説明

癌の診断方法、及び癌の罹病性の判定方法

本発明の癌の診断方法は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする。本発明の癌の診断方法によれば、臓器や発癌の原因等にかかわらず、癌細胞の存在を調べることができる。また、本発明の癌の罹病性の判定方法は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、癌の診断方法、癌の罹病性の判定方法に関する。具体的には、DNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することにより、癌、癌の罹病性を判定することのできる方法に関する。
【背景技術】
ヒトの癌の診断方法として、例えば血清等の生体試料を用いた方法が知られている。例えば、血清等の生体試料中の腫瘍マーカーを測定する癌の診断方法が開発されている。腫瘍マーカーとしては、例えば前立腺癌のマーカーである前立腺特異抗原(PSA)、子宮頸部癌のマーカーである扁平上皮癌関連抗原(SCC)、肝細胞癌のマーカーであるアルファーフェトプロテイン(AFP)、大腸癌のマーカーである癌胎児性抗原(CEA)等が知られている。腫瘍マーカーに対する高感度の測定方法としては、腫瘍マーカーである物質に対する異種モノクローナル抗体を用いた放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光抗体法(FIA)等が開発されている。
従来の腫瘍マーカーは、特定の臓器の癌の診断を目的とするものであって、いずれの腫瘍マーカーも特定の臓器の癌の診断にしか用いることができない。また、適当なマーカーの存在しない臓器の癌も存在するため、広く癌一般の診断に利用できるものではない。また、従来より知られている腫瘍マーカーは厳密に癌に特異的な物質ではなく、正常な生体においてもある程度は産生されているものであるため、腫瘍マーカーの産生が微量である初期癌の判定、癌にかかりやすい、罹病性の判断に用いるのは困難である。
従って、本発明の目的は、臓器や発癌の原因等の違いにかかわらず、癌細胞の存在を調べる方法を提供することにある。具体的には、癌の診断方法、及び癌に対する罹病性を判定するための方法を提供することにある。
【発明の開示】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、2本鎖DNA切断の修復過程において重要な役割を担っている酵素、DNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することにより上記目的を達成し得るという知見を得、本発明を完成させた。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする癌の診断方法を提供するものである。
また、本発明は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;及び被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較する工程を含む癌の診断方法を提供するものである。
また、本発明は、上記癌の診断方法により癌を診断するための癌診断キットを提供するものである。該癌診断キットは、少なくとも、DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドを含有する。
また、本発明は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする癌の罹病性の判定方法を提供するものである。
また、本発明は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;及び被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較する工程を含む癌の罹病性の判定方法を提供するものである。
また、本発明は、上記癌の罹病性の判定方法により癌の罹病性を判定するための癌罹病性判定キットを提供するものである。該癌罹病性判定キットは、少なくとも、DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドを含有する。
【図面の簡単な説明】
図1は、DNA依存性プロテインキナーゼ活性と染色体異常との関係を示すグラフである。
図2は、癌患者及び正常群のリンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼ活性の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の癌の診断方法について説明する。
本発明の癌の診断方法は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする。具体的には、本発明の癌の診断方法は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;及び被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較する工程を含む。
生体内において、遺伝子(DNA分子)は、鎖内架橋、塩基修飾、塩基喪失、二重鎖間架橋等の様々な損傷を環境から受けている。これらの損傷は、突然変異の主原因となる。突然変異が蓄積すると、細胞が癌化するなど、突然変異と癌化とは密接に関連している。上記DNAの損傷の中でも、2本鎖DNAの切断は最も重篤なDNA損傷である。
2本鎖DNA切断の修復メカニズム及び修復過程に関する蛋白質の全容については、解明されつつある。修復メカニズムの概略について説明すると、DNA依存性プロテインキナーゼのKuサブユニットが切断された2本鎖DNAの切れ橋に結合し、触媒サブユニット(DNA−PKcs)を動員し、活性化する。このDNA依存性プロテインキナーゼは、DNAリガーゼIVと結合しているXRCC4タンパク質等をリン酸化し、これによって活性あるいは局在の調節を受けたDNAリガーゼIVが切断されたDNA2本鎖を再結合するというものである。DNA依存性プロテインキナーゼは、2本鎖DNA切断の修復過程において重要な役割を担っている酵素である。
このようなDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することにより、癌の診断が可能であることを見出した。
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する方法について説明する。
DNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定するために用いられる細胞としては、例えばリンパ細胞、線維芽細胞等が挙げられ、中でもリンパ細胞を用いることが好ましい。
以下、DNA依存性プロテインキナーゼの活性(リン酸化活性)を測定するためにリンパ細胞を用いる場合について説明する。
リンパ細胞は、比重遠心法により血液から得ることができる。具体的には、リンホプレップ(ニコメッド社製)に血液を重層し、遠心分離した後、リンパ細胞の部分を採取して得ることができる。
