説明

発光体付きヘルメット、発光体付きランドセル、発光体付き腕章、及び、発光体付きストラップ

【課題】製造効率が良好であり、取り付け対象のヘルメット本体の形状や材質に制限されず、良好な視認性を付与することのできる発光体付きヘルメットを提供する。
【解決手段】発光体付きヘルメットは、ヘルメット本体と、ヘルメット本体の外周部に沿うように設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体付きヘルメット、発光体付きランドセル、発光体付き腕章、及び、発光体付きストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業用又は学童用等のヘルメットに、視認性を高めて安全性を向上させる目的で発光体を装着させてなる発光体付きヘルメットが研究・開発されている。
【0003】
このような発光体付きヘルメットとして、例えば、特許文献1には、ヘルメットに複数個の透孔を穿設し、該透孔に表面を光沢反射面と成すリング状金具をカシメ固定すると共に該金具内にLED素子を内設固定せしめ、該LED素子の後端から導出せるリード端子に電気接続したリード線をヘルメットの外壁に止着する電源スイッチに電気接続してなる発光装置付きヘルメットが開示されている。そして、これによれば、暗い場所に居る時に遠方の人にその場所に居ることを確実に知らしめることができる、と記載されている。
【特許文献1】特開平10-008319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された発光装置付きヘルメットでは、視認性を高めるために、複数のLED素子ごとに内設用の金具を設けなければならず、製造効率が低くなる。また、ヘルメット本体の形状や材質により、LED素子を内設するための金具の取り付け位置や取り付け個数が制限されるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造効率が良好であり、取り付け対象のヘルメット本体の形状や材質に制限されず、良好な視認性を付与することのできる発光体付きヘルメットを提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、上記発光体と同様の発光体を備えることで、同様の効果を有する発光体付きランドセル、発光体付き腕章、及び、発光体付きストラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光体付きヘルメットは、ヘルメット本体と、ヘルメット本体の外周部に沿うように設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、ヘルメット本体の外周部に沿うように設けられ、細長状に形成された発光体を備えるため、発光領域の広い発光体をヘルメット本体に一度に取り付けることが可能となり、製造効率が良好となる。また、発光体が可撓性であるため、ヘルメット本体の形状や材質に制限されることなく、その外周に沿って容易に取り付けることができる。
【0009】
また、本発明に係る発光体付きヘルメットは、ヘルメット本体が、その外周部に、二箇所の嵌め込み部と、少なくとも一箇所の支持部とがそれぞれ設けられていると共に、発光体が、その両端部がそれぞれ嵌め込み部に嵌め込まれ、且つ、支持部でその中央部が支持されていてもよい。
【0010】
このような構成によれば、発光体が、その両端部がそれぞれヘルメット本体の嵌め込み部に嵌め込まれ、且つ、支持部でその中央部が支持されるため、発光体を簡易な構造によってバランス良くヘルメット本体に固定することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る発光体付きヘルメットは、発光体が、細長状のクラッド材と、クラッド材内に収容され且つクラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成された光伝送部材を備えてもよい。
【0012】
このような構成によれば、発光体が、細長状のクラッド材と、クラッド材内に収容され且つクラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成されているため、出射光量の低下が抑制され、優れた出射特性を備えることができる。
【0013】
また、本発明に係る発光体付きヘルメットは、発光体が、光伝送部材の少なくとも一端へ光を送る光源をさらに備えてもよい。
【0014】
このような構成によれば、発光体が、光伝送部材の少なくとも一端へ光を送る光源をさらに備えるため、発光体に電気的に接続した光源をヘルメット本体内に装着する等により、外部光源を必要としない、コンパクトな自発光型の発光体付きヘルメットを得ることができる。
【0015】
本発明に係る発光体付きランドセルは、ランドセル本体と、ランドセル本体に設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、ランドセル本体に沿うように設けられ、細長状に形成された発光体を備えるため、発光領域の広い発光体をランドセル本体に一度に取り付けることが可能となり、製造効率が良好となる。また、発光体が可撓性であるため、ランドセル本体の形状や材質に制限されることなく、容易に取り付けることができる。
