説明

疲労を治療又は予防するための方法

本発明は、疾病または治療に関連する疲労を含む疲労の治療及び/または予防のための発明化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患又は治療と関連する疲労を含む、疲労(fatigue)の治療及び/又は予防のための本発明の化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
疲労(fatigue)は、一般に、休息又は睡眠により軽減されない疲れ又はエネルギーの欠如である。疲労は、鬱病、癌、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、線維筋痛症、慢性痛、外傷性脳損傷、AIDS及び変形性関節炎を含む多くの疾患及び病気の一般的な副作用である。疲労はまた、化学療法、放射線療法、骨髄移植及び抗鬱薬治療のような、幾つかの薬物療法又は療法の投与からの結果としても生じ得る。
疲労のための有効な治療の報告はあまりなされていない。
本発明は疲労、例えば、疾患又は治療を伴う疲労を治療又は予防するための改善された方法を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,705,640号明細書
【特許文献2】米国特許第5,756,817号明細書
【特許文献3】米国特許第5,955,499号明細書
【特許文献4】米国特許第6,140,532号明細書
【特許文献5】米国特許第6,680,299号明細書
【特許文献6】米国特許第6,680,324号明細書
【特許文献7】米国特許第6,680,322号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Remington’s Pharmaceutical Science;21st ed.2005
【非特許文献2】Protective Groups in Organic Chemistry、ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;及びT.W.Green&P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、Third Edition、John Wiley&Sons、1999
【非特許文献3】P.Korgsgaard−Larsen and H.Bundgaard, A Textbook of Drug Design and Development, Reading U.K.、Harwood Academic Publishers、1991
【非特許文献4】T.Higuchi and V.Stella, Prodrugs as Novel delivery Systems, Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series and in Edward B.Roche, ed.、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987
【非特許文献5】Remington、The Science and Practice of Pharmacy(21版.2005)
【非特許文献6】Remington、The Science and Practice of Pharmacy(21st ed.2005)
【非特許文献7】Pharm.Res.3:318(1986)
【発明の概要】
【0005】
本発明は、患者の疲労、例えば、疾患及び/又は治療を伴う疲労を治療及び/又は予防する方法であって、式I:
【化1】

(式中、Rxは、水素原子、1ないし8個の炭素原子の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIから選択されるハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を含むアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基並びに1ないし3個の炭素原子を含むチオアルコキシ基からなる群から選択されるメンバーを表し;
xは1ないし3の整数を表すが、但し、xが2または3を表す場合、Rは同一または異なっていてもよく;
1及びR2は互いに独立して、同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及び炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群から選択されるか、または、R1及びR2は結合して、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択されるメンバーで置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、ここで、前記環化合物は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、前記窒素原子は、互いに直接的に連結されないか又は酸素原子と直接的に連結されない。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルの治療学的又は予防学的有効量を、それを必要とする患者に送達することを含む方法を提供する。
【0006】
本発明の1態様において、疲労は、鬱病、癌、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、線維筋痛症、慢性痛、外傷性脳損傷、AIDS及び変形性関節炎を含む特定の疾患、障害又は病気に関連するがそれらに限定されない。別の態様において、疲労は、化学療法、放射線療法、骨髄移植及び抗鬱薬治療を含む疾患、障害又は病気を治療するために使用される特定の治療又は療法に関連するがそれらに限定されない。
【0007】
本発明の別の観点において、式Iで表される化合物は、更なる薬剤又は治療、例えば、疾患、障害又は病気を治療又は予防するための薬剤又は治療と同時に投与される。
本発明は、ここにおける図面及び以下に示される明細書において、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】図1Aは、点灯開始(9:00 AM)で、C57BL/6Jマウスにd−アンフェタミン(A)の反復腹腔内注射(IP injection)後の睡眠開始を示す。
【図1B】図1Bは、マウスの3種の近交系(D2=DBA/2J、B6=C57BL/6J、AK=AKR/J、n=7/系統)における試験化合物(R228060)150mg/kg又はd−アンフェタミン5mg/kgの単回腹腔内注射後の睡眠開始を示す。生理食塩水注射の効果からの差異として表されるように、d−アンフェタミン後の睡眠開始は、D2とAKマウス間で異なる(アスタリスク;P<0.05;チューキー検定後)(挿入部参照)。影響を受けていない基本条件下での睡眠開始(黒シンボル)を比較のために示した。エラーバー(error bar)は±1SEMを示す。
【図2】図2は、3種の近交系(B6黒、D2灰色及びAKは白色シンボル)のための、起きて過ごした時間の平均1時間値を示す。垂直バーは±1SEM;(n=7/遺伝子型(genotype))を示す。灰色領域は暗い期間を示す。下部パネルはd−アンフェタミンと比べた際の試験化合物(R228060)の効果の差異を示す。上部及び中間パネルの暗灰色の正方形は遺伝型間の差を示す(1−ウェイ ANOVA;P<0.05)。下部パネルのダイヤモンドは実験化合物とd−アンフェタミンペアードTテスト(Paired T−Test)の間の著しい差を示す;P<0.05;上部パネルと同じ色配置。
【図3】図3は投与後連続16時間の間の睡眠−覚醒状態における試験化合物(3、10、30mg/kgi.p.(腹腔内投与))、コカイン(1、3、10mg/kgi.p.)、アンフェタミン(1、3、10mg/kgi.p.)及びビヒクル(黒円)の効果を示す。
【図4】図4は処理群及び週(week)ごとの不眠症の罹患率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、他の形態でも具現化することができ、ここに示した態様に限定するように解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、この開示が徹底的且つ完全であるがゆえに、本発明の範囲を当業者に十分に説明するために提供されるものである。例えば、1態様について記述される特徴は他の態様に組み込むことができ、特定の態様について記述される特徴はその態様から削除され得る。さらに、本発明から外れない範囲内で、ここで提案された態様に対する多様な変形及び追加は、現在の開示の観点から当業者にとって明白である。
【0010】
別段の規定がない限り、ここで用いられた全ての技術的、科学的用語は、本発明が属する当業者に一般的により理解される意味と同じ意味である。本明細書中で使用された用語は、特定の態様を記述する目的だけのものであり、発明を限定することを意図していない。
【0011】
ここで言及された全ての文献、特許出願、特許及びその他参考文献は、その全体が参照としてここに組み込まれる。
【0012】
定義
本明細書に用いられる「a」、「an」または「the」は、一つまたは一つ以上を意味し得る。例えば、「a cell」は一つの細胞または複数の細胞を意味し得る。
【0013】
また、本発明に用いられる「及び/または」は、関連する列挙された要素の一つ以上の、あらゆる及び全ての可能な組み合わせを言及し及び含み、並びに、択一的(「または」)に解釈される場合には組み合わせの欠如を言及する。
【0014】
さらに、本発明の化合物または薬剤の量、投与量(dose)、時間、温度等のような測定可能な値を言及する場合、ここで使用される「約」という用語は、特定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または±0.1%の変化を含むことを意味する。
【0015】
本発明の組成物に適用される、用語「基本的に〜からなる」(及び文法上の変分)は、追加成分が組成物を物質的に変更しない限り、上記組成物が追加成分を含み得ることを意
味する。組成物に適用される、用語「物質的に変更」は、提示された成分からなる組成物の治療学的有効性と比べて、少なくとも約20%またはそれ以上の組成物の治療学的有効性が増減することを言及する。
【0016】
ここで使用される、用語「治療学的有効量」は、効果の調節を付与する本発明の組成物の量を言及するが、それは、本技術分野において周知であるような、例えば、患者の病気における改善(例えば、1つ以上の症状において)、病気の進行における遅延又は減少、及び/又は臨床パラメーター、疾患又は病気における変化等を含む、疾患、障害又は病気を患っている患者に対する有益な効果であり得る。例えば、治療学的有効量は、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも100%、患者における病気を改善する、組成物、化合物または薬剤の量を言及し得る。
【0017】
ここで使用される、用語「予防学的有効量」は、本技術分野において周知であるような、疾患、障害または病気の開始を予防または遅延させる(例えば、1つ以上の症状において)か、または開始後の疾患、障害または病気の重症度を減少させる(例えば、1つ以上の症状において)、本発明の組成物の量を言及する。例えば、予防学的有効量は、投与しない場合と比べて、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも100%、患者における病気の開始を遅延させる、組成物、化合物または薬剤の量を言及し得る。
【0018】
