説明

発光ダイオードユニット防水構造

【課題】嵌合時にパッキンが捲れ上がらないようにして、防水性が確保される防水構造を提供する。
【解決手段】発光ダイオードチップ32と、発光ダイオードチップ32を内蔵し、装着用の開口部20Tを有するハウジング20と、開口部20Tに装着されるホルダー40と、ホルダー40の外周に装着されて、ハウジング20の内壁とホルダー40外周との間をシールするパッキン50と、から成る発光ダイオードユニット10の防水構造であって、ハウジング20は開口部20Tの出口に近づくにつれて開口の内径が徐々に大きくなるような傾斜部20Eを有し、パッキン50は、嵌合方向の先端より後端に向かって徐々に肉厚となる傾斜状をし、かつ、外周にリング状のリブが複数個形成されており、複数のリブの各頂部を繋ぐ稜線がハウジング20の傾斜部20Eの内部傾斜面の傾斜とほぼ等しくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを内蔵したハウジングと、このハウジングに嵌合されるホルダーとの間の防水構造に関するもので、特に、両者の間にパッキンを介在させて成る発光ダイオードユニット防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
防水を必要とするハウジングとこのハウジングの開口部に嵌合されるホルダーとからなる防水構造において、パッキンをホルダーの外周に嵌合して、ホルダーをハウジングに嵌合させることで、自動的にハウジングの内壁とホルダー外周との間をシールするようにした防水構造のものは公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
〈特許文献1記載の防水構造〉
特許文献1記載の防水構造は、具体的にはコネクタの実施例であり、ハウジング本体の内部に収容した雌端子金具の後端の開口部をシールユニットでシールする防水構造のものである。図6は、雌端子金具などを省略して特許文献1記載の防水構造の部分だけを図示した縦断面図で、図6(A)はハウジング本体とシールユニットとの嵌合前、図6(B)はハウジング本体とシールユニットとの嵌合時のパッキン部分の拡大断面図で、(1)は接触した瞬間、(2)はその直後である。
図6において、コネクタ100は、雌端子金具(図示省略)を内部に収容したハウジング本体200と、ハウジング本体200の後方開口部に嵌合されてハウジング本体200の後方開口部を塞ぐシールユニット400とから構成されている。
ハウジング本体200は、図示していないが内部に複数のキャビティが雌端子金具の嵌合方向に沿って貫通し、各キャビティ内における前端部の底面には、端子金具に係止して端子金具を抜け止め状態に保持するランスが形成されている。各キャビティ内には雌端子金具が挿入される。ハウジング本体200は略直方体形状に形成され、その後部にはシールユニット400を組み込むための組付け凹部200Tが形成されている。
シールユニット400は合成樹脂製ハウジングであり、シールユニット400の外周縁にゴム材よりなるパッキン機能を有するシールリング500が設けられている。シールユニット400の大きさはハウジング本体200の組付け凹部200Tに適合して嵌め入れ可能な大きさに形成されている。
シールリング500は外周縁にリブが全周に沿ってかつ前後方向に三条が突出形成されている。
そこで、シールユニット400が組付け凹部200T内に組み付けられた状態では、各シールリング500は組付け凹部200Tの内壁面に密着してハウジング本体200とシールユニット400との間の水密性が保持されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−110685号公報
【0005】
〈特許文献1記載の防水構造の問題点〉
特許文献1記載の防水構造によれば、それまでの防水構造と比べて、コネクタをハウジング本体とシールハウジングとから構成し、キャビティの後部側をハウジング本体とは別途成形するようにしている。したがって、シールハウジングの各筒状路はキャビティのランスに対する金型の抜き取りを考慮した大きさを確保する必要がなくなる。このため、従来に比較して筒状路の内径を小さくすることができ、結果としてコネクタ全体を小型化することができる、という効果がある。
