説明

癌検診の方法

【課題】本発明は、癌検診の方法に関するもので、下記の工程:(1)被検査検体を提供すること、(2)該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、PTPRR,ZNF582,PDE8BとDBC1から構成されること、(3)少なくとも一つのターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が癌または癌前病変を有するかどうかを判断し、メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC)などであることを、含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌検診の方法に関するもので、特にメチル化DNAを生物標記とする癌検診の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
子宮頸癌が全世界および台湾女性の主要な死因の一つで、2002年に世界保健機構(WHO)の統計に基づき、子宮頸癌が全世界の女性癌死因の第2位で、乳癌に次ぎ、定期的に子宮頸癌の検診を受けるのは、子宮頸癌の予防の最も良い方法で、慣用の子宮頸癌の検診方式は、主として2種類があり、一つが最も既知のパパニコロー塗抹標本検査(Pap smear)で、他がヒトパピローマウイルス検査(HPV testing)で、パパニコロー塗抹標本検査が子宮頸部の分泌物を取り出し、顕微鏡にて、その中の脱落した上皮細胞の中に癌病変を生成するかどうかを観察することにより、早期的に子宮頸癌を検査・測定するが、そしてHPV検査が、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction, RT-PCR)又はHybrid Captureの方式により、サンプルの中にヒトパピローマウイルス(human papilloma virus, HPV)のウイルスが存在するかどうかを、検査する。
【0003】
然しながら、パパニコロー塗抹標本検査(Pap smear)は、医師によりサンプリングする必要があり、検診技師/病理医師により塗抹標本をチェックするが、高い偽陰性率(High false negative rate)を生成して癌前病変の診断と治療を遅延しやすい以外に、更に必要な人力素質およびコストが高すぎ、数多くの開発途中の国家にとって、普及する困難性があり、一方、ヒトパピローマウイルス検査(HPV testing)が高い敏感度を有するが、但し高い偽陽性率(High false positive rate)を生成しやすくなり、患者が無駄に心配するだけではなく、更に沢山の医療資源を偽陽性の患者の追跡検査の上に浪費し、従ってどのように子宮頸癌の検査方法の正確性および便利性を向上するのは、子宮頸癌の検査を普及する重要な課題の一つである。
【0004】
遺伝子の欠点(genomic deletions)が腫瘍形成の重要な因子と考え、長い間に我々は、何れも遺伝子組の中におけるコードがATCGの4個塩基により配列する観念に馴染み、Knudsonさんは、早めに1975年に2段階発生説(two-hit theory)を提出し、幾つかの同源の腫瘍抑制遺伝子が伴隋する突然変異または欠点により癌の生成を招いてもよい、或いは癌を生成しやすいことを、指すが、然しながら、他の影響表現型(phenotype)のメッセージは、修飾された塩基5-メチルシトシン(5-methylcytosine)の中に保存する可能性があり、現在5-メチルシトシンが哺乳類動物の細胞内の回文序列5’-CpG-3’の中に存在することを発見し、哺乳類動物の細胞内にある“CpG島”(CpG islands, CGIs)と称する幾つかの区域の以外に、大部分のCpGジヌクレオチドリン酸が何れもメチル化され、CpG島は、約1000個塩基が(1Kb)に対する区域内に大量のGC-とCpG-を含有することを指し、通常遺伝子の近くに位置し、且つ広範に表現する遺伝子のプロモーターの近くに発見される。シトシンのメチル化がDNA合成に発生した後に、メチル化の寄贈者のS-アデノシルメチオニン(S-adenosylmethionine, SAM)から、メチルが酵素を経由してシトシンの第5個カーボンの位置上に転移し、該酵素反応がDNAメチル転移酵素(DNA methyltransferase, DNMTs)により実行され、DNMT1が哺乳類動物の主要なメチル転移酵素で、半メチル化の位置をコピーした後に全メチル化に回復(post-replicative restoration)することを担当し、維持メチル化(maintenance methylation)と称し、逆にDNMT3AとDNMT3Bが主としてメチル化の新たな位置を担当して看做し、更新メチル化(de novo methylation)と称する工程を行う。
【0005】
CpGジヌクレオチドリン酸がメチル化に対するロス(loss of methylation)は、即ち一般な低度メチル化が癌細胞内の第1個超遺伝異常(epigenetic abnormality)であるが、然しながら、過去数年間の研究に示すように、特定な位置(例えば幾つかの腫瘍抑制遺伝子)の高度なメチル化(site-specific hypermethylation)及びその機能の喪失に関係があり、癌の生成時に選択優位(selective advantages)を提供する可能性があり、プロモーターの区域上にあるCpG島の高度なメチル化が、ヒストン修飾(histone modification)に伴隋する遺伝子サイレンシング(gene silencing)により、クロマチン再構成(chromatin remodeling)を招いてもよいが、染色体の欠陥および遺伝子の病変の以外に、プロモーターの高度なメチル化により招かれた腫瘍抑制遺伝子の超遺伝子サイレンシング現象(epigenetic silencing)も、常に人類癌の中に発見される。
【0006】
