ましく、溶媒を振動させることで洗浄効果をより高めることができる。
【００１４】
本発明の異形線材の成形装置で適用できる洗浄装置の一例を図３に示す。洗浄装置は、例えば図３に示すような、オーバーフロータンクで囲まれた洗浄タンク内に溶媒を浸し、溶媒内に線材を通過させることで線材表面の汚れ等の異物を除去する装置が好適である。
図３に示す洗浄装置は、溶媒を交換する際の排出を容易にするために、オーバーフロータンク３１の底面には、バルブ付き配水管３８を取り付けている。オーバーフロータンク３１および洗浄タンク３０の前面と背面の一部に線材が通過するためのスリットを設けている。洗浄タンク３０のスリットの隙間から流れ出た溶媒は、オーバーフロータンク３０内に溜まり、オーバーフロータンク３０内に設けたポンプ３７によって、再び洗浄タンク３０に戻る構造となっている。また、洗浄タンク３０内の底面には、超音波振動子３２を設置し、溶媒に超音波振動を印加できるようにしている。超音波振動の調整は、超音波発振器３３の出力で調整することができる。
また、洗浄タンク３０およびオーバーフロータンク３１のスリット出口にはそれぞれ、拭き取り紙または布３４を設置し、線材に付着した汚れおよび溶媒の拭き取りを行なうことが好ましい。また、オーバーフロータンク３１出側には、線材に付着した溶媒を除去するためのエアワイパー３５を設置することが好ましい。
また、線材を洗浄タンク３０内の溶媒の所定レベルで通過させるために、洗浄タンク３０高さを調整できる昇降台３９を設けることが好ましい。
【００１５】
本発明の異形線材の成形装置の一例を図１に示す。図１に示すように、本発明の異形線材の成形装置の一例では、巻出機１の直後にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２、を配置し、その後段には成形ユニットとして非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４をタンデムに２ユニット配列し、その後段には非駆動の４方ロールタークスタンドからなる仕上げユニット５、ダブルキャプスタン９、巻取機６を配置した構成をとる。
巻出機１と洗浄装置２の間に配置したアキュームダンサーロール７および動力駆動の４方ロールスタンド４と仕上げユニット５との間に配置したダンサーロール８は、それぞれその間の張力を一定に保つように、直前に配置した巻出機１、動力駆動の４方ロールスタンド４の回転数を制御する。
【００１６】
図１に示した異形線材の成形装置の一例には、成形ユニットとして前段の非駆動の４方ロールスタンド３を１段しか配置していないが、２以上の非駆動の４方ロールスタンドを配置することができる。また、後段の動力駆動の４方ロールスタンド４は、１段しか配置していないが、２以上の動力駆動の４方ロールスタンドを配置することができる。
また、成形ユニットは、非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに複数ユニット配列することもできる。また、非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５を１段しか配置していないが、２以上の非駆動の４方ロールスタンドを配置することができる。
また、図１に示す異形線材の成形装置の一例には、４方ロールスタンドしか配置していないが、本発明の異形線材の成形装置には、上下または左右一対の２方ロールスタンドを成形ユニット間に配置してもよい。
【００１７】
本発明の異形線材の成形装置の別の例を図４に示す。図４に示すように、本発明の異形線材の成形装置では、巻出機１の後段にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２、を配置し、その後段には非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに配置した成形ユニットをタンデムに３ユニット配列し、それぞれの成形ユニットの後段には非駆動の４方ロールスタンド３を配置し、最後段の成形ユニットの後段には仕上げユニット５をタンデムに２ユニット配列し、その後段には、ダブルキャプスタン９、巻取機９を配置した構成としてもよい。このように成形ユニットを配置することで、オイルリング用線材、サイドレール用線材、スペーサー用線材および圧力リング用線材を高い寸法精度で成形することができ、中でもオイルリング用線材の成形に最適である。
【００１８】
また、本発明の異形線材の成形装置の別の例を図５に示す。図５に示すように、本発明の異形線材の成形装置では、巻出機１の後段にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２を配置し、その後段には非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに配置した成形ユニットをタンデムに３ユニット配列し、その後段には仕上げユニット５をタンデムに５ユニット配列し、その後段には、ダブルキャプスタン９、巻取機６を配置した構成としてもよい。このように成形ユニットを配置することで、オイルリング用線材、サイドレール用線材、スペーサー用線材および圧力リング用線材を高い寸法精度で成形することができ、中でも圧力リング用線材の成形に最適である。