しかしながら、図6(B)(1)に図示するように、ハウジング本体200の組付け凹部200Tが、最初にシールリング500のリブの山に当接して、押し進むため、図6(B)(2)に図示するように、シールリング500が捲(めく)れ上がる恐れがありシールリング500が捲れ上がると防水性の確保が困難となった。
また、組付け凹部200Tがシールリング500のリブの山に当接しても、シールリング500が捲れ上がらないようにするには、シールユニット400とシールリング500の結合力を強くするための工夫、例えば、強力な接着剤の使用とか、一体成型などが必要となり、これは製造工程の増加、熟練作業者の確保、製造時間の増加を必要とし、コストアップとなった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、接着剤の使用や一体成型などをしなくても、パッキンが捲れ上がらないようにし、したがってまた、防水性が充分に確保される防水構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本願第1発明は、発光ダイオードユニット防水構造に係るもので、リード線を備えた発光ダイオードチップと、前記発光ダイオードチップを内蔵し、装着用の開口部を有する透光性のハウジングと、前記ハウジングの前記開口部に装着され、前記発光ダイオードチップの前記リード線を内部に通す導出部を備えたホルダーと、前記ホルダーの外周に装着されて、前記ハウジングの内壁と前記ホルダー外周との間をシールするパッキンと、で構成される発光ダイオードユニット防水構造であって、前記ハウジングは、前記開口部に近づくにつれて前記開口の内径が徐々に大きくなるような内部傾斜面を有しており、前記パッキンは、嵌合方向の先端より後端に向かって徐々に肉厚となる傾斜状をし、かつ、外周にリング状のリブが複数個形成されており、前記複数のリブの各頂部を繋ぐ稜線が前記ハウジングの前記内部傾斜面の傾斜とほぼ等しいことを特徴としている。
【0008】
また、本願第2発明は、第1発明の発光ダイオードユニット防水構造において、前記複数のリブのうち嵌合方向後端のリブから順次前記ハウジングの前記内部傾斜面と接触していき、前記ホルダーが前記ハウジングと嵌合した状態で、各リブの圧縮率が同一であることを特徴としている。
【0009】
さらに、本願第3発明は、第2発明の発光ダイオードユニット防水構造において、前記パッキンの後端部と前記ホルダーの前記パッキンの後端部と対向する面との間に空隙を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
<第1発明の効果>
本願第1発明によれば、複数のリブの各頂部を繋ぐ稜線の傾斜がハウジングの傾斜部の内部傾斜面の傾斜とほぼ等しいため、ハウジングの傾斜部の内部傾斜面に複数のリブの各頂部がほぼ同時に当たるようになり、したがってパッキンの先端が捲れ上がることがない。
<第2発明の効果>
本願第2発明によれば、複数のリブのうち嵌合方向後端のリブから順次前記ハウジングの前記内部傾斜面と接触していくので、パッキンの先端捲れ上がりがいっそう防止される。
また、ホルダーがハウジングと嵌合した状態で、各リブの圧縮率が同一であるので、パッキンの局部的な疲弊が生じることがない。
<第3発明の効果>
本願第3発明によれば、パッキンの後端部と、ホルダーのパッキンの後端部と対向する面と、の間に空隙を設けたので、この空隙がパッキンの逃げ部となり、嵌合時の従来の挿入力の増加を防止することができ、嵌合が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明に係る防水構造が適用された発光ダイオードユニットを説明する図で、図1(A)は発光ダイオードユニットの斜視図、図1(B)は発光ダイオードユニットの正面図である。
【図2】図2は図1(B)の発光ダイオードユニットのA−A断面矢視図である。
【図3】図3はハウジングの縦断面図である。
【図4】図4はパッキン付きホルダーの縦断面図である。
【図5】図5は図2の発光ダイオードユニットのハウジングにホルダーが嵌合する寸前の断面図である。
【図6】図6は特許文献1記載の防水構造の部分を概略図示した縦断面図で、図6(A)はハウジング本体とシールユニットとの嵌合前、図6(B)はハウジング本体とシールユニットとの嵌合時のパッキン部分の拡大断面図で、(1)は接触した瞬間、(2)はその直後である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、接着剤の使用や一体成型などをしなくても、パッキンが捲れ上がらないようにできる本発明に係る発光ダイオードユニット防水構造について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0013】