【0017】
本発明に係る発光体付き腕章は、腕章本体と、腕章本体に設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、腕章本体に設けられ、細長状に形成された発光体を備えるため、発光領域の広い発光体を腕章本体に一度に取り付けることが可能となり、製造効率が良好となる。また、発光体が可撓性であるため、腕章本体の形状や材質に制限されることなく、容易に取り付けることができる。
【0019】
本発明に係る発光体付きストラップは、ストラップ本体と、ストラップ本体に設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、ストラップ本体に設けられ、細長状に形成された発光体を備えるため、発光領域の広い発光体をストラップ本体に一度に取り付けることが可能となり、製造効率が良好となる。また、発光体が可撓性であるため、ストラップ本体の形状や材質に制限されることなく、容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、製造効率が良好であり、取り付け対象のヘルメット本体の形状や材質に制限されず、良好な視認性を付与することのできる発光体付きヘルメットを提供することができる。
【0022】
また、上記発光体と同様の発光体を備えることで、同様の効果を有する発光体付きランドセル、発光体付き腕章、及び、発光体付きストラップを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施形態)
本発明の発光体付きヘルメット10の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の発光体付きヘルメット10は、以下の例に限られず、その他の形態により形成されていてもよい。
【0024】
(発光体付きヘルメット10の構成)
図1は本発明の実施形態に係る発光体付きヘルメット10の斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る発光体付きヘルメット10の上面図である。
【0025】
発光体付きヘルメット10は、ヘルメット本体11、発光体12、及び、光源とコントローラ(それぞれ不図示)を備える。
【0026】
ヘルメット本体11は、例えば、長軸が23cm程度で短軸が20cm程度の楕円状の底面を有するドーム型に形成されており、その縁部に庇13を備えている。ヘルメット本体11は、繊維強化樹脂材等で形成されている。ヘルメット本体11は、その内側に、発泡スチロール等の衝撃吸収層と、衝撃吸収層の内側に、着脱可能に配設された樹脂製等の頭部内装部材(それぞれ不図示)と、を備えている。ヘルメット本体11の形状は、上述のものに限らず、フルフェイス型又はその他の形状に形成されていてもよい。
【0027】
ヘルメット本体11は、その外周縁部に、二箇所の嵌め込み部14と、一箇所の支持部15とがそれぞれ設けられている。
【0028】
二箇所の嵌め込み部14は、ヘルメット本体11の中央線から左右対称となる位置にそれぞれ設けられている。嵌め込み部14は、それぞれ樹脂製等で構成されており、内径が後述する発光体12の外径とほぼ同じ値に形成されている。
【0029】
支持部15は、金具等で構成されている。支持部15は、ヘルメット本体11の外周縁部における二箇所の嵌め込み部14の中間位置に固定されている。支持部15には、発光体12を通して固定するための孔が形成されている。支持部15の孔は、その内径が発光体12の外径とほぼ同じ値に形成されている。
【0030】
支持部15を設ける箇所は複数であってもよい。支持部15は、樹脂で構成されていてもよい。支持部15は、吸盤が形成されおり、この吸盤によってヘルメット本体11に装着されていてもよい。
【0031】
発光体12は、細長状のクラッド材と、クラッド材内に収容されて、クラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成された可撓性の光伝送部材を備えており、ヘルメット本体11の外周縁部に沿うように設けられている。発光体12は、その長さが、例えば46cm程度に形成されている。発光体12は、その両端部がそれぞれヘルメット本体11に設けられた嵌め込み部14に嵌め込まれ、支持部15でその中央部が支持されている。
【0032】
発光体12の光伝送部材を構成するクラッド材は、例えば断面が直径6mm程度の円形に形成されている。クラッド材は、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマー等を用いて構成することができる。また、コア材は、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系ポリマー等を用いて構成することができる。
【0033】
なお、発光体12は、ヘルメット本体11の縁(上述の外周縁部)に限らず、それ以外の外周部に設けてもよい。また、発光体12を構成するクラッド材及びコア材の形状は、それぞれ上述のものに限らず、取り付けるヘルメット本体11の形状やサイズに合わせて、断面が多角形状や楕円状等に形成されていてもよい。さらに、発光体12は、一本で構成されていなくてもよく、複数本が連なるように構成されていてもよい。
