説明

畳隅止めテープ

【課題】畳の製作時や表替え時、補修時において、縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に固定する作業が簡単且つ容易に行える畳隅止めテープを提供する。
【解決手段】畳1を構成する畳床2及び畳表3の両側縁部に沿って被覆した帯状の縁布4を、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した後、畳隅止めテープ5を、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着して、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に対して畳隅止めテープ5の粘着力で一体的に貼着固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば畳の製作時や表替え時、補修時において、畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に帯状の縁布を固定する作業に用いられる畳隅止めテープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の畳を構成する縁布を、畳床四隅の各角隅部外面に固定する方法としては、例えば畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布を手作業により糸で縫付け固定する方法があるが、作業に手間及び時間が掛かるため、作業時間の短縮及び大量生産、品質の安定を図る場合、縫着ミシンで機械的に縫付け固定する方法と、空気圧又は電磁式の打ち込み機で二股釘を打ち込む方法との何れか一方又は両方が用いられる。
【0003】
つまり、畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部外面に沿って折り返して二股釘で固定した後、縁布の長辺部を畳床の縁部端面に対して縫付け固定(返し縫い)すると完成するが、縫着ミシン及び打ち込み機を併用する場合、縫着作業上、縫着ミシンが畳床の長辺部に沿って角隅部に向けて水平移動しながら縫着作業を行うが、縫着ミシンが畳床の角隅部に移動したとき、畳床の角隅部に打ち込まれた二股釘に、縫着ミシンのミシン針が当たることがあり、ミシン針が折れるか、そのミシン針及び二股釘が縫着ミシンの可動部分に食い込んで、縫着速度が遅くなるか、停止する等の故障が発生することがある。また、二股釘が畳床の角隅部外面よりも外側に突出すると、他の製品が損傷するか、スリ傷が付いてしまうことがある。
【0004】
また、畳の製作時や表替え時、補修時において、二股釘を畳床から抜き取る作業に手間及び時間が掛かるだけでなく、包丁やカッター等の切断具で返し縫い用の糸を切断する場合、畳床に二股釘が残っていると、切断具の刃が損傷することがあり、作業がスムースに行えないという問題を有している。
【0005】
上述の問題を解決する方法としては、例えば縁布裏面から剥離テープを除去し、その縁布裏面に塗布された接着剤の粘着力により、縁布を、畳のコーナーに貼着することを特徴とする特許文献1の畳の縁布の装着方法と、また、畳縁布を、畳床に装着された畳表の縁部上面に対して接着剤を介して加圧接着してなる特許文献2の接着縁付畳とがある。しかし、例えば接着剤が変質するか、接着剤にゴミが付着する等して、縁布の固定状態を維持するのに必要な粘着力が得られなくなると、所望する装着状態に貼り直すことが不可能であり、畳の製作時や表替え時、補修時において、装飾性の高い縁布を繰り返し使用することができず、経費が高くなるという問題点を有している。
【0006】
【特許文献1】特開昭51−115020号公報
【特許文献2】実開昭57−89738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上記問題に鑑み、畳を構成する畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、該畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返したまま畳隅止めテープの粘着力により貼着固定することにより、縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部外面に沿って密着した状態に貼着固定することができ、見栄えがよく、綺麗に隅止めすることができる畳隅止めテープの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明の畳隅止めテープは、畳を構成する畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、該畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返したまま固定する作業において、上記縁布の折り返し側端部に貼着される畳隅止めテープを、上記縁布の端部外面と畳床の角隅部裏面とに掛け渡した状態に貼着可能な大きさに形成し、上記縁布の端部を畳床の角隅部外面に沿って密着した状態に貼着固定するのに必要な粘着力を有する粘着剤を、上記畳隅止めテープの貼着面に塗布した畳隅止めテープであることを特徴とする。