〈実施の形態1〉
図1は本発明に係る防水構造が適用された発光ダイオードユニットを説明する図で、図1(A)は発光ダイオードユニットの斜視図、図1(B)は発光ダイオードユニットの正面図である。図2は図1(B)の発光ダイオードユニットのA−A断面矢視図である。図3はハウジングの縦断面図である。
図1および図2において、発光ダイオードユニット10は、ハウジング20、基板アセンブリ30、ホルダー40、およびホルダー40に組み付くパッキン50で構成されている。
以下、ハウジング20、基板アセンブリ30、ホルダー40、およびパッキン50について説明する。
【0014】
〈ハウジング20〉
ハウジング20は透明材でできており、収容空間20Hのある直方体部20Cと、直方体部20Cよりも体積の大きいホルダー40(図2)が嵌合される開口部20Tと、直方体部20Cと開口部20Tとを連結する傾斜部20Eとで構成される。
【0015】
《直方体部20C》
直方体部20Cの収容空間20Hを形成する左右両側壁に、基板支持部材30R、30Rが取り付けられている。各基板支持部材30Rは断面コ字状をした長尺体で、対向する基板支持部材30R、30Rのコ字状の溝間に基板アセンブリ30の基板31がスライド収納されることで、直方体部20Cの収容空間20Hに基板アセンブリ30が収容され、基板アセンブリ30の発光ダイオードからの発光は透明材のハウジング20を透過して外部に拡散される。
直方体部20Cと傾斜部20Eとの境が嵌合面となっており、その内径はDH(図3)である。
【0016】
《開口部20T》
ホルダー40の係止突起40K(図4)が係合する係止孔20Kが開口部20Tに形成されている。そこで、ホルダー40がハウジング20の開口部20Tに挿入されると、ホルダー40の係止突起40Kのテーパ部が開口部20Tの縁部に当接し、開口部20Tが外方へ押圧されるようになる。外方へ押圧されると、ハウジング20はその樹脂材料の持つ弾性により開口部20Tが開口を拡げる方向に反(そ)るため、ホルダー40の係止突起40Kは開口部20Tの縁部から内部に進むことができる。そして、最終的にハウジング20とホルダー40が嵌合すると、ホルダー40の係止突起40Kも開口部20Tの係止孔20Kに係合して、これ以降、ハウジング20とホルダー40の抜け防止機能を奏する。開口部20Tの内径はDS(図3)である。
【0017】
《傾斜部20E》
ホルダー40の傾斜部20Eの内側のシール面は、ホルダー40との嵌合方向に対し角度θの傾斜角となっている。直方体部20Cと傾斜部20Eの境界に形成された嵌合面の内径をDH(図3)とし、開口部20Tの内径を(図3)DSとし、傾斜部20Eの嵌合方向の長さをLSとすると、
tanθ1=(DS−DH)/(2×LS) ・・・(1)
となる。
この角度θ1は成形要件である型抜きテーパの角度よりも大きい。
【0018】
〈基板アセンブリ30〉
図1および図2において、基板アセンブリ30は基板31、発光ダイオードチップ32、リード線Wで構成される。基板31はプリント回路を備え、プリント回路上に発光ダイオードチップ32が電気的に接続されかつ機械的に固定されている。基板31の端部のプリント回路に端子WTが設けられ、端子WTにリード線Wの先端が接続されている。リード線Wは端子WTからホルダー40を軸方向に貫通する導出部40H(図2)を通ってホルダー40の外部へ導出されている。リード線Wと導出部40Hとの間のシールはゴム栓40Gが機能している。
【0019】
〈ホルダー40〉
図4はパッキン付きホルダーの縦断面図である。図4において、ホルダー40は図4で見て左側(嵌合方向先端側)から右(嵌合方向後端側)に、嵌合部40J、パッキン取付部40P、開口係合部40Tから構成される合成樹脂から成る部品である。
【0020】
《嵌合部40J》
嵌合部40Jはハウジング20の直方体部20C(図2)の内部空間に嵌合される部位で、パッキン取付部40Pよりも外径が大きくしてある。これによってこの部位で嵌合時にハウジング20の直方体部20C(図2)の内部空間に嵌合されると共に、嵌合離脱時にパッキン50の嵌合方向前方への抜け防止をしている。また、軸方向に貫通する導出部40Hが形成されている。
