説明

病院および医療用途のための識別および接続ゲートウェイリストバンド

通信ゲートウェイリストバンドは、患者識別のソースとして、また患者上の小型化された電子医療センサのPAN(パーソナルエリアネットワーク)と病院ネットワークなどのWWAN(無線広域ネットワーク)との間のインターフェースとして働く。ゲートウェイリストバンドは、無線医療センサと無線データリンクを確立することのできるPAN送受信器と、WWAN基盤と無線データリンクを確立することのできるWWAN送受信器と、患者識別子を記憶するメモリと、PAN送受信器によりデータを受信し、かつ患者識別子および受信したデータを、WWAN送受信器により外部ネットワークに中継するプロセッサとを含む。プロセッサは、PANおよびWWAN送受信器との通信を管理し、受信したセンサデータをメモリに記憶し、かつセンサデータが病院基盤へと中継されるように、データをPANプロトコルからWWANプロトコルに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンピュータネットワーク通信に関し、より詳細には、患者を識別し、かつ医療センサデータを病院のコンピュータネットワークに中継するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院などの医療機関は、患者および患者に投与された薬物を正確に追跡することを含む多くの課題に直面している。通常、患者には、医療機関に入院するとき、名前および病院記録識別子など、患者の識別情報を含むプラスチックのリストバンドが与えられる。患者を追跡し、薬物を投与するための手順は、看護師および医師が、1日中、各患者のリストバンドを何回も確認することを含む。リストバンドのこの手動の検査は、概して有効であるが、効率的ではない可能性があり、人的過誤を生ずる傾向がある。
【0003】
病院が直面している他の課題は、新しい医療センサ技術、およびそれに関連する患者の医療記録を含む医療センサデータの量と、病院の情報システム基盤との統合を含む。電子コンポーネントの絶え間ない小型化に伴い、医療業界は、患者上または患者内に配置して任意の様々な医療上重要なパラメータを記録し、かつ報告することのできるさらに小型の電子的な医療センサを採用するようになることが予想される。医療センサを患者に接続するための現在の方法は、患者上のセンサと、近くに置かれた監視システムとの間で延びるワイヤおよびケーブルを使用する。その結果、典型的な重症患者には、医療用監視システムにつながっている数十本のワイヤおよび管が取り付けられる可能性がある。その結果生ずるリード線および管のもつれが、患者に提供される介護を妨げることになり、さらに潜在的な危険を生ずる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態は、患者を識別し、かつ小型化された電子医療センサを病院情報システム基盤にリンクさせるための使いやすい解決策を提供する。患者識別子リストバンドは、無線通信ゲートウェイ装置を含み、本明細書では、それを「ゲートウェイリストバンド」と呼ぶ。ゲートウェイリストバンドは、患者識別子(ID)を記憶し、それを、ネットワークサーバなどの病院情報システム基盤に無線で報告するように構成される。患者IDは、患者に対して特に割り当てられた識別子とすることができるが、あるいは患者記録データベースなど、病院情報システム基盤に記憶されたデータファイル中の患者にリンクされうるゲートウェイリストバンドに割り当てられた識別子(「リストバンドID」)とすることができる。
【0005】
ゲートウェイリストバンドは、第1の送受信器(「PAN送受信器」)により、患者に適用される小型化された電子医療センサの無線PAN(パーソナルエリアネットワーク)のための無線ゲートウェイとして働くことができる。ゲートウェイリストバンドはまた、第2の送受信器(WLANまたはWWAN送受信器)により、病院無線ネットワークなど、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、またはWWAN(無線広域ネットワーク)上の通信ノードとして働くこともできる。ゲートウェイリストバンドはまた、患者または装置IDを記憶するためのメモリと、PANおよびWLAN送受信器を制御するプロセッサとを含むことができる。プロセッサは、PAN送受信器によりデータを受信し、かつ患者もしくはリストバンドIDと共に受信したデータを、WLAN送受信器により外部ネットワークに中継するためのソフトウェア命令で構成することができる。プロセッサは、パーソナルエリアネットワークおよび無線広域ネットワークの両方との通信を管理し、必要に応じて、受信したセンサデータを記憶し、かつデータが、センサから病院の情報システム基盤へと高い信頼性で中継されうるように、受信したデータをPANプロトコルフォーマットから、WLANもしくはWWANプロトコルフォーマットへと変換するようにさらに構成することができる。プロセッサは、パーソナルエリアおよびローカルエリアネットワークの両方との通信において、通信セキュリティ対策を実施するようにさらに構成することができるが、それは、患者データを保護し、かつシステムの信頼性を保証するために必要とされうる。ゲートウェイリストバンドはまた、病院環境と適合するように、電子機器を防水性ハウジング内に密封した内部電源を含むことができる。実施形態では、ゲートウェイリストバンドはまた、あるいは代替的に、セルラ式データ通信リンクを確立するように構成されたセルラ式電話送受信器を含むことができ、したがって、ゲートウェイリストバンドは、受信したデータを、セルラ式電話ネットワークを介して病院ネットワークへと中継することができる。
【0006】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示しており、また上記で与えられた概略的な記述および以下で与えられる詳細な記述と共に、本発明の特徴を説明する役割をする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態による患者上の医療センサを病院無線通信ネットワークにリンクさせるゲートウェイリストバンドを含む通信ネットワークの通信システムブロック図である。
【図2】実施形態による医療センサを病院通信ネットワークおよびインターネットにリンクさせるゲートウェイリストバンドを含む通信ネットワークの通信システムブロック図である。
【図3A】実施形態によるゲートウェイリストバンドと病院ネットワークの間の通信メッセージの流れ図である。
【図3B】他の実施形態によるゲートウェイリストバンドと病院ネットワークの間の通信メッセージの流れ図である。
【図3C】実施形態によるゲートウェイリストバンドと移動装置の間の通信メッセージの流れ図である。
【図4】実施形態によるゲートウェイリストバンドと無線医療センサの間の通信メッセージの流れ図である。
【図5】図1で示されたシステム内の通信メッセージの流れ図である。
【図6】患者IDおよび医療センサデータを病院ネットワークに中継するための実施方法のプロセスの流れ図である。
【図7】患者IDおよび医療センサデータを移動計算装置に中継するための実施方法のプロセスの流れ図である。
【図8】実施形態によるセルラ式電話通信リンクを介して、患者上の無線医療センサを、病院通信ネットワークにリンクさせるゲートウェイリストバンドを含む通信ネットワークの通信システムのブロック図である。
【図9】図8で示すシステム内における通信メッセージの流れ図である。
【図10】図8で示す通信システムで使用するのに適した実施方法のプロセスの流れ図である。
【図11】例示的な実施形態によるゲートウェイリストバンドのコンポーネントのブロック図である。
【図12】図11で示されたゲートウェイリストバンドで使用するのに適した例示的な無線医療センサのコンポーネントのブロック図である。
【図13】図11で示されたゲートウェイリストバンドで使用するのに適した例示的な移動計算装置の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な実施形態は、添付の図面を参照して詳細に述べられる。諸図面を通じて、可能な限り、同じ参照番号は、同じまたは同様の部分を指すために使用される。特定の例および実施形態に対して行われる参照は、例示のためであり、本発明または特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0009】
本明細書では、「例示的な」という用語は、「例、事例、または例示として働く」ことを意味するために使用される。「例示的な」として本明細書で述べられるどの実施形態も、必ずしも他の実施形態より好ましく、または有利であると解釈されるべきではない。
【0010】
本明細書で使用される場合、「移動計算装置」および「手持ち式装置」という用語は、セルラ式電話、PDA(携帯情報端末)、パームトップコンピュータ、無線電子メール受信器およびセルラ式電話受信器(例えば、Blackberry(登録商標)およびTreo(登録商標)装置)、マルチメディアインターネットが使用可能なセルラ式電話(例えば、Blackberry Storm(登録商標))、ならびにプログラム可能なプロセッサおよびメモリ、無線通信送受信器を含む同様のパーソナル電子装置のうちのいずれか1つまたはすべてを指す。
【0011】
