説明

発光可能媒体の劣化を補償するセンサ

刺激に応じて出力信号を生成するセンサであって、上記刺激の1つ又は複数の特性が上記出力信号の関数として決定されることができるよう、上記出力信号が、上記刺激の1つ又は複数の特性に対して所定の関係で生成される。ある実施形態において、上記センサは、要素24、センサプロセッサ26及び送信器28を有する。上記要素は劣化する。これにより、上記出力信号と上記刺激の1つ又は複数の特性との間の所定の関係における予測可能な変動がもたらされる。上記センサプロセッサは、上記要素の劣化に関連付けられる情報を提供する。上記送信器は、上記プロセッサにより提供される情報を無線で送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条(e)項の規定により、本出願は、2006年10月6日に出願された米国仮出願シリアル番号第60/849,951号による優先権利益を請求する。更に、米国特許法第120/365条の規定により、本出願は、2007年10月2日に出願された米国特許出願シリアル番号第11/866,046号による優先権利益を請求する。
【0002】
本発明は、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するセンサにおける発光可能な媒体の劣化を補償するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発光可能な媒体と接触するガス体(body of gas)に含まれる分析物に関連付けられる情報を決定するため、発光可能な媒体の発光の1つ又は複数の側面を測定する発光可能な媒体を含むセンサが知られている。米国特許第6,325,978号、第6,632,402号、第6,616,896号、及び第6,815,211号はすべて、試料セルを通るガスにおいて例えば酸素といったガスの濃度を決定するため、発光クエンチングを使用する斯かるセンサの例を開示する。上記文献の各々の内容は、参照により本願明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの発光ベースのセンサの精度は、通常時間とともに、光ブリーチング、ラジカル形成及び/又は他の現象に起因する発光可能な媒体の劣化により劣化する。発光可能な媒体を比較的頻繁に較正し、及び/又は比較的頻繁に交換しないと、この種の従来型センサは、この劣化が原因で信頼性がなくなる場合がある。発光可能な媒体の劣化に関連付けられる他の欠点も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの側面は、ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるセンサに関する。ある実施形態において、上記センサは、第1のセンサ部及び第2のセンサ部を有する。上記第1のセンサ部は、エミッタを有し、このエミッタは、電磁放射線を放出するように構成される。上記第2のセンサ部は、第1のセンサ部に着脱自在に結合するよう構成され、発光可能な媒体、記憶モジュール及び送信器を有する。上記発光可能な媒体は、ガス体との間で動作通信状態にあり、及び上記第2のセンサ部が上記第1のセンサ部に着脱自在に結合される場合、上記エミッタから電磁放射線を受信するよう構成される。上記発光可能な媒体は、上記エミッタから受信する電磁放射線に応じて、発光放射線を放出し、その結果、上記ガス体に含まれる1つ又は複数であるガス状分析物に関連付けられる情報が、上記発光放射線の1つ又は複数の特性の関数として決定されることができる。記憶モジュールが、上記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を格納し、上記発光可能な媒体の劣化が、上記発光可能な媒体による上記発光放射線の放出に影響を与える。上記送信器は、上記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を送信する。
【0006】
本発明の別の側面は、ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるシステムに関する。ある実施形態において、このシステムは、プロセッサ及びセンサを有する。上記センサは、第1のセンサ部と第2のセンサ部とを有する。上記第1のセンサ部は、エミッタと感光性検出器とを有する。上記エミッタは、振幅変調された電磁放射線を放出するよう構成される。上記感光性検出器は、電磁放射線を受信し、上記受信される電磁放射線に応じて1つ又は複数の出力信号を生成するよう構成される。上記出力信号は、上記受信される電磁放射線の振幅を示す。上記第2のセンサ部は、上記第1のセンサ部に着脱自在に結合するよう構成され、発光可能な媒体、記憶モジュール及び送信器を有する。
【0007】
発光可能な媒体は、ガス体との間で動作通信状態にあり、及び上記第2のセンサ部が上記第1のセンサ部に着脱自在に結合される場合、上記エミッタから振幅変調された電磁放射線を受信するよう構成される。発光可能な媒体は、上記エミッタから受信する電磁放射線に応じて発光放射線を放出し、その結果、上記ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報が、上記発光放射線の1つ又は複数の特性の関数として決定されることができる。上記発光可能な媒体が、上記第2のセンサ部が上記第1のセンサ部に着脱自在に結合される場合、上記発光放射線の一部が上記感光性検出器に向けられるよう更に構成される。上記記憶モジュールは、上記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を格納し、上記発光可能な媒体の劣化が、上記発光可能な媒体による上記発光放射線の放出に影響を与える。
【0008】
上記送信器は、上記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を送信する。プロセッサが、(i)上記感光性検出器により生成される上記出力信号を受信し、(ii)上記送信器により無線で送信される上記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を受信し、及び(iii)上記感光性検出器により生成される出力信号及び上記送信器から受信される情報に基づき、上記1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報を決定する。
【0009】