治療(「treat」、「treating」または「treatment」)は、効果の調節を付与するあらゆるタイプの作用を言及し、それは、本技術分野において周知であるような、例えば、患者の病気の改善(例えば、1つ以上の症状において)、病気の進行の遅延又は減少、及び/又は臨床パラメーター、疾患又は病気における変化等を含む、疾患、障害又は病気(例えば疲労)を患っている患者に対する有益な効果であり得る。
【0019】
予防(「prevent」、「preventing」または「prevention」)は、障害、疾患または病気(例えば、疲労)の開始の予防又は遅延を言及し、及び/または本発明の方法の欠如において進展する疲労の水準に比べて患者の疲労の水準を減少することを言及する。上記予防は、例えば、患者における疲労が皆無である場合、完全であり得る。本発明はまた、患者における疲労の発生が、本発明無しに発生するものよりも少なくなるような、部分的なものでもあり得る。
【0020】
疲労の評価方法は本技術分野において既知であり、疲労重症度スケール(Fatigue Severity Scale)、HIV関連疲労スケール(the HIV−Related Fatigue Scale)、状況疲労スケール(the Situational Fatigue Scale)、疲労評価機器(the Fatigue Assessment Instrument)及び慢性疾患治療−疲労の機能評価(the Functional Assessment of Chronic Illness Therapy−Fatigue)のような精神的スケール(psychometric scales)を含む。
【0021】
用語「疲労(fatigue)」は、本技術分野において理解されており、これは、通
常、仕事の減少量、仕事遂行能力の減少効率によって特徴付けられる病気として定義され、一般的に、疲れや倦怠感の感覚、並びに、頭の鮮明さ、精神集中及び精神統一の欠如を伴う。疲労は急性または慢性で有り得る。疲労は眠気及び眠気に関連する障害(日中の過剰な眠気(excessive daytime sleepiness)及びナルコレプシー等)と区別される。また、疲労は十分な睡眠の欠如による疲れとも区別される。
【0022】
ここで使用される「薬学的に許容される」は、生物学的にまたは他の面で有害でない物質、即ち、該物質が、実質的に有害な生物学的効果を生じることなく又はそれが含まれた上記組成物のあらゆる他の成分と有害な様式で相互作用することなく、本発明の組成物とともに個人に投与され得る物質を意味する。該物質は、当然、活性成分のあらゆる分解を最小化するために及び患者におけるあらゆる有害な副作用を最小化するために選択され、これは当業者に周知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Science;21st ed.2005参照)。本発明の組成物のための例示的な薬学的に許容される担体は、無菌の発熱物質が存在しない水及び無菌の発熱物質が存在しない生理塩水溶液などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0023】
ここで使用される用語「薬学的に許容される塩またはエステル」は、一般的に遊離酸を、好適な有機若しくは無機塩基と、又は、遊離塩基を好適な有機若しくは無機酸と反応させることにより製造される、本発明で使用される化合物の非毒性塩またはエステルを意味する。このような塩の例は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウム塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオネート、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パマオート、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、サブアセテート、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシレート、トリエチオジドおよび吉草酸塩を含むが、これに制限されるものではない。
【0024】
ここで使用される用語「それを必要とする患者」は、疲労が結果として生じるあらゆる病気又は障害を含むあらゆる上記の症候群又は障害、或いは、対象者の現在の臨床学的状態又は予後が、式Iで表される化合物の1種以上を単独で投与するか又は別の薬物治療に限定されない別の治療的介入との組み合わせが有効であるあらゆる他の障害を現在有しているか又は発症し得るあらゆる対象者又は患者を言及する。
【0025】
ここで使用される用語「疾患又は治療に関連する疲労」及び「疲労と関連する」(及び類似する用語)は、その症状または副作用の1つとして疲労を有するあらゆる疾患、障害、病気、治療または薬物治療を言及する。
【0026】
「共に(concurrently)」は、組み合わせの効果をもたらすのに十分に短い時間を意味する(即ち、共には、同時に(simultaneously)であり得るか、又は、それぞれの前後期間が非常に短い期間内に起こる二以上の出来事であり得る)。ある態様において、二種以上の化合物を“共に”投与するとは、二つの化合物が一つの存在が他の生物学的効果を変化させるのに十分に短い時間で投与されることを意味することもある。該二種の化合物は、同一または異なる剤形で、または逐次的に投与され得る。共に投与することは、投与する前に上記化合物を混合することにより、又は上記化合物を二種の異なる剤形、例えば、同時にしかし異なる解剖学的部位で、又は投与の異なる経路
を使用して投与することにより行なわれ得る。
【0027】
用語「アルキル基」は、1〜24個の炭素原子、例えば、1〜12個の炭素原子を含む直線状または分岐の炭化水素鎖を意味する。該アルキル基は1つ以上の二重結合または三重結合を含み得る。アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基等を含む。
【0028】
用語「シクロアルキル基」は、3〜24個の炭素原子、例えば、3〜12個の炭素原子を含む非−芳香族環状炭化水素部分を言及する。上記シクロアルキル基は1つ以上の二重結合を含み得る。その例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基を含む。
【0029】
「置換されたアルキル基」により意味されるものは、アルキル基の原子が、例えば、炭素、窒素、硫黄、酸素、ケイ素またはハロゲン原子で置換されているか、又は、択一的に窒素、硫黄、酸素またはハロゲン原子であるアルキル基である。上記用語は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基上の置換基を含む。
【0030】
「置換されたアルキル基」におけるアルキル基のあらゆる原子に結合し得る置換基の例は、環基、ヘテロ環基;アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、チオアルコキシ基、アシルチオアルコキシ基、ハロゲン基、スルホネート基、スルホンアミド基、エステル基、カルボン酸、酸素(例えば、カルボニル基)及び硫黄(例えば、チオカルボニル基)を含む。置換基はまた、分子に改善された水溶性を付与するあらゆる化学的官能基も含む(例えば、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキサミド、モルホリノ、ピペラジニル、イミダゾリル、チオモルホリノ、またはテトラゾリル基;置換または未置換の両方を含む)。
【0031】
用語「アルコキシ基」は、上記で定義されたように酸素に結合されたアルキル基を意味する。
【0032】
用語「チオアルコキシ基」は、上記で定義されたように硫黄に結合されたアルキル基を意味する。
【0033】
上記用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のあらゆるラジカルを言及する。
【0034】
用語「環(ring)」及び「環系(ring system)」は、原子、炭素である上記原子の正確な数を含む環を言及し、そこでは、指示される場合、窒素、酸素または硫黄のようなヘテロ原子であってもよい。環それ自体並びにその上のあらゆる置換基は、安定した化合物が形成されることを可能とするあらゆる原子に結合され得る。
【0035】
用語「アリール基」は、各環の0、1、2または3個の原子が、置換基により置換され得る、芳香族の、5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式の環系を言及する。アリール基の例は、フェニル基、ナフチル基等を含む。
【0036】
用語「ヘテロアリール基」は、単環式の場合は1〜3ヘテロ原子を、二環式の場合は1〜6ヘテロ原子を、三環式の場合は1〜9ヘテロ原子を含む、芳香族の、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の環系を言及し、前記ヘテロ原子はO、NまたはSから選択され、ここで、各環の0、1、2または3個の原子が、置換基により置換され得る。ヘテロアリール基の例は、ピリジル基、フリル基またはフラニル基、イミダ
ゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジル基、チオフェニル基またはチエニル基、キノリニル基、インドリル基、チアゾリル基等を含む。
【0037】
用語「アリールアルキル基」は、上記で定義されたように、アリール基で置換された上記で定義されたようなアルキル基を言及する。
【0038】
用語「ヘテロ環」は、単環式の場合は1〜3ヘテロ原子を、二環式の場合は1〜6ヘテロ原子を、三環式の場合は1〜9ヘテロ原子を含む、非芳香族の5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式の環系を言及し、前記ヘテロ原子はO、NまたはSから選択され、ここで、各環の0、1、2または3個の原子が、置換基により置換され得る。ヘテロ環基の例は、ピペラジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、モルホリニル基、テトラヒドロフラニル基等を含む。
【0039】
アリール基、ヘテロアリール基及びヘテロ環基のための好適な置換基は、アルキル基のための置換基と同じである。
【0040】
本発明は、患者の疲労を治療及び/又は予防する方法であって、式I:
【化2】

(式中、Rxは、水素原子、1ないし8個の炭素原子の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIから選択されるハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を含むアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基並びに1ないし3個の炭素原子を含むチオアルコキシ基からなる群から選択されるメンバーを表し;
xは1ないし3の整数を表すが、但し、xが2または3を表す場合、Rは同一または異なっていてもよく;
1及びR2は互いに独立して、同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基、アリールアルキル基、及び炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群から選択されるか、または、R1及びR2は結合して、水素原子、アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基からなる群から選択されるメンバーで置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、ここで、前記環化合物は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、前記窒素原子は、互いに直接的に連結されないか又は酸素原子と直接的に連結されない。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルの治療学的又は予防学的有効量を、それを必要とする患者に送達することを含む方法を提供する。