患者を追跡すること、および患者に正しい薬物が投与されているのを保証することは、医療業界で根強く残っている課題である。患者を識別するための最も一般的な方法は、患者が入院したとき、患者識別(ID)リストバンドを用いて患者にラベル付けすることを含む。典型的な患者IDリストバンドは、患者の識別情報(例えば、名前および/またはID番号)が印刷されたプラスチックの帯片である。いくつかの患者IDリストバンドは、従来のバーコード読取り器を用いて読取りができるバーコードを含む。患者が適正な薬物を受け取ったことを保証するための最も一般的な手法は、リストバンド上の患者ID情報を、薬物と関連付けられた患者ID情報と比較することを含む。自動化された施設では、バーコード読取り器は、患者IDリストバンド上のバーコード、および薬または食物トレーに取り付けられたバーコードを読み取るために使用することができる。このような手動の患者IDの確認は、医療過誤の機会を低減するために、病院の手続きの一部として、1日に数回繰り返される可能性がある。
【0012】
電子コンポーネントの絶え間ない小型化に伴い、医療業界は、間もなく、患者上または患者内に配置して任意の様々な医療上重要なパラメータを記録し、かつ報告することのできる小型化された電子医療センサを採用するようになることが予想される。病院環境における混雑および混乱を低減するために、このような小型化された電子医療センサを無線にすることができ、それにより、センサをデータ収集ユニットへと有線接続する必要性を除くことができる。小型化された電子医療センサのサイズおよび電力要件を最小に保つために、このようなセンサ装置は、低電力の無線データリンクで使用される可能性が高い。このような目的に適した、いくつかの低電力無線データリンクプロトコルが利用可能である。このような低電力無線送受信器の限定された範囲により、このような通信リンクは、しばしば、「パーソナルエリアネットワーク」(PAN)と呼ばれ、それは、本明細書では、特定の患者を包含するネットワークを指すために使用される用語である。PAN送受信器は、通常、数フィートの範囲を有し、したがって、人の周囲の領域を含むが、さらに遠くまで広がることはなく、したがって、他の無線ネットワークと干渉する、または相互作用することはない。このような近距離通信プロトコルは、使いやすく、エネルギー効率のよい通信リンクを提供するが、このようなプロトコルは、概して、その範囲が限定されているため無線広域ネットワークとの適合性がなく、同様に、波形および情報符号化スキームとの適合性もない。
【0013】
WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)は、その使いやすさ、および高いデータ送信レートにより、病院などの施設のネットワーク基盤の一部として広く採用されている。無線ローカルエリア通信ネットワークプロトコルの例は、IEEE802.11(WiFi)、およびWiMaxを含む。施設はまた、WWAN(無線広域ネットワーク)を使用することができ、それは、CDMA2000およびUMTSなどのセルラネットワークなど、広い領域の通信範囲を提供する通信技術を使用することができる。
【0014】
大部分の病院施設のWLANまたはWWAN基盤と、小型化された電子医療センサで使用される可能性が高いパーソナルエリアネットワークとの間の非適合性は、この問題に対する解決策が提供されない限り、新しい医療技術の採用を制限することもありうる。小型化された電子医療センサを病院環境中で有効に展開するためには、センサネットワークからのセンサデータを施設の無線広域ネットワーク基盤に中継するための、通信インターフェースまたはゲートウェイを設ける必要がある。
【0015】
様々な実施形態は、リストバンド無線通信ゲートウェイ装置(「ゲートウェイリストバンド」)を用いて、患者を識別すること、および小型化された電子医療センサを病院の無線広域ネットワークにリンクさせることの両方の問題を解決する。ゲートウェイリストバンドは、特定の患者上、または患者内の小型化された電子医療センサを含むPAN(パーソナルエリアネットワーク)と、病院の無線ネットワークなどのWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)との両方に対するゲートウェイとして働く。このようなゲートウェイリストバンドは、近距離(すなわち、PANプロトコル)送受信器と無線データリンクを確立できるPAN通信送受信器と、ローカルおよび広域無線送受信器と無線データリンクを確立できるWLAN通信送受信器と、患者またはリストバンドに対する一意の識別子を記憶するメモリと、PAN送受信器によりデータを受信し、かつ受信したデータおよび患者もしくはリストバンドIDを、WLAN送受信器により外部ネットワークに中継することができるプロセッサとを含む。プロセッサは、パーソナルエリアネットワークと無線広域ネットワークの両方との通信を管理し、必要に応じて、受信したセンサデータを記憶し、かつデータがセンサから病院基盤へと高い信頼性で中継されうるように、データを、PANプロトコルフォーマットからWLANプロトコルデータへと変換するためのソフトウェア命令で構成される。プロセッサは、パーソナルエリアおよび広域ネットワークの両方との通信において、通信セキュリティ対策を実施するようにさらに構成することができるが、それは、患者データを保護し、システムの信頼性を保証するために必要とされうる。ゲートウェイリストバンドはまた、内部電源を含むことができ、また病院環境と適合するように、防水性ハウジング内に密封することができる。
【0016】
PAN送受信器は、必ずしもいずれかの特定のプロトコルに限定される必要はなく、そうではなくて、任意の比較的近距離の、または限定された領域の無線通信リンクを含むことができる。近傍に限定された通信リンクを用いることは、ゲートウェイリストバンドが、他の患者上の小型化された電子医療センサを検出し、それとの通信リンクを確立しようとする可能性を減らすことにより、システムアーキテクチャを簡単化するのを助ける。様々な実施形態で使用できるPANプロトコルの例は、ブルートゥース(登録商標)、IEEE802.15.4、およびZigbee(登録商標)無線通信プロトコルおよび規格を含む。これらのPANプロトコルに加えて、無線による近傍に限定された通信リンクは、例えば、RFID(radiofrequency identification)タグ、およびIrDA(Infrared Data Association:赤外線データ協会)プロトコルを含む他の近距離通信媒体を用いて確立することができる。さらに、他の近距離無線プロトコルおよび規格も開発される可能性があり、本明細書で述べたものと同様に様々な実施形態で使用することができる。さらに、遠距離無線通信プロトコルを、患者のゲートウェイリストバンドの近傍にその有効な範囲を制限するように修正または追加して使用することもできる。例えば、WiFiおよびWiMax無線通信プロトコルを、範囲を制限する機能と組み合わせて使用することも可能である。例えば、小型化された電子医療センサ送信器の電力を制限することができる。他の例として、往復の通信遅延制限を課すこともできるが、その場合、このような信号の往復が、約12フィート(3.65m)を超える距離から送られた信号を拒絶するように設定した、2から3フィート(0.6から0.9m)程度の短い距離でありうる閾値未満である場合に限って、センサ-ゲートウェイリストバンド通信リンクを確立できるようになる。
【0017】
様々な実施形態は、装置と装置のペア組み、暗号化されたデータリンク、完全性の検査、および信頼ドメイン(trust domain)の確立など、知られた基本的な通信セキュリティ機構を実施することができる。本明細書で使用される場合、「信頼ドメイン(trust domain)」という用語は、共通のまたは関係する資格証明書を所有している1組の装置を指しており、したがって、装置は、互いに「信頼」して秘密の情報を共用し、かつ安全に通信を交換することができる。信頼ドメインの例は、例えば、PKIなどの認証局により署名された1組のX0.509認証を共用する1対の(またはさらに多くの)装置である。信頼ドメインの他の例は、対称的な資格証明書を共用する1対の(またはさらに多くの)装置である。信頼ドメインを他の装置に拡張するために、受信側装置は、妥当な新しいメンバとして検証される必要があり、また資格証明書が安全に交換される必要がある。様々な実施形態と共に使用するのに適した無線通信ノード中で信頼ドメインを確立するための方法および装置は、2008年2月21日に出願された「Method and Apparatus To Deploy Dynamic Credential Infrastructure Based on Proximity」と題する米国特許出願第12/035,309号で開示されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
さらなる実施形態では、ゲートウェイリストバンドはまた、ネットワークセットアップ情報、セキュリティ資格証明書、および暗号化鍵の交換など、安全な通信リンクを確立するために有用な情報を交換するために近距離通信(例えば、近接場通信(near field communication))送受信器を含むこともできる。本明細書における「近距離通信リンク」(CRCL:close range communication links)および「近接場通信」(NFC)への言及は、約1フィート(0.3m)未満に、またいくつかの実施形態では、約0〜20cm未満に(最高8インチまで)制限された通信範囲のリンクを指している。無線通信ノード中で信頼ドメインを確立するために、CRCL通信リンクを用いてトークンおよび他の情報を交換するための方法および装置は、上記で参照によって組み込まれた米国特許出願第12/035,309号で開示されている。
【0019】
典型的なPANプロトコルは、リンク確立情報の自動的な交換を提供する。したがって、実施形態では、ゲートウェイリストバンドは、自動的に、範囲内にある小型化された電子医療センサを検出し、かつそれとのデータ通信リンクを確立することができる。例えば、ゲートウェイリストバンドおよび小型化された電子医療センサは、さらなる同期化活動またはユーザアクションを行うことなく、ブルートゥース(登録商標)無線データリンクを確立できるようにするために必要なアドレス、および装置識別子情報(例えば、センサIDまたはMAC ID)を交換することができる。他の例として、2つの装置は、WiFi無線またはイーサネット(登録商標)ベースのネットワークとの通信を可能にするために、IP(インターネットプロトコル)またはローカルエリアネットワークアドレス情報を交換することができる。