本発明の更に別の側面は、刺激に応答して出力信号を生成するセンサであって、上記刺激の1つ又は複数の特性が上記出力信号の関数として決定されることができるよう、上記出力信号が、上記刺激の1つ又は複数の特性との間で所定の関係が成立するよう生成される。ある実施形態において、上記センサは、要素、センサプロセッサ及び送信器を有する。要素は劣化する。これにより、上記出力信号と上記刺激の1つ又は複数の特性との間の上記所定の関係における予測可能な変動が生じる。上記センサプロセッサは、要素の劣化に関連付けられる情報を提供する。上記送信器は、上記プロセッサにより提供される情報を無線で送信する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明のある実施形態による、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるシステムを示す図である。
【図1B】本発明のある実施形態による、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるシステムを示す図である。
【図2】本発明のある実施形態による、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるセンサの構成を示す図である。
【図3】本発明のある実施形態による、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するように構成されるセンサの構成を示すである。
【図4】本発明のある実施形態による、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するように構成されるセンサ内に配置されるプロセッサを示す図である。
【図5】本発明のある実施形態による、ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連する情報を決定するプロセッサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性が、この構造の関連要素及び部品の組合せにおける動作方法及び機能並びに製造コストと共に、対応する図面を参照して以下の明細書及び添付の特許請求の範囲を考慮すればより明らかになるだろう。上記事項はすべて、この明細書の一部を形成する。類似する参照符号は、さまざまな図面における対応する部品を表す。しかしながら、図面が図示及び説明のためにだけあること、及び本発明の限界を規定するものとして意図されないことを明示的に理解されたい。明細書及び請求項において使用される単数形の「a」「an」及び「the」は、明示的にそうでない旨の記載がなければ、複数の参照を含むものとする。
【0012】
図1Aを参照して、ガス体における1つ又は複数の分析物又は成分に関連付けられる情報を決定するように構成されるシステム10が示される。システム10は、センサ12及びプロセッサ14を含む。センサ12は、第1のセンサ部16及び第2のセンサ部18を含む。第1のセンサ部16及び第2のセンサ部18は、ある実施形態において、互いに着脱自在に結合されることができる。図1Aは、第2のセンサ部18から離脱される第1のセンサ部16を示す。
【0013】
図1Bは、第1のセンサ部16及び第2のセンサ部18が一緒に結合されるときのシステム10を概略的に示す。第2のセンサ部18は、ガスが通過することができる導管22により形成される流路20を提供する。(例えば、図1Bに図示されるように)第1のセンサ部16が第2のセンサ部18に結合される場合、第1のセンサ部16は、その間で動作通信リンク(例えば、有線リンク、無線リンク、別々のリンク、ネットワークを介するリンク等)を介してプロセッサ14に提供される出力信号を生成するよう動作可能である。第1のセンサ部16により生成される出力信号に基づき、プロセッサ14は、流路20内に配置されるガスに含まれる1つ又は複数の分析物又は成分の1つ又は複数の特性に関連付けられる情報を決定する。発光ベースの技術を介して監視されるガス流における分析物又は成分の例は、酸素である。
【0014】
ある実施形態において、導管22は、患者に及び/又は患者からガスを運搬するよう適合される。従って、導管22は、別の導管、回路、又は導管22にガスを供給する管と結合されることができる。より特定の例において、導管22は、患者の気道と通信するよう構成される患者インターフェース装置からガスを受信することができる。患者インターフェース装置のいくつかの例は、例えば、気管内チューブ、鼻カニューレ、気管切開チューブ、マスク又は他の患者インターフェース装置を含むことができる。本発明は、これらの例に限定されず、及び任意のガス体における分析物の決定を想定する。
【0015】
図1A及び1Bから分かるように、ある実施形態において、第2のセンサ部18は、発光可能な媒体24、プロセッサ26及び送信器/受信器28を含む。ある実施形態において、第1のセンサ部16は、エミッタ30、感光性検出器32及び送信器/受信器34を含む。
【0016】
センサ部16及び18を着脱自在に結合するための様々な機構が実現されることができる点を理解されたい。いくつかの実施形態において、台座領域が、第1のセンサ部16を収容するハウジングを確実に受けるよう適合される導管22の外部表面に提供される。例えばセンサ部16及び18は、2003年9月9日に発行されたLabudaらによるタイトルが「OXYGEN MONITORING APPARATUS」である米国特許第6,616,896号(以下896特許と呼ぶ)、又は2003年10月14日に発行されたBlazewiczらによるタイトルが「OXYGEN MONITORING APPARATUS」である米国特許第6,632,402号(以下402特許と呼ぶ)に記載される態様で結合されることができる。更に、これらのリファレンスは両方とも、(1)エミッタ30、感光性検出器32及び/又は発光可能な媒体24の一部又は全てに類似する要素を含み、及び(2)センサ12と類似する態様でガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定するセンサを記載する。402特許及び896特許は共に、全体として、参照により本書に組み込まれる。これらの例は、限定することを目的とするものではなく、及びセンサ部16及び18を結合させる任意の適切な方法が使用されることができる点を理解されたい。更に、別の実施形態では、センサ部16及び18は、互いに永久に接続される、又は少なくとも容易には離脱されない。
【0017】