【0009】
上記畳床は、例えば天然素材の稲藁、木質素材のインシュレーションボード、発泡ポリスチレンフォーム等の単一又は複合した材質で構成することができる。また、畳表は、例えばイ草や和紙、合成樹脂等の単一又は複合した材質で構成することができる。また、縁布は、例えば綿や絹、麻等の天然繊維と、ポリエステルや等の化学繊維とを単一又は複合した材質で構成することができる。その縁布は、畳床と畳表との重ね合わせ側縁部を覆い隠すのに必要な長さ及び幅に形成している。
【0010】
また、畳隅止めテープは、例えば合成樹脂、繊維素材、紙素材等の単一又は複合した材質で形成された柔軟性を有する合成樹脂製又は布製、紙製のテープと、縁布の端部を、畳床の角隅部外面に沿って密着した状態に貼着固定するのに必要な粘着力を有する粘着剤とで構成することができる。その粘着剤は、テープの貼着面全体に対して略均一に塗布され、糸による縫着と略同等又は同等以上、近い状態に固定可能な粘着力を有している。
【0011】
上述のテープは、例えば透光性を有する材質で透明又は半透明に形成するか、不透明な材質で構成することができ、縁布の端部外面と、畳床の角隅部裏面とに掛け渡した状態に貼着される大きさに形成している。実施例では、畳隅止めテープを、縁布の折り返し側端部の幅と略同等又は折り返し側端部の両側縁部よりも内側に貼着される幅=略20mmに形成し、縁布4の端部4a外面と、畳床2の角隅部2a裏面とに掛け渡した状態に貼着される長さ=略100mmに形成しているが、長さを略100mm以下又は以上に変更するか、幅を略20mm以下又は以上に変更することもできる。
【0012】
つまり、畳の製作時や表替え時、補修時において、畳を構成する畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返した後、畳隅止めテープの一端側粘着面を縁布の折り返し側端部外面に貼着し、畳隅止めテープの他端側粘着面を畳床の角隅部裏面に貼着して、畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返した縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部裏面に対して畳隅止めテープの粘着力で一体的に貼着固定する。
【0013】
上述の縫付け固定する手段としては、例えば機械的に逢着する縫着ミシンの縫付け作業、作業者の手縫い作業等で構成することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明の畳隅止めテープは、上記畳隅止めテープの粘着力を、上記縁布の端部を糸で縫着するのと略同等又は同等以上の粘着力に設定することを特徴とする。つまり、縁布の端部を、畳床の角隅部外面に対して糸で縫い付けたときに得られるような固定力で強固に固定する。
【0015】
請求項3に記載した発明の畳隅止めテープは、上記畳隅止めテープを単一枚数に分離可能に複数枚連結するか、該畳隅止めテープと台紙とを剥離可能に貼付したまま単一枚数に分離可能に複数枚連結することを特徴とする。つまり、複数枚連結された畳隅止めテープを単一枚数(1枚)に分離するか、台紙が剥離可能に貼付された畳隅止めテープを台紙ごと単一枚数に分離する等して使用する。
【0016】
請求項4に記載した発明の畳隅止めテープは、上記畳隅止めテープを、一枚の台紙全長に対して単一枚数に剥離可能に複数枚配列することを特徴とする。つまり、畳隅止めテープを台紙上から単一枚数ずつ剥離して使用する。
【0017】
請求項5に記載した発明の畳隅止めテープは、上記畳隅止めテープの粘着面に対して台紙を剥離可能に貼付したまま、該畳隅止めテープを一対の包装シートの対向面間に収容することを特徴とする。つまり、畳隅止めテープを一対の包装シート間から取り出して使用する。
【0018】
請求項6に記載した発明の畳隅止めテープは、上記畳隅止めテープを、該畳隅止めテープを保持するテープホルダーから単一枚数ずつ取り出し可能に設けることを特徴とする。つまり、畳隅止めテープをテープホルダーから単一枚数ずつ取り出して使用する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、畳を構成する畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返したまま畳隅止めテープの粘着力により貼着固定するので、縁布の端部を、畳床の角隅部外面に沿ってぴったりと密着した状態に貼着固定することができ、見栄えがよく、綺麗に隅止めすることができる。また、畳隅止めテープを面待遇で貼着するため、糸による縫着と略同等又は近い状態に固定することができ、一旦貼着すると剥がれにくく、畳床の角隅部外面及び縁布の端部外面に沿ってぴったりと貼り付くため、他の製品を損傷させるか、スリ傷を付ける心配がなく、安全を確保することができる。