【0020】
図1は、患者の手首上のゲートウェイリストバンド1を含む通信システムの典型的な要素を示している。ゲートウェイリストバンド1は、複数の小型化された電子医療センサ2a〜2dと通信リンク10を確立するための内部PAN送受信器と、病院ネットワーク4の基地局5と広域無線通信リンク12を確立するためのWLAN送受信器とを含む。ゲートウェイリストバンド1はまた、医師または看護師により携帯されうるPDA3など、移動計算装置と通信リンク12を確立することができる。以下で図11を参照してより十分に述べるように、ゲートウェイリストバンド1は、装置が、PAN通信リンク10など、第1の通信プロトコルで、小型化された電子医療センサ2a〜2dからセンサデータを受信し、必要に応じてデータを一時的に記憶し、かつデータを、病院ネットワーク4へのWLAN通信リンク12など、第2の通信プロトコルで外部ネットワークに中継することを可能にする1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを含む。したがって、ゲートウェイリストバンド1は、第1のネットワーク(例えば、小型化された電子医療センサ2a〜2dのPANネットワーク)から第1のプロトコルでデータを受信し、かつそれを第2のネットワーク(例えば、病院ネットワーク4)に第2のプロトコルで中継する通信インターフェースゲートウェイとして働く。
【0021】
通信ゲートウェイとして働くことに加えて、ゲートウェイリストバンド1内のプロセッサは、患者IDまたはリストバンドID(病院情報システム内で維持されているデータテーブル中の患者にリンクされている)を、病院ネットワーク4および/または看護師のPDA3などの移動計算装置に伝達するためのソフトウェア命令で構成される。患者またはリストバンドIDは、ネットワーク内の患者の位置を示すために、定期的に、病院ネットワーク4に伝達されうるが、それは、ゲートウェイリストバンド1と通信状態にある特定の基地局5により示すことができる。患者またはリストバンドIDは、装置が近接位置に入ったとき、または操作者(例えば、看護師または医師)が患者を識別するためにキーを押したとき、PDA3へと伝達されうる。このようにして、ゲートウェイリストバンド1は、薬物が、患者に正確に投与されたことを保証できるようにする。さらに、患者またはリストバンドIDを、センサデータの通信の一部として伝達することができ、したがって、病院ネットワーク4は、受信した医療センサデータを、それに対応する特定の患者と正確に関係付けることができる。さらなる患者識別を支援するものとして、ゲートウェイリストバンド1は、患者の名前、ID番号、および/またはバーコードを転写する(imprint)ことができ、それらは、従来の患者リストバンドが、現在、再検討されているのと同様の方法で読み取ることができる。
【0022】
通信インターフェースゲートウェイを提供することにより、ゲートウェイリストバンド1は、低電力のセンサ装置からデータ受信し、またデータを、より高い電力で、かつ病院のWLANシステムと一致するデータフォーマットで病院ネットワークに中継することにより、患者上の小型化された電子医療センサ2a〜2dの使用を容易にする。したがって、ゲートウェイリストバンド1は、普通であれば、患者の小型化された電子医療センサ2a〜2dを記録装置または病院ネットワーク4に結合するために必要になるはずの多くのワイヤ、および扱いにくい装置を除くことになる。
【0023】
ゲートウェイリストバンド1により提供される通信リンクはまた、患者および患者の小型化された電子医療センサを、図2で示されるインターネット24などの広域ネットワークに接続することを可能にできる。この通信ネットワークは、WLANまたはWWAN基地局アンテナ5との間で、データネットワーク信号12を送信および受信するためのWLANまたはWWAN送受信器を含むゲートウェイリストバンド1を含む。この例示的なネットワークでは、基地局アンテナ5は、ルータ19およびネットワークサーバ22など、有線ネットワークを動作させるのに必要な要素に結合された複数の無線ルータ18など、無線ネットワークを動作させるために必要な要素を含む病院ネットワーク4に結合されており、そのすべてが有線接続14により結合されている。他のコンピュータ30およびモニタは、有線接続14により、または基地局アンテナ5を介して無線接続12により病院ネットワーク4に結合することができる。
【0024】
現在では典型的なものであるが、病院ネットワーク4は、インターネット24などの外部ネットワークに結合することができる。典型的な実施形態では、病院ネットワークサーバ22は、インターネット接続(図示せず)を介して、インターフェースネット24に結合される。同様に、ラップトップコンピュータ30などの他のコンピュータは、それ自体のインターネット接続28によりインターネット24を介して病院ネットワーク4に結合することができる。さらなる実施形態では、1つまたは複数のサーバ26は、インターネット24に結合することができ、サーバ26で維持されている患者の電子医療記録に記憶するためになど、ゲートウェイリストバンド1により中継されたデータを受信するように構成されうる。
【0025】
上記で述べたように、ゲートウェイリストバンド1は、PAN通信リンク10を介して、1つまたは複数の小型化された電子医療センサ2a〜2dとの無線パーソナルエリアネットワーク接続を確立するように構成されたPAN送受信器を含む。ゲートウェイリストバンド1は、PAN通信リンク10を介して小型化された電子医療センサ2a〜2dからデータを受信し、かつデータを、WLANまたはWWAN通信リンク12介して病院ネットワーク4に中継するように構成される。さらに、ラップトップ30などのいくつかの移動計算装置はまた、データを、小型化された電子医療センサ2a〜2dから受信するためのPAN送受信器、および基地局アンテナ5を介して病院ネットワーク4とネットワーク通信リンク12を確立するためのWLANまたはWWAN送受信器の両方を用いて構成することもできる。
【0026】
ゲートウェイリストバンド1は、病院ネットワーク4、またはPDA3などの移動計算装置との無線通信を自動的に確立するように構成することができる。ゲートウェイリストバンド1と病院ネットワーク4との間で交換されうるメッセージの例が、図3Aで示されている。ゲートウェイリストバンド1が、無線の広域ネットワークを感知したとき、そのネットワークとリンク確立ハンドシェーキングメッセージ30を開始することができる。このようなハンドシェーキングメッセージは、WLANまたはWWANネットワークにより実施される特定の通信プロトコルにより決定され、また後続するデータ通信と同じWLANまたはWWAN通信リンクを介して送信することができる。通信リンクが確立された後、ゲートウェイリストバンド1および病院ネットワーク4は、ゲートウェイリストバンド1を患者と、また患者を病院ネットワーク4と相互に関係付けるために、必要に応じて登録メッセージ32を交換することができる。例えば、ゲートウェイリストバンド1が、患者の入院手続きの一部として、まず、患者の手首上に配置されたとき、ゲートウェイリストバンド1および病院ネットワーク4は、病院ネットワーク4が患者IDまたはリストバンドIDを患者レジストリデータベース内に記録できるようにするために、登録メッセージ32を交換することができる。患者登録プロセスが完了した後、病院ネットワーク4が、患者を識別し、かつ受信したセンサデータをその特定の患者と相互に関係付けることを可能にするために、後続する通信は、患者IDまたはリストバンドIDを送信するだけでよい。ネットワーク通信リンクが確立され、かつ患者および/またはリストバンドが病院ネットワーク4に登録された後、病院ネットワークは、任意選択の照会メッセージ34で、患者IDもしくは患者データを定期的に要求することができる。このようなメッセージは、ゲートウェイリストバンド1へとアドレス指定することができ、またゲートウェイリストバンド1内のプロセッサが適正に解釈できるコマンド命令を含むことができる。病院ネットワーク4から、患者IDまたはデータ照会メッセージ34を受信したことに応じて、ゲートウェイリストバンド1は、メッセージ36で、患者IDまたはリストバンドIDを病院ネットワーク4に送信することができる。ゲートウェイリストバンド1は、次い
で、メッセージ38で、センサデータの病院ネットワーク4への送信を開始することができる。
【0027】