センサ部16及び18が結合されるとき、エミッタ30は発光可能な媒体24へ向けられる電磁放射線を放出する。以下に更に述べられるように、エミッタ30により放出される電磁放射線は発光可能な媒体24が発光することをもたらす波長を持つ電磁放射線を含む。エミッタ30は、1つ又は複数の有機LED(「OLED」)、レーザ(例えば、ダイオードレーザ又は他のレーザ光源)、発光ダイオード(「LED」)、熱陰極蛍光管(「HCFL」)、冷陰極蛍光管(「CCFL」)、白熱電球、ハロゲンランプ、受信環境光及び/又は他の電磁放射線源を含むことができる。
【0018】
ある実施形態において、エミッタ30は、1つ又は複数の緑及び/又は青色LEDを含む。これらのLEDは通常、発光可能な媒体24の発光可能な組成吸収域において高輝度を持ち、及び他の波長(例えば、赤及び/又は赤外線)で、より小さな放射線量を出力する。これは、センサ12の漂遊干渉光及び光劣化を最小化する。
【0019】
本発明はLEDの使用に決して限定されないが、エミッタ30をLEDで実現することの他の利点は、その軽量さ、コンパクトさ、低消費電力、低電圧要件、低い熱発生、信頼性、丈夫さ、比較的低コスト及び安定性を含む。また、LEDは、非常に迅速に、確実に及び何度も、オン/オフに切替えられることができる。
【0020】
いくつかの実現において、システム10は、エミッタ30により放出される放射線をガイドし、焦点合わせし及び/又は他の処理をするため、第1のセンサ部16及び第2のセンサ部18の一方又は両方内に配置される1つ又は複数の光学素子(図示省略)を含むことができる。例えば、1つ又は複数のレンズは、選択された方向に放射線を平行化することができる。より特定の例として、本書に共に組み込まれる896特許及び402特許は、エミッタ30と類似のエミッタにより放出される放射線を処理する光学素子の使用を開示する。
【0021】
センサ部16及び18が結合されるとき、エミッタ30からの電磁放射線は、所定の振幅変調を備える(例えば、所定周波数を持つ、所定の最大及び/又は最小振幅を持つ等)発光可能な媒体24に達することができる。ある実施形態において、エミッタ30は、所定の振幅変調を備える電磁放射線を放出するよう駆動されることができる。別の実施形態では、第1のセンサ部16は、エミッタ30により放出される電磁放射線の振幅を変調する1つ又は複数の光学素子(図示省略)を含むことができる。1つ又は複数の光学素子は、1つ若しくは複数の周期的に駆動される能動要素(例えば、液晶スタック等)、並びに/又は、エミッタ30により放出される電磁放射線の光学経路の中へ及び中から周期的に移動される1つ若しくは複数の受動要素(例えば、フィルタ、ハーフミラー等)を含むことができる。
【0022】
第2のセンサ部18は、導管22の壁に形成されるウィンドウ36を含むことができる。センサ部16及び18が結合されるとき、例えばエミッタ30により放出される電磁放射線といった電磁放射線が、導管22の内部に入る及び/又はその内部から出ることを可能にするため、ウィンドウ36は、実質的に透明とすることができる。例えば、ウィンドウ36は、サファイヤ、1つ又は複数のポリマー(例えば、ポリエチレン等)、ガラス及び/又は他の実質的に透明な物質から形成されることができる。いくつかの実施形態(図示省略)において、導管22は、ウィンドウ36に類似する2つのウィンドウを含むことができる。402特許において図示及び説明されるように、2つのウィンドウは、電磁放射線が導管22を通過することを可能にするため互いから反対側の導管22に配置されることができる。本実施形態において、センサ部16及び18が結合されるとき、感光性検出器32は、エミッタ30から導管22の反対側に配置されることができる。
【0023】
発光可能な媒体24は、エミッタ30及び/又はいくつかの他の励起エネルギーからの放射線に応じて、エミッタ30により提供される電磁放射線の波長と異なる波長において実質的に無指向性の態様で、波線38により示される電磁放射線を放出するよう発光する媒体である。この発光した電磁放射線38の強度及び/又は持続性は、導管22内のガス体に含まれる1つ又は複数の分析物の相対量に基づき上下する。ある実施形態においては、酸素が、発光反応をクエンチすることにより、発光放射線38の強度及び/又は持続性の修正をもたらす。酸素の濃度が増加するにつれて、発光放射線38の強度及び/又は持続性の修正は少なくなるだろう。ある実施形態において、発光可能な媒体24は、発光フィルムとして形成される。例えば、参照により含まれる896及び402特許は共に、発光可能な媒体24として使用されることができるフィルムを開示する。
【0024】
図1A及び1Bにおいて示される実施形態において、発光可能な媒体24は、熱コンデンサ40と接触して、熱コンデンサ40の近くに又はさもなければ熱コンデンサ40と熱的に結合されて配置される。熱コンデンサ40は、発光可能な媒体24を実質的に一定の動作温度に維持し、及びこれにより発光可能な媒体24の温度変動に起因するシステム10の不正確さを減少又は除去するために使用される。従って、熱コンデンサ40は、例えば温度センサの出力に基づきフィードバック式で制御されるヒーター、ヒートシンク等の、この機能を実現する任意のデバイスである。
【0025】
センサ部16及び18が結合される場合、発光可能な媒体24から発光された電磁放射線38の少なくとも一部を感光性検出器32が受信するよう、感光性検出器32は、第1のセンサ部16内に配置される。受信放射線に基づき、感光性検出器32は、受信放射線の1つ又は複数の特性に関連付けられる1つ又は複数の出力信号を生成する。例えば、1つ又は複数の出力信号は、放射線の量、放射線の強度、放射線の変調及び/又は放射線のその他の性能に関連付けられることができる。ある実施形態において、感光性検出器32は、PINダイオードを含む。他の実施形態において、他の感光性のデバイスが、感光性検出器32として使用される。例えば、感光性検出器32は、ダイオードアレイ、CCDチップ、CMOSチップ、光電子増倍管及び/又は他の感光性のデバイスという形をとることができる。
【0026】
図2は、感光性検出器32を含むセンサ12の実施形態を示す。センサ12においては、発光可能な媒体24と感光性検出器32との間の第1のセンサ部16内に、1つ又は複数のフィルタ要素42が配置される。参照により含まれる896及び402特許両方に記載されているように、フィルタ要素42は通常、発光可能な媒体24により放出されない電磁放射線が感光性検出器32に入射することを防止するように設計される。例えば、ある実施形態において、フィルタ要素42は、波長固有であり、他の波長を持つ放射線を実質的にブロックすると共に、感光性検出器32に入射するよう発光放射線38がそこを通過することを可能にする。
【0027】