最近の流行病学の研究に示すように、血清葉酸(serum folate)の濃度(メチルの主要なソース)がHPVの感染と除去に関連し、メチル・サイクル(methyl cycle)の代謝作用の中に、酵素の遺伝子多型性(genetic polymorphisms)も、嘗て子宮頸の上皮内病変の発展と関連することを報道し、一般な超遺伝子進化観念の通りで、DNAメチル化と子宮頸癌との間の関連研究も、同様に盛んに行い、子宮頸癌のDNAメチル化の研究が日増しに増え、メチル化を使用して子宮頸癌の検診とする可能性を表示し、遺伝と環境との相互作用の特性のために、腫瘍抑制遺伝子のメチル化の度合いが、違う遺伝子および違うグループにより異なり、違う病気も異なるメチル化表現型(methylator phenotypes)を有してもよいが、然しながら、子宮頸癌のメチル化表現型およびそのHPV遺伝子型の関連が依然として未知であり、そして子宮頸癌の中にどのような特定の遺伝子がメチル化されてもよい且つどのぐらいの遺伝子が必要で臨床応用の需要を満たしてもよいのは、該等問題について、依然として将来接触・論議する必要がある話題となる。
【0007】
本発明の発明者は、以前に既に台湾(TW Pat. Pub. No. 200831900)、中国(CN Appl. No.200810094659.2)、マレーシア(UI20085354)と米国(US Pat. Pub. No. 20080311570)には、関連する特許の出願(以下に前案と称する。)を提出し、本発明が前案の延伸で、本発明の発明者が新規な癌検診の生物指標およびその検診の方法を発見する。
【0008】
これより了解できるのは、前記の既存の子宮頸癌の検診方法が、依然として沢山の欠点を有し、本当に良好な設計ではなく、そしてより改良する必要がある。
【0009】
本発明の発明者は、前述の既存の子宮頸癌の検診方法により生成された各項目の欠点に鑑み、より改良して革新しようと意図し、且つ多年を経て苦心して孤独に努力して鋭意に研究した後に、ついに本発明の癌検診の方法を、成功的に研究して完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、即ち子宮頸癌の検診方法を提供することにより、第1線の子宮頸癌の検診(cancer screen)と看做すものである。
【0011】
本発明の副次的な目的は、子宮頸癌の検診方法を提供するもので、該方法が、第1線の子宮頸癌の検診と看做してもよい以外に、更に第2線の子宮頸癌の検診と看做してもよく、ヒトパピローマウイルス検査(HPV testing)又は不確定なテスト・ピースの結果を補助することにより、より正確な子宮頸癌の検診効果を達成できる。
【0012】
本発明の更なる他の目的は、癌診断の方法を提供するもので、該方法が、子宮頸癌の検査・測定の上に応用できる以外に、更に他の癌(例えば卵巣癌、大腸癌)の検査・測定の上に応用することにより、異状検体の診断を補助してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の発明の目的を達成できる癌検診の方法は、被検査検体の細胞中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定することにより癌の有無の検診指標と看做すが、該方法は、下記の工程を含んでなるが、
工程1:被検査検体を提供すること、
工程2:該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、DBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582から構成されること、
工程3:該ターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が癌または癌前病変を有するかどうかを判断し、或いは治療・予防の指標と看做すこと。
【0014】
その中でも、該被検査検体が、子宮頸テスト・ピース,卵巣癌組織,腹水,血液,尿液,糞便,痰,口腔粘膜細胞,胃液,胆汁,子宮頸上皮細胞または手術後の癌組織などである。
【0015】
その中でも、該ターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC)を含むが、但しこれらに限定されない。
【0016】
その中でも、該ターゲット遺伝子DBC1がSEQ ID No:1に示すヌクレオシド序列を有する。
【0017】
その中でも、該ターゲット遺伝子PDE8BがSEQ ID No:2に示すヌクレオシド序列を有する。
【0018】
その中でも、該ターゲット遺伝子PTPRRがSEQ ID No:3に示すヌクレオシド序列を有する。
【0019】
その中でも、該ターゲット遺伝子ZNF582がSEQ ID No:4に示すヌクレオシド序列を有する。
【0020】
更に、前記の検診指標および検診方法は、ひいては子宮頸癌および大腸癌の検診に用いられることが出来る。
【0021】
本発明は、ひいては卵巣癌の検診方法を提供し、被検査検体の細胞中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定することにより卵巣癌の有無の検診の指標と看做すが、該方法は、下記の工程を含んでなるが、
工程1:被検査検体を提供すること、
工程2:該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、DBC1,PTPRRとZNF582から構成されること、
工程3:ターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が卵巣癌病変を有するかどうかを判断し、或いは治療・予防の指標と看做すこと。
その中でも、該被検査検体が、卵巣癌組織,腹水,血液,尿液または手術後の癌組織などである。
【0022】
その中でも、該ターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC),ピロリン酸・シークエンシングを含むが、但しこれらに限定されない。
【0023】
その中でも、該ターゲット遺伝子DBC1がSEQ ID No:1に示すヌクレオシド序列を有する。
【0024】
その中でも、該ターゲット遺伝子PTPRRがSEQ ID No:3に示すヌクレオシド序列を有する。
【0025】
その中でも、該ターゲット遺伝子ZNF582がSEQ ID No:4に示すヌクレオシド序列を有する。
【0026】