実施形態では、ゲートウェイリストバンド1は、登録手続きを行うために、病院ネットワーク4上の端末とCRCL通信リンクを確立するように構成されたCRCL送受信器を含むことができる。この実施形態で交換されるメッセージは、図3Bで示されている。この実施形態では、ゲートウェイリストバンド1を病院ネットワーク4に登録するプロセスは、リストバンドを、病院ネットワーク4内の端末上のCRCL送受信器の近傍へと移動することを含む。ゲートウェイリストバンド1が、病院ネットワーク4上のCRCL送受信器の通信範囲内に入ると直ちに、CRCL通信リンクを確立するために、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ40が開始することになる。CRCL通信リンクが確立されると、ゲートウェイリストバンド1は、リストバンドIDまたは同様の資格証明書メッセージ42など、リストバンド1を識別する情報を病院ネットワーク4に送信することができる。病院ネットワーク4は、リストバンドIDまたは資格証明書を用いて、ゲートウェイリストバンド1が許可された装置であることを検証することができ、検証された場合、病院ネットワーク4は、メッセージ44で、メモリに記憶するために、患者ID、または患者に関連付けられた他の資格証明書をゲートウェイリストバンド1に送信することができる。患者IDおよび他の患者情報は、必然的に秘密情報であるので、CRCL通信リンクを介してこの情報を送信することは、それが非常に近距離であることによって固有の安全性を提供する。ゲートウェイリストバンド1は、患者IDまたは他の情報をメモリに保管して、患者IDを、病院ネットワーク4または移動計算装置3に伝達するのに使用することができる。登録情報メッセージが、CRCLネットワークを介して交換された後、ゲートウェイリストバンド1は、患者上に配置されて、病院ネットワークのCRCL端末の通信範囲外に移動することができ、したがって、CRCL通信リンクは終了する。この時点で、ゲートウェイリストバンド1は、図3Aを参照して上記で述べたように、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ30を交換することにより、病院ネットワーク4とのWLANまたはWWAN通信リンクを自動的に確立することができる。無線通信リンクが病院ネットワーク4と確立された後、ゲートウェイリストバンド1は、図3Aを参照して上
記で述べたように、メッセージ36で、患者IDを送信し、またメッセージ38でセンサデータを送信することができる。
【0028】
上記で述べた登録プロセスは、CRCL通信リンクに限定される必要はなく、それに代えて、図3Bで述べたように、PAN(パーソナルエリアネットワーク)(すなわち、中間的な範囲のネットワーク通信リンク)を用いて達成することができる。この実施形態では、病院ネットワーク4は、PAN送受信器で構成された端末を含むことができる。ゲートウェイリストバンド1が、そのネットワークPAN送受信器の範囲内に移動したとき、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ40を交換することができる。そのPAN通信リンクが確立された後、リストバンドIDまたは資格証明書が、PAN通信リンクを介して病院ネットワーク4に送信されうる。同様に、病院ネットワーク4は、メッセージ44で、患者IDまたは他の情報を、その同じPAN通信リンクを介してゲートウェイリストバンド1を送信することができる。ゲートウェイリストバンド1と病院ネットワーク4の間で、意図せずにPAN通信リンクが確立されることを回避するために、このようなPAN送受信器は、1つまたは数台の端末に限定することができ、患者の治療領域から除かれる。例えば、病院ネットワークのPAN送受信器を、患者が入院している(すなわち、ゲートウェイリストバンド1が患者に取り付けられている)領域だけに存在する端末に含めることができる。
【0029】
同様に、ゲートウェイリストバンド1は、PDA3などの移動計算装置と通信を確立することができる。ゲートウェイリストバンド1と移動計算装置3の間で交換されうるメッセージが、図3Cで示されている。ゲートウェイリストバンド1が移動計算装置3内の送受信器からの信号を検出したとき、ゲートウェイリストバンド1は、移動計算装置3とリンク確立ハンドシェーキングメッセージ50の交換を開始することができる。通信リンクが確立されると、移動計算装置3は、患者IDまたはデータ照会要求メッセージ52を送信することができる。患者IDまたはデータ照会要求メッセージ52の受信に応じて、ゲートウェイリストバンド1は、メッセージ54で、患者またはリストバンドIDを送信し、次いで、メッセージ56でセンサデータを送信することができる。ゲートウェイリストバンド1は、通信リンクが2つの装置間で確立されたときは常に、患者もしくはリストバンドIDおよびセンサデータ(メッセージ56)を、移動計算装置3に対して自動的に送信するように構成されうるので、患者IDまたはデータ照会要求メッセージ52は任意選択のものである。
【0030】
ゲートウェイリストバンド1と小型化された電子医療センサ2の間の通信が、図4で示されている。ゲートウェイリストバンド1が、小型化された電子医療センサ2からの信号を感知したとき、PAN通信リンクを確立するために、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ60を開始することができる。これらのリンク確立ハンドシェーキングメッセージ60は、実装された通信プロトコルに従って、PAN通信リンクを介して送信されることになる。PAN通信リンクが確立されると、医療センサ2は、メッセージ62で、センサIDを送信することができ、それにより、ゲートウェイリストバンド1に対する特定のセンサを識別することができる。センサIDを送信することにより、ゲートウェイリストバンド1は、いくつかの異なるセンサから、識別された、または各センサIDに関係付けられたデータを受信することが可能になる。このプロセスは、患者上に、または患者の内部に取り付けられた小型化された電子医療センサ2のすべてと通信リンクが確立されるまで続けることができる。ゲートウェイリストバンド1は、センサデータ照会メッセージ64を各センサに送ることにより、小型化された電子医療センサ2に照会することができる。医療センサは、照会を必要とせずに、そのデータを定期的に送信するように構成することができるので、このセンサデータ照会メッセージ64は任意選択のものである。定期的に、またはセンサデータ照会メッセージ64の受信に応じて、各小型化された電子医療センサ2は、メッセージ66で、そのセンサデータをゲートウェイリストバンド1に送信することになる。これらのデータ送信は、PANネットワーク内のすべてのセンサに対して繰り返され、センサが定期的にそのデータを報告する時間にわたり続けることができる。任意選択で、ゲートウェイリストバンド1は、センサデータ照会メッセージ64を送信することにより、定期的に、別の一連のセンサデータ送信(メッセージ66)を開始することもできる。
【0031】
図5は、小型化された電子医療センサ、ゲートウェイリストバンド1、および病院ネットワーク4もしくは移動計算装置3の間で交換されうるメッセージを示している。上記で論じたように、ゲートウェイリストバンド1は、リンク確立メッセージ(メッセージ30)を交換することにより、かつリストバンドおよび患者登録情報(メッセージ32)を交換することにより、病院ネットワーク4に登録することができる。病院ネットワーク4に登録されると、ゲートウェイリストバンド1は、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ60を交換することにより、患者上の小型化された電子医療センサ2のそれぞれと通信リンクを確立することができる。ゲートウェイリストバンド1は、センサID(メッセージ62)を受信し、かつセンサデータ照会メッセージ64に応じて達成されうるセンサデータ(メッセージ66)を受信する。ゲートウェイリストバンド1が、病院ネットワーク4または移動計算装置3から患者IDまたはデータ照会メッセージ34を受信した場合、メッセージ36で、リストバンドまたは患者IDを送信することができる。ゲートウェイリストバンド1はまた、メッセージ38で、受信したセンサデータを送信することができる。ゲートウェイリストバンド1が、移動計算装置3からの通信リンクを感知したとき、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ50を交換することにより、その装置と無線通信リンクを確立することができる。移動計算装置3は、IDおよび/またはデータ照会メッセージ52を送信することにより、患者IDおよび/またはデータを要求することができる。それに応じて、ゲートウェイリストバンド1は、メッセージ54で、患者またはリストバンドIDを送信し、またメッセージ56で、センサデータを送信することができる。
【0032】
様々な実施形態で実施できるオペレーションの例が、図6で示すプロセスの流れで示されている。上記で述べたように、ゲートウェイリストバンド1が、無線ネットワークを感知したとき、ステップ100で、ゲートウェイリストバンド1をネットワークにログインさせるのに十分なメッセージを交換することができる。ゲートウェイリストバンド1は、次いで、ステップ102で、そのパーソナルエリアネットワークの範囲内のセンサを検出し、かつそれぞれと通信リンクを確立することができる。すべてのパーソナルエリアネットワーク通信リンクが確立されると、医療センサおよびゲートウェイリストバンド1は、ステップ104で、患者の監視を開始することができる。ステップ106で、ゲートウェイリストバンド1が、センサデータを受信すると、判定108で、病院ネットワーク4が利用可能かどうかを判定することができる。通信リンクが、病院ネットワークと確立されている場合(すなわち、判定108=「はい」)、ステップ110で、患者IDをネットワークに送信し、ステップ112で、センサデータを送信することができる。すべてのデータが送信されると、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ106のセンサデータを受信するプロセスへと戻ることができる。しかし、病院ネットワーク4との通信リンクが存在しない場合(すなわち、判定108=「いいえ」)、ゲートウェイリストバンド1内のプロセッサは、ステップ114で、センサデータをメモリに記憶することができる。ゲートウェイリストバンド1はまた、ステップ116で、定期的にネットワークにログインすることを試みる。センサデータがメモリに記憶されたとき(ステップ114)、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ106のセンサデータを受信するステップに戻ることができる。
【0033】