【0034】
また、発光体12は、ヘルメット本体11に使用者が任意に取り外しができるように、着脱可能に構成されていてもよい。具体的には、使用者が発光体12の両端部をそれぞれヘルメット本体11の嵌め込み部14に容易に嵌め込むことができ、且つ、支持部15でその中央部を容易に固定することができる構造にしてもよい。
【0035】
さらに、発光体12は、上述のように、クラッド材及びコア材等を用いなくても良い。具体的には、塩化ビニール、ポリプロピレン、無機材料等を原料とする可塑性素材、又は、熱硬化性素材に発光物質を練り込み、又は塗布し、あるいは該素材にあらかじめ着色したうえで、円柱状、円筒状、又は、平板状等に加工し、これを適宜切断等することにより作製してもよい。この場合、使用目的にもよるが、例えば、円柱状に加工する際は直径0.1mm以上に、また、角柱状に加工する際は幅1mm以上に形成するのがよい。このような構成の発光体を、例えば直径6mm程度に形成し、曲げ加工等を施して光源等を設けた上で、ヘルメット本体に取り付けてもよい。
【0036】
光源は、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)等で構成されている。光源は、ヘルメット本体11の内壁に装着されている。光源の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組合せたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。光源は、光伝送部材の両端までそれぞれ延びる光配線が設けられている。なお、光配線は、光伝送部材の一端のみに到達するように設けられていてもよい。
【0037】
コントローラは、内部に電源を収容し、LEDに電気的に接続されている。コントローラの電源は、乾電池、充(蓄)電池、ソーラ電池等を用いることができ、さらに、AC使用可能に構成されていてもよい。コントローラは、LEDを制御する制御素子を備えている。コントローラは、ヘルメット本体11の内壁に装着されている。
【0038】
(発光体付きヘルメット10の機能)
発光体付きヘルメット10は、ヘルメット本体11の内壁に装着されたコントローラのスイッチをONにすることにより、光源に制御信号が流れる。コントローラからの制御信号により、光源はあらかじめ設定された常時発光又は点滅発光を生じる。光源からの光は、光配線を通り光伝送部材の両端へ到達する。光伝送部材の両端へ到達した光は、光伝送部材全体を通る。これによって、発光体付きヘルメット10の外周縁部に設けられた発光体12が発光し、外部からの発光体付きヘルメット10及びそれを装着する人の視認性が良好となる。
【0039】
なお、このとき、発光体12を一本で構成し、LEDから一色の光が到達することで一色に発光させてもよく、発光体12を2本で構成して連ねて設け、光伝送部材の各端部にそれぞれ光源から異なる色の光を送ることで、発光体12を2色に発光させてもよい。
【0040】
(他の実施形態1)
また、本発明に係る発光体を、図3及び図4に示すように、ランドセルに備えてもよい。
【0041】
(発光体付きランドセル20の構成)
図3及び図4に示した発光体付きランドセル20は、ランドセル本体21、かぶせカバー22、発光体23、及び、光源24とコントローラ(不図示)で構成されている。
【0042】
ランドセル本体21は、従来のランドセル本体を任意に選択して用いることができる。
【0043】
かぶせカバー22は、ランドセル本体21のかぶせ部分25(ランドセルの表側を覆うフタの部分)を覆うように設けられている。かぶせカバー22は、ナイロン等の樹脂材料で構成され、全体に亘り可撓性を有している。かぶせカバー22は、ランドセルのかぶせ部分25の形状に合わせて形成されており、例えば図3及び図4のようにランドセルのかぶせ部分25が矩形状であれば同様に矩形状に形成される。かぶせカバー22の縁部には、発光体23を収容する小袋26が設けられている。かぶせカバー22の小袋26は、発光体23からの光が外部から視認できるように、例えばメッシュ状等に形成されている。
【0044】
発光体23は、上述の発光体付きヘルメット10で用いたものと同様に構成されている。すなわち、発光体23は、細長状のクラッド材と、クラッド材内に収容されて、クラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成された可撓性の光伝送部材を備えている。
【0045】
発光体23の光伝送部材を構成するクラッド材は、例えば断面が直径6mm程度の円形に形成されている。クラッド材は、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマー等を用いて構成することができる。また、コア材は、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系ポリマー等を用いて構成することができる。発光体23を構成するクラッド材及びコア材の形状は、それぞれ上述のものに限らず、取り付けるかぶせカバー22の形状やサイズに合わせて、断面が多角形状や楕円状等に形成されていてもよい。さらに、発光体23は、複数本が連なるように構成されていてもよい。
