説明

発光印刷物

【課題】夜間においても視認が容易である発光印刷物を提供する。
【解決手段】発光印刷物1は、選挙候補者に関する情報が印刷されたシート状のポスター2と、ポスター2の印刷面とは反対側の面に着脱可能に取付けられると共に、ポスター2の印刷面の全面を、印刷面とは反対側の面から照らすシート状のLED3と、LED3に取付けられると共に、LED3に供給する電気を発電する太陽光発電部すなわちソーラーパネル4と、ソーラーパネル4が発電した電気を蓄電する蓄電部と、ポスター2の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、LED3を作動させてポスター2を照らしめる制御部とを備える。ソーラーパネル4が発電した電気は、蓄電部で蓄電され、そして、光感知部が所定の暗さを感知すると、蓄電部に蓄電された電気が使用されて、LED3がポスター2を照らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光印刷物に関する。詳しくは、例えば選挙用のポスターとして利用できる発光印刷物に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ポスターは、屋外や屋内において、壁面や柱などに掲示するために制作された広告宣伝媒体である。
【0003】
また、日本国では、選挙が告示されると、候補者や政党名を記載したポスターが作成されて掲出される。
また、商品やサービスの提供を予告したり、開始したり、終了したりする際にも、ポスターが作成されて掲出される。
【0004】
ところで、ポスターは、掲示板などに単に貼り付けられていることが多いため、ポスターの周囲が暗くなるとポスターの内容を視認し難くなるが、生活様式の多様化によって、夜間に活動する者も多くなり、このような者に対してもポスターを見てもらいたいという要求がある。
【0005】
そこで、例えば特許文献1には、文字または図形の一部または全部を蓄光インクで印刷した発光ポスターが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3095767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された発光ポスターは、発光時間が10分〜60分というように短いため、発光時間が経過した後は、発光しない従来のポスターと何ら変わらなくなり、その結果、夜間のほとんどの時間において目立たず、夜間においてもポスターを見てもらいたいという要求を充分に満たすものではなかった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、夜間においても視認が容易である発光印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の発光印刷物は、シート状の印刷物と、該印刷物に着脱可能に取付けられると共に、前記印刷物の少なくとも一方の面の全面を照らす照明部と、該照明部に取付けられると共に、前記照明部に供給する電気を発電する発電部と、前記印刷物の周囲の光を感知する光感知部と、該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記印刷物を照らしめる制御部とを備える。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の発光印刷物は、印刷が施されると共に、印刷が施された面である印刷面の全面を照らす照明部と、該照明部に取付けられると共に、前記照明部に供給する電気を発電する発電部と、前記照明部の印刷面の周囲の光を感知する光感知部と、該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記印刷面を照らしめる制御部とを備える。
【0011】
ここで、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて印刷物(印刷面)を照らしめる制御部によって、例えば、昼間、空が厚い雲に覆われて暗くなった場合や、日没間近の時に暗くなった場合や、日没後に暗くなった場合に、印刷物(印刷面)を照らすようにできる。
【0012】
また、本発明の発光印刷物において、印刷物(印刷面)は耐水性を有する場合、雨天の時でも雨水などによって損傷せず、安心して屋外に本発明の発光印刷物を掲示しておくことができる。
また、本発明の発光印刷物において、印刷物は、印刷が施されたプラスチックフィルム、または、印刷が施された合成紙であることとすることができる。
【0013】
また、本発明の発光印刷物において、照明部は、シート状のLEDであることとすることができる。
【0014】
また、本発明の発光印刷物において、プラスチックフィルムの印刷面もしくは合成紙の印刷面とは反対側の面にシート状のLEDが着脱可能に取付けられることとすることができる。
【0015】
この場合、発光印刷物全体の厚みが薄くなり、ポスターなどのように掲示板などに貼り付けやすくなる。
【0016】
また、本発明の発光印刷物において、発電部は、太陽光を利用して発電する太陽光発電部であることとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る発光印刷物は、夜間においても視認が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の発光印刷物の一例を示す概略平面図(a)、および概略平面図(a)のA−A線に沿った概略断面図(b)である。
【図2】本発明の発光印刷物の使用例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の発光印刷物の一例を示す概略平面図(a)、および概略平面図(a)のA−A線に沿った概略断面図(b)である。
【0020】
本発明の発光印刷物1は、選挙候補者に関する情報が印刷されたシート状のポスター(印刷物の一例である。)2を備える。また、ポスター2は、ユポ紙(登録商標)と呼ばれる、ポリプロピレンを主原料とする合成紙で構成されており、ポスター2は耐水性を有する。
【0021】
また、本発明の発光印刷物1は、ポスター2の印刷面とは反対側の面に着脱可能に取付けられると共に、ポスター2の印刷面の全面を、印刷面とは反対側の面から照らすシート状のLED(発光ダイオード)(照明部の一例である。)3を備える。
【0022】
また、本発明の発光印刷物1は、LED3に取付けられると共に、LED3に供給する電気を発電する太陽光発電部すなわちソーラーパネル(発電部の一例である。)4を備える。
【0023】
また、図示していないが、本発明の発光印刷物1は、ソーラーパネル4が発電した電気を蓄電する蓄電部と、ポスター2の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、LED3を作動させてポスター2を照らしめる制御部とを備える。
【0024】
ここで、ソーラーパネル4が発電した電気は、蓄電部で蓄電され、そして、光感知部が所定の暗さを感知すると、蓄電部に蓄電された電気が使用されて、LED3がポスター2を照らす。
【0025】
