説明

発光掲示装置

【課題】夜間においても被掲示物の視認が容易である発光掲示装置を提供する。
【解決手段】発光掲示装置1は、ポスター3の印刷面とは反対側の面が着脱可能に取付けられる構成であると共に、取付けられたポスター3の印刷面の全面を、印刷面とは反対側の面から照らす照明部2と、照明部2と電気的に接続されると共に、照明部2に太陽光を利用して発電した電気を供給する太陽光電源部即ちソーラーパネル4を備える。照明部2は、ポスター3が取付けられる透明アクリル板である導光板2Aと、導光板2Aの側面から導光板2Aを照らすLED2Bとで構成される。ポスター3は、透明シート5の一方の面に貼り付けられた状態で、導光板2Aに取付けられる。ソーラーパネル4は、脚部7によって上下に角度変更が可能なように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光掲示装置に関する。詳しくは、例えば選挙用ポスターが掲示される発光掲示装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
日本国では、選挙が告示されると、選挙戦で使う候補者ポスターが、候補者ポスター掲示板に貼り付けられる。
【0003】
候補者ポスター掲示板は、告示日から投票日まで、雨風雪などに耐えて、候補者のポスターを保持できるものであればよいので、候補者ポスター掲示板には、必要以上に強固な構造は必要なく、容易に組み立てられ、安価なものが求められる。
【0004】
そこで、例えば特許文献1には、図5に示されるような掲示装置が記載されている。
即ち、特許文献1に記載の掲示装置は、表面104にポスターを貼着できかつ所定の面積を有する基板101と、基板101の上縁102を挟むことができる上支持杆107と、基板101の下縁103を挟むことができる下支持杆114と、上支持杆107と下支持杆114との間に配置して基板101を固定するための中間補強材121と、上下支持杆(107、114)及び中間補強材121を所定間隔で固定する縦連結材126とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−149099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の掲示装置に単にポスターが貼り付けられるので、掲示装置の周囲が暗くなると、ポスターの内容を視認し難くなるが、生活様式の多様化によって、夜間に活動する者も多くなり、このような者に対してもポスターを見てもらいたいという要求がある。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、夜間においても被掲示物の視認が容易である発光掲示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の発光掲示装置は、被掲示物が着脱可能に取付けられる構成であると共に、取付けられた前記被掲示物を照らす照明部と、該照明部と電気的に接続されると共に、前記照明部に電気を供給する電源部と、前記照明部の周囲の光を感知する光感知部と、該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記被掲示物を照らしめる制御部とを備える。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本発明の発光掲示装置は、被掲示物が着脱可能に取付けられる構成である本体と、該本体に取付けられた前記被掲示物を照らす照明部と、該照明部と電気的に接続されると共に、前記照明部に電気を供給する電源部と、前記本体の周囲の光を感知する光感知部と、該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記被掲示物を照らしめる制御部とを備える。
【0010】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明の発光掲示装置は、印刷が施されると共に、印刷が施された面である印刷面の全面を照らす照明部と、該照明部と電気的に接続すると共に、前記照明部に電気を供給する電源部と、前記照明部の周囲の光を感知する光感知部と、該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記印刷面を照らしめる制御部とを備える。
【0011】
ここで、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて被掲示物(印刷面)を照らしめる制御部によって、例えば、昼間、空が厚い雲に覆われて暗くなった場合や、日没間近の時に暗くなった場合や、日没後に暗くなった場合に、被掲示物(印刷面)を照らすようにできる。
【0012】
なお、本明細書で言う「所定の暗さ」とは、人が一般的に文字や絵などを見るに際して暗いと感じる暗さを意味する。
【0013】
また、本発明の発光掲示装置において、照明部は、LEDと、LEDを光源とする導光板とで構成された場合、例えば被掲示物がシート状の印刷物であれば、印刷物全面を照らしやすくなる。
【0014】
また、本発明の発光掲示装置において、電源部は、太陽光を利用して発電した電気を照明部に供給する太陽光電源部とすることができる。
また、本発明の発光掲示装置において、太陽光電源部は、上下に角度変更可能に構成された場合、太陽の位置に応じて太陽光が当たるよう太陽光電源部の角度を変更できるので、効率よく発電することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る発光掲示装置は、夜間においても被掲示物の視認が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の発光掲示装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の発光掲示装置のソーラーパネルが、正面を向いた場合の概略側面図(a)と上を向いた場合の概略側面図(b)である。