【0021】
《パッキン取付部40P》
パッキン取付部40Pは、嵌合部40Jに続く円筒状体で、その軸方向に貫通する導出部40Hが嵌合部40Jから続いて形成されている。円筒状体の外周にパッキン50が嵌合され、パッキン50によってハウジング20の内壁とホルダー40の外周との間がシールされる。
【0022】
《開口係合部40T》
開口係合部40Tはハウジング20の開口部20T(図2)に嵌合される部位で、パッキン取付部40Pに続き、パッキン取付部40Pの外径よりも大きくなっている。また、その軸方向にパッキン取付部40Pから続く導出部40Hが形成されている。導出部40Hを通った発光ダイオードチップ32からのリード線Wはこの導出部40Hからホルダー40の外に導出される。開口係合部40Tの外周に係止突起40Kが形成され、ハウジング20とホルダー40が嵌合したとき、この係止突起40Kが開口部20Tの係止孔20Kに係合し、これ以降、ハウジング20とホルダー40は簡単には抜けなくなる。
【0023】
〈パッキン50〉
パッキン50はホルダー40のパッキン取付部40Pに取り付けられるもので、その形状は、嵌合方向の先端より後端に向かって徐々に肉厚となる円錐台状をし、その円錐側面の外周にリング状の断面山形リブが複数個(図では3個)形成されており、嵌合方向に対し山形状頂点を結んだ稜線と角度θが設けられている。すなわち、3個の断面山形リブのうち、最小外径のリブの頂点と最大外径のリブの頂点との水平距離をLabとし、最小外径のリブの頂点の高さ(肉厚)をaとし、最大外径のリブの頂点の高さ(肉厚)をbとすると、
tanθ2=(b−a)/Lab ・・・(2)
となる。
【0024】
《実施例1:第1発明》
本発明の実施例1によれば、式(1)のθ1と式(2)のθ2をθ1≒θ2としているのが特徴である。
したがって、
(DS−DH)/(2×LS)≒(b−a)/Lab
とすればよい。
このようにすることで、複数のリブの頂点を結んだ稜線の傾斜とハウジング20の傾斜部20Eの内部傾斜面の傾斜とがほぼ等しいため、嵌合の直前を表す図5において、嵌合までの距離が僅かTであっても、複数のリブの各頂部はいずれも傾斜部20Eの内部傾斜面に接触せず、そして図2の嵌合時に複数のリブの各頂部がほぼ同時に傾斜部20Eの内部傾斜面に当たるようになり、したがってパッキン50の先端が捲れ上がることがない。
なお、パッキン50の先端が捲れ上がらないようにしてしかも複数のリブの圧縮率を同一にしてするには、複数のリブの肉厚を同じにして、代わりにパッキン取付部40Pの傾斜をθとしても良い。
【0025】
《実施例2:第2発明》
また、本発明の実施例2によれば、式(1)のθ1と式(2)のθ2を若干だけ、θ1<θ2としているのが特徴である。したがって、
(DS−DH)/(2×LS)<(b−a)/Lab
とすればよい。
このようにすることで、複数のリブの頂点を結んだ稜線の傾斜θ2の方がハウジング20の傾斜部20Eの内部傾斜面の傾斜θ1よりも若干大きいため、ハウジング20の傾斜部20Eの内部傾斜面に、複数のリブのうち嵌合方向後端のリブから接触していくので、パッキンの先端捲れ上がりがいっそう防止される。
【0026】
《実施例3:第3発明》
実施例2によれば後端のリブの方が先端のリブよりも早くハウジング20の傾斜部20Eの内部傾斜面に圧縮開始されるので、後端のリブの方が先端のリブよりも大きく圧縮変形するようになる。しかしながら、非圧縮時のパッキンを示す実施例4と圧縮時のパッキンを示す実施例2とにおいて、図4(非圧縮時)のパッキン50の先端のリブの厚みをaとし、図2(圧縮時)のパッキン50の先端のリブの厚みをa’とし、また、図4(非圧縮時)のパッキン50の後端のリブの厚みをbとし、図2(圧縮時)のパッキン50の後端のリブの厚みをb’としたとき、a’/a=b’/bとなるようにa’、a、b’、bをそれぞれを決定すれば圧縮率を同一にでき、これによってパッキン50の局部的な疲弊が生じなくなり、パッキンの寿命が長くなる。そのためには、最小外径のリブの頂点と最大外径のリブの頂点との水平距離をLabとし、最小外径のリブの圧縮時の頂点の高さ(肉厚)をa’とし、最大外径のリブの圧縮時の頂点の高さ(肉厚)をb’とすると、
tanθ3=(b’−a’)/Lab ・・・(3)
となるようにθ3の傾斜を持つ内部傾斜面のハウジング20を用いればよい。