【００１９】
本発明の異形線材の成形装置における成形ユニットは、非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに配置することが好ましい。
成形ユニットに非駆動の４方ロールスタンド３を用いることにより、圧下率を小さくすることができ、その結果、圧延荷重も小さくなる。これにより、線材からの４方ロールスタンドに対する反力も小さくなるため、４方ロールスタンドの変形量が少ない領域で圧延することができる。４方ロールスタンドの変形量が少ない領域で圧延することで、ロール振れによる寸法変動を抑制できるため、高い寸法精度の異形線材を成形することができる。
また、成形ユニットに動力駆動の４方ロールスタンド４を用いることにより、異形線材に巻取機側から加わる前方張力を低減することができる。これにより、非駆動の４方ロールスタンド３に比べて圧下率を大きくしても前方張力が増加しないため、線材の伸びによる寸法変動（縮小）および破断を抑制することができ、ロール孔型への高い充填率を確保することができる。
【００２０】
本発明の異形線材の成形装置における成形ユニットは、非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４とをタンデムに複数ユニット配列することが好ましい。これにより、４方ロールスタンド１スタンド当たりの圧下率を小さく抑えることででき、ロールの磨耗および破損を低減することができる。
また、成形ユニットをタンデムに複数ユニット配列することにより、ロールの孔型形状を徐々に製品形状に近付けるようなパススケジュールで線材を成形することができ、線材のメタルフローを阻害せずに線材の成形が行なえる。これにより、高い寸法精度の異形線材を成形することができる上、圧延回数および中間焼なましを省略することができる。
【００２１】
本発明の異形線材の成形装置は、前記タンデムに複数ユニット配列される成形ユニットの最後段には、単数または複数の非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５を配置することが好ましい。高い寸法精度の異形線材を得るためには、最終段での圧下を、軽圧下することが必要である。動力駆動の４方ロールスタンドを最終段に配置して圧下率を小さく抑えて成形した場合は、動力駆動の４方ロールスタンドの駆動力によりロールスリップが発生し、異形線材に疵を発生させる恐れがある。このため、駆動力の影響がない非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５を用いることで、圧下率を低く抑えてもロールスリップを抑制でき、疵のない高い寸法精度の異形線材を成形することができる。
また、仕上げユニット５に非駆動の４方ロールスタンドを用いることにより、圧下率を小さくすることができ、圧延荷重も小さくなる。これにより、線材からの４方ロールスタンドに対する反力も小さくなるため、４方ロールスタンドの剛性が低い領域で圧延することができる。４方ロールスタンドの剛性が低い領域で圧延することにより、ロール振れによる寸法変動を抑制できるため、さらに高い寸法精度の異形線材を成形することができる。
【実施例】
【００２２】
図１に示すように、巻出機１の後段にアキュームダンサーロール７、洗浄装置２、その後段には非駆動の４方ロールスタンド３と動力駆動の４方ロールスタンド４をタンデムに配置した成形ユニットをタンデムに２ユニット配列し、その後段には非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニット５、ダブルキャプスタン９、巻取機６を配置した異形線材の成形装置を用いて圧延を行なった。素材には、直径が５．０ｍｍの０．８％Ｃ−１７％Ｃｒ鋼（質量％）を用い、図２に示す、厚さが３．０７ｍｍ、幅が４．０７ｍｍの異形線材を成形した。このとき、洗浄装置２の通過速度は３０ｍ／ｍｉｎとした。
【００２３】
洗浄装置２は、図３に示すように、高さを調整できる昇降台３９上に、長さ８００ｍｍ、幅６００ｍｍ、深さ２００ｍｍのオーバーフロータンク３１で囲まれた長さ４５０ｍｍ、幅３５０ｍｍ、深さ３００ｍｍの洗浄タンク３０を配置し、該洗浄タンク３０の底面に超音波振動子３２を設置した。洗浄タンク３０内は、溶媒として４０〜４５℃の温水で満たした。このとき、オーバーフロータンク３１および洗浄タンク３０の前面と背面の一部に線材が通過するためのスリットを設けた。洗浄タンク３０のスリットの隙間から流れ出た温水は、オーバーフロータンク３０内に溜まり、オーバーフロータンク３０内に設けた水中ポンプ３７によって、再び洗浄タンク３０に戻る構造とした。また、オーバーフロータンク３１の底面には、バルブ付き配水管３８を取り付けた。
