説明

病理組織検査用カセット

【課題】各検体収容部に対応させた情報を記入できまた、カセットを積み重ねたときには積み重ね部分が密着しないカセットを提供する。
【解決手段】カセットCは、カセット本体1と蓋体2を備え、カセット本体1には上面板11が二箇所に設けてある。上面板11には複数の検体収容部14が設けてあり、その外側には傾斜面で形成された副情報記入部12が設けてある。上面板11と副情報記入部12の境界部である境界線111の内側は蓋体2を装着する蓋装着部112である。蓋体2はカセット本体1の蓋装着部112に装着できる基板20を有し、基板20は副情報記入部12を覆うことがないように形成してある。基板20にはスペーサ21、22が上方へ突出して設け、基板20には収容蓋部26が設けてあり、その上面には突起262が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は病理組織検査用カセットに関する。更に詳しくは、検体収容部ごとに検体を識別するための情報記入ができ、かつ閉蓋状態でもその記入部が視認できる病理組織検査用カセット及び薬液に浸漬するときに複数のカセットを縦横に密着させても薬液が内部に入りやすい病理組織検査用カセットに関する。
【背景技術】
【0002】
病理組織を検査するための標本をつくるために、病理組織検査用カセット(以下、カセットという)が使用されている。カセットを使用して、例えば生検検査標本をつくる工程は次のとおりである。
(1) 検体をカセットに収容し、ホルマリン等の固定液に浸漬し、組織に固定液を浸透させ組織の腐敗を防止する。
(2) (1)の固定液を水道水等で除去する。
(3) 濃度の異なる数種のアルコールに浸して組織細胞内に含まれる水分を除去する。
(4) このアルコールと、最終的に浸透させるパラフィンとは混合しないので、仲介剤として、その双方に混合することができるキシレンやクロロホルム等を浸透させる。
(5) 溶融パラフィンに浸して、パラフィンを組織内に浸透させる。
(6) 薬液処理した検体をカセットから取り出し、パラフィンブロックをつくる。
(7) パラフィンブロックを検体と共に薄切してスライドガラスに貼付し、顕微鏡などにより病状等の検査を行う。
【0003】
従来のカセットの一例を図4に示す。図に示すものは、特開平8−285745号公報に記載されたカセットである。当該カセット4は、カセット本体41を備えている。カセット本体41は、内部を区画して形成された所要数の検体収容部42が設けてあり、その底部には多数の通液孔を有する。また、カセット本体41の前部及び側部には、情報記入部43、44が設けてある。カセット本体41の上部開口部45には、多数の通液孔を有する蓋体46が開閉可能に設けてある。
【特許文献1】特開平8−285745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報記載のカセットは、病理組織の標本をつくる上で十分に有用ではあるが、次のような課題もあった。
(a)特に生検においては、例えば一つの臓器から採取する場合においても、場所を変えて複数の生体組織を採取して検査を行う。この場合は、カセット本体の検体収容部それぞれに異なる検体を収容するが、間違いのないように各検体収容部ごとに検体の内容が分かるようにする必要がある。
従来のカセット本体の前部及び側部には情報記入部が設けてあるが、前部の情報記入部はどの検体収容部に対応するでもなく設けられているので、各検体収容部に対応させた情報を記入しなければならない場合には使いにくい。
また、カセット本体の側部に設けてある情報記入部は、記入面が縦になっているので、開蓋して検体を収容した状態では検体がこぼれる心配があり、記入がしにくい。更には、記入後、記入面が上面側から見えないので、視認がしにくい。
【0005】
(b)上記したように、標本をつくる工程においては、検体を収容したカセットを薬液に浸漬する作業が数回行われる。この作業では、多数のカセットをまとめて浸漬することもあり、その場合、カセットは積み重ねられたり横方向に密着されて液槽に収容されることになる。
従来のカセットは、蓋体上面及び本体底面共に平面状であるので、例えばカセットを積み重ねたときには、積み重ね部分が密着してしまい、薬液が入ることができない。
従って、他のカセットで上下に挟まれたカセットには、他のカセットを通ってきた薬液が入ることになり、薬液がカセット内部に速やかに入ることができないので、薬液処理能力の低下、ひいては作業効率の低下を招きやすい。
【0006】
本発明は上記課題を解決するもので、カセットに、収容部の検体収容部ごとに検体を識別するための情報記入がしやすく、かつ閉蓋状態でも上面側からその情報が視認できる病理組織検査用カセットを提供することを目的とする。