図2に示されるセンサ12の実施形態において、第1のセンサ部16は、基準感光性検出器44及びビームスプリッティング要素46も含む。参照により含まれる896特許に記載されているように、ビームスプリッティング要素46は、感光性検出器32に向かって伝播する放射線の一部を基準感光性検出器44上へ向けることができる。感光性検出器32により生成される1つ又は複数の出力信号におけるシステム雑音(例えば、エミッタ30における強度変動等)を説明及び補償するための基準として、基準感光性検出器44により生成される1つ又は複数の出力信号が使用されることができる。
【0028】
図2において、フィルタ42、基準感光性検出器44及びビームスプリッティング要素46が、第1のセンサ部16に配置されるものとして示されるが、これは図示目的としてのものであることを理解されたい。他の実施形態においては、ビームスプリッティング要素46、基準感光性検出器44並びに/又は1つ若しくは複数のフィルタ42のいくつか又はすべてが、第1のセンサ部16内に配置されることができる。
【0029】
図3は、センサ12の更に別の構成を示す。図3に示される構成において、熱コンデンサ40は、少なくとも部分的に透明であり、及びウィンドウ36に隣接して配置される。この構成において、発光可能な媒体24は、ウィンドウ36からコンデンサ40の反対側にある熱コンデンサ40と熱通信できる状態で配置される。発光可能な媒体24は、コンデンサ40と発光可能な媒体24との間の境界線の反対側にある発光可能な媒体24の側の流路20にさらされる。見て分かるように、エミッタ30により放出される電磁放射線47は、発光可能な媒体24に入射するよう、ウィンドウ36及び熱コンデンサ40を共に通過する。上述されているのと実質的に同じ態様で、発光可能な媒体24から放出される発光放射線38は、感光性検出器32及び/又は44の一方又は両方に入射するよう、熱コンデンサ40及びウィンドウ36を通り後ろに進行する。
【0030】
図1A及び1Bに戻り、送信器/受信器28及び34は、互いからの信号を送信し、及び/又は互いに対する信号を受信する。より詳細には、ある実施形態において、送信器/受信器28及び34は、無線で信号を送信及び/又は受信する。これはシステム10が医療設定で配置されるという場合に有益となりうる。なぜなら、露出した通信ライン及び/又は導線が阻止又は禁止される場合があるからである。しかしながら、他の実施形態において、送信器/受信器28及び34は、有線接続を介して信号を送信及び/又は受信することができる。これらの実施形態は、システム10が、医療設定において利用される場合を含むことができる。図1A及び1Bで分かるように、プロセッサ26から信号を送信する及び/又はプロセッサ26に対する信号を受信するよう、送信器/受信器28は、プロセッサ26とのインターフェースとなる。プロセッサ14からの信号を送信する及び/又はプロセッサ14に対する信号を受信するよう、送信器/受信器34は、プロセッサ14とのインターフェースとなる。
【0031】
いくつかの実施形態において、発光可能な媒体24は時間とともに劣化する場合がある。この劣化により、励起エネルギー(例えば、エミッタ30からの電磁放射線)に対する発光可能な媒体24のレスポンス(例えば、発光放射線38の強度及び/又は持続性)における変動がもたらされる。言い換えると、使用及び年数の一方又は両方が原因で発光可能な媒体24内に発生する化学及び/又は物理変化は、発光可能な媒体24が、時間において2つの非隣接ポイントでそれに印加される同じ励起エネルギーとは異なる態様で反応することをもたらす。発光可能な媒体24の劣化が続くので、この劣化は、発光可能な媒体24により発光した発光放射線38の1つ又は複数の特性を表わす出力信号と刺激との間の相関を変化させることにより、その意図された刺激(ガス体に含まれる1つ又は複数の分析物又は成分)を監視するセンサ10の精度に影響を与える場合がある。発光可能な媒体24の劣化を引き起こすことができる現象のいくつかの例は、光ブリーチング、酸素ラジカルの形成及び/又は他の現象を含む。
【0032】
プロセッサ26は、発光可能な媒体24の年数又は使用とともに増加する発光可能な媒体24の劣化に関連付けられる情報を決定する。その後、この情報は、送信器/受信器28によりプロセッサ26から送信され、及び送信器/受信器34を介してプロセッサ14により受信される。更に以下に述べられるように、プロセッサ14は感光性検出器32の出力信号も受信する。その後プロセッサ14は、この出力信号及びプロセッサ26から受信される情報に基づき、流路22に存在するガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定する。
【0033】
図4は、本発明の1つ又は複数の実施形態に基づかれるプロセッサ26を示す。図示されるように、ある実施形態において、プロセッサ26は、補償モジュール48及び記憶モジュール50を含む。モジュール48及び50は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア及び/若しくはファームウェアのいくつかの組合せ、並びに/又は他の実現態様において実現されることができる。図4において、単一の処理ユニット内に共に配置されるものとしてモジュール48及び50が示されるが、プロセッサ26が複数の処理ユニットを含むことができること、及びこれらの処理ユニットのいくつかが第2のセンサ部18内で互いに離れた位置に配置されることができることを理解されたい。斯かる実施形態において、モジュール48及び50は、他のモジュールから離れて配置されることができ、及びモジュール間の動作通信が、1つ又は複数の通信リンクを介して実現されることができる。斯かる通信リンクは、無線又は有線接続とすることができる。
【0034】
補償モジュール48は、発光可能な媒体24の劣化に関連付けられる情報を決定する。前述されたように、発光可能な媒体24の劣化は、年数又は使用とともに進行する傾向がある。従って、ある実施形態において、補償モジュール48は、(1)発光可能な媒体24がセンサ12に取り付けられた時間量(「tage」)及び/又は(2)発光可能な媒体24がセンサ12においてエミッタ30から電磁放射線を受信した時間量(「tuse」)を監視する。いくつかの実施形態において、センサ10が発光可能な媒体24の劣化にとって説明する態様において較正されるとき、tage及びtuseの一方又は両方がリセットされることができる又はリセットされることができないことは明らかである。
【0035】
age及びtuseを監視するために、補償モジュール48は、クロック、タイマー及び/又は他のいくつかの時間測定要素を含むことができる。単に連続的に実行中の時間を必要とするので、tageの決定はかなり単純である。tuseの決定は、発光可能な媒体24がエミッタ30から電磁放射線を受信する時(又は、この時間のなんらかの近似)を補償モジュール48が知らされることを必要とする。