技術用語の“被検査検体”が、イン・ビトロの被検査サンプルを指し、該サンプルが、前記の子宮頸テスト・ピース,腹水,血液,尿液,糞便,痰,口腔粘膜細胞,胃液,胆汁,子宮頸上皮細胞または手術後の癌組織などのイン・ビトロの検体サンプルを含む。本発明の癌検診の方法は、該等イン・ビトロ・サンプルの中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定するために用いられることにより、各種類の癌の検診指標と看做す。本発明の提供する癌検診の方法およびその検診指標は、研究員が実験室の中に検査・測定を行うように供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】本発明の癌検診の方法の使用するターゲット遺伝子PTPRRで、各種類の子宮頸サンプルの中に重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)の分析を行う結果である。
【図1B】本発明の癌検診の方法の使用するターゲット遺伝子ZNF582で、各種類の子宮頸サンプルの中に重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)の分析を行う結果である。
【図1C】本発明の癌検診の方法の使用するターゲット遺伝子PDE8Bで、各種類の子宮頸サンプルの中に重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)の分析を行う結果である。
【図1D】本発明の癌検診の方法の使用するターゲット遺伝子DBC1で、各種類の子宮頸サンプルの中に重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)の分析を行う結果である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、下記の実施例により、更に表示・明記されるが、但し本発明が下記の実施例により限定されない。
【実施例】
【0029】
実施例1 材料および方法
一、材料
試験材料が1シリーズの完備の子宮頸病変サンプルを含み、鱗状細胞癌(squamous cell carcinoma, SCC, n=20)、腺癌(adenocarcinoma, AC, n=20)と正常な子宮頸サンプル(n=10)を含んでなる。全ての子宮頸サンプル、卵巣サンプルと大腸癌サンプルが、何れも台北市の三軍総病院から取得されるが、各サンプルの遺伝子組DNA(genomic DNA)がQIAamp DNA組セット(QIAGEN)により抽出され、且つ全遺伝子組の中におけるDNAメチル化の状況を照合・分析するために用いられる。更に分析前に、何れもBioanalyzer(Agilent)により、遺伝子組DNAの品質を検査・測定する。本実施例には、10μgのブロッキングのDNAにより、MeDIP(Methyl DNA IP)を行う。
【0030】
二、MeDIP及びCpG island-Plus-Promoterアレイ(CpG island-Plus-Promoter arrays)により行われたDNAメチル化の分析
先ず、BioruptorTMUCS-200(Diagenode)により、遺伝子組DNAを300〜1,000bpにブロッキングさせる。更に30μlのpolyclonal Anti-5’-methyl cytosine antibody(Abcam)により、最終体積100μlのIP緩衝液(IP buffer)(0.15% SDS,1%Triton X-100, 150mM NaCl, 1mM EDTA, 0.5mM EGTA, 10mM Tris and 0.1%BSA)、4℃の環境下では、該等ブロッキングされた遺伝子組DNAに対し、免疫沈澱させる。免疫沈澱した後の混合物と120μlのProtein G Sepharose(Amersham)を混合した後に、4℃に2時間反応し、更に1mLの低塩基度、高塩基度溶液、塩化リチウム(lithium chloride)及びTE緩衝液(TE buffer)により、2回洗浄する。更にelution buffer(1%SDS, 0.1M NaHCO3)により、室温下では、protein G15を15分間、2回処理する。更にphenol-chloroform extractionとアルコールにて、沈殿することにより、メチル化DNAを回収する。Whole Genome Amplification Kit(Sigma)により、enriched methylated DNAとInput DNAを増大(amplify)する。Enriched DNAとtotal DNAが、それぞれ末端にCy5とCy3を標記し、更に標記された後のEnriched DNAとtotal DNA及びCpG Island-Plus-Promoter Arraysが、共同にハイブリダイゼーション(co-hybridization)する。CpG Island-Plus-Promoter Arraysが、NimbleGen Systems, Inc.により設計して合成される。このアレイが385,000個50-75bpのオリゴヌクレオチド(プローブ)を含み、該等オリゴヌクレオチドが、約100bp毎に24,659個HG18 RefSeq promoters(プロモーターの上流800bpからプロモーターの下流200bpまで)及び28,226個CpG島を含んで跨る。
【0031】