また、薬液に浸漬するときに複数のカセットを縦横に密着させても薬液が内部に入りやすい病理組織検査用カセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
病理組織検査用カセットであって、
複数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体に着脱可能に装着される蓋体と、
を備えており、
上記カセット本体の上面側には、上記検体収容部ごとに検体を識別するための情報記入手段が設けてあり、かつ当該情報記入手段は、当該情報記入手段に記入された情報が閉蓋状態でも視認できるように構成されていることを特徴とする、 病理組織検査用カセットである。
【0008】
第2の発明にあっては、
病理組織検査用カセットであって、
カセット本体と、
当該カセット本体に着脱可能に装着される蓋体と、
を備えており、
閉蓋状態のカセットの上にカセット本体の底部を積重したときに、下側のカセットと上側のカセット本体との間に通液部が形成されるように構成されていることを特徴とする、
病理組織検査用カセットである。
【0009】
第3の発明にあっては、
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えており、
上記カセット本体の上面側には、上記検体収容部に対応する情報記入部が設けてあり、
上記蓋体は、上記カセット本体の上記蓋装着部に装着したときに上記情報記入部を覆うことがないように形成してあることを特徴とする、
病理組織検査用カセットである。
【0010】
第4の発明にあっては、
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えており、
上記カセット本体または上記蓋体に、上記病理組織検査用カセットを積み重ねたときに、積み重ね部分で通液可能にする通液部形成手段が設けてあることを特徴とする、
病理組織検査用カセットである。
【0011】
第5の発明にあっては、
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えており、
上記カセット本体は、前部に主情報記入部を有し、上記蓋装着部の縁部には、上記検体収容部に対応する副情報記入部が設けてあり、
上記蓋体は、上記カセット本体の上記蓋装着部に装着したときに上記副情報記入部を覆うことがないように形成してあり、
上記蓋体の上面部には、上記病理組織検査用カセットを積み重ねたときに、積み重ね部分に隙間を形成するスペーサが設けてあることを特徴とする、
病理組織検査用カセットである。
【0012】
情報記入部が設けられる箇所は、カセット本体の上面側であれば特に限定されず、上面側の縁部に設けてもよいし、中央部分に設けてもよい。
通液部形成手段としては、例えば、蓋体上面側にスペーサを設けたもの、カセット本体底部にスペーサを設けたもの、カセット上面から突出した蓋体の側部に切り欠きを設けたもの、蓋体の幅をカセット本体の幅より狭く形成して両側に開口部を設けたもの、あるいはそれらを複合したもの等があげられる。
【0013】
(作用)
カセット本体の上面側に、検体収容部に対応する情報記入部が設けてあり、蓋体はカセット本体の蓋装着部に装着したときに、情報記入部を覆うことがないように形成してあるものにあっては、各検体収容部ごとに情報記入をする際に、カセット本体を底面を下にして載置した状態で記入することができるので、記入しやすく、検体収容部に収容した検体が開蓋状態においてもこぼれる心配はない。また、上面側から情報記入部が見えるので、情報の内容も視認しやすい。
従って、検体収容部それぞれに種類の異なる検体を収容している場合、各検体収容部ごとに情報記入をすることにより検体を確実に識別でき、検査する検体の間違いを防止することができる。
【0014】
カセット本体または蓋体に、病理組織検査用カセットを積み重ねたときに、積み重ね部分で通液可能にする通液部形成手段が設けてあるものにあっては、カセットを薬液に浸漬する作業において多数のカセットを積み重ねて浸漬する場合にも、通液部によって薬液が各カセット内部にスムーズに流通する。従って、薬液が各カセット内部に速やかに入り、作業効率が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記構成を備えており、次の効果を有する。
(a)カセット本体の上面側の検体収容部に対応する情報記入部が設けてあり、蓋体はカセット本体の蓋装着部に装着したときに、情報記入部を覆うことがないように形成してあるカセットにあっては、各検体収容部ごとに情報記入をする際にカセット本体を底面を下にして載置した状態で記入することができるので、記入しやすく、検体収容部に収容した検体が開蓋状態においてもこぼれる心配はない。また、上面側から情報記入部が見えるので、情報の内容も視認しやすい。