【0041】
1態様において、Rは水素原子であり、x=1である。別の態様において、R、R1及びR2は全て水素原子であり、x=1である。更なる態様において、該化合物は下記の構造を有する:
【化3】

【0042】
式Iで表される化合物は鏡像体(enantiomer)、例えば、RまたはS鏡像体として存在することができる。従って、1態様において、式Iで表される化合物は他の鏡像体が実質的に存在しない鏡像体であるか又は該化合物の1種の鏡像体が優位を占める(enantiomeric excess)鏡像体混合物である。1態様において、1種の鏡像体が少なくとも約60%以上で優位を占め、例えば、少なくとも約70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%で優位を占める。1態様において、鏡像体は(R)−(β−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメートまたは(O−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノール)または(R)−(β−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメートまたは(O−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノール)が優位を占める鏡像体混合物である。
【0043】
単離された鏡像体は、対応する鏡像体が実質的に存在しないものである。従って、単離された鏡像体は、分離技術を介して分離されるか又は対応する鏡像体が存在しないように製造された化合物を言及する。ここで使用される用語「実質的に存在しない」は、1種の鏡像体の比率が著しく大きく形成された化合物を意味し、例えば、1種の鏡像体の少なくとも約55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。好ましい鏡像体は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)及びキラル塩の形成と結晶化を含む当業者に既知のあらゆる方法によりラセミ混合物から単離され得るか、または、鏡像体は、ここに記載されている方法により製造され得る。
【0044】
式Iで表される1種の化合物は、以下に示される構造の(D)鏡像体からなり、ここで、Rx=R1=R2=水素原子;以下に示された構造において、アミン基は、紙の平面から下方(down)に向かう。この化合物は構造により命名される場合、(R)鏡像体であり、そのため、(R)−(β−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバメートである。この化合物は右旋性鏡像体(dextrorotary enantiomer)であり、そのため、O−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールとも命名され得る。上記二つの化学名は、本明細書中で相互交換的に使用され得る。1態様において、本化合物は薬学的に許容される塩、例えば、塩酸塩の形態である。
【化4】

【化5】

【0045】
本発明の1観点において、疲労は疾患、障害又は病気、例えば、鬱病、癌、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、線維筋痛症、慢性痛、外傷性脳損傷、AIDS及び変形性関節炎と関連する。別の態様において、疲労は化学療法、放射線療法、骨髓移植及び抗鬱薬治療を含むがこれらに制限されない疾患、障害又は病気を治療及び/または予防するために使用される特定の治療または療法と関連する。
【0046】
式Iで表される化合物は、当業者に既知の方法により合成され得る。上記化学式Iで表される化合物の塩及びエステルは、該化合物を好適なな溶媒中で好適な無機または有機酸(HX)で適切な溶媒下で処理することにより、又は、当業者に周知の他の手段により製造され得る。
【0047】
式Iで表される化合物を合成するための上記反応スキームの詳細、並びに、特定の化合物の代表的な実施例は、米国特許第5,705,640号明細書、米国特許第5,756,817号明細書、米国特許第5,955,499号明細書及び米国特許第6,140,532号明細書中に記載されているが、これら全ては、参照としてここに組み込まれる。
【0048】
式Iから、本発明の化合物の幾つかが、少なくとも一つ及びそれ以上の不斉炭素原子を有することは明らかである。本発明は、その範囲内に、本化合物の立体化学的に純粋な異性体並びにこれらのラセミ体を含むことを意図する。立体化学的に純粋な異性体の形態は、本技術分野で既知の原理の適用により得られ得る。ジアステレオマーは、分別結晶化及びクロマトグラフィー法のような物理的分離方法により分離することができ、鏡像体は、光学的活性酸または塩基とのジアステレオマー塩の選択的な結晶化により、又は、キラルクロマトグラフィーにより、互いに分離し得る。純粋立体異性体はまた、適当な立体異性体的に純粋な出発物質から、又は、立体選択的な反応を使用することにより合成的に製造され得る。
【0049】
同様に、二重結合を有する本発明の化合物は、幾何学的異性体の形態で存在し得るが、これは従来の手順により容易に分離及び回収され得る。そのような異性体は本発明の範囲に含まれる。
【0050】
本発明の化合物を製造するためのあらゆる方法の間、関与するあらゆる分子の不安定な又は反応性の基を保護することが必須であり及び/または望ましいことであり得る。これは、Protective Groups in Organic Chemistry、ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;及びT.W.Green&P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、Third Edition、John Wiley&Sons、1999に記載されているような、従来の保護基の手段により行われ得る。該保護基は本技術分野で既知の方法を使用して、都合の良い後続段階で除去され得る。
【0051】
本発明の他の態様は、疲労を治療するための薬を製造するための、上述した化合物または鏡像体または鏡像体混合物或いは薬学的に許容されるそれらの塩またはエステルの1種の使用を含む。
【0052】
本発明の化合物は、それらの全ての薬学的に許容される塩の形態を含む。そのような塩の例は、薬学的に許容される無機及び有機酸及び塩基に由来するものを含む。好適な酸性塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチネート、過硫酸塩、ヒドロキシナフトン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、トシレート及びウンデカン酸塩を含む。シュウ酸のようにそれ自体が薬学的に許容されない他の酸は、本発明の化合物及びその薬学的に許容される付加塩を得る中間体として有用なものとして、塩の製造に利用され得る。
【0053】
適当な塩基に由来する塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム及びカルシウム)、アンモニウム及びN−(アルキル)4+塩を含むが、これに制限されない。
【0054】
式Iで表される化合物は、この中の、あらゆる塩基性の窒素−含有基が4級化されたものを含む。
【0055】
更に、上記本発明の化合物は、インビボ(in vivo)で活性化合物に変換される式Iで表される化合物のプロドラッグ(prodrug)を含む。例えば、該化合物は細胞透過度を向上させるために(例えば、極性基のエステル化により)修飾(modify)され得、そして、それらは細胞酵素により変換されて、活性薬剤を提供する。プロドラッグとして、帯電(charged)又は反応性(reactive)部位のマスキング(masking)方法は、当業者に既知である(例えば、P.Korgsgaard−Larsen and H.Bundgaard, A Textbook of Drug Design and Development, Reading U.K.、Harwood Academic Publishers、1991参照)。
【0056】
用語「プロドラッグ(prodrug)」は、例えば、血液内の加水分解により、インビボで速かに変形(transform)されて、上記式で表される親化合物を産出する、例えば、T.Higuchi and V.Stella, Prodrugs as
Novel delivery Systems, Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series and in Edward B.Roche, ed.、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987を参照するが、これらの両方は、参照としてここに組み込まれる。同様に、米国特許第6,680,299号明細書も参照のこと。例示的なプロドラッグは、ここに記載したような化合物の活性を有する活性ドラッグに患者によりインビボで代謝されるプロドラッグを含むが、該プロドラッグは、アルコールまたはカルボキシル酸基が化合物内に存在する場合は該基のエステルであり;アミド基またはカルボキシル酸基が化合物内に存在する場合は該基のアミドであり;アミン基が化合物内に存在する場合はアミン基のウレタンであり;アルコール基が化合物内に存在する場合は該基のアセタールまたはケタールであり;アミン基が化合物内に存在する場合は該基のN−マンニッヒ塩基またはイミンであり;またはカルボニル基が化合物内に存在する場合は該基のシッフ塩基、オキシム、アセタール、エノールエステル、オキサゾリジンまたはチアゾリジンであり、例えば、米国特許第6,680,324号明細書及び米国特許第6,680,322号明細書に記載されている。
【0057】
ここで使用される用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」(及び類似する用語)は、本発明の化合物のそれらのプロドラッグを言及し、それらはサウンドメディカル評価(sound medical judgment)の範囲内であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わない、人間及び/または他の動物の組織との接触による使用に適切であり、ある程度の危険/利益の割合に合い、それらの意図された使用に効果的であり並びに可能な場合、本発明の化合物の双性イオン型(zwitterionic form)である。
【0058】
本発明の1態様において、本発明の化合物は疲労を治療及び/または予防することを必要とする患者に投与される。本化合物は連続的に又は断続的に投与され得る。1態様において、本化合物は、患者に一日当り複数回、例えば、1日当り2、3、4回またはそれ以上が投与される。1態様において、本化合物は、1日当たり1回程度、例えば、2、3、4、5または6日毎に1回、1週間当たり1回、例えば、2週間毎に1回程度、1ヶ月当り1回、2ヶ月毎に1回、3ヶ月毎に1回、4ヶ月毎に1回、5ヶ月毎に1回、6ヶ月毎に1回またはこれより長い期間で患者に投与される。本化合物は、疲労の開始に先立ち、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間またはそれより前に投与され得る(例えば、疲労を誘発する可能性のある出来事の前に)。本化合物は、疲労または疲労を誘発する出来事の開始後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間またはそれよりも後に投与され得る。他の態様において、本化合物はあらゆる不連続的な投与計画により投与され得る。投与は、1、2、3、または4週間、または一ヶ月、二ヶ月または三ヶ月またはそれ以上継続され得る。任意に、休息期間後に本化合物は同一又は異なるスケジュール下で投与され得る。休息期間は、患者における本化合物の薬力学的効果に従って、1、2、3または4週間、またはそれ以上であり得る。