得られたリンパ細胞を破砕し、細胞中のタンパク質量を測定する。リンパ細胞を破砕する方法に特に制限はないが、例えば、リンパ細胞を凍結し、次いで溶解する。この操作を3度繰り返すことによってリンパ細胞を破壊することができる。
次いで、破砕したリンパ細胞に、DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチド(例えば、ヒトP53 suppressor proteinの一部のアミノ酸配列を含むもの)を加えた反応緩衝液(32P−ATPを含む)中で、DNAの存在下、又は非存在下でリン酸化反応を行う。反応を行うための反応緩衝液としては、生理食塩加リン酸緩衝液、HEPES緩衝液等が挙げられ、緩衝液のpHは、DNA依存性プロテインキナーゼの至適pH付近であればよい。
リン酸化反応が終了した後、反応液をろ紙にスポットし、ろ紙を洗浄した後、エタノールで置換し、液体シンチレーションカウンターを用いて、ろ紙上に残存する放射活性を測定する。タンパク質の単位量当たりの放射活性を求め、DNA依存性プロテインキナーゼの活性とする。
なお、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性も、上記と同様にして求める。
次いで、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較し、癌の診断を行う。
すなわち、被験者のDNA依存性プロテインキナーゼの活性が、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性よりも低い場合、被験者が癌である可能性が高いと診断され、逆に高い場合は、被験者が癌でない可能性が高いと診断される。
以上、DNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する方法について説明したが、DNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することのできる方法であれば、上述した方法に限定されず、どのような方法であってもよい。
全ての癌において、DNA依存性プロテインキナーゼの活性が低下していると考えられるので、本発明の癌の診断方法は全ての癌の診断に用いることができる。そのような癌としては、例えば乳癌、子宮癌、頭頸部癌、悪性リンパ腫、肺癌、食道癌、大腸癌、膵臓癌等が挙げられる。
次に、本発明の癌診断方法により癌を診断するための癌診断キットについて説明する。本発明の癌診断キットは、上述した本発明の癌の診断方法により癌を診断するためのキットであり、少なくともDNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドを含有する。DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドとしては、例えばヒトP53 suppressor proteinやXRCC4タンパク質の一部のアミノ酸配列を含むものが挙げられる。具体的には、配列番号1で示すものが挙げられる。
本発明の癌診断キットは、更に反応を行うための緩衝液を含んでいてもよい。このような緩衝液としては、例えば、上述した癌診断方法で例示したものが挙げられ、DNA依存性プロテインキナーゼのリン酸化を検出するため、基質を標識するための32P−ATPを含んでいることが好ましい。本発明の癌診断キットは、上述した本発明の癌の診断方法を実施することのできるものであり、癌の診断方法を実施するのに有効である。
次に、本発明の癌の罹病性の判定方法について説明する。
本発明の癌の罹病性の判定方法は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする。具体的には、本発明の癌の診断方法は、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;及び被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較する工程を含む。
本発明の癌の罹病性の判定方法において、DNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する方法は、上述した本発明の癌の診断方法において説明した方法と同様である。
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較し、癌の罹病性の判定を行う。
すなわち、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性が、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性よりも低い場合、被験者の細胞は癌が発生しやすいと判定され、逆に高い場合は、被験者の細胞は癌が発生し難いものであると判定される。
本発明の癌の罹病性の判定方法によれば、被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定するので、このDNA依存性プロテインキナーゼの活性が低い人は、突然変異を起こしやすいことが予想され、将来癌が発生しやすいと予想される。従って、より選択的に癌検診を行う健常者を選択することに使用することができる。
上述したように、全ての癌において、DNA依存性プロテインキナーゼの活性が低下していると考えられるので、本発明の癌の罹病性の判定方法は全ての癌の診断に用いることができる。そのような癌としては、上述した本発明の癌の診断方法において説明したものが挙げられる。
次に本発明の癌の罹病性の判定方法により癌の罹病性を判定するための癌罹病性判定キットについて説明する。本発明の癌罹病性判定キットは、上述した癌の罹病性の判定方法により癌の罹病性を判定するためのキットであり、少なくともDNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドを含有する。DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドとしては、上述した、癌診断キットに含有されるものが挙げられる。
本発明の癌罹病性判定キットは、更に反応を行うための緩衝液を含んでいてもよい。このような緩衝液としては、例えば、上述した癌診断方法で例示したものが挙げられ、DNA依存性プロテインキナーゼのリン酸化を検出するため、基質を標識するための32P−ATPを含んでいることが好ましい。本発明の癌罹病性判定キットは、上述した本発明の癌罹病性の判定方法を実施することのできるものであり、癌罹病性の判定方法を実施するのに有効である。
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
DNA依存性プロテインキナーゼ活性と染色体異常との関係
正常群及び癌患者のリンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼ活性と、それぞれの細胞の染色体異常との関係について調べた。なお、癌患者由来のリンパ細胞としては、乳癌、子宮癌、頭頸部癌、悪性リンパ腫の患者由来のリンパ細胞を用いた。
リンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性測定は以下の通り行った。