【0020】
また、畳床の角隅部には二股釘等の金属部品が存在しないため、縫着ミシンを使用したとき、ミシン針が折れるか、縫着速度が遅くなるか、停止する等の故障が発生することがない。且つ、包丁やカッター等の切断具で返し縫い用の糸を切断するとき、切断具の刃が損傷する心配がなく、畳の製作時や表替え時、補修時において、二股釘を抜き取る作業及びその作業に要する時間を省くことができ、作業がスムースに行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明は、縁布の端部を、畳床四隅の各角隅部外面に沿って密着した状態に貼着固定することができ、見栄えがよく、綺麗に隅止めすることができるという目的を、畳を構成する畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、該畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返したまま畳隅止めテープの粘着力により貼着固定することで達成した。
【実施例】
【0022】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0023】
図面は、畳の製作時や表替え時、補修時において、畳を構成する畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返した縁布の端部を固定するときに用いられる畳隅止めテープを示し、図1及び図2に於いて、この畳隅止めテープ5は、畳1を構成する畳床2及び畳表3の両側縁部に沿って被覆した帯状の縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に貼着固定する作業に使用される。
【0024】
上述の畳床2は、例えば稲藁、インシュレーションボード、合成樹脂素材の発泡ポリスチレンフォーム等の単一又は複合した材質で構成される。また、畳表3は、例えばイ草や和紙、合成樹脂等の単一又は複合した材質で構成される。
【0025】
また、縁布4は、例えば綿や絹、麻等の天然繊維と、ポリエステルや等の化学繊維とを単一又は複合した材質で構成され、上下に重ね合わされた畳床2と畳表3との両側縁部外面を覆い隠すのに必要な長さ及び幅に形成している。
【0026】
前述の畳隅止めテープ5は、例えば合成樹脂、繊維素材、紙素材等の単一又は複合した材質で形成された柔軟性を有する合成樹脂製又は布製、紙製のテープ5aと、縁布4の折り返し側端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿って密着した状態に固定するのに必要な粘着力を有する粘着剤5bとで構成され、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返された縁布4の端部4aを固定するのに必要な長さ及び幅に形成している。
【0027】
上述のテープ5aは、例えば透光性を有する材質で透明又は半透明に形成するか、不透明な材質で構成され、縁布4の端部4a外面と、畳床2の角隅部2a裏面とに掛け渡した状態に貼着される大きさに形成している。
【0028】
また、粘着剤5bは、テープ5aの貼着面全体に対して略均一に塗布され、糸による縫着と略同等又は同等以上、近い状態に固定可能な粘着力を有している。実施例では、畳隅止めテープ5を、縁布4の端部4aの幅と略同等又は端部4aの両側縁部よりも内側に貼着される幅=略20mmに形成し、縁布4の端部4a外面と、畳床2の角隅部2a裏面とに掛け渡した状態に貼着される長さ=略100mmに形成している。
【0029】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、上述の畳隅止めテープ5により、畳1を構成する畳床2及び畳表3の両側縁部が覆われる状態に帯状の縁布4を固定する方法を説明する。
【0030】
先ず、図1、図2に示すように、畳1の製作時や表替え時、補修時において、畳1を構成する畳床2の表面全体が覆われる状態に畳表3を装着した後、縁下紙(図示省略)を介して、畳床2に装着された畳表3の両側縁部に沿って帯状の縁布4を被覆し、縁布4の一側長辺部を裏面側に折り返して、畳表3の一側縁部に対して折り返したまま重ね合わせる。
【0031】
次に、縁布4の他側長辺部を、畳床2及び畳表3を重ね合わせてなる長辺側縁部の略直角をなす角面に沿って折り曲げ、畳床2及び畳表3の両側縁部が覆い隠される状態に、例えば縫着ミシンの縫付け作業、作業者の手縫い作業等の縫付け手段で縫付け固定(返し縫い)する。また、縁布4の端部4aを、畳床2の角隅部2a外面に固定した後、縁布4の全長を畳床2及び畳表3の両側縁部が覆われる状態に固定してもよい。