移動計算装置と通信状態にあるゲートウェイリストバンド1により行うことのできる例示的なオペレーションが、図7で示すプロセスの流れ図で示されている。上記で論じたように、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ102で、そのパーソナルエリアネットワーク範囲内の医療センサを検出し、それぞれと通信を確立することができる。これらのパーソナルエリアネットワーク通信リンクが確立されると、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ104で患者を監視するプロセスを開始することができ、ステップ106で、センサデータを受信し、ステップ114で、このようなデータをメモリに記憶することを含む。このプロセスは、移動計算装置3が、ゲートウェイリストバンド1の通信範囲内に入るまで継続することができる。ゲートウェイリストバンド1が、移動計算装置3からのネットワーク信号を感知したとき、ステップ120で、リストバンドと移動計算装置通信リンクのネゴシエーションを行うことができる。その通信リンクが確立されると、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ122で、それ自体を移動計算装置へとログインさせて、ステップ124で、患者またはリストバンドIDを送信することができる。ゲートウェイリストバンド1が、移動計算装置3に対する患者を識別した後、ステップ126で、そのメモリ内に記憶したセンサデータの移動計算装置3への送信を開始することができる。
【0034】
ゲートウェイリストバンド1はまた、患者および患者の小型化された電子医療センサをセルラ式データ通信ネットワークを介して、病院または他の通信ネットワークに接続することを可能にするセルラ式電話送受信器で構成することもできる。例として、図8は、ゲートウェイリストバンド1が、MSC(mobile switching center:移動通信交換局)94に結合されたBS(基地局)92を含むセルラネットワークに接続するためのセルラ式電話送受信器を含んでいるセルラネットワークを含む通信ネットワークのブロック図を示している。オペレーションにおいて、MSC94は、セルラデータコールが確立されたとき、セルラ式無線通信リンク90を介して、基地局92によりゲートウェイリストバンド1との間でデータコールを経路指定することができる。MSCは、患者データを、病院ネットワーク4または医療従事者のパーソナルコンピュータ(図示せず)に中継できるように、インターネット24に結合されたサーバゲートウェイ96に結合されうる。図2を参照して上記で述べたように、病院ネットワーク4は、サーバ22および複数のコンピュータもしくはモニタ28に結合されたネットワークルータ19を含むことができる。
【0035】
図8で示す実施形態では、ゲートウェイリストバンド1は、小型化された電子医療センサ2a〜2dから患者データを収集して記憶し、定期的に電話番号をダイアルしてセルラデータコール(通信リンク90)を確立し、病院ネットワーク4内のサーバ22などのサーバにデータをダウンロードするように構成される。この実施形態は、絶えず監視される必要のある患者を帰宅できるようにする、または病院ネットワーク4の範囲外の施設に移動できるようにする。ゲートウェイリストバンド1は邪魔にならず、かつ通信、データ記憶、およびデータ中継機能を自律的に実施するソフトウェアで構成されるので、この実施形態は、遠隔患者監視に関連する負担の多くのものを除くはずである。
【0036】
図8で示された通信ネットワークで交換されうるメッセージが図9で示されている。上記で述べたように、ゲートウェイリストバンド1は、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ60を交換し、メッセージ62でセンサIDを受信することなどにより、そのパーソナルエリアネットワークの範囲内にある小型化された電子医療センサ2のそれぞれと通信リンクを確立する。ゲートウェイリストバンド1は、センサデータ照会メッセージ64を送ることにより、定期的にセンサに照会することができる。それに応じて、小型化された電子医療センサ2は、そのデータをゲートウェイリストバンド1に送信する(メッセージ66)ことができ、リストバンド1はそのデータをメモリに保管する。毎日、1時間ごとに、または何らかの他の頻度でなど定期的に、ゲートウェイリストバンド1は、メッセージ70で、セルラネットワークにデータコールを行うことができる。セルラネットワークを介して、ネットワークサーバ22にデータコールを確立するために必要なメッセージおよびステップは、標準のセルラ式通信システムで実施されるものと一致している。ネットワークサーバ22へのデータ通信リンクが、セルラネットワークを介して確立された後、ゲートウェイリストバンド1は、メッセージを交換し、かつメッセージ72で、それ自体をサーバに登録するのに必要なデータを送信することができる。患者データは、HIPAセキュリティ要件に従う必要があるため、ゲートウェイリストバンド1およびサーバ22は、メッセージ74を交換することにより、暗号化された通信リンクのネゴシエーションを行うことができる。このような暗号化されたデータ通信リンクの確立は、このような目的に対してよく知られたプロトコルを使用することができる。暗号化された通信リンクが確立されると、病院ネットワークサーバ22は、任意選択のメッセージ76で、患者IDまたは患者データを要求することができる。ゲートウェイリストバンド1は、サーバ22との通信リンクが確立されると、このような情報を自動的に送信するように構成されうるので、この患者IDおよび/またはデータ照会メッセージ76は任意選択のものである。ゲートウェイリストバンド1は、次いで、メッセージ78で、患者またはリストバンドIDを病院ネットワークサーバに送信し、メッセージ80で、記憶されたセンサデータを
伝達することができる。データコールが確立される間に、病院ネットワークサーバはまた、メッセージ82で、コマンドをゲートウェイリストバンド1に送信することもできる。すべてのセンサデータが送信され、命令が受信されると、病院ネットワークサーバ22、またはゲートウェイリストバンド1は、データコールを終了することができる。
【0037】
図8で示されたネットワークで実施されうる例示的なオペレーションは、図10で示すプロセスの流れ図で示されている。上記で述べたように、ゲートウェイリストバンド1は、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ60を交換し、メッセージ62でセンサIDを受信することなどにより、そのパーソナルエリアネットワークの範囲内にある小型化された電子医療センサ2のそれぞれと通信リンクを確立する。ゲートウェイリストバンド1は、センサデータ照会メッセージ64を送ることにより、定期的に、センサに照会することができる。それに応じて、小型化された電子医療センサ2は、ステップ106で、ゲートウェイリストバンド1により受信され、かつステップ114でメモリに保管されるそのデータを、メッセージ66で送信することができる。定期的に、ゲートウェイリストバンド1のプロセッサは、判定130で、病院ネットワークにデータを報告する時間かどうかを判定することができる。データを報告する時間ではない場合(すなわち、判定130=「いいえ」)、ステップ106のセンサデータを受信するプロセス、およびステップ114のセンサデータをメモリに記憶するプロセスを継続することができる。データを報告する時間である場合(すなわち、判定130=「はい」)、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ132で、そのセルラネットワーク送受信器を活動化して、(例えば)病院ネットワーク4のネットワークサーバ22にデータコールを送り、そのネットワークにログインする。病院ネットワーク4へのログインの一部として、病院ネットワークサーバ22およびゲートウェイリストバンド1は、ステップ134で、暗号化された通信リンクとのネゴシエーションを行うことができる。暗号化された通信リンクが確立されると、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ136で、患者またはリストバンドIDをサーバ22に送信することができる。ゲートウェイリストバンド1は、次いで、ステップ138で、記憶したセンサデータをサーバ22に送信することができる。ネットワークサーバ22はまた、ステップ140で、報告する頻度を変更するために、または特定のセンサの監視を開始/終了するためになど、ゲートウェイリストバンド1にコマンドを送信することができる。すべてのデータが送信され、すべてのコマンドが受信され、かつ確認された後、ス
テップ142で、データコールは終了する。この時点で、ゲートウェイリストバンド1は、ステップ106のセンサデータの受信へと戻ることができる。
【0038】
例示的なゲートウェイリストバンド1に含むことのできる例示的なコンポーネントが、図11で示されている。実施形態では、ゲートウェイリストバンド1は、耐水性のリストバンド14内に密封された通信インターフェースゲートウェイ装置150を含む。好ましい実施形態では、耐水性のリストバンド14は、医療施設で使用される消毒および洗浄溶液に対して耐性のある任意のプラスチックまたはゴム物質から製作される。通信インターフェースゲートウェイ装置150は、メモリ152、および電池153などの電源に結合されたプロセッサ151を含むことができる。実施形態では、通信インターフェースゲートウェイ装置150はまた、動作状況情報を伝えるために使用することのできる1つまたは複数のLED(発光ダイオード)154を含むことができる。WLANまたはWWAN送受信器155は、プロセッサ151に結合され、かつ無線ネットワークとWLANまたはWWAN通信リンク12を確立するように構成することができる。PAN送受信器156はまた、プロセッサ151に結合され、かつPAN通信リンク10を確立するように構成される。通信インターフェースゲートウェイ装置150はまた、誘導充電回路要素157を含むことができ、したがって、電池153は、ゲートウェイリストバンド1を誘導充電システムの近傍に置くことにより、再充電することができる。このような誘導充電要素157は、整流回路159に結合された誘導コイル158を含むことができる。交番磁界がコイル158に印加されたとき、交流がコイルに誘起され、それは、整流回路159により整流されて充電電圧を出力する。充電電圧は、プロセッサ151により調整されて、電池153を充電するために使用することができる。