従って、検体収容部それぞれに種類の異なる検体を収容している場合、各検体収容部ごとに情報記入をすることにより検体を確実に識別でき、検査する検体の間違いを防止することができる。
【0016】
(b)カセット本体または蓋体に、病理組織検査用カセットを積み重ねたときに積み重ね部分で通液可能にする通液部形成手段が設けてあるカセットにあっては、カセットを薬液に浸漬する作業において多数のカセットを積み重ねて浸漬する場合にも、通液部によって薬液が各カセット内部にスムーズに流通する。従って、薬液が各カセット内部に速やかに入り、作業効率が向上する。
【0017】
(c)カセット本体の上面側の検体収容部に対応する、主情報記入部及び副情報記入部が設けてあり、蓋体はカセット本体の蓋装着部に装着したときに、副情報記入部を覆うことがないように形成してあり、更に、蓋体に、病理組織検査用カセットを積み重ねたときに積み重ね部分で通液可能にするスペーサが設けてあるものにあっては、上記(a)、(b)の効果を合せ持つカセットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係るカセットの一実施の形態を示す分解斜視図、図2は図1におけるA−A部分に対応しており、カセットを重ねた状態を想像線で表している断面図、図3はカセット本体の係合部と蓋体の係合爪の係合状態を示す断面説明図である。
符号Cは本発明に係るカセットであり、耐薬液性を有する合成樹脂により形成されている。カセットCは、カセット本体1と、カセット本体1に着脱可能な蓋体2を備えている。
【0019】
カセット本体1の上面側には、周縁部10よりやや低く形成された上面板11が、通液口110を介し、幅方向の二箇所に分割して設けてある。
上面板11の幅方向の両縁部と周縁部10の長辺部との間には、傾斜面で形成された副情報記入部12が設けてある。副情報記入部12には、鉛筆などで被検者名、番号等を記入することができるように、表面がいわばスリガラスの表面のような梨地状にやや粗く形成してある。
【0020】
各副情報記入部12は、後述する検体収容部14に沿うように外側に設けてある。各副情報記入部12には、それぞれ二箇所にエア抜き孔13が貫通して設けてある。エア抜き孔13は、パラフィン等の薬液に浸漬されたときに、断面形状が山型となっている副情報記入部12と側板の裏側にエアが溜らないようにするものである。
なお、上記各上面板11と各副情報記入部12の境界部である境界線111の内側は後述する蓋体2を装着する蓋装着部112となっている。
【0021】
各上面板11には検体収容部14が三箇所ずつ、合計六箇所に設けてある。検体収容部14は、平面視八角形状で、下方へ向けて膨出形成された収容部壁140を有している。収容部壁140には、薬液等を通過させることができる多数の通液孔141が設けてある。
なお、通液孔141は、各収容部壁14の壁面に対して垂直方向になるよう設けることもできるし、型抜きを容易にして成形工程を短縮する観点から、孔方向が垂直方向になるよう形成することもできる。
【0022】
片側三個ずつ設けられている検体収容部14の列の間には、上記したように通液口110が設けてある。通液口110は、薬液を多量に効率よく通過させるためのものである。更に、通液口110の下方には、パラフィンとの固着を補強するための補強梁15を備えている。
また、カセット本体1の前部側には、傾斜面で形成された主情報記入部16が設けられている。主情報記入部16は、上記副情報記入部12と同様に、表面がスリガラスの表面のような梨地状にやや粗く形成してある。なお、カセット本体1の両側の側面160も同様に仕上げてあり、書き込みが可能である。
【0023】
そして、カセット本体1の後端面には、係合段部17が全幅にわたり設けてある。カセット本体1の後端面には、案内部18が二箇所に設けてある。各案内部18は、後述する蓋体2の係合爪の位置に対応して、上面側を斜めに切り欠いて設けてある。なお、カセット本体1の前部側の主情報記入部16の裏側には、後述する蓋体2の掛け爪が係合される係合部19が設けてある。
【0024】
蓋体2は、上記カセット本体1の蓋装着部112に嵌合して装着できる長方形状の基板20を有しており、蓋装着部112に装着したときにカセット本体1の副情報記入部12を覆うことがないように形成されている。
基板20の長さ方向の両端部には、幅方向の全長にわたり、断面逆L状のスペーサ21、22が上方へ突出して設けてある。スペーサ21、22は、蓋体2を蓋装着部112に装着したときに、周縁部10から、上方へやや突出する高さに形成してある。
前部側のスペーサ21には、中央部に掛け爪23が設けてある。また、後部側のスペーサ22には摘み片24が設けてある。摘み片24には、係合爪25が下方へ向けて二箇所に設けてある。