【0059】
本発明の化合物は、あらゆる好適な経路、例えば、経口(oral)、直腸、口腔(buccal)(例えば、舌下)、膣、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内(intradermal)、または静脈)、局所(topical)(即ち、気道の表面を含む皮膚及び粘膜表面の両方)及び経皮(transdermal)投与により患者に送達され得る。本化合物は、疲労を治療及び/または予防するのに有効である投与量で患者に送達される。該有効な投与量は性別、年齢、体重及び患者の一般的な身体条件、疲労の重症度、投与された特定の化合物または組成物、治療期間、あらゆる併用療法の特性、使用された担体及び当業者の知識及び見解の範囲内での同様の因子を含む多様な因子に依存する。適当であるならば、あらゆる個別的なケースにおける治療学的有効量は、関連する文書及び文献を参照することにより及び/または日常の実験を行うことにより、当業者により決定し得る。(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy(21st ed.2005)参照)。1態様において、本化合物は約0.01mg/kg/doseから約300mg/kg/dose、例えば、約0.1mg/kg/doseから約200mg/kg/dose、約0.5mg/kg/doseから約100mg/kg/dose、または約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275または300mg/kg/doseの投与量で投与される。場合によっては、投与量はさらに低い、例えば、0.005または0.001mg/m2またはそれより低いものであり得る。場合によっては、投与量はさらに高い、例えば、500または1000mg/kg/doseまたはそれより高いものであり得る。本発明は提示された範囲及び量内の全ての少領域を含む。
【0060】
本発明のある態様において、患者は疲労を発現した患者であり、本化合物は疲労の発現
後に患者に投与される。別の態様において、患者は疲労を発現していない患者であり、本化合物は疲労の発生を予防するために患者に投与される。1態様において、患者は疲労を発現させ得る出来事にさらされている患者である。本化合物は、上記出来事が起こる前に、上記出来事と共に及び/または上記出来事が起こった後に、しかし疲労が発現する前に、送達され得る。疲労の発現を生じるような結果となる出来事は周知であり、鬱病、癌、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、線維筋痛症、慢性痛、外傷性脳損傷、AIDS及び変形性関節炎のような疾患、障害又は病気及び化学療法、放射線療法、骨髄移植及び抗鬱薬治療のような薬物治療または療法を含むが、これらに制限されない。1態様において、患者は鬱病である。別の態様において、患者は鬱病を有していない。
【0061】
本発明の1観点において、本発明の化合物は、更なる薬剤又は治療と共に患者に送達される。更なる薬剤は、本化合物と同じ組成物又は分離された組成物において送達され得る。該更なる薬剤又は治療は、本化合物に照らして、異なるスケジュールにおいてまたは異なる経路により患者に送達され得る。該更なる薬剤又は治療は、患者に対する利益、例えば、疲労に関連する疾患、障害または病気の治療及び/または予防を提供するあらゆる薬剤または治療であり得る。更なる治療は、手術、放射線療法及び骨髓移植を含むが、これらに制限されない。更なる薬剤は、化学療法剤、抗嘔吐剤、鎮痛剤(例えば、オピオイド及び/または全身性局所麻酔薬)、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗鬱剤及び免疫抑制製剤を含むが、これらに制限されない。
【0062】
化学療法剤の例は、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アムボマイシン、酢酸メタントロン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタート、ベンゾデパ、ビカルタミド、塩酸ビサントレン、ビスナフィド(bisnafide)ジメシレート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド(caracemide)、カルベチメール、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴル、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クリスナトールメシレート、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメシレート、ジアジキューオン(diaziquone)、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、エダトレキサート、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン、塩酸エピルビシン、エルブロゾール、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、塩酸ファドゾロール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクシウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルオロシタビン、フォスキドン、フォストリシンナトリウム、ゲンシタビン、塩酸ゲンシタビン、ヒドロキシ尿素、塩酸イダルビシン、イホスファミド(ifosfarnide)、イルモフォシン、インターロイキンII(組み換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia、インターフェロンγ−Ib、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ(meturedepa)、ミチンドミド、マイトカルシン、マイトクロミン、マイトシリン、マ
イトマルシン、マイトマイシン、マイトスパー、ミトーテン、塩酸ミトザントロン、マイコフェノリン酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルフォセート(sparfosate)ナトリウム、スパルソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾトシン、スロフェヌル(sulofenur)、タリソマイシン、テコガランナトリウム、テガフール、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、クエン酸トレミフェン、酢酸トレストロン、リン酸トリシリビン、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビンロイロシン(vinleurosine)、酒石酸ビンオレルビン、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン及び塩酸ゾルビシンを含むが、これらに制限されない。
【0063】
他の化学療法剤の例は、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;新脈管形成インヒビター;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成性タンパク質-1(anti−dorsalizing morphogenetic protein−1);前立腺癌抗男性ホルモン(Postatic carcinoma antiandrogen);抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子調節因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタート;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン等;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β−アレシン;ベタクラマイシンB;ベチュリン酸;bFGFインヒビター;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘ウイルスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRestM3;CARN700;軟骨(cartilage)由来インヒビター;カルゼレシン;カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス等;クロルルン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト(cicaprost);cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コムブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン等;シクロプラタム;シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメサゾン;デキシホスファミド;デキシラゾキサン;デキシベラパ
ミル;ジアジキノン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9−ジヒドロタキソール;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフォルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼインヒビター;ゲムシタビン;グルタチオンインヒビター等;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセタミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタート;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体インヒビター;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン等;インターロイキン;イオベングアン(iobenguane);ヨードドキソルビシン;4-イポメアノール(ipomeanol);イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド(leuprolide)+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖状ポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン(maitansine);マンノスタチンA;マリマスタート;マソプロコール;マスピン;マトリシンインヒビター;マトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase)インヒビター等;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIFインヒビター;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチン;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシンアナログ;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチン;モノクローナル抗体;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリア細胞壁sk;モピダモル;多剤耐性遺伝子インヒビター;多発性腫瘍抑制因子1-ベース療法;マスタード(mustard)抗癌剤;マイカペルオキシド(mycaperoxide)B;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素調節因子等;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド等;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ等;パクリタキセル誘導体等;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼインヒビター等;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子インヒビター;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロ
テアゾームインヒビター等;プロテインA-ベースの免疫調節因子;プロテインキナーゼCインヒビター;プロテインキナーゼCインヒビター 微細藻類(microalgal);タンパク質チロシンホスファターゼインヒビター等;プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター等;プルプリン(purpurins);ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド(raltitrexed);ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター等;rasインヒビター等;ras-GAPインヒビター;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウムRe186;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド(rogletimide);ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド(romurtide);ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA; サルグラモスチム;Sdi1ミメティック;セムスチン;セネセンス(senescence)由来インヒビター1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達(transduction)インヒビター;シグナル伝達調節因子;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞インヒビター;幹細胞分割インヒビター等;スチピアミド;ストロメリシンインヒビター等;スルフィノシン;過剰活性(superactive)血管作用性腸ペプチド(vasoactive intestinal peptide)アンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン等;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼインヒビター等;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチンミメティック;チマルファシン;サイモポイエチン受容体アゴニスト;サイモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;錫エチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンチン;トレミフェン;全能性(totipotent)幹細胞因子(factor);翻訳(translation)インヒビター等;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼインヒビター等;チルホスチン(tyrphostin)等;UBCインヒビター等;ウベニメックス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト等;バプレオチド(vapreotide);バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ及びジノスタチンスチマラマーを含むが、これらに制限されない。
【0064】
抗嘔吐剤(antiemetic agent)の例は、メトクロプラミド(metoclopromide)、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オダンステロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール、メトピマジン、ナビロン、オキシペムジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
【0065】
鎮痛剤(analgesic agent)の例は、オピオイドアリルプロジン、αプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン
、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼンフェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン及びトラマドールを含むが、これらに制限されない。
【0066】
抗炎症剤(anti−inflammatory agent)の例は、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン(muroprofen)、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク(clidanac)、オキシピナク(oxpinac)、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ及びコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン)を含むが、これらに制限されない。
【0067】
抗ウイルス剤(antiviral agents)の例は、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシド(pentafuside)1,−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3カルボキサミド、9−(2−ヒドロキシ−エトキシ)メチルグアニン、アダマンタンアミン、5−ヨード−2’−デオキシウリジン、トリフルオロチミジン、インターフェロン、アデニンアラビノシド、プロテアーゼインヒビター、チミジンキナーゼインヒビター、糖または糖タンパク質合成インヒビター、構造タンパク質合成インヒビター、付着及び吸着インヒビター、及びアシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル及びガンシクロビルのようなヌクレオシドアナログを含むが、これらに制限されない。
【0068】
抗鬱剤(anti−depressant agent)の例は、ネファゾドン、セルトラリン、トラゾドン、ノルトリプチン、アミトリプチン、イミプラミン、パロキセチン、フルボキサミン、ミルナシプラン、ミルタザピン、ミアンセリン、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、ビロキサジン、アミトリプチリン、クロミプラミン及びフルオキセチンを含むが、これらに制限されない。
【0069】
免疫抑制剤の例は、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン及びミコフェノレートを含むが、これらに制限されない。
【0070】
本発明は、研究だけでなく、動物用及び医学的適用における用途を見出した。好適な患者は、通常哺乳類の患者である。ここで使用される用語「哺乳類」は、人間、人間でない霊長類、牛、羊、山羊、豚、馬、猫、犬、兎、齧歯類(例えば、ラットまたはマウス)等を含むが、これらに制限されない。人間の患者は、新生児、乳児、青少年、大人及び老人
患者を含む。
【0071】
特定の態様において、患者は、疲労を有する及び/または疲労を経験することが見込まれる人間の患者である。他の態様において、本発明の方法に用いられる患者は、疲労の動物モデルである。
【0072】
上述した本発明の化合物は、既知の技術に従って、投与のために薬学的担体中に配合され得る。例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy(21版.2005)参照。本発明に従う医薬配合物の製造において、本化合物は、典型的には、とりわけ許容される担体と混合される。該担体は、当然、配合物中のあらゆる他の成分と相溶性であるという意味で許容されなければならず、また、患者に有害であってはならない。該担体は、固体若しくは液体又は両方であり得、単位投与(unit−dose)配合物、例えば、本化合物の0.01質量%または0.5質量%から95質量%または99質量%を含み得る錠剤として本化合物と共に配合され得る。1種以上の化合物が本発明の配合物中に組み込まれ得るが、これは、任意に1種以上の補助成分を含む、成分を混合する段階を含む薬学のあらゆる周知技術により製造され得る。
【0073】
本発明の配合物は経口(oral)、直腸、口腔(buccal)(例えば、舌下)、膣、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内(intradermal)、または静脈)、局所(topical)(即ち、気道の表面を含む皮膚及び粘膜表面の両方)及び経皮(transdermal)投与に好適なものを含むが、与えられたケースにおける最も好適な経路は、治療する症状の特性及び重症度並びに使用される特定の活性化合物の特性に依存する。
【0074】
経口投与に好適な配合物は、それぞれ本活性化合物の所定量含む、カプセル、カシェー(cachets)、ドロップ剤(lozenges)または錠剤のような;粉末または顆粒のような;水性または非水性液体における溶液またはサスペンションのような;或いは水中油または油中水のエマルジョンのような個別の単位中に存在し得る。そのような配合物は、本化合物と好適な担体(上述したように、1種以上の補助成分を含み得る)とを結び付けるに至る段階を含むあらゆる好適な薬学的方法により製造され得る。一般的に、本発明の配合物は、本化合物を液体または微細に分割された固体担体或いはその両方と均一に且つ密接に混合した後、必要ならば、結果として生じた混合物を成形することにより製造される。例えば、錠剤は、本化合物を含む粉末または顆粒を任意の1種以上の補助成分とともに圧縮又は成形することにより製造され得る。圧縮錠は、好適な装置内で粉末または顆粒のような自由流動性形態の本化合物を、任意の結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤及び/または表面活性/分散剤と混合し、圧縮することにより製造し得る。成形錠は、好適な装置内で、不活性液状結合剤で湿らされた粉末化された本化合物を成形することにより製造され得る。
【0075】
口腔(buccal)(例えば、舌下)投与のために好適な配合物は、風味付けされた基材、通常、スクロース及びアカシアまたはトラガカント中に本化合物を含むドロップ剤;及びゼラチン及びグリセリンまたはスクロース及びアカシアのような不活性基剤中に本化合物を含むトローチ剤(pastille)を含む。
【0076】