【0032】
次に、畳床2四隅の各角隅部2a…が覆われる位置に到達した縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した後、図3及び図4に示すように、ミシン目7に沿って分離した畳隅止めテープ5と、図5乃至図8に示すように、ミシン目7に沿って分離した台紙5C,5Dから剥離した畳隅止めテープ5と、図9に示すように、一対の包装シート8,8間から取り出し、2枚の台紙9,9を剥離した畳隅止めテープ5と、図10に示すテープホルダー10から取り出される畳隅止めテープ5との中から何れか一つを選択して、縁布4の端部4a外面に貼着する。
【0033】
つまり、畳隅止めテープ5の一端側粘着面を縁布4の折り返し側端部4a外面に面待遇で貼着し、畳隅止めテープ5の他端側粘着面を畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に面待遇で貼着して、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着することで、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に対して畳隅止めテープ5の粘着力で一体的に貼着固定することができ、畳1の製作や表替え、補修等の作業が完了する。
【0034】
図3は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を幅広方向に単一枚数(1枚)に分離して使用する方法を示し、1枚分の畳隅止めテープ5の長手側と略同一となるテープ幅に形成した幅広テープ5Aを、筒状に形成した巻き芯6の外周面に対してロール状に連続して巻回し、1枚の畳隅止めテープ5に分離可能なミシン目7を幅広テープ5Aの幅方向に形成すると共に、そのミシン目7を、幅広テープ5Aの全長方向に対して1枚分の畳隅止めテープ5の短手側と略同一となる前後間隔に隔てて形成している。
【0035】
図4は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を幅狭方向に単一枚数(1枚)に分離して使用する方法を示し、1枚分の畳隅止めテープ5の短手側と略同一となるテープ幅に形成した幅狭テープ5Bを、筒状に形成した巻き芯6の外周面に対してロール状に連続して巻回し、1枚の畳隅止めテープ5に分離可能なミシン目7を幅狭テープ5Bの幅方向に形成すると共に、そのミシン目7を、幅狭テープ5Bの全長方向に対して1枚分の畳隅止めテープ5の長手側と略同一となる前後間隔に隔てて形成している。
【0036】
つまり、ミシン目7に沿って分離した4枚の畳隅止めテープ5…を、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着して、縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した状態に一体的に貼着固定する。
【0037】
図5は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を、その畳隅止めテープ5が貼付された台紙5Cごと単一枚数(1枚)に分離して使用する方法を示し、1枚分の畳隅止めテープ5の長手側よりも食み出すようなテープ幅に形成した幅広テープ5Aと、その幅広テープ5Aが全長方向に貼付された幅広の台紙5Cとに、1枚分の畳隅止めテープ5に分離可能なミシン目7を幅広テープ5A及び台紙5Cの幅方向に形成すると共に、そのミシン目7を、幅広テープ5A及び台紙5Cの全長方向に対して1枚分の畳隅止めテープ5の短手側と略同一となる前後間隔に隔てて形成し、台紙5Cから剥離するときに摘むための剥離部5cを、畳隅止めテープ5の縁部に形成している。
【0038】
図6は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を、その畳隅止めテープ5が貼付された台紙5Dごと単一枚数(1枚)に分離して使用する方法を示し、1枚分の畳隅止めテープ5の短手側よりも食み出すようなテープ幅に形成した幅狭テープ5Bと、その幅狭テープ5Bが全長方向に貼付された幅狭の台紙5Dとに、1枚分の畳隅止めテープ5に分離可能なミシン目7を幅狭テープ5Bの幅方向に形成すると共に、そのミシン目7を、幅狭テープ5B及び台紙5Dの全長方向に対して前後間隔に隔てて形成し、台紙5Cから剥離するときに摘むための剥離部5cを、畳隅止めテープ5の縁部に形成している。
【0039】
つまり、4枚の畳隅止めテープ5…をミシン目7に沿って台紙5C,5Dごと単一枚数に分離し、剥離部5cを摘み上げて、台紙5C,5Dから剥離した畳隅止めテープ5…を、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着して、縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した状態に一体的に貼着固定するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0040】