【0025】
基板20には、上記検体収容部14に対応して六箇所に収容蓋部26が設けてある。各収容蓋部26は、平面視八角形状で、上方へ向けて膨出形成された蓋部壁260を有している。蓋部壁260には、薬液等を通過させることができる多数の通液孔261が設けてあり、上面には四箇所に突起262が設けてある。これらの突起262は、上記スペーサ21、22と同じ高さになるよう形成してある。なお、収容蓋部26の列の間には、所要数の比較的大きな孔からなる通液口27が設けてある。
【0026】
(作 用)
図1ないし図3を参照して、本発明に係るカセットCの作用を説明する。
カセット本体1と蓋体2は、いずれも耐薬液性を有する合成樹脂により形成されているため、カセットCは検査標本完成までの間に用いられる薬液による影響を受けない。
カセット本体1に蓋体2が装着されて一体化することにより、六箇所の検体収容空間部3(図2に図示)が通液性を持ちながら区画されて独立する。
【0027】
カセット本体1の蓋装着部112の縁部には、検体収容部14に対応する位置に副情報記入部12が設けてあり、蓋体2はカセット本体1の蓋装着部112に装着したときに、主情報記入部16及び副情報記入部12を覆うことがないように形成してあるので、各検体収容部14ごとに情報記入をすることができ、各情報記入部12の情報の内容も視認しやすい。
従って、検体収容部14それぞれに種類の異なる検体を収容している場合、各検体収容部14ごとに情報記入をすることにより検体を確実に識別でき、検査する検体の間違いを防止することができる。
【0028】
また、蓋体2はカセット本体1へ係合するための係合爪25を有しており、係合爪25はカセット本体1の係合段部17に外側から係合するように形成してあるので、摘み片24の端縁部を上へ引き上げる動作をすると、蓋体2の端縁部が上方へ湾曲変形し(図3、仮想線部分参照)、係合爪25が外側へ開いて係合段部17との係合が容易に外れる。
従って、蓋体2の取り外しが衝撃を生じることなく穏やかにできるので、検体ブロックを検体収容部14から取出す際に検体が飛び出してしまったり、カセットCを検体ごと落としてしまうことも防止できる。
【0029】
また、蓋体2の上面部に、カセットCを積み重ねたときに、それらの間に通液可能な隙間S(図2参照)を形成するスペーサ21、22及び突起262が設けてあるので、カセットCを薬液に浸漬する作業において多数のカセットCを積み重ねて浸漬する場合にも、上記隙間Sによって薬液がスムーズに流通する。従って、薬液がカセットC内部に速やかに入り、作業効率が向上する。
【0030】
更に、検体収容部14の収容部壁140は膨出した形状であるため、単に平板状のものと比較して同じ投影面積であれば面積が広くなる。これにより、通液孔141の数を増やすことができ、薬液の通液性が向上し、通液量も増える。
【0031】
上記工程によってパラフィンブロックをつくるときには、通液口110、27が溶融パラフィンの湯道としての機能を果たし、包埋皿の隅々にまで溶融パラフィンが流れ込みやすくなる。更に、通液口110下部の補強梁15はパラフィン硬化時にはパラフィン内部に埋設された状態で固着される。これにより、パラフィンとカセット本体1が強固に固着され、更にカセット本体1内のパラフィンとカセット本体1外のパラフィンの連結力が向上する。
【0032】
パラフィンブロックのカセット本体1内のパラフィンとカセット本体1外のパラフィンの境界面、すなわち検体収容部14の収容部壁140は凹凸面となるので、薄切作業時の横方向の力に強く、この点でもカセット本体1外のパラフィンの脱落は防止できる。
【0033】
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るカセットの一実施の形態を示す分解斜視図
【図2】図1におけるA−A部分に対応しており、カセットを重ねた状態を想像線で表している断面図
【図3】カセット本体の係合部と蓋体の係合爪の係合状態を示す断面説明図
【図4】従来のカセットの一例を示す斜視図
【符号の説明】
【0035】
C カセット
1 カセット本体
10 周縁部
11 上面板
110 通液口
12 副情報記入部
13 エア抜き孔
14 検体収容部
111 境界線
112 蓋装着部
140 収容部壁
141 通液孔
15 補強梁
16 主情報記入部
17 係合段部
18 案内部
19 係合部
2 蓋体
20 基板
21、22 スペーサ
23 掛け爪
24 摘み片
25 係合爪
26 収容蓋部
260 蓋部壁
261 通液孔
262 突起
27 通液口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病理組織検査用カセットであって、