正常群及び癌患者の血液からリンパ細胞を得た。健常者及び癌患者の血液20mlをリンホプレップ(ニコメッド社製)に重層し、4℃で1500rpmで30分間遠心分離し、リンパ細胞の部分を採取し、リンパ細胞を得た。得られたリンパ細胞を凍結し、次いで溶解した。この操作を3度繰り返し、リンパ細胞を破砕した。次いで、破砕したリンパ細胞のタンパク質量を測定した。
次いで、破砕されたリンパ細胞に、DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチド(配列番号1で示されるもの)を、上記で求めたタンパク質量1.25μgに対し5μg含む反応緩衝液(HEPES−NaOH pH7.2、100pモルの32P−ATP及び990pモルのATPを含む)を加えた。次いで、反応混合液にDNA0.4ngを加え、基質ペプチドのリン酸化反応を行った。なお、DNAを加えないものをコントロールとした。
リン酸化反応は、37℃の温度で10分間行い、リン酸化反応を終了させた後、反応液をろ紙にスポットした。ろ紙を洗浄した後、エタノールで置換し、液体シンチレーションカウンターを用いて、ろ紙上の放射活性を測定した。測定値は、実際の測定値からコントロールの測定値を引いたものを用いた。
染色体異常は以下のようにして求めた。
上記と同様の対象のうち、健常者(正常群)10名、癌患者10名より血液2mlを採血した。採血した血液を、牛胎児血清2mlを含む培養液(RPMI−1640、シグマ社製)10mlに加え、PHA(Phytohemaglutinin。ミュレックス社製)100μl、及びコルセミド(ギブコ社製)40μlを添加し、5%CO、37℃で48時間培養した。培養後、酢酸メタノールにより細胞を固定し、スライドグラス上に展開し、ギムザ染色を行ってリンパ細胞の染色体異常を観察した。各サンプル毎に200個の細胞を数え、異常の頻度は細胞100個あたりの染色体断片の数で示した。
DNA依存性プロテインキナーゼ活性と、染色体異常との関係を図1に示す。図1は、DNA依存性プロテインキナーゼ活性と染色体異常との関係を示すグラフであり、横軸はDNA依存性プロテインキナーゼ活性であり、縦軸は染色体異常の値を示す。また、図1において、黒丸は癌患者における結果であり、白丸は正常群における結果である。図1に示すように、DNA依存性プロテインキナーゼ活性が高いほど染色体異常の値は低く、逆にDNA依存性プロテインキナーゼ活性が低いほど染色体異常の値が高いことがわかる。また、癌患者においてはDNA依存性プロテインキナーゼ活性が、正常群よりも低い傾向にあることがわかる。すなわち、2本鎖DNA切断の修復課程において重要な役割を担う酵素である、DNA依存性プロテインキナーゼの活性が低いほど、癌にかかりやすいことがわかる。
【実施例2】
癌患者及び正常群のリンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼ活性を測定した。なお、癌患者由来のリンパ細胞としては、乳癌、子宮癌、頭頸部癌、悪性リンパ腫の患者由来のリンパ細胞を用いた。癌患者としては50名、正常群としては40名のリンパ細胞を用いてDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定した。DNA依存性プロテインキナーゼの活性測定は、実施例1と同様に行った。
結果を図2に示す。図2は、癌患者及び正常群のリンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼ活性の測定結果を示すグラフである。図2において、縦軸はDNA依存性プロテインキナーゼの活性を示す。図2に示すように、癌患者由来のリンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼ活性は、正常群よりも有意に低下していた。この結果より、リンパ細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼ活性を測定することにより癌の診断が可能であることがわかる。
以上詳述した通り、本発明の癌の診断方法によれば、臓器や発癌の原因等にかかわらず、癌細胞の存在を調べることができる。また、本発明の癌の罹病性の判定方法によれば、癌にかかりやすいか否かを調べることができる。
従って、本発明の癌の罹病性の判定方法は、実際に癌が発生しているか否かのみならず、被験者が癌にかかりやすいか否かを調べることができるので、癌検診にも応用することができる。
【配列表】

【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする癌の診断方法。
【請求項2】
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;
健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;及び
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較する工程
を含む癌の診断方法。
【請求項3】
上記細胞がリンパ細胞である、請求項1又は2に記載の癌の診断方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の癌の診断方法により癌を診断するための癌診断キット。
【請求項5】
DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の癌の診断方法により癌を診断するための癌診断キット。
【請求項6】
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定することを特徴とする癌の罹病性の判定方法。
【請求項7】
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;
健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性を測定する工程;及び
被験者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性と、健常者由来の細胞中のDNA依存性プロテインキナーゼの活性とを比較する工程
を含む癌の罹病性の判定方法。
【請求項8】
上記細胞がリンパ細胞である、請求項6又は7に記載の癌の罹病性の判定方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の癌の罹病性の判定方法により癌の罹病性を判定するための癌罹病性判定キット。
【請求項10】
DNA依存性プロテインキナーゼによりリン酸化される基質ペプチドを含有する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の癌の罹病性の判定方法により癌を診断するための癌罹病性判定キット。

【国際公開番号】WO2004/108953
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500539(P2005−500539)
【国際出願番号】PCT/JP2003/007079
【国際出願日】平成15年6月4日(2003.6.4)
【出願人】(800000024)北海道ティー・エル・オー株式会社 (20)
【Fターム(参考)】