また、本明細書で言う「所定の暗さ」とは、人が一般的に文字や絵などを見るに際して暗いと感じる暗さを意味する。
【0026】
また、制御部は、光感知部が所定の暗さを感知しなくなった場合、すなわち、例えば夜が明けて明るくなった場合、もしくは、厚い雨雲が去って日が差し始めた場合、照明部を停止させて印刷物(印刷面)を照らすことを止めさせる。
【0027】
また、印刷された箇所(面)が照明部によって照らされればよいので、例えば、照明部の表面に印刷を施して、印刷物と照明部を一体化することもできる。
【0028】
また、本発明の発光印刷物が、印刷物もしくは印刷面を照らす照明部と、照明部に取付けられると共に、照明部に供給する電気を発電する発電部と、印刷物もしくは印刷面の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて印刷物もしくは印刷面を照らしめる制御部とを備えるのであれば、必ずしもシート状のLEDを使用しなくてもよく、例えばシート状の蛍光灯を用いてもよい。
【0029】
また、本発明の発光印刷物が、印刷物もしくは印刷面を照らす照明部と、照明部に取付けられると共に、照明部に供給する電気を発電する発電部と、印刷物もしくは印刷面の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて印刷物もしくは印刷面を照らしめる制御部とを備えるのであれば、必ずしもポスターは合成紙で構成されていなくてもよく、例えば、普通紙複写機(PPC)レーザー用オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)フィルムなどのプラスチックフィルムで構成されていてもよい。
【0030】
また、本発明の発光印刷物が、印刷物もしくは印刷面を照らす照明部と、照明部に取付けられると共に、照明部に供給する電気を発電する発電部と、印刷物もしくは印刷面の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて印刷物もしくは印刷面を照らしめる制御部とを備えるのであれば、必ずしも太陽光発電部であるソーラーパネルを用いなくてもよく、風力を利用した発電部を用いてもよい。
【0031】
また、図1は、ソーラーパネル4をLED3の上部にのみ取付けた例を示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、LEDの下部にソーラーパネルを取付けてもよいし、LEDの上部、下部および左右側部にそれぞれソーラーパネルを取付けてもよい。
【0032】
図2は、本発明の発光印刷物の使用例を示す概略図である。
図2に示すように、選挙候補者に関する情報が印刷されたシート状のポスター2を備える本発明の発光印刷物1は、そのまま候補者ポスターとして、候補者ポスター掲示板5に貼り付けられる。
【0033】
そして、昼間、ソーラーパネル4によって発電した電気を蓄電しておき、光感知部がポスター2の周囲の所定の暗さを感知すると、蓄電された電気が使用されてLED3がポスター2を、印刷面とは反対側の面から照らして、図2に示すように、本発明の発光印刷物1は、夜間でも目立つ存在となる。
【0034】
また、本発明の発光印刷物を、選挙候補者のポスターとして使用した例を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、その他にも例えば、老人ホームや病院において設置される、ピクトグラムが印刷された避難口誘導灯として使用することもできる。
【0035】
以上のように、本発明の発光印刷物は、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、LEDなどの照明部を作動させて印刷物(印刷面)を照らしめる制御部を備えるので、例えば、昼間、空が厚い雨雲に覆われて暗くなった場合や、日没間近の時に暗くなった場合や、日没後に暗くなった場合に、印刷物(印刷面)を照らすようにできる。
【0036】
従って、本発明の発光印刷物は、夜間においても視認が容易である。
【0037】
また、本発明の発光印刷物は、このように夜間において照明部が印刷物(印刷面)を照らすので、例えば街灯が乏しい路上に設置された掲示板に本発明の発光印刷物を貼り付けておけば、街灯の代わりとなると共に、防犯にも役立つ。
【0038】
さらに、本発明の発光印刷物は、ソーラーパネルなどの発電部を備えるので、バッテリーなどの電源を準備する必要がない。
【0039】
また、本発明の発光印刷物は、合成紙にシート状のLEDが貼り付けられた構成のものなので、発光印刷物全体の厚みが薄くなり、一般のポスターなどのように掲示板などに貼り付けやすい。
【符号の説明】
【0040】
1 発光印刷物
2 ポスター
3 LED
4 ソーラーパネル
5 候補者ポスター掲示板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の印刷物と、
該印刷物に着脱可能に取付けられると共に、前記印刷物の少なくとも一方の面の全面を照らす照明部と、
該照明部に取付けられると共に、前記照明部に供給する電気を発電する発電部と、
前記印刷物の周囲の光を感知する光感知部と、
該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記印刷物を照らしめる制御部とを備える
発光印刷物。
【請求項2】
前記印刷物は耐水性を有する
請求項1に記載の発光印刷物。
【請求項3】
前記印刷物は、印刷が施されたプラスチックフィルム、または、印刷が施された合成紙である
請求項1または請求項2に記載の発光印刷物。
【請求項4】
前記照明部は、シート状のLEDである
請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光印刷物。
【請求項5】
前記プラスチックフィルムの印刷面もしくは前記合成紙の印刷面とは反対側の面に前記LEDが着脱可能に取付けられる
請求項4に記載の発光印刷物。
【請求項6】
前記発電部は、太陽光を利用して発電する太陽光発電部である
請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光印刷物。
【請求項7】
印刷が施されると共に、印刷が施された面である印刷面の全面を照らす照明部と、
該照明部に取付けられると共に、前記照明部に供給する電気を発電する発電部と、
前記照明部の印刷面の周囲の光を感知する光感知部と、
該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記印刷面を照らしめる制御部とを備える
発光印刷物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−37649(P2012−37649A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176257(P2010−176257)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(505466457)株式会社パナックスメディア (3)
【Fターム(参考)】