【0046】
また、発光体23は、上述のように、クラッド材及びコア材等を用いなくても良い。具体的には、塩化ビニール、ポリプロピレン、無機材料等を原料とする可塑性素材、又は、熱硬化性素材に発光物質を練り込み、又は塗布し、あるいは該素材にあらかじめ着色したうえで、円柱状、円筒状、又は、平板状等に加工し、これを適宜切断等することにより作製してもよい。この場合、使用目的にもよるが、例えば、円柱状に加工する際は直径0.1mm以上に、また、角柱状に加工する際は幅1mm以上に形成するのがよい。このような構成の発光体を、例えば直径6mm程度に形成し、光源等を設けた上で、ランドセル本体に取り付けてもよい。
【0047】
光源24は、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)等で構成されている。光源24は、発光体23の光伝送部材の端部に設けられている。光源24の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組合せたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。
【0048】
コントローラは、内部に電源を収容し、LEDに電気的に接続されている。コントローラの電源は、乾電池、充(蓄)電池、ソーラ電池等を用いることができ、さらに、AC使用可能に構成されていてもよい。コントローラは、LEDを制御する制御素子を備えている。コントローラは、かぶせカバー22表面に装着されているが、かぶせカバー22内部に収容されていてもよい。
【0049】
なお、図5に示す発光体付きランドセル30のように、発光体33は、かぶせカバーを用いずに、ランドセル本体31のかぶせ部分32に直接接合されて設けられていてもよい。また、図5に示すように、発光体33は、肩ベルト部分34に沿って設けてもよい。
【0050】
(発光体付きランドセル20の機能)
発光体付きランドセル20は、かぶせカバー22表面に装着されたコントローラのスイッチをONにすることにより、光源24に制御信号が流れる。コントローラからの制御信号により、光源24はあらかじめ設定された常時発光又は点滅発光を生じる。光源24からの光は光伝送部材の端部から光伝送部材全体を通る。これによって、かぶせカバー22の縁部に設けられた発光体23が発光し、外部からの発光体付きランドセル20及びそれを背負う学童の視認性が良好となる。
【0051】
なお、このとき、かぶせカバー22の縁部に設ける発光体23を、LEDから一色の光を到達させることで全て一色に発光させてもよく、発光体23の光伝送部材の各端部にそれぞれ光源24から異なる色の光を送ることで、発光体23を2色又はそれ以上の色に発光させてもよい。
【0052】
(他の実施形態2)
さらに、本発明に係る発光体を、図6に示すように、腕章に備えてもよい。
【0053】
(発光体付き腕章40の構成)
図6に示した発光体付き腕章40は、腕章本体41、発光体42、及び、光源とコントローラ(それぞれ不図示)で構成されている。
【0054】
腕章本体41は、例えばナイロン等の樹脂材料で構成されている。腕章本体41の表面には、周方向に沿うように、発光体42を収容する小袋43が2箇所設けられている。腕章本体41の小袋43は、発光体42からの光が外部から視認できるように、例えばメッシュ状等に形成されている。
【0055】
発光体42は、上述の発光体付きヘルメット10で用いたものと同様に構成されている。すなわち、発光体42は、細長状のクラッド材と、クラッド材内に収容されて、クラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成された可撓性の光伝送部材を備えている。
【0056】
発光体42の光伝送部材を構成するクラッド材は、例えば断面が直径6mm程度の円形に形成されている。クラッド材は、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマー等を用いて構成することができる。また、コア材は、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系ポリマー等を用いて構成することができる。発光体42を構成するクラッド材及びコア材の形状は、それぞれ上述のものに限らず、取り付ける腕章本体41の形状やサイズに合わせて、断面が多角形状や楕円状等に形成されていてもよい。さらに、発光体42は、複数本が連なるように構成されていてもよい。また、上記実施形態では、発光体42は小袋43内に取り外し可能に収容されているが、これに限らない。例えば、発光体42は、腕章本体41の小袋43内を用いずに、腕章本体41表面に直接接合されて設けられていてもよい。また、発光体42は、腕章本体41表面に、1箇所、又は、3箇所以上設けてもよい。
【0057】