非経口投与のために好適な本発明の配合物は、本化合物の殺菌水性及び非水性の注射溶液を含み、その調製物は、意図される受益者の血液と等張性であることが好ましい。このような調製物は、抗酸化剤、緩衝材、静菌薬及び配合物を意図される受益者の血液と等張性にする溶質を含み得る。水性及び非水性の殺菌サスペンションは、懸濁化剤及び増粘剤を含み得る。配合物は、単位投与(unit−dose)(例えば、シリンジまたは他の
注射装置内)またはマルチ投与(multi−dose)容器、例えば、密封されたアンプル及びバイアルで存在し得、また、使用する直前に殺菌液体担体、例えば、生理食塩水または注射用水(water−for−injection)の添加のみを必要とする凍結乾燥(lyophilized)条件で貯蔵され得る。即時(extemporaneous)注射溶液及びサスペンションは、殺菌粉末、顆粒及び上述した種類の錠剤から製造され得る。例えば、本発明の1観点において、密封された容器中の単位投与形態で、1種以上の化合物を含む注射可能な安定した殺菌組成物が提供される。本化合物は、患者へその化合物を注射するのに好適な液体組成物を形成するために、好適な薬学的に許容される担体で再構成することが可能な凍結乾燥の形態で提供される。該単位投与形態は、典型的には本化合物の約1μgから約10gを含む。本化合物が実質的に不溶性である場合(例えば、脂質に接合されている場合)、生理学的に許容されるエマルジョン化剤の十分な量が、水性担体中の本化合物をエマルジョン化するのに十分な量で提供され得る。そのような有用なエマルジョン化剤の一つは、ホスファチジルコリンである。
【0077】
直腸投与に好適な配合物は、好ましくは単位投与座薬として存在する。これらは、本化合物を1種以上の従来の固体担体、例えば、ココアバターと混合し、その後結果として生じた混合物を成形することにより製造され得る。
【0078】
皮膚への局所適用に好適な配合物は、好ましくは、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルの形態である。使用され得る担体は、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮改善剤(transdermal enhancer)等及びこれらの2種以上の組み合わせを含む。
【0079】
経皮(transdermal)投与のために好適な配合物は、長期間の受益者の表皮との密接な接触を維持するために適合される個別のパッチとして存在し得る。経皮投与に好適な配合物はまた、イオントフォレシス(iontophoresis)(例えば、Pharm.Res.3:318(1986)参照)によっても送達され得、典型的には、本化合物の任意の緩衝された水溶液の形態を取る。好適な配合物は、クエン酸塩またはビス/トリス緩衝剤(pH6)またはエタノール/水を含み、また、0.1から0.2Mの活性成分を含む。
【0080】
他の薬学的組成物は、例えば、水ベースのエマルジョンのようであって、ここで開示された本化合物から製造され得る。そのような場合、該組成物は、本化合物の所望量をエマルジョン化するのに十分な量の薬学的に許容されるエマルジョン化剤を含む。特に有用なエマルジョン化剤は、ホスファチジルコリン及びレシチンを含む。
【0081】
化合物に加えて、薬学組成物はpH調節剤のような他の添加剤を含み得る。特に、有用なpH調節剤は塩酸のような酸、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたはグルコン酸ナトリウムのような塩基又は緩衝剤を含む。更に、該組成物は微生物防腐剤(microbial preservative)を含み得る。有用な微生物防腐剤はメチルパラベン、プロピルパラベン及びベンジルアルコールを含む。該微生物防腐剤は、典型的には、上記剤形がマルチ投与(multidose)のために設計されたバイアルに配置される場合に用いられる。本技術分野において周知である他の添加剤は、例えば、粘着減少剤(detackifiers)、消泡剤(anti−foaming agents)、抗酸化剤(例えば、アスコルビルパルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びトコフェロール、例えば、α−トコフェロール(ビタミンE))、保存剤、キレート剤(例えば、EDTA)、ビスコモジュレーター(viscomodulator)、トニシファイアー(tonicifier)(例えば、スクロース、ラクトースまたはマンニトールのような糖)、香料、着色料、着臭剤(odorant)、乳白剤(op
acifier)、懸濁化剤、バインダー、充填剤(filler)、可塑剤、潤滑剤及びそれらの混合物を含む。そのような添加剤の量は、所望する特定の特性に従って、当業者により容易に決定され得る。
【0082】
該添加剤はまた、増粘剤も含み得る。好適な増粘剤は、本技術分野で既知で使用され得る、例えば、薬学的に許容される高分子材料及び無機増粘剤を含む。本発明の薬学組成物中に使用するための例示的な増粘剤は、ポリアクリレート及びポリアクリレート共重合体樹脂、例えば、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸/メタクリル酸樹脂;セルロース及びセルロース誘導体であって、:アルキルセルロース、例えば、メチル−、エチル−及びプロピル−セルロース;ヒドロキシアルキル−セルロース、例えば、ヒドロキシプロピル−セルロース及びヒドロキシプロピル−メチル−セルロースのようなヒドロキシプロピルアルキル−セルロース;アシル化セルロース、例えば、セルロース−アセテート、セルロース−アセテートフタレート、セルロース−アセテートスクシネート及びヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレート;及びナトリウム−カルボキシメチル−セルロースのようなそれらの塩;例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン及びビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体のようなビニルピロリドン共重合体を含むポリビニルピロリドン;例えば、ポリビニルアセテート及びアルコール、並びにトラガカントガム、アラビクムガム、アルギネート、例えば、アルギン酸及びこれらの塩、例えば、アルギン酸ナトリウムを含む他のポリマー材料を含むポリビニル樹脂;及びアタパルガイト(atapulgite)、ベントナイト及び親水性二酸化ケイ素製品、例えば、アルキル化(例えば、メチル化)、シリカゲル、特に、コロイダル二酸化ケイ素製品を含むシリケートのような無機増粘剤を含む。上述したような増粘剤は、例えば、持続(sustained)放出効果を提供するために含み得る。しかし、経口投与が意図される場合、上記したような増粘剤の使用は、一般的に要求されず、また、一般的に余り好ましくない。一方、増粘剤の使用は、例えば、局所適用が予見される場合に指示される。
【実施例】
【0083】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に記述されるが、これらは、その多様な変形物及び変更物が当業者には自明であるため、説明のためだけを目的とする。
【0084】
実施例1
多様な睡眠パラメーターにおける50〜150mg/kgPOの投与量(dose)の(R)−(β−アミノ−ベンゼンプロピル)カルバミン酸(また、R228060としても既知であり、以後、試験化合物(test compound)という)の効果を8ヒポクレチン細胞が除去されたナルコレプシーマウス(プレポロレキシン(prepororexin)/アタキシン(ataxin)−3トランスジェニック)及びこれらの同腹子野生型マウスで評価し、この効果を対照(reference)覚醒促進化合物であるモダフィニルと比較した。該試験化合物は、野生型及びナルコレプシーマウスの両方で著しく増加した覚醒(bouts of wakefulness)を示し、ナルコレプシーマウスの正常化した睡眠パターンを可能にした。
【0085】
方法
ポリグラフ信号(EEG及びEMG)をスリープサイン(SleepSign)(キッセイコムテック(Kissei Comtech)社製)で記録し、覚醒、ノンレム(Non−REM)睡眠及びレム(REM)睡眠に対し、睡眠段階を視覚的に10秒エポック(epoch)で点数を付けた。点数の基準は下記の通りである:覚醒は非同期化(desynchronized)された低振幅、混合された周波数(>4Hz)のEEG及び高いEMG活性で特徴付けられる。周期的(rhythmic)α(8−9Hz)波(高いEMG活性とともに)もまた現れ得る。ノンレムは、同期化(synchronized)された高振幅、低周波数(0.25−4Hz)及び減少されたEMG活性(覚醒と比
べた時)で特徴付けられる。REM睡眠におけるEEG活性は、覚醒の場合と類似し、非同期化(desynchronized)混合された周波数、低振幅の波動を有する。減少されたEMG活性を有する周期的(rhythmic)α(8−9Hz)波もまた現れ得る。レム睡眠の間、EEG活性はさらに減少され、多くの場合、完全に消失した。REM睡眠の間、EMG追跡において、筋肉単収縮(twitching)が出現し得る。
【0086】
上記試験化合物の3つの薬の投与量(dose)(50、100及び150mg/kgPO)にビヒクルを加えたものは、経口でZT2(点灯後2時間)またはZT14(消灯後2時間)で投与され、睡眠における効果を、薬剤投与後6時間をモニターした(睡眠データは薬を注入してから30時間収集し、これらは更なる分析のために利用可能である)。モダフィニルの投与量は50及び200mg/kgPO(ビヒクル付加)で、モダフィニルもまたZT2及びZT14に投与された。
【0087】
いくつかのマウスのポリグラフ(polygraph)信号が正確に睡眠段階を採点するのに十分ではない場合(特に悪いEMG)、このような動物のデータを除外し、少なくとも5匹(暗い期間の野生型マウスにおける試験化合物の最高投与量を除外、n=4)がデータの分析のために含まれ、動物の数は図面に示した。
【0088】
覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠(累積秒)の量、6時間の間の各睡眠段階のエピソード(episodes)の数及び平均覚醒/睡眠−長さ(bout length)(秒)における試験化合物及びモダフィニルの効果をそれぞれの動物で分析し、それぞれのパラメーターの平均を各遺伝子型において計算した。覚醒及び睡眠量における化合物の効果は、覚醒促進能力を評価するのに有用であり、各睡眠段階のエピソードの数及び平均覚醒/睡眠長さは睡眠分裂(fragmentation)を評価するためのパラメーターである。種々の病因(ナルコレプシー、特発性過眠症(idiopathic hypersomnia)及び2次EDS)と関連したEDSの治療のために現在使用している2種の主な覚醒−促進化合物である、アンフェタミン及びモダフィニルは、覚醒時間を増加させ、正常及びEDS状態で覚醒長さを延長させることが知られている。
【0089】
このようなデータ分析とともに、ナルコレプシーにおける試験化合物の覚醒−促進及び治療学的効果を評価し、該効果をモダフィニルによる場合と比べた。ヒポクレチン(hypocetin)欠乏及び野生型マウス間の効果の比較は、試験化合物の覚醒促進がヒポクレチンの供給力(availability)に依存するかどうか、及び、ヒポクレチンリガンド欠乏に起因するナルコレプシーマウスにおける試験化合物の受容メカニズムの感受性において変化の可能性が存在するかどうかを決定するのに非常に有用である。
【0090】
結果
休息期間中の睡眠における効果:野生型及びヒポクレチン欠乏ナルコレプシーマウスの両方における試験化合物の非常に強い覚醒−促進効果が観察された。該効果は、用量依存的であり、試験化合物の50、100及び150mg/kgPOの投与は、大部分の野生型及びナルコレプシーマウスにおいて、それぞれ3、4及び5時間まで連続的な覚醒を誘発した。このような期間の間、ノンレム及びレム睡眠は完全に抑制された。試験化合物投与後に異常なEEGパターンはなく、長時間の覚醒後に発生した睡眠は、ポリグラフ評価により正常であった。