該アレイの中における全ての特徴値が、対応する2進法の対数(log2)の比率を具し、該2進法の対数の比率が比率のデータを零へ集中する正常化(normalization)の結果を、表示する。2進法の対数の比率データに基づき、所定の長さのウィンドウ(500hp)を全ての連続的な探測点の周囲に分布でき、且つ片面のコルモゴロフ-スミルノフ検定(one-sided Kolmogorov-Smirnov test)を使用することにより、他の2進法の対数の比率データの対応する探測点と互いに比較すると、これらの探測点が意義を更に有する正向の分布の中から取得されるかどうかを判断するが、最後に取得された全ての探測点の比率が、全ての探測点の周囲に実行する所定のウィンドウのコルモゴロフ-スミルノフ検定により得られたp値(p-value)の負常用対数(-log10)に基づき、ScacheriたちのMethods Enzymol 2006にある方法(Statistics for ChIP-chip and DNase hypersensitivity experiments on NimbleGen arrays)を参照し、アレイの結果を選択・分析するために用いられる。本発明の中に、最小の2進法のカットオフp値2(p-value minimum cutoff of 2)よりも大きくなる少なくとも二つの探測点を探することにより、該2進法の対数の比率データのピークを検出し、且つ300bpにある数多くのピークを合併する。鱗状細胞癌(SCC)、腺癌(AC)と正常な子宮頸サンプルの間の結果を比較し、転録開始区域上・下流2500bpにあり且つ差異性を有するメチル化区域であれば、ひいては選択して更に評価する。最後にSignalMap(NimbleGen)により、p-valueのデータを検視する。
【0032】
三、重亜硫酸塩修飾作用(Bisulfite modification)、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP)及び重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS)
Chemicon社の生産したDNA修飾組セット(DNA modification kit, Chemicon, Ternecula, CA)を使用し、重亜硫酸塩修飾作用を行うが、1μgのサンプルの遺伝子組DNA(genomic DNA)を取り、重亜硫酸塩により、遺伝子組DNAに対して化学修飾を行い、単鎖DNAの中に、全ての非メチル化のシトシンが、何れ脱アミノ作用を生成してウラシルに変換し、そしてメチル化のシトシンが修飾されず、依然として5−メチルシトシンの状態を保持し、最後に反応後のサンプルDNAを、70μl、55℃のTF緩衝液(TE buffer)の中に溶けることにより、メチル化特異的PCR(MSP)を行う。
【0033】
その他に人類周囲血(peripheral blood)の正常なDNAを取り、重亜硫酸塩修飾作用を行うことにより、非メチル化のプロモーター序列を有する対照群と看做す。
【0034】
1μgの重亜硫酸塩修飾作用を経った後のサンプルの遺伝子組DNAと対照群DNAを取り、MSPプライマーにてメチル化特異的PCRを行って拡増することにより、該MSPプライマーが、メチル化の遺伝子序列を識別するMSPプライマー(M)であってもよく、各ターゲット遺伝子のMSPプライマー序列が表1に示す通りで、メチル化特異的PCR反応物の総体積が25μlで、1μlの既に修飾された型版DNA、プライマー毎に各1.5 pmol、0.2 mmol/L dNTPsと1 unit Gold Taq DNA polymerase(Applied Biosystems, Foster City, CA)を含むが、混合済みの反応物を、95℃の下に5分間置き、続いて95℃に30秒間解離(denature)し、適当なプライマーにより、粘着(annealing)温度に30秒間粘着し、72℃に30秒間合成することを、サイクルと看做し、解離・粘着・合成工程が併せて35回のサイクルを繰り返し、その後に再び72℃に放置して5分間反応する。拡増後の生成物が、臭化エチジウム(ethidium bromide, EtBr)を含有する2.5%エポキシ・コロイドにより電気泳動を行い、紫外線の下に放置して照射・観察あする。
【0035】

【0036】
プライマーの種類Mが、メチル化の遺伝子序列を均一的に識別できるMSPプライマーを表示する。
【0037】
全てのサンプルが、何れも少なくとも2回の独立な重亜硫酸塩修飾作用およびメチル化特異的PCRを行い、メチル化の遺伝子序列を均一的に識別できるMSPプライマー(M)を使用して行うPCR反応の中に、同一のサンプル方法によりPCR生成物を2回以上に合成すれば、該サンプルがメチル化を有することを看做し、メチル化の遺伝子序列を均一的に識別できるMSPプライマー(M)を使用し拡増するPCR生成物を、pCR4-TOPOキャリア(Invitrogen, Carlsbad, CA)の中に選択・繁殖し、少なくとも5個の独立なクローン(clones)を選択して重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)を行い、重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)の使用するプライマーが、表2に示す通りで、377オートマチック・シーケンサー(Applied Biosystems, Foster City, CA)を使用し、重亜硫酸塩・シークエンシングを行うが、そのシークエンシングの結果が、シーケンス・チャートに示す通りで、重亜硫酸塩・シークエンシングの序列番号が、それぞれDBC1_BS(SEQ ID No:21)、PDE8B_BS(SEQ ID No:22)、PTPRR_BS(SEQ ID No:23)とZNF582_BS(SEQ ID No:24)となる。
【0038】

【0039】
実施例2 子宮頸癌のメチル化ターゲット遺伝子の選別
CpG island-Plus-Promoterアレイ(CpG island-Plus-Promoter arrays)により選別を行った後に、子宮頸癌細胞に高度なメチル化現象を具備できる4個のターゲット遺伝子を選別し、それぞれがDBC1(SEQ ID No:1)、PDE8B(SEQ ID No:2)、PTPRR(SEQ ID No:3)とZNF582(SEQ ID No:4)となり、その詳細なデータが表3に示す通りで、表3より了解できるのは、この4個の遺伝子が既知のDBC1と膀胱癌との関連性の以外に、目前に該等遺伝子と子宮頸癌との間の関連性を示す研究が非常に少なくなる。
【0040】

【0041】
実施例3 重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)による子宮頸病変サンプルの中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態の分析
ターゲット遺伝子:PTPRR
試験サンプルのグループ:
1.HeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_0)、
2.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)のHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_10D)を処理すること、
3.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)と0.33μMのTSA(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)のHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_DT)を同時に処理すること、
4.子宮頸部腺癌サンプル(AC)、
5.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル(SCC)、
6.対照群(normal):正常な子宮頸の血液DNAをメチル化無しの対照群とすること。
【0042】
前記の各試験サンプルが、重亜硫酸塩の修飾を経った後に、続いて重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)により、各試験サンプルの中におけるターゲット遺伝子(PTPRR)に高度なメチル化(hypermethylation)現象を存在するかどうかを分析し、結果が図1に示す通りで、黒色がメチル化の区域を表示し、白色がメチル化無しの区域を表示する。ターゲット遺伝子PTPRRhは、対照群と腺癌の中にメチル化現象が無く、HeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_0)と子宮頸の鱗状細胞癌サンプル(SCC)の中に、ターゲット遺伝子PTPRRが高度なメチル化現象を呈する。従ってPTPRRのメチル化の度合いにより、子宮頸癌にかかるかどうかを検診できるために用いられる。
【0043】
その他に、子宮頸癌サンプルの中にターゲット遺伝子のメチル化の度合いがDNAメチル化作用を介して調整するかどうかを確認するために、10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)(Sigma Chemical Co.)により、HeLa子宮頸癌細胞株を処理し、更に該細胞から抽出されたDNAサンプルが、重亜硫酸塩の修飾を経った後に、続いて重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)をする。結果が図1Aに示す通りで、子宮頸の鱗状細胞癌サンプル(SCC)とHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_0)を比較すると、AZC処理を経った後のHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_10D)は、そのターゲット遺伝子PTPRRが一部分の区域にメチル化を既に除去することを、表示する。
【0044】
trichostatin A (TSA)が、アセト酵素抑制剤(histone deacetylase (HDAC) inhibitors)を除去するために、更にメチル化の度合いをも低減・弱化するように用いられることが出来る。HeLa子宮頸癌細胞株がAZCとTSA(HeLa_DT)を同時に処理させるが、その結果が図1Aに示す通りで、子宮頸の鱗状細胞癌サンプル(SCC)とHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_0)を互いに比較すると、AZCとTSA処理を経った後のHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_DT)は、そのターゲット遺伝子PTPRRが大幅に脱メチル化されることを示す。
【0045】
前記の結果を総合し、子宮頸癌サンプルの中に、ターゲット遺伝子PTPRRが確かにDNAメチル化作用を経由してメチル化されてもよい。
【0046】
ターゲット遺伝子:ZNF582
試験サンプルのグループ:
1.HeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_0)、
2.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)のHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_10D)を処理すること、
3.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)と0.33μMのTSAのHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_DT)を同時に処理すること、
4.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル1(SCC1)、
5.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル2(SCC2)、
6.対照群(normal):正常な子宮頸の血液DNAをメチル化無しの対照群とすること。
【0047】
その中でも、子宮頸の鱗状細胞癌のサンプル1とサンプル2が、それぞれ異なる患者のサンプルである。
【0048】
前記の試験サンプルが、重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)により、各試験サンプルの中におけるターゲット遺伝子(ZNF582)に高度なメチル化(hypermethylation)現象を存在するかどうかを分析し、結果が図1Bに示す通りで、対照群と互いに比較すると、ターゲット遺伝子ZNF582における子宮頸の鱗状細胞癌サンプル1(SCC1)、子宮頸の鱗状細胞癌サンプル2(SCC2)及びHeLa子宮頸癌細胞株(HeLa_0)が、高度なメチル化現象を呈する。従ってターゲット遺伝子ZNF582が、子宮頸癌サンプルの中に高度なメチル化されてもよい。
【0049】
ターゲット遺伝子:PDE8B
試験サンプルのグループ:
1.SiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_0)、
2.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)のSiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_10D)を処理すること、
3.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)と0.33μMのTSAのSiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_DT)を同時に処理すること、
4.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル1(SCC1)、
5.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル2(SCC2)、
6.対照群(normal):正常な子宮頸の血液DNAをメチル化無しの対照群とすること。
【0050】
その中でも、子宮頸の鱗状細胞癌のサンプル1とサンプル2が、それぞれ異なる患者のサンプルである。
【0051】
前記の試験サンプルが、重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)により、各試験サンプルの中におけるターゲット遺伝子(PDE8B)に高度なメチル化(hypermethylation)現象を存在するかどうかを分析し、結果が図1Cに示す通りで、対照群と互いに比較すると、ターゲット遺伝子PDE8Bにおける子宮頸の鱗状細胞癌サンプル1(SCC1)、子宮頸の鱗状細胞癌サンプル2(SCC2)及びSiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_0)が、高度なメチル化現象を呈する。従ってターゲット遺伝子PDE8Bが、子宮頸癌サンプルの中に高度なメチル化されてもよい。
【0052】
ターゲット遺伝子:DBC1
試験サンプルのグループ:
1.SiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_0)、
2.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)のSiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_10D)を処理すること、
3.10μMのDNAメチル転移酵素抑制剤5’−aza−2’-deoxycytidine(AZC)と0.33μMのTSAのSiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_DT)を同時に処理すること、
4.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル1(SCC1)、
5.子宮頸の鱗状細胞癌サンプル2(SCC2)、
6.対照群(normal):正常な子宮頸の血液DNAをメチル化無しの対照群とすること。
【0053】
その中でも、子宮頸の鱗状細胞癌のサンプル1とサンプル2が、それぞれ異なる患者のサンプルである。
【0054】
前記の試験サンプルが、重亜硫酸塩・シークエンシング(BS)により、各試験サンプルの中におけるターゲット遺伝子(DBC1)に高度なメチル化(hypermethylation)現象を存在するかどうかを分析し、結果が図1Dに示す通りで、対照群と互いに比較すると、ターゲット遺伝子DBC1における子宮頸の鱗状細胞癌サンプル1(SCC1)、子宮頸の鱗状細胞癌サンプル2(SCC2)及びSiHa子宮頸癌細胞株(SiHa_0)が、高度なメチル化現象を呈する。従ってターゲット遺伝子DBC1が、子宮頸癌サンプルの中に高度なメチル化されてもよい。
【0055】
実施例4 子宮頸癌サンプルの内におけるターゲット遺伝子のメチル化の分析
メチル化特異的PCR(MSP)により、該子宮頸の鱗状細胞癌(SCC)サンプルの中における4個のターゲット遺伝子のメチル化状態を分析し、そのメチル化状態の分析結果が、表4に示す通りで、結果を示し、正常な子宮頸サンプルの中におけるDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のメチル化の周波数が、それぞれ11%、0%、9%と6%となり、子宮頸の鱗状細胞癌サンプルの中におけるDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のメチル化の周波数が、それぞれ100%、47%、100%と97%となる。これにより了解できるのは、子宮頸の鱗状細胞癌サンプルの中に、該4個の遺伝子が何れも大幅にメチル化される。従ってDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のメチル化の度合いが、確かに子宮頸癌を検診する検診指標と看做してもよい。
【0056】

【0057】
実施例5 卵巣腫瘍サンプルの内におけるターゲット遺伝子のメチル化の分析
メチル化特異的PCR(MSP)により、卵巣腫瘍サンプルの中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を分析し、そのメチル化状態の分析結果が、表5に示す通りで、卵巣悪性腫瘍サンプル及び卵巣良性腫瘍サンプルの中におけるDBC1,PTPRRとZNF582のこの3個の遺伝子のメチル化状態を分析し、結果を示すように、卵巣悪性腫瘍サンプルの中におけるDBC1,PTPRRとZNF582のメチル化の周波数が、それぞれ50.3%、50.0%と56.3%となり、卵巣良性腫瘍サンプルの中におけるDBC1,PTPRRとZNF582のメチル化の周波数が、それぞれ2.5%、0.0%と12.5%となる。そのメチル化の差異の度合いが、それぞれ53.8%、50.0%と43.8%となる。従って、卵巣良性腫瘍サンプルと比較すると、該卵巣悪性腫瘍サンプルの中における3個の遺伝子のメチル化状態が、著しく大幅に高くなる。従ってDBC1,PTPRRとZNF582のメチル化の度合いが、確かに卵巣癌を検診する検診指標と看做してもよい。