また、発光体42は、上述のように、クラッド材及びコア材等を用いなくても良い。具体的には、塩化ビニール、ポリプロピレン、無機材料等を原料とする可塑性素材、又は、熱硬化性素材に発光物質を練り込み、又は塗布し、あるいは該素材にあらかじめ着色したうえで、円柱状、円筒状、又は、平板状等に加工し、これを適宜切断等することにより作製してもよい。この場合、使用目的にもよるが、例えば、円柱状に加工する際は直径0.1mm以上に、また、角柱状に加工する際は幅1mm以上に形成するのがよい。このような構成の発光体を、例えば直径6mm程度に形成し、光源等を設けた上で、腕章本体に取り付けてもよい。
【0058】
光源は、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)等で構成されている。光源は、発光体42の光伝送部材の端部に設けられている。光源の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組合せたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。
【0059】
コントローラは、内部に電源を収容し、LEDに電気的に接続されている。コントローラの電源は、乾電池、充(蓄)電池、ソーラ電池等を用いることができ、さらに、AC使用可能に構成されていてもよい。コントローラは、LEDを制御する制御素子を備えている。コントローラは、腕章本体41表面に装着されているが、腕章本体41内部に収容されていてもよい。
【0060】
(発光体付き腕章40の機能)
発光体付き腕章40は、腕章本体41表面に装着されたされたコントローラのスイッチをONにすることにより、光源に制御信号が流れる。コントローラからの制御信号により、光源はあらかじめ設定された常時発光又は点滅発光を生じる。光源からの光は光伝送部材の端部から光伝送部材全体を通る。これによって、腕章本体41の小袋43に設けられた発光体42が発光し、外部からの発光体付き腕章40及びそれを装着する人の視認性が良好となる。
【0061】
なお、このとき、腕章本体41の小袋43に設ける発光体42を、LEDから一色の光を到達させることで全て一色に発光させてもよく、発光体42の光伝送部材の各端部にそれぞれ光源から異なる色の光を送ることで、発光体42を2色又はそれ以上の色に発光させてもよい。
【0062】
(他の実施形態3)
また、本発明に係る発光体を、図7に示すように、ストラップに備えてもよい。
【0063】
(発光体付きストラップ50の構成)
図7に示した発光体付きストラップ50は、ストラップ本体51、発光体52、及び、光源とコントローラ(それぞれ不図示)で構成されている。ここで、図7において本実施形態の発光体付きストラップ50をかばん53の肩掛けとして用いたものを例示するが、これに限らず、発光体付きストラップ50は、ギター等の楽器、携帯ゲーム機、又は、カメラ等を肩から吊す提げ紐や、車両のシートベルトとして用いることも可能である。
【0064】
ストラップ本体51は、例えばナイロン等の樹脂材料で構成されている。ストラップ本体51の表面には、ストラップ本体51に沿うように、発光体52が3体、連なるように設けられている。
【0065】
発光体52は、上述の発光体付きヘルメット10で用いたものと同様に構成されている。すなわち、発光体52は、細長状のクラッド材と、クラッド材内に収容されて、クラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成された可撓性の光伝送部材を備えている。
【0066】
発光体52の光伝送部材を構成するクラッド材は、例えば断面が直径6mm程度の円形に形成されている。クラッド材は、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマー等を用いて構成することができる。また、コア材は、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系ポリマー等を用いて構成することができる。発光体52を構成するクラッド材及びコア材の形状は、それぞれ上述のものに限らず、取り付けるストラップ本体51の形状やサイズに合わせて、断面が多角形状や楕円状等に形成されていてもよい。さらに、発光体52は、複数本が連なるように構成されていてもよい。また、発光体52は、ストラップ本体51表面に直接接合されていなくてもよく、ストラップ本体51表面に小袋を設け、その小袋内に取り外し可能に設けてもよい。
【0067】
また、発光体52は、上述のように、クラッド材及びコア材等を用いなくても良い。具体的には、塩化ビニール、ポリプロピレン、無機材料等を原料とする可塑性素材、又は、熱硬化性素材に発光物質を練り込み、又は塗布し、あるいは該素材にあらかじめ着色したうえで、円柱状、円筒状、又は、平板状等に加工し、これを適宜切断等することにより作製してもよい。この場合、使用目的にもよるが、例えば、円柱状に加工する際は直径0.1mm以上に、また、角柱状に加工する際は幅1mm以上に形成するのがよい。このような構成の発光体を、例えば直径6mm程度に形成し、光源等を設けた上で、ストラップ本体に取り付けてもよい。
【0068】
光源は、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)等で構成されている。光源は、発光体52の光伝送部材の端部に設けられている。光源の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組合せたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。