【0036】
例えば、ある実施形態において、補償モジュール48は、発光可能な媒体24にある又はその近くにある第2のセンサ部18に配置され、感光性検出器32として図2に示される感光性検出器と通信する。感光性検出器32は、エミッタ30により放出される放射線を検出するよう適合され、及び、補償モジュール48は、tuseに関して感光性検出器32がエミッタ30により放出される放射線を検出する時間を計数する。
【0037】
図4に戻り、別の実施形態では、プロセッサ26は、エミッタ30から発光可能な媒体24に向けられる電磁放射線の開始/停止を示す信号を送信器/受信器28を介して受信する。いくつかの実施形態において、tuseは、単に発光可能な媒体24が使用中である時間の近似にすぎないとすることができる。例えば、第2のセンサ部18(及び/又は第1のセンサ部16)は、センサ部16及び18が結合されるときを検出する検出器(図示省略)を含むことができ、及び補償モジュール48は、センサ部16及び18が結合される時間をtuseとして測定することができる。
【0038】
ある実施形態において、補償モジュール48は、tage及びtuseの一方又は両方の関数として、補償係数を決定するアルゴリズムを実行する。その後、ガス体において存在する1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報の決定において、プロセッサ14により実現される送信器/受信器28及び34を介して、補償係数はプロセッサ14に送信される。そのアルゴリズムは、アルゴリズムの数学的機能、ルックアップテーブル及び/又は他の形式を含むことができる。別の実施形態では、補償モジュール48は、tage及び/又はtuseが送信器/受信器28及び34を介してプロセッサ14に送信されることをもたらし、及びプロセッサ14は、補償係数を決定するためにtage及び/又はtuseを実現する。
【0039】
記憶モジュール50は、補償係数を決定するためにプロセッサ26及び/又はプロセッサ14の他の要素により使用される情報を記憶するのに使用されることができる。例えば、記憶モジュール50は、tage及び/又はtuseを決定するために使用される開始時刻及び/又は終了時間、tage及び/又はtuse自体、補償係数を決定する補償モジュール48により使用されるルックアップテーブル、補償係数を決定する補償モジュール48により使用される数学的関数及び/又は他の情報を格納することができる。
【0040】
ある実施形態において、プロセッサ26は、補償モジュール48を関与させることなくtageが決定されることを可能にする。本実施形態において、記憶モジュール50は、発光可能な媒体24が第2のセンサ部18に配置された時間又はセンサ10が較正されたという最後の時間のタイムスタンプを格納する。このタイムスタンプはプロセッサ14に送信される。このタイムスタンプは、tage及び/又は補償係数を決定する際のタイムスタンプを実現する。類似する実施形態において、発光可能な媒体24がエミッタ30から電磁放射線を受信するたびに、プロセッサ26は使用の開始及び/又は終了時に記憶モジュール50にタイムスタンプを保存する。これらのタイムスタンプは、電磁放射線が受信された実際の時間又はそのなんらかの近似(例えば、センサ部16及び18が結合及び/又は離脱されるとき)を示すことができる。その後これらのタイムスタンプはプロセッサ14に送信される。プロセッサは、tuseを決定するためこのタイムスタンプを使用する。
【0041】
ある実施形態において、プロセッサ26及び送信器/受信器28は、付随する不揮発性メモリ(例えばEEPROM、等)を持つRFIDトランスポンダを含む。例えば、RFIDトランスポンダに関連付けられるメモリは、記憶モジュール50に関して上述された態様で、tage及び/又はtuseに関連付けられる情報を格納するのに使用されることができる。この情報は、tage及び/又はtuseに関連付けられる時間、タイムスタンプ、補償係数及び/又は他の情報を含むことができる。RFIDトランスポンダの送信器/受信器は、プロセッサ26からの情報を送信し、及びプロセッサ26に対する情報を受信する送信器/受信器28として動作することができる。例えば、送信器/受信器は、RFIDトランスポンダに関連付けられるメモリからの情報を送信し、及びメモリへの情報を受信することができる。
【0042】
別の実施形態では、送信器/受信器28は、(例えば、バーコード等を介する)光学送信器を含む。本実施形態において、光学送信器は、光学的に符号化された情報を提供する可視ラベルを含むことができる。可視ラベルの表示は、静的(例えば、印刷)及び/又は、動的(例えば、LCDディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLEDディスプレイ等)とすることができる。光学的に符合化された情報は、tage及び/又はtuseに関連付けられる時間、タイムスタンプ、補償係数及び/又は他の情報といったtage及び/又はtuseに関連付けられる情報を含むことができる。本実施形態において、静的である可視ラベルの一部は、(例えば、情報を格納することにより)記憶モジュール50として、及び(情報を光学的に送信することにより)送信器/受信器28として機能することができる。本実施形態において、動的である可視ラベルの一部は、送信器/受信器28として機能することができる。一方、動的な表示を駆動するため通信でリンクされるプロセッサは、上述したプロセッサ26の機能の一部もしくは全部を提供することができる。この実施形態において、送信器/受信器34は、光学表示からの情報を受信するための光学コードリーダーを含む。
【0043】
図5は、フェーズ差モジュール52、補償モジュール54及び分析物情報モジュール56を含むプロセッサ14の実施形態を示す。モジュール52、54及び56は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアのなんらかの組合せ;及び/又は他の実現態様において実現されることができる。図1において、単一の処理ユニット内に共に配置されるものとしてモジュール52、54及び56が示されるが、プロセッサ14は複数の処理ユニットを含むことができること、及び、これらの処理ユニットのいくつかは互いに離れた位置に配置されることができることを理解されたい。斯かる実施形態において、1つ又は複数のモジュール52、54及び56は、他のモジュールから離れて配置されることができ、及び、モジュール間の動作通信は、1つ又は複数の通信リンクを介して実現されることができる。斯かる通信リンクは、無線又は有線接続とすることができる。