【0027】
《実施例4:第4発明》
図4において、パッキン50の後端部50Eとホルダー40のパッキン50の後端部50Eと対向する面50Fとの間に空隙Gを設けたのが特徴である。
一方、図6のシールリング500の場合、シールリング500の後端部500Eとシールユニット400の端面400Fとの間に空隙がなく、シールリング500の後端部500Eとシールユニット400の端面400Fとが当接した状態である。したがって、シールユニット400が矢印方向F1に組付け凹部200Tの中へ組み付けられていくと、シールリング500は矢印F2の方向にしわ寄せが進み、シールリングの端面400Fに進行が阻止されるため次第に肉厚が膨らみ、それが反力となって嵌合時の挿入力が大きくなってしまった。
実施例4によれば、嵌合時にパッキン50に後方へのしわ寄せが進んでも、空隙Gがパッキン50のしわ寄せの逃げ部となるため挿入力の増大が生じなく、嵌合が容易となる。
【0028】
〈まとめ〉
1)θ1≒θ2とすることで、ハウジングの開口部の内部傾斜面に複数のリブの各頂部がほぼ同時に当たようになり、パッキンの先端が捲れ上がることがない。
2)さらに、θ1<θ2とすることで、複数のリブの後端のリブから順次ハウジングの内部傾斜面と接触するようになり、パッキンの先端捲れ上がりがいっそう防止される。
3)パッキンを円錐台状にすることで、嵌合方向の先端と後端のパッキンの肉厚が変わるため、ホルダーがハウジングと嵌合した状態で、各リブの圧縮率が同一になるように肉厚を選ぶことができ、これによりパッキンの局部的な疲弊が生じることがなく、したがって長寿命の発光ダイオードユニットが得られる。
4)パッキンの後端とホルダーのパッキンの後端と対向する面との間に空隙を設けることで、この空隙がパッキンの逃げ部となり、嵌合時の挿入力を下げることができ、嵌合が容易となる。
【符号の説明】
【0029】
10 発光ダイオードユニット
20 ハウジング
20C 直方体部
20E 傾斜部
20H 収容空間
20K 係止孔
20T 開口部
30 基板アセンブリ
30R 基板支持部材
31 基板
32 発光ダイオードチップ
40 ホルダー
40G ゴム栓
40H 導出部
40J 嵌合部
40K 係止突起
40P パッキン取付部
40T 開口係合部
50 パッキン
50E 後端部
50F 対向面
WT 端子
W リード線
G 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード線を備えた発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップを内蔵し、装着用の開口部を有する透光性のハウジングと、
前記ハウジングの前記開口部に装着され、前記発光ダイオードチップの前記リード線を内部に通す導出部を備えたホルダーと、
前記ホルダーの外周に装着されて、前記ハウジングの内壁と前記ホルダー外周との間をシールするパッキンと、
で構成される発光ダイオードユニット防水構造であって、
前記ハウジングは、前記開口部に近づくにつれて前記開口の内径が徐々に大きくなるような内部傾斜面を有しており、
前記パッキンは、嵌合方向の先端より後端に向かって徐々に肉厚となる傾斜状をし、かつ、外周にリング状のリブが複数個形成されており、前記複数のリブの各頂部を繋ぐ稜線は前記ハウジングの前記内部傾斜面の傾斜とほぼ等しいことを特徴とする発光ダイオードユニット防水構造。
【請求項2】
前記複数のリブのうち嵌合方向後端のリブから順次前記ハウジングの前記内部傾斜面と接触していき、前記ホルダーが前記ハウジングと嵌合した状態で、各リブの圧縮率が同一であることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードユニット防水構造。
【請求項3】
前記パッキンの後端部と前記ホルダーの前記パッキンの後端部と対向する面との間に空隙を設けたことを特徴とする請求項2記載の発光ダイオードユニット防水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−186075(P2012−186075A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49259(P2011−49259)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】