【図3】本発明の発光掲示装置の他の構成例を示す概略図である。
【図4】本発明の発光掲示装置の使用例を示す概略図である。
【図5】従来の掲示装置の概略正面図(a)と概略側面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の発光掲示装置の一例を示す概略図である。また、図2は、本発明の発光掲示装置のソーラーパネルが、正面を向いた場合の概略側面図(a)と上を向いた場合の概略側面図(b)である。
【0018】
本発明の発光掲示装置1は、ポスター(被掲示物の一例である。)3の印刷面とは反対側の面が着脱可能に取付けられる構成であると共に、取付けられたポスター3の印刷面の全面を、印刷面とは反対側の面から照らす照明部2を備える。
【0019】
また、照明部2は、ポスター3が取付けられる透明アクリル板である導光板2Aと、導光板2Aの側面から導光板2Aを照らすLED(発光ダイオード)2Bとで構成される。
【0020】
また、ポスター3は、透明シート5の一方の面に貼り付けられた状態で、導光板2Aに取付けられるが、被掲示物を着脱可能に取付けることができれば、必ずしもこの方法に限定されるものではない。
また、透明シートとしては、例えばアクリルシート、ポリカーボネートシート、ポリエステルシート、ポリスチレンシートが挙げられる。
【0021】
また、本発明の発光掲示装置1は、照明部2と電気的に接続されると共に、照明部2に太陽光を利用して発電した電気を供給する太陽光電源部即ちソーラーパネル(電源部の一例である。)4を備える。
【0022】
また、ソーラーパネル4は、脚部7によって上下に角度変更が可能なように構成されている。即ち、図2に示すように、脚部7が略中央部を軸にして回動することで、脚部7に取付けられたソーラーパネル4は、上下に角度変更が可能となる。
また、脚部7は、照明部2に取付けられた支持部6の上面に設置されている。
【0023】
また、図示していないが、本発明の発光掲示装置1は、ソーラーパネル4が照明部2に供給する電気を蓄電する蓄電部と、照明部2の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部2(LED2B)を作動させてポスター3を照らしめる制御部とを備える。
【0024】
ここで、光感知部が所定の暗さを感知すると、蓄電部に蓄電された電気が使用されて、照明部2がポスター3を照らす。
【0025】
ここで、制御部は、光感知部が所定の暗さを感知しなくなった場合、即ち、例えば夜が明けて明るくなった場合、若しくは、厚い雨雲が去って日が差し始めた場合、照明部を停止させて被掲示物(印刷面)を照らすことを止めさせる。
【0026】
また、ポスターなどの印刷物の印刷された箇所(面)が照明部によって照らされれば良いので、例えば、照明部の表面に印刷を施して、印刷物と照明部を一体化することもできる。
【0027】
ここで、本発明の発光掲示装置が、被掲示物若しくは印刷面を照らす照明部と、照明部と電気的に接続されると共に、照明部に電気を供給する電源部と、照明部の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて被掲示物を照らしめる制御部とを備えるのであれば、必ずしも太陽光電源部であるソーラーパネルを用いなくてもよく、また、ソーラーパネルは上下に角度変更可能に構成されていなくてもよい。
【0028】
しかし、電源部が太陽光電源部であるソーラーパネルであり、ソーラーパネルが上下に角度変更可能に構成されていれば、太陽の位置に応じて太陽光が当たるよう太陽光電源部の角度を変更でき、効率よく発電することができるので好ましい。
また、フォトレジスターなどを利用して、ソーラーパネル4が太陽光を追跡するようにしてもよい。
【0029】
また、本発明の発光掲示装置が、被掲示物若しくは印刷面を照らす照明部と、照明部と電気的に接続されると共に、照明部に電気を供給する電源部と、照明部の周囲の光を感知する光感知部と、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて被掲示物を照らしめる制御部とを備えるのであれば、必ずしもLEDを用いなくてもよく、例えば蛍光灯を用いてもよい。
【0030】
また、照明部に電気を供給できるのであれば、必ずしも太陽光電源部であるソーラーパネルを用いなくてもよく、例えば風力を利用して発電した電気を照明部に供給する電源や、商用電源を用いることもできる。また、ソーラーパネルと商用電源を併用することもできる。
【0031】
ここで、ソーラーパネルと商用電源を併用する場合、雨天や曇りの日が続いて、ソーラーパネルによる発電が不充分でも、商用電源を使うことができるので、電気は安定して照明部に供給される。
【0032】
図3は、本発明の発光掲示装置の他の構成例を示す概略図である。
図1や図2に示す例では、照明部2に直接、ポスター3を取付けているが、図3に示すように、ポスター3の印刷面とは反対側の面が透明な本体1Aに取付けられ、ポスター3の印刷面の全面を、本体1Aのポスター3が取付けられた面とは反対側の面から照らすシート状のLED2Bを、本発明の発光掲示装置1は備えるようにしてもよい。
【0033】
また、図3に示す例において、シート状のLED2Bの代わりに、図2に示すような導光板2AとLED2Bとで構成された照明部を使用することができるのは勿論である。
【0034】
また、図1〜3は、ソーラーパネル4を照明部2の上部にのみ取付けた例を示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、照明部の下部にソーラーパネルを取付けてもよいし、照明部の上部、下部及び左右側部にそれぞれソーラーパネルを取付けてもよい。
【0035】
図4は、本発明の発光掲示装置の使用例を示す概略図である。
図4に示すように、選挙候補者に関する情報が印刷されたシート状のポスターが照明部に取付けられた本発明の発光掲示装置1は、左右側部にそれぞれ支柱8が取付けられて、屋外に設置される。