複数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体に着脱可能に装着される蓋体と、
を備えており、
上記カセット本体の上面側には、上記検体収容部ごとに検体を識別するための情報記入手段が設けてあり、かつ当該情報記入手段は、当該情報記入手段に記入された情報が閉蓋状態でも視認できるように構成されていることを特徴とする、 病理組織検査用カセット。
【請求項2】
病理組織検査用カセットであって、
カセット本体と、
当該カセット本体に着脱可能に装着される蓋体と、
を備えており、
閉蓋状態のカセットの上にカセット本体の底部を積重したときに、下側のカセットと上側のカセット本体との間に通液部が形成されるように構成されていることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。
【請求項3】
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えており、
上記カセット本体の上面側には、上記検体収容部に対応する情報記入部が設けてあり、
上記蓋体は、上記カセット本体の上記蓋装着部に装着したときに上記情報記入部を覆うことがないように形成してあることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。
【請求項4】
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えており、
上記カセット本体または上記蓋体に、上記病理組織検査用カセットを積み重ねたときに、積み重ね部分で通液可能にする通液部形成手段が設けてあることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。
【請求項5】
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えており、
上記カセット本体は、前部に主情報記入部を有し、上記蓋装着部の縁部には、上記検体収容部に対応する副情報記入部が設けてあり、
上記蓋体は、上記カセット本体の上記蓋装着部に装着したときに上記副情報記入部を覆うことがないように形成してあり、
上記蓋体の上面部には、上記病理組織検査用カセットを積み重ねたときに、積み重ね部分に隙間を形成するスペーサが設けてあることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病理組織検査用カセットであって、
カセット本体と、
当該カセット本体に着脱可能に装着される蓋体と、
を備えており、
閉蓋状態のカセットの上にカセット本体の底部を積重したときに、下側のカセットと上
側のカセット本体との間に通液部が形成されるように構成されていることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。
【請求項2】
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセ
ット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えて
おり、
上記カセット本体または上記蓋体に、上記病理組織検査用カセットを積み重ねたときに
、積み重ね部分で通液可能にする通液部形成手段が設けてあることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。
【請求項3】
病理組織検査用カセットであって、
上面側に蓋装着部を有し、底部に通液孔が設けてある所要数の検体収容部を有するカセ
ット本体と、
当該カセット本体の上記蓋装着部に着脱可能で、通液孔が設けてある蓋体と、を備えて
おり、
上記カセット本体は、前部に主情報記入部を有し、上記蓋装着部の縁部には、上記検体
収容部に対応する副情報記入部が設けてあり、
上記蓋体は、上記カセット本体の上記蓋装着部に装着したときに上記副情報記入部を覆
うことがないように形成してあり、
上記蓋体の上面部には、上記病理組織検査用カセットを積み重ねたときに、積み重ね部
分に隙間を形成するスペーサが設けてあることを特徴とする、
病理組織検査用カセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−113080(P2006−113080A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13032(P2006−13032)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【分割の表示】特願平9−102805の分割
【原出願日】平成9年4月3日(1997.4.3)
【出願人】(395008746)
【Fターム(参考)】