【0058】

【0059】
実施例6 大腸癌サンプルの中におけるターゲット遺伝子のメチル化の分析
メチル化特異的PCR(MSP)により、大腸癌サンプルの中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を分析し、そのメチル化状態の分析結果が、表6に示す通りで、大腸癌サンプルの中におけるDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のこの4個の遺伝子のメチル化状態を分析し、結果を示すように、大腸癌サンプルの中におけるDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のメチル化の周波数が、それぞれ100.0%、100.0%、100.0%と100.0%となり、正常な大腸組織サンプルの中におけるDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のメチル化の周波数が、それぞれ25.0%、25.0%、25.0%と25.0%となる。従って、正常な大腸組織サンプルと比較すると、該大腸癌サンプルの中における4個の遺伝子のメチル化状態が、著しく大幅に高くなる。従ってDBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582のメチル化の度合いが、確かに大腸癌を検診する検診指標と看做してもよい。
【0060】

【0061】
本発明の提供する癌診断の方法は、前記の従来の技術と互いに比較する時に、下記の利点を更に有する。
【0062】
1.本発明の提供する癌検診の方法は、イン・ビトロの検体中における特定な遺伝子のメチル化の度合いを、癌の有無の診断指標と看做し、子宮頸テスト・ピース及びヒトパピローマウイルス検査(HPV testing)の方法と比較する時に、本発明の癌診断方法の敏感性と均一性が何れも前記の両者よりも高くなる。
【0063】
2.本発明の提供する癌検診の方法は、第1線の子宮頸癌の検診と看做してもよい以外に、更にヒトパピローマウイルス検査(HPV testing)をも合併または補助して検査・実験でき、第2線の子宮頸癌の検診と看做すことにより、より正確な子宮頸癌の検診効果を達成できる。
【0064】
3.本発明の提供する癌診断の方法は、子宮頸癌の検査・測定の上に応用できる以外に、更に他の癌(例えば卵巣癌、大腸癌)の検査・測定の上に応用することにより、異状検体の診断を補助してもよい。
【0065】
以上の叙述は、ただ本発明のより好ましい実施例のみで、本発明に対して説明性だけで、そして限定性がない。当業界の技術者の理解により、本発明の特許請求の範囲に限定される精神および範囲内に数多くの変更、修正、さらに等価な効果を行ってもよく、例えば被検査者の検体中に各ターゲット遺伝子のメチル化度合いの判断方式などの変化の等価な実施例が、何れも本発明の特許請求の範囲中に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌検診の方法は、被検査検体の細胞中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定することにより癌の有無の検診の指標と看做す方法であって、前記の方法は、下記の工程を含んでなり、
工程1:被検査検体を提供すること、
工程2:該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、DBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582から構成されること、
工程3:該ターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が癌または癌前病変を有するかどうかを判断し、或いは治療・予防の指標と看做すこと、
であることを特徴とする、癌検診の方法。
【請求項2】
前記の被検査検体が、子宮頸テスト・ピース,腹水,血液,尿液,糞便,痰,口腔粘膜細胞,胃液,胆汁,子宮頸上皮細胞,手術後の癌組織などのイン・ビトロ・サンプルであることを特徴とする、請求項1に記載の癌検診の方法。
【請求項3】
前記のターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC),ピロリン酸・シークエンシングであることを特徴とする、請求項1に記載の癌検診の方法。
【請求項4】
前記のターゲット遺伝子DBC1がSEQ ID No:1に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PDE8BがSEQ ID No:2に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PTPRRがSEQ ID No:3に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子ZNF582がSEQ ID No:4に示すヌクレオシド序列を有することを特徴とする、請求項1に記載の癌検診の方法。
【請求項5】
子宮頸癌の検診方法は、被検査検体の細胞中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定することにより子宮頸癌の有無の検診の指標と看做す方法であって、前記の方法は、下記の工程を含んでなり、
工程1:被検査検体を提供すること、
工程2:該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、DBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582から構成されること、
工程3:ターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が子宮頸癌病変を有するかどうかを判断し、或いは治療・予防の指標と看做すこと、
であることを特徴とする、子宮頸癌の検診方法。
【請求項6】
前記の被検査検体が、子宮頸テスト・ピース,血液,尿液,子宮頸上皮細胞,手術後の癌組織などのイン・ビトロ・サンプルであることを特徴とする、請求項5に記載の子宮頸癌の検診方法。
【請求項7】