【0091】
対照的に、モダフィニルの覚醒促進効果は低く、モダフィニル200mg/kgの覚醒促進効果は、おおよそ試験化合物の50mg/kgに相当するものであった。しかし、モダフィニルは、試験化合物50mg/kgの投与後のレム睡眠を強力に減少させることはなかった。さらに、試験化合物はREM睡眠を強力に減少したが、これはモダフィニルの効果と対照的である。
【0092】
活動期間(active period)中の睡眠における効果:活動期間に化合物を投与することにより同じ実験を繰り返した。活動期間の間、ナルコレプシーマウスは野生型マウスより睡眠により多くの時間を費やした。野生型動物は、典型的に、ビヒクル投与後のほぼ3時間の間、覚醒状態を保持した。点灯(light)期間の間に観察された効果と同様に、試験化合物は野生型及びナルコレプシーマウスの両方で用量依存的に覚醒を増加させた。しかしながら、基線における高い覚醒量に起因した野生型マウスにおける覚醒−促進効果は、暗期間中では僅かな効果しか観察されなかった。対照的に、ナルコレプシーマウスにおいて、より明確な覚醒−促進効果が観察され、これらのマウスにおける試験化合物100及び150mg/kg投与後の覚醒量は、野生型の水準まで至ったが、これはこの試験化合物がナルコレプシーマウスの睡眠/覚醒量を正常化することを示唆する。同様に、ノンレム及びレム睡眠は、試験化合物によりナルコレプシーマウスにおいて減少し、ノンレム及びレム睡眠の量も野生型のマウスの水準まで至った。このようなマウスにおいて、類似するが、はるかに弱い効果がまたこれらのマウスにおけるモダフィニル投与後にも見られた。モダフィニルは、ナルコレプシーマウスにおいて、用量依存的に覚醒を増加させたにもかかわらず、高用量のモダフィニル(200mg/kg)は、野生型の基線水準の覚醒量の水準までの覚醒量には至らなかった。
【0093】
実施例2
不眠(vigilance)状態における試験化合物及びd−アンフェタミンの効果を、C57BL/6J、AKR/J及びDBA/2Jを含む3種のマウスの系統で実験した。試験化合物は、覚醒において、遺伝子型(genotype)非依存的な増加及びd−アンフェタミンに比して長い覚醒を示した。
【0094】
方法
近交系(inbred)C57BL/6J、AKR/J及びDBA/2Jの少なくとも7匹の成熟雄マウスを、72連続時間の2セッション(session)において記録した。各セッションにおける最初の24時間は、基線として考慮され、続いて翌日に塩水が注入され、その翌日150mg/kgの試験化合物が第1セッションで注入され、5mg/kgのd−アンフェタミンが第2セッションで注入された。該2つのセッションを7日間分離し(ウォッシュアウト(wash out)期間)、全ての注入は腹腔内(IP)で行い、点灯(午前9時)5mL/kgの量(volume)で行った。
【0095】
結果
睡眠開始におけるd−アンフェタミンの用量−応答効果:C57BL/6Jマウスに毎日1、2、4、5及び8mg/kgのd−アンフェタミンを注入し、睡眠潜伏期(latencies)を計算した(図1A)。D−アンフェタミンは、1及び5mg/kgの間で用量依存的に覚醒を誘発したが、5mg/kgと比べて、8mg/kgの量で覚醒の更なる増加はなかった。このようなデータに基づき、5mg/kgを比較例のための量に選択した。図1Bは、試験化合物の150mg/kgと比べたときの、5mg/kgのd−アンフェタミン後の睡眠潜伏期(latencies)を示す。150mg/kgの用量での試験化合物は、4.5連続時間まで覚醒を誘発し、塩水注入後の睡眠潜伏期を参照した際の覚醒時間(wake time)は、遺伝子型効果を示さなかった(図1B、挿入)。しかし、上記用量−応答実験(図1A)とは対照的に、5mg/kgのd−アンフェタミンは、試験化合物の150mg/kgと同じ量の覚醒を誘発しなかった。興味深いことに、d−アンフェタミンはAKマウス(長い睡眠者)においてD2マウス(短い睡眠者)ほどの覚醒を誘発しなかったが、これはd−アンフェタミンの遺伝子型−依存効果を示唆するものである(図1B、挿入)。
【0096】
不眠(vigilance)状態における効果:72時間の記録に亘る、覚醒の毎時間
量を図2に示した。系統(strain)間で幾つかの明らかな差異が発見されたが、試験化合物(上部パネル)及びd−アンフェタミン(中間パネル)は、試験化合物がアンフェタミン(下部パネル)より著しく長い覚醒持続期間を誘発したことを除き、非常に類似する効果を有していた。
【0097】
実施例3
試験化合物の急速投与後におけるラットの睡眠−覚醒機構(organization)を試験した。30mg/kgの試験化合物の処理は、投与後3〜4時間の間、時間の経過とともに浅い睡眠、深い睡眠及びレム睡眠において活動覚醒(active wahefulness)を著しく増加させた。従って、試験化合物は、i.p.(腹腔内)投与後約2時間の間の効果で機能性ピーク(functional peak)を伴うラットの睡眠−覚醒構成(architecture)における変化で示されるように、注入後直ぐに中枢活性を示す。
【0098】
方法
Harlan(Borchen、Germany)により提供された手術当時240〜260gの成熟雄Sprague Dawleyラットにおいて実験を行った。動物は、防音室中のIVC−棚(rack)(ケージが個別に通風される)に適するフルビュー(full−view)プレキシグラスケージ(25×33×15cm)中で飼育した。識別目的のために、ラットにマイクロチップをつけ、研究する間、調節された環境下で保持した:自由に入手可能な標準実験用飼料及び水道水を伴う、22±2℃周辺温度、相対湿度60%、12:12明暗サイクル(12:00時から00:00時まで点灯;光強度〜100ルクス)。
【0099】
イソフルラン吸入麻酔下で、ラットを定位固定装置に載せた。頭皮の楕円領域を除去し、剥がれた頭蓋骨の骨膜を除去した。前頭骨のポリグラフ記録及び頭頂部の脳波図(EEG)のために、硬膜(dura)に穴を開けることなく頭蓋骨中に3つの小さな空洞をドリルで開け、3個の固定ステンレス鋼のネジ(直径1mm)を入れた。二つの電極を定位に矢状縫合の各側面上に配置し(BregmaからのAP+2mm、L−2mm;及びAP−6mm、L3mm)、3番目(対照)の電極を小脳上にネジで固定した。門歯バー(incisor bar)は耳バーの中央の5mm下に位置した。眼電図(EOG)及び筋電図(EMG)の記録のために、それぞれ、ステンレス鋼のワイヤを眼窩周囲に配置し及び項部(nuckal)筋肉内に挿入した。電極(ステンレス鋼ワイヤー、7N51465T5TLT、51/46 ドイツ国のTeflon Bilaney社製)を、8穴コネクターに適合する小型挿入部(トラックピン(track pins):Dataflex:TRP−1558−000)に結合されたピン(Future Electronics:0672−2−15−15−30−27−10−0)に連結した。最後に、電極は歯科用セメントで頭蓋骨に固定した。動物を個々に飼育し、少なくとも1週間で回復することができた。手術10日後、動物を2週間それらのケージ内で記録過程に慣らせた。上記ラットを規則的な間隔でケーブルにより回転スイベル(rotating swivel)に連結し、EEG、EOG及びEMG活性がモニターされる間、自由に動くようにした。
【0100】
試験の時点で要求される基準を満たすラットのみを、即ち、300〜700gの重さ、良好なポリグラフ信号品質、被験物を再利用する場合、少なくとも14日のウォッシュアウト(wash out)期間、及び2つの連続的な試験セッションで失敗がないものを使用した。各化合物のために、2つのEEG記録セッションが、4つの処理条件にランダムに割り当てられた(条件あたりn=8ラット)32匹の手術を受けた動物において行われた。最初の記録セッションは14:00時に開始し、塩水投与後16時間の間持続された(n=32ラット)。2番目のセッションは塩水及び異なる用量の試験化合物(1、3
及び10mg/kg)、コカイン(3、10及び30mg/kg i.p.)、またはアンフェタミン(3、10、30mg/kg i.p.)の投与が続いて同じ期間行われた。全ての化合物は塩水に溶解され、10mL/kg体重の量で投与された。同じ量の塩水が対照条件で投与された。
【0101】
結果
試験化合物の投与は、睡眠−覚醒状態の分布に著しい変化をもたらした(図3、左側パネル参照)。試験化合物の最も低い用量(3mg/kgi.p.)の投与後に16時間の記録期間を通じて睡眠−覚醒構造の若干の変形が観察された。浅い睡眠の合計(+26%、p<0.05)における増加及び浅い睡眠から覚醒状態への衝動の高まり並びに深い睡眠(+46%、p<0.001;+15%、p<0.05;それぞれ)が観察され、この試験化合物の投与に伴う睡眠分裂の様相を示している(p<0.05)(表1参照)。
【0102】
【表1】

【0103】
数値は、8匹のラットの平均±s.e.mである。*p<0.05:Wilcoxon−Mann−Whitney順位和検定は、薬剤とビヒクル間の統計的な有意性を示す。
【0104】
10mg/kg i.p.の用量で、試験化合物は浅い睡眠の総持続期間(+24%、p<0.05)の著しい増加及びレム睡眠から活動覚醒への移動の著しい増加(+16%、p<0.05)に関連する睡眠覚醒機構(organization)に変化をもたらした(表2及び3参照)。記録期間の最初の90分間、活動覚醒に費やされる時間の増加を支持する深い睡眠の持続の著しい減少が観察された(図3参照、左側パネル)(p<0.05)。
【0105】
【表2】

【0106】
数値は、8匹のラットの平均±s.e.mである。*p<0.05:Wilcoxon−Mann−Whitney順位和検定は、ビヒクル−薬剤比較の統計的な有意性を示す。
【0107】
【表3】

【0108】
数値は、8匹のラットの平均±s.e.mである。*p<0.05:Wilcoxon−Mann−Whitney順位和検定は、ビヒクル−薬剤比較の統計的な有意性を示す。
【0109】
最も高い投与量(30mg/kgi.p.)において、試験化合物は、睡眠−覚醒サイクルの分布に明確な変化をもたらした(図3参照)。変化は、注入後の記録(registration)期間の16時間にわたって活動覚醒に費やされた総時間(+19%、p<0.05)の著しい増加、受動(passive)覚醒(−29%、p<0.05)、浅い睡眠(−20%、p<0.05)だけでなく、レム睡眠(−25%、p<0.05)に費やされた総時間の減少を含む(表2)。さらに、総睡眠時間と比べると、試験化合物は深い睡眠に費やされる時間の増加を誘発し、レム睡眠での時間を減少させた(p<0.05)(表3参照)。
【0110】
試験化合物投与後の最初の3時間の間に、活動覚醒の著しい向上が観察された(p<0.01)。これに付随して、睡眠、例えば、浅い睡眠(p<0.01)、深い睡眠(p<0.01)及びレム睡眠(p<0.01)に費やされる時間の大きな減少、続いてリバウンド効果、特に、試験化合物投与後の3時間後における深い睡眠の増加が観察された。後者の効果は記録の点灯期間の約7時間持続された(図1参照)。試験化合物の活性の開始は殆どが即時的、即ち、投与後の最初の30分あたりであったことに注目すべきである。
【0111】
活性覚醒に費やされた合計時間における大きな増加及び受動覚醒、浅い睡眠及びレム睡眠の減少は、それぞれ睡眠−覚醒段階のエポック(epoch)数の増加(+19%、p
<0.05)及び減少(−30%、p<0.05;−23%, p<0.05;−24%、p<0.01)に起因する。しかし、このような睡眠覚醒段階の平均の持続時間は変化しなかった。
【0112】