図7は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を、その畳隅止めテープ5…が貼付された幅広の台紙5Cから単一枚数(1枚)に剥離して使用する方法を示し、1枚分の畳隅止めテープ5を、その畳隅止めテープ5の全長よりも食み出すようなテープ幅に形成した台紙5C表面に対して幅方向に向けて貼付すると共に、その畳隅止めテープ5を、台紙5Cの全長方向に対して単一枚数に剥離可能な前後間隔に隔てて又は互いに近接して並列配置し、台紙5Cから剥離するときに摘むための剥離部5cを、畳隅止めテープ5の縁部に形成している。
【0041】
図8は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を、その畳隅止めテープ5…が貼付された幅狭の台紙5Dから単一枚数(1枚)に剥離して使用する方法を示し、1枚分の畳隅止めテープ5を、その畳隅止めテープ5の横幅よりも食み出すようなテープ幅に形成した台紙5D表面に対して幅方向に向けて貼付すると共に、その畳隅止めテープ5を、台紙5Dの全長方向に対して単一枚数に剥離可能な前後間隔に隔てて又は互いに近接して並列配置し、台紙5Cから剥離するときに摘むための剥離部5cを、畳隅止めテープ5の縁部に形成している。
【0042】
つまり、剥離部5cを摘み上げて、台紙5C,5Dから剥離した4枚の畳隅止めテープ5…を、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0043】
また、畳隅止めテープ5…の間に露出する台紙5C,5Dに上述のミシン目7を形成して、畳隅止めテープ5…を台紙5C,5Dごと分離することもできる。
【0044】
図9は、単一枚数(1枚)の畳隅止めテープ5を一対の包装シート8,8間から取り出し、その畳隅止めテープ5の粘着面から2枚の台紙9,9を剥離して使用する方法を示し、畳隅止めテープ5の両端部粘着面に、その粘着面全体が覆われる大きさ及び形状に形成した台紙9,9を夫々貼着し、台紙9,9の対向辺部を互い違いに重ね合わせた後、1枚分の畳隅止めテープ5を、一対の包装シート8,8の対向面間に挟み込み、包装シート8,8の対向側周縁部を剥離可能に接着固定して包装している。
【0045】
つまり、使用時において、一対の包装シート8,8を一端側から分離又は剥離し、1枚分の畳隅止めテープ5を包装シート8,8の対向面間から取り出した後、2枚の台紙9,9を畳隅止めテープ5の粘着面から剥離するか、畳隅止めテープ5の粘着面を部分的に露出する等して、畳隅止めテープ5を、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。また、一対の包装シート8,8で包装された畳隅止めテープ5を上下、左右、前後に積層しておくこともできる。
【0046】
図10は、ロール状に巻回された多数枚の畳隅止めテープ5…を、ハンディー型又は据え置き型のテープホルダー10から単一枚数(1枚)ずつ取り出して使用する方法を示し、図8に示すロール状に巻回された畳隅止めテープ5…をテープホルダー10の後側内部に収容保持し、畳隅止めテープ5が剥離された台紙5Dをテープホルダー10の前側内部に巻き取り回収する。
【0047】
つまり、テープホルダー10の開口部10aから取り出される畳隅止めテープ5を台紙5Dから1枚ずつ剥離(又はミシン目7に沿って分離)し、畳隅止めテープ5が剥離された台紙5Dをロール状に巻き取り回収して、畳隅止めテープ5を、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4a外面と、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面とに掛け渡した状態に貼着するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。また、図3乃至図8に示すロール状の畳隅止めテープ5を、上述のテープホルダー10により保持することもできる。
【0048】
以上のように、畳1を構成する畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に折り返した縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…裏面に対して畳隅止めテープ5…の粘着力により貼着固定するので、縁布4の端部4aを、畳床2の角隅部2a外面に沿ってぴったりと密着した状態に貼着固定することができ、見栄えがよく、綺麗に隅止めすることができる。また、畳隅止めテープ5を面待遇で貼着するため、糸による縫着と略同等又は近い状態に固定することができ、一旦貼着すると剥がれにくく、畳床2の角隅部2a外面及び縁布4の端部4a外面に沿ってぴったりと貼り付くため、他の製品を損傷させるか、スリ傷を付ける心配がなく、安全を確保することができる。