【0069】
コントローラは、内部に電源を収容し、LEDに電気的に接続されている。コントローラの電源は、乾電池、充(蓄)電池、ソーラ電池等を用いることができ、さらに、AC使用可能に構成されていてもよい。コントローラは、LEDを制御する制御素子を備えている。コントローラは、ストラップ本体51表面に装着されているが、ストラップ本体51内部に収容されていてもよい。
【0070】
(発光体付きストラップ50の機能)
発光体付きストラップ50は、ストラップ本体51表面に装着されたコントローラのスイッチをONにすることにより、光源に制御信号が流れる。コントローラからの制御信号により、光源はあらかじめ設定された常時発光又は点滅発光を生じる。光源からの光は光伝送部材の端部から光伝送部材全体を通る。これによって、ストラップ本体51の表面に設けられた発光体52が発光し、外部からの発光体付きストラップ50、それを備えたかばん53、及び、それを持つ人の視認性が良好となる。
【0071】
なお、このとき、ストラップ本体51の表面に設ける発光体52を、LEDから一色の光を到達させることで全て一色に発光させてもよく、発光体52の光伝送部材の各端部にそれぞれ光源から異なる色の光を送ることで、発光体52を2色又はそれ以上の色に発光させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明は、発光体付きヘルメット、発光体付きランドセル、発光体付き腕章、及び、発光体付きストラップについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る発光体付きヘルメット10の斜視図を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る発光体付きヘルメット10の上面図を示す。
【図3】本発明の他の実施形態1に係る発光体付きランドセル20の分解斜視図を示す。
【図4】本発明の他の実施形態1に係る発光体付きランドセル20の斜視図を示す。
【図5】本発明の他の実施形態1に係る発光体付きランドセル30の斜視図を示す。
【図6】本発明の他の実施形態2に係る発光体付き腕章40の斜視図を示す。
【図7】本発明の他の実施形態3に係る発光体付きストラップ50の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0074】
10 ヘルメット
11 ヘルメット本体
12,23,33,42,52 発光体
14 嵌め込み部
15 支持部
20,30 ランドセル
21,31 ランドセル本体
24 光源
40 腕章
41 腕章本体
50 ストラップ
51 ストラップ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット本体と、
上記ヘルメット本体の外周部に沿うように設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、
を備えたことを特徴とする発光体付きヘルメット。
【請求項2】
請求項1に記載された発光体付きヘルメットにおいて、
上記ヘルメット本体は、その外周部に、二箇所の嵌め込み部と、少なくとも一箇所の支持部とがそれぞれ設けられていると共に、
上記発光体は、その両端部がそれぞれ上記嵌め込み部に嵌め込まれ、且つ、上記支持部でその中央部が支持されている発光体付きヘルメット。
【請求項3】
請求項1に記載された発光体付きヘルメットにおいて、
上記発光体は、細長状のクラッド材と、該クラッド材内に収容され且つ該クラッド材の内表面よりも屈折率の高いコア材と、で構成された光伝送部材を備えたことを特徴とする発光体付きヘルメット。
【請求項4】
請求項3に記載された発光体付きヘルメットにおいて、
上記発光体は、上記光伝送部材の少なくとも一端へ光を送る光源をさらに備えたことを特徴とする発光体付きヘルメット。
【請求項5】
ランドセル本体と、
上記ランドセル本体に設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、
を備えたことを特徴とする発光体付きランドセル。
【請求項6】
腕章本体と、
上記腕章本体に設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、
を備えたことを特徴とする発光体付き腕章。
【請求項7】
ストラップ本体と、
上記ストラップ本体に設けられ、細長状に形成された可撓性の発光体と、
を備えたことを特徴とする発光体付きストラップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−13538(P2009−13538A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178038(P2007−178038)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(507230533)株式会社MAITS (2)
【Fターム(参考)】