示されたように(表3参照)、30mg/kgでの試験化合物は浅い睡眠及びレム睡眠から覚醒に向かった移動(shift)の数の増加をもたらし(p<0.05)、よって、これは睡眠分裂の兆候を示唆する。睡眠潜伏期の試験は、試験化合物投与後に著しい変化を示した(表1参照)。10及び30mg/kgでの試験化合物はレム睡眠開始の潜伏期(latecies)の著しい延長をもたらした。
【0113】
本発見は、腹腔内注射後殆ど直ちに試験化合物が、投与後約2時間あたりに効果のピーク(peak)を有する少なくとも4時間の間中枢作用があることを示す。3mg/kgという最も低い用量の試験で、睡眠−覚醒構造において極僅かな効果が観察されるだけである。睡眠パラメーターの変化は中間(10mg/kg)と、及びより特には、30mg/kgのより高い用量の試験で観察された。記録された時間の最初3時間の間で最も明白である睡眠−覚醒分布の変更は、活動覚醒に費やされた時間の大きな増加により特徴付けられ、一方、受動覚醒、浅い睡眠、深い睡眠及びレム睡眠に費やされた時間は減少した。興味深いことに、試験化合物は7時間までのこのような段階に費やされた時間における著しい増加と関連する深い睡眠回復のリバウンド効果をもたらした。
【0114】
この比較研究で観察された効果は、30mg/kgでの試験化合物が、投与の開始において精神刺激剤(psychostimulant)−様特性を有し、
一方、深い睡眠の向上により示されるように、結果として伴われる睡眠傾向における増加は、睡眠恒常性における潜在的間接効果を明確に指している。30mg/kgでの効果の全ての試験化合物のプロファイルは、1mg/kgの最も低い用量の試験でのアンフェタミンの投与後に観察されたプロファイルと効果パターン、大きさ及び持続期間の側面で非常に類似した。
【0115】
実施例4
本研究の第一の目的は、6週の治療期間の間、精神病的な特性のない普通の、または重度の鬱病を患っている大人の人間患者において、プラシーボと比較して、試験化合物の2つの標的用量(200及び400mg/日)の効果を決定することである。活性比較物(comparator)(パロキセチン)を含ませて否定的(negative)研究と失敗した研究を区別する際に役立つようにした。さらに、終了時面接は、臨床開発プログラムを改善するために試験化合物の予測できない利点における情報収集を意図した。試験化合物の1つまたは両者の用量は、気分及び健康の二次効果の変数の広範囲(array)においてプラシーボより著しく向上した効果を統計的に実証し、試験化合物の抗鬱活性を示唆した。さらに、肉体的エネルギー/健康の評価、悲しみまたは鬱病の減少及び精神的エネルギーまたは意欲において、試験化合物は肯定的な効果を有する。
【0116】
方法
無作為化された、二重盲検(double−blind)、併行(parallel)群、活性及びプラセボを対照とした他施設研究をアメリカ(23センター)及びカナダ(4センター)で行った。2相(phase):前処理相(スクリーニング/ウォッシュアウト(washout)及び基線滞留(baseline visit))及び6週、二重盲検処理相が存在した。陽性対照であるパロキセチンが、分析を検出感度よく評価するために含まれた。禁止された物質のウォッシュアウト後(必要な場合)、標的用量である200mg/日または400mg/日に秤量された試験化合物、プラセボ適合または固定された投与量(10mg/日)のパロキセチンを受けるために、患者が無作為に割り当てられた(1:1:1:1)。研究薬剤は、6週間の間1日2回ずつ与えられた。効果及び
安全性を二重盲検相の間毎週評価した。研究が完了した患者を終了時調査(“Your Health and Well−Being”)して、臨床試験 薬物治療の利点の評価(Assessment of Benefits of Clinical−trial Drug−tratment)(ABCD)を完了した(米国現場のみ)。
【0117】
結果
不眠症は、10%のプラシーボ群及び17%のパロキセチン群と比較すると、試験化合物群(200mg:24%;400mg:35%)で最も一般的な治療により発生した否定的な事象だが、あまり中断(discontinuation)も目にあまるほどの量の救助(rescue)薬物の使用は結果として生じなかった。図4は処理群と週(week)による不眠症の優勢を示す。試験化合物群並びにパロキセチン群における不眠症は、最初の一週間が最も優勢であった。不眠症の持続期間は、一般的に処理群の全体にわたって類似した。
【0118】
本研究における治療の利点についての米国での終了時インタビュー及び自己評価(selef−rated)及び盲検(blinded)ABCD質問からの結果は、患者の視点からTC−MDD−201結果を解釈するためのコンテキストとなった。上記終了時インタビューデータは、肯定的な経験が、4処理群全部の中で、気分及び健康の改善を最も頻繁に含むことを示す。これは実験中に最も改善された健康面が「悲しみ及び鬱病の減少」である、というABCD質問からのデータにより裏付けられた。気分は、一般的にいえば、最初に改善される症状(symptom)であり、大部分は研究薬物治療を受けた最初の3週内に改善が認識される。
【0119】
一般的に、ABCD質問の51項目において、4つの処理群の間であまり差が無かった。明白なことは、一般的に、活性医薬それ自体との間よりはプラセボと活性医薬の間で(即ち、「肉体的エネルギー/健康」、「悲しみ又は鬱病の減少」及び「精神的エネルギーまたは意欲」)最も健全であったことである。事後解析において、プラセボに対する統計学的に有意な優位性は、前記質問の14、8及び14項目のそれぞれにおいて、試験化合物200mg、試験化合物400mg及びパロキセチンで観察された。しかし、ABCD質問の51項目のいずれにおいても試験化合物400mgと試験化合物200mgの間またはパロキセチンと試験化合物の間(両者の投与量に対する点数を合算)に統計学的に有意な差はなかった。
【0120】
以上は本発明を説明するためのものであって、本発明がこれに制限されるものではない。本発明は添付の請求項及びこれに含まれる請求項の等価物により特定される。全ての刊行物、特許出願、特許、特許公開及びここに提示されたあらゆる他の参考文献も該当参照文献に記載された文章及び/またはパラグラフに相当する教示のためにその全体を参照として組み込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における疲労を治療又は予防するための方法であって、
式I:
【化1】

(式中、Rxは、水素原子、1ないし8個の炭素原子の低級アルキル基、F、Cl、Br及びIから選択されるハロゲン原子、1ないし3個の炭素原子を含むアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基並びに1ないし3個の炭素原子を含むチオアルコキシ基からなる群から選択されるメンバーを表し;
xは1ないし3の整数を表すが、但し、xが2または3を表す場合、Rは同一または異なっていてもよく;
1及びR2は互いに独立して、同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1ないし8の低級アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、及び炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群から選択されるか、または、R1及びR2は結合して、水素原子、アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基からなる群から選択されるメンバーで置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、ここで、前記環化合物は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、前記窒素原子は、互いに直接的に連結されないか又は酸素原子と直接的に連結されない。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル若しくはプロドラッグの治療学的又は予防学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項2】
Rが水素原子であり、x=1である請求項1記載の方法。
【請求項3】
R、R1及びR2は全て水素原子であり、x=1である請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
式Iで表される化合物が、
【化2】

で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル若しくはプロドラッグである請求項1ないし3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
式Iで表される化合物が、他の鏡像体が実質的に存在しない鏡像体であるか又は該化合物の1種の鏡像体が優位を占める鏡像体混合物である請求項1ないし4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
1種の鏡像体が少なくとも約90%以上で優位を占める請求項5記載の方法。
【請求項7】
1種の鏡像体が少なくとも約98%以上で優位を占める請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記化合物が
【化3】

で表されるか又はその薬学的に許容される塩、エステル若しくはプロドラッグである請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記疲労は、疾患、障害又は病気に関連する請求項1ないし8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記疾患、障害又は病気が、鬱病、癌、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、線維筋痛症、慢性痛、外傷性脳損傷、AIDS及び変形性関節炎からなる群より選択される請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記疲労は治療又は薬物療法に関連する請求項1ないし8の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記治療又は薬物療法が、化学療法、放射線療法、骨髄移植及び抗鬱薬治療からなる群より選択される請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記化合物が更なる薬剤又は治療と共に投与される請求項1ないし12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、疲労を引き起し得る出来事の前に、疲労を引き起し得る出来事と共に及び/又は疲労の発現後に投与される請求項1ないし12の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物の治療学的又は予防学的有効量が、約0.01mg/kg/1回ないし約300mg/kg/1回である請求項1ないし14の何れか1項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−530779(P2012−530779A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517622(P2012−517622)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/039313
【国際公開番号】WO2011/005473
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(511245972)エスケー バイオファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】