【0044】
フェーズ差モジュール52は、(1)発光可能な媒体24に入射するようになるエミッタ30からの電磁放射線の振幅変調と(2)エミッタ30により放出される電磁放射線に基づき発光可能な媒体24により発光される電磁放射線38の変調との間のフェーズ差を決定する。
【0045】
このフェーズ差を決定するために、フェーズ差モジュール52は、エミッタ30からの電磁放射線の振幅変調を得る。ある実施形態において、エミッタ30からの電磁放射線の振幅変調は、電磁放射線の振幅変調に比例して、及び/又はこの振幅変調の頻度と共に変化する周期信号(例えば、正弦波信号、方形信号等)の形で得られる。この信号は、エミッタ30に提供される変調された動力信号から、エミッタ30により放出される電磁放射線を振幅変調する能動光学素子を駆動するために使用される変調された動力信号から、又は発光可能な媒体24に提供される電磁放射線を振幅変調するためエミッタ30と発光可能な媒体24との間の受動的な光学素子の位置決めに関連付けられる信号から得られることができる。
【0046】
フェーズ差モジュール52は、発光可能な媒体24により発光される電磁放射線38の振幅変調も得る。いくつかの実施形態では、発光可能な媒体24により発光される電磁放射線38の振幅変調は、発光される電磁放射線38の振幅変調に比例して、及び/又は振幅変調の頻度と共に変化する信号の形式で得られる。例えば、この信号は、感光性検出器32により生成される1つ又は複数の出力信号から得られることができる。
【0047】
フェーズ差モジュール52は、エミッタ30により放出される電磁放射線についての得られた振幅変調と発光される電磁放射線38についての得られた振幅変調との間のフェーズ差を決定する。ある場合において、フェーズ差モジュール52は、これらの2つの振幅変調の間のフェーズ差に比例するDC信号を生成するロックインアンプを含む。他の例において、フェーズ差モジュール52は、エミッタ30により放出される放射線についての得られた振幅変調と発光可能な媒体24により発光される放射線についての得られた振幅変調との間のフェーズ差を算出するソフトウェアにおいて実施されることができる。
【0048】
補償モジュール54は、1つ又は複数のシステム遅延を補償する。例えば、補償モジュール54は、上述の発光可能な媒体24の劣化により生じるセンサ10のレスポンスにおける変動を補償する。補償モジュール54は、これらの変動を補償するためにプロセッサ26から(例えば、補償モジュール48及び/又は記憶モジュール50から)受信される発光可能な媒体24の劣化に関する情報を使用する。前述されるように、プロセッサ26から受信される発光可能な媒体24の劣化に関する情報は、補償係数を含むことができる。補償係数は、(1)エミッタ30により放出される電磁放射線の振幅変調、(2)発光放射線38の振幅変調(感光性検出器32の出力信号により示される)、及び/又は(3)フェーズ差モジュール52により決定されるフェーズ差に適用される補償を含むことができる。
【0049】
ある実施形態において、プロセッサ26は、決定された補償係数より「生」の情報を補償モジュール54に提供することができる。例えば、プロセッサ26は、tage及び/又はtuseに関する値、又はtage及び/又はtuseが決定されることができる情報(例えば、タイムスタンプ)を補償モジュール54に提供することができる。これらの場合において、補償モジュール54は、発光可能な媒体24の劣化に対する補償をする前に補償係数を決定するために、上記の態様において情報を処理する。
【0050】
発光可能な媒体24に入射するエミッタ30により放出される電磁放射線の振幅変調と発光可能な媒体24により放出される電磁放射線38の変調との間の、フェーズ差モジュール52によって定まるフェーズ差に基づき、分析物情報モジュール56は、導管22内のガス体に含まれる1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報を決定する。例えば、(補償モジュール54による補償と共に)フェーズ差モジュール52により決定されるフェーズ差は、発光可能な物質24の発光の減衰時間に関連付けられる。
【0051】
上述されるように、発光可能な物質24の減衰時間は、発光可能な媒体24に存在する1つ又は複数のガスの量の関数として変化する。従って、分析物情報モジュール56は、フェーズ差モジュール52により決定されるフェーズ差に基づき、こうした1つ又は複数のガス(例えば、発光可能な物質24に存在する量)に関連付けられる情報を決定することができる。例えば、分析物情報モジュール56は、1つ又は複数のガスに関連付けられる濃度、分圧及び/又は他の情報を決定することができる。ある実施形態において、1つ又は複数のガスは、酸素を含むことができる。
【0052】
上の説明において、発光可能な媒体24の劣化に対する補償が、分析物情報モジュール56による分析物情報の決定前に補償モジュール54によりなされるものとして記載されているが、この構成の代替例が存在する。例えば、ある実施形態において、分析物情報モジュール56により決定される分析物情報を調整する補償係数が、(プロセッサ26又は補償モジュール54により)決定される。本実施形態において、補償が実施されていない情報に基づき分析物情報モジュール56が分析物情報を決定する後まで、補償モジュール54によって補償係数が適用されることはない。
【0053】
age及び/又はtuseに関連付けられる情報が、システム10内の他の目的のために使用されることもできる。例えば、tage及び/又はtuseに関連付けられる情報は、発光可能な媒体24がその有益なライフタイムを上回るとき(例えば、その発光特性に基づき、情報を正確に決定することはもはや実行されることができない)を決定するのに用いられることができる。本実施形態において、発光可能な媒体24が交換されるべきであることを通知する信号(例えば、可視信号、音声信号等)がユーザに与えられることができる。発光可能な媒体24の交換は、第2のセンサ部18内の発光可能な媒体24を交換すること、又は「より若い」発光可能な媒体を含む別のセンサ部で第2のセンサ部18を交換すること含むことができる。
【0054】
上記のシステム及び方法は、ガス状分析物を分析する文脈において記載されたが、本発明の一般的な原理は、より広範な範囲を覆うことを理解されたい。例えば、時間とともに1つ又は複数のセンサ部品の劣化により生じるセンサにおけるシステム誤差の調整の原理は、本発明の範囲を逸脱することなく他のタイプの検出器及び/又は解析器まで拡張されることができる。