また、洗浄タンク３０およびオーバーフロータンク３１のスリット出口にはそれぞれ、拭き取り紙３４を設置し、線材に付着した汚れおよび洗浄液の拭き取りを行なった。また、オーバーフロータンク３１出側には、エアワイパー３５を設置し、線材に付着した温水を除去した。
【００２４】
図１の異形線材の成形装置で洗浄装置２を全く使用しないで異形線材を成形すると、異形線材の表面には、汚れ等の異物の押込みによるものと思われる、幅２ｍｍ、長さ２０ｍｍ、深さ５μｍ程度の噛み込み疵が数箇所確認された。
一方、本発明例の洗浄装置２を使用して成形した異形線材の表面には、汚れ等の異物の押込みによる噛み込み疵はみられず、本発明の有効性が確認できた。
【符号の説明】
【００２５】
１．巻出機、２．洗浄装置、３．非駆動４方ロールスタンド、４．動力駆動４方ロールスタンド、５．仕上げユニット、６．巻取機、７．アキュームダンサーロール、８．ダンサーロール、９．ダブルキャプスタン、３０．洗浄タンク、３１．オーバーフロータンク、３２．超音波振動子、３３．超音波発振器、３４．拭き取り紙、３５．エアワイパー、３７．水中ポンプ、３８．バルブ付き配水管、３９．昇降台車
【特許請求の範囲】
【請求項１】
成形ユニットとして４方ロールスタンドを具備する異形線材の成形装置であって、前記成形ユニットの最前段には線材表面を洗浄する洗浄装置が配置されることを特徴とする異形線材の成形装置。
【請求項２】
前記洗浄装置は、前記線材表面を溶媒により洗浄することを特徴とする請求項１に記載の異形線材の成形装置。
【請求項３】
前記洗浄装置は、前記溶媒に超音波振動を印加して洗浄することを特徴とする請求項２に記載の異形線材の成形装置。
【請求項４】
前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに配置されることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれかに記載の異形線材の成形装置。
【請求項５】
前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに複数ユニット配列されることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれかに記載の異形線材の成形装置。
【請求項６】
前記成形ユニットの最後段には、単数または複数の非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニットを配置されることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれかに記載の異形線材の成形装置。
【請求項１】
成形ユニットとして４方ロールスタンドを具備する異形線材の成形装置であって、前記成形ユニットの最前段には線材表面を洗浄する洗浄装置が配置されることを特徴とする異形線材の成形装置。
【請求項２】
前記洗浄装置は、前記線材表面を溶媒により洗浄することを特徴とする請求項１に記載の異形線材の成形装置。
【請求項３】
前記洗浄装置は、前記溶媒に超音波振動を印加して洗浄することを特徴とする請求項２に記載の異形線材の成形装置。
【請求項４】
前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに配置されることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれかに記載の異形線材の成形装置。
【請求項５】
前記成形ユニットには、非駆動の４方ロールスタンドと動力駆動の４方ロールスタンドとがタンデムに複数ユニット配列されることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれかに記載の異形線材の成形装置。
【請求項６】
前記成形ユニットの最後段には、単数または複数の非駆動の４方ロールスタンドからなる仕上げユニットを配置されることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれかに記載の異形線材の成形装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１０１２４２（Ｐ２０１２−１０１２４２Ａ）
【公開日】平成２４年５月３１日（２０１２．５．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２５０７５１（Ｐ２０１０−２５０７５１）
【出願日】平成２２年１１月９日（２０１０．１１．９）
【出願人】（０００００５０８３）日立金属株式会社 (2,051)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年５月３１日（２０１２．５．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月９日（２０１０．１１．９）
【出願人】（０００００５０８３）日立金属株式会社 (2,051)
【Ｆターム（参考）】
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