【0039】
図8〜10を参照して上記で述べた実施形態では、ゲートウェイリストバンド1は、WWAN送受信器155として、セルラ式電話送受信器を含むことができる。実施形態では、WLANまたはWWAN送受信器155は、無線ローカルエリアネットワーク(例えば、WiFi)、およびセルラ式電話無線広域ネットワークのいずれか、または両方と通信するように構成することができる。他の実施形態では、ゲートウェイリストバンド1は、WLAN送受信器155とセルラ式電話送受信器とを共に含むことができる。後者を別個には示していないが、コンポーネントブロック図で同様に表されることになる。
【0040】
例示的な小型化された電子医療センサ2が図12で示されている。小型化された電子医療センサ2は、メモリ162、および電池163などの電源に結合されたプロセッサ161を含むことができる。小型化された電子医療センサ2は、プロセッサ6と、ブルートゥース(登録商標)プロトコルを用いるなど、パーソナルエリアネットワーク範囲の無線通信を確立するように構成されたアンテナとに結合されたPAN送受信器166を含むことができる。小型化された電子医療センサ2はさらに、医療用技術分野でよく知られている様々な医療用の機械的、電気的、または化学的センサのうちのいずれかとすることのできる1つまたは複数の医療センサ164a〜164dを含むことができる。
【0041】
様々な実施形態を、図13で示されたPDA3などの移動計算装置と共に使用できるが、あるいはその移動計算装置と通信することができる。例えば、移動計算装置3は、内部メモリ172、およびLCD(液晶ディスプレイ)などのディスプレイ173に結合されたプロセッサ171を含むことができ、そのすべてがケースまたはハウジング170の内部に含まれる。さらに、移動計算装置3は、プロセッサ171に結合された無線データリンク送受信器175に接続された、電磁放射を送りかつ受信するためアンテナ174を有することができる。このようなWLAN無線データリンク送受信器175は、病院無線ネットワーク4と接続するために、IEEE802.11またはWiMaxなど、任意の知られた無線広域通信プロトコルに従って構成することができる。移動装置3はまた、ゲートウェイリストバンド1、または患者の小型化された電子医療センサ2との通信を可能にするための、プロセッサ171およびアンテナ174に結合された、PAN送受信器178などの第2の無線送受信器を含むことができる。移動計算装置3はまた、通常、キーパッド176もしくは小型のキーボードと、ディスプレイ173内のカーソルを位置決めするためのユーザ入力を受け取る位置指示装置として働くことのできるメニュー選択ボタンもしくはシーソースイッチ177とを含む。
【0042】
様々な装置において、プロセッサ151、161、および171は、上記で述べた様々な実施形態のオペレーションを含む様々なオペレーションを実施するためのソフトウェア命令により構成することができる、任意の1つまたは複数のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはマルチプロセッサチップとすることができる。いくつかの装置では、1つのプロセッサが無線通信機能専用であり、1つのプロセッサは他のアプリケーション実行に専用であるなど、複数のプロセッサ151、161、および171を設けることができる。通常、ソフトウェア命令は、それがアクセスされてプロセッサ151、161、171にロードされる前に、内部メモリ152、162、172に記憶することができる。いくつかの装置では、プロセッサ151、161、171は、ソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含むことができる。本記述では、メモリという用語は、接続されたメモリユニット152、162、172、およびプロセッサ151、161、171それ自体に含まれるメモリを含む、プロセッサ151、161、171によりアクセスできるすべてのメモリを指す。センサデータは、通常、メモリユニット152、162、172に記憶されることになる。多くの装置では、メモリ152、162、172は、揮発性メモリ、またはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、あるいはその両方の混合とすることができる。
【0043】
当業者であれば、本明細書で開示された諸態様に関して述べた様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実施できることが理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの相互互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概して、その機能の点から上記で述べられてきた。当業者であれば、前述の機能を、特定の用途ごとに様々な方法で実施することができるが、このような実施の判断を、本発明の範囲から逸脱させるものと解釈すべきではない。
【0044】
様々な実施形態では、上記で述べた機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施することができる。このような機能を、ハードウェア、またはソフトウェアで実施するかどうかは、個々の用途、およびシステム全体に課せられた設計制約に依存する。ソフトウェアで実施される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶され、または送信されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムを1つの場所から他所へと転送することを容易にする任意の媒体を含む通信媒体とを共に含む。記憶媒体は、コンピュータでアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。例としてであり、限定するものではないが、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶装置、あるいは命令またはデータ構造の形で望ましいプログラムコードを搬送する、または記憶するために使用されうる、かつコンピュータでアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。さらに、いずれの接続も、適正にコンピュータ可読媒体と称される。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL(デジタル加入者線)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を用いて、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(diskおよびdisc)は、CD(コンパクトディスク)、レーザディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disc:デジタル多用途ディスク)、フレキシブルディスク、ブルーレイディスクを含むが、その場合、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生するものであり、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含むべきである。
【0045】
上記で述べられ、かつ諸図で示された方法の諸ステップの順序は、例示のために過ぎず、いくつかのブロックの順序を、本発明および特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で述べたものから変更することができる。
【0046】
本明細書で開示された諸態様に関して述べられた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサで実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、プロセッサ可読のメモリ中に常駐することができ、それは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られた他の任意の形の記憶媒体のいずれかとすることができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、記憶媒体から情報を読み取り、かつそれに情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替的に、記憶媒体は、プロセッサと一体化することもできる。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC中に存在することができる。ASICは、ユーザ端末または移動装置中に存在することができる。代替的に、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末または移動装置中に個別のコンポーネントとして存在することができる。さらに、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのブロックおよび/またはアクションは、コンピュータプログラム製品へと組み込むことができるマシン可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上に、1つまたは任意の組合せの、または1組のコードおよび/または命令として、常駐することができる。