【0055】
最も実際的かつ好ましい実施形態であると現在考慮されるものに基づき、本発明が説明目的で詳述されたが、斯かるその詳細は、単に説明目的のためだけにあること、及び本発明は、開示された実施形態に限定されず、逆に添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある修正及び均等な構成を覆うよう意図されることを理解されたい。例えば、可能な限り、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴が、他の任意の実施形態の1つ又は複数の特徴と結合されることができる点を本発明は想定していることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるセンサであって、
電磁放射線を放出するように構成されるエミッタを有する第1のセンサ部と、
前記第1のセンサ部に着脱自在に結合するよう構成される第2のセンサ部とを有し、
前記第2のセンサ部が、
前記ガス体との間で動作通信状態にあり、及び前記第2のセンサ部が前記第1のセンサ部に着脱自在に結合される場合、前記エミッタから電磁放射線を受信するよう構成される発光可能な媒体であって、前記発光可能な媒体が、前記エミッタから受信する電磁放射線に基づき、発光放射線を放出し、前記ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報が、前記発光放射線の1つ又は複数の特性の関数として決定されることができる、発光可能な媒体と、
前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を格納する記憶モジュールであって、前記発光可能な媒体の劣化が、前記発光可能な媒体による前記発光放射線の放出に影響を与える、記憶モジュールと、
前記発光可能な媒体の前記劣化に関連付けられる情報を送信する送信器とを有する、センサ。
【請求項2】
前記第2のセンサ部が、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を決定する補償モジュールを更に有する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記補償モジュールが、前記発光可能な媒体におけるラジカルの存在によりもたらされる前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を決定する、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報が、前記発光可能な媒体が前記エミッタから電磁放射線を受信した時間の総量を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報が、前記発光可能な媒体が前記エミッタから電磁放射線を受信した時間の総量の関数として、前記補償モジュールにより決定される補償係数を含む、請求項2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1のセンサ部が、受信器を更に有し、前記送信器が、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を前記受信器に無線で送信する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項7】
前記受信器は、前記ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報の決定を調整するため前記情報を実現するプロセッサに、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を提供する、請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
第2のセンサ部が、前記記憶モジュール及び前記送信器を提供するRFIDトランスポンダを更に有する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項9】
前記発光可能な媒体が前記第2のセンサ部に配置されるとき、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報が前記記憶モジュールに格納され、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報が、前記記憶モジュールにより静的に格納される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記送信器が、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を無線で送信する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記1つ又は複数のガス状分析物が酸素を有する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報を決定するよう構成されるシステムであって、
プロセッサと、
センサとを有し、
前記センサが、第1のセンサ部と前記第1のセンサ部に着脱可能に結合するよう構成される第2のセンサ部とを有し、
前記第1のセンサ部が、
振幅変調された電磁放射線を放出するように構成されるエミッタと、
電磁放射線を受信し、及び前記受信される電磁放射線に基づき1つ又は複数の出力信号を生成するよう構成される、感光性検出器であって、前記出力信号が、前記受信される電磁放射線の振幅を示す、感光性検出器とを有し、
前記第2のセンサ部が、
ガス体との間で動作通信状態にあり、及び前記第2のセンサ部が前記第1のセンサ部に着脱自在に結合される場合、前記エミッタから前記振幅変調された電磁放射線を受信するよう構成される発光可能な媒体であって、前記発光可能な媒体が、前記エミッタから受信する電磁放射線に基づき、発光放射線を放出し、前記ガス体に含まれる1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報が、前記発光放射線の1つ又は複数の特性の関数として決定されることができ、前記発光可能な媒体が、前記第2のセンサ部が前記第1のセンサ部に着脱自在に結合される場合、前記発光放射線の一部が前記感光性検出器に向けられるよう更に構成される、発光可能な媒体と、
前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を格納する記憶モジュールであって、前記発光可能な媒体の劣化が、前記発光可能な媒体による前記発光放射線の放出に影響を与える、記憶モジュールと、