【0036】
そして、昼間、ソーラーパネルが発電して照明部に供給される電気は、蓄電部に蓄電しておき、光感知部が照明部の周囲の所定の暗さを感知すると、蓄電された電気が照明部に供給されて、照明部がポスターを、印刷面とは反対側の面から照らして、図4に示すように、本発明の発光掲示装置1に掲示されたポスターは、夜間でも目立つ存在となる。
【0037】
また、本発明の発光掲示装置を、ポスターが貼り付けられる掲示板として使用した例を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
その他にも例えば、被掲示物としてピクトグラムが印刷されたプラスチックフィルム等を、照明部若しくは本体に取付けて、本発明の発光掲示装置を、老人ホームや病院において設置される避難口誘導灯として利用できる。
【0038】
また、被掲示物として名前などが書かれたシートを、照明部若しくは本体に取付けて、本発明の発光掲示装置を、戸建の表札や、郵便受けの一部に利用できる。
また、被掲示物として広告若しくは店舗名が印刷された透過性の物を、照明部若しくは本体に取付けて、本発明の発光掲示装置を、屋外広告看板若しくは店舗店名看板として利用できる。
【0039】
また、被掲示物として赤白青の三色の縞模様が印刷された透過性の物を、照明部若しくは本体に取付けて、本発明の発光掲示装置を、理容院や美容院のサインポールとして利用できる。
【0040】
また、被掲示物として時刻表を、照明部若しくは本体に取付けて、本発明の発光掲示装置を、バス停留所の時刻表示板として利用できる。
【0041】
このように、本発明の発光掲示装置は、光感知部が所定の暗さを感知した場合に、照明部を作動させて被掲示物(印刷面)を照らしめる制御部を備えるので、例えば、昼間、空が厚い雲に覆われて暗くなった場合や、日没間近の時に暗くなった場合や、日没後に暗くなった場合に、被掲示物(印刷面)を照らすようにできる。
【0042】
従って、本発明の発光掲示装置は、夜間においても被掲示物の視認が容易である。
【0043】
また、本発明の発光掲示装置は、このように夜間において照明部が被掲示物(印刷面)を照らすので、例えば街灯が乏しい路上に本発明の発光掲示装置を設置しておけば、街灯の代わりとなると共に、防犯にも役立つ。
【0044】
また、本発明の発光掲示装置は、照明部として導光板を使用しているので、ポスターの全面積を照らすことができる。
【0045】
また、本発明の発光掲示装置は、ソーラーパネルを備えているので、CO削減効果があり、自然エネルギーである太陽光を利用するため、電気代は0円になり経済的にコストが掛からず、さらに、配電設備が整備されていない田園地帯や山岳地帯では、誘導板として利用されて遭難の回避に役立つ。
【0046】
また、ソーラーパネルは上下に角度変更が可能なように構成されているので、ソーラーパネルに直射日光が当たる時間が最長となる位置にソーラーパネルを合わせることができ、効率良く発電することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 発光掲示装置
1A 本体
2 照明部
2A 導光板
2B LED
3 ポスター
4 ソーラーパネル
5 透明シート
6 支持部
7 脚部
8 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被掲示物が着脱可能に取付けられる構成であると共に、取付けられた前記被掲示物を照らす照明部と、
該照明部と電気的に接続されると共に、前記照明部に電気を供給する電源部と、
前記照明部の周囲の光を感知する光感知部と、
該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記被掲示物を照らしめる制御部とを備える
発光掲示装置。
【請求項2】
前記照明部は、LEDと、該LEDを光源とする導光板とで構成された
請求項1に記載の発光掲示装置。
【請求項3】
前記電源部は、太陽光を利用して発電した電気を前記照明部に供給する太陽光電源部である
請求項1または請求項2に記載の発光掲示装置。
【請求項4】
前記太陽光電源部は、上下に角度変更可能に構成された
請求項3に記載の発光掲示装置。
【請求項5】
前記照明部は、シート状のLEDである
請求項1に記載の発光掲示装置。
【請求項6】
被掲示物が着脱可能に取付けられる構成である本体と、
該本体に取付けられた前記被掲示物を照らす照明部と、
該照明部と電気的に接続されると共に、前記照明部に電気を供給する電源部と、
前記本体の周囲の光を感知する光感知部と、
該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記被掲示物を照らしめる制御部とを備える
発光掲示装置。
【請求項7】
前記本体は前記照明部を光源とする導光板であり、前記照明部はLEDを有して構成された
請求項6に記載の発光掲示装置。
【請求項8】
前記電源部は、太陽光を利用して発電した電気を前記照明部に供給する太陽光電源部である
請求項6または請求項7に記載の発光掲示装置。
【請求項9】
印刷が施されると共に、印刷が施された面である印刷面の全面を照らす照明部と、
該照明部と電気的に接続すると共に、前記照明部に電気を供給する電源部と、
前記照明部の周囲の光を感知する光感知部と、
該光感知部が所定の暗さを感知した場合に、前記照明部を作動させて前記印刷面を照らしめる制御部とを備える
発光掲示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−145606(P2012−145606A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1468(P2011−1468)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(505466457)株式会社パナックスメディア (3)
【Fターム(参考)】