【0049】
また、畳床2の角隅部2aには二股釘(図示省略)等の金属部品が存在しないため、縫着ミシン(図示省略)を使用したとき、ミシン針が折れるか、縫着速度が遅くなるか、停止する等の故障が発生することがない。且つ、包丁やカッター等の切断具で返し縫い用の糸を切断するとき、切断具の刃が損傷する心配がなく、畳1の製作時や表替え時、補修時において、二股釘を抜き取る作業及びその作業に要する時間を省くことができ、作業がスムースに行える。
【0050】
また、畳隅止めテープ5により貼着固定するだけであるので、縁布4の端部4aを、畳床2四隅の各角隅部2a…外面に沿う状態に固定する作業及び該各角隅部2a…外面から分離する作業が簡単且つ容易に行え、作業性の向上を図ることができる。
【0051】
また、畳隅止めテープ5の粘着力が低下しても、縁布4の端部4aの固定状態を維持するのに必要な粘着力を有する畳隅止めテープ5に交換するだけで済むため、装飾性の高い縁布4を何回も繰り返し使用することができ、畳1の製作時や表替え時、補修時における経費の低減を図ることができる。
【0052】
なお、本発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、上述の台紙付き畳隅止めテープ5…を、例えば多数枚連続したまま略蛇行状態に折り畳んでおくこともできる。また、台紙付き畳隅止めテープ5…を個々に分離して積層しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】畳隅止めテープによる縁布の固定状態を示す畳隅斜視図。
【図2】畳隅止めテープを縁布の端部に貼着した状態を示す畳隅斜視図。
【図3】ロール状幅広テープの畳隅止めテープを分離する方法を示す斜視図。
【図4】ロール状幅狭テープの畳隅止めテープを分離する方法を示す斜視図。
【図5】幅広台紙付き畳隅止めテープを分離及び剥離する方法を示す斜視図。
【図6】幅狭台紙付き畳隅止めテープを分離及び剥離する方法を示す斜視図。
【図7】畳隅止めテープを幅広台紙から剥離する方法を示す斜視図。
【図8】畳隅止めテープを幅狭台紙から剥離する方法を示す斜視図。
【図9】畳隅止めテープを一対の包装シートから取り出す方法を示す斜視図。
【図10】畳隅止めテープをテープホルダーから取り出す方法を示す斜視図。
【符号の説明】
【0054】
1…畳
2…畳床
2a…角隅部
3…畳表
4…縁布
4a…端部
5…畳隅止めテープ
5a…テープ
5b…粘着剤
5c…剥離部
5C,5D…台紙
6…巻き芯
7…ミシン目
8…包装シート
9…台紙
10…テープホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畳を構成する畳床及び畳表の両側縁部に沿って被覆した縁布の端部を、該畳床四隅の各角隅部外面に沿う状態に折り返したまま固定する作業において、
上記縁布の折り返し側端部に貼着される畳隅止めテープを、上記縁布の端部外面と畳床の角隅部裏面とに掛け渡した状態に貼着可能な大きさに形成し、
上記縁布の端部を畳床の角隅部外面に沿って密着した状態に貼着固定するのに必要な粘着力を有する粘着剤を、上記畳隅止めテープの貼着面に塗布した
畳隅止めテープ。
【請求項2】
上記畳隅止めテープの粘着力を、上記縁布の端部を糸で縫着するのと略同等又は同等以上の粘着力に設定した
請求項1記載の畳隅止めテープ。
【請求項3】
上記畳隅止めテープを単一枚数に分離可能に複数枚連結するか、該畳隅止めテープと台紙とを剥離可能に貼付したまま単一枚数に分離可能に複数枚連結した
請求項1又は2に記載の畳隅止めテープ。
【請求項4】
上記畳隅止めテープを、一枚の台紙全長に対して単一枚数に剥離可能に複数枚配列した
請求項1又は2に記載の畳隅止めテープ。
【請求項5】
上記畳隅止めテープの粘着面に対して台紙を剥離可能に貼付したまま、該畳隅止めテープを一対の包装シートの対向面間に収容した
請求項1又は2に記載の畳隅止めテープ。
【請求項6】
上記畳隅止めテープを、該畳隅止めテープを保持するテープホルダーから単一枚数ずつ取り出し可能に設けた
請求項1又は2に記載の畳隅止めテープ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−83606(P2006−83606A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269753(P2004−269753)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(392002538)玉井産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】