【0047】
開示された諸実施形態のこれまでの記述は、任意の当業者が本発明を製作し、または使用できるようにするために提供される。これらの実施形態への様々な変更は、当業者であれば容易に明らかになるものであり、また本明細書で規定された包括的な原理は、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書で開示された実施形態に限定されることを意図しておらず、本明細書で開示された原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【符号の説明】
【0048】
1 ゲートウェイリストバンド
2a 小型化された電子医療センサ
2b 小型化された電子医療センサ
2c 小型化された電子医療センサ
2d 小型化された電子医療センサ
3 PDA
4 病院ネットワーク
5 基地局、基地局アンテナ
10 PAN通信リンク
12 広域無線通信リンク、WLANまたはWWAN通信リンク、データネットワーク信号
14 有線接続、耐水性のリストバンド
18 無線ルータ
19 ネットワークルータ
22 病院ネットワークサーバ
24 インターネット
26 サーバ
28 インターネット接続、モニタ
30 ラップトップコンピュータ、リンク確立ハンドシェーキングメッセージ
32 登録メッセージ
34 照会メッセージ
36 メッセージ
38 メッセージ
40 リンク確立ハンドシェーキングメッセージ
42 資格証明書メッセージ
44 メッセージ
50 リンク確立ハンドシェーキングメッセージ
52 データ照会要求メッセージ
54 メッセージ
56 メッセージ
60 リンク確立ハンドシェーキングメッセージ
62 メッセージ
64 センサデータ照会メッセージ
66 メッセージ
70 メッセージ
72 メッセージ
74 メッセージ
76 患者IDおよび/またはデータ照会メッセージ
78 メッセージ
80 メッセージ
82 メッセージ
90 セルラ式無線通信リンク
92 BS(基地局)
94 MSC(移動通信交換局)
96 サーバゲートウェイ
150 通信インターフェースゲートウェイ装置
151 プロセッサ
152 内部メモリ、メモリユニット
153 電池
154 LED(発光ダイオード)
155 WLANまたはWWAN送受信器
156 PAN送受信器
157 誘導充電回路要素
158 誘導コイル
159 整流回路
161 プロセッサ
162 内部メモリ、メモリユニット
163 電池
164a 医療センサ
164b 医療センサ
164c 医療センサ
164d 医療センサ
165 PAN送受信器
170 ケースまたはハウジング
171 プロセッサ
172 内部メモリ、メモリユニット
173 ディスプレイ
174 アンテナ
175 WLAN無線データリンク送受信器
176 キーパッド
177 メニュー選択ボタンもしくはシーソースイッチ
178 PAN送受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を識別し、医療センサデータを伝達するための方法であって、
第1の通信プロトコルに従って通信する第1の送受信器により、少なくとも1つの医療センサからデータを受信するステップと、
第2の通信プロトコルに従って通信する第2の送受信器により、患者識別子を外部ネットワークに伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の送受信器により、前記外部ネットワークに中継するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの医療センサを感知するステップと、
前記少なくとも1つの医療センサと、前記第1の送受信器の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第1の送受信器によりセンサ識別子を受信するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外部ネットワークを感知するステップと、
前記外部ネットワークと前記第2の送受信器の間で通信リンクを確立するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信したデータを記憶するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の送受信器と前記外部ネットワークの間で暗号化された通信リンクを確立するステップをさらに含み、
前記患者識別子、および前記受信したデータが、前記暗号化された通信リンクを介して送信される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記患者識別子が、前記患者に割り当てられた識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記患者識別子が、前記外部ネットワークに記憶されたデータテーブル中の前記患者に関係付けられた装置識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
外部の無線通信装置を感知するステップと、
前記第2の通信プロトコルに従って、前記第2の送受信器と前記外部の無線通信装置の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第2の送受信器により、前記患者識別子を前記外部の無線通信装置に伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の送受信器により、前記外部の無線通信装置に中継するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
リストバンドと、
前記リストバンド内に密封されたプロセッサと、
第1のプロトコルに従って通信するように構成され、前記プロセッサに結合された第1の無線送受信器と、
第2のプロトコルに従って通信するように構成され、前記プロセッサに結合された第2の無線送受信器と、
患者識別子を含み前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、
前記プロセッサが、
前記第1の無線送受信器により少なくとも1つの医療センサからデータを受信するステップと、
前記第2の無線送受信器により前記患者識別子を外部ネットワークに伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の無線送受信器により前記外部ネットワークに中継するステップと
を含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項10】
前記プロセッサが、
前記少なくとも1つの医療センサを感知するステップと、
前記少なくとも1つの医療センサと、前記第1の無線送受信器の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第1の無線送受信器によりセンサ識別子を受信するステップと
をさらに含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項11】
前記プロセッサが、
前記外部ネットワークを感知するステップと、
前記外部ネットワークと前記第2の無線送受信器の間で通信リンクを確立するステップと
をさらに含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項12】
前記プロセッサが、
前記受信したデータを前記メモリに記憶するステップ
をさらに含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項13】
前記プロセッサが、
前記第2の無線送受信器と前記外部ネットワークの間で暗号化された通信リンクを確立するステップであり、
前記患者識別子および前記受信したデータが、前記暗号化された通信リンクを介して送信される、ステップ
をさらに含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、請求項11に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項14】
前記メモリに記憶された前記患者識別子が、前記患者に割り当てられた識別子を含む、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項15】
前記患者識別子が、前記外部ネットワークに記憶されたデータテーブル中の前記患者に関係付けられた前記通信ゲートウェイリストバンドの識別子を含む、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項16】
前記プロセッサに結合された電池と、
前記プロセッサに結合された誘導充電回路と
をさらに備える、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項17】
前記プロセッサ、第1および第2の送受信器、およびメモリが、防水性を有するように前記リストバンド内に密封され、かつ
前記リストバンドが、病院施設で使用される消毒および洗浄溶液に対して耐性を有するように構成される、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項18】
前記プロセッサが、