前記発光可能な媒体の前記劣化に関連付けられる情報を送信する送信器であって、前記プロセッサが、前記感光性検出器により生成される前記出力信号を受信し、前記送信器により送信される前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を受信し、及び前記感光性検出器により生成される出力信号及び前記送信器から受信される情報に基づき、前記1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報を決定する、送信器とを有する、システム。
【請求項13】
前記第2のセンサ部が、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を決する補償モジュールをさらに有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のセンサ部が、前記記憶モジュール及び前記送信器を提供するRFIDトランスポンダを更に有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサにより決定される前記1つ又は複数のガス状分析物に関連付けられる情報が、酸素濃度及び酸素分圧の一方又は両方に関連付けられる情報を有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のセンサ部が、前記プロセッサと通信する受信器を更に有し、前記送信器が、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を前記受信器に無線で送信し、及び前記プロセッサは、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を前記受信器から受信する、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記発光可能な媒体が前記第2のセンサ部に配置されるとき、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報が前記記憶モジュールに格納され、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報が、前記記憶モジュールにより静的に格納される、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記送信器が、前記発光可能な媒体の劣化に関連付けられる情報を無線で送信する、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
刺激に基づき出力信号を生成するセンサであって、
前記刺激の1つ又は複数の特性が前記出力信号の関数として決定されることができるよう、前記出力信号が、前記刺激の1つ又は複数の特性に対して所定の関係となるよう生成され、前記センサが、
劣化する要素であって、前記要素の劣化により、前記出力信号と前記刺激の1つ又は複数の特性との間の前記所定の関係における予測可能な変動が生じるような劣化する要素と、
前記要素の劣化に関連付けられる情報を提供するセンサプロセッサと、
前記プロセッサにより提供される情報を無線で送信する送信器とを有する、センサ。
【請求項20】
前記要素が、時間量に実質的に比例する率で劣化し、及び前記センサプロセッサが、時間量に関連付けられる情報を提供する、請求項19に記載のセンサ。
【請求項21】
前記時間量が、前記センサが最後に較正されてから経過した総時間量であり、前記センサを較正することが、前記刺激の1つ又は複数の特性が前記出力信号の関数として決定されることを可能にする、前記出力信号と前記刺激の1つ又は複数の特性との間の所定の関係を決定することを含む、請求項20に記載のセンサ。
【請求項22】
前記センサプロセッサにより提供される時間量に関連付けられる情報が、前記センサが最後に較正されてから経過した総時間量を含む、請求項21に記載のセンサ。
【請求項23】
前記センサプロセッサにより提供される時間量に関連付けられる情報が、前記センサが最後に較正されてから経過した総時間量の関数として、前記センサプロセッサにより決定される補償係数を含む、請求項21に記載のセンサ。
【請求項24】
前記時間量は、前記センサが最後に較正されてから前記センサが使用中であった時間量であり、前記センサを較正することが、前記刺激の1つ又は複数の特性が前記出力信号の関数として決定されることを可能にする、前記出力信号と前記刺激の1つ又は複数の特性との間の所定の関係を決定することを含む、請求項20に記載のセンサ。
【請求項25】
前記センサプロセッサにより提供される時間量に関連付けられる情報が、前記センサが最後に較正されてから前記センサが使用中であった時間量を含む、請求項24に記載のセンサ。
【請求項26】
前記センサプロセッサにより提供される時間量に関連付けられる情報が、前記センサが最後に較正されてから前記センサが使用中であった時間の関数として、前記センサプロセッサにより決定される補償係数を含む、請求項24に記載のセンサ。
【請求項27】
前記記憶モジュール及び前記送信器を提供するRFIDトランスポンダを更に有する、請求項19に記載のセンサ。
【請求項28】
前記送信器により送信される情報を受信する受信器と、
受信器を担持する第1のセンサ部であって、前記第1のセンサ部が、前記受信器により受信される情報がシステムプロセッサに転送されるよう、前記システムプロセッサと動作通信状態にある、第1のセンサ部と、
前記要素、前記センサプロセッサ及び前記送信器を担持する第2のセンサ部であって、前記第2のセンサ部が、前記第1のセンサ部に着脱自在に結合するよう構成される、第2のセンサ部とを更に有し、前記システムプロセッサが、前記センサにより監視される1つ又は複数の分析物に関連付けられる情報の決定を調整するため前記受信器から転送される情報を実現する、請求項19に記載のセンサ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−506173(P2010−506173A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531597(P2009−531597)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/080383
【国際公開番号】WO2008/045743
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】