前記の被検査検体が、異状の子宮頸テスト・ピースであることを特徴とする、請求項5に記載の子宮頸癌の検診方法。
【請求項8】
前記の被検査検体は、ヒトパピローマウイルス検査が陽性を呈する子宮頸細胞検体であることを特徴とする、請求項5に記載の子宮頸癌の検診方法。
【請求項9】
前記のターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC),ピロリン酸・シークエンシングであることを特徴とする、請求項5に記載の子宮頸癌の検診方法。
【請求項10】
前記のターゲット遺伝子DBC1がSEQ ID No:1に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PDE8BがSEQ ID No:2に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PTPRRがSEQ ID No:3に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子ZNF582がSEQ ID No:4に示すヌクレオシド序列を有することを特徴とする、請求項5に記載の子宮頸癌の検診方法。
【請求項11】
卵巣癌の検診方法は、被検査検体の細胞中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定することにより卵巣癌の有無の検診の指標と看做す方法であって、前記の方法は、下記の工程を含んでなり、
工程1:被検査検体を提供すること、
工程2:該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、DBC1,PTPRRとZNF582から構成されること、
工程3:ターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が卵巣癌病変を有するかどうかを判断し、或いは治療・予防の指標と看做すこと、
であることを特徴とする、卵巣癌の検診方法。
【請求項12】
前記の被検査検体が、卵巣癌組織,腹水,血液,尿液,手術後の癌組織などのイン・ビトロ・サンプルであることを特徴とする、請求項11に記載の卵巣癌の検診方法。
【請求項13】
前記のターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC),ピロリン酸・シークエンシングであることを特徴とする、請求項11に記載の卵巣癌の検診方法。
【請求項14】
前記のターゲット遺伝子DBC1がSEQ ID No:1に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PTPRRがSEQ ID No:3に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子ZNF582がSEQ ID No:4に示すヌクレオシド序列を有することを特徴とする、請求項11に記載の卵巣癌の検診方法。
【請求項15】
大腸癌の検診方法は、被検査検体の細胞中におけるターゲット遺伝子のメチル化状態を検査・測定することにより大腸癌の有無の検診の指標と看做す方法であって、前記の方法は、下記の工程を含んでなり、
工程1:被検査検体を提供すること、
工程2:該被検査検体の遺伝子組DNAの中における少なくとも一つのターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態を検査・測定し、該ターゲット遺伝子が、DBC1,PDE8B,PTPRRとZNF582から構成されること、
工程3:ターゲット遺伝子のメチル化状態の有無に基づき、該検体が大腸癌病変を有するかどうかを判断し、或いは治療・予防の指標と看做すこと、
であることを特徴とする、大腸癌の検診方法。
【請求項16】
前記の被検査検体が、腹水,血液,尿液,手術後の癌組織などのイン・ビトロ・サンプルであることを特徴とする、請求項15に記載の大腸癌の検診方法。
【請求項17】
前記のターゲット遺伝子のCpG序列メチル化状態の検査・測定方法が、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific PCR, MSP),定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative methylation-specific PCR, QMSP),重亜硫酸塩・シークエンシング(bisulfite sequencing, BS),マイクロアレイ(microarrays),質量スペクトル(mass spectrometer)分析,変性高速液体クロマトグラフィー(denaturing high-performance liquid chromatography, DHPLC),ピロリン酸・シークエンシングであることを特徴とする、請求項15に記載の大腸癌の検診方法。
【請求項18】
前記のターゲット遺伝子DBC1がSEQ ID No:1に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PDE8BがSEQ ID No:2に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子PTPRRがSEQ ID No:3に示すヌクレオシド序列を有し、ターゲット遺伝子ZNF582がSEQ ID No:4に示すヌクレオシド序列を有することを特徴とする、請求項15に記載の大腸癌の検診方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate


【公表番号】特表2012−523822(P2012−523822A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505025(P2012−505025)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【国際出願番号】PCT/CN2009/000411
【国際公開番号】WO2010/118559
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511249109)
【Fターム(参考)】