外部の無線通信装置を感知するステップと、
前記第2の通信プロトコルに従って、前記第2の送受信器と前記外部の無線通信装置の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第2の送受信器により、前記患者識別子を前記外部の無線通信装置に伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の送受信器により前記外部の無線通信装置に中継するステップと
をさらに含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、請求項9に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項19】
第1の通信プロトコルに従って通信する第1の無線送受信器により、少なくとも1つの医療センサからデータを受信するステップと、
第2の通信プロトコルに従って通信する第2の無線送受信器により、患者識別子を外部ネットワークに伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の無線送受信器により、前記外部ネットワークに中継するステップと
を含むステップをプロセッサに実施させるように構成された、プロセッサで実行可能なソフトウェア命令をその上に記憶した記憶媒体。
【請求項20】
前記記憶媒体が、
前記少なくとも1つの医療センサを感知するステップと、
前記少なくとも1つの医療センサと、前記第1の送受信器の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第1の無線送受信器によりセンサ識別子を受信するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実施させるように構成された、プロセッサで実行可能なソフトウェア命令を有する、請求項19に記載の記憶媒体。
【請求項21】
前記記憶媒体が、
前記外部ネットワークを感知するステップと、
前記外部ネットワークと前記第2の無線送受信器の間で通信リンクを確立するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実施させるように構成された、プロセッサで実行可能なソフトウェア命令を有する、請求項19に記載の記憶媒体。
【請求項22】
前記記憶媒体が、
前記受信したデータを前記メモリに記憶するステップ
を含むさらなるステップをプロセッサに実施させるように構成された、プロセッサで実行可能なソフトウェア命令を有する、請求項19に記載の記憶媒体。
【請求項23】
前記記憶媒体が、
前記第2の無線送受信器と前記外部ネットワークの間で暗号化された通信リンクを確立するステップであり、
前記患者識別子、および前記受信したデータが、前記暗号化された通信リンクを介して送信される、ステップ
を含むさらなるステップをプロセッサに実施させるように構成された、プロセッサで実行可能なソフトウェア命令を有する、請求項21に記載の記憶媒体。
【請求項24】
前記患者識別子が、前記患者に割り当てられた識別子を含む、請求項19に記載の記憶媒体。
【請求項25】
前記患者識別子が、前記外部ネットワークに記憶されたデータテーブル中の前記患者に関係付けられた装置識別子を含む、請求項19に記載の記憶媒体。
【請求項26】
前記記憶媒体が、
外部の無線通信装置を感知するステップと、
前記第2の通信プロトコルに従って、前記第2の送受信器と前記外部の無線通信装置の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第2の送受信器により、前記患者識別子を前記外部の無線通信装置に伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の送受信器により、前記外部の無線通信装置に中継するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実施させるように構成された、プロセッサで実行可能なソフトウェア命令を有する、請求項19に記載の記憶媒体。
【請求項27】
第1の通信プロトコルにより、少なくとも1つの医療センサからデータを受信するための手段と、
第2の通信プロトコルにより、患者識別子を外部ネットワークに伝達するための手段と、
前記受信したデータを、前記第2の通信プロトコルにより前記外部ネットワークに中継するための手段と
を備える通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項28】
前記少なくとも1つの医療センサを感知するための手段と、
前記第1の通信プロトコルを用いて、前記少なくとも1つの医療センサと通信リンクを確立するための手段と、
前記第1の通信プロトコルによりセンサ識別子を受信するための手段と
をさらに備える、請求項27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項29】
前記外部ネットワークを感知するための手段と、
前記第2の通信プロトコルを用いて前記外部ネットワークと通信リンクを確立するための手段と
をさらに備える、請求項27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項30】
前記受信したデータを記憶するための手段
をさらに備える、請求項27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項31】
前記外部ネットワークと暗号化された通信リンクを確立するための手段
をさらに備え、
前記患者識別子、および前記受信したデータが、前記暗号化された通信リンクを介して送信される、請求項29に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項32】
第2の通信プロトコルにより患者識別子を外部ネットワークに伝達するための前記手段が、前記患者に割り当てられた患者識別子を伝達するための手段を備える、請求項27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項33】
第2の通信プロトコルにより患者識別子を外部ネットワークに伝達するための前記手段が、前記外部ネットワークに記憶されたデータテーブル中の前記患者と関係付けられた装置識別子を伝達するための手段を備える、請求項27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項34】
電力を供給するための手段と、
電力を供給するための前記手段を充電するための手段
をさらに備える、請求項27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項35】
外部の無線通信装置を感知するための手段と、
前記第2の通信プロトコルに従って、前記第2の送受信器と前記外部の無線通信装置の間で通信リンクを確立するための手段と、
前記第2の送受信器により、前記患者識別子を前記外部の無線通信装置に伝達するための手段と、
前記受信したデータを、前記第2の送受信器により、前記外部の無線通信装置に中継するための手段と
をさらに備える、請求27に記載の通信ゲートウェイリストバンド。
【請求項36】
第1の無線通信プロトコルにより通信するように構成された第1の無線ネットワークと、
第2の無線通信プロトコルにより通信するように構成された少なくとも1つの小型化された電子医療センサと、
通信ゲートウェイリストバンドとを備える通信システムであって、前記通信ゲートウェイリストバンドは、
リストバンドと、
前記リストバンド内に密封されたプロセッサと、
前記第1の通信プロトコルに従って通信するように構成され、前記プロセッサに結合された第1の無線送受信器と、
前記第2の通信プロトコルに従って通信するように構成され、前記プロセッサに結合された第2の無線送受信器と、
患者識別子を含む、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、
前記プロセッサが、
前記第1の無線送受信器により、前記少なくとも1つの小型化された電子医療センサからデータを受信するステップと、
前記第2の無線送受信器により、前記患者識別子を前記第1のネットワークに伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の無線送受信器により、前記第1のネットワークに中継するステップと
を含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、通信システム。
【請求項37】
外部の無線通信装置をさらに備え、
前記プロセッサが、
前記外部の無線通信装置を感知するステップと、
前記第2の通信プロトコルに従って、前記第2の送受信器と前記外部の無線通信装置の間で通信リンクを確立するステップと、
前記第2の送受信器により、前記患者識別子を前記外部の無線通信装置に伝達するステップと、
前記受信したデータを、前記第2の送受信器により前記外部の無線通信装置に中継するステップと
をさらに含むステップを実施するためのソフトウェア命令で構成される、請求項36に記載の通信システム。

【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−529926(P2012−529926A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515146(P2012−515146)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/038198
【国際公開番号